【ガルパン】みほ「猛特訓です!」 (38)
・大会優勝後のお話
・ネタバレ&キャラ崩壊注意
やってやるぞ
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桃「全員注目!」
杏「やぁやぁみんなご苦労さん。今日はみんなに話があるんだ」
みほ(話? なんだろう)
杏「大会が終わって廃校が無くなって一安心ってのもわかるんだけど、この先も大会や練習試合はあると思うし、せっかくやるなら勝ちたいよねー?」
典子「勝つために練習していますからね!」
エルヴィン「もちろん!勝てば官軍負ければ賊軍だ!」
梓「私もやるからには勝てるよう頑張りたいです!」
杏「うんうん」
杏「そ・こ・で・だ・ね」
杏「また教官を呼んで指導してもらうことにしたよ!」
全員「おおー!」
みほ「教官ってこの間来て下さった蝶野さんですよね?」
杏「そうそう♪」
おりょう「懐かしい。あの頃は操縦すら満足に出来なかった頃ぜよ」
桂利奈「ぬかるみにハマったなぁ」シミジミ
杏「というわけで、試合会場を貸し切りにして指導してくれるから明日は6時に集合ね♪」
全員「はーい!」
麻子「…また…早起きか…」
沙織「あはは…」
みほ(会長はもう少しゆとり持ってスケジュール設定して欲しいな…)
●翌日 試合会場
あけび「眠い…」
忍「まだ教官来てないし少しだけ寝てもいいよね?」
妙子「うん…」
典子「眠たいなら走るぞ!ホラついてこい!!」トテテテ
忍「キャプテン元気だなぁ」
妙子「若いって良いねぇ…」
あけび「」Zzz...
典子「お前たちのが若いだろがっ!!」ガーッ
沙織「やっぱ朝6時に集合はキツいよねぇ」
華「5時には起きてないといけませんからね」
麻子「」zzz
優花里「麻子殿が目を開けたまま寝てますね…」
みほ「あははは…」
ナカジマ「おい、なんか空から降ってくるぞ!」
ツチヤ「あれ戦車だよね!?」
ホシノ「あーあ…自販機がペチャンコに…」
スズキ「あれ?10式じゃなくティーガーじゃない?」
パカッ
蝶野「グッモーニン!みんなひさしぶりねっ!」
全員「おはようございまーす!!」
みほ(蝶野さんは相変わらずだね)
蝶野「うんうん、みんな元気そうで何より!今日もパーッとやるから宜しくね!」
全員「よろしくお願いしまーす!」
蝶野「それでね、今日は私の"センセイ"にも来てもらったからビシッバシやってくわよー!」
沙織「センセイ?誰だろ?」
しほ「私です」
みほ「げぇっ!?」
蝶野「こちらにいらっしゃる方は私の恩師でもある戦車道西住流家元の西住しほさんよ!」
優花里(西住流家元が直々いらっしゃるなんて…)
沙織(うわぁ…すごい威圧感)
麻子(おばぁとはまた違う怖さだ…)ガタガタ
しほ「初めまして。西住しほと申します。ご存知の方もいるかもしれませんが、そこにいるみほの母であり、西住流戦車道の師範をしている者です」
ガヤガヤ
みほ「ナンデオカアサンガ…」ブツブツ
沙織(みぽりん完全に魂抜けちゃってるよ…)
しほ「この度は角谷さんより戦車道の指導をして欲しいと依頼があったので、後継者育成と戦車道の繁栄のため協力することにしました」
みほ(おのれ会長…)ギリッ
しほ「特訓を開始する前に弟子を紹介します。二人とも来なさい」
優花里(まだ誰かいるんですか?!)
しほ「自己紹介」
まほ「…黒森峰女学園の隊長を務めている西住まほです」
エリカ「…同じく黒森峰女学園の副隊長、逸見エリカです」
みほ「は?」
みほ「はぁぁぁ!?」
カエサル「なんで黒森峰のトップ2が?!」
左衛門佐「さては偵察か!」
おりょう「こんな形で情報収集とはさすが黒森峰。大胆ぜよ」
しほ「黒森峰が敗北した責任として、この二人には特訓のサポートをしてもらいます。」
沙織(ふたりとも萎縮しちゃってるよ)
優花里(黒森峰の隊長と副隊長がものすごく小さく見えます…)
華(私たちに難癖つけてきたエリカさんが別人のようですわね…)
麻子(西住さんが転校した理由がよくわかる…)
しほ「では早速ですが特訓を行います。みほ、来なさい」
みほ「うえぇっ?!」
みほ「あなたは私たちの戦車に乗るのよ」
沙織「ちょっとまって!それじゃ私達の車長いなくなっちゃうじゃない!」
優花里「そうですよ!西住殿が居なくなったら誰が指示するんですか!」
しほ「確かに、隊長がいなくなることで指示系統が崩壊するわね」
麻子「わかっているなら何故そのようなことを?」
しほ「"隊長がいない場合どうするか"」
沙織「?」
しほ「試合中はイレギュラーな展開だってあるわ。例えば真っ先に隊長車が撃破されることも」
華「そんなことあるのですか?」
しほ「当然。指揮系統を寸断して敵チームを混乱させるのは重要な戦術の一つ」
しほ「統率の取れないチームは負けたも同然」
しほ「指揮する者がいなくなった場合『命令する人が不在なので降参します』とあなた達は言うつもりかしら?」
優花里「それは…」
麻子「だからこそ副隊長がいる」
しほ「そう。今回は副隊長が隊長として指揮を執る。そしてもう一人、副々隊長としてもう一人選びなさい」
あや「ウチらの副隊長って」
ジー
桃「…な、何だお前たち?」
全員「ハァー…」
桃「何だ貴様ら!言いたい事があるならハッキリ言え!!」
柚子「桃ちゃんが隊長…うっ」
桃「ゆずぅぅぅぅぅ!!」
杏「はーい教官、提案です!」
しほ「何でしょう」
杏「ウチらの副隊長はそこの河嶋なんですけど、ココはひとつ後輩たちに隊長・副隊長をやってもらうってのはどうですかねー?」
しほ「構わないわ」
河嶋「か、会長?!」
杏「ホラさ、ウチら3年じゃん?ウチらがやるのもいいんだけど、それより1年2年にやってもらった方がいいんじゃない?」
柚子「確かにそうですね」
杏「責任なすりつけるってワケじゃないけどさー、後継者育成って意味でね♪」
河嶋「なるほど…!」ホッ
柚子「あ、桃ちゃん安心したでしょ」
河嶋「し、しとらんわいっ!」
杏「というわけだからさ、2年と1年でリーダー決めちゃって~」
1・2年生「はーい!」
みほ「」ポカーン
しほ「何してるのみほ!さっさと戦車に乗りなさい!」
みほ「ひゃぁい!?!」タタタタッ
沙織「スパルタ教育だねー」
優花里「西住殿の苦労が伝わってきます」
みほ「」タタタッ…ピタッ
杏「?」
みほ「」ギロッ
杏「うっ…」
柚子「会長?」
杏「はは…西住ちゃんに『オマエあとで覚悟しとけよ?』って目で睨まれたよ…」
河嶋「え…」
杏「…血は争えないねぇ」ハハハ…
●ティーガー車内
みほ「………お姉ちゃん?」ジトッ
まほ「仕方ない…。蝶野教官が訓練の話をお母様にしたら二つ返事で参加すると言い出してな…」
みほ「どうしてそこで『敵に塩を送る真似はしないで下さい』と言わなかったの…」
まほ「言ったさ…。そしたらお母様は」
しほ『西住流に後退の二文字はありません』
まほ「…ってな」
みほ「お母さんの知性は確実に撤退してると思うなぁ…」ハァ
まほ「それお母様に聞かれたら殺されるぞ」
みほ「にしてもお姉ちゃんはまだしも何でエリカさんまで?」
しほ『あなたも次期隊長なのだから来なさい』
エリカ「…ってね」ハァ
みほ「断ればよかったのに…催眠トレーニングするとか誤魔化して」
エリカ「隊長が無理なのに私が断れるわけないでしょ。あと催眠トレーニングって何よ」
まほ(あぁ…肩身が狭い)
カチャ
みほ・まほ・エリカ「」ビクッ
しほ「待たせたわね。それでは早速出してちょうだい」
まほ「わかりました。で、今回はどのように?」
しほ「1 対 全員よ」
みほ「…はい?」
しほ「聞こえなかったかしら。私達以外は全員敵よ」
蝶野「懐かしいですね!昔はよくやってましたよ1対全員戦!」
しほ「ええ。『隊長車を袋叩きにしなさい』って指示したら蜂の巣つついたように四方八方から砲撃が飛んできたわね」
エリカ「そんなムッチャクチャな訓練してたんですかぁ?!」
蝶野「ありとあらゆる事態に対処できるように色んな練習してたわよ~」シミジミ
まほ(そんな練習黒森峰でもやらんのだが…)
しほ「そういうことだから蜂の巣にならないよう気をつけることね。なおそれぞれ担当は、
・しほ:車長
・蝶野:砲手
・まほ:操縦手
・エリカ:装填手
・みほ:通信手
で行くわよ」
みほ・まほ・エリカ(これ蜂の巣になるの相手チームじゃ…)
しほ「では、パンツァー・フォー!」
●大洗チーム
・隊長:磯辺典子
・副隊長:澤梓
カエサル「決まりだな」
左衛門佐「伊達政宗と片倉小十郎だな」
おりょう「武蔵坊弁慶と源義経ぜよ」
エルヴィン「それを言うならヒンデンブルクとルーデンドルフだろう!」
「「「それだ!!」」」
あけび「がんばってくださいキャプテン!」
妙子「根性ですよキャプテン!」
忍「いつもより大きく見えますキャプテン!」
典子「いよっしゃ!!」
あゆみ「やっぱり梓ちゃんが選ばれたね」
梓「う、うん(緊張してきた‥)」
あや「大丈夫だよ!エレファントもヤークトティーガーも倒せたんだから!」
梓「そ、そうだよね!」
優季「ここで活躍すれば絶対モテるよ!」
梓「うん!」
紗希「……沙織…先輩」
「「「あっ…」」」
あけび「でも正直言うとエルヴィン先輩が選ばれると思ったなー」
忍「実はあたしも。だからキャプテンが選ばれた時は驚いたよね」
妙子「戦車のことに関しては秋山先輩と同じくらい詳しいからねー」
典子「多分だけどさ」
あけび・妙子・忍「?」
典子「私たちが乗ってる89式は対戦車戦よりも偵察の方が向いてるでしょ?」
忍「はっきゅんの主砲で倒せる戦車無いですからね…」ショボン
あけび「実際に偵察したりフラッグ車やったりしてますしねー」
典子「それに対してカバさんチームのⅢ号突撃砲は大洗の主力だ」
妙子「確かに大洗チームの中では火力高いですもんね」
典子「でも、Ⅲ突の欠点は砲塔が無い。つまり旋回が出来ないからアチコチ動き回るよりも"待ち伏せ"で敵を迎え撃つ戦術を取るんだ」
あけび「回転砲塔が羨ましい!!って言ってましたもんねカバさんチーム」
典子「そういった意味で攻撃に適している反面、指揮車両としては不向きなんじゃないかな」
典子「だからこそ攻撃面で難はあるけど、偵察能力に優れた私達が指揮車両として選ばれた…という感じかな?」
忍「なるほど…!」
杏『おーいい具合にまとまってるねー。ふたりとも期待しているよー』
典子・梓「「はいっ!」」
沙織『こちらあんこうチームです。作戦はどうすればいいですか?』
典子「今回は多数対一なので私達アヒルチームと梓さんのウサギさんチームで二手に分かれて索敵します」
典子「部隊編成は、
【A】
・アヒルさんチーム(八九式中戦車)
・レオポンさんチーム(ポルシェティーガー)
・カモさんチーム(ルノーB1 bis))
・カバさんチーム(Ⅲ号突撃砲)
【B】
・ウサギさんチーム(M3 Lee)
・カメさんチーム(ヘッツァー)
・あんこうチーム(Ⅳ号戦車)
・アリクイさんチーム(三式中戦車)
…で行きます!」
典子「なお、相手はティーガーなので、真正面からの撃破はほぼ不可能。攻撃は側面または後方から行って下さい」
典子「以上です。バレー部ふっかーつ!!」
全員『バレ…え?』
典子「あっ…ごめんなさい。いつものクセで///」カァァ
全員『ワッハハハハハ!』
杏『見事なスパイク決まったねー磯部ちゃん』
典子「うぐっ…///」
忍(やっぱキャプテン可愛いわぁ…)キュン
みほ『こちら西住です。準備は出来ましたか?』
典子「準備OKです!」
梓『同じくOKです!』
みほ『了解しました。それでは5分後に試合を開始します』
●ティーガー側
しほ「ここなら見晴らしが良いわね」
蝶野「ええ、遠いですけど相手の隊列が見えますね」
みほ(ゴマ粒くらいにしか見えない)
まほ(恐らくまずは相手の動向を探るのだろう)
エリカ(こちらは1輌しかない。情報収集は不可欠ね)
しほ「蝶野、やりなさい」
みほ・まほ・エリカ「えっ?!」
しほ「何か?」
まほ「この距離から攻撃ですか?」
しほ「そうよ。逸見!ボケっとしてないで早く装填なさい!」
エリカ「ひゃいっ!!」カシャコン
みほ(エリカさん…不憫…)
蝶野「隊長、どの戦車にいたしましょう?」
しほ「そうね。あの戦車の履帯を外してあげなさい」
蝶野「了解しました!…まほさん」
まほ「はい?何でしょうか」
蝶野「少し後ろに下がって車体が斜め上を向くようにしてちょうだい」
まほ「? わかりました…」ドゥルルル
蝶野「オッケーです隊長!いつでも砲撃出来ますよ!」
しほ「よし…撃て!」
ズガァァァァァァン!!
●大洗チーム レオポンさんチーム
典子『それではここで二手に分かれます。各車両、敵のティーガーを発見したらすぐに報告お願いします』
全車両『了解』
ガコーン!
ツチヤ「うおっと!?」ガタン
ホシノ「おいツチヤ!もっと丁寧に運転しろよっ!」
ツチヤ「そんなに荒い運転してなかったと思う…って、あれ?」
典子『レオポンさんチームどうしましたか?』
ツチヤ「なんか動きが…?」
そど子『こちらカモさんチーム!ポルシェティーガーの履帯外れてますよ!』
ナカジマ「えっ!…参ったなぁ。磯辺隊長、なんかポルシェがトラブったみたいなので停車するよ!」
磯辺『了解。各車両、レオポンさんチームが復帰するまで待機してください』
ナカジマ「ったくこの子はよく機嫌悪くなるなぁホント」ヒョイ ストン
ナカジマ「どれどれ………んっ?」
8.8cmPzGr39「やぁ」
ナカジマ「」
ホシノ「おーいナカジマぁ一人じゃ無理だろ?」
ツチヤ「履帯は重いから腰やっちまいますよ」
スズキ「他のチームにも助けてもらおうぜー」
ナカジマ「…ぽ」
ホシノ・スズキ・ツチヤ「ぽ?」
ナカジマ「ポルシェティーガー被弾しましたぁぁぁ!!」
全員『えええええええええええええ!?』
典子『んなっ、どこから撃たれたんですか!?』
ナカジマ「わかりません。ただ撃たれた場所からしてウチらの左側です!ポルシェティーガーの近くにヘコんだ8.8cm砲弾が落ちてました!」
そど子『ちょっと左側って森じゃないの!』
エルヴィン『いや違う。森からだとすれば距離的に走行不能になってるからもっと遠距離からだ!』
梓『森より向こうですか?!』
ヒュゥゥゥゥゥゥゥ ポスッ!
ナカジマ「うわっ!?」
典子『レオポンさんチーム、どうしましたか?』
8.8cmPzGr39 その2「はじめまして」
ナカジマ「もう1発飛んできたああああああ!!」
●ふたたびティーガー車内
しほ「ポルシェティーガー履帯に命中確認!」
蝶野「きっと敵さん大慌てですよ!」ワハハハ
しほ「ざっと20kmくらいかしら。大したダメージじゃないけど煽動にはなったわ」
エリカ(履帯外して大したダメージじゃないってどうなのよ…)
みほ「あんな曲射初めて見たよ…」
まほ「いつからティーガーは自走砲になったんだ…」
しほ「みほ」
みほ「はいっ!?」ビクッ
しほ「相手チームに通信しなさい」
みほ「わっかりましたぁっ!」オロオロ
●「もう1発飛んできたああああああ!!」
全員『えええええええええ!?』
ナカジマ「なんか煙出してる8.8cm砲弾がウチらのすぐ近くに埋まってるんだけど?!」
沙織『やだもー!完全に射程内入ってるじゃない!』
梓『ひとまず身を隠せる場所に移動しましょう!』
典子『そうですね、各車両煙幕の準備を!移動しながら身を隠します!』
しほ『こちらティーガーI』
全車両『!』
しほ『挨拶代わりと言っては何ですが、XXX高地より2回射撃をしました』
沙織『えーっ!XXX高地ってあの森のずっと向こうの山岳地帯じゃない!』
エルヴィン『普通にティーガーの有効射程よりも遠いはずだぞ!一体どうなってるんだ!』
しほ『迫撃砲の要領で車体を傾け曲射することで飛距離を伸ばすことが出来ます。まぁここからではせいぜい履帯を外すのが精一杯だけれども』
ねこにゃー『履帯どころかまず当たらないにゃー…』
しほ『このまま他の車両を狙うのも良いけど、それでは特訓の意味が無いのでポルシェティーガーが動けるまでこちらは待機します。以上!』ブツッ
全員『』
みほ「その後は完全にワンサイドゲームでした。
磯部さんや澤さんが考案した作戦もお母さんの巧みな戦術の前では全く意味をなさず、一切の反撃を与えることなくただやられていくだけでした。
橋の下から戦車の弱点である底面を攻撃したり
自動販売機に偽装して油断したところを狙ったり
でも、一番酷かったのは
最後に残ったIV号の背後に接近して、文字通り零距離で空砲を放って突き飛ばし、壁に激突させたことでした
どうしたらあのような鬼畜外道な攻撃をしようと思うのでしょうか」
しほ「撃てば必中 守りは堅く 進む姿は乱れなし 鉄の掟 鋼の心 これが我が西住流です」
しほ「たとえ戦力で相手に劣っていたとしても、卓越した戦術があれば幾らでも覆すことができる」
しほ「そのことを肝に銘じて以後も訓練を怠らないように。私からは以上です」
全員「」チーン
みほ「こうして地獄のような1日は幕を閉じました」
しほ「みほ、行くわよ」
みほ「ふぇっ?!」
●西住邸
みほ「ただい…ま?」
まほ「ただいま帰りました」
しほ「はいおかえり」
みほ「…で、なんで私は実家にいるのでしょう」
しほ「久々に娘の顔を見たくなっただけよ」
みほ「さっき大洗で目が腐るほど見たじゃないですか…」
ツンツン
みほ「?」
まほ「あー見えてお母様はお前が家から出て寂しがっているんだよ」ボソッ
みほ「へぇ…勘当を言い渡すとか言っといてよく言うよ」ボソッ
まほ「まぁそう言ってやるな。何だかんだいってお母様はみほの事心配している。今日の特訓もみほに会いに行く口実の側面もある」ボソボソ
みほ「へぇ…ティーガーでIV号壁に激突させる鬼畜外道な母さんがね…」ボソボソ
まほ「あぁ…」ボソ
みほ「どうしたの?」
まほ「いや…」
みほ「お姉ちゃんはあんなのマネしないでね?」
まほ「………善処する」
しほ「あなた達そんなところで何をボソボソやってるの?」
みほ・まほ「何でもありません!」
みほ「ところでお母さん」
しほ「何かしら」
みほ「お母さんが現役の時ってあんな多勢に無勢な理不尽ルールで練習していたの?」
しほ「ええそうよ」
まほ「…興味深いですねそれは」
しほ「くじ引きでアタリを引いたチームが単騎を務めるって決まりでやってたわ」
みほ(アタリじゃなくハズレだと思うな…)
しほ「ただ、くじ運が悪くてしょっちゅうアタリを引いていたからしょっちゅう蜂の巣よ」
みほ「げぇ…」
しほ「でもおかげで多数の戦車相手に対等に戦えるようになった」
みほ「たしかに今日の練習見ていたら…ね」
みほ「お姉ちゃんのところもやったらどう? エリカさん単騎にして」
まほ「よせ。エリカはあぁ見えて打たれ弱いんだ」
しほ「なら尚更じゃない」
まほ「お母様…!」
しほ「次の隊長になるかもしれない子なのだから一度はやってあげなさい」
まほ「……その時は私もエリカ側について2対その他多数でも良ければ」
しほ「そのあたりは任せるわ。みほこそやるべきじゃないかしら」
みほ「私は今日のでお腹いっぱいです」
しほ「大洗は戦車の数が少ないことだし、個々の戦力を底上げして損はないはずよ?」
みほ「戦車の数が少ないのでお母さんのところから分けてください。ティーガーで良いので」
まほ「それじゃ私の戦車が無くなるじゃないか」
みほ「お父さんが昔カン違いで取り寄せたメーベルワーゲンがあるよ?」
まほ「アレは戦車じゃなく対空戦車だ」
みほ「そもそもどう間違えたらあんなの取り寄せるの?」
まほ「"37mm搭載したIV号戦車"ってフレーズで引っかかったらしい」
みほ「37mmってウサギさんチームの副砲レベルだよ?」
しほ「当時は今みたいに大口径長砲身は無くて37mmでも十分主力だったのよ」
みほ「でも今の戦車道じゃ航空機が解禁にでもならない限り出番ないと思う」
まほ「それもう戦車道じゃないだろ」ハハハ
しほ「常夫さんったら『キミにピッタリだよ』って言ってくれたのよね」フフフ
みほ「メーベルワーゲンがピッタリな女ってどうなんだろう」
まほ「一見ガード固そうに見えるけど実際はモロい女ってことじゃない?」
みほ「あるいはパタンと開いちゃう女ってことかな」
まほ「みほきたない」クスッ
みほ「お姉ちゃんだって」アハハ
しほ「ほぉ?ふたりは37mmの水平射撃がお望みと?」ゴゴゴゴ
みほまほ「ごめんなさい」
●数日後
沙織「へぇそんなことがあったんだ」
優花里「母上殿にも意外な一面があるんですねぇ」
華「うふふ。怖~いお母様とは裏腹にお茶目ですわね」
みほ「あはは。お母さんは戦車道やるときは鬼みたいだけどそれ以外は抜けてるところあるからねー」
麻子「血は争えないな」
みほ「?」
杏「それじゃ今日も練習始めよっか。西住ちゃーん」
みほ「はい。大洗チームは所有戦車の数が少ないのでどうしても多勢に無勢になりがちです」
みほ「そこで多数の敵戦車に対抗するべく個々の戦力を底上げしていこうと思いました」
桃「ほほう。それは懸命な判断だ」
杏「さんせいーい!」
柚子(あれ…何か嫌な予感が)
みほ「それで、1対全員戦をしようとおもいます」
全員「えええええええええ!」
杏「あはは、この間のアレだねー」
みほ「で、今回はカメさんチームに単騎側をやってもらいます」
杏「え」
桃「ひぇっ?!」
柚子「やっぱりぃぃ…!」
このあと無茶苦茶攻撃した
End
カオスで愉快な西住親子を書きたかったので書いてみました。
ではHTML依頼出してきます。
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