勇者「勇者になって魔王を倒しに行こうとしたら魔法少女にされた」(91)

「……」

(……体の感覚が酷く違う。あったはずの位置に手足が無い。まるで縮んだかのようだ)

(そして首の裏には毛だと思われる気持ちの悪い感触がする)

(……一番は何より、朝起きるといつも元気な下半身のアイツの調子が悪い)

(まるで無くなったかのように……)

「……ん? な、い……?」

(おい、ちょっと待て! 無いってどういう事だ! 知らない間に去勢された!?)

(いや、そんなはずはない! もう一度確かめてみよう……)

「……」ソーッ

ピト

「あっ……」

(割れ目があるな……。割れ目? ということは胸は……)


モミ

「っ……///」

「って、なんじゃごりゃああああああああああああああああ!!!」ドタドタドタ

(急いで鏡の所まで行くとそこに映っていたのは……)

「な、な……!!」プルプル


(とんでもない美少女でした)

(そう、その姿を見て思い出した。俺は昨日――)


魔法少女「……魔法少女になったんだった」







王「男。神託によってお主はこの国、いや、世界を脅かす魔王を滅ぼし、世界に安寧をもたらす役目を受け持ってもらう――」

王「つまり、お主は勇者となるのだ」

男(待ちに待った瞬間。10年もの間、この時の為に欠かさず鍛錬や学習をしてきた)

男(――それがかつて世界を救った勇者の末裔である、俺の役目であるから)

男(……そして、ここから俺の夢を現実にする旅が始まるんだ)

王「よって、この救国の剣を授けよう」

男(この剣を持った瞬間、俺は――)

勇者(この国を救う勇者となる)


勇者「その役目、我が血族の誇りに賭けて必ず果たしてみせましょう」

勇者「魔王を打ち倒し、この世界に平和をもたらす事をここに誓います」

王「うむ。さすが勇者に選ばれるだけの精神を持った男よ」

王「では、出立の儀を執り行う前にお主にはやってもらうことがある」

勇者「……国王様? 何を行うのですか?」

王「勇者になるにおいて一番大事な事だ」

勇者「一番大事な事……?」

勇者(家に残されていた書物では出立の儀の前にやることなんて何も書かれていなかったぞ……?)

王「魔法少女とはいいものだぞ。やはり世界を救うのは魔法少女ではなくてはな」

勇者「……。今、国王様は魔法少女になるとおっしゃいましたか?」

王「うむ。確かにそう言ったぞ」

勇者「誰が?」

王「お主がだ」

勇者「……私が?」

王「」コクリ

勇者「……」


勇者(逃げろッ!!)バッ

王「あっ、待てっ! 誰ぞ、あの男をひっ捕らえよっ!!」

勇者(何が魔法少女だ! 勇者になって、これからって時に変なモノにされてたまるか!)

勇者(それに、いくら魔法大国のこの国でも性転換をする魔法なんてあるはずがない! 絶対ない!)

勇者(もしそれに似たものがあるとしても、それはとてつもなく悍ましい魔法だ! そんなの嫌だろう!)

勇者(絶対に勇者のままこの国を出る……!)


勇者(逃げ切って、俺はあの夢を――)





王「……さて、勇者よ。大人しくしてもらおう」

勇者「んーっ! んー!!」

王「逃げた罰として、魔法少女となった暁には儂の考案したメチャカワな衣装を着てもらおうか」

勇者(逃げること30分ぐらい。必死に城から脱出しようとした)

勇者(しかし、城内には国の中でも屈指の魔術師が仕掛けた罠がありとあらゆる場所にあり、それを躱すのが精一杯)

勇者(休んでいる所を見つかってしまい、この場に連れてこられた)

王「よし、魔術師を集結させよ!」

勇者(あぁ……。俺はなってしまうのか、あの東方の島国で語り継がれるあの魔法少女に)

王「準備は整ったな……。始めるぞ」

勇者(あの、フリフリな衣装を着た女に……!)

王「これより我らは勇者という器を媒介に――」


王「魔法少女を誕生させる!!」


バンッ!!


勇?樞€包者?。繹ア「――」

魔譁?者ュシ繝ウ(俺が、俺の存在が……)


魔法?繝少異皮ゥカ(変わって――)



魔法縺ゅ?少 ?シ抵女シ?(いく――)


プツン――

勇者が脱出出来ない城とかすげーな…






少女(……そうか。俺はあの時気を失って……)

少女(状況を把握するのに集中していて気付かなかったが、ここは一体どこだ?)

少女(それにこの着ている服は何だ。 スカートってこんなにスースーする物なのか)

少女「~~~!!」

少女(か、かんがえてみれば、こ、こんな格好してるのってものすごく恥ずかしいぞ……!)

コンコン

少女「……?」


「失礼します」ガチャ

少女「あ、はい……」

「なんだか浮かない顔をしていますね。まるで今の状況がまったく分かっていないっと言ったような所でしょうか」

少女「すごいピンポイントで当てますね……その通りですよ。ところであなたは?」

メイド「私は国王様の身の回りのお世話を担当しているメイドと申します。気軽にメイドちゃんとお呼びください」

メイド「ちなみに身の回りお世話というのは一般常識範囲内での事でエロエロな事は行っていないという事を先に言っておきます」

少女「そんなこと聞いてませんよ! それでメイド……さん。俺は一体あの魔法を受けた後どうなったんですか?」

メイド「メイドちゃんとお呼びください。話はそれからです」

少女「ぐっ……。メ、メイド……ちゃん?」ウワメヅカイ

メイド「」ズッキューン


メイド「……久々によい収穫でした。では、あなたの現在の状況をお教えしましょう」

少女「……鼻血止めなくて大丈夫ですか」

メイド「おかまいなく。乙女の嗜みですので」

少女(大丈夫かこのメイド……)

メイド「さて、あなたはこの国の生み出した大魔法により誰もが振り返るような容姿を持った美少女になりました」

少女「……」

メイド「ふむ。その様子では確認済みのようですね。良い判断です」

少女「ん、んな……!///」


メイド「大魔法にかかったあなたは膨大な魔力を受けたことにより一種の昏睡状態に陥っていました。一日だけですが」

少女(ということは丸一日寝たきりだったのか)

メイド「あなたの故郷までは流石にお送りするのが面倒だったので、城内の寝室へとお連れした次第です」

少女「は、はぁ……。なんとなく分かったような」

メイド「そしてあなたはこれから表向きの役割である勇者の御役目として、出立の儀に参加していただきます」

メイド「それに際し、国王様が後々質問されるのが面倒ということなので、私からいくつかあなたについてのご説明をさせていただきます」

少女「お。お願いします」

メイド「まず、あなたは出立の儀を終えた後、北方に存在している魔界に向かってもらいます」

メイド「そして、魔物を統べている魔王を打ち倒し、この世界に平和を取り戻してもらいたいのです」

>>9
国内屈指の魔術師の仕掛けたトラップなので(震え声)


少女「……言われなくても、最初からわかってる」

メイド「生まれ持って勇者になることを約束されていたと言っても過言ではないですもんね」

少女「……」

メイド「と、真面目な話はここまでです。ここからはあなたが何故性転換……ひいては魔法少女になる理由についてお話いたします」

少女「……!」

メイド「先日、あなたは救国の剣を国王様よりお授かりになりました」

メイド「救国の剣とは遥か昔、この国の守護天使様がお作りなったと言われており、その加護を受けた剣の力はとてつもなく強力です」

メイド「百年以上前……先代の勇者も救国の剣を用いて、世界に平和をもたらした事は勿論御存知だと思います」

少女「ああ……」


メイド「実は、近年の研究によりこの救国の剣には……男性より女性の方がより力を発揮できると言うことが判明いたしました」

少女「そういえば、先代の勇者は女性だったような……。だから俺は性転換をされたと」

メイド「つまりはそういうことです。その、より力を発揮する方法ですが……」

メイド「――変身、です」

少女「変、身?」

メイド「そうです、変身です」

メイド「女性の、さらに聖なる血族である人物だけが受けることのできる魔法……」

メイド「いや、守護天使様の加護を自身に付与し、戦闘能力を向上させる、というのが正しい言い方でしょう」

メイド「研究もいまだ終わっていないので、いささかそうとは言い切れませんが」


少女「加護を受けることのできる血族……。それが勇者の一族か」

少女「しかし、国王様は私に……ま、魔法少女になってもらうと言っていたのですが、それはどういう意味なのでしょうか……」

メイド「……それは国王様が現在、東方の島国において流通している娯楽冊子において掲載されている魔法少女物の物語に心底没頭しているからです」

少女(……そんなのが国王で大丈夫なのだろうか)

メイド「それに守護天使様の加護を受けた姿はなんとなく、魔法少女という言葉を連想させるのですよ」

メイド「まぁ、見てもらえば分かっていただけるかと」

少女「ならできるだけ変身しないようにします」

メイド「それはあまり推奨できませんね。救国の剣といえど、魔物と戦うのは少々分が悪いでしょう」

メイド「それに美少女になったからには可愛いを貫き通さねばならないのです!」

少女「……」


メイド「ゴホン。ということで今からあなたには変身をしてもらいます」

少女「さっきしないと言ったはずですが」

メイド「しなければならないのです。何よりこれは国王様からのご命令なので」

メイド「『魔法少女の姿で出立の儀を行う』という」

少女「絶対嫌です。この国のお偉いさんが集まっている中で、恥ずかしい格好をするなんてとても……!」

メイド「これは覆ることの無い絶対の決定です。もし、魔法少女にならないというのであれば……」

メイド「私特製のボンデージ姿を着ていただきます」

少女「それも嫌に決まってるじゃないですか!」

メイド「私特製のボンデージ姿を着ていただきます」

メイド「私特製のボンデージを着ていただきます」


メイド「ならとっとと変身しちゃってください。出立の儀まであと30分もありませんし」

少女「くっ……ああ! わかりましたよ! もうこうなったら変身してやりますよ!」

少女「それで、変身ってどうやってやるんですか!」

メイド「『マジカルゥ~チェ~ンジ☆』って感じじゃないですかね」

少女(演技力高っ!?)

少女「ってメイドさんも知らないんですか!?」

メイド「メイドちゃんです。なんで私が知ってると思ったんですか。私ほぼほぼ一般人ですよ」

メイド「あっ、でも国王様なんだか言ってました。救国の剣を正面に構え、頭の中で魔法少女を強く願い、そして『変身』という言葉を唱える事でできるって」

少女「知ってるじゃないですか!!」

メイド「静かにしてください。やり方が分かったのなら早くお願いします」

少女「言われなくても……」


少女(剣を正面に構え……)

少女(頭の中で、魔法少女を強く願う……!)

少女(そして、唱える――)


少女「――変身っ!」

少女(その瞬間俺のはまばゆい光を放ち――)


魔法少女(その光は俺を包みこみ、そして光は俺の装備となっていった)

魔法少女「……これが、魔法少女」

魔法少女(凄い……! これまでよりも自分の体内により魔力を感じる)

魔法少女(これが守護天使の加護の力……!)

メイド「う、うわぁ……。やっぱりこれ最高ですね」

魔法少女「何が……ってうぎゃああああああああああああああ!!」

魔法少女「な、なにこのヘソ出しで背中丸見えの衣装は!!」

魔法少女「それにスカートも短すぎ……。こ、こんなの……///]


メイド「何を言いますか! これぞ魔法少女ではありませんか! 容姿はパーフェクトです!」

メイド「後はあなたが完全に魔法少女になりきることで、完成ですよ!」

魔法少女「そ、そんなことしないわ!」

メイド「……ふぅ。それでは出立の儀へと向かいましょう」

魔法少女「いや、やっぱまだ心の準備がまだ」

メイド「先程アレほどの啖呵を切っておいて何をおっしゃいますか。はやくいきますよ」ギュッ

魔法少女「ちょっ、引っ張らないでくださいメイドさん、ていうか力強すぎぃ!」ギギギギギギギ





「汝、魔王を打倒する勇者として――」


魔法少女「」プルプル


魔法少女(何の羞恥プレイですかこれは)

魔法少女(今まで、式典とかで目にしてきたお偉いさんとかが俺の事を一斉に怪訝に見ている)

魔法少女(やめろよぉ……。俺だってなりたくてこんな姿になってるわけじゃないのにぃ……)


「では、ここに誓いを立てよ勇者よ」

魔法少女「……はっ」


魔法少女「ここに私は勇者として魔王を打ち倒し、そして――」


魔法少女「世界に平和をもたらす事をここに誓います」


魔法少女(そう、俺の魔王を倒す冒険の物語は……)

魔法少女(魔法少女にさせられ、公衆の面前にその姿を晒されて、羞恥プレイを受けるという最悪な幕開けだった)

こっからは書き溜めないんでほんのり更新していきます。

あっ、性転換注意です。

おつ
魔術師もお偉いさんも勇者も優秀なのに王とメイドが残念過ぎるwwww

男だったらへそも背中も下着も見られてなんのこともないけど、心まで女の子化してるのか

いつ心も少女になるか楽しみだな

きわどい服を着るのは男でも恥ずかしいと思うんだが

>>29
魔法少女「そ、そんなことしないわ!」

と心も少女になりきったっぽい発言を既に>>23でしているぞ

確かに一瞬ん?って思ったけどそういう意図じゃないと思うな

>>31
女言葉ってよりも、ツッコミって感じのニュアンスです。紛らわしくてすいません。



少女(……昨日の事は色々と思い出したくないことばかりだった……が)

少女(今ここで立ち止まっている暇は無い。早くあんなことは忘れよう)

少女(普通の状態で戦えるようにすれば変身だってしなくても済む。もう二度とあんな……)

少女「~~~!!///」

少女(……あんな格好をするのは嫌だ)

少女「……それで、さっきからついて来てる奴は何だ」

「あっ、バレてました?」

少女「その声ってメイドさんですよね……」

「私の正体を見破るとはさすが勇者様です」

少女「いや、だって声そのまんまじゃないですか……」

「まぁ、そうなんですけども」

少女「……それで、何でクマのぬいぐるみみたいなヤツからメイドさんの声がするんですかね」

メイド「よくぞ聞いてくれました! 実は魔法によってこのぬいぐるみに憑依をしているのです」

少女「はぁ……。それに何の意味が」

メイド「この状態で勇者様の監視……じゃなくて、サポートする為にこのような形で追従するからです」

少女(聞こえてるからね、本当の理由)

メイド「か弱い私の様な人物が生身で勇者様に付いて行っても足手まといになるだけですからね」

少女「へ、へぇ……。ちなみに本来のお仕事の方はどうするんですか」

メイド「え? ……あっ、あの変態クソ爺のお世話のことですか?」

少女「ここに国家元首を侮辱した犯罪人がいるぞーっ!」

期待
これ、触手とかオークとかありますよね!ね?

メイド「何を物騒なことを。この程度国王様は喜んで、いやむしろそう呼べとおっしゃるぐらいです」

少女「本当にこの国は大丈夫なのか」

メイド「ちょうどあのお仕事にも飽きてきた頃なので、この役目は請け負ったことは控えめに言っても嬉しいです」

メイド「なんか憑依してない間にサボって東方の科学的な遊具で遊んでももバレなそうですし」

少女「そんな本音をつらつらと話されても困るんですけど……」

メイド「とりあえず、聞きたいことあったりしたら何なりとお聞きください」

メイド「それこそ女の子のディープな悩みなんかでもいいですよ……。むしろウェルカムです……」グフフ…

少女(この人の前では絶対にそういう話題は出さないようにするか)

少女「……とりあえず、これから俺は北方の領土に迎えばいいんですよね?」

メイド「そうですね。……あと、これからは第度とかもっとくだけた感じでいいですよ」

メイド「これから色んな事をしていく仲ですし……」ニヤリ

少女「……確かにこんな人に敬語を使う理由がないな」

少女「それでメイドさん。ここでやっていく事は何かある?」

メイド「そうですねぇ……。魔法で治癒できるとしても魔力には限りがあるので薬草などを購入しておきましょうか」

メイド「なんと便利なことにこのぬいぐるみは荷物番としての役割も持っているのですよ!」

少女「それは確かに便利だ。変な知識を入れてくるだけの人だと思ってたよ」

メイド「フフン。もっと称えてもいいのですよ?」

少女「……」



少女「ふぅ。大方こんなところか」

メイド「これで次の街までは安心ですね」

少女「それじゃあ、早速出発するか」

メイド「お待ち下さい。出発の前に少しでも次の街への情報を集めておいておきましょう」

メイド「ここを出れば、魔物が跋扈している場所もございます。少しでもこちらに有利な状況にしておくことが大事です」

少女「そうだな。それに魔物の被害を受けて困っている人もいるかもしれない」

少女「そういう人達を助けるのも勇者の役目の一つだし」

メイド「まさに王道の湯者と言った感じですね。では、情報が集まりやすい場所へと向かいましょうか」

ここまでですのん

>>37
多分出ます! 誰がどうなるかは分かりませんけども!

クマのヌイグルミってやっぱりマスコット的なもんなんだよな
何故か真っ先に脳裏をよぎったのは、まさかりかついだ金太郎だったんだが

……荷物番ってアイテムしまえるってことでいいんじゃろか
チャックとかついてんの?
メイドさんがくぱぁしちゃうの?

期待

少女「そういえばメイドさん。なぜクマのぬいぐるみに憑依したんだ?」

少女「もうちょっと日常に溶け込むような物とかでもよかっただろ」

メイド「? 何か困っているのですか?」

少女「いや、この国では憑依魔法とかは普通に認知されてるからいいけど、他の国では……」

メイド「なるほど、そういうことですか。そういうことならばお答えしましょう」

メイド「ずばり、魔法少女にはマスコット的存在が必要不可欠だからです!」キラーン

メイド「魔法少女といえば頼もしく、そして可愛いマスコットがいつも傍らにいるものです」

メイド「私もそのお約束を守っているだけなのですよ」

少女「……やっぱり勇者ってより魔法少女って認識なのね」

メイド「それにこのぬいぐるみは上級な職人の手によって作られており、魔術師による強化魔法も施してあるのでこの様にバックパックを背負っても大丈夫ということです!」

メイド「非常時にはここにあるチャックを開けて中に入れることも……」ジー……

少女「そこのチャックは開けなくていいから! なんとなく嫌な感じがするから!」

メイド「残念です。人間の体では町中でクパァするなんて……」

少女「それ以上言うなーっ!!」

少女(なんて所にチャックを付けてるんだ職人……!)

メイド「という所で酒場に着きましたよ勇者様」

少女「ああ。メイドさんも入る?」

メイド「そうですね……。この状態で食事とか飲料酒は飲むことできませんし……」

メイド「……私は遠慮しておきます。ものすごく食の欲が高まりそうなので」

少女「分かった、俺一人で聞いてくる。くれぐれも持ち去られないようにね」

メイド「勇者様こそどっかの馬の骨にお持ち帰りされないように注意してください」

少女「さ、されねーよ!」

メイド「やはりそうですよね。こんな所で魔法少女の処女を散らすわけには……」

少女「うるさい!!///」

ガチャ……

ガヤガヤガヤガヤガヤ

少女「……」

少女(街の酒場に来るのは大分久しぶりだけど。やっぱり客層はあまり良くないなぁ……)

少女(でも、ここには傭兵とか商人……それこそ盗賊とか、外の世界の情報を持っている人がいる可能性が高い)

少女(ここは腹を括って行くしか無い……)ゴクリ

「あれ、嬢ちゃん。もしかして一人かい?」

少女「」ビクッ

「ダメだよう、お嬢ちゃんみたいな可愛い子がこんな所に来たら……」

「もしかしておじさん達に用でもあるのかな?」

少女「……お、教えて貰いたい事があるのですが」

「教えてもらいたいことぉ? 内容によっては教えてやってもいいぞ」

少女「じゃ、じゃあ……」

「でも先にそれ相応の報酬を貰っとかないとなぁ……!」ワキワキ

少女「え、ちょっ、何を」

「それはなぁ―――」

少女(くっ、仕方がない! ここは蹴りの一つでも出して……!)


「待ちなさいっ!」

「げっ! ジャージの姉貴!」

ジャージ「ったくアンタらは……。こんな女の子に手を出してどうするつもり?」

「いや、さっきできたあっしの一発ギャグを評価してもらいたかったんで……」

ジャージ「アンタのギャグ、いつもクッソつまんないじゃん」

ジャージ「この際だからはっきり言っておくけど、アンタ旅芸人絶対向いてないよ」

「あ、あねきぃぃぃぃぃぃ」

少女「……」

少女(ジャージ……。それは東方の島国に存在すると言われる伝説の装飾品の一つ……)

少女(着たら最後、あまりの着心地のあまり他の服を着ることができなくなる悪魔のブツだ)

少女(まさかこんな所で目にすることができるとは……)


ジャージ「それでアンタはだいじょうぶ……って心配する必要ないか、勇者様だもんねー」

少女「えっ?」

少女(なんでこの女は俺が勇者だと知っているんだ……?)

ジャージ「その顔は何で知っるのかって顔してるねー。そりゃあ知ってるよ」


ジャージ「だって私、アンタに大魔法をかけた魔術師の家の一人だもの」

魔術師の家

魔術師の内

少女「……」

少女「今すぐ俺の体を元に戻せっ!!!」

ジャージ「無理ね。性転換の大魔法は私一人なんかじゃ解くことはできないし」

ジャージ「それに……魔法少女の勇者様ってなんだかいいじゃん?」

少女(ダメだ。この人もソッチ側の人か……)

ジャージ「で。その勇者様は何で用も無さそうな酒場なんかに来てるの? ヤケ酒?」

少女「飲みませんよ……。未成年ですし」

少女「情報がほしいんです」

少女「北方の領土に向かうにしても、途中で魔物の被害が出ていたらそれを見逃すことはできませんから」

ジャージ「ほーう。それなら……おい、アンタ!」

「はい! なんでしょう姉貴!」

ジャージ「街の外で魔物の被害を受けたって情報はある?」

「魔物の被害かは分かりやせんが、ある村で変な現象が起きてるそうで……」

少女「変な現象とは一体?」

「なんでも野菜を育てている畑が、荒らされているらしいんです」

「しかも、その畑にはおかしな痕が残ってるって噂でっせ……」

ジャージ「……だって。勇者の初仕事には丁度いいんじゃない?」

少女「確かにそれは魔物の仕業である可能性が高い……。行ってみる価値はありそうですね」」

少女「有力な情報、ありがとうございます」

ジャージー「これぐらいどうって事は無い。むしろ勇者様の冒険の手助けをできたこっちが感謝したいぐらいよ


少女「いや、そんな大層な物では無いですよ……。 では、俺はこれで」

ジャージ「うん、頑張れ少女よ! ……あっ、一つ言いたい事があったんだ」

少女「……?」

ジャージ「もしかしたら、何かを企む魔術師に、道中で襲撃されるかもしれない」

ジャージ「だから、例え安全な場所であっても注意は怠らないことね」

少女「は、はぁ……。でも、なんでジャージさんがそんなことを……?」

ジャージ「それはね……」


ジャージ「……昔、魔法少女に憧れた一人の女の子だからよ♪」

ガチャ……

メイド「あっ、勇者様。有力な情報は得られましたか?」

少女「うん。近くの村で魔物らしきの物の被害を受けているらしい」

メイド「おぉ! 流石、勇者様! 情報を聞き出すのも一流ということですね!」

少女「ま、まぁな……」

メイド「あれ? 勇者様、何だか浮かない顔をしてますけど大丈夫ですか?」

少女「……大丈夫。大したことじゃないよ」

メイド「も、もしかして下の方の悩みですかー?」ウキウキ

少女「違うっ!!」



『もしかしたら、何かを企む魔術師に、道中で襲撃されるかもしれない』


少女(……ジャージさん。あなたが最後に言ったこととは一体……?)




「……っ」ギリギリ




「……待ってなさい。仮初めの勇者。いや、魔法少女」

「必ずアンタに勝って、私の方が上だという事を証明する」

「魔法の名家に生まれ、そして魔法学校主席である私が勝てない道理が無いもの」

「あの勇者を倒せば、きっと国王様だって私の事を認めてくださる……」

「そうすれば、私が救国の剣を手にし――」



「真の魔法少女になる」

ここまでですの。

次回、魔法少女の魔法○女が散る……?

おつ




メイド「ようやく街を出ましたね」

少女「ああ……。街を出るだけでこんなに時間がかかるとは……」

少女(……魔法少女なんかにされなければこんなことにはならなかったのに)

少女「さてと。目的の村はどこにあるんだっけ」

メイド「ここから東の方角を進んで、途中にある森を抜ければ着くはずです」

少女「それじゃあ早速向かおうか。日が沈む前には着きたいし」

メイド「遅くなると野宿になる可能性がありますからね」

メイド「私は憑依をといて城内のベットで寝ればいいのですが、勇者様は最悪土の上で寝ることになりますね」

メイド「こんな可愛い女の子が無防備に寝ていたら何をされるのでしょうかねぇ……」ニヤニヤ

少女「絶対野宿はしない」

メイド「まもなく森に入ります……。ここからは魔物との遭遇が予想されるのでご用心を」

メイド「では変身を―ー」

少女「必要ない」

少女「この辺りの魔物ぐらいなら、魔法を使わずともこの剣だけで充分だ」

メイド「左様ですか……。ですが、もしもの時は迷いなく変身してください」

少女「そうならないように戦わなけれないけないな」

少女「……そういえば、メイドさんは戦闘中どうしてるの?」

メイド「ご心配なく。私は少々の魔法なら使用できるだけの能力はあります」

メイド「勿論、この状態でも使用できます。……なので、魔法によるサポートはお任せください」

少女「おぉ……。なんだかメイドさんが頼もしく見える……」

スライム「……」ガサガサ

メイド「……早速魔物のお出ましですね」

少女「スライム程度――」

ジャキンッ!!

スライム「」シュゥゥゥ……

少女「一振りで終わりだ」

メイド「……。まさかここまでの剣術の使い手とは。私こそ勇者様の事を見直しました」

少女「勇者になる為に生半可な努力はしてないからな。それじゃ、先を進もうか」

メイド「はい。この分なら村には日が沈む前には着きそうですね」



「……」




少女「……ふぅ。思った以上に魔物が多いな……」

メイド「これも魔王が活動し始めてる影響なのでしょう……。ここらで一旦休憩としましょうか」

少女「ん。そうだね」


「――」バァンッ!!


メイド「――! 勇者様、伏せて!」

少女「な――」

ドカァァァァァンッ!!


少女「……ゲホッゲホッ。魔法による攻撃……?」

メイド「ご無事ですか勇者様!? くっ、一体誰が……」


    ・・
「あら、アレを躱すとはね。流石は勇者と言った所かしら?」

「しかし、あなたの勇者として冒険はここで終わりになるけどね」

少女(……今のは魔力を凝縮し、それを弾として打ち出す魔法)

少女(難易度としてはそう難しくはないが、同時に威力もそう高くない)

少女(それを木々を倒す程の威力に昇華させている……)


「……」ニヤリ


少女(こいつ、相当強い……!)


少女「お前は何者だ……!」

「私は……あなたの魔法少女の座を奪いにきた者」

少女「!?」

少女(ジャージさんが言っていたのはこの事か……)

少女(ぶっちゃけあげたいけど、そうしたら救国の剣を渡す事になる……!)

少女(……それだけできない!)

「その顔では易易と譲ってくれるわけではなさそうね」

「大人しくその救国の剣を渡してくれれば、傷つけることもなかったけど……」

少女「……」チャキ

「……少し痛い目見ることになるわよ」

少女「悪いけど、"これ"を手放すわけにはいかないからな」

「なら、仕方ないわね」ギュゥゥゥ

少女(来る……!)

「――力ずくで奪わせてもらうわ。例えそれが死を伴うとしても、ね」バァンッ!!

少女「……っ!」

メイド「勇者様! あの魔術師はは相当な使い手です! 魔法を使わずに対抗するなど」

少女「……確かに。でも、魔術師だ」

少女「懐に入れば、こっちに勝機がある……!」

メイド「ですがこのままでは防戦一方です!」

少女「……耐えるんだ。その内、隙はできる」

「どうしたの勇者! 避けてばかりじゃ意味は無いわよ!」

少女(……あれだけの魔法を連発している。並の魔術師ならとっくに倒れるほどの魔力行使)

少女(それでもまだ余裕を見せている彼女は、はっきり言って本当に強い。……だが)

「くっ……」ボソ

少女「……!」ビュンッ

少女(俺は、お前の一瞬の隙を逃さないっ!――)

少女「取ったぞ……!」

「……なーんて、ね」

少女「!」

少女(そう呟いた彼女の右腕は赤く光り……)

「罠に引っかかったのはアンタの方よ!」

少女(俺の胴を狙ってきた――)

少女「……うっ」ギンッ!

「ちっ、防がれたか」

少女(間一髪の所で剣で受け止められたけど。それでもこれだけ後ろに下げられ……)

少女「……っ!」

少女(彼女のを受け止めた両腕はダメージを受けている)

少女「……メイドさん。治癒魔法お願い」

メイド「はい……! しかし、勇者様このままでは……!」

少女「分かってる……!」

メイド「なら、変身することを躊躇うのです!」

少女「だ、だって……」

少女「……」ボソッ

メイド「なんですか? よく聞こえませんが」

少女「は、恥ずかしいじゃん……///」

メイド「……はぁー。この期に及んで何を言ってるのですか」

メイド「あなたは選ばれし勇者、いや、魔法少女なのですよ!」

メイド「変身程度で恥ずかしがってどうするんですか!」

少女「だ、だって裸になるんだぞ……!」

メイド「大丈夫です。謎の光の処理によって大事な所は見えませんから!」

少女「そういう問題じゃなくてー!」


「……」

少女「あーもうっ! こうなったらヤケクソだっ!」


「……相談は終わったかしら。まぁ、私の前には無駄でしょうけど」

少女「これからお前夢見る魔法少女ってのを見せてやる!」

少女「……がっかりするなよっ!」

「はぁ? 何を言ってるの? あなたはもう既に魔法少女に……」

少女「うるさい! 見とけコンチクショウ!」

少女(剣を正面に構え、強く願うは可憐な魔法少女――!)


少女「――変身っ!!」

ここまでなのん

なかなかいいssですな 参考にさせてもらいます

乙なのん

>>73
こんなSSでよろしければ……

「……」ポカーン

魔法少女「あぁぁあぁぁぁ……。ほんとこの服無理ぃ……」

魔法少女「あの人も何だか凄いポカーンとしてるし……。これ魔法少女の実態を知らなかったパターンのやつだよ……」

メイド「何を言ってるのですか! 今の勇者様の姿はまさしく、あの東方の島国の本に記されている通りの魔法少女ではありませんか!」

魔法少女「……普通の魔法使いの服みたいにしてくれればよかったのに」

「……あ、あなたのそれが、ほ、本当に、魔法少女なのだとしても」プルプル

「わ、私が魔法少女になるんだからっ!!」

メイド「健気ですね。勇者様にもあれぐらいの気概が欲しいものです」

魔法少女「いや、普通この服見たら誰でも魔法少女目指すの辞めるだろ」

メイド「そんなことありません! ……まぁ、私は着たくないですが」

魔法少女「やっぱりメイドさんも着たくないんじゃん!」

メイド「でも勇者様にはとってもお似合いですよ。……色々捗ります」

魔法少女「何をしているんだアンタは……」

「私で捗られても困るわよ!///」

魔法少女「お前には聞いてねぇよ!!」

「……まったく。アンタのへ、変な魔法のおかげで白けちゃったじゃない」

魔法少女「このまま諦めてくれたっていいんだぜ?」

「そ、そんなのが魔法少女だとしても……諦めない!」

「私は、絶対に魔法少女になるんだから!」

魔法少女「決意は変わらないようだな……。なら、手加減はしない!」


メイド「……なんだか勇者様の方が悪者の立ち位置に見えてきました」

魔法少女「……行くぞっ!」シュンッ

「っ! 疾い!」

魔法少女(身体能力も格段に上がっている……。てっきり魔力の増幅だけだと思っていた)

「それでもっ、この強化魔法に叶うかしら!」ギュゥゥゥ

魔法少女(なら、発動する前に接近すれば)

「な――」

ギンッ!

魔法少女(お前の体に一撃を入れるぐらい容易い!)

「ゲホッ……。身体強化をしてるのにこのダメージ……」

魔法少女「……次は峰打ちなんかでは済まさないぞ」

「……元より、死ぬ覚悟で来てるわよっ!」バァンッ!

魔法少女(っ! 今までより強いっ!)

メイド「勇者様!」

魔法少女(避けても被害は受ける……だったらっ!)


魔法少女「――斬撃ッ!」

                              _             ___

                     -‐=ニ          -‐== ニ               ニ =‐-
                 ―‐‐=ニ二二                  ‐― ‐==ニニ==‐― ‐
             ―‐‐=ニ二二            ‐― ‐==ニニ==‐― ‐ ‐― ‐==ニニ==‐― ‐

          ‐―‐‐=ニ二二    ‐― ‐==ニニ==‐― ‐   ‐=‐― ‐
        ‐ ―‐‐=ニ二二                    ‐―==ニニ=―‐‐
     ‐ ―‐‐=ニ二二            ‐=‐
   / ―‐‐=ニ二二     ‐=‐
  / ―‐‐=ニ二二ニ=‐
/  ―‐‐=ニ=‐―
  {ニ=‐― ―
  {=‐― ‐
   ‐=‐
   ‐=‐
    ‐=‐
     ‐=‐

       ‐=‐
=‐        ‐=‐
 ‐=‐       ‐=‐

    ‐=‐      ‐=‐

        ‐=‐    ‐=‐                                     \iト
            ‐=‐    ‐=‐       \                         \ 〕iト
                ‐=‐    ‐=‐ \ )\                          ⌒⌒ 〕iト

                      ‐―‐=ニ\  \ 、、                                〕iト
                          ‐― \‐―ニ=‐―     ― ‐=ニ                    )/〕iト
                            ‐―\          ‐―――=ニニニニ=‐― ‐     ‐― ‐=ニニニ 〕iト
                              ‐―                     ‐―― ‐==ニニニニ==‐― ‐    ‐=‐

「えっ―――」


ドカァァァァァンッ!!


メイド「……っ」

メイド(斬撃をあれだけ強大な物に……。いくら、守護天使の加護が付いてるにしてもあの魔力……)

魔法少女「まずい……。魔力の調整の加減が分からなくてやりすぎた……」

魔法少女「相殺するだけのはずだったのに……」


メイド(やはり、あなたは選ばれるべくして選ばれた勇者、というわけなのですね)


魔法少女「あっ、まずい! あの女の子は……!」

「……」

魔法少女「気絶しているだけか……よかった。直撃は逃れてくれたようだ」

魔法少女「メイドさん。治癒魔法を彼女に」

メイド「なぜです? 彼女は勇者様を襲ってきた者です。そこまでする必要はないかと」

魔法少女「彼女を、仲間にしようと思うんだ」

メイド「どのようにしてそうお考えになったのでしょうか」

魔法少女「ここまで戦闘に特化した魔法使いなんて、他を探してもそうは見つからないはずだ」

魔法少女「それに彼女は魔法少女になることを望んでいた。……きっと彼女も魔王討伐に何かしらの気持ちを持っているはず」

魔法少女「無闇に人を連れて行くのはしないけど……。彼女程の実力ならいいかなって」

メイド「……左様ですか。それに私は勇者様の選択には反対しません」

メイド「あくまで、補佐役ですので」

魔法少女「うんっ、ありがとうメイドさん」ニコッ

メイド「――」ドキッ

魔法少女「……? どうしたのメイドさん。急にジタバタして……」

メイド(なんですかあの顔は! 反則でしょう! あなたはその顔がどれだけの衝撃を与えるのか分かっているのですか!)ジタバタ

メイド「……ふぅ。失礼しました、少々取り乱してしまいました」

魔法少女「あ、ああ……」

メイド「では治癒魔法を――」

「……」スゥ……

メイド「……!」

メイド(彼女は……まさか……)

メイド(これは面白くなってきましたね……)

魔法少女「……どうしたのメイドさん」

メイド「……何もありませんよ。目的の村まではあと少しです。日没まで時間が無いので急ぎましょう」

魔法少女「そうだね。……あ、そうだ」

少女「……変身を解いてっと。よいしょ」

「……」

少女(意外と軽いもんだ……。今の俺もこれぐらいなんだろうか)

少女「……よし。村に向かおう」

ここまでなのじゃ

おつ
まさか彼女じゃなくて彼だった?

そういう先読みはいらないから

乙&保守

序盤に更新途絶えると…

もう来ないか

保守

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