美希「究極を求めて……」 (20)

途中までになるかもしれませんが…

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美希「ただいまなの!」

P「おう。レッスンお疲れ」

美希「いま何時!?」

P「ん?もうすぐ2時かな」

美希「いけない!遅れちゃう!」

P「なにか用事か?」

美希「そうなの!少しだけでも様子を見ておきたいの!じゃあお先に失礼します!なの!」

P「美希のやつ、最近すぐ帰るな」

律子「なんか社長が個人的にうけたオファーがあるらしいですよ」

P「社長が?」

律子「ええ。私達にもいえない極秘のオファーらしいです」

P「極秘ねぇ…」

律子「なんでも、世界に影響を与える仕事だからって」

P「世界!?…まあ…社長が係わってるなら危険はないか…」


スタッフA「どうでしょう。星井さん」

美希「全然ダメなの。やりなおし」

スタッフB「こっちも出来ました」

美希「ボツ。やり直し。さっきのの方がマシなくらいなの」

スタッフC「……では、これでは?」

美希「3日もかけてこの程度なの!?ボツ!!」

美希「みんなぜんぜん情熱が感じられないの!!いい加減に取り組むぐらいならもう来なくていいの!!」

A・B・C「……」

美希「……もうこんな時間…今日はもう終わりにするの…」

A「……はい。わかりました…」

美希「じゃあ、お疲れ様でした。なの」

B「おつかれさまでした…」

C「……した…」

ガチャ

バタン

美希「はぁ…またミキ一人だけ熱くなっちゃったの…」

美希「どうしたらみんな情熱をもってやってくれるんだろ…」

美希「…あ!いけない!明日収録で遅れること言い忘れたの!」

美希「すぐ戻るの!」

美希「ハァハァ…まだみんないるかな…?」


C「やってらんねーーよ!!」

美希「!}

C「なんであんなこと言われなきゃなんねーんだよ!」

A「落ち着けよ」

B「いや、気持ちはわかるよ。なんであんな素人に!」

C「ちょっと売れてるアイドルだからって調子のってんじゃねーのか!」

A「……まあ…確かに…。ちょっとあの人にはついていけないかな…」

ガタン

A・B・C「!!」


美希「あ……、ご、ごめんなさい…盗み聴きする気はなかったの…あ、明日ちょっと遅れるって…そ、それだけで…」

美希「し、失礼しますなの!」ダッ

A「星井さん!!」

翌日

オツカレサマデシター

美希「……」

P「…なにかあったのか?」

美希「え?」

P「今日の収録…いつもの美希とはなんか違ったみたいだからな…」

美希「え!ちゃんと出来てなかった!?」

P「いや、いい仕事だったよ。…でも、どこかいつもの美希とは違ったように見えてな…」

美希「……ハニーに隠し事はできないの……」

P「ハハハ。何年美希を見てると思ってんだ。…で、なにがあったんだ?」

美希「ミキね…また1人で暴走しちゃったみたいなの…」

美希「もっともっと。ってもっと良いものが作りたいって…」

美希「きっとみんなも同じ気持ちだと思ってたの…」

美希「でも、それはミキ1人だったみたい…」

P「……」

P「…美希が何をやってるのか、まだ言えないのか?」

美希「……ごめんなさい。楽しみにしてる人が沢山いるからまだ言えないの…」

P「…そうか」

美希「……」


P「…美希がいまぶち当たってる壁がなんなのかはわからないが…」

美希「?」

P「プロとして妥協になると感じるなら、美希が正しいと思うぞ」

P「美希がそんなに自分から真面目に取り組むなら、それはきっと美希にとって重要なことなんだろう」

P「ならそのまま情熱をもってやるべきだ」

P「俺でもみんなをプロデュースするときは妥協しない。それはみんなの為にも、ファンのためにもならないからな」

P「たとえお前達に嫌われてもな」

美希「ハニー……うん、そうだね。嫌われてもいいの!自分の気持ちを押し通すの!プロとして!!」

美希「何回言わせるの!?色がくすんでる!一つ一つが大きすぎる!なんでみんな分からないの!?」

C「チッ!おい…!いい加減に…!!」


ガチャ

C「?」

C「!!あ!お、おはようございます!」


???「星井ちゃん。ちょっと休もう」

美希「っ!で、でもっ…!」

???「スタッフも疲れてる……。こんなんじゃいい仕事はできない」

美希「ッ!……」

美希「……」

美希「……田畑さんがそういうならしかたないの…」

     C『え?反発ですか?…もちろん反発はありましたよ。』

     C『なんで素人にここまで言われなきゃならないんだって』

     C『だから言ったんです』


C「いい加減にしてくれ!」

C「俺たちにだってプライドがあるんだ!」

C「どうでもいいじゃないか!!『おにぎり』なんて!!」



田畑 端…ゲームクリエイター。ファイナルファンタジーXVディレクター。

美希「……いま……なんて言ったの…?」



     A『でも星井さんはゲームに関しては素人ですけど、おにぎりに対しての情熱は誰にも負けなかった。』



美希「おにぎりなんてどうでもいい…?」

C「あ…。い、いやその……」

美希「……」


美希「……確かにそうかもしれないの」

C「え?」

美希「ミキね…ゲームにはあまり詳しくなくてこの話をもらった時も断ろうと思ったの、迷惑になるかもしれないから…」

美希「でもね、田畑さんの、『どうしても完璧なおにぎりを表現したい』って思いにうたれて参加させてもらったの」

田畑「……」

美希「それで亜美…ゲームに詳しいメンバーにFFをやらせてもらったの…」

美希「凄かった……。」

美希「映像がきれいですごくキラキラしてて…!こんな素敵な映像で美味しそうなおにぎりを見てみたい、そう思ったの…」

A・B・C「……」

美希「ゲームにとっては確かに意味のないことかもしれないの…」

美希「でもミキの初めてのFFは、ゲームのプロのみんながどんなことにも妥協してないそんなゲームだったの!」

美希「ミキもそんなみんなの仲間になりたくて……だから……!」

美希「……」

A「……」

B「……」

C「……」



C「…………2個でいいですかね」

美希「……え?」

C「おにぎりの数です。3個のもつくってはみたんですけど」

美希「え…あ…。ミ、ミキは2つがいいと思うな!3つじゃお腹いっぱいになりすぎちゃう!」



     B『最初はなんでおにぎりごときって思ってたんですけど、星井さんの気持ちにみんなあてられて…』



A「形もすこし丸みを持たせましょうか。そっちの方が人が握った感がある」

C「下には笹の葉か竹皮敷くか」

B「ちょっとまて!まず海苔の巻き方の好みを調べる為にアンケートを…」

A「それを言い出したら形も丸か、たわら型か、三角かで争いが起きるぞ」

C「いや、そこは三角だろ」



     B『よし作ってやろう!!世界に恥じない世界一のおにぎりを表現してやろうって一致団結できたんです』



田端「(みんなの目に生気が戻った……彼女の情熱がアイドルとゲームの垣根をこえた……)」

田端「(高木社長…やはりあなたの目に狂いはなかった…!)」

田端「ははは!さあ、みんな!!リヴァイアサンと同じスペックのおにぎりを作り出してやろうじゃないか!!」

美希「……できた……」
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美希「色々ひどいことも言ったけど、正直ここまでできるとは思わなかったの…」

美希「ミキ…このゲーム製作に参加できてよかった…」

A「礼を言うのはこっちですよ」

B「納得のいくプロの仕事ができた」

C「あのまま妥協してたら一生後悔してたかもしれない…」

C「なんであの時、完璧なおにぎりにこだわらなかったのか…。ってな」


A「フフフ。初期のなんて今見たら酷いですね」
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田端「どうだった星井ちゃん。うちのスタッフ達は…」

美紀「みんな、よく頑張ったね!」
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C「ふー…久しぶりの充実感があるな…」

A「あんなに情熱をぶつけたのは何時ぶりだろうな…」

B「ああ…。学生の頃の様な…しばらく忘れていた感覚だ…」


ガチャ

田畑「みんな。揃ってるかい?」

A「あ、田端さん。おはようございます」

田畑「みんな。この前のおにぎりには感動したよ…」

田畑「このチームなら完璧な仕事ができる。そう確信したよ」

田畑「だから、今回また新しい監修の方に入ってもらった。…どうぞ!」




雪歩「映像みました。あんなの岩じゃありません。ただの土の塊です。私なら3秒で掘れます」

雪歩「まず皆さんには、理想の岩、究極の岩探しからしてもらいます!」

A・B・C「 」

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おわりです。ありがとうございました。
一応元ネタ
http://www.famitsu.com/matome/ff15/2016_08_25.html

おにぎりは予想できたがこれにはワロタ
おつ

乙です

ワロタ
いい発想だった
おつ

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