《入学式前夜》
八幡「……明日から俺も高校生か」
八幡「思えば中学3年間…何一ついいこともなかったな」
八幡「高校に入れば、俺も何か変われるだろうか…」
八幡「……とりあえず明日に備えて寝てしまおう」
↓コンマ
偶数:ぐっすり眠れて早起きできた
奇数:緊張で眠れなくて寝坊した
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《入学式当日》
八幡「…やべっ、ちょっと早起きし過ぎちゃった」
八幡「まぁいっか。行ってきます!」
小町「んぅ……お兄ちゃん、どうしたの?」
八幡(うはー。こんな時間に外歩いたことないから知らなかったけど)
八幡(早朝の誰もいない道って結構気分がいいな)
八幡(散歩してるおっさんとか犬とかはちらほら見るけど…)
女の子「サブレー!待ってよー!」
犬「きゃいんきゃいん」
八幡(あ、あの子可愛い)
八幡(早起きは三文の得っていうけど、割と的を射てるかもな)
トラック「」プァーーーーーー
八幡「!!!」
女の子「!!!」
犬「ハッハッハッハッ」
トラックじゃねぇリムジンだ俺の馬鹿
八幡(このままだとあの犬は轢かれる……!)
八幡(ヤバい、体が勝手に…!)
八幡(でも今出たら俺だって無事では済まない!)
八幡(クソッ!どうする…!)
コンマ↓1
偶数:どうとにでもなれ
奇数:止まれ俺の右脚!!!
八幡「知るかぁぁぁぁぁっ!!!」
女の子「!?」
運転手「!?」
キキーーーーッ ドンッ!!!
キャァァァァァーーー!!!!オトコノコガァァァーーー!!!!
八幡(俺は全治1ヶ月の怪我を負った)
八幡(期待していた高校生活は初日から病院のベッドで過ごすこととなり)
八幡(その瞬間、俺のぼっち街道は約束されたようなものだった)
八幡(俺の治療費については、俺を轢いてしまった運転手の人が払ってくれたようだ)
八幡(俺が助けた犬のことや、その飼い主であるあの女の子のことについては、よく知らない)
八幡(怪我が治り、一ヶ月遅れで学校の門をくぐった時、すでにクラスメイトたちは自分たちのグループを形成していた)
八幡(そこから、約一年が経過する)
平塚「さて、もうすぐ二年生に進級する君らだが、この一年、この高校で、このクラスで過ごして、いろいろな成功や失敗を経験してきたと思う」
八幡(ほぼ失敗しかしてませんけどなにか)
平塚「一年国語科の最後の課題として、一つ自由作文を提出してもらう。題は『高校生活を振り返って』だ」
八幡(結構限定されてんじゃねぇか。自由はどこにあるんですかね…)
平塚「まぁ書きにくいとは思うが、私がさっき言ったように君たちはこの一年で随分とたくさんの経験を積んでいる。そこから得た思いや考えを書いてくれればそれでいい。内申にも関わってくる。ちゃんと真面目に取り組むように」チラ
八幡(…なんでこっち見るんですかね)
八幡「高校生活を振り返って、ねぇ」
八幡「正直な話振り返ったところで、何もないんだよな…」
八幡「この生活で得たものといえば、せいぜいリア充どもへの怒りくらいか…」
↓1コンマ
偶数:じゃ、それについて書いてやろう。
奇数:面倒になるのも嫌だし、適当なこと書いておくかな
八幡「……やめだ。ただでさえなぜか目ぇ付けられてるのに、目立つようなことしたら今度こそどうなるかわかんねぇ」
八幡「適当に書いておくか。『高校に上がって授業のレベルが上がり、自身のスキルアップに繋がるリスキームをコンセンシティブしてシナジー効果を…』」
平塚「……おい、なんだこの作文は」
八幡「なぜなのか」
八幡「何って……『高校生活を振り返って』というテーマの自由作文ですが」
平塚「そうだな。それでなぜ君は怪文書を書いてきているんだ?もしかして馬鹿なのか?」
八幡「怪文書って…」
八幡(あまりにも適当すぎたか…?)
平塚「作文は書き直せ。こんなもの認められるわけがないだろう」
八幡「はぁ…」
平塚「それだけだ。帰っていいぞ」
八幡「わかりました….」
八幡(書き直しとか面倒くさいことになった。これなら最初から正直に生きてた方が楽だったか?)
八幡(まぁ正直に書いたら書いたで面倒なことになってた気もするけどな…)
八幡(再提出とは言われたが)
八幡(同じ内容をわかりやすく書き直せばいいか)
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