佐城雪美「……第2回」橘ありす「リトル・マーチング・ファンド・ガールズ!」 (46)



橘ありす「みなさん、お久しぶりです。第2回目の『リトル・マーチング・ファンド・ガールズ』のお時間です」

ありす「司会は私、橘ありすと」

佐城雪美「佐城雪美……です……」ペコリ

ありす「よろしくお願いしますね」ペコリ

雪美「一旦……CM……」

ありす「ま、待ってください! 早すぎます! 放送事故かと思われちゃいますって!」

雪美「前回が……3月……。てっきり……打ち切りになったかと……」

ありす「ちょっと! よりによって司会が!」

雪美「では……最初のプレゼンター……」

ありす「先にゲストの紹介ですってば!!! 台本に真正面からケンカを売らないでください!!!」


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前作
佐城雪美「……新番組」橘ありす「リトル・マーチング・ファンド・ガールズ!」
佐城雪美「……新番組」橘ありす「リトル・マーチング・ファンド・ガールズ!」 - SSまとめ速報
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雪美「小関麗奈さん……」

小関麗奈「ありす……あんた大変な立場なのね」

ありす「開始1分で同情するのやめてください」

雪美「南条光さん……」

南条光「はい! よろしくなっ!」

ありす「大沼くるみさん」

大沼くるみ「は、はいっ! よろしくおねがいしましゅ……」

ありす「成宮由愛さん」

成宮由愛「……」カキカキ

ありす「……あの? 由愛さん? 何を書いて……」

由愛「……」バッ

『よろしくおねがいします』

ありす「うわめんどくさい」

由愛「冗談です。よろしくお願いしますね……?」

ありす「由愛さん、そんな人でしたっけ……?」

由愛「みなさん個性が強いので、目立たないと……!」

雪美「私も……個性的に……なりたい」

ありす「これ以上?」


ありす「というわけで、この4人が今回のゲストです」

光「呼んでくれてありがとう!」

麗奈「バカね、遅かれ早かれ呼ばれるんだから礼なんていいのよ」

雪美「これで……次回のメンバーも……決まり……」

ありす「そうですね。次回は梨沙さん、千佳さん、美由紀さん、千枝さんの4人になります」

麗奈(……千佳は無害、千枝はたまにちょっと黒いくらいだけど、美由紀は……。梨沙も大変なブロックに入ったわね、同情するわ)

くるみ「? 麗奈ちゃん、どうかしたんでしゅか?」

麗奈「いや、なんでもないわ」

くるみ「まるで"次回のメンツを考えたら梨沙ちゃんが大変そうだ、同情する"みたいなお顔でしゅ……」

麗奈「待って、あんたもけっこうヤバいわね? 不安になってきたわ」

由愛「……」カキカキ

麗奈「イヤな予感しかしないんだけど」

由愛「……」バッ

『今日もおでこ、光ってる!』

麗奈「このタイミングで!? 帰っていい!?」

ありす「ダメです!!!!!」

麗奈「うわあんたそんな大きい声出せるの」

ありす「前回、舞さんいなかったら途中で帰ってました」

麗奈「なにこの番組、修行?」


ありす「では、番組の説明をさせていただきます。とはいっても、前回と同じなので、簡潔にさせてもらいますね」

雪美「"ファンド"って意味……わかる……?」

光「ブレイド?」

麗奈「ゴリ押しがすぎるわよ」

由愛「ボンド?」

ありす「それ前回若葉さんが言ってました」

由愛「はぁぁぁぁ……」

ありす「そんなに!?」

雪美「くるみは……?」

くるみ「ふぇ!? く、くるみバカだから、"複数の投資家から集めた資金を用いて投資を行いそのリターンを分配する仕組みをいう。投資信託として組成されることがあるが、一方で、いわゆる投資事業組合として組成されることもあり、文脈によってはいずれか一方のみを指すことも多い"っていうWikipediaレベルの説明しかできないよぉ……」

麗奈&ありす「!?!?!?」


雪美「この番組は……、色々なアイドルが『私に投資したら○○します』とプレゼンに……」

ありす「え、くるみさんはスルーなんですか!?」

麗奈「視聴者混乱してるんじゃないの!?」

くるみ「ご、ごめんなしゃい……」

由愛「Don't be shy」

ありす「わざわざ英語で韻を踏みつつ励ましを!?」

光「ゴレンジャイ!」

麗奈「下手か!!!」


ありす「え、えっと……、そのプレゼンを受けて、皆さんならいくらまでお金を出せるのかを考える番組です……」

麗奈「なんで趣旨説明までにこんな叫ばなきゃならないのよ……」

由愛「かわいそう……」

麗奈「どの口が言う!?」

光「こら麗奈! そんなに怒鳴ったら由愛ちゃんとくるみちゃんがビックリしちゃうだろう!」

麗奈「こっちの方がいろいろビックリしてんのよ!!!」

雪美「ありす……、今日は楽……?」

ありす「あまり言いたくないですけどゲスト次第ですね。今のところは、ぎせ……ひが……麗奈さんがいるのでまぁ楽ではありますが」

麗奈「犠牲者と被害者で迷った挙句ふつうに名前言うのやめてくれない?」


ありす「では、さっさと最初のプレゼンターに来てもらいましょう」

麗奈「もう投げやり気味じゃない」

ありす「あ、実際にお金を払ってもらうわけではないので安心してください。あくまで"もしも"の話です。それと、上限は1万円ですのでご注意を。最後に金額発表をしますが、その後でも多少は変えられますのでご心配なく」

麗奈「けっこう重要な説明じゃないのそれ!? 急に詰め込みすぎよ!」

雪美「最初のプレゼンターは……この人……」


塩見周子「どーもー」


ありす「塩見周子さんです」

周子「よろしゅーこー」

くるみ「よろしくるみ~」

由愛「なんとかなる宮~」

雪美「明日があるさ城~……」

ありす「私の知らないところで打ち合わせとかしてます?」

光「……」←浮かばなかった

麗奈「こっち見ないで」


ありす「さっそく周子さん、プレゼンをお願いします」

周子「第1問!」デデン

ありす「は?」

周子「しゅーこちゃんの実家は、何のお店でしょう?」

周子「はい麗奈ちゃん早かった!」

麗奈「声を発してないわよ……、和菓子屋でしょ?」

周子「あー……」

くるみ「……」

雪美「……」

麗奈「な、なんなのよ」

由愛「バラエティは、他の人のボケを待ってから正答しないとダメです……」

麗奈「知るか!!!」


麗奈「発想が芸人のそれじゃない!」

周子「座布団全部持ってってー」

麗奈「あの場にアイドルは座らないから!」

光「あ、アタシはどうすれば」

麗奈「どうもしなくていいわよ!」

雪美「からの……?」

麗奈「ちょっとありす! 進めなさい!!!」

ありす「……あ、すみません、聞いてませんでした」

麗奈「気い抜いてんじゃないわよ!!!」


周子「あたしのプレゼンはこちら!」

麗奈(何事もなかったかのように始まるのもハラ立つわね)

くるみ(はらたつのりぃ……?)

麗奈(心を読んだ上でくだらないテレパシーやめなさい)


『私に投資してくれれば、みんなの顔をかたどった和菓子を作ります』バーン


光「おおー!」

由愛「わぁ……!」

ありす「へぇ……、では、説明を」

周子「第2問!」デデン

ありす「さっきからそれ何なんですか」

周子「ウチの和菓子屋の最近の悩みはなんでしょう?」

周子「はい由愛ちゃん早かった」

麗奈「何にも言ってないっての」

由愛「娘がアイドルという不安定極まりない職に手を出した……?」

周子「それはガチなやつだね」

麗奈「リアクションに困る会話やめて」


周子「いや、アイドルの実家ってことで、けっこー売り上げが増えてるらしいんだけどね」

ありす「いいことじゃないですか」

周子「でも、これが一過性のものにならないかどうも不安らしいんよ」

雪美(落花生……?)

ありす(雪美さん、絶対関係ないこと考えてますね)

由愛「そこで新商品を……?」

周子「そそ♪ いい感じに名物になればね」

周子「それで、その試作品を作るためのお金を、これで賄うって感じかな」

光「でも、1万円もするのか? 材料とかでしょ?」

周子「あとは道具とか? でも、余ったら素材が豪華になったり、別バージョンも作る予定だよー」

ありす「その辺はちゃんと考えてあるんですね」

周子「そりゃ、年下の前でそんなに適当にはできないしねえ」

ありす「どっかのフランス人ハーフにも聞かせてあげたいですよ」

麗奈「完全に私怨じゃない」


麗奈「別バージョンって、具体的にはどうなるのよ」

周子「んー、例えば光ちゃんだと、仮面をつけたバージョンとか?」

光「おお!!!」キラキラ

麗奈(あ、こいつ満額出すわね)

雪美「他は……?」

周子「麗奈ちゃんだと、おでこに金箔をまぶしてあげよっか」

麗奈「張っ倒すわよ」


周子「くるみちゃんは、全体的になんかプルプルしてるお菓子になってー」

くるみ「どこ見てるんでしゅか……?」

ありす(説明は雑ですが、わりと伝わりますね……)

周子「由愛ちゃんは、その泣きボクロがキャビアになるよ」

麗奈「やっぱあんたバカでしょ?」

周子「あれ? 麗奈ちゃんは海ぶどう派?」

麗奈「2択がキャビアか海ぶどう!?」


ありす「えっと、もう金額発表に移ってもいいですか?」

周子「いいよー」

雪美「では……どうぞ……」

麗奈「金箔なんて乗せられたらたまんないわよ!」『1000円』ドン

ありす(でも0じゃないんですね)

光「いいじゃないか麗奈!」『10000円』ドン

麗奈「そりゃアンタはいいでしょうけどね」

くるみ「よくわかんないから……」『4000円』ドン

由愛「キャビアってどんな味なんでしょうか……?」『5000円』ドン

ありす「判断基準がもう和菓子とか関係ないですね」

周子「麗奈ちゃんは後で覚えといてね」

麗奈「さっき"年下の前で~"とか言ってたヤツのセリフとは思えないわね!?」


ありす「それではこれで周子さんのプレゼンは……」

周子「あ!」

麗奈「……?」

由愛「どうかしましたか……?」

周子「ごめんごめん、一個言い忘れてたことがあって」

ありす「大丈夫ですよ、どうぞ」

周子「材料とか買ってもまだお金が余ったら、アシスタントを雇うつもりなんだよねー」

ありす「なるほど」

雪美「例えば……たくさん余ったら……誰?」

周子「陳健一」

みんな「???」

周子「あれ!? 陳健一わからん!? あれ!?」


ありす「……?」

麗奈「なによそんなに大きい声出して。有名な人なの?」

周子「うっわショック……、いやしゅーこちゃんもリアルタイムでは全然見てないけど名前くらいはさ?」

周子「てっきり『中華の鉄人!?』『明らかに専門外じゃない!!!』ってツッコミがくると思ってたんだけどなー」

ありす「ツッコミを計算できるならもっと手を抜いてくださいよ……」

周子「渾身のボケだったのになー、くるみちゃんとか、実は知ってたりしない?」

くるみ「ふぇ!? く、くるみバカだから、"四川料理の第一人者である父陳建民と日本人の母の間に生まれて、フジテレビ系列で放送された『料理の鉄人』の中華の鉄人として名を馳せた"っていうことしかわからないよぉ……」

麗奈「もうなんなのアンタ!!! それを世間では"知ってる"って言うのよ!」

ありす「その"くるみバカだから構文"は決めゼリフか何かなんですか!?」


由愛「えっと、その陳さん? を呼べるお金が集まらなかったら……?」

周子「お金が全然集まらなかったら、ありすちゃんに手伝ってもらうしかないかな?」

ありす「わ、私ですか!? ま、まあ、料理には自信があるので、これはみなさん、余計な出費をする必要がなくなりましたね」

由愛『10000円』ドン

くるみ『10000円』ドン

ありす「ちょっと!!!」

麗奈『10000円』ドン

ありす「麗奈さんまで!?」


ありす「酷いじゃないですか!!!」

くるみ「……」

ありす「うわ真顔!」

雪美「ありすの……料理……うん……」

ありす「普段好き勝手に発言してる雪美さんが躊躇うほど!?」

麗奈「自分の顔を模したお菓子がイチゴまみれになるのは見たくないわね。恨まないでちょうだい」

ありす「そんな馬鹿な……!」

麗奈「ってかアレよ? フレデリカが料理人とかパティシエとかやらないの、アンタが料理になるとポンコツっぽくなるからよ?」

ありす「ええ!?」

光「おい麗奈! ありすちゃんがかわいそうだろう!! ありすちゃんは人とちょっと味覚が違うだけなんだから!」

ありす「」チーン

麗奈「たった今、トドメが刺されたけど?」

周子「じゃーね♪」ダダダ

麗奈「あっ! コラ! 逃げるな!!!」



塩見周子:40000円



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ありす「先ほどは取り乱してしまいました……。すみません……」

麗奈「まぁ、悪かったわよ」

光「よし! 謝って仲直り!」

麗奈「あんたも謝る立場よ」

由愛「次は誰が来るんでしょう……?」

くるみ「楽しみでしゅね」

麗奈「アタシもそっち側に生まれたかったわ」

ありす「逃れられぬ"業"--カルマ--ですから」

麗奈「アンタもちょっと崩れてきてるわね」


ありす「続いてのプレゼンターはこの方です」

雪美「どうぞ……」


兵藤レナ「こんにちは、よろしくね」


雪美「兵藤レナ……さん……」

ありす「では、プレゼンをお願いしていいですか?」

レナ「賭けをしない?」

ありす「は?」

麗奈「プレゼンターは意味不明な発言からスタートしないといけないの?」

レナ「ふふ……、私の案はこれよ!」


『私に投資してくれれば、カジノで何倍にもして返してあげます』バーン


ありす「ゴールデンで小中学生相手に!?」


由愛「わぁ……!」キラキラ

ありす「今のどこに由愛さんは惹かれたんですか!?」

雪美「説明を……お願い……」

レナ「ええ♪ とは言っても、そのままよ。投資してくれたら増やしてあげる。わかりやすいでしょ?」

ありす「何が投資ですか。賭博ですよ賭博」

光「流石にギャンブルはちょっと……」

レナ「そうかしら? 光ちゃん、落ち着いて聞いて?」

レナ「人間、誰しもがギャンブラー魂を持って産まれてくるものなの」

レナ「それをちょっと、忘れてしまってるだけなのよ?」

レナ「しかも、よく考えてみて。カジノはたーっくさんお金を持っているでしょう?」

レナ「でも、世の中には今日を生きるのにも精一杯な人が大勢いる」

レナ「つまりカジノは悪で、私はそんな悪い奴らからお金を取り戻す」

レナ「いわばヒーローなのよ」

光「レナサンハ、ヒーローナノカ……」

麗奈「洗脳するな!!! あとされるな!!!」

由愛「ギャンブラーより詐欺師っぽいですね……!」

ありす「ド直球」


ありす「まあ進めますが……、どのゲームで儲けるつもりなんですか?」

レナ「ポーカーよ」

ありす「まあ定番ですね」

麗奈「ま、レナが強いってことは認めるけどね。こういうの、くるみは弱そうね」ニヒヒ

くるみ「ふぇ!? く、くるみバカだから、"ルールがわからず弱い手なのにコールしてるバカだと勘違いさせてカモること"しかできないよぉ……」

ありす「もう自分で稼いだ方が早いですよ」

麗奈「アンタはどこに向かってるのよ」


ありす「でもレナさん、やけに自信満々ですが、負けたらどうするんですか?」

レナ「あら、負けないわよ? 必勝法があるんだもの」

雪美「賄賂……?」

麗奈「金稼ぐために金渡してどうすんのよ、本末転倒じゃない」

レナ「負けそうになったら机をひっくり返せばいいのよ」

ありす「明日から勝負師を名乗らないでもらっていいですか」

レナ「ツッコミの使いまわしは感心しないわね」

ありす「誰も覚えてないからいいんです」


ありす「……もう最終決定でもいいですか?」

レナ「ええ♪ 期待してるわ」

雪美「それでは……金額発表……」

光「やっぱりアタシは出せない! ごめんレナさん!」『0円』ドン

レナ「あら、残念ね」

麗奈「まあ、増えたら儲けものね」『2000円』ドン

由愛「がんばってください!」『4444円』ドン

レナ「金額から悪意が滲み出てないかしら?」

くるみ「こ、このくらい、かなぁ……?」『3556円』ドン

ありす「なんなんですかその中途半端な……、えっと、合計は……」

雪美「10000円ピッタリ……」

ありす「え!?」

麗奈「アンタ前3人の金額を予想して10000円になるように合わせてきたの!?」

くるみ「ふぇ!? く、くるみバカだから」
麗奈「もうそれはいいわよ!!!」


ありす「では、レナさんは10000円ということで」

レナ「あ!」

ありす「もう! なんなんですか!」

レナ「ごめんなさい、私も言い忘れがあって」テヘ

麗奈「早くしなさいよ……」

レナ「私もね、余ったお金でアシスタントを雇おうかと思うの」

由愛「どなたですか……?」

レナ「お金が多かったら茄子ちゃんで、少なかったらほたるちゃんかしら」

由愛『10000円』ドォン

くるみ『10000円』ドォン

麗奈『10000円』ドォン

光「おい麗奈!!!」


麗奈「なによ! 事情が変わったわ! いくらでも持っていきなさい!」

ありす「急に!?」

麗奈「だってこんな勝ち戦ある!?」

雪美『10000円』カキカキ

ありす「司会者!!!」

由愛「新しい筆が欲しいな……」

ありす「すでに皮算用を!?」

レナ「よし!」

ありす「恥を知ってください!!!」



兵藤レナ:30000円+雪美の10000円?



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雪美「次が……ラスト……」

由愛「もうですか……」

光「楽しいとすぐだなっ」

くるみ「そうでしゅね……」

麗奈「早く終わってちょうだい」

ありす「私も早く終わってほしいです……」

雪美「では……次のプレゼンター……どうぞ……」


城ヶ崎美嘉「やっほー★」


雪美「スーパー……ウルトラ……スペシャル……ミラクル……カリスマギャルの……城ヶ崎美嘉……さん……」

美嘉「なんかハードル高くないかな!?」

ありす「あ、ハイパーアメージングデンジャラスビューティフルカリスマギャルの美嘉さんですか、よろしくお願いします」

美嘉「ありすちゃんまで!?」

麗奈「あら、パーフェクトアンビリーバブルデラックスオリックスカリスマギャルの美嘉じゃない、頑張ってね」

美嘉「オリックス!? なんか球団混じってるけど!?」

由愛「……」カキカキ

美嘉「ゆ、由愛ちゃんは何を書いてるのかな……?」

由愛「……」バッ

『巻きで』

美嘉「容赦ないね!?」


美嘉「なんか前2人の鬱憤を晴らしてない!?」

ありす「気のせいですよ」

麗奈「そうそう♪」

光(2人とも、今日で1番いい顔してるな……)

美嘉「そう……? じ、じゃあプレゼンに入っていい?」

雪美「くるみは……どう思う……?」

美嘉「決定権くるみちゃんなの!?」

麗奈「くるみ"さん"でしょ!」

美嘉「誰!?」

くるみ「くるしゅうないぃ……」

美嘉「無理しないで!」

ありす(美嘉さん、奈緒さんに匹敵する苦労人気質ですね……)


----------同時刻・事務所----------


神谷奈緒「は……はっくしょん!!!」

渋谷凛「あれ? 風邪でも引いた?」

奈緒「うーん? 違うと思うけど……」

北条加蓮「誰かが奈緒のウワサでもしてるんじゃないの?」

奈緒「そうかぁ?」

凛「そうだね、誰かが奈緒の眉毛の面積について議論してるのかもね」フフッ

奈緒「適用範囲がピンポイントすぎる」

加蓮「それか、誰かがウチの事務所のウワサしてるのかも」フフッ

奈緒「今度は広すぎるだろ!? 事務所の話題、全部あたしのくしゃみの引き金かよ!?」

凛「ハクションだい奈緒うだね」フフッ

奈緒「これっぽっちも上手くないからな!!!」

加蓮「呼ばれて飛び出てほ・し・い・のっ」フフッ

奈緒「その"フフッ"ってのをやめろぉ!!!」


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ありす「そろそろふざけるのはやめにしましょうか」

雪美「ね……美嘉……」

美嘉「アタシ!?」

麗奈「いちいち拾ってたらキリがないわよ」

美嘉「それ、番組として大丈夫……?」

ありす「……」

麗奈「……」

スタッフ「……」

美嘉「ええ……」


美嘉「えっと、アタシがプレゼンするのは『爪』!」

くるみ「爪?」

光「爪?」

麗奈「爪?」

由愛「腕に女 KISS?」

美嘉「ホルモン関係ないから! ってかよく知ってるね!?」

ありす「伝わりにくい会話ですね」


美嘉「と、とりあえず画面お願いしまーす」


『私に投資してくれれば、L.M.B.Gのみんなにネイルアートをします』バーン


くるみ「おぉ~……」

ありす「では説明を」

美嘉「おっけ★」

雪美「巻きで……」

美嘉「また!?」

麗奈「いちいち拾ってたら」

美嘉「いや無視するわけにもいかないじゃん!」


美嘉「みんなネイルアートはわかるよね?」

雪美「バルログ……」

ありす「普通真っ先にそれ出てきますか!?」

美嘉「あれアートとはほど遠いから!」

光「爪がなんかキラキラするやつだよね?」

美嘉「あ、そうそう! それをみんなにやってあげたいなって」

由愛「お金が増えると、どんな風にグレードアップしていくんですか?」

美嘉「まず、いろんな色のマニキュアを用意できるから、組み合わせの幅が広がって個性が出せるようになるかな」

ありす「なるほど、確かに、2色や3色ではワンパターン化してしまいますもんね」

美嘉「そういうこと★ さらに、ストーンとかでデコっちゃうこともできるし」

光「でも、ちょっと邪魔になっちゃいそうじゃないか……?」

美嘉「そんな光ちゃんには、例えば5人の戦隊モノをイメージしたデザインを5本の指にやるとかどう? デコるのは必須じゃないし」

光「おおおぉ……!!!」キラキラ

麗奈(あ、こいつ満額出すわね)


美嘉「みんなだっていつかはそういうオシャレもするんだし、体験版みたいな感じでどうかな?」

ありす「予想通りではありますが、とてもマトモですね」

美嘉「裏で見てたけど、前の2人はすごかったねー……」

麗奈「でもちゃんと大した額ゲットしてるのよね。まあ"もしも"の話だから実際にはお金は移動してないけど」

くるみ「くるみも、きれいな爪にしてくれるのぉ……?」

美嘉「もち! どんな感じがいい?」

雪美「本物の……胡桃を……あしらうとか……?」

ありす「邪魔でしょう!?」

くるみ「……!」ポンッ

美嘉「なんで"その手があったか"みたいな顔してるの……!?」


ありす「では、金額決定に……」

美嘉「……」ドキドキ

雪美(ありす……カンペ……)

ありす(あ、すみません。えっと……)

ありす「スタッフ、および事務所のアイドル達からの情報によると、美嘉さんはこのオファーがあってからプレゼン内容を考えるのに三日三晩悩み続けたそうです」

美嘉「わ! ちょ、ちょっと!?」

ありす「自分に何ができるのか考えて、売り場に赴いて実際にイメージするなどして、ようやくプレゼンできる内容だと判断したのは締め切りギリギリだったらしいとのことです」

美嘉(ふ、普通に恥ずかしい……!)

麗奈「……よくやるわね、ホントに」『10000円』ドン

美嘉「え……?」

光「アタシはそんな話聞かなくても決めてたからな!」『10000円』ドン

美嘉「……」

くるみ「ふちゅちゅかものでしゅが……」『10000円』ドン

由愛「私の爪がキャンバスになるんですね……? 楽しみです」『10000円』ドン

美嘉「……!」

ありす「ま、これは文句なしですね。私がそちらにいても同じ選択をしたでしょうし」

雪美「……」コクリ

美嘉「みんな……」グスッ

麗奈「おかしな番組のオチにしては、まあいい具合に収まったんじゃ……って、泣いてるの!?」

美嘉「えっ!? い、いや! ち、ちょっとビックリしただけだからっ★」

由愛「きっと『L.M.B.Gのメンバーと自分の価値観は違うだろうから受け入れられないかも……』って不安だったんですよね……?」

美嘉「そこまで正確に心を読まないでほしかったんだけどね?」



城ヶ崎美嘉:40000円


ありす「さて、ようやくエンディングです……」

雪美「みんな……お疲れ様……」

麗奈「ホントにね……」

光「そんなこと言うものじゃないぞ! 楽しかったじゃないか!」

くるみ「たのしかったぁ……」

由愛「うん……。でも、あまり目立ってはいなかったかも……」

ありす「心配しないでください。視聴者の9割は驚く目立ちっぷりでしたから」

麗奈「早く切り上げて打ち上げにでも行きましょ」

ありす「まだカメラ回ってるのに……」

レナ「あら、飲み会の話かしら?」

ありす「うわぁ!?」

周子「ってかお酒飲めるの、レナさんしかいないけどね」

美嘉「ごめんねー……? まあ最後くらいは映りに来たってことで?」

ありす「罰として、打ち上げでは周子さんとレナさんの対応をお願いしますね」

美嘉「絶対イヤなんだけど!?!?」



おわり





第1回の時はみりあ桃華仁奈の3人はまだ加入していなかったので、その設定でお願いします。
あと1人増えれば第4回まで視野に……?


過去作


神谷奈緒「夏の常務も憎めない」

智絵里「ほたるちゃんが」朋「幽霊に!?」

森久保乃々「あなたの瞳を」(シリアス系)


などもよろしくお願いします


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