アンチョビ「いやー、買い付け大成功だな!これで露店の売り上げも上昇、P40の修理費用も早く集まるぞ!」
カルパッチョ「ここの小麦粉が一番安くて美味しいって評判ですものね」
アンチョビ「それにしてもペパロニのやつ、『私が行ってもわからないから、車で待ってるっす』だなんて、副長としての自覚が足りてないんじゃないのか?」
カルパッチョ「まあまあドゥーチェ、ペパロニさんも朝から運転で疲れてるんですよ」
アンチョビ「うーん……確かに、朝早くから運転しっぱなしだったからな」
カルパッチョ「ええ。きっと待ってる間に少しでも寝たかったんですって」
アンチョビ「そうか……よし、帰ったらパスタでも作ってやるか!」
カルパッチョ「きっと喜びますよ……あら?」
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アンチョビ「どうしたんだ?」
カルパッチョ「ペパロニさん、運転席で何か読んでるみたいです」
アンチョビ「あいつが読書?まさか、どうせ漫画か何かだろ?」
カルパッチョ「いえ、雑誌みたいですけど……ずいぶん真剣な顔で読んでますね」
アンチョビ「本当だな。訓練の時より真面目な顔してるぞ……あっ、こっちに気付いた」
カルパッチョ「すぐ鞄にしまっちゃいましたね。なんだか慌ててるみたい」
ペパロニ「姐さん、ずいぶん遅かったっすね!待ちくたびれちゃいましたよ!」
アンチョビ「すまなかったな。それよりお前、真剣な顔して何読んでたんだ?」
ペパロニ「何って……別になんでもいいじゃないっすか。そんなことより、早く帰りましょうよ!」
アンチョビ「あ、ああ……」
アンチョビ(この反応、一体どうしたんだ?)
ペパロニ「ふー、着いた着いた」
カルパッチョ「ペパロニさん、お疲れさまでした」
アンチョビ「ご苦労だったな。ペパロニ、食事でもどうだ?」
ペパロニ「マジっすかドゥーチェ!それじゃ、食堂行きましょうよ!久しぶりに和食が食べたいっす!」
アンチョビ「和食?いいぞ。カルパッチョはどうする?」
カルパッチョ「すみません、私は少し用事があるので……」
アンチョビ「そうか。じゃ、行くぞペパロニ」
ペパロニ「もちろんドゥーチェのおごりっすよね!」
アンチョビ「えぇ!?しょうがないなぁ……ま、朝から運転させたしな。別にいいよ」
ペパロニ「さっすがドゥーチェ!気前がいいっす!そうと決まればなくなっちゃう前に行きましょう!」
ペパロニ「あれ?姐さんも和食っすか。珍しいっすね」
アンチョビ「たまに食べたくなるんだよな、やっぱり日本人だし」
アンツィオ生「ドゥーチェ!ペパロニ姐さん!こんちはっす!」
アンチョビ「おお、お前もランチか?」
アンツィオ生「いや、自分はもう食べ終わって……あっ、ペパロニ姐さん、ちょっといいっすか?新しい屋台のことで少し相談があるんすけど」
ペパロニ「えぇ?しょうがねえなぁ……ドゥーチェ、ちょっとすみません!」
アンチョビ「うん。気にするな」
アンチョビ(なんだ、あいつもなんだかんだで副長として慕われてるじゃないか……あれ?あいつのカバン、開いてる。まったく不用心なやつだな)
アンチョビ「そういえば、さっき何を読んでたんだ?」
アンチョビ(ちょっと覗くだけなら……いいよな……?)
アンチョビ「はあ!?」
アンチョビ(これ、沙織から貰ったゼクシィ!?なんであいつのカバンに……)
ペパロニ「姐さん!お待たせしました!」
アンチョビ「……!い、いや!全然待ってないぞ!」
ペパロニ「先に食べちゃっててよかったのに、待っててくれたんすね!」
アンチョビ「せっかくだし、一緒に食べたかったからな」
アンチョビ(ペパロニがゼクシィ……ゼクシィといえば結婚……ペパロニが結婚!?……いやいや、そんなわけないよな。第一、相手がいないだろ)
ペパロニ「マジっすか!ありがとうございます!それじゃ、さっさと食べちゃいましょう」
アンチョビ「そ、そうだな!」
ペパロニ「いやー、ミネストローネやアクアコッタも美味いっすけど、たまには味噌汁もいいっすねえ!」
アンチョビ「うんうん、その通りだ」
ペパロニ「なんか嬉しそうっすね。どうしたんすか?」
アンチョビ「今日の味噌汁は赤味噌だろ?地元を思い出してな」
ペパロニ「姐さんの地元……確か、名古屋でしたっけ?」
アンチョビ「違う!豊田だ!確かに名古屋の方が有名だけどな、いいところなんだぞ!」
ペパロニ「そうなんすか?」
アンチョビ「ああ!いつか案内してやる!」
ペパロニ「めちゃめちゃ楽しみっす!」
アンチョビ「そうだろうそうだろう。楽しみにしておけ」
ペパロニ「姐さんのご両親にも、一度ちゃんと挨拶しなきゃいけないっすもんね!」
アンチョビ「そうだろうそうだろう……あれ?」
アンチョビ(両親に挨拶?)
ペパロニ「姐さん、たまには和食も作ってくださいよ!姐さんの味噌汁、飲んでみたいっす!」
アンチョビ「和食?いいけど、あんまり自信ないぞ?」
ペパロニ「大丈夫っす!姉さんの味噌汁だったら、毎食だって飲みます!」
アンチョビ「お前、高血圧で死ぬぞ……せめて毎朝にしろ」
ペパロニ「それもそうっすね!じゃ、毎朝飲みたいっす!」
アンチョビ(毎朝私の味噌汁が飲みたい?)
アンチョビ「な、なあペパロニ」
ペパロニ「なんすか?」
アンチョビ「お前、その……なんだ。付き合ってる彼氏とか……いるのか?」
ペパロニ「彼氏?やだなぁ姐さん!いるわけないじゃないっすか!」
アンチョビ「そうか。そりゃそうだよな」
ペパロニ「毎日姐さんのお守りで大変っすもん。そんな暇も出会いもないっすよ」
アンチョビ「私のお守りだと!?逆だろ!私がお前の面倒を見てやってるんだ!」
ペパロニ「ええー?そうっすか?」
アンチョビ「そうなの!私がお前のお守りをしてやってるの!」
ペパロニ「うーん……確かにずっと一緒にいますもんね。もう姐さんが彼氏みたいなもんかもしれないっすね」
アンチョビ「ば、バカ言うんじゃない!ほら!早く食べちゃうぞ!午後は訓練があるんだからな!」
アンチョビ(ペパロニのやつ、まさか私と結婚する気なのか!?)
~~~~
沙織「間違いないです。結婚を意識してます」
アンチョビ「やっぱりそうなのか?」
沙織「他に何か、ペパロニさんの言動で気づいたこととかはないんですか?」
アンチョビ「うーん……そういえばこないだ、マジノ女学院に行った帰りに……」
~~~~
ペパロニ「練習試合の申し出、受けてもらえてよかったっすね!」
アンチョビ「大学選抜との試合で大分有名になったからな!アンツィオももう強豪の仲間入りだ!」
ペパロニ「それはさすがにまだ早いんじゃないっすかねー……」
アンチョビ「いいんだ!アンツィオは強豪校の一角なんだ!……それより、留守番をしてくれてるカルパッチョに何か土産を買ってってやらないとな」
ペパロニ「そうっすねー……姐さん姐さん、ちょうど良さそうな店がありますよ」
アンチョビ「雑貨屋かぁ。あいつこういう小物とか好きそうだしな。寄ってみるか」
ペパロニ「了解っす!」
アンチョビ「ふーん、小さい店のわりに結構品揃えがいいんだな。おっ、アクセサリーか」
ペパロニ「姐さん、これなんてどうっすか?」
アンチョビ「巾着?」
ペパロニ「ほら、カルパッチョってクライミングやるじゃないっすか。小物を入れるのに便利かなって」
アンチョビ「なるほどな。じゃ、これにするか」
ペパロニ「姐さんは何見てたんすか?」
アンチョビ「ちょっとアクセサリーをな」
ペパロニ「へー、可愛いっすねー……これとかおしゃれっすね」
アンチョビ「ペパロニもこういうのが好きなのか。なんだか意外だな」
ペパロニ「意外って何すか姐さん。ひどいっすよ」
アンチョビ「いや、なんかお前の私服ってボーイッシュなイメージがあるから……」
ペパロニ「そりゃまあ、そんなに詳しくはないっすけど……ところで、ドゥーチェって好きなアクセサリーのブランドとかあります?」
アンチョビ「ブランド?どうしたんだいきなり……そんな高いものなんて買ったことないぞ」
ペパロニ「デザイン的にとかでいいっすよ」
アンチョビ「うーん……そうだな……イタリアのダミアーニっていうブランドかな」
ペパロニ「『ダミアーニ』っすね。覚えときます!」
アンチョビ「おいおい、そんなこと覚えるより作戦を覚えてくれよー!」
ペパロニ「それもそうっすね!」
~~~~
アンチョビ「こんなことがあったな」
沙織「好きなアクセサリーのブランドを聞いてくる……それって、結婚指輪のためのリサーチですよ!」
アンチョビ「ええ!?結構高いやつだぞ!?」
沙織「きっと屋台の売り上げ三か月分の指輪を注文してプロポーズする気なんですよ!恋愛マエストロの目に狂いはありません!」
アンチョビ「三か月分か……確かに、それくらいあれば……」
沙織「それで、どうするんですか?」
アンチョビ「どうするって……何がだ?」
沙織「ペパロニさんのプロポーズ、受けるんですか?」
アンチョビ「ペパロニのプロポーズか……うーん、確かにあいつとはそれなりに長い付き合いだけど、一足飛びに結婚って言われても実感がわかないっていうか……そもそも女同士だし……」
沙織「それじゃ、ペパロニさんと結婚したらどうなるかをイメージしてみましょう!」
アンチョビ「ペパロニと結婚したらか……あいつも私も料理が得意だから、二人でトラットリアを開くとか……」
~~~~
ペパロニ「今日も大繁盛でしたね、ドゥーチェ!」
アンチョビ「アンツィオ仕込みのパスタだからな!当然だ!」
ペパロニ「開店したばっかのときは知り合いが来るぐらいだったのに、随分お客さんが来てくれるようになったっすね」
アンチョビ「それもこれも、お前が頑張ってくれたおかげだよ……」
ペパロニ「いやだなー。広告とか仕入れとか、ドゥーチェが色々と考えてくれたおかげっすよ!」
アンチョビ「そうか……ありがとうな。この調子なら、もうそろそろ支店のことを考えても……」
ペパロニ「あと、大洗の元生徒会長が教えてくれた干し芋パスタ!あれも人気メニューっすもんね!最初に会ったときは高慢ちきなやつかと思いましたけど、話してみたらすごくいい人だったっすね!それに高校を卒業してからめちゃめちゃ美人になってて、びっくりしました!」
アンチョビ「むっ…………」
ペパロニ「ドゥーチェ?どうしたんすか?」
アンチョビ「……なんでもない」
ペパロニ「もしかして、焼きもちっすか?」
アンチョビ「……違うぞ」
ペパロニ「いやー、ドゥーチェって意外と焼きもち焼きですもんね。結婚するまでわかんなかったっすよ」
アンチョビ「違うって言ってるだろ!それに……二人の時は『千代美』って呼べっていつも言ってるじゃないか……」
ペパロニ「……あー、もう!ドウーチェ!可愛すぎっす!」
アンチョビ「だから千・代・美!……って、おい、ちょっと、や、やぁ……まだ片付けが終わってないのに、あっ……」
~~~~
沙織「やだもー!」
アンチョビ「ダ、ダメダメ、ダメだぞ!そういうのは結婚してからじゃないと!」
沙織「二人は結婚してる設定じゃないですか、もー」
アンチョビ「ああ……そういえばそうだった……しかしトラットリアなのに『ディレットリーチェ』でも『パドローネ』でもなく『ドゥーチェ』って……」
沙織「名乗らないんですか?『ドゥーチェ』」
アンチョビ「……たぶん名乗るけどさぁ……」
沙織「うーん、でもペパロニさんって案外女子力高いし、専業主婦ってのもありかもしれないですね」
アンチョビ「あいつが主婦ってことは、私が外で働くのか……」
沙織「一日働いて疲れたアンチョビさんを、エプロン姿で出迎えてくれるペパロニさん……」
~~~~
ペパロニ「ドゥーチェ!おかえりなさいっす!」
アンチョビ「ああ、ただいま。起きてたのか。先に寝ててもよかったのに」
ペパロニ「なに言ってるんすか!妻は夫より先に寝ちゃいけないし、夫より遅く起きてもいけないんすよ!なんかの歌で言ってました!」
アンチョビ「何年前の歌だよ……でも、ありがとうな」
ペパロニ「どういたしましてっす!さあさあ、晩御飯できてますよ!今日はドゥーチェの好きなカルパッチョもあるっす!」
アンチョビ「おお!本当か!?」
ペパロニ「準備するんで、早くお風呂に入っちゃってください!ほっぺた落ちても知らないっすよ!」
アンチョビ「うん、美味いな!」
ペパロニ「腕によりをかけましたからね!どうっすか?ほっぺた落ちちゃいますか!?」
アンチョビ「ああ、押さえてないと落ちちゃいそうだよ」
ペパロニ「マジっすか!じゃ私が押さえときます!」
アンチョビ「おいおい、冗談に決まってるだろ!」
ペパロニ「なーんだ、冗談っすか」
アンチョビ「でも、美味しいのは本当だよ。いつもありがとうな、ペパロニ」
ペパロニ「いやいや、ドゥーチェこそいつもお仕事ご苦労様っす……そういえば今日、人間の方のカルパッチョの家に遊びに行ったんすよ」
アンチョビ「カルパッチョの?そうか。あいつは私たちより二年早く結婚したから……今年で五年か。元気でやってたか?」
ペパロニ「めちゃめちゃ元気でしたよ!すっかりたかちゃんを尻に敷いてるみたいっす!」
アンチョビ「やっぱりそうなったのか……子供は今年で三歳だったっけな」
ペパロニ「いやー、すごく元気で遊んでても疲れるっすよ……そういや、Ⅲ突のチームメイトが隙あらば自分たちの得意分野を教え込もうとして大変だー、って言ってました」
アンチョビ「あいつらも早く結婚すればいいのになぁ……」
ペパロニ「あの、ドゥーチェ」
アンチョビ「どうした?」
ペパロニ「うちもそろそろ……どうっすか?」
アンチョビ「どうって……そうだな、そろそろいい時期かもしれないな」
ペパロニ「マジっすか!それじゃ早速!」
アンチョビ「おい!せめてベットに行ってから……」
ペパロニ「何言ってんすか!善は急げっす!」
アンチョビ「ちょっ……やぁ……せめて明かりを消してから……」
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沙織「やだもー!」
アンチョビ「子供か……女の子ならオリーブとかかな……」
沙織「ソウルネームを付けるのは確定なんですね……ってか、アンツィオ以外の高校に行けなそうですねそれ」
アンチョビ「……確かに、子供の将来を狭めるのは良くないな……」
沙織「それで、どうするんですか?」
アンチョビ「どうするって……うーん……」
沙織「絶対お似合いの二人ですよ!」
アンチョビ「お似合いかぁ……」
沙織「それに、もしアンチョビさんと結婚しなかったらペパロニさん……」
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ペパロニ「この紙にサインすればいいんすね!わかったっす!」
ペパロニ「れんたいほしょうにん……なんすかそれ?」
ペパロニ「こ、こんな額、払えるわけ……!」
ペパロニ「どうしてこんなことに……ドゥーチェ、助けてください……」
~~~~
アンチョビ「なにー!どこに行けばいいんだ!?P40ですぐ行くぞ!Avanti!」
沙織「アンチョビさん、落ち着いて!もしもの話だから!借金が返せなくてとんでもないことになってるペパロニさんはいないから!」
アンチョビ「そ、そうか……でも、ペパロニならあり得ないとも言い切れないんだよなぁ……」
沙織「そうですよね……」
アンチョビ「とにかく、もう少し自分で考えてみる」
沙織「アンチョビさん……『結婚には多くの苦痛があるが、独身には喜びがない』らしいですよ。ダージリンさんが言ってました」
アンチョビ「……ありがとうな、沙織」
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アンチョビ(しかし、ペパロニがなぁ……いつからそういう目で見てたんだ……?)
ペパロニ「あっ、ドゥーチェ!」
アンチョビ「ひゃいっ!?」
ペパロニ「どうしたんすかそんな変な声上げてー!」
アンチョビ(こいつ、人の気も知らずにー!)
アンチョビ「う、うるさい!考え事をしてたんだ!それで、何の用だ?」
ペパロニ「ああ、いや……ちょっと話があるんで、付いてきてもらえないっすか?」
アンチョビ「あ、ああ。わかった」
アンチョビ(ま、まさか……遂にプロポーズか!?指輪を渡されちゃうのか!?)
ペパロニ「着いたっす、姐さん」
アンチョビ(戦車道の教室……思い出の場所でプロポーズする気か!)
ペパロニ「実は姐さんに見てもらいたいものがあって……」ゴソゴソ
アンチョビ(ポケットに指輪のケースが入ってるのか!?もっとちゃんとしたところにしまえよなぁ……)
アンチョビ「あ、あのな!ペパロニ!」
ペパロニ「はい?どうしたんすか?」
アンチョビ「その……私なりにお前とのこととか色々と考えたんだけどな……やっぱり、今はまだそれを受け取るわけにはいかない」
ペパロニ「そんな!なんでですか!?」
アンチョビ「私たちには、まだ早すぎるんだ……」
ペパロニ「でも、ドゥーチェだっていつも『お前の鉄板ナポリタンは絶品だ』って誉めてくれるじゃないですか!」
アンチョビ「それはそうだけどさ……せめて私が大学を卒業してから……」
ペパロニ「それじゃ遅すぎるっす!」
アンチョビ「……そんなことないさ。私はずっとお前のそばにいてやる。だから、もう少し今のままでいないか?」
ペパロニ「ドゥーチェ……」
アンチョビ「もし私が大学を卒業して、それでもお前の気持ちが変わってなかったら……そのとき、それを渡してほしい。私も用意しておくからさ、二人で指輪を交換しよう」
ペパロニ「……指輪?姐さん、何言ってるんすか?」
アンチョビ「え?いや、だって、お前私に指輪を渡そうとしたんじゃ……」
ペパロニ「姐さんに見てもらいたいのはこれっすよ。新しい屋台の見取り図。今回は華やかな雰囲気にしてみました」
アンチョビ「……だってお前、ゼクシィ読んで結婚について考えてたんじゃ……」
ペパロニ「なんか恥ずかしくて隠してたのに、知ってたんすか……式場ってオシャレな建物多いっすから、参考にしようと思って」
アンチョビ「好きなブランドとか聞いてきたのは……」
ペパロニ「いやー、この企画のためにファッションの勉強とかしようとしたんすけどよくわかんなくて、とりあえずそこから始めようかなー、と」
アンチョビ「うちの両親にあいさつとか……」
ペパロニ「姐さんのご両親っすからね!そりゃ挨拶しなくちゃいけないっすよ!」
アンチョビ「私の味噌汁を毎朝飲みたいとか……」
ペパロニ「姐さんの作る料理なら、なんでもウェルカムっす!」
アンチョビ「そ、そうか……そうだったのか……」
ペパロニ「それで、どうっすかこの屋台。自分で言うのもなんだけど、けっこういい線いってると思うんすよ!」
アンチョビ「ああ……いいんじゃないかな……」
ペパロニ「マジっすか!じゃ、これでいきますね!」
アンチョビ「うん……よろしくな……」
~~~~
カルパッチョ「へー、そんなことがあったんですね」
アンチョビ「まったく、真剣に考えた私がバカみたいじゃないか!」
カルパッチョ「でも、真剣に考えてあげたんですね」
アンチョビ「そりゃ他ならぬペパロニのことだし……」
カルパッチョ「もし本当に、大学を卒業するときにプロポーズされたらどうするんですか?」
アンチョビ「うーん……どうするのかなぁ……その時にならないと……」
カルパッチョ「きっと大丈夫ですよ、ドゥーチェ」
アンチョビ「え?」
カルパッチョ「だって私たちには、ノリと勢いがあるじゃないですか!」
アンチョビ「……そうだな!その時のノリと勢いで決めればいいんだよな!」
ペパロニ「おーい!ドゥーチェー、カルパッチョー!早くいかないと、約束の時間に遅れちゃいますよー!」
アンチョビ「ああ!今行くー!」
カルパッチョ(……友人代表のスピーチ、今から考えておかなきゃ!)
以上です。
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【ガルパン】西住みほ「あの……私、戦車道、やめます……」
【ガルパン】西住みほ「あの……私、戦車道、やめます……」 - SSまとめ速報
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