武内Pと蘭子がメインの話です。
アニメの設定借りてますが前提が色々変えてます。
キャラ崩壊注意。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1476636579
カタカタ。
キーボードの打鍵音が心地良いリズムで響く。
部屋の中には彼一人だけ。
武内P「ふぅ…」
一息つく。
時計を見ると針は10時を指していた。
とあるWebサイトを開く。
"シンデレラ相談室"
チャットをメインに扱っているサイトである。
ここに訪れることが最近の日課となっていた。
武内P「今日はいらっしゃいますかね」
独り言を漏らすが当然返事はない。
彼の求める相手はパソコンの向こう側だ。
ディスプレイを確認する。
"参加者なし"
武内P(しばらく待ってみますか)
参加ボタンをクリックする。
"参加者:くま"
くま、というのは彼のチャットネームだ。
しばらくディスプレイを眺めていたが、
喉の渇きを覚えたためコーヒーを淹れるため席を立つ。
疲労の為か几帳面な彼にしては珍しく、
測りを使わずにコーヒー粉を入れる。
コーヒーを蒸らした後にお湯を注ぎ抽出する。
部屋中にコーヒーの香りが満たされていく。
ピコン
一連の作業を終えた処でパソコンの電子音が響いた。
コーヒーをカップに注ぎパソコンの前へ戻る。
椅子に座りディスプレイを確認すると参加者が増えていた。
"参加者:くま、堕天使"
堕天使『おーす、調子はどうよ』
武内P(くま)『こんばんわ、堕天使さん』
武内P(くま)『名刺を受け取って貰えませんでした』
堕天使『はは、手厳しい相手みたいだな』
武内P(くま)『自分が不器用なんだと思います』
堕天使『知ってるよ』
堕天使『でもそんなに魅力的な子なのか?』
武内P(くま)『はい、とても』
……
珍しく堕天使の反応が遅い。
席を立ってしまったのか別の作業をしているのか。
堕天使『ま、がんばれや』
武内P(くま)『はい、ありがとうございます』
堕天使『ところで---』
武内P(くま)『はい』
他愛もない話が続く。
お互い顔も名前も知らない。
知っている事はお互いプロデューサーという職業だけ。
あとはチャットでのやり取りで得られた情報のみ。
奇妙な関係ながらも彼は心地よさを感じていた。
むしろそういう相手だからこそ、
色々な相談出来ているのだと思う。
武内P(くま)『今日もありがとうございました』
堕天使『気にすんなって』
武内P(くま)『はい』
堕天使『もう大丈夫なのか?』
キーを打つ手が止まる。
動悸が荒くなり助けを求めるように
近くの書類に手が伸びる。
"シンデレラプロジェクト"
表拍子にそう書かれていた。
一度深呼吸を行いその文字を見つめる。
動悸が少しずつ落ち着いていく。
武内P(くま)『恥ずかしながらリハビリ中…ですかね』
堕天使『仕方ないよ、無理するな』
武内P(くま)『それでは、おやすみなさい』
堕天使『おう、またな』
パソコンの電源を落としベッドに横になる。
1日中歩いてた疲労感からか、すぐに眠りに落ちていった。
***
武内P「はい。進捗は滞りなく」
電話の向こうの上司と話していた。
手元の資料を見ながら話しを進める。
武内P「はい、残りメンバーもほぼ決定しております」
武内P「それでは、失礼します」
ピッ。
携帯の通話を切る。
と同時に計らったように最後から声が聞こえた。
杏「ふーん」
武内P「!?」
武内P「い、いらしたんですか」
杏「まぁね~。電話の声で起きちゃった」
杏「まだメンバー集まってないの?」
武内P「はい、あと3名ほど」
杏「ふ~ん、もっと時間かけてもらっていいよー」
武内P「はぁ」
杏「その方がいっぱいサボれるし」
武内P「それとこれとは…」
杏「そんじゃ杏はもうひと眠りするから」
武内P「はぁ…」
よいしょ。
聊か年より臭い声をあげソファーに横になる。
杏「んじゃー、お休みー。
あ、気にしなくて良いから」
武内P「…」
杏「zzZZ」
しばらくすると寝息が聞こえてきた。
…相変わらずマイペースな人だ。
***
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