千枝「刻んでくストーリー」 P「Hi-Fiなおしおき」 (320)


デレマスSSです。

デレステしかしたことがないので違和感ありまくりかもしれません。

細かいミス・誤字などは脳内補完でお願いします。

あと、キャラ崩壊・テンプレ注意かもしれません。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1472741259


モバP (以下P )「……よし、全員集まったな」


泰葉「急に呼び出されたと思ったら……一体なんなんですか?」セイザ


千枝「千枝たち、なにかしちゃいましたか……?」


仁奈「仁奈、悪いことした覚えはねーですよ!」


みりあ「そうだよー! ちゃんといい子でお留守番してたよ?」


桃華「淑女としてきちんとしてましたのよ?」


薫「せんせぇ?」


泰葉「っていうか、なんで私だけ正座なんですか!」


P「ん? ノリ?」


泰葉「ちょっとプロデューサー!」




P「まぁまぁ、それは置いといてだな」


P「お前たちにちょっと聞きたいことがあるんだが……」


P「お前たち、夏休みの宿題は全部終わったか?」


仁奈「宿題ですか? もちろん全部終わらせたでごぜーますよ!」


薫「今日から新学期だよ!」


泰葉「もしかしてプロデューサー、忘れてたんですか?」


P「いや、きちんと覚えていたが……ところで泰葉、お前はちゃんと終わらせたんだろうな?」


泰葉「当たり前です。それに私の場合、8月下旬から新学期ですから、終わってて当然です」


P「そうか……えらいぞ、泰葉」ナデナデ


泰葉「んっ……///」


P「…………それでだな」


泰葉「いや、誤魔化されませんよ。なんで私だけ正座」


P「それでだな!」


泰葉「ちょっと! プロデューサー!」




P「ちょっと思い出してほしいんだが、夏休みに入る前にみんなと俺との間で『ある約束』をしたと思うんだが……」


P「それがなにかわかるか? 桃華」


桃華「約束ですか? 確か……」


P「宿題に関することなんだが」


桃華「ええっと…………あ! 思いだしましたわ!」


桃華「『宿題は余裕を持って、始業式の一週間前に終わらせること』でしたわね――」ハッ!


P「……ん、桃香はもう気付いたようだな」


桃華「……なんのことかさっぱりですわよ。Pちゃま」アセアセ


P「俺に嘘が通じないのは良く知ってるだろう、桃華」


P「それに、ここにみんなを呼び出した時点でもうバレてるということに気付くんだ桃華」


桃華「うっ……」


千枝「えっと……どういうことですか?」


P「よし、今から説明してやろう」





P「俺とみんなである約束をした」


P「今、桃華が言ってくれたみたいに、夏休みの宿題を始業式の一週間前にはきちんと終わらせるっていう約束だ」


P「そのときにも説明したが、L.M.B.Gは少しずつ人気者になりつつある」


P「それに加えて、夏休みは小学生や中学生向けの教養番組の出演依頼が多い」


P「そこに同年代のお前たちが出ているだけで、興味を惹かれる学生が多いんだ」


P「要するに、夏休みはみんなの出番が多くなるってことだ」


P「これについてはちゃんと説明したんだが、覚えてるか?」


薫「はーいっ! 覚えてまー!」


P「よしよし、いい子だ」




P「みんなにはアイドルとして仕事をしてもらっているが、勉強も大切なことなんだ」


P「むしろそっちの方が大事ともいえる」


P「だから、みんなには夏休み最後の日に急いで宿題を終わらせるようなことはなく、きちんと、ゆっくりと、余裕を持って確実に勉強してほしいと思った」


P「だから、そういう約束をしたんだ」


泰葉(意外とちゃんとしてた……)


P「泰葉は後でケツバットな」


泰葉「なんでですか!」




P「で、だ。みんないい子だし、きちんと俺との約束を守ってくれると俺は信じてたし、当然にその期待に応えてくれるんだろうと思っていた」


P「だがな、こんな噂を小耳にはさんでな」


泰葉「噂、ですか?」


P「ああ。なんでも、夏休み最後の日に、事務所の会議室を借りて数時間籠っていた学生アイドルの集団がいたらしい」


L.M.B.G『ギクッ!』


P「……ここまでわかりやすい反応になるとは思わなかったぞ」







P「まぁいい。続けよう」


P「その話を聞いた時、俺は『また高校生組が俺の言いつけを守らずに、夏休みの宿題を最終日まで溜めこんで地獄を見ているのか』と思った」


P「……だが詳しく話を聞くと、どうやら背の小さなアイドルも何人か参加していたらしいじゃないか」


千枝「そ、それは……」


P「うちの事務所に背の低いアイドルは何人かいる。だから、その話だけでお前らがその当事者……要するに、その宿題イベントの参加者だと決めつけるのは早いと思う」


泰葉「そうですね。みんなが参加していたという証拠もありませんし」


P「ああ。だから俺はあんまり詮索しないようにしようと思っていたんだが……」


P「先日、とあるアイドルからこんな連絡が来てな」チラッ


泰葉「これは……LINEですか?」






MIKA★「プロデューサー助けてよ~!」コマリガオ






桃華「一見、普通のように見えますけど……」


P「その下だ」スッ






MIKA★「一緒に頑張ってるよ! フヒヒ★」






桃華「えっ……? ふ、ふひひ?」


P「そっちじゃねぇ。てか、それに触れちゃだめだ」







P「そのメッセージの後の画像、背景に」


薫「あっ! 薫たちが映ってるー!」


仁奈「ホントでごぜーますね! いつのまにとりやがったですか?!」


P「おそらくこいつも意図して撮ったわけではないと思う。まぁ、偶然だろう」


P「だが、この写真が偶然でも、お前たちがあの日会議室で宿題を終わらようとしていたのは、紛れもない事実だということがこれで判明した」


P「なにか言い訳はあるか?」


みりあ「うぅー……」


千枝「いえ……ありません」


P「これはつまりだ、お前たちは夏休み前に俺とした約束を破ったことになる」


P「だからってなんなんだと思われるかもしれないんだがな、約束は約束だ。守らない奴は罰を受ける」


P「つまり……おしおきだな」


仁奈「お……」


薫「おしおき……!」ゴクリ


千枝「…………」ドキドキ





泰葉「ちょっと待ってください、プロデューサー」


P「なんだ、泰葉」


泰葉「それはちょっと厳しすぎるんじゃないですか?」


P「なんでだ?」


泰葉「普通の子たちならそれでも問題は無いと思いますけど、この子たちは芸能のお仕事をしながら学業も両立しなくてはいけないんです」


泰葉「その大変さは、誰よりも私が知っています」


P「まぁ、そうだろうな」


泰葉「私はもう何年もそれをやってますから、いい加減慣れましたけど、この子たちにはまだ難しいことだと思います」


P「まぁ、もっともだな」


泰葉「それに、きちんと宿題が終わるように仕事の量を調節出来ていなかったプロデューサーのせいでは?」


P「うっ! ……まぁ、確かにそういう考えもあるな」


泰葉「そういう考えというか、それしかないように私は思いますよ? 大体ですね、プロデューサーは……」


仁奈「止めてくだせー! 泰葉おねーさん! 悪いのは約束を守らなかった仁奈たちのせいでごぜーます!」


みりあ「そうだよ! 本当はちゃんと終わらせれたのに、ちょっと遊んじゃったみりあが悪いんだよ!」


千枝「確かに、やろうと思えばやれたような気もします……」


桃華「……それに、誰よりも忙しいのはPちゃまのはず。それなのにPちゃまは、わたくしの宿題を貴重な休憩時間を潰してまで見てくれたことがありました」


薫「薫も見てもらったよ! でも……」


桃華「ええ。そこまで気を使っていただいたにも関わらず、わたくし達はみな、Pちゃまとの約束を守れなかった。おしおきを受けて当然だと思いますわ」


泰葉「で、でも……」


P「クックック……形成逆転だな、泰葉」


泰葉「プロデューサー……っ!」


P「正直俺も迷った。高校生組なら問答無用で事に移るが、この子たちにそんな酷いことをしていいのかと……」


P「でもな、囁くんだ……。俺の心を揺さぶるように、悪魔の声が……そう…………」


P「緑の悪魔が…………!」


泰葉「ち、ちひろ―――っ!」






P「ちひろさんと話し合った結果、今度の休みに『おしおき』を決行することにした」


P「その日は家にも帰さんと夜通しでやるからな。みんなきちんと準備して、覚悟しておけよ」


P「存分に悲鳴を上げさせてやるからな……!」ニヤッ


仁奈「うぅ…………」ウルウル


桃華「くっ…………」ビクビク


みりあ「はーい…………」シュン


薫「はーい…………」ビクビク


千枝「…………!」ゾクゾクッ!


泰葉「ちょ、ちょっとプロデューサー……!」


P「あ、そうそう。泰葉、お前にも受けてもらうから。おしおき」


泰葉「えっ?」


P「お前、今朝方、俺がこの件について聞いた時、知ってたのに知らないふりしてただろ」


泰葉「は、はい? 一体ナンノコトヤラ?」


P「あれ、お前が知ってるってわかった上で聞いたことだから」


泰葉「えっ」


P「俺に嘘つくとかいい度胸してるねーお前」


P「そういう訳で、共犯ということでお前にも受けてもらうから。おしおき」


泰葉「」







P「ちゃんと着替えとか持ってこいよ! 泊りがけだから」


泰葉「い、嫌です! 絶対に行きません!」


P「ふーん、じゃあ、L.M.B.Gのメンバーが助けを求めてもお前は助けないわけね。わかったそれなら……」


泰葉「そ、そういう言い方は卑怯ですよ!」


P「じゃ、お前も参加ね」


泰葉「う、ううぅぅう…………はい」ガックシ


P「よしよし、素直でよろしい」






P「じゃあ、そういうわけで。詳しいことについてはまた後日しおりを渡すから、それを見て各自忘れ物のないよう準備するように」


P「あ、親御さんの方には一応こっちから連絡しておくから。安心しろよ」


泰葉「内容が内容だけに安心できませんけどね」


P「……………………」ツンツン


泰葉「にゃうんっ!!」ビクンッ


泰葉「ぷ、ぷろでゅーさー……!」ビクビク


P「泰葉、疲れてるだろ。足のマッサージしてやろうか?」


泰葉「」ブンブンッ!


P「そっかー……残念」


P「でも、遠慮するなよ!」


泰葉「」ガタガタ


P「よしっ! じゃあ今日は解散! また当日にな!」


L.M.B.G+泰葉『はぁーい』













泰葉(このとき私は知る由もなかった)


泰葉(まさか、あんなことになるなんて…………)


想像以上に忙しくて、書き溜めもなにも用意できない中の突貫工事でしたが、取りあえず導入編は終了です。


明日はいよいよ本番。おしおき開始編です。今回はそんなに長くならないかも? そう思いつつ前回は長くなりましたが……。


静かに読んでいただきありがとうございました。また明日もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。



再会します。書き溜めはまだない。


>>1にも書いてありますが、私はデレステしかしたことがないので、L.M.B.Gのメンバーは5人だけになります。その他のキャラが好きな人、ごめんなさい。


0時になったらアニバーサリー始まるんで、それぐらいに消えます。ごめんなさい。


では、今日もよろしくお願いします。




数日後




薫「おはようございまーっ!」バタン!


仁奈「おはようごぜーます!」


桃華「おはようございます、薫さん」


千枝「おはよう、薫ちゃん」


みりあ「おはよう! 薫ちゃん!」


薫「あれー? もしかしてまた薫が最後?」


桃華「L.M.B.Gのメンバー内ではそうなりますわね」


薫「おっかしいなー。今日は早めにお家を出たはずなんだけど……」


千枝「まだ集合時間の30分前だし、遅刻ってわけじゃないから大丈夫だと思うよ」


薫「今度こそ一等賞取ろうと思ってたのにー!」


桃華「うふふ、また今度にお預けですわね」









ガチャ




泰葉「おはようございます」


仁奈「あ! 泰葉おねーさんだー!」トテトテ


泰葉「おはよう、仁奈ちゃん」


仁奈「今日はみんなでいーっぱい遊べるですか?!」


泰葉「うーん、今日は遊びって言うか、おしおきだからね……」


仁奈「あ……そう言えばそうでごぜーました……」シュン


仁奈「仁奈、おしおきは嫌でごぜーます……」


泰葉「まぁ、そうだね。おしおきが嬉しい人なんて誰も……いや、居ることにはいるんだけど……」


仁奈「でも、仁奈頑張るですよ! 約束を守れなかった仁奈たちのせいでごぜーますから」


泰葉「仁奈ちゃん……」


泰葉「うん、そうだね。みんなで頑張ろう? いざとなったら私が助けてあげるからね」ナデナデ


仁奈「えへへー///」


桃華「そうですわ仁奈さん。わたくし達がついていましてよ」


みりあ「そうだよ! このメンバーだったら、ぜーったい最後まで頑張れるって!」


薫「薫もお手伝いするよー!」


千枝「千枝も、出来る限りお手伝いします。だから、みんなで一緒にがんばりましょう」


L.M.B.G『おーっ!』


泰葉(私とは違う、こんなに健気な子たちに『おしおき』だなんて、プロデューサーとちひろさんは一体なにを考えているのやら……)


泰葉(この子たちの為にも、そして私の為にも、お姉さんとして、いざという時にみんなを守ってあげないと……!)







ガチャ



ちひろ「おはようございます。みなさんお揃いのようですね」


泰葉「あ、ちひろさん、おはようございま――はえっ?」


ちひろ「どうしましたか泰葉ちゃん? 気の抜けた声を出して」


泰葉「えっ? いや、あのその、ええっと……」


ちひろ「…………? どうかしましたか?」


泰葉「あの……誰でもその恰好を見たら驚くと思うんですけど……」


泰葉(ちひろさんがいつもの緑色の制服を着ていない……)


泰葉(それどころか、ワンピースに麦わら帽子のような……確かストローハットとか言ったっけ? を被ってる……)


ちひろ「…………?」キラキラ


泰葉(誰だこの美女!)






みりあ「わぁーっ! ちひろさん、すっごく可愛いーっ!」


ちひろ「あらあら、面と向かって言われると照れますね」


桃華「なんというか……その、普段とはガラリと印象が変わりますのね」


ちひろ「いつもはあの制服しか来ませんからね。たまに違うのも着ますが」


薫「キレーっ! ちひろさん、すっごくキレイだよ!」


仁奈「女優さんみてーですね!」


ちひろ「な、なんだかそこまで言われると、さすがの私でも照れますね///」


ちひろ「それと、あまり褒められると涙が……普段あまり褒められないから……」グスッ


仁奈「ちひろさんも、いつもは褒めてほしいですか?」


ちひろ「そうね。こう見えて私も人間だから」


泰葉「ダウト」


ちひろ「泰葉ちゃん?」チラッ


泰葉「…………」プイッ






みりあ「そう言えばちひろさん、プロデューサーは?」


ちひろ「Pさんは車を回してきてくれてますよ」


仁奈「車を回すですか? プロデューサーは力持ちですね!」


千枝「仁奈ちゃん、ちょっと意味違うよ!」


仁奈「え? じゃあどういう意味ですか?」


千枝「車を運転して、事務所の前まで持ってきてくれてるって意味だよ」


仁奈「はえー。そういう意味があったんでごぜーますね。仁奈、また一つ賢くなっちまったでごぜーます!」


千枝「今度Pさんに教えてあげようね」


仁奈「もちろんでごぜーます!」






ガチャ



P「おーっす。お疲れさん。みんな揃ってるな」


薫「あっ! せんせぇだ!」


P「おう、みんなちゃんと私服で来たな」


泰葉「えっ? Pさんも私服ですか?」


P「俺だってたまには私服も着るよ。スーツが皮膚と同化してるわけでもないし」


泰葉「…………」ジーッ


P「なんだ、泰葉?」


泰葉「…………無難なコーデですね」


P「余計なお世話だ!」





P「ん゛ん゛っ。さて、気を取り直して……」


P「改めて、みんなおはよう。今日は絶好の『おしおき』日和になってよかったぞ」


泰葉「雲一つない快晴ですけど、そう言われるとちょっと憂鬱ですね」


P「ひとまず指示通りに荷物は会議室に置いてくれたみたいだし、さっそく現場に行きたいと思う」


P「各自、手荷物は持ったか?」


薫「はーいっ!」


P「元気があってよろしい。それじゃ各自、車に乗り込んでくれ」


P「和久井さん、後はよろしくお願いします」


留美「ええ、あとは任せてちょうだい。気兼ねなくね」


P「お土産ちゃんと買ってきますから」


留美「気にしなくていいわよ」


P「いえいえ、それじゃあ行ってきます」


留美「気を付けてね」


P「はい、ありがとうございます」





P「それじゃあ、俺達も行きましょうか」


ちひろ「そうですね」


泰葉「Pさん、ちひろさん……」


P「ん? どうしたんだ泰葉」


P「今さらになって怖気づいたとか言うなよ」


泰葉「いえ、そうではなくて……」


泰葉「…………中止するなら今の内ですよ」


P「…………泰葉」


泰葉「わかってます、Pさん。私はもう踏ん切りつけたので大丈夫です」


泰葉「あの子たちも、それで納得しているみたいですし……」


泰葉「でも、もし今回の話を他のアイドルの子たちが聞いたらどうなりますか?」


泰葉「いくら約束を破ったとはいえ、あんな小さな子たちに『おしおき』だなんて、あまりも酷過ぎます」


P「それについては問題ない。あいつらに合わせたレベルに――」


泰葉「私が心配しているのはプロデューサーの事です!」


泰葉「こんなことが知れ渡ったら、プロデューサ―への評価が――!」


P「泰葉」


泰葉「…………!」ビクッ


P「……これはもう決まったことなんだ。今さら取り返しはつかない」


P「それに、この日のために出来るだけの準備をしたんだ。和久井さんにも無理言って事務所の留守番を頼んだ」


P「これらを全てになかったことにするのが、どれだけの事なのかお前もわかるだろ?」


泰葉「それは……」


P「……それに、向こうに着けばお前もそんなこと言ってられなくなるぞ」


泰葉「えっ……?」


P「ま、なんにせよ、移動しなければ始まらない。車に乗るんだ、泰葉」


泰葉「…………後悔しますよ、プロデューサー」


P「それはこっちのセリフだぞ、泰葉」


泰葉「それはどうでしょうか……」スタスタ




ニナハマエノホウガイイデゴゼーマス!


ソレジャアチエハウシロニ


ミナサン? モウスコシツツシミトイウモノヲ……


ミリアモマエーッ!


カオルモカオルモーッ!


キイテマスノ?!





泰葉「……みんなこれから『おしおき』だっていうのに、あんなに楽しそうにして……」


P「まぁ、あいつらからすれば、今から車でお出かけみたいなものだもんなぁ」


P「俺があの歳でも、テンションあがる自信あるわ」


泰葉「プロデューサーのその時期の姿が想像がつかないですね」


P「よく言われるわ」


ちひろ「一体誰に言われるんですか?」


P「ごめんなさい、流れで適当なこと言いました」


泰葉「ウソついた罰としてプロデューサーも『おしおき』を受けてみては?」


泰葉「過去のアルバムをみんなの前で披露するとか」


P「泰葉の昔の映像なら資料室にあるんだけどなぁ」チラッ


泰葉「ごめんなさい」


P「はい、素直でよろしい」







泰葉「ところでプロデューサー」


P「なんだ?」


泰葉「今日のちひろさんを見て……何か言うことがあるんじゃないですか?」


P「今日のちひろさんの恰好を見てか?」


P「うーん……今日は私服なんですね」


ちひろ「はい♪ Pさんも今日は私服ですね」


P「そうですね」


泰葉「いや! そうじゃなくて!」


泰葉「もっとこう……『可愛いですね』とか『綺麗ですね』とか!」


P「えぇ……泰葉の口からそういう言葉が出てくるとは思わなかったぞ」


泰葉「私の事はどうでもいいんです!」





P「でもなぁ……そういうのはなぁ…………」


ちひろ「ですねぇ…………」


泰葉「…………? なんですか?」


P「いや、ちひろさんのこの服見るの初めてじゃないからさ。なんかあんまり新鮮味が無いというか」


ちひろ「そうですねぇ」


泰葉「…………は?」


P「それに『可愛いですね』とか『綺麗ですね』なんていう言葉は何度も言ったことあるしなぁ……」


ちひろ「今さら感ありますよね!」


泰葉「…………えーっと」グルグル


泰葉「あの…………どういうことですか?」


P「うーん……ちょっと説明しにくい感じはあるけど…………」


P「まぁ端的に言うと、よく二人で遊びに行ったりしてるからかな!」


泰葉「…………はぃぃぃぃぃぃぃぃ!!??」






P「うおっ、急にでかい声出すなよ。ビックリした」ビクッ


泰葉「そ、それって、つまり! デッ、デート、ってことですよね?!」


ちひろ「まぁ、そうとも言いますね!」


泰葉「そうともって……!」


P「いや、会社の同僚と休日に一緒に遊びに行くのなんて普通だろ」


P「お前も他のアイドル達と遊びに行ったりするだろ? それと同じだよ」


泰葉「それは、そうですけど……!」


P「ほらほら、そんなことより出発するぞ。乗れ乗れー」


泰葉(いや、そんなことって……私達まったく知らなかったんですけど!)


泰葉(それってつまり……お忍びデートってことですよね……)


泰葉(そして二人はそういう関係……まではいかないとしても、それに近い関係ってことになりますよね……)


泰葉(…………こんなことを凛ちゃんやまゆちゃんが知ったら…………!)ゾクッ




















凛「…………!」ハッ


凛「今なんか、とてつもない敗北感を感じたような……」


まゆ「どうかしましたかぁ?」


凛「……いや、たぶん気のせいだと思う」


奏「凛! まゆ! 次行くわよ!」


凛「うん! 今いくよ!」


凛(…………本当に気のせいだったら良いんだけど)




泰葉(車に乗せられて数十分、私たちは『おしおき』の会場に到着しました)


泰葉(駐車場に車を停め、歩くこと数分)


泰葉(目に飛び込んできた光景に、L.M.B.Gのメンバーと私は驚愕しました……)


泰葉(こんな場所が本当に『おしおき』の会場なのかと。とても外観から想像できませんでした)


泰葉(広大な土地。いくつも連なる高い建造物。そして、辺りに響くいくつもの轟音……)


泰葉(そのどれもが私たちに強い印象を与えました)


泰葉(そして私たちは今、プロデューサーの『それじゃあ、まず初めに悲鳴を上げてもらおうかな』という一言によって)


泰葉(危機的状況に陥っています……)

























桃華「や、泰葉さん? こ、これ、本当に大丈夫ですのっ?!」ガタガタ


泰葉「い、一応大丈夫なはずです……! きちんと点検されてると思いますから……!」ガタガタ


仁奈「うわぁ……! すげーたけーです!」ガタガタ


みりあ「本当だねー! どこまで高くなるんだろ?!」ガタガタ


薫「すっごくわくわくするねーっ!」ガタガタ


桃華「ゾクゾクの間違いではなくって?!」ガタガタ






ガタガタガタガタ……ピタッ




桃華「……あ、あの、泰葉さん? と、止まりましたけど……」


泰葉「だ、だだだだいだい大丈夫ですよ……!」


桃華「本当に大丈夫ですのっ?!」


泰葉「む、むしろここからが本番、だから……!」


桃華「えっ……? ココカラガホンバン……? に、日本語でお願いしますわ……!」


泰葉「…………桃華ちゃん」ギュウウ


桃華「や、泰葉さん……?」


泰葉「――――生きて、帰ろうね」


桃華「…………えっ゛? それはどういう――」






――――――ゴォォォォォォォォォ!!!!






泰葉「――――きゃぁぁぁぁああああああああああ!!!!!」


桃華「――――なんですのこれ?! なんですのぉぉぉおおおおお!!!!!!!」


仁奈「うぉおお! はえーっ!!」ワクワク


みりあ「きゃああああああああ!!」ワクワク


薫「うわぁあああああああ!!!!」ワクワク













P「おーおー、見事に叫んでるなー。あいつら」


ちひろ「ボイスレッスンのおかげが、一際目立ってますね!」


P「ですね。まぁ、ここらで一番速度と高度のあるジェットコースターだからなぁ」


P「本人たちはにはとんでもない体感スピードだろうな」




ちひろ「Pさんは乗らなくてよかったんですか?」


P「まぁ、このコースターは出落ちみたいなものですからね」


P「俺が乗っちゃうのは、なんか違うんじゃないかと」


P「それに、俺が乗ったらちひろさんが一人になっちゃうじゃないですか」


ちひろ「私のことは気になさらなくても……」


P「いやいや、そうはいきませんよ」


P「あ、あそこでなんか買いませんか? 俺、奢りますよ」


ちひろ「いいんですか?」


P「ええ。あのコースター三周しますし、ちょっとぐらい離れても大丈夫ですから」


ちひろ「そうですか。ではお言葉に甘えて♪」


P「はい。それじゃあ行きましょう」テクテク…



















泰葉「な…………なんでこんなことにぃぃぃぃぃぃ!!!」



というわけで、今回はこんな感じでいきます。残念ながら、みなさんが思っているようなR-18展開は今回はありません。……多分。


あと、今回も長くなりそうな予感がしてきました。ガンバリマス。


静かに読んでいただきありがとうございました。また明日もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。



デレステ1周年おめでとう!!


11時ごろに再開予定です。

まったく意識してなくて適当にジェットコースターの設定を書いたんですが、急遽富士〇設定にしました。

ホームページを見たところ、身長制限は大方120・130cm~ってのが多かったので、ギリセーフです(仁奈は一部アウトですが……)


では、今日もよろしくお願いします。



P「おっす! お疲れさん。どうだった?」


仁奈「すげー速くて、すげー高かったでごぜーます!」


仁奈「鳥の気持ちになれたですよ!」


P「そうかそうか。それは良かった」


みりあ「すっごく速くて、あっという間に終わっちゃったねー!」


薫「びゅーんってなって、どわーってなってたねーっ!」


P「各々楽しめたようだな。そう言えば、千枝は意外と落ち着いてるな?」


千枝「私も楽しかったですよ! みんなほど大きな声は出せませんでしたけど……」


P「まぁ、千枝は意外と度胸があるからなぁ。思ったよりも怖くなかったんじゃないか?」


千枝「はい! 楽しかったです!」


P「そうか。…………で、問題は残る二人だが」チラッ


桃華「」チーン


泰葉「」チーン




P「桃華はわかるとして……泰葉よ、お前ってそんなに絶叫マシーン苦手だったっけ?」


泰葉「げ……限度がありますよ…………」ゼェゼェ…


桃華「な、なんですのあれ…………」


P「桃華は初めて乗ったのか。あれが世に言うジェットコースターだよ」


桃華「名前は聞いたことありましたけど……実物はとんでもないものですわね……」


仁奈「プロデューサー! 仁奈、もう一回のりてーです!」


みりあ「私も私も!」


薫「薫もーっ!」


P「お、ずいぶん気に入ってくれたみたいだな。よし、今度は俺も一緒に乗ろうかな」


仁奈・みりあ・薫『わぁーい!』


P「お前らはどうする?」チラッ


泰葉・桃華『 ! 』ブンブンブン


P「なんだよ。そんなに嫌そうにするなよ」


泰葉「あれにもう一回乗るぐらいなら、マストレさんのレッスンの方がまだマシです!」


桃華「そうですわ!」


P「そうか。なら、帰ったらお願いしとくわ」


泰葉・桃華『』


P「ははは、冗談だよ……今は」ボソッ


泰葉「今最後になんて言いました?!」


P「よしっ! それじゃあ行くか!」


P「あ、ちひろさん、すいませんけど二人の事よろしくお願いします」


ちひろ「はい♪ いってらっしゃい♪」


P「よしいくぞ! 実は俺も乗りたかったんだよなぁ~♪」タタタ


泰葉「ちょっと! Pさん!」


桃華「…………行ってしまいましたね」


泰葉「逃げ足だけは早いんだから……」


ちひろ「うふふ、災難でしたね」


泰葉「本当ですよ……まったく……」





数分前





P『着いたぞー』キキッ


泰葉『あの……Pさん、ここって……』


P『ん? 富士〇ハイランドだが』


泰葉『えっ? あの……おしおき……』


P『ここは他の遊園地と違って絶叫系のアトラクションが多いからなぁ』ガチャガチャ


泰葉『あの……今日は罰で来たんですよね……』


P『おう。そうだが?』


泰葉『遊園地で行う「おしおき」って……』


P『泰葉の指摘通り、今年の夏は想像以上にL.M.B.Gに仕事を入れてしまってなぁ』


P『去年と比べて遊ばせてあげる時間もなかった』


P『というわけで、そんな俺への「おしおき」として、今日は俺の奢りでここに来てもらった』


P『でもまぁ、約束を守れなかったのは事実だし』


P『だから、今からL.M.B.Gのメンバーには「炎天下の中、時間いっぱいまで動き疲れてもらう」というおしおきを受けてもらう』


ちひろ『という名目ですね♪』


泰葉『』ポカーン





P『それに加えて、聞くところによると、俺の留守中に泰葉がL.M.B.Gの面倒を多めに見てくれていたみたいだし』


P『なんというか、今日はそのお礼というかご褒美というか、まぁそんな感じでついてきてもらった』


泰葉『そういうことだったんですね……』


泰葉『あれ? でも、三船さんは私よりもこの子たちの面倒を見てくれてましたよ?』


P『それに関しては、また三船さん用に考えがあるから大丈夫だ。抜かりない』


P『……でだ、改めて聞きたいんだが、泰葉――』


P『こんなことが知れ渡ったら……なんだっけか?』ニヤニヤ


泰葉『――――っ!/// こ、この人は……っ!』カァァ






泰葉「……途中、サービスエリアで停車した時に気付くべきでした」


泰葉「あれだけのお菓子とジュースを買ってきた時点で、なにかがおかしかったと」


泰葉「そして、もし本当に『おしおき』がなされるのであれば、和久井さんが協力するはずがないと……」


ちひろ「まぁ、あの人はPさんのお願い事なら何でも聞きそうなイメージありますけどね」


泰葉「ちひろさんもそんな感じしますよ」


ちひろ「そうですかね?」


泰葉「はい。たぶん、事務所のみんなそう思ってますよ」


ちひろ「あらあら。だとすれば、少し気を付けなければいけませんね♪」







桃華「ちひろさん、荷物を見ていただいてありがとうございました」


ちひろ「あら、桃華ちゃん。気にしなくても大丈夫ですよ」


桃華「いえ、こういうことはきちんとするようにと言われていますので……」


桃華「それにしても……みなさん、よくあんなものに乗れますわね……」






P「うぉぉぉぉぉおぉぉ!!! はえーっ!」


仁奈「うぉぉおぉぉぉぉ!! すげーです!」


みりあ「きゃああぁぁぁぁぁあぁ♪」


薫「きゃぁぁぁぁぁぁぁ♪」


千枝「きゃぁぁぁぁぁぁぁ♪」






桃華「ほんと不思議ですわね……」


泰葉「もう少し軽めのやつなら楽しいと思えるんだけど……あそこまでいくとさすがにね……」


ちひろ「そうですか? 私は意外と楽そうだと思いますが」


泰葉「確かに、ちひろさんは楽しみそうですよね」


桃華「同感ですわね」


ちひろ「どういう意味でしょうか?」





桃華「あ、来ましたわ」


P「ちひろさーん! ありがとうございます!」キラキラ


泰葉「なにあの笑顔! 見たことないんですけど!」


ちひろ「Pさん、絶叫マシーン大好きですもんね」


みりあ「二回目も楽しかったねー!」


薫「うんっ! 楽しかったーっ!」


千枝「もう一回ぐらい乗ってもいいかもしれませんね……!」


桃華「勘弁してほしいですわ!」


仁奈「仁奈、あまりにも楽し過ぎて、ちょっとクラクラしてきたですよ!」ヨロヨロ


P「仁奈、それアカンやつや」




ちひろ「来たばかりですが、少し休憩しますか?」


P「うーん、そうですね。でも、もう一つぐらい乗っておきたいところですね」


桃華「ま、また速いやつですの?!」


P「いや、今度はちょっとレベルを落とそう」


P「そうだ! 先にブランコに乗るか!」


桃華「ブ、ブランコですか?」


泰葉「レベル下げ過ぎじゃないですか? っていうか、遊園地にブランコってあるんだ……」


P「いや、遊園地にブランコって普通にあるだろ」


桃華「そうですの?」


P「うん」





















P「空中ブランコ」


泰葉・桃華『』



泰葉「に゛ゃあ゛ぁぁぁぁぁ!!」ジタバタ


桃華「」ガンメンソウハク


P「ももかーっ! 気をしっかり持てー! これはそんな早くないぞー!」ビュン


ちひろ「ジェットコースターに比べたらですけどねー!」ビュン


仁奈「うおーっ! また鳥の気持ちでやがります!」ビュン


千枝「いい景色ですねー!」ビュン


みりあ「ふわってなって、不思議な感じだねー!」ビュン


薫「せんせぇもちひろさんもみんなも、一緒にお空を飛んでるみたいだねーっ!」ビュン


P「やすはー! あんまり暴れると、隣の桃華を余計ビビらせるだけだぞー!」


泰葉「足がーっ! 足がーっ!」ジタバタ


P「聞いてねぇ―!」


桃華「」プラーン


P「ももかー! しっかりしろー!」





桃華「……も、もう許してほしいですわね……」ゲッソリ


P「気絶した時は、さすがの俺も焦ったぞ……」


ちひろ「気持ちを落ち着けるために黙っていただけでよかったですね……」


泰葉「私も……ちょっとタイムです……」


P「ちょっと本格的にヤバいみたいなんで、ここらで休憩でもとりますか」


ちひろ「そうですね。少し早いですけど、お昼にしましょう」


P「そうですね。混んでくる前に済ませちゃいましょうか」


桃華「た、助かりましたわ……」


P「ま、昼からも時間はいっぱいあるしな! 昼食後はもっと飛ばしていくぞ!」


桃華・泰葉『』







ちひろ「どこで食べましょうか? 色々あるみたいですが」


P「和食の店もあるみたいですけど、遊園地ってどっちかというと洋食ってイメージなんですよね、俺の中では」


ちひろ「あーわかります」


P「ちょうど近くに洋食のレストランもあるみたいですし、そこ行きませんか?」


ちひろ「いいですよ!」


P「お前らもそこでいいか?」


L.M.B.G+泰葉『はーい!』


P「よし、じゃあ決まりだな。それじゃ行きましょうか」


ちひろ「そうですね! それじゃあみなさん、はぐれないようについてきてくださいね!」


仁奈「それなら仁奈にいい考えがあるですよ!」


みりあ「いい考え?」


仁奈「こうやって手を繋げばいいんでごぜーます!」ギュッ


仁奈「こうすれば、みんな一緒でごぜーます!」


P「お、いい案だな仁奈。せっかくだし、手でもつなぐか」ギュ


泰葉「ちょっと暑い気もしますけど、確かにそっちの方が安全ですね」


仁奈「仁奈はプロデューサーとちひろさんと手をつなぐですよ!」ギュッ


薫「あっ! ズルーい! 薫もせんせぇとつなぐーっ!」ギュッ


みりあ「えーっ! みりあもつなぎたーい!」ギュッ


千枝「ち、千枝も……!」ギュッ


桃華「わ、わたくしも……!」ギュ


P「おいおい、俺の手は二つしかないんだから、順番でつなごうな?」ハハハ


ちひろ「あらあら。なんだか親子みたいですね」


仁奈「プロデューサーは仁奈のパパになりやがったですか?!」


P「うーん……そうだな。よし! 今日だけは俺が仁奈のパパになってやろう!」


仁奈「わーい♪ パパでごぜーます♪」


泰葉「…………初めはどうなるかと思いましたけど、みんな楽しそうで安心しました……」


ちひろ「そうですね♪」




奏「ふぅ……惜しかったわね」


凛「そうだね。もう少しでブラックボックスを手に入れられそうだったのにね」


加蓮「あそこで奈緒が転ばなければ、ロボットに見つかることもなかったのにね」


奈緒「しょ、しょうがないだろー?!」


奈緒「っていうか、みんなの動きがおかし過ぎるんだよ!」


奈緒「なんで監視カメラの撮影範囲とか、仰角限界とか知ってるんだよ?!」


まゆ「アイドルとして、知ってて当たり前ですよねぇ」


奏「本当よ。そんなことも知らなかったの?」


凛「やっぱり奈緒は奈緒だったね」


奈緒「どういう意味だよそれ!」


加蓮「カメラの撮影範囲はいいとして、もっと俊敏に動かないとね」


奈緒「凛と奏はまだわかるとして、加蓮とまゆはおかしいだろ」


奈緒「あの動き、とても二人のものとは思えなかったぞ」


まゆ「カメラに映りそうになるのなら、カメラに映らない速度で動けばいいだけの話ですよねぇ♪」


加蓮「そうそう。そのために、日々のレッスンがあるんだから」


奈緒「いや、絶対違うだろ?!」





奏「さ、漫才はその辺にしておいて、そろそろお昼ご飯でも食べましょ。さすがにお腹すいてきちゃった」


凛「そうだね。開園からずっと遊んでるし、ちょっとここらで休憩しないとね」


まゆ「今日は陽射しが強いですからねぇ。お天気がいいのはいいことですけど」


凛「そろそろちゃんと食べないと。加蓮の体力が心配だよ」


加蓮「いやー、ごめんね。せっかくのお出かけなのに、気を使わせちゃって」


奏「気にしなくていいわよ。今日の気温にこの陽射し、ここいるみんなには等しく敵なんだから」


加蓮「そう言ってもらえるとありがたいなー」


まゆ「えーっと、あっちのほうにレストランがあるみたいですねぇ」


凛「じゃあそこにしよっか」


加蓮「そうだねー」


奏「どういうお店なの?」


まゆ「洋食のお店みたいですねぇ。ビーフシチューみたいな本格的なものもあるみたいですよぉ」


まゆ「隣にプレッツェルのお店があるみたいですし、後でそっちに寄るのもいいかもしれませんねぇ」


凛「へぇ、いいじゃん」


加蓮「プレッツェルかぁ。チュロスとかそういう系って、遊園地来ると無性に食べたくなるよねー」


奏「移動中の軽食の定番と言っても過言ではないものね」


奈緒「ダメだぞ加蓮! 先にお昼をちゃんと食べてからじゃないと!」


加蓮「もー! わかってるってば! 奈緒は気にし過ぎ!」






加蓮「そうだ! 奈緒はお子様ランチにしてあげよっか?」ニヤニヤ


奈緒「なっ……! いいわけないだろー!」


奏「ダメよ、加蓮」


凛「そうだよ。ちゃんとおもちゃが付いてないとね」


奈緒「だーかーらー! そうやってからかうなよー!」


まゆ「奈緒ちゃん、愛されてますねぇ」


まゆ「まゆもPさんに愛された―――――」ピタッ


奈緒「いやいや、絶対そういうのとは別……ってまゆ、どうしたんだ? 急に立ち止まったりして」


まゆ「…………」ハイライトオフ


加蓮「まゆ? どうしたの?」


まゆ「…………」スッ


凛「ん?」チラッ


奏「なにかしら」チラッ







P「――――……――…………!」


加蓮「えっ?! もしかしてアレPさん!」


凛「」シュバッ!


奈緒「凛、早っ!」


凛「今ならドド〇パ超えられるかもね」シュタタ


奈緒「ちょ、早すぎるだろ! 早く止めないと!」


奏「……いいえ、その必要はないわよ」


奈緒「え?」


凛「…………」シュタタタタ


凛「…………!!」ピタッ


凛「」ドシャァ


奈緒「り、り――――んっ!」タタタ


奈緒「きゅ、急に崩れ落ちたけど……一体なにが……!」


奏「あれよ……」スッ


奈緒「えっ?」チラッ





P「…――……――――?」


?「――――!」




奈緒「なっ……! Pさんの横に、見知らぬ女性が……!」


奈緒(しかも、後姿からわかる……! あの人は絶対美人だ……!)


奏「そりゃあそうよね……一人でこんなところに来るわけないものね……」


奈緒「ま、まぁ確かにそうだよな……。一人でこんなところに来てたら、ちょっと目も当てられないよな……」


奏「Pさんならあり得そうな気もするけど……」


奈緒「否定できない……」







奏「またいつぞやのドッキリなのかしら?」


奈緒「いや、さすがにあたし達の休日までは把握して……そうだけど、さすがにそれは無いだろ」


奏「私服着てるものね」


奈緒「だよなぁ……そういえば加蓮は? さっきからずいぶん静かだけど……」チラッ


加蓮「」ボーゼン


奏「気絶してるわね。立ったままで」


奈緒「かれ――――――んっ!!!」






奈緒「加蓮! しっかりしろ! あれはきっと親戚とかだよ! それかたまたま遭遇した同級生とか!」


奏「奈緒、後者だったらそれ、Pさんが一人で遊園地に来てることになってるわよ」


加蓮「あ…あう……シ、シンセキ……?」


奈緒「そうそう! 親戚とか、もしくは兄妹とか! そうに違いないって!」


加蓮「ソ……ソウダよね…………ふう、危うく魂が抜けるところだったよ」


奏「半分ぐらい抜けてたような気もしないでもないけど」


奈緒「と、とにかくだな! あれはなにかの間違い! そうに違いない!」


加蓮「そ、そうだよね……! うん、そうそう。あれは親戚の人……」


奈緒「ほ、ほら! 凛もそんなところで気絶してないで、こっちに――」ピタッ


奏「…………? 奈緒? どうしたの?」


奈緒「…………あ」


加蓮「あ?」


奈緒「アバババババババババババババババ」ガクガク


奏「奈緒?!」





加蓮「一体どうしたの?!」タッタッタ


奈緒「く……来るなーっ!!」


加蓮「何を言って――――」






?「―――――!」ギュ






加蓮「あ――? 子供……?」


奏「しかも……二人と手を繋いで間に――――」






?「――――――!」ギュッ


?「――――――!」ギュッ


?「――――――!」ギュッ


?「――――――!」ギュッ






奏「ご……」


加蓮「五人…………っ!」


奈緒「―――――いや、違う」


奏「えっ?」


奈緒「…………」スッ






?「――――――……」


?「――――……」






奏「ろ、六人目……!」








凛「ウワー、子沢山ナ親戚サンダナー」


奈緒「凛が壊れた!?」


奏「それに関しては前からだと思うけど」


奈緒「いや、自分で言ってて無理あると思ってたけど、さすがに六人も親戚連れて外出はないだろ」


凛「なんでそんなこと言うの?」ハイライトオフ


奈緒「ご、ごめん、凛……多分親戚――」






?「――――パパでごぜーます!」






凛「…………は?」


奈緒「ぱ……ぱぱ…………?」


加蓮「パパ……って………お父さん、ってこと……だよね……」


奈緒「そう……だな…………」


凛「じゃあ……あれ全部、Pさんの………」


奈緒「そう……なるかもな…………」


凛「…………」


加蓮「…………」


凛「…………」ドサッ


加蓮「…………」ドサッ


奈緒「おわっ!? 加蓮?! 凛?! しっかりしろーっ!」ユサユサ


まゆ「」チーン


奏(…………ん? 『ごぜーます』?)





今回はここまでです。


『ちひろ』と『みりあ』を凄い書き間違えるので、時折みりあが丁寧口調になったり、ちひろさんが幼くなったりしてます。でも、それもアリっちゃあアリ。


明日(今日)は職場の方々との飲み会があるので、おそらく投稿は無理かと。次回は月曜日のこの時間帯を予定しています。台風来てるのに飲み会とか頭おかし過ぎ。行きたくない。


ちなみに私は、一度も富士〇ハイランドに行ったことがありません。



静かに読んでいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。


11時30分ごろ再開予定です。


書き溜めないので亀更新になるかと。


あと大方の予想通り、昨日は大雨に打たれて若干風邪気味です。クソが。でも、上司の金でちょっと高いお肉を食べれたのは嬉しかった。


では、今日もよろしくお願いします。



P「んー、予想通り席が空いていてよかったですね」


ちひろ「そうですね」


P「お昼近くになってくると混んでくるでしょうし、早めに注文しておきましょう」


P「お忍びで来てるのバレるのも困りますしね」


ちひろ「そう言えばそうでしたね。あまりも堂々としてたので忘れてました」


P「結構な変装はしてますからね。まぁ、それでも一応の警戒ということで」


P「よーしみんな、好きなもの頼んでいいぞー。今日は俺の奢りだからな」


仁奈「仁奈はこのお子様ランチが食べて―です!」


薫「薫も薫もーっ!」


P「ん、じゃあ二人はそれにするか。他のみんなはどうする?」


千枝「そうですね……それじゃあ、千枝はこれを」


みりあ「みりあはこれー!」


桃華「そうですわね……どちらにしようか迷いますわ……」


P「ん、どれとどれで迷ってるんだ?」


桃華「これとこれなのですけど……」


P「んー、そうだな……じゃあ、俺がこっち頼んでやろう。だから桃華はこっちを頼むと良いぞ」


P「実物きてから決めればいいし、もしどっちも欲しいなら半分ずつしよう」


桃華「Pちゃまはそれでよろしくて?」


桃華「どちらもPちゃまにとっては量が少ない気がするのですけど……」


P「多分この後もなんだかんだで買い食いすると思うからさ」


P「その時用に、少し余裕をもたせようと思ってな」


桃華「なるほど……Pちゃがそれでいいのでしたら、お言葉に甘えさせていただきますわね」


P「ちひろさんはどれにしますか?」


ちひろ「そうですねー……じゃあ、これにします」


P「了解です。それじゃあみんな決まったな。すいませーん!」






奏「……勢い余ってついてきちゃったけど」


奈緒「ま、まさか同じお店に入るとはな……」


凛「なんの因果なのか……」


まゆ「運命、って気軽に言えたらよかったんですけどねぇ」


加蓮「今となっては、宿命としか言えない気がするね……」


奈緒「それにしても、Pさんも人が悪いよなー。結婚して、子供もいるんならそう言ってくれたら――」


まゆ「奈緒ちゃん?」ホウチョウ スッ


加蓮「奈緒?」ハイライトオフ


凛「奈緒?」ハイライトオフ


奈緒「…………まぁ、無理か。この3人がいる以上は」




奏(あのしゃべり方……おそらく、というよりは確実に仁奈ちゃんよね?)


奏(となると、他の子は背丈からしてウチのアイドル達かしら?)


奏(活発そうな子二人に大人しめの子が一人……それと、上品そうな子が一人)


奏(……ああやって見ると、衣装一つで印象って変わるものね。今度、方向性の違うものでも着て、Pさんを驚かせてあげようかしら)


奏(っと、そんなことを考えてる場合じゃなかったわね)


奏(となると…………仁奈ちゃんもいることだし、L.M.B.Gのメンバーかしら?)


奏(じゃあ残りの一人は誰……? それとあのいかにもな美人……)


店員「お水になりま……ヒッ!?」


奏「ありがとうございます。あと、こっちのは全部オモチャなんで気にしないでください。久しぶりの遊園地にテンションが上がってるだけなので」


店員「は、はぁ……失礼します…………」スタスタ


奏「ちょっと4人とも、あまり目立つ行動は控えてちょうだい。Pさんにバレるわよ」


凛「そうだよ奈緒。気を付けてよね」ハイライトオン


加蓮「そうだよ奈緒」ハイライトオン


奈緒「なっ……! 気を付けるって、元々は――――」


まゆ「言動に、ですよぉ♪」スッ


奈緒「ハイ」ガクガク




奏(それにしても、妬いちゃうわね……あんな美人そうな人と一緒に休日デートなんて)


奏(それもあんなに楽しそうな顔しちゃって。おまけに幼いアイドル達と一緒だし)


奏(あれじゃあどこからどう見ても夫婦に見えるじゃない……)


奏(…………私じゃダメだったのかしら)


奏(凛たちほどじゃないけど、私だってそういう気持ちは年相応に持ち合わせているし、それをPさんは知ってる)


奏(自分がこんなことをしてるって他のアイドルたちにバレた時、みんながどういう気持ちになるのか、あの人は考えなかったのかしら)


奏(この前の旅行で少し気持ちが舞い上がってたのかもしれないわね……少しでも、みんなより前に行けていると思っていたのに…………まだまだね)


奏(…………というよりも、ウチのアイドル達と休日に一緒に過ごすことの出来る女性って誰かしら)


奏(……………………んんっ?)




奏(ちょ、ちょっと待って。確かに落ち着いて考えてみると、ウチの事務所……じゃなくても、今絶賛売出し中のアイドルグループと休日を過ごす人ってどういう関係なのかしら?)


奏(一般の人……は、まず無いわよね。そんな人と一緒に居るところを撮られたりでもしたらとんでもないことになるし)


奏(そういうことを避けるっていうのはこの前のドッキリで思い知ったばかりだしね……)


奏(となれば、業界関係者に絞られてくるわね。それも、あの子たちがあんなにはしゃいでいられるほど親密な関係っていう条件付き)


奏(そうなると、ウチの事務所の関係者になってくる……それだったらもし撮られても言い訳が効くしね。Pさんでもこの線はありそうね)


奏(じゃあ上司かっていうと、それもあり得ないわね。Pさんは上司からの誘いを普通に断って休みを取るぐらいの人だから、それはまずない)


奏(むしろ、権力に反発しそうなイメージすらあるわ)


奏(ここまで来ると、最後は同僚か後輩。でもウチの事務所には後輩のプロデューサーなんて在籍してないし、そうなると最後に絞られてくるのは――)


奏「いやいやいや、それだけはありえないわよ。むしろ、あり得たら困るわね」


凛「…………? さっきから表情が七変化してるけど、どうかした?」


奏「いえ、何を食べようかなって、考えてたのよ」


加蓮「奏ってそんなに食いしん坊キャラだっけ?」


奏「朝ごはんをあんまり食べてこなくてね。あんまりにも今日が楽しみだったから、そっちの方が勝っちゃって」


まゆ「ふふっ、奏ちゃんにも子供っぽいところがあるんですねぇ♪」


奏「私なんてまだまだ子供よ。Pさんにしたらね」


奈緒「Pさんからすればあたしら全員子供みたいなもんだよなー」


加蓮「大人組の一部も子供扱いされてそう」


奈緒「わかる」




奏(仮にアレがちひろさんだったとしても……いや、仮にでもあの人をちひろさんとおくのは失礼ね)


奏(あんな、清楚を体現したようなオーラを纏う人がちひろさんなはずないじゃない……)


奏(ちひろさんはもっとこう……ジメっとして、それでいて背筋が凍りつくようなオーラを纏っている人だから)


奏(この暑さで少し疲れてるわね)


奏(でも、それしか選択肢は無いわよね……でも、あの人がちひろさんなんてことは万に一つもあり得ないわけだし…………)コップ モチ


奏(一体どうすればいい――――)ミズ グビー




P「お、来ましたね」


店員「お待たせしました。ハンバーグ&エビフライのお客様」


P「あ、俺です」


店員「お待たせしました」コトッ


P「うおー! ウマそー!」


店員「ビーフシチューのお客様」


ちひろ「あ、私ですね」


店員「容器が熱くなっておりますのでご注意ください」


ちひろ「はい、ありがとうございます」


P「ちひろさん、帽子脱いだらどうですか? 暑くないですか?」


ちひろ「そうですねぇ。確かに暑いんですけど、誰かにバレそうな気がして」


ちひろ(たまたま遊びに来てたアイドル達とか)


P「大丈夫じゃないですか? こいつらはともかく、ちひろさんなら大丈夫ですよ」


P「あ、でも、綺麗な人がいるなーって注目されちゃうかもしれませんね」ハハハ


ちひろ「もうっ♪ Pさんったらうまいんですから♪」


泰葉「公共の場でイチャイチャするの止めてもらっていいですか?」


P「いや、イチャイチャではないだろ」


泰葉「Pさん、ちょっとこの容器に顔あててもらっていいですか?」


P「お前も昔に比べて柔らかくなったよなぁ」




ちひろ「まぁまぁ♪ それはともかく、確かに少し暑いので脱がせてもらいますね」ヨイショ























奏「ブ――――――――――ッッッ!!!!」


奈緒「おわっ!」ガタッ


加蓮「奏!? どうしたの?! 大丈夫?!」




今回はここまでです。


奏は昔は『そこそこ好き』ぐらいだったんですけど、前回のSS書いてから自分の中で特別な存在となったようで、今ではとても好きになったキャラです。


上手く指が動かず……といった状態なので、短めですがここで終わらせてもらいます。ごめんなさい。


静かに読んでいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。



体調が思わしくないので、更新は明日になります。


ホントすいません……。


11時30分ごろ再開予定です。


今回もちょっとだけになります。ごめんなさい。


では、今日もよろしくお願いします。





奏「ゴホッ! ゴホッ!」


加蓮「か、奏?!」


奏「ご、ごめんなさい。あまりにも水が楽しみでついつい……」


奈緒「水が楽しみって表現初めて聞いたぞ」


まゆ「魚かなにかですかねぇ」


奏「暑さでね、少し喉が渇いていたから」


奈緒「ああ、そういうことか」


凛「それにしても、そこまでがっつかなくてもよかったのに」


奏「それだけ飲みたかったって事よ」





奏(ちょ、ちょっと待って!? なにあれ!? なんなのあれ!?)


奏(ちひろさんの顔をプリントして誰かに貼り付けた……わけじゃないわよね)


奏(じゃあちひろさんの顔をモデルにしたアンドロイド?)


奏(……いや、それはどう考えてもありえないわね。)


奏(というよりも、そんなものと休日デートしているPさんが存在する可能性を信じたくないわ)


奏(冷静に……冷静になりましょう……。あまりの衝撃に少し頭がおかしくなってる……)


奏(そうよ、あれは陽炎……夏が見せた幻に過ぎないわ……)


奏(冷静になった今、もう一度見れば真実がこの目に映るはず……!)チラッ






仁奈「うめー! このハンバーグうめーです!」


P「おーおー、よかったな」ナデナデ


仁奈「やっぱりみんなと食べるご飯はいつも以上においしく感じるでごぜーます!」


P「確かになぁ。こういうところのご飯って、冷静に考えたらあんまりおいしくないんだけど、何故かいつも以上に美味しく感じるよなぁ」


泰葉「そういうこと言っちゃダメでしょ」


ちひろ「最近はどこも力を入れてますから、昔に比べれば美味しくなったと思いますよ」


P「ですよねぇ」


泰葉「まったく……あ、仁奈ちゃん、口にデミグラスソースが」フキフキ


仁奈「んぐっ……泰葉おねーさん、ありがとーごぜーます!」


ちひろ「あらあら、まるでお姉ちゃんみたいですね♪」


泰葉「もうっ! からかわないでくださいよ!」


P「いやいや、今のは本当にお姉さんぽかったぞ」


千枝「本当の姉妹みたいでしたね」


桃華「どちらかと言うと、お母さんのように見えましたけど」


薫「泰葉おねーちゃん、だねっ!」


泰葉「も、もう……みんなして止めてくださいよ!///」


ちひろ「ふふふ♪ ……って、あら? 薫ちゃんの口にもケチャップが付いてますよ」フキフキ


薫「あぷっ……ちひろさん、ありがとーっ!」


ちひろ「うふふ♪ どういたしまして」キラキラ






奏「ダメッ! これは悪い夢!」ダンッ!


奈緒「さっきから奏の様子がおかしいんだけど」


凛「切り上げて病院にでも連れて行く?」


まゆ「そっちの方がいい気がしますねぇ」


加蓮「この辺の良いお医者さん知ってるよ。紹介しようか?」






凛「奏、本当に大丈夫なの?」


加蓮「さっきから明らかに様子が変だけど」


奏「え、ええ。本当に大丈夫だから。心配かけてごめんなさい」ジーン


奈緒「このままご飯食べて解散するか? あたしらはそれでもいいけど」


まゆ「奏ちゃんの体調の方が心配ですからねぇ」


奏「いや、本当に大丈夫だから。ありがとう」


凛「一度精密検査してもらった方がいいんじゃない?」


加蓮「そうそう、頭とかね」


奏「そこに関しては、あなた達に言われたくないわね」








奏「はぁー……そこまで言われちゃ我慢ならないわね」


奏「しょうがない。本当の事を言うわ」


奈緒「なぁ、やっぱり体調悪いんだろ? 無理すんなって」


奏「そうじゃないのよ。確かに気分はあまり優れないのだけど、別にそういうことじゃなくて」


凛「…………? じゃあなに?」


奏「そうね…………一言で言えば、あの女の人が誰なのか、その目星がついたってことぐらい―――――」


凛「その話詳しく」ズイッ


加蓮「話して」ズイッ


まゆ「くれますよねぇ?」ズイッ


奏「…………こういう時のあなた達のチームワーク、本当に尊敬するわ」


奈緒「それぞれの頭の中に無線通信用のチップでも入ってるんじゃないか?」





凛「で、誰なの。あの女」グイグイ


加蓮「そうだよ。もったいぶらないで早く言ってよ」グイグイ


まゆ「さぁさぁ♪」グイグイ


奏「ちょ、ちょっと! もう少し離れて! これじゃあ話せるものも話せないわよ!」


凛「そう言われればそうだね」スッ


加蓮「じゃあ、こっちの準備は出来たから」スッ


まゆ「お願いしますねぇ」スッ


奈緒「これ、本当にチップ入ってんじゃねぇか?」






奏「ふぅー……じゃあ話すけど、その前に一つだけ約束してくれない?」


凛「なに?」


奏「私が今から言うことを正直に信じるって」


凛「そんなの当たり前じゃん」


加蓮「よっぽど変なこと言わない限り、疑うなんてありえないよ」


奏「それがすでにフラグよね」


奏「はぁ……まぁいいわ。じゃあ話すわね」




奏「色々考えた結果、自分でも結構な出来だと自負できるぐらい正確に的を絞ることが出来たの」


奏「ただ……その結果というのが信じられないものでね」


奈緒「ふむふむ」


奏「例えばそうね……凛」


凛「なにかな?」


奏「あの女性を見た時の第一印象は?」


凛「そうだね……とにかく美人そう、ってことかな」


奈緒「だよなー。あの後姿からでもわかるぐらいの美人オーラ」


加蓮「うちの大人組でも勝てるかどうか、ってぐらいだったよね」


奏「他には?」


凛「他…………」


奏「服装について、なにかない?」


凛「…………そうだね、凄く清楚な感じがしたかな」


まゆ「うちの事務所にはあまりいない感じの清楚さですよねぇ」チラッ


まゆ「」


凛「…………まゆ? どうしたの?」


奏「…………この子はひとまず放っておいても大丈夫よ」


奏「…………どうせ暫くしたらみんなそうなるんだし」ボソッ


加蓮「どうしたの?」


奏「なんでもないわよ」




奏「で、続きなんだけど」


奏「確かにあの人は清楚感を漂わせてるわよね」


奏「それも、キリッとした清楚さというかなんというか」


奏「とにかく、いい意味で別世界の人間というか……あぁもう! 上手く説明できないわね!」


凛「いや、わかるよ。確かにそんな感じ」


加蓮「大体言いたいことはわかるから」


奈緒「Pさんなら絶対スカウトしてそう」


凛「わかる」


奏「そう、それならよかったわ。ありがとうね」



奏「で、ここからが本題なんだけど…………」





















奏「あれがちひろさんだって言ったら、どうする?」


凛・加蓮・奈緒『それはない』






奏「ちょっと! さっき私の言ったことを信じるって言ったじゃない!」


加蓮「よっぽど変なことを言わない限り、ね」  ナンカアッチノホウガサワガシイデスネ


奈緒「あんな清楚を体現したような生き物が、ちひろさんな訳ないだろ!」  ガクセイサンガイルミタイデスネ


凛「こんな時に冗談言うのは止めてよ」  アァー、ナルホド。ムカシノオレモアンナカンジダッタナァ。


加蓮「そうだよ。こっちは真面目なんだから」 ワタシモオナジデス……ッテアラ?


奏「私だってマジメよ! 本当は私も認めたくないけど、この目で見たんだから!」  ドウシマシタカ?


奈緒「幻覚でもみたんじゃないのか? それだけはありえないって」  イエ、ナンデモ。スイマセンガ、チョットミテテモラッテイイデスカ?


加蓮「結構長い時間歩いたからねー。私よりも、奏の方が心配……」  イイデスヨ


奏「全然信じてくれてないわね……」  アリガトウゴザイマス。


凛「あれがもし本当にちひろさんだったのなら」


凛「もっとこう……ネトッとした、纏わり付いたら離れないようなドス黒いオーラを放ってるはずだよ」


奏「……………………」


凛「だからそんなはずは――――どうしたの? 私の後ろを凝視して」




奏「…………凛」


奏「なに?」


奏「たくさんの思い出をありがとうね…………。あなたのこと、忘れないわ」


凛「……は? 急に何言いだして――」チョイチョイ


凛「誰?」クルッ


ちひろ「私だったら、なんですか? 凛ちゃん」ニッコリ


凛「」


加蓮「」


奈緒(あ、これ凛が死ぬやつだ)





ちひろ「こんにちは凛ちゃん♪ 今日はみなさんでお出かけですか?」ニッコリ


凛「あ、あぁ…………!」ガクガク


ちひろ「こんなところで会うなんて奇遇ですね♪ まさかとは思いますけど、Pさんの後ろをついてきたとか?」ニッコリ


加蓮「」ガクガク


ちひろ「なーんて♪ さすがの凛ちゃんでもそればっかりはありえないですよね! この前『おしおき』したばかりなんですから♪」ニッコリ


奈緒「」ブルブル


ちひろ「さて…………もう一度聞かせてもらいますが」







ちひろ「私だったら、なんですか?」ハンメニッコリ


凛「」




ちひろ「まったくもう! 私のいないところで私の評価を貶めるようなマネは止めてください!」


ちひろ「いくら私でも怒りますよ!」プンプン


ちひろ「聞いてますか?!」


凛「はい…………」


凛(正直、目の前の現実に頭の処理が追いつかなくて、話がほとんど入ってこない……)


ちひろ「それにしても、本当に奇遇ですね。こんなところで遭遇するなんて」


ちひろ「もしかして本当にPさんを追ってきたんですか?」


奏「凛たちの名誉のために言っておくけど、今日に関しては本当に偶然よ」


奏「私達、開園からずっとここにいるしね」


奏「入場の時、ちひろさん達はいなかったように記憶してるけど?」


ちひろ「あら、本当に偶然だったんですね」


ちひろ「私たちは本当にちょっと前に着いたばかりだったんですよ」


奈緒「そうなんだ。……ん? でもそれならちょっとお昼食べるには早くないか?」


ちひろ「実は――――」








奈緒「なるほど、そんなことが」


凛「じゃあ、あれは泰葉だったんだ」


ちひろ「桃華ちゃんと泰葉ちゃんが残りのメンバーに完全に振り回されている形になってますね」


加蓮「大変そうだね」


ちひろ「二人にとってはそうかもしれませんが、傍から見ているととても楽しいですよ♪」


奈緒「確かに、想像するとちょっと面白い構図だな」


奏「誰が本当の大人なのか、って感じね」


ちひろ「Pさんに関しては完全に子供サイドですね♪」





まゆ「…………あの」


ちひろ「なんでしょうか?」


まゆ「あなたは本当にちひろさん、なんですよねぇ…………?」


ちひろ「はい? そうですが……私がこういう格好をしてるのが、そんなに違和感ありますか? みなさん」


まゆ「こうして目の前にしても、未だ信じがたい感じですねぇ」


凛「違和感しかないね」


加蓮「うん、自分の目を疑うことしかできない」


奈緒「今日の夢に出そう」


奏「ごめんなさい、否定できないわ」


ちひろ「そこまで言いますか」





ちひろ「確かにみなさんに酷いことをしてきたかもしれません!」


ちひろ「悪魔の様だ、鬼の様だ、守銭奴だと勝手に思われているようですが!」


ちひろ「こう見えて私も一人の女なんですから! こういう服の一つや二つぐらい持ってます! 当たり前じゃないですか!」プンスコ


ちひろ「それに、私だっていつもあんなことをするわけではありません!」


ちひろ「元はといえば、あなたたちが悪いんですからね!」


凛「そう言われても…………」


ちひろ「もう一度『おしおき』を受けますか?」


凛「ごめんなさい」






ちひろ「まったく……こうなったら、然るべき罰を受けてもらう必要がありそうですね」


凛「え゛?! なんで?! 今謝ったじゃん!」


ちひろ「それとこれとは別です! せっかくあなた達の為を思って日々仕事をしているのに、そんな風に思われていたとは心外です!」


ちひろ「こうなったら…………体が動かなくなるぐらいのキツい『おしおき』を受けていただきましょう! 今から!」


凛「うげぇ!? 今から!?」


奏「凛! 今すぐ土下座しなさい!」


まゆ「凛ちゃん! 早くしてください!」


加蓮「おー、噂の『おしおき』かぁ。一回受けてみたかったんだよね」


奈緒「そんな悠長なこと言ってる場合か?! あの凛と奏とまゆがあそこまで狼狽えてるんだぞ?!」


加蓮「大丈夫だって。こんな公共の場所で、そこまでエグい罰を与えられるわけないじゃん」アハハ


凛「そこを超えてくるのがちひろさんだよ!」


ちひろ「ふっふっふ…………その通りです! この千川ちひろ、他人に苦痛を与えることに関して右に出るものはいないと自負しています」


ちひろ「みなさんの想像もつかないような『おしおき』を与えてあげます…………!」


ちひろ「覚悟してください!」


凛「ひっ…………!」


奏「はぁ…………覚悟するしかないようね」


まゆ「ぴ、Pさんがなんとかしてくれるはず…………」ブルブル


加蓮「ま、大丈夫でしょ♪」


奈緒(そういうことを言ってるから悪魔とか言われるんじゃないのか?)


今回はここまでです。


ちょっとダレてきた感ありますが、昼食編はこれで終わりです。てか、昼食編長すぎだろ……と自分でも思ってます。


ちょっと雨に打たれただけで、ここまで体調崩すとは思ってませんでした。いくぶんか楽になりました。ご心配おかけしました。


それと、体調を気遣ったお声、ありがとうございました。凄く嬉しかったです。


静かに読んでいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。



11時30分ごろに再会します。


イベントお疲れ様でした。今回はボーダーがとんでもないことになっていて、とても焦りました。


ランキング報酬が担当ではなかったのがまだ救いだったと思います。担当だった方は……本当にお疲れ様でした。


では、今日もよろしくお願いします。



まゆ「Pさぁん……まゆ、もう限界です…………!」


加蓮「私もだよ、Pさん……お願いだから少し休ませて…………!」


P「おいおい、二人そろってなにを言ってるんだ。まだ始まったばかりじゃないか」


P「お前たちにはもう少し頑張ってもらうぞ」


加蓮「う、ウソだよね……?」


P「加蓮、お前もわかってるんだろ? こうなった以上、もう誰にも止められない」


P「行く所まで行くしかないんだ」


まゆ「このままじゃ……まゆ、どうにかなっちゃいます……!」


P「とにかく頑張れ。まだまだ先は長いぞ。さ、行くぞ……」


まゆ「そ、そんなぁ…………!」




みりあ「次はあれ乗りたーい!」


薫「薫はあれーっ!」


千枝「わ、私はあれに乗りたいです……!」


仁奈「うーん……どれも楽しそうで、えらべねーです!」


桃華「ちょ、ちょっとみなさん!? 少し休憩しませんこと?!」


薫「えーっ! 早く次の乗り物に乗りたいよーっ!」


仁奈「そうでごぜーます! 次はどんな気持ちになれるのか、仁奈、わくわくがとまらねーですよ!」


みりあ「早くしないと、遊園地が終わっちゃうよーっ!」


凛「ちょ、ちょっと待って…………」ゼェゼェ


加蓮「ね、年少組ヤバい……一体どれだけ体力あるの……」ハァハァ


P「いや、お前たちもレッスンで体力付けてるんだから、これぐらい頑張れよ」


加蓮「なんでPさんはそんなに元気なの?! おかしくない?!」ゼェゼェ


P「三徹に比べれば、アイドルの笑顔を見ながらの遊園地なんて屁みたいなもんよ。むしろ天国だわ」


まゆ「前からわかっていたことですけど、改めて人間やめてますねぇ……」ハァハァ


奏「あら? まゆの口からそんな言葉が出るなんて、なんだか意外ね」


まゆ「まゆはPさんには隠し事はしたくありませんから……それに、これについてはさすがのまゆも驚きを隠せません」ハァハァ


加蓮「てゆーか……奏、結構余裕だね…………」ゼェゼェ


奏「そうかしら? これでも意外と疲れているのだけれど」


P「奏の場合、LiPPSでも鍛えられてるんじゃないのか?」


加蓮「あー……それはありそう」


奏「そう言われればそうかもね。失踪した志希を探しに走り回ったりするから」







凛「それにしても……まさか絶叫マシンに五連続で乗るハメになるとは思わなかったよ……」


加蓮「同じやつに乗ることも想定してなかったよね…………」


P「なんだなんだお前たち。華の女子高生なら、絶叫マシンなんてお茶の子さいさいだろ?」


泰葉「プロデューサー、言葉のチョイスが古いですよ」


凛「いくらなんでも限度ってものがあるよ……」


奏「泰葉も余裕ありそうね?」


泰葉「私はあんまり乗ってませんから。身長制限にいくつか引っ掛かった仁奈ちゃんの付き添いしてましたし」


加蓮「私たちもそっちに行けばよかった…………」


ちひろ「それは駄目ですよ♪ これは『おしおき』の一環なんですから♪」


P「そうだぞ。それに見ろ。奈緒なんてまだまだ元気じゃないか」




みりあ「次これ乗ろーよー!」


薫「えーっ! こっちがいいーっ!」


千枝「あ、あの、これなんてどうですか……?」


奈緒「あーもう! 三人とも落ち着け! そんなに一気には無理だってば!」


奈緒「それに三人はどれも乗れるかもしれないけど、仁奈は全部乗れないんだから、年上としてそこもちゃんと考えないと駄目だぞ!」


みりあ「そっか……そうだよね。仁奈ちゃんは何個かは乗れなかったんだもんね……」


千枝「そ、そうでしたね……」


薫「仁奈ちゃん、ごめんなさーい…………」


仁奈「気にしなくてもいいですよ!」


仁奈「また今度、仁奈が今よりももっとでっかくなった時に、またみんなで来たらいいだけでごぜーます!」


千枝「仁奈ちゃん…………」


奈緒「そうそう。ここに来れるのは別に今日だけじゃないんだし、乗りたいんだったらまた来ればいいだけだろ?」


奈緒「だから今日の所は、ちゃんと仁奈に合わせてあげないとな!」


奈緒「みんなが楽しくないと、思い出にならないしな!」


奈緒「だからこっちのアトラクションにしよう」


奈緒「これなら身長制限も大丈夫だし、水しぶきが凄いらしいから、今日みたいな暑い日にはぴったりだと思わないか?」


みりあ「確かにそうかも! これならみんな一緒に楽しくて、涼しくなれるね!」


仁奈「うわぁ……! すげぇーです! さすが奈緒『おねーさん』です!」


奈緒「『おねーさん』…………!」ニタニタ


奈緒「よ、よしみんな! 奈緒『おねーさん』についてこい! 行くぞ!」タッタッタ


みりあ・薫・仁奈・千枝『おーっ♪』






凛「…………うん、そうだね」


加蓮「なんていうか…………うん」


P「お前ら…………もうちょっと奈緒のことお姉さん扱いしてやれよ…………」


P「よく見てみ、あいつの目。ちょっと血走ってるぞ。相当疲れが溜まってる証拠だ」


奏「あんなに元気そうに振る舞っているけれど、体の方は想像以上にダメージ受けてるわよね、あれ」


P「もう少し優しくしてやれよ…………」


凛「それについては反省するよ。でも…………」


加蓮「うん…………あれはさすがに簡単にのせられすぎだよね…………」


P「それについては否定できない」




凛「そうだよね――――ん?」


仁奈「おーい!」タッタッタ


泰葉「仁奈ちゃんがこっちに来ましたね」


まゆ「どうしたんですかねぇ」


P「どうしたんだ、仁奈」


仁奈「えへへ♪ みんなと一緒じゃないと意味ねーです!」


仁奈「凛おねーさんたちも一緒に行くですよ!」ギュ


P「お、凛の手を握った」


奏「ふふ、愛されてるわね」


凛「…………」


加蓮「凛?」


凛「…………フヒ」ボソッ


奏「…………凛?」


凛「…………!」ハッ


加蓮「…………今ちょっと顔つきが美嘉みたいになってたよ」


凛「え、嘘……そんなつもりは…………!」


P「…………ウチの高校生組、年少に対してチョロすぎないか?」


加蓮・泰葉・奏・泰葉『一緒にしないで(ください)!』

















美嘉「へっくち! うぅぅ……風邪ひいた?」





非常に短いですが今回はここまでです。


明日はいつもより早く帰れそう&アニバーサリーイベントも今日で終了したので、頑張って書き溜め作ります。ごめんなさい。


高校生組が中心になりつつありますが、富士〇ハイランドが終わればL.M.B.G中心になりますので、しばしお待ちを。


静かに読んでいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。

泰葉が分身してるだと…!?
まぁ泰葉なら有り得るか


>>122
泰葉は芸歴長いから……(震え声)






→修正です



凛「そうだよね――――ん?」


仁奈「おーい!」タッタッタ


泰葉「仁奈ちゃんがこっちに来ましたね」


まゆ「どうしたんですかねぇ」


P「どうしたんだ、仁奈」


仁奈「えへへ♪ みんなと一緒じゃないと意味ねーです!」


仁奈「凛おねーさんたちも一緒に行くですよ!」ギュ


P「お、凛の手を握った」


奏「ふふ、愛されてるわね」


凛「…………」


加蓮「凛?」


凛「…………フヒ」ボソッ


奏「…………凛?」


凛「…………!」ハッ


加蓮「…………今ちょっと顔つきが美嘉みたいになってたよ」


凛「え、嘘……そんなつもりは…………!」


P「…………ウチの高校生組、年少に対してチョロすぎないか?」


加蓮・凛・奏・泰葉『一緒にしないで(ください)!』










美嘉「へっくち! うぅぅ……風邪ひいた?」



11時30分ごろ再会予定です。


思ったより書き溜め作れませんでした。でも昨日よりは断然あるので許してください。なんでもしまむら。


では、今日もよろしくお願いします。




P「それにしても、思わぬところで遭遇しましたね。まさか、あいつらが同じ遊園地に来ていたとは」


ちひろ「こんな偶然もあるんですね♪」


P「ま、そのおかげでこうして面倒見てもらえて、こちらとしては助かってますけどね」


まゆ「『おしおき』と言うからには、どんな罰が待っているのかと身構えたものですけど……」


加蓮「これなら全然問題ないよねー。疲れるけど」


P「他のメンツはいいとして、加蓮は水分補給に気を付けろよ。喉が渇いたと思う前に、飲むんだぞ」


加蓮「わかってるってば! もう! 奈緒と同じようなこと言うんだから!」


P「あわよくば日に焼けようとして炎天下に積極的に出てる今の姿を見れば、誰だってそう言うだろ」


加蓮「ギクッ」


奏「わかりやすいわね」




奏「それにしても、今のセリフは聞き捨てならないわね? 私たちは倒れてもいい、みたいに聞こえるけど?」


P「いや、ついさっき自分で余裕あるって言ったじゃん……」


ちひろ「多分、というよりか確実に、この中の一人でも倒れたら救急車を何台も呼ぶと思いますよ、この人♪」


P「うん、十台ぐらい呼ぶと思う」


奏「それは恥ずかしいから逆に止めてちょうだい」


P「じゃあ担いで病院までダッシュする」


奏「…………」ササッ


まゆ「…………」ササッ


加蓮「…………」ササッ


P「おいおい、俺を殺す気か?」


ちひろ「おそらく担いでも車までだと思いますよ?」






まゆ「そう言えば、ずっと気になっていたことがあるんですけどぉ……」


P「ん? なんだ?」


まゆ「そのぉ……お二人は、お付き合いしているとか、そういう関係なんですかぁ?」


奏「急にぶっこんできたわね」


まゆ「そろそろはっきりしておかないと……暑さもありますが、それを考えるだけでお腹が煮えくり返りそうで……」


P「うん、殺る気満々だね、それ」


加蓮「それについては私も知りたいかなー。いくら年少アイドルと一緒とは言え、ちょっと親しすぎな気がしたけど」


奏「それに、引率なら別に私達でもよかったんじゃないかしら? 言い方は悪いと思うけど、ちひろさんにわざわざ頼む必要もないんじゃない?」


P「いや、せっかくの休日にお前らを年少組の引率のために呼ぶのは悪いと思ってな」


P「それに、一応今回のことはあいつらへの『おしおき』っていう体になってる」


P「『おしおき』といえばちひろさんだろ?」


加蓮「えっ? そんな理由?」


P「まぁそれは三割ぐらいで、会場の使用許可とかなんかあったときの責任者は全部ちひろさんになってるんだよ」


P「今回は遊園地に来てるけど、L.M.B.Gのメンバーに万が一なにかあったときのためにちひろさんに付いてきて貰ってるってわけだ」


P「ま、そんな事態は万に一つも起こさせはしないがな」


まゆ「なるほどぉ。Pさんたちにとっては、今日のイベントも一応仕事の一部というわけなんですねぇ」


P「まー、仕事ってほどでもないかもしれないけどな。それでも、大事な子供さんを預かっているわけだし、これぐらいはしないとな」


加蓮「Pさんって変なところでマジメだよね」


P「変なところは余計だろ」






奏「で、ちひろさんはこれに便乗して、おめかしをしてきたというわけね」


加蓮「明らかデート向けのコーデだもんねー」


ちひろ「そうですか? 私はあまりそうは思わないですけど」


まゆ「余裕ですねぇ」


奏「どこからそんな余裕が出てくるのかしらね」


ちひろ「いえいえ、余裕とかそういうのではなくてですね」


P「ちひろさんは結構可愛い服持ってますよね」


ちひろ「そうなんですよ! 事務所では事務服やコスプレばっかりしてますけど、こう見えて意外とおしゃれなんです!」


P「それ自分で言いますか?」


ちひろ「あ、確かにそうかもしれませんね♪」ウフフ


加蓮「へぇーなんか意外かも」


まゆ「確かに事務服のイメージが強いですからねぇ。そう言われると、違和感を感じる原因も納得できる気がしますねぇ」


奏「…………それで、どうしてちひろさんが可愛い服をいっぱい持っているってことをPさんが知っているのかしら?」


泰葉「そうですよね。それは私も思いました」


奏「事務所では事務服やコスプレ衣装しか着ないのなら、なおさらそれを知っているのはおかしいと思うのだけれど?」






P「あぁ、それはだな……」


ちひろ「そ、それはですね! 以前、コスプレの話の流れから私がポロっと……!」


P「ちひろさんとはいろんなところに行ったりしてるからなぁ」


ちひろ「ちょ、ちょっとPさん!」


奏「へぇ……それは二人で?」


P「大体は二人っきりで行くかな。たまに事務所の子も連れてったりするけど」


加蓮「ふぅぅぅん…………」チラッ


まゆ「そうなんですねぇ…………」チラッ


ちひろ「」ダラダラ


泰葉「頻度はどれぐらいなんですか?」


P「そうだなぁ……二人の休みが重なった時には結構行くかな」


加蓮「…………」ジーッ


奏「…………」ジーッ


まゆ「…………そう、ですか」ジーッ


ちひろ「」ダラダラダラ


泰葉「でも、付きあってないんですよね?」


P「そうだな!」


ちひろ「ぐほぁっ!」ドサリ






奏「ま、それが聞けて安心したわ」ニコッ


加蓮「そうだね。うちのアイドルはそういう話に興味津々の子が多いからね」プププ


まゆ「まゆとしては、Pさんが盗られちゃったんじゃなかと思って……安心しましたぁ」ニッコリ


ちひろ「ぐ……ぐぉぉぉ…………!」プルプル


まゆ「それじゃあ行きましょうか♪ 凛ちゃん達も待っているでしょうし♪」


加蓮「そうだねー。今頃奈緒もへばってる頃なんじゃない?」ニヤニヤ


奏「そうね。早く助けに行きましょうか……あら、ちひろさん。具合悪そうね。肩貨しましょうか?」ニッコリ


ちひろ「い、いえ……ダイジョウブデス……」プルプル


奏「それじゃあ行きましょうか♪」ニコッ


泰葉(…………よかったんですか? あんなこと言っちゃって)


P(何がだ?)


泰葉(絶対わかって言いましたよね、さっきの)


P(……ま、たまにはアイドル側の味方になってもバチは当たらないだろ)


P(ここ最近は『おしおき』とかあったしな。ここらで一つという感じで)


泰葉(ちひろさんは大丈夫なんですか?)


P(大丈夫大丈夫。また一緒に遊びに行ったり、呑みに行ったりすれば許してくれるから)


泰葉(念のため聞いておきますけど、本当に付きあってないんですよね……?)


P(それに関してはないな。断言する)


泰葉(そうなんですか。……よかった)ボソッ


P(そういうレベルの話じゃないからな……)


泰葉(えっ)


P「よし! じゃあ行くか! 一応凛と奈緒を担ぐことも考えとけよ!」


まゆ「はぁ~い♪」


泰葉「ちょ、ちょっとPさん!?」









泰葉(その後、無事年少組によって撃沈された凛ちゃんと奈緒ちゃんを回収し、私たちは時間が許す限り遊びました……)


泰葉(しかし、年少組の体力を甘く見ていた私達は、まさか彼女たちが数時間にわたってフルスロットルで動き回るとは予想も出来ず)


泰葉(結果…………)





高校生組『』チーン


P「うん……まぁ、お疲れ。さすがの俺でも、ちょっと可哀想に思ったよ」


ちひろ「そうですね♪」ホッコリ


凛「な……なんであんなに……元気なの……」ガクガク


奈緒「あたしらが子供の時って……あんなに元気だったか…………?」ガクガク


加蓮「私は……絶対違うかな…………」プルプル


まゆ「まゆも……同じです…………」プルプル


奏「そうね……あの子たちが特別なんだと思うわ…………」フゥ…


P「まぁ、L.M.B.Gは特に元気な子が集まってる印象だからな」


ちひろ「それについていけただけでも、相当凄いと思いますよ♪」


みりあ「みんな大丈夫?」


凛「な、なんとか…………」


桃華「そうは言いつつも、みなさん辛そうですわね…………」


P「桃華は意外と大丈夫そうだな。俺はこいつらみたいになるかと思ってたんだが」


桃華「初めは気絶するかと思いましたけど、人間の慣れと言うのはここまで恐ろしいものなのですね」


桃華「何度も無理矢理乗せられている内に、なんだかあの衝撃が病みつきになってしまって♪」


泰葉「最後の方は、凄い笑顔でしたよね。桃華ちゃん」


P「桃華の何かを目覚めさせてしまったようだな」






P「泰葉も元気そうだな」


泰葉「私は引き続き、身長制限の仁奈ちゃんの付き添いをやってましたから」


泰葉「ああいうのは、乗った時のテンションの上げ下げも体力に影響しますし」


泰葉「それに私……あんまり思われてないみたいですけど、こう見えて芸歴長いので。体力には自信あるんですよ」ハイライトオフ


P「おーい、人形に戻ってるぞ。みんなちゃんと思ってるって。親しみをが強すぎるだけださ」


泰葉「本当にそうだと良いんですけどね……」ハイライトオン




P「さてと……楽しい時間はあっという間に過ぎていくなぁ。みんな、今日はどうだった?」


薫「たのしかったーっ!」


みりあ「すっごく楽しかった!」


千枝「みんなと一緒に遊べて、いい思い出になりました……!」


桃華「たまにはこういうのも悪くないですわね♪」


仁奈「絶対に、もう一回きてーです!」


P「そうかそうか。楽しんでもらったようでなによりだ」


P「お前たちも、途中から手伝ってもらってすまなかったな」


奏「気にしないで。こういうのは人数が多い方が楽しい……でしょ?」


P「そういってもらえると助かるよ」


凛「目的のアトラクションは大方乗れたしね」


加蓮「そうだね。Pさんとも一緒に乗れたし」


まゆ「それが一番大きいですよねぇ♪」


加蓮「ま、奈緒的には意外な収穫があったみたいだけどね」チラッ





仁奈「奈緒おねーさん、大丈夫ですか?」


奈緒「あ、ああ! あたしは全然、この通り大丈夫だ!」ガクガク


桃華「足が震えてましてよ」


千枝「いろんなところを回りましたからね……」


仁奈「奈緒おねーさん、疲れちゃったですか?」


奈緒「ま、まぁ正直に言えばそうかな……レッスンとかライブの時とは違う疲れっていうか……」


奈緒「でも、こういう疲れも、また遊園地の醍醐味ってもんだよ! 家に帰ってすぐ寝たいと思うぐらい楽しく遊べたって証拠なんだし」


奈緒「あたしは今日、みんなと回れてすっごく楽しかったぞ!」


みりあ「みりあも楽しかったー! また一緒に来れたらいいね!」


奈緒「そうだな!」


仁奈「奈緒おねーさんも、また仁奈たちと一緒に来てくれるですか?!」


奈緒「もちろんだ! 予定がなければ、あたしがついていってやるよ!」


仁奈「絶対ですよ!? 絶対に約束でごぜーますよ!?」


奈緒「ああ! もちろんだ!」グッ


仁奈「わーい! 仁奈おねーさんは『頼りになる』ですね!」ギュゥゥ


奈緒「なっ……! …………くぅぅぅぅぅ!!!///」ニヘラ









凛「…………デレデレじゃん」


加蓮「そうだね。美嘉とはまたベクトルが違うヤバさがあるよね」


P「お前らがちゃんとしないからああなったんだぞ。今日のことを踏まえて、もう少し優しくしてやれよ」


凛「そんなこと言って、どうせ『奈緒おねーさん』とか言ってからかうつもりなんでしょ?」


P「うん。お前らもそうだろ」


凛「まぁね」


加蓮「しない理由が無いよねー」


P「なんせ」


凛「そっちのほうが」


加蓮「断然」


P・凛・加蓮『可愛いから』


凛「とりあえず、あの蕩けきった表情を写メろっか」パシャパシャ


加蓮「そうだね」パシャパシャ


P「そうだな」パシャパシャ


奏「あなた達ほんとブレないわね…………」







P「よーし! それじゃあ最後に、面倒見てくれた高校生組にお礼を言って帰るぞー。それじゃあ、せーのっ」


L.M.B.G『ありがとうございましたー!』


奈緒「どういたしましてっっっ!!!!!」


加蓮「うわー、奈緒元気すぎ……あ、今日は楽しかったよー。こっちこそありがとね♪」


まゆ「お気になさらず♪ また一緒に行きましょうねぇ♪」


奏「こういう機会もいいものね。年少組の子とはあまり絡んだことなかったから、新鮮だったわ」


凛「思わぬ展開だったけど、私も奏と同じ感想かな。新鮮で楽しかったよ。ありがと」


P「それじゃあ帰るか。各自お土産の買い忘れとかないか?」


L.M.B.G&高校生組『はぁーい(!)』


P「よし、オッケーそうだな。それじゃあはぐれないように付いてこいよー」


L.M.B.G『はぁーい!』


凛「じゃあ、私たちも帰ろっか」


加蓮「そうだね」


まゆ「それじゃあPさん、また明日♪」


奏「事故だけには気を付けてね」


P「え? いやいや、お前らも乗っていけよ」


凛「え? いいの?」


P「いや、さすがにここまで面倒見てもらって、交通費払わせるわけにもいかんだろ」


まゆ「Pさん…………♪」


P「あと無駄遣いしたらちひろさんに何を言われるか……」


まゆ「その一言は聞きたくなかったですねぇ」






ちひろ「乗れますかね?」


P「送迎用のデカい車に乗ってきたので一応大丈夫だと思いますけど、全員が座るのはちょっとキツイかもしれませんね」


ちひろ「じゃあ、高校生組の誰かの膝の上に誰かに座ってもらうしかないですね」


奈緒「…………! あ、あたしが! あたしが仁奈を膝に座らせるから! それでいこう!」


P「お、おう。そうか。じゃあそうするか」


泰葉「あのPさんがちょっと押されてる……!」


加蓮「これはさすがの私もちょっとヒくかな」


凛「あんなに積極的な奈緒は久しぶりに見たよ」


まゆ「イキイキしてますねぇ」


奏「ま、それでうまいこといくならそれでいいんじゃない?」


泰葉「仁奈ちゃんはそれでいいの?」


仁奈「仁奈、奈緒おねーさんのお膝に座ってもいいですか?!」


奈緒「ああいいぞ! どんとこい!」


仁奈「やったー!」


ちひろ「仁奈ちゃんはむしろウェルカムみたいですね」


P「じゃあそれでいくか」


P「それじゃあ、移動するぞー」





P「…………で、結局こうなるわけか」


仁奈「すぅ……すぅ…………」ギュ


奈緒「くかー…………」ギュゥゥ


ちひろ「奈緒ちゃんの膝の上で奈緒ちゃんの腕を掴んで眠る仁奈ちゃん」


泰葉「そして、そんな仁奈ちゃんを抱きしめて眠る奈緒ちゃん」


P「なんか…………いいな。すげぇほっこりする」


泰葉「疲れた時に見ると、心が癒されていく気がしますね」


P「わかる。泰葉、ちょっと写メってくれ」


泰葉「嫌ですよ。シャッター音で起きちゃったらどうするんですか」


P「そうだよなぁ…………」


泰葉「私の携帯、無音カメラ入ってないんで。Pさんの携帯貸してくださいよ」


P「そうくるとは思わなかった」





ちひろ「それにしても……あっという間でしたね」


P「そうですね。やっぱり楽しい時間というのはすぐに過ぎてしまいますね」


ちひろ「そうですねぇ」


泰葉「それも確かにそうですけど……」チラッ


みりあ「すぅ……すぅ…………」


桃華「すー……すー…………」


千枝「くぅ……くぅ…………」


薫「すぅ……すぅ……ムニャムニャ…………」


泰葉「車が発進してすぐ静かになったと思ったら…………こっちもあっという間でしたね」


ちひろ「気づけば全滅してましたね」クスッ


P「子供って気絶するように眠りますよね。赤ちゃんなんて、飯食いながら寝るぐらいだし」


ちひろ「本当に体力の限界まで遊んで、休めると思ったらすぐ休む、って感じなんですかね?」


P「多分そうなんでしょうね、そこのところも上手く調節出来るか出来ないかも、大人と子供の違いなんだと思います」


P「ま、今日に関しては、どうやら子供しかいないみたいですけどね」


ちひろ「そうですねぇ…………」クルッ



















凛「くかー…………」


奏「……………………」コクリ コクリ


加蓮「……………………」


まゆ「すぅ……すぅ…………」





P「…………加蓮、死んでませんよね?」


ちひろ「縁起でもないこと言わないでください……!」


泰葉「…………ちゃんと息はしてますよ」


P「寝るときめっちゃ静かになるタイプか。加蓮の場合、ややこしいことになる可能性もあるから覚えておこう」


ちひろ「冗談に聞こえないところが怖いですね」





P「泰葉、お前は大丈夫なのか?」


泰葉「私ですか? まぁ、まだ余裕はあるほうですね」


P「ん、ならいいんだが。無理せず寝てもいいんだぞ」


泰葉「いえ、Pさんもお疲れのはずなのに、頑張って運転してもらってますから」


泰葉「私だけ先に寝るというのは…………」


P「いやいや、そんなこと気にしなくていいぞ。これも仕事のうちなんだし、当然のことだ」


P「それに、その分夜は楽させてもらうからな」ハハハ


泰葉「夜にもなにかあるんですか?」


P「それは夜になってからのお楽しみだな」




P「そういうわけで、お前も今のうちに寝とけ。休める時に休むのもプロの仕事だぞ?」


泰葉「……Pさんがそう言うなら、お言葉に甘えさせていただきます」ボフッ


P「おう、また着いたら起こしてやろう」


泰葉「……寝顔とか撮らないでくださいね」


P「いや、運転中だから無理だろ」


泰葉「それもそう、ですね……これで、あんしん、して……寝られ…………」


泰葉「すぅ……すぅ…………」


ちひろ「…………驚くほど早く寝ちゃいましたね」


P「疲労もあると思いますけど、それ以上に気が抜けちゃったんでしょうね」


P「変に気を張るクセがまだ治ってない感じだなぁ……ま、そのへんはおいおいということで……」


P「ちひろさん」


ちひろ「はい」


P「お願いします」


ちひろ「はい♪」ムオンカメラ パシャパシャ





今回はここまでです。


遊園地編、これにて終了です。自分で書いておいてなんですが、最後の方は割とお気に入りです。


次回は夜~夜中編です。夕食とかお風呂のシーンはそんなに書くネタもないので、いきなり就寝時前とかになると思います。


静かに読んでいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。


>>139
今回誤字多すぎィ!  病み上がりだから(震え声)






→修正




仁奈「奈緒おねーさん、大丈夫ですか?」


奈緒「あ、ああ! あたしは全然、この通り大丈夫だ!」ガクガク


桃華「足が震えてましてよ」


千枝「いろんなところを回りましたからね……」


仁奈「奈緒おねーさん、疲れちゃったですか?」


奈緒「ま、まぁ正直に言えばそうかな……レッスンとかライブの時とは違う疲れっていうか……」


奈緒「でも、こういう疲れも、また遊園地の醍醐味ってもんだよ! 家に帰ってすぐ寝たいと思うぐらい楽しく遊べたって証拠なんだし」


奈緒「あたしは今日、みんなと回れてすっごく楽しかったぞ!」


みりあ「みりあも楽しかったー! また一緒に来れたらいいね!」


奈緒「そうだな!」


仁奈「奈緒おねーさんも、また仁奈たちと一緒に来てくれるですか?!」


奈緒「もちろんだ! 予定がなければ、あたしがついていってやるよ!」


仁奈「絶対ですよ!? 絶対に約束でごぜーますよ!?」


奈緒「ああ! もちろんだ!」グッ


仁奈「わーい! 奈緒おねーさんは『頼りになる』ですね!」ギュゥゥ


奈緒「なっ……! …………くぅぅぅぅぅ!!!///」ニヘラ






再会します。


例のごとく書き溜めはない。それと、今日は忙しくて結構疲れてしまったので、早めに終わります。ごめんなさい。


では、今日もよろしくおねがいします。




P「よし、みんな集まったな。ちゃんと湯船に浸かったか?」


薫「はーいっ!」


P「夏だからってなめてると風邪ひくからな。気を付けろよ」


千枝「それにしても、事務所のお風呂ってあんなに大きかったんですね……」


ちひろ「私達の事務所だけでなく、会社全体の社員が使う当直用の大浴場ですからね♪」


P「ああいう設備がしっかりしてると、疲れも取れやすいんだよなぁ」


みりあ「とうちょく、ってなに?」


泰葉「簡単に言うと、会社に泊まってお仕事をすることですね」


みりあ「そーなんだ! お泊り会みたーい!」


P「何かあった時のための予備要員みたいなもんなんだが……まぁ、そこまで詳しくしなくてもいいか」






P「――――で、聞きたいんだが」


桃華「………………」ハイライトオフ


P「…………風呂場でなにかあったのか? さっきから桃華の元気がないようなんだが…………」


泰葉「………………」ハイライトオフ


P「えっ?! なんでお前まで急にそうなっちゃうの!?」


ちひろ「………………」ダラダラ


P「…………ちひろさん?」


ちひろ「わ、私はなにもしていませんよ!」


P「じゃあなんで二人がこうなったのか説明してもらえます?」


P「確か一緒にお風呂入ってますよね」


ちひろ「そ、それは…………」


仁奈「仁奈知ってるですよ!」


P「お、マジか」


ちひろ「ちょ、ちょっと仁奈ちゃ―――――」


仁奈「仁奈が『ちひろさんのおっぱいでけー!』って叫んだら、二人とも元気がなくなったですよ!」


ちひろ「ぶっ!!」


P「あっ………………ごめん………………」


泰葉「そういうの一番傷つくんで止めてもらっていいですか!?」


P「でも、こういうときどう言葉をかけていいかわからないし…………」


泰葉「こういうときだけ大人しくなるのが不自然だと言っているんです! 絶対わかってやってるでしょ!」


みりあ「でも本当におっきかったよねー」


薫「うん! こう、ぐわーって掴めるぐらい!」


ちひろ「ちょ、ちょっと!」





ちひろ「い、いや誤解ですよ! 私そんなに大きくありませんから!」


ちひろ「雫ちゃんや愛梨ちゃんと比べたら……」


泰葉「そこをまず基準にして比較する時点でおかしいんですよ!」


泰葉「わ、私だって……私だってちゃんとありますから!」


P「うん……そうだな」ポン


泰葉「優しい目をしないでください!」




桃華「わ、わたくしは、まだ12歳ですから……! まだ伸びしろがありますし…………」


P「15歳でほぼサイズが決まるらしいな、一説によれば」


P「だから桃華にはまだチャンスはあるぞ! 頑張れ桃華!」


桃華「Pちゃま……♪」


泰葉「うわーん! ちひろさん! プロデューサーが虐めてくるーっ!」ダキッ


ちひろ「というより、さりげなくセクハラですよ。Pさん」





すいません、ちょっと意識朦朧としてきたのでここまでにします。ほんと短くてごめんなさい。


ここまでも大したことない内容でしたが、今の状態で書くと今まで以上にクソみたいな内容になっちゃうので中断します。ほんと申し訳ない。


見切り発車はやっぱりいかんですね……。書き溜めの大事さを改めて実感しました。


という言い訳タイム。



明日は特になにも用事がないので(今のところ)、早起きして書き溜め作ります。出来れば明日、明後日以内には終わらせたいですね。


静かに読んでいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。



11時30分ごろから再開します。


進度はお察しです。なんでこう、暇な時に限って予定が入るのか……。このSSは呪われているのか? それとも1stアニバーサリーで課金しなかったから?


なんにせよ、頑張って書きます。


では、今日もよろしくお願いします。



P「さて、一悶着あったがここらで話を元に戻してだな」


P「それじゃあ、今日の最後のイベントといくか!」


桃華「まだ何かありまして? 時間的に、どこにも行けそうにないように思いますけれど……」


P「確かにそうだが、外出だけが休日の過ごし方じゃないってことだ」


P「それじゃあ、ここに用意した虫よけスプレーをふってくれ。念のためだから、気にならない奴は別にふらなくてもいいが」


P「それと、隣の部屋に衣装が用意してあるから、各自それに着替えたら屋上の扉前に集合な」


千枝「屋上……ですか?」


みりあ「それに衣装もあるの?」


泰葉「星でも見るつもりですか? さすがにこの街の中では見れないように思いますけど」


P「いや、そうじゃない。もっと驚くものだ」


L.M.B.G&泰葉『…………?』







ちひろ「Pさんお、お待たせしました」


P「いえいえ、大丈夫ですよ」


P「おー、さすがはアイドル。みんな似合ってるな」


みりあ「可愛いー♪」クルクル


千枝「浴衣……で合ってますよね?」


桃華「これが浴衣なのですね……着物とはまた少し違う感じがしますわね」」


仁奈「うぅ……着ぐるみがねーとちょっと落ち着かねーです……」


薫「でも、とーっても似合ってるよっ♪」


泰葉「薫ちゃんも似合ってますよ」


ちひろ「泰葉ちゃんは大人びて見えますね♪」


P「ちひろさんも着替えたんですね」


ちひろ「どうですかPさん?」クルクル


P「似合ってますよ」


ちひろ「ありがとうございます♪」


泰葉「隙あらばイチャつくの、いい加減やめてください」







P「みんな集まったことだし、最後のイベントといくか」


P「それじゃあ、ドアを開けるからな。覚悟しとけよー。絶対お前ら驚くぞ~」


千枝「なんだかわくわくしますね……!」


薫「なにかな、なにかな~♪」


P「それじゃあ…………オープン!」ガチャ!









早苗「いらっしゃーい! 待ってたわよ!」


留美「遅かったじゃない。待ちくたびれちゃったわ」


真奈美「ふふ、みんななかなか様になってるじゃないか」


美優「今日は楽しんでいってくださいね……!」


薫「――――わぁぁぁ!!」


桃華「こ、これは…………!」






ガヤガヤガヤ ピーヒャララ ドンドコドン






千枝「お、お祭り、ですか…………?」


薫「お店もあるよーっ!」


みりあ「すごーい! 本物のお祭りみたーい!」







泰葉「これは……本当にすごいですね…………!」


P「いやー、出店の骨組とか借りるの結構苦労したよ」


早苗「組み立ての方が大変だったけどね!」


留美「肝心なところでいないんだから」


真奈美「男手が必要だってこともわかっていたはずだが?」


美優「ま、まぁまぁみなさん……Pさんも色々あるのだと思いますし…………」


早苗「そんなのわかってるわよ♪」


留美「冗談よ。冗談」


真奈美「ふっ……いつもの仕返しという訳だ」





泰葉「それにしても、よくこんなに協力してもらえましたね?」


泰葉「というよりも、せっかくの休みの日だから、アイドルにはお手伝いしてもらわないんじゃなかったんですか?」


P「んー……俺もそう思ってたんだけどなぁ…………」


P「出店っていったらお祭りには欠かせないものだろ?」


泰葉「はい」


P「お祭りっていうのは季節関係なくあるだろ?」


泰葉「はい」


P「そのなかでも、夏は暑いだろ?」


泰葉「はい」


P「しかも、お祭りの出店って結構味の濃い物が多いだろ?」


泰葉「はい」


P「キンキンに冷えた酒」


泰葉「理解しました」





P「本当はうちの従業員の人だけに手伝ってもらおうと思ってたんだけどなぁ」


P「気付けば彼女らが手伝う方向に」


泰葉「恐ろしい情報網ですね…………」


P「まぁ犯人の目星は付いてるけどな」


泰葉「え? 誰なんですか」


P「多分楓さん」


泰葉「…………は?」


P「『楓さん、この日は予定……あ、ダメですね。撮影が……』って言っちゃったから、多分腹いせに酒呑みメンバーに連絡したのかと」


泰葉「子供かっ!」




早苗「まぁ、そんな寂しいこと言わないでよ! 報酬の分はきちんと働くから安心して頂戴!」


P「その言葉、本当に信じていいんですかね」


留美「安心して貰って大丈夫よ」


真奈美「私達は監視役として呼ばれたみたいなものさ」


美優「私はそこまでお力になれるとは思いませんけど…………」


P「…………ま、そうですね。それに、早苗さんもお酒が入らなければ大丈夫でしょうし」


早苗「そうそう! お姉さんに任せて頂戴!」


P「…………そう言えば、川島さんと友紀の姿が見当たらないんですけど」


留美「二人ならお酒を買いに行ったわよ」


P「二人が帰ってくるまでに終わらせるか」





P「それじゃあ、みなさん準備よろしくお願いしますね」


留美「了解よ」スタスタ


真奈美「それじゃあ行こうか」スタスタ


美優「みなさん楽しんでいってくださいね」スタスタ


早苗「手ぇ出しちゃ駄目よ! Pくん!」


P「出しませんよ!」


千枝「……………………///」モジモジ


早苗(…………見なかったことにしよう)





P「それじゃ、各自食べたいものとかやりたいことかして楽しんでいってくれ!」


P「事務所の屋上だから、そこまで種類ないけどな」


P「でもまぁ、代表的なものは取り揃えたから『出店!』って感じのものはあるぞ!」


泰葉「うまく説明出来てない気がしますけど」


P「うるせぇ! 細かいことはいいんだよ!」


P「とにかく、各自楽しめ! 俺も楽しむから! それじゃあ解散!」ダッ


泰葉「逃げた!」





ちひろ「Pさんは逃げましたけど、要するにしばらく自由時間ってことです♪」


ちひろ「規模はそこまで大きくありませんが、楽しんでいってくださいね♪」


ちひろ「私とPさんもその辺を回っていますので、何かあったら声をかけてくださいね!」


ちひろ「それでは、どうぞご自由に♪」


泰葉「ご自由にと言われても……一体どこに行けばいいのやら」


千枝「そうですね……取りあえず、見て回りませんか?」


泰葉「そうですね。そうしましょう」


泰葉「それじゃあみなさん、行きましょうか」


仁奈・みりあ・桃華・千枝・薫『はぁーい!』






ガヤガヤガヤ…






泰葉「…………Pさんはああ言ってましたけど」


桃華「想像以上に広いですわね…………」


千枝「そうですね……思っていたよりも…………」


桃華「それに人もたくさんいますわね」


みりあ「お店もいっぱいあるねー!」


薫「いいにおーい!」


仁奈「お腹がすいてきたですよ!」


桃華「さっき食べたばかりではなくて?!」


桃華「……と言っても、確かにこの匂いの中ではそうなってしまっても仕方ないですわね」


みりあ「でもどれにしようか迷っちゃうよねー。全部は食べられないし……」


薫「ねー……」


泰葉「それじゃあ、一個ずつ買ってみんなでわけましょうか」


泰葉「それなら一口ずつで済みますし、色々食べられますよ」


みりあ「そうしよう!」


薫「それがいいっ!」


泰葉「じゃあ取りあえず定番の焼きそば、お好み焼きあたりから行きましょうか」




泰葉「すみません。焼きそば一つください」


留美「いらっしゃい」


仁奈「留美おねーさんだー!」


みりあ「留美さんが作ってくれるの?」


留美「ええ、そうよ。あんまり得意じゃないけれど、こう見えて最近練習してるの」


留美「焼きそばは炒めるだけで楽だから、これにしてくださいって頼んでね……」ジュー


留美「でも、それなりには上手く出来ると思うから楽しみにしててね」カシャンカシャン


みりあ「ん~……♪ いいにおーい……♪」


留美「ソースの匂いって魔法よね」ジュージュー


留美「スーツに匂いが付いちゃうから昔はあまり食べられなかったけど……」カシャンカシャン


留美「今は割と気にせず食べられるから嬉しいわね」カサカサ……パチン


留美「どうぞ。熱いから気を付けてね」


千枝「ありがとうございます」


泰葉「それじゃあお金を…………」


留美「お金はいらないらしいわよ。……まぁ、当然よね」


泰葉「えっ? そうなんですか」


留美「さすがのPさんもアイドルからお金をとったりはしないみたいね」


留美「それにこのお祭りは、半分はあなた達のために開催されてるみたいよ」


留美「言ってみればあなたたちは今回の主役……従業員の方々はそのついでで、親睦会と称して参加しているみたいだけど」


留美「ともかく、主役からお金をもらうなんてことは出来ないわ。だから、代金は気にしなくてもいいわよ」


留美「ちひろさんなら……やめましょう。迂闊なことを言うとまた何をされるのかわからないわ……」






泰葉「それじゃあ……お言葉に甘えて…………」ペコッ


留美「楽しんでいってね」


泰葉「はい。ありがとうございます」


仁奈「留美おねーさんありがとー!」


みりあ「ありがとうー!」


留美「ふふ、はしゃぎすぎないようにね」





泰葉「それじゃあ次はお好み焼きですね……あ、ありましたね」


泰葉「すいません、お好み焼き一つ」


真奈美「いらっしゃい。よく来たね」カシャカシャ


みりあ「真奈美さんだー!」


桃華「真奈美さんがお好み焼きを作るというのは、ちょっとイメージしづらいですわね……」


真奈美「そうかい? こう見えて料理は得意なんだ」ジュー


真奈美「お好み焼きに限らず、粉物は結構事務所で作ったりしてるんだけどね」クルッ


桃華「そうなんですの?」


真奈美「大阪出身の子たちに作ってあげることが多くてね」ジュー


真奈美「なんでも、彼女たちは定期的にソース分が摂りたいとかなんとか」シュッ カサカサ


真奈美「……いや、それを言っていたのはみくだけだったか…………」バチン


真奈美「なんて言ってる間に出来上がりだ。とうぞ。熱いうちに食べるといい」


薫「おいしそーっ……♪」


泰葉「ありがとうございます」


真奈美「ああ、それと紙のお皿も持っていくといい。どうせみんなで分けるのだろうから、あった方が便利だろう」


泰葉「ありますか? いただけたら嬉しいですけど……」


真奈美「安心してくれ。きちんと用意してある」


真奈美「ああ、それだと持ち運びに不便か。この袋も持っていくといい」


真奈美「なんならここで入れてあげよう。さぁ、その焼きそばも一緒にこっちに渡してくれ」


泰葉「あ、ありがとうございます」


泰葉(なんだろう……凄く頼りになる)






真奈美「それじゃあ。楽しんでいってくれ」ヒラヒラ


みりあ「真奈美さん、ありがとー!」


泰葉「それじゃあ、どこかに座って食べましょうか。これ以上は持ちきれませんし」


桃華「そうですわね。ですが、休憩するところはあるのでしょうか?」


泰葉「そうですよね……まぁ、その辺を歩いていれば見つかるんじゃないでしょうか」スタスタ


千枝「それもそうですね…………」スタスタ


仁奈「早く食べて―ですねー……」


薫「…………あっ! あそこにベンチがあるよ!」


泰葉「本当ですか?」


桃華「確かにありますわね」


泰葉「それじゃあ、あそこで休憩しましょうか」






泰葉「――――さて、みなさんお皿はいきわたりましたか?」


千枝「大丈夫そうです」


泰葉「それじゃあ食べましょうか」


『いただきまーす!!』


仁奈「あーむっ…………あふっ! あふいれふよ!」ハフハフ


泰葉「ああっ! 熱いから気を付けてと言おうと思った矢先に!」


薫「ふー、ふーってしてから食べないとね!」


桃華「急がなくても、誰も取ったりしませんわよ」


仁奈「ふぇー……くひの中がひりひりひやがりまふ……」フファー


泰葉「なにか飲み物は……っと、そういえばなにも買ってませんでしたね」


泰葉「ちょっと飲み物を探してくるので、ここで待っていてください!」


桃華「了解ですわ」


みりあ「はーい♪」


仁奈「泰葉おねーさん、ごめんなさいでごぜーます…………」


泰葉「いえ、気にしなくても大丈夫ですよ。私もたまにやりますから」ナデナデ


泰葉「では行ってきますね」タッタッタ

今回はここまでです。


L.M.B.Gが中心になると言ったな。あれは嘘だ。


どうしてこう、余計なものを入れてしまうのか……。祭りは最初は考えてなかったんですけど、それだと夜パートが一瞬で終わりになっちゃいそうだったので入れちゃいました。これも思いつき。自滅への第一歩。


今回はお言葉に甘えて、まったり書かせてもらいます。9月は本当に忙しので、最悪9月いっぱい使って書いていく気でいます。亀更新でお待たせしてしまって申し訳ないです。読んでくれている方がいればですが。


静かに読んでいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。




今日はお休みします。ごめんなさい。



今日はちょっと遅めですが、0時30分ごろから再開します。


いつものように少しだけ更新して終わりになります。


では、今日もよろしくおねがいします。




泰葉「ええっと、どこかに冷たい飲みものかなにか……」キョロキョロ


P「――――ん? あれは…………」


P「おーい、泰葉!」タッタッタ


泰葉「プロデューサー! ちょうどいいところに!」


P「誰か探してるのか?」


泰葉「大変なんです! どこかに飲み物売ってる屋台とかありませんか?!」


P「うおっ、どうしたんだそんなに急いで。なんかあったのか?」


泰葉「仁奈ちゃんが出来たてのお好み焼きを口に入れてしまって……!」


P「あー……大体予想付いたわ」


P「飲みもの売ってる屋台か……かき氷とかならあるけど、ソフトドリンクだけ売ってる店ってのはないかなぁ」


泰葉「そんな…………!」


P「俺の飲みかけのオレンジジュースならあるけど」サッ


泰葉「Pさんの飲みかけ…………」


泰葉(もしこれを仁奈ちゃんに飲ませたことが一部の人間にバレたら…………)




まゆ『うふふ……泰葉ちゃん、Pさんの飲みかけのジュースをもらったって、本当ですかぁ?』ズイッ


凛『一歩ひいたように見せて、隙あらばそういうことするなんて許せないね』ズイッ


泰葉『いや……それは誤解です。実際に飲んだのは仁奈ちゃんで…………!』


まゆ『どうしてそれを仁奈ちゃんに飲ませるんですか! 防げたはずです!』


凛『そうだよ。そこはきちんとすり替えて、私たちに届けてくれないと』


泰葉『いや、でもその時は切羽詰まってて、しかもどこに飲み物が売ってるかすらわからない状態で…………!』


泰葉『そ、そうです! プロデューサーに聞いてみてください! そうすれば、いかに大変な状態だったかわかるはずです!』


凛『で、どうなの。プロデューサ―』


P『ん? あぁ、泰葉が(仁奈のために)持ってったぞ』


まゆ『…………と言ってますが、なにか申し開きはありますかぁ?』ニコッ


泰葉『プ、プロデューサー! 絶対わかって言ってますよね! それ!』


P『いや、でも確かに(仁奈が)飲んだじゃん』


凛『……………………』ズズズ…


泰葉『えっ? ちょ、ちょっと! ホントに誤解なんです! なんなら仁奈ちゃんにも…………!』


泰葉『ぷ、プロデューサーぁぁぁ!』



泰葉(…………いや、さすがにそれは無いな。いくらなんでも)


泰葉(どうやら私もこの事務所に染まりつつあるみたいですね。……いいことなのかどうかはさておいて)


泰葉(しかし、プロデューサーがあることないこと言って場を引っ掻き回す可能性は十分に考えられますし……)


P「泰葉? どうしたんだ?」


泰葉(しかし、今はそんなことを言ってる場合では……!)


泰葉「あー! もう! それでいいです! プロデューサーの飲みかけていいんで、それ分けて貰えませんか?!」


P「お前、なんでちょっと怒ってるんだよ…………」


泰葉「いろいろとあるんですよ!」


P「そ、そうか。まぁ、大体何が言いたいかはわかる。すまん」


泰葉「そう思うなら少しは反省してください!」パシッ


泰葉「ありがとうございますプロデューサー! ごめんなさい! 失礼します!」タッタッタ…


P「…………怒りながら謝罪するとか、あいつ器用だな」






泰葉「仁奈ちゃん、大丈夫ですか?!」タッタッタ


仁奈「泰葉おねーひゃん!」ヒリヒリ


泰葉「まだ大丈夫じゃなさそうですね……」


泰葉「どうぞ。ジュースを貰ってきました」スッ


仁奈「わぁ! ありがとうごじぇーましゅ!」ゴクゴク


仁奈「ぷはぁー! 生き返ったですよ!」


泰葉「ほっ……よかった」


仁奈「泰葉おねーさん、仁奈のためにありがとうごぜーます!」


泰葉「いえいえ、どういたしまして」


仁奈「でも、仁奈のせいで泰葉おねーさんが疲れちゃったですよ……」シュン


泰葉「気にしなくていいですよ。私はお姉さんなんですから。みんなのために動くのが今の仕事です」


泰葉「それに、今度私が困った時に仁奈ちゃんに助けてもらえばいいだけの話ですから」ナデナデ


仁奈「泰葉おねーさん…………」


仁奈「…………うん! 約束するですよ! 今度泰葉おねーさんが困ったときは、仁奈が泰葉おねーさんを助けるですよ!」


泰葉「ふふ、頼りにしてますね♪」





P「おーおー、ずいぶんとお姉さん役が板についてきたな」スタスタ


千枝「Pさん……!」


泰葉「プロデューサー! その……さっきは…………!」


P「いやいや、気にしなくていい。急ぎだったんならしょうがないさ」


泰葉「あ……。…………ありがとうございます」


P「いやいや、気にするな」


P「それより、仁奈だけジュースっていうのも不公平だろ。そのジュースは元々俺のだから返してもらうとして、お前らはこれを飲め」ガシャン


桃華「これは……なんですの? ガラスの瓶に透明な液体が入っているように見えますけど…………」


みりあ「わぁー! ラムネだー!」


桃華「らむね、ですか?」


薫「桃華ちゃんは飲んだことないの?」


桃華「飲んだことはありますけど……これは初めてですわね」


P「未開封状態のやつのことか?」


桃華「そうですわね……少なくとも、わたくしが以前飲んだものには、こんなフィルムはついていませんでしたわ」


P「そうか…………なら、挑戦してみないとな」スッ


桃華「挑戦、ですか?」






P「夏の風物詩といえば、このラムネもその代表なんだか……」


P「自分でラムネを開けて飲むことは、とりわけ夏祭りの代名詞の一つと言えるだろう」


桃華「それ、本当にあってますの…………?」


泰葉「うーん……これに関しては私も否定できませんね。確かに夏祭りに来たらラムネを飲まないといけないような気になってしまいますから」


P「だろ? それぐらい、ラムネと夏祭りは切っても切り離せない関係にあるんだよ」


P「というわけで、みんなで飲むぞ! ちゃんと人数分買ってきたしな」サッ、サッ


みりあ「やったー! Pさんありがとー!」


薫「早く飲もーっ!」


仁奈「仁奈もチャレンジしてみるですよ!」


千枝「こぼさないように気をつけてくださいね……!」


桃華「な、なんだか緊張しますわね……!」


泰葉「準備いいですね」


P「それが俺の仕事だからな」





P「さて、飲むか。桃華、まずはキャップ付近についてるフィルムを剥がすんだ」


桃華「わ、わかりましたわ……!」バリバリ


泰葉(ラムネ飲むのに凄い緊張してる……)


千枝「――――それでね、あとはキャップを外して…………」


仁奈「うぉー! 仁奈、一人で開けれたですよ!」


千枝「おめでとう、仁奈ちゃん……!」


仁奈「千枝ちゃんが教えてくれたおかげですよ! ありがとうごぜーます!」


千枝「どういたしまして…………!」


桃華「むむむ……Pちゃま! 私も早く飲みたいですわ!」


P「まぁまぁ落ち着け。なんでもそうだが、特にラムネは急ぐとロクなことがない。丁寧にしていくことが大切だ」


桃華「そうは言いましても…………!」


P「お前の気持ちもわかるが、別に競争してるわけじゃないんだ。落ち着いていくぞ」


桃華「そ、そうですわね……!」ウズウズ


P(こいつ、絶対やらかすな…………)




P「で、フィルムを開けたら中にキャップみたいなものがあるだろ」


桃華「これですか?」スッ


P「そうそう、それそれ。その小さい方を飲み口に当てて、ギュッと押し込むんだ」


桃華「わ、わかりましたわ……!」


桃華「ふっ……! …………っ!」グググ


桃華「これ……意外と、固い…………ですわね…………!」プルプル


P「確かにそうかもな。俺でも少し力まんと開かない」


P「で、力入れながら聞いて欲しいんだが、ガクンといったらそのまま――――」




ガクンッ!




桃華「――――! ぴ、Pちゃま! ガクン、っていきましたわ! わたくし、一人でラムネを――――!」バッ


P「バカ! 急に手を離すな!」


桃華「へっ…………?」 ――プシュゥゥ





今回はここまでです。


こんな時間ですが、ラムネが飲みたくなってきました。ラムネに限らず、瓶で飲むジュースって美味しいですよね。ただしドリアンサイダー、てめーは駄目だ。


静かに読んでいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。



11時30分ごろ再開予定です。


いつもの通りです。ごめんなさい。


では、今日もよろしくお願いします。




桃華「きゃっ! 中身が吹き零れて……!」バッ


P「どわぁぁぁぁ!!」ビシャァァ…


桃華「ぴ、Pちゃま?!」


P「……………………」ポタポタ…


泰葉(あー……やっちゃいましたね……)


千枝「ぴ、Pさん!? 大丈夫ですか?!」


桃華「ぴ、Pちゃま…………?」ビクビク


P「…………桃華」


桃華「はいっ!?」ビクッ


P「吹き零れはいいとして……なんでこっち向けるんだよ」


桃華「ご、ごめんなさい……」ビクビク


P「…………ま、いいけどな! これも通過儀礼みたいなものさ」ゴシゴシ


桃華「へっ…………?」


P「ラムネを飲むときは、蓋を開けてからしばらくは押さえとかなきゃダメなんだよ」


P「炭酸の影響で今みたいに吹き零れちゃうからな」


桃華「そ、そうなんですのね……知りませんでしたわ…………」


P「まぁ、開封済みの物しか飲んだことないならそうなるかもなぁ」


P「ただ、人の話は最後まで聞こうな」


桃華「は、はい……申し訳ありません……」




P「んー、さすがにベタベタするな…………俺も着替えてくるか」


P「泰葉、俺も着替えてくるから、しばらくこいつらを頼む」


泰葉「わかりました」


桃華「Pちゃま……その…………」ビクビク


P「いやいや、気にするな。先に説明しておくべきだったかもしれないな」


P「開封途中にあれを回避するのは難しいだろうし」


P「それに、あれは慣れてても意外と難しいものさ。俺だって失敗するときもあるし」





P「ということで着替えてくるわけだが……」


P「桃華、そのラムネ貸せ。吹き零れてもう半分もないだろ」


P「俺が今空けた奴はまだ無事だから、これを飲むといい」サッ


桃華「えっ? で、でも……」


P「まぁまぁ良いから! これ飲め!」ズイッ


P「じゃ! 着替えてくるわ!」バッ タッタッタ…





桃華「行ってしまわれましたね…………」


泰葉「しかも、知らないうちにこぼれた方を持っていきましたね」


桃華「本当によかったのでしょうか……?」


泰葉「いいんじゃないですか? いつも悪行を働いている人ですし、たまにはあれぐらいの事があっても足りないぐらいですよ」


桃華「そう、でしょうか……」


泰葉「本人が気にしていない以上、桃華ちゃんが気にし過ぎるのは、逆に相手に気を遣わせてしまいます」


泰葉「謝罪の気持ちは充分伝わっていると思いますし、ここはあまり気にし過ぎない方がいいと思いますよ」


桃華「泰葉さん…………ありがとうございます」


泰葉「いえいえ、気になさらず♪」





泰葉「さ、冷たい飲み物を来たことですし、早く食べちゃいましょうか」


泰葉「熱いうちに食べるのが一番おいしいですしね」


千枝「そうですね……!」


みりあ「焼きそば開けてもいい?」


薫「いいよーっ!」


みりあ「それじゃあ開けるね!」パカッ


みりあ「わぁー♪ こっちもいい匂いー♪」


仁奈「うまそーですね!」


泰葉「焼きそばなら火傷の心配もないですし、先にこちらから食べるという手もありますね」


泰葉「お好み焼きは少し冷ましましょう」


薫「はーいっ!」






みりあ「いただきまーす!」モグモグ


薫「おいしーっ!」


千枝「具もたくさん入っていて、食べごたえありますね……!」


泰葉「料理が得意じゃない人が作ったとは思えませんね」


桃華「なんだか病みつきになる味ですわね…………」


泰葉「桃華ちゃんはソースとか食べたりするんですか?」


桃華「料理にかけるソースなら色々食べたことがありますけど、この黒いソースはあまり食べたことがありませんわね」


泰葉「確かに桃華ちゃんの家には、あのプラスチックのソースは置いてなさそうですね…………」


千枝「イメージが出来ませんよね…………」


泰葉「庶民の味、って感じですもんねぇ」


桃華「そうなのですか? でも、わたくしはこの味嫌いじゃありませんよ」


泰葉「気に入っていただけてなによりです」





みりあ「お好み焼きも、そろそろ大丈夫そうだよ! 食べよ!」


薫「お好み焼きのソースは、焼きそばのソースとまた違う味がするんだよ!」


桃華「それ本当ですの? 見たところ、どちらも同じ色をしてますけど…………」


泰葉「それが違うんですよねぇ。そこがまたおもしろい所で」


泰葉「百聞は一見にしかず。聞くより食べる、ですよ。どうぞ」サッ


桃華「あ、ありがとうございます……」





桃華「で、では、いただきますね…………」パクッ


みりあ「どう?」


桃華「…………確かに、少し味が違いますわね」


みりあ「でしょ?! そこがまたおいしいんだよねー♪」


薫「お店によっても味が違ったりするんだよー! ってこの前せんせぇが言ってた!」


桃華「そうなのですね……なんだかこのソースというものに、少し興味が湧いてきましたわね」ジーッ


泰葉「Pさんにお願いして、連れて行ってもらうといいですよ」


泰葉「くれぐれも、事務所ではやらないようにしてください」


桃華「どうしてですか? 先ほど木場さんが定期的に作っていると言っていましたが…………」




泰葉「一口にソースといっても色々な種類があるんですよ」


泰葉「辛口だったり甘口だったり、また同じ甘口や辛口でも、作る会社によって味が違ってきます」


泰葉「この焼きそばも、焼きそばソースを使って作る人もいれば、ウスターソースを使って作る人もいるぐらいです」


泰葉「同じソースを使った料理でも、個人によって好みがあるんですよ」


桃華「なるほど……勉強になりますわね」


桃華「でも、それが何か問題でも?」


泰葉「関西の方では、各家庭にマイソースが必ず一つは存在する――らしいです」


泰葉「つまり、各家庭によって使うソース、好みの味が違うわけですね」


泰葉「そしてうちの事務所には、関西圏出身の子が多く存在します」


泰葉「ここまでの話を考慮した上で――――なにが起きるかわかりますよね?」


桃華「…………! …………争いがおきますわね」


泰葉「そうです。各人がそれぞれのマイソースを使おうと必死になるわけです」


泰葉「うちの事務所には冷蔵庫がありますが、ソースの為だけにスペースを消費することはできません」


泰葉「よって、置けても1、2種類が限度…………」


泰葉「だから事務所でソース系の料理を作る時は、自分のソース派閥を広げようと、皆が躍起になるのです」


桃華「そんなことが…………!」








泰葉「真奈美さんが作る時は誰も文句を言いません。真奈美さんが使用したソースを受け入れます」


桃華「それはまた、どうして?」


泰葉「桃華ちゃんは、真奈美さんに面と向かって講義できますか? 『これは私の好みの味じゃない!』と」


桃華「まず無理ですわね」


泰葉「そういうことです」


泰葉「しかしどうでしょう。ソースという物にまだ親しみの無い桃華ちゃんが事務所でソース料理を作ろうものなら…………」


泰葉「みなが桃華ちゃんを自分色に染めるために戦争が始まることでしょう!」


桃華「……………………!」


P「いや、そこまで壮大ではないだろ」







泰葉「プロデューサー!」


P「真面目な顔して桃華に嘘教えるのやめろよ。そこまでデカい話でもないだろ」


桃華「えっ? 今までの話は嘘だったのですか?」


泰葉「嘘ではありませんよ! 毎回毎回、たこ焼き作るたびに言い争いが始まって……!」


P「あー、それなんだが、この前会合を開いてな。どのソースを事務所に置いておくか決めたんだよ」


泰葉「え? そ、そうなんですか?」


P「ソース騒動については前から気になっててな。主にみくが抗議しにきてたんだが」


桃華「で、結局誰の使用するソースを使うことになったのですか?」


P「結構簡単に決まったよ。うちの事務所でよく料理を作ってくれる響子とかまゆとか、その辺の料理好きアイドルたちが使ってるソースを使用することになった」


P「だから、その問題についてはすでに解決済みだ」


泰葉「そ、そうだったんですね……。これでやっと落ち着いて料理が出来る…………」


桃華「でも、話を聞いていると、それだけでは納得のいかない方も出てくるのでは?」


桃華「みなさん、強いこだわりがあるように思いますが…………」


P「確かに当時はそういう輩もいたよ。主にみくとか」


P「でも響子とかに頼んで、あいつの分のソース料理を作らせないようにしたら、あっさり折れた」


桃華「ひどく簡単に屈しますのね…………」


P「自分の味よりソース分、なんだろうなぁ。その気持ちもわからないではないが」






今回はここまでです。


いつから桃華がびしょ濡れになると錯覚していた? ここは全年齢版だからね? Rだったら……Rだったら書いていた……!(血涙)


ソース談義回になってしまい、なにが書きたいのかますますわからなくなってしまいました。そろそろマジメに道筋立てて書かないと駄目ですね。


ちなみに私はカップ焼きそばは一平ちゃん派、インスタント焼きそばは日清の焼きそば派です。


夜中に食べるインスタント焼きそばって、なんであんなに美味しいんだろう。




静かに読んでいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。



再会します。


今日はいつもよりちょっとだけ長く更新します。といっても、終わりの見えない続きですが……。


Pにオナホみたいな扱いをされるも、温室育ちのちゃまはその未知の快楽に堕ちていく……みたいなSS誰かオナシャス!



では、今日もよろしくお願いします。




泰葉「プロデューサー!」


P「真面目な顔して桃華に嘘教えるのやめろよ。そこまでデカい話でもないだろ」


桃華「えっ? 今までの話は嘘だったのですか?」


泰葉「嘘ではありませんよ! 毎回毎回、たこ焼き作るたびに言い争いが始まって……!」


泰葉「こっちとしてはお腹すいてるし、早く食べたいのに……!」


P「あー、それなんだが、この前会合を開いてな。どのソースを事務所に置いておくか決めたんだよ」


泰葉「え? そ、そうなんですか?」


P「ソース騒動については前から気になっててな。主にみくが抗議しにきてたんだが」


桃華「で、結局誰の使用するソースを使うことになったのですか?」


P「結構簡単に決まったよ。うちの事務所でよく料理を作ってくれる響子とかまゆとか、その辺の料理好きアイドルたちが使ってるソースを使用することになった」


P「だから、その問題についてはすでに解決済みだ」


泰葉「そ、そうだったんですね……。これでやっと落ち着いて料理が出来る…………」


桃華「でも、話を聞いていると、それだけでは納得のいかない方も出てくるのでは?」


桃華「みなさん、強いこだわりがあるように思いますが…………」


P「確かに当時はそういう輩もいたよ。主にみくとか」


P「でも響子とかに頼んで、あいつの分のソース料理を作らせないようにしたら、あっさり折れた」


桃華「ひどく簡単に屈しますのね…………」


P「自分の味よりソース分、なんだろうなぁ。その気持ちもわからないではないが」





みりあ「あっ! Pさん帰ってきた!」


薫「浴衣着てるー! 薫たちと同じだねーっ!」


P「おう、せっかくだから俺も着てみたぞ。どうだ?」


みりあ「かっこいいよ!」


P「そうか! なんだか照れるな……」


薫「でも黒いからちょっと見づらいね!」


P「衣裳部屋にこの色しかなかったんだよなぁ。まぁ、そこについてはしょうがない」







泰葉「…………それにしても」


P「ん?」ドッサリ


泰葉「その脇に抱えている袋の束は何なんですか?」


P「食い物」


泰葉「プロデューサーも一緒にご飯食べましたよね?!」


P「いやいや、あれだけじゃ足りんだろ」


P「というか、これぐらい食わないとプロデューサーなんてやってられねぇよ」


泰葉「絶対ウソでしょ!」


P「これがあながちウソじゃないんだよなぁ」





P「ただ、これ全部俺が食うためのものじゃないぞ」


P「ちゃんとお前達の分も買ってきてある」ガサガサ


P「ほれ、から揚げとポテトとイカ焼き・ベビーカステラ・あんまき・ケバブ…………」


泰葉「いくらなんでも買いすぎじゃないですか?!」


P「いやー、みんなどれが食べたいかとかわからなかったからな。適当に買ってきた」


P「予備の皿とか箸も貰ってきたし、みんなで分けて食べよう。余ったら俺が食べるから」


千枝「でも、本当に食べられますか? 結構量があると思うんですけど…………」


P「大丈夫大丈夫。もし無理だったら、酒飲みどもに与えればいいから」


泰葉「そんな残飯処理させるみたいなトーンで言わないでくださいよ…………」






P「――――で、分けてもらったわけなんだが」


P「ものの見事にポテトとから揚げが真っ先に無くなったな」


泰葉「やっぱりああいうのって、男女問わず小さい子に人気なんでしょうね」


P「あと、地味に仁奈がよく食べるっていう」


泰葉「イカ焼き食べてましたね。Pさんと二人で」


P「ケバブも食べてたな。あれは桃華にも一口あげたけど」


泰葉「プロデューサーがあーんしてた時、千枝ちゃんが凄い目で見てましたよ」


P「ベビーカステラもみんなに人気だったな」


泰葉「食べやすいですからね。それに甘いものですし、しょっぱいものの後なら尚更おいしく感じたんでしょう」


泰葉「あと、やっぱりみんな元気が有り余ってるんでしょうね」


泰葉「あれだけの量、絶対残ると思っていたのに全部無くなって」


P「走って遊びに行ってしまったな。俺はちょっと苦しいから休憩してるけど」ゲプッ


泰葉「私もです……帯が締めつけてくる…………」


P「取ってやろうか?」


泰葉「警察呼びますよ?」


P「ごめんなさい」





P「ていうか、お前も行かなくていいのか? 時間的にもうちょっとしたら終わっちゃうけど」


泰葉「大丈夫ですよ。こういうお祭りは今日だけじゃありませんし」


泰葉「それにさっき言ったじゃないですか。帯が苦しいって」


P「夏はもう終わっちゃうけどな」


泰葉「そうなんですよねぇ。でも、季節はあまり関係ありません。みんなと一緒に時間を過ごす……それが一番大切なことですから」


P「泰葉も大人になったよなぁ」


泰葉「むぅ、どういう意味ですか?」


P「いやいや、そのままの意味だよ。お姉さんとしての役割を果たせるぐらい、余裕を持てるようになってきた。ってことだよ」


泰葉「その言葉は嬉しいですけど、プロデューサーに言われると素直に飲み込めませんね」


P「なんだよそれ。確かに自分で言ってても思うけどさ、そこは嘘でも素直に受け取ってほしかったかなぁ」


泰葉「私だって疑ったりしますよ。もう人形じゃないんで」ドヤァ


P「そこでドヤ顔するあたりも、ずいぶん変わったよな。この事務所に染まったというか」


泰葉「それについては否定できないですね」






P「さて、そろそろ行くか」スクッ


泰葉「もう行くんですか?」


P「なんかこのままだと、しんみりしちゃう気がしてな」


P「それにあいつらの事が心配になってきたし、ちょっと様子見がてらな」


P「まだちょっと苦しいから、そんなに急いでは行けないけど……」ウプッ


泰葉「なんですかそれ」クスッ


泰葉「しょうがないですね。私が補助してあげます」スクッ


泰葉「どさくさに紛れて、何やらかすかわかりませんから」


P「おう、そうしてくれると助かる…………」


泰葉「それじゃあ行きましょうか」


P「ゆっくりで頼む…………」


泰葉「はいはい♪」ギュッ





P「…………えーと、多分ここら辺にいるはずなんだが」


泰葉「…………あ、あれじゃないですか?」


P「ん……あぁ、あれだな」


仁奈「いくですよ……そりゃ!」バシャ


薫「むむむ……えいっ!」バシャ


美優「あ……破れちゃいましたね」


仁奈「また破れちまったですよ……」ションボリ


薫「もう一回やるーっ!」


美優「今度はもう少しゆっくり狙ってみましょうか」


仁奈「むむむ……いくですよ…………とりゃぁー!」バシャ


薫「えーいっ!」バシャ


仁奈「また逃げられたですよ!」


薫「むむむ……難しいなぁ…………」ジーッ


P「いや、話聞けよ」







美優「Pさん……!」


P「美優さんお疲れ様です」


美優「お疲れ様です。浴衣、お似合いですね」


P「美優さんも、とても似合ってますよ」


美優「ふふ……お世辞でも嬉しいですね」


泰葉「そこっ! すぐそういう雰囲気出さない!」





薫「せんせぇ!」


仁奈「プロデューサー!」


P「お前らね、美優さんの話聞いてたか?」


P「金魚だって、いきなり襲いかかられたらビックリして逃げちゃうだろ?」


P「ゆっくり後ろから様子を窺って、そこからスッと流れるように……って言っても難しいか」


P「よし、実践してみよう。美優さん、俺にもポイください」


美優「どうぞ」ヒョイ


P「ありがとうございます」パシッ


P「よーし、それじゃあ説明しながら実際にやってみるからな。ちゃんと話を見てろよ」


薫「はーいっ!」





P「いいか? まず、ポイをこういう風に水に一気に入れる」チャポ


泰葉「えっ? 入れるんですか?」


P「一部しか濡らさない人もいるらしいけど、あれは濡れたところと渇いたところの境界線が破れやすくなるから駄目らしい」


P「で、水に入れる時の角度だが……まぁ、真っ直ぐじゃなくてななめに入れるってことだけ覚えておいてくれたらいい」


P「で、ここからなんだが……実は金魚を追いかけてはいけないらしい」


薫「そうなの?」


P「あぁ。例えばだ、薫。知らない人が後ろからものすごい勢いで薫を追いかけてきたとしよう」


P「薫ならどうする?」


薫「うーん……一生懸命走って逃げると思うなー」


P「そうだよな。知らない人が後ろから追いかけてくれば、誰だって逃げるよな」


P「金魚もそうだ。なんかよくわからんデカいものが追いかけてくると知ってれば逃げる。つまり、金魚が抵抗するってことだ」


P「これを無理に捕まえようとすると、当然ポイは破れる。で、どうするかっていうと……」


P「斜めに入れたまま、水の中で待機。そして、そのポイの上を金魚が自然に通ったところを見計らって…………」ヒョイ




パシャ!




P「ゲットだ」


薫「うわぁー! 先生すごーい!」


仁奈「うわー! すげーです!」


泰葉「これは……本当にすごいですね」


美優「お見事です」


P「あとは縁を意識して取るとかいろいろあるんだが、それは別にいいだろう。あ、掬う面は紙が貼ってある方にするんだぞ」






P「ま、習うより慣れろだ。一回やってみな」


薫「はーいっ!」


泰葉「…………なんだか、プロデューサーの説明を聞いてたら私もやりたくなってきちゃいました」


泰葉「私も挑戦してみていいですか?」


美優「どうぞ。実は私も少しやりたくなってしまって……店番なのに、大丈夫でしょうか?」


P「大丈夫ですよ。儲けが欲しいわけじゃありませんし」


美優「でしたら、お言葉に甘えて…………」スッ


泰葉「えーっと……まずは紙が貼ってある方を上にして、全面を濡らす…………」


美優「入れる時の角度はななめ、でしたよね」


薫「金魚さんが来るのをじーっと待って…………」


仁奈「…………今ですよ!」シュッ!




パシャ!




仁奈「あ! ぷ、プロデューサー! 見てくだせー! 仁奈、一人で金魚掬えたですよ!」ピョンピョン


P「お! やったじゃないか! 頑張ったな」ナデナデ


仁奈「えへへー♪」


薫「むーっ……薫も早く掬いたいーっ!」


泰葉「まぁまぁ落ち着いてください。辛抱強く待っていれば、いつかチャンスは来ますから」


薫「うーっ……薫頑張る…………!」


泰葉「その調子です」







美優「それにしても、中々来てくれませんね」


P「俺の感覚ですけど、金魚すくいって釣りと似てる気がするんですよね」


P「待ち時間が本当の戦いみたいな」


P「まぁ、上手い人達なら自分から取りに行くんでしょうけど、俺はそこまで上手くないですし」ヒョイヒョイ


仁奈「はぇー……すげー……」


泰葉「なんかあの人、掃除機使ってるみたいに取ってますけど」






薫「むむむ……………………ここだーっ!」シュッ!




パシャ




薫「あ! せ、せんせぇ見て! 薫も一人で取れたよ!」


P「お、なかなかやるなぁ。よく我慢強く耐えたな! えらいぞ」ナデナデ


薫「えへへー♪ 薫、頑張ったよ!」


美優「……いいですね。私もPさんに…………」


泰葉「邪念が漏れてますよ、美優さん」






美優「…………あ」シュッ!




パシャ




美優「…………取れちゃいました」


泰葉「…………おめでとうございます」チラッ


P「…………?」


泰葉(無理な気がする)


美優「あの、Pさん……私も取れました……」テレテレ


P「お、よかったですね!」


美優「はい……ありがとうございます…………」


P「……………………」


美優「……………………」


泰葉(あ、これわかってやってるやつだ……)







美優「あの…………」


P「…………? どうしましたか?」


美優「えっと、その…………」モジモジ


泰葉「…………あ、私も取れましたよ! わーい!(棒)」


P「お、よかったじゃないか」


泰葉「そうですね! 思いのほか早くに取れて本当に良かったです!(棒)」


泰葉「あ、そうだ! Pさん、ついでに私の頭も撫でてくださいよ!(棒)」


P「え、いいのか?」


泰葉「むしろバッチコイですよ!(棒)」


P「そ、そうか」ナデナデ


泰葉「いやーPさんのナデナデはいいですね!(棒)」


泰葉「そうだ! もう三人の頭撫でたんだし、ついでに美優さんの頭も撫でておけばいいんじゃないですかね?!(棒)」


P「お前は急に何を言ってるんだ?!」


泰葉「どうでしょう美優さん! 美優さんだけ頭ナデナデが無いのは不公平な気がするんですけど!?(棒)」


P「……って言ってますけど、どうですか?」


美優「えっ? えっと、その……お、お願いします…………///」ゴニョゴニョ


P「はい、わかりました」ナデナデ


美優「あぅ……イジワルですね…………///」ボソボソ


P「すいません、つい…………」


泰葉(もうツッコむのは止めよう…………)




今回はここまでです。


屋台の攻略方法などはいくつかのホームページを参考にさせてもらったのですが、思ったよりためになりました。機会があれば活用したいですね。まぁ、その機会があと何年後なのか、はたまた何世紀後なのかはわかりませんが……。


先に申告しておきますが、次回はちょっとキャラ崩壊注意です。主に千枝です。そこまで激しく崩壊はしませんが。よろしくお願いします。




静かに読んでいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。



再会します。


今日の更新速度はいつものような感じです。


では、今日もよろしくお願いします。




P「よーし、それじゃあそろそろ次行くか。二人はどうする?」


薫「もうちょっと頑張ってみるーっ!」


仁奈「仁奈も一緒に頑張るですよ!」


P「ん、そうか。じゃあ、俺たちだけで他のメンバーを探しに行くとするか」


泰葉「そうですね」


P「美優さんすいません。二人をよろしくお願いします」


美優「はい、大丈夫ですよ」


P「お願いします。それじゃ行くか」


泰葉「はい」





P「さて、残りのメンバーがどこにいるかなんだが……」スタスタ


泰葉「目星は付いてるんですか?」スタスタ


P「遊べる感じの屋台は少ないからな。金魚すくいと型抜き、あとは……」


P「お、やっぱりここか」


千枝「あ、Pさん……!」


みりあ「あ! Pさんと泰葉ちゃんだ!」


桃華「Pちゃま達もいらしたのですね」


P「このメンバーが射的するってのも、なんか意外だな」


みりあ「えへへ♪ せっかくだから、やったことのないことしよーって決めたの!」


P「それで射的か。確かにお前らが射的するってのはイメージつかないな」


千枝「そうですか?」


P「うん。むしろやってほしくないかな。色んな意味で」


千枝「…………?」






早苗「あらPくんじゃない! 浴衣似合ってるわね♪」


P「ありがとうございます」


早苗「……………………」


P「……………………」


早苗「…………むっ、お姉さんの浴衣姿見て、なにか感想は無いわけ?」セクシーポーズ


P「ポーズが古いですよ」


早苗「撃っていい?」チャキ


P「すいませんでした」





P「っていうか、まさとは思いますけど、これ実銃じゃないですよね?」カチャ


早苗「そんなわけないでしょ! 大体、どういうルート使ったらアイドルがこんなに実銃を用意できるっていうのよ!」


P「むしろ、アイドル事務所だからこそ用意できるみたいな?」


早苗「それ以上はダメよ、Pくん」


P「そうじゃなかったとしても、早苗さんなら現役時代のコネで用意できそうな気もしますけどね」


早苗「あー、それは確かに……ってそんなわけないでしょ!」ビシッ


泰葉「夫婦漫才は無視して私もやろーっと」カチャ






泰葉「うわっ……思ってたよりも重たいですね、これ」


P「だろ? だから心配だったんだよ」


早苗「人聞きの悪いこと言わないでちょうだい……」


早苗「お店とかによって違うのよ。軽いやつとか重いやつとかね。」


早苗「今回は、用意したものがたまたま本物趣向の重い奴だっただけ! 私はなにもしてないんだから!」


泰葉「へぇー、そうなんですね」


P「俺は知ってたけどな」


早苗「Pくん?」ジッ


P「さ、俺もやるか」ササッ







泰葉「景品は……あ、うちの事務所で販売したグッズとかありますね」


P「うちの部署だけじゃなくて、会社全体の催しだからな。他の部署向けにああいうのも用意したんだ」


泰葉「さすがにあれを打つのは忍びないですね……あ、お菓子とかもありますね」


P「あれは子役向けのやつだな」


P「他の商品よりは取りやすくしてあるし、狙ってみたらどうだ?」


泰葉「うーん、そうですね……うん、そうします。取れたらみんなで食べられますしね」


P「じゃあ、俺も狙うか」


泰葉「横取りしないでくださいね」


P「その前に早く取れば問題ない話だ」








泰葉「これはコツとかあるんですか?」キュッキュッ カチャ


P「んー、そうだな。まぁ、倒れやすいように上とかを狙うってことぐらいかな」


P「あとは、弾を詰めた後にコッキングするとか」


泰葉「コッキング?」


早苗「銃の側面にでっぱりがあるでしょ? 本物の銃ではそのでっぱりは銃弾をリロード、つまり装填するためにあるものなの」


早苗「これの場合は、空気を押し出す準備をするために付いてるんだけどね」


P「こういう屋台の銃は、圧縮した空気の圧力でコルクの弾を飛ばすんだ」


P「先にコッキングするよりも弾で銃口を塞いでコッキングした方が、空気の逃げ道が無くなって内部の圧力が高まるって仕組みさ」


早苗「まー、こんなおもちゃの銃じゃ、順番が違っても大して威力は変わらないでしょうけどね」


泰葉「そうなんですね……勉強になります」







泰葉「それじゃあいきますね……えいっ!」ポンッ




カタン! ゴトッ




泰葉「あ…………」


P「お、上手いな」


泰葉「こんなに上手くいくとは…………」


泰葉「なんか…楽しいですね、これ…………!」ニヤァ


P「おーう、帰ってこい泰葉」


泰葉「これ、もう一回、やっても、いいですか……?!」ハァハァ


早苗「え、ええ、いいわよ……」


泰葉「じゃ、じゃあ、次は大きい奴狙いますね……!」ドキドキ


P「意外なところでヤバい本能を目覚めさせてしまいましたね」


早苗「これはちょっと予想外だわ……」


P「清良さんに通ずるものがありそうな気がしますね」


早苗「間違ってもサバゲーには連れて行かないでね」


P「逆にこういう路線で売っていくという手もありますが」


早苗「そういう商魂たくましいのは、ちひろさんだけで十分よ。彼女はまだ若いんだから……」







P「さてさて、ちびっこたちの方はどんな様子かな……」


桃華「んんっ~……!」プルプル


P「……桃華、お前大丈夫か?」


桃華「ぴ、Pちゃま……これ、重たいですわね」プルプル


P「そりゃあ、片手で持ってたら重たいだろ。なんでそんなに身を乗り出してんだよ」


桃華「こちらの方がっ……より正確に狙えると思いましたのでっ…………!」プルプル


P「体が震えてたら意味ないだろ……」


P「距離も確かに大事だけどな、そもそも当てないと意味ないだろ?」


桃華「確かにそうですけど……」スッ


P「腕を伸ばして当てても、なかなか景品が倒れない時ってのもある。こういうのは角度が大事なんだ」


P「どれ、今回は俺がアシストしてやろう」


桃華「えっ? アシスト、ですか?」


P「ああ、俺が一緒に銃身を支えるから、狙いと引き金は桃華が担当してくれ」ガバッ ギュッ


千枝「…………?!」ギュン


桃華「…………! ぴ、Pちゃま?! いきなりどうしましたの?!」


P「え? いや、だから銃持つのが重そうだから支えようとしてるんだが…………」


P「なにか変だったか?」


桃華「い、いえ、それについてはありがたいのですが…………」


桃華(ど、どうしてわたくしに覆いかぶさる状態になってますの?!)






P「ほれ、しっかり前を向け。狙いを定めるんだ」


桃華「え、ええ、わかりましたわ…………」


桃華(きゅ、急にこんなに接近してくるなんて、Pちゃまはなにを考えてますの?!)


桃華(わ、わたくしにも心の準備というものが……)


桃華(いえ、例え心の準備をしていたとしても、こんなことをされて冷静でいられるはずがありません!)


P「桃華、大丈夫か?」


桃華「は、はいっ!?」


P「さっきからボーっとしてるが……」


桃華「え? い、いえ! 大丈夫ですわよ!」


P「そうか。ならいいんだが……」


桃華(大丈夫なわけありませんわぁぁぁぁぁ!!)





今回はここまでです。


思ったより進めなくてごめんなさい。千枝が取り乱すのは次回になります。


また、私の都合で次回の更新は日曜日の夜になります。すいません。




静かに読んでいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。


再会します。


お待たせしました。無線の調子が悪かったのですが、今しがた回復しました。投稿していきます。


今年買ったばかりなのに、しばしば接続拒否するこの不良品を叩き割りたい……。


ちなみに、速度はお察しです。


では、今日もよろしくおねがいします。





桃華(Pちゃまの体温が背中越しに伝わってきますわ……)


桃華(それになんだかゴツゴツと固い感触……殿方の体といのは、こんなにも逞しいのですね……)


桃華(それに、Pちゃまの心臓の音を微かに感じますわね……)ドキドキ


桃華(も、もしかして、わたくしの心臓の音もPちゃまに伝わっているのでは?!)


桃華(だとすれば、は、恥ずかしい……!)カァァァ


桃華(というより、わたくし汗臭くないでしょうか……?!)


桃華(今でも少し汗をかいていますし、この距離ならそれがハッキリとわかるはず……!)


桃華(ぴ、Pちゃまに臭い女だと思われてないでしょうか?!)


桃華(あぁ……! もうどうにかなってしまいますわ……!)





桃華「え……えいっ!」ポンッ


P「おー、見事にあさっての方向に飛んでいったな」


P「ちゃんと狙ってるのか?」


桃華「え? え、ええ! 当然ですわ!」


P「そうか……じゃあ、次の弾を装填するか。次はもっと慎重に狙うんだぞ」


桃華「え、ええ、もちろんです……!」


桃華(狙えるわけありませんわ……!///)







千枝「……………………」ジーッ


みりあ「千枝ちゃんどうしたの? さっきからずっとPさん達見てるけど」


千枝「いえ……なんでもないですよ。ただ、どういう風に狙えば当たるのかを見たくて……」ジーッ


みりあ「あ、確かにそれは見たいかも! せっかくだから、うまく当てて一個ぐらいゲットしたいよね!」


千枝「はい。せっかく普段はやらないことをやってるわけですからね」


千枝(私もPさんに背中から覆いかぶさられたい…………)


みりあ「でも、腕を伸ばしても倒れない事があるってさっきPさんが言ってたし、私たちが当てるのは結構難しいかも……」ンググ…


千枝「そうかもしれません。でも、あきらめたらそこで終わりです。いつもPさんが言っているように、最後まであきらめずに頑張りましょう!」


みりあ「うん! 一緒に頑張ろ!」


千枝「はい……!」


千枝(密着は無理でも、せめてご褒美の頭なでなでぐらいは……!)ハァハァ…






P(なんだろう。邪まな波動を感じる……)


桃華「ぴ、Pちゃま? どどど、どうかしまして?」


P「いや、なんでもないぞ。というより、どうかしてるのはお前だろ。さっきからまともに照準あってないし、体調でも悪いのか?」


桃華「い、いえ? 決してそのようなことは!」


P「なんか顔も赤いし、本当に大丈夫か? 心なしか、さっきから汗もいっぱいかいてるし……」スンスン


桃華「ぴ、Pちゃま?! そのようなことをしてはいけません! 不潔です!」


P「いや、不潔ってことはないだろ。アイドルなんだし。むしろ、バラのいい香りがする……」


桃華「ちょ、ちょっとぴ……あんっ……! そ、そこは……」ゾクゾク


P「おぉ……いい反応。なんかちょっと面白くなってきたな……!」ワクワク


桃華「あっ……だ、ダメですPちゃま……!///」


千枝「……………………」ハイライトオフ


P「そらそら、これが嫌ならもっと集中して……」チョイチョイ


P「ん?」クルッ


早苗「…………」ニコニコ


P「」







早苗「人がちょっとお手洗い行ってる間に、君は女子小学生に何をしているのかな?」


P「い、いや……なんか桃華の調子が悪かったんで、気を紛らわすためにイタズラを……」


早苗「君のやっている行為は別の意味でのイタズラに見えるんだけど、それはお姉さんにだけかしらね?」


P「い、いやーそうじゃないですかね」ダラダラ


早苗「…………はぁ」


P「」ビクッ


早苗「……あのねPくん、そういうのは身内じゃなくてソッチ系のお店でやってくれないかな?」


P「いや、だからここ射的のお店……」


早苗「ん?」


P「ハイ」







早苗「そんなにイタズラしたいんなら……どう? たまにはお姉さんにイタズラでも……」ウッフン


P「いや、結構です」キッパリ


早苗「……〆る☆」


P「え? い、いや、冗談ですよね……ちょ、なんでその銃持って……いや、持ち手の方はマジで危ない……!」


早苗「えーい☆」ブオン!




<ギャァァァァァァァァアァ!




桃華(た……助かりましたわ……///)


千枝「…………………」パス ドスン  パス ドスン


みりあ「わぁ! 千枝ちゃん凄い! 連続ヒットだね!」


泰葉「ふふ……ふふふふふ…………!」パス パス パス





今回はここまでです。


次回・次々回ぐらいでお祭り編終了。その後は少し続いて終わりという予定になっています。


ただ私の場合、余計なことまで書いてしまう性質なので、なんとか長引かないようにしたいところ……。




静かに読んでいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。


再会します。


もしかしたら、今日で終わるかもしれません。そうでなくても、おそらく次回には終わると思います。最後までお付き合いください。


土・日と非常に忙しかったので、今日の夜にジャンプを買いに行ったら全く売ってませんでした……。誰か私にジャンプをください。



では、今日もよろしくお願いします。





P「さぁ! 色々あったが、ついに祭りもフィナーレの時間だな!」ボロボロ


泰葉「あなたは一体何をしてるんですか……」ドッサリ


みりあ「泰葉ちゃん凄いねー!」


P「お前射的楽しみすぎだろ」


泰葉「なんでしょう。否定できないことに少し恥ずかしさを感じますね」


P「ま、お前が満足してくれたなら、こっちも準備した甲斐があったってもんよ」


泰葉「途中からの記憶が少し抜けてるんですけどね……」


P「それはちょっといき過ぎ」






P「お前たちも楽しかったか?」


仁奈「すげぇ楽しかったですよ! 見てくだせー!」ズイッ


薫「みんなで協力して、いーっぱい取ったんだよ!」ズイッ


P「おー、これは凄い。袋いっぱいに金魚が泳いでいるな」


美優「本当はもう少しいたんですけど、あまりにも多いと金魚も窮屈だろうって言って……」


P「返してあげたのか。ちゃんと金魚の気持ちも考えてやれたんだな。えらいえらい」ナデナデ


薫「えへへー♪」


仁奈「仁奈、金魚の気持ちになれたですか?!」


P「ああ、バッチリだ」グッ


仁奈「やったですよ♪」






P「桃華たちはどうだった?」


桃華「そ、そうですわね……思ったよりも楽しめてよかったと思います」


桃華「射的も意外と悪くないものですわね……///」


P「そうか。ま、気に入ってくれて何よりだ」


桃華(Pちゃまともお近づきになれましたしね……///)


千枝「……………………」


P「ん? 千枝はちょっと納得いってないみたいだな。どうしたんだ?」


泰葉「いくつか景品をゲット出来ているように見えますが……」


みりあ「千枝ちゃんね、欲しい景品が取れなかったくて悔しいんだって!」


P「欲しい景品? なんだ、そんなものがあったのか?」


千枝「はい……千枝、どうしてもほしいものがあったんですけど、手に入れられなくて……」


P「なんだ、言ってくれれば俺が取ってやったのに」


千枝「Pさんには、絶対手に入れられないと思います……」


P「傷ついた」


早苗「ていうか、Pくんはあたしが〆てたんだし、色んな意味で無理だったでしょ」


P「あ、そういうことか……。それはすまなかったな」


千枝「いえ、大丈夫です。全部力不足だった私のせいですから……」


千枝「でも、今度はゲットできるように頑張ります!」


P「お、その意気だ千枝。今度はもっと(銃を上手く扱えるような)力をつけて挑戦しような!」


千枝「はい! 今度はもっと(Pさんを射止めれるような大人の)力を付けて挑戦します!」


P「その意気だ!」


千枝「はい♪」


早苗(なーんか微妙に食い違ってる気がするわね……ま、あまり深く追求しないようにしましょう)






P「さてと……そろそろ来るはずなんだが…………」


泰葉「誰か待ってるんですか?」


P「ん、ああ。やっぱり最後のイベントはみんなで見たいと思ってな」


P「っと、噂をすれば何とやらだ」


留美「ごめんなさい。待たせたわね」


真奈美「すまない。少し遅れてしまった」


P「お二人とも来ましたね。大丈夫ですよ。俺達も今来たところなんで」


留美「そう言ってくれるとありがたいわね」


P「でも、お二人が遅れるなんて珍しいですね。なにかあったんですか?」


P「それに、一緒に来るはずだったちひろさんの姿が見当たらないんですけど……」キョロキョロ


留美「彼女なら来ないわよ」


P「え?」


真奈美「運悪く瑞樹さんと友紀に捕まってしまったみたいでね。今頃、酔っぱらいの三千世界に堕ちている頃だろう」


P「あー……なんとなく察しました」


留美「でもそんな状態の三人を放っておくわけにもいかなくて」


真奈美「彼女たちが他の部署の方々に迷惑をかければ、うちの評判も悪くなってしまうだろうからね」


留美「そういうわけで、彼女たちを隔離するのに時間がかかったってわけ」


P「なるほど。わざわざすいません」


留美「いえ、気にしなくていいわよ」


真奈美「ああ。事前に予測出来たにも関わらず、未然に防げなかった私たちも責任はあるのだからな」


P「ほんとすいません……また後日しっかり『おしおき』しておくんで」


留美「そうね。ここらで一つ、キツイおしおきが必要そうね」


真奈美「まぁ、その話は追々ということで……ほら、時間がないんだろう? 早く次の工程に行ってしまわないと」


P「それもそうですね。それじゃあ、最後のプログラムに行きましょうか」






泰葉「そう言えば、最後にもう一つだけイベントがあるんでしたっけ」


早苗「それについては私たちも聞かされて無いのよね」


美優「一体なにが行われるのでしょうか……」


留美「ま、大方予想はつくけどね」


真奈美「そうだね」


P「お、さすがに二人はお気づきですか」


真奈美「当然さ。祭りといったら……アレがないとね?」


P「当然です」


薫「アレ?」


千枝「アレ、ってなんでしょうか……?」


P「夏祭りといったら、というよりも、夏といったらやっぱりこれを見ないと終われないだろ」


P「というわけで…………」スチャ


泰葉「トランシーバー?」


P「お待たせしました。それじゃあ大道具さん、お願いします」


桃華「大道具さん、ですか?」


みりあ「なんだろう?」


P「ま、すぐにわかるさ…………というわけでみんな、あそこを見てみろ」


全員『』バッ





ヒュー……ドンッ! ドドドンッ!  パラパラパラ…







千枝「わぁぁ……!」


みりあ「花火だ―♪」


仁奈「きれーですねー……!」


泰葉「これがとっておきですか……!」


桃華「想像もつきませんでしたわね……♪」


P「そうか? 夏祭りといえばこれだと思うんだけどなぁ」


早苗「まさかこんな街中でここまででっかい花火が見れるとは誰も思わないわよ」


留美「騒音とかは大丈夫なの? この辺には住宅もあったはずだけど……」


P「二週間ぐらい前から近隣住民に許可をもらいに回りました。自治会にも許可貰ったんで大丈夫だと思います」


P「ま、これだけ立派な花火が近くで見れるんだし、大丈夫でしょ」


美優「窓ガラスとか割れませんかね……?」


P「そこに関しても、キチンと専門家の人に指導していただいたんで大丈夫だと思います」


P「ちゃんといいコンピューターで計算とかしてもらったらしいんで。詳しいことは俺も知りませんけど」


真奈美「適当だな……」


P「これに関しては俺はあんまり関わってないですからねぇ。日頃の業務で鍛えた交渉術を使って許可を貰いに行っただけですから」


P「なにかあったら会社が責任とるでしょ!」アッハッハ


早苗「清々しいまでに豪快ね、キミ」






美優「それにしても、ちょうどよかったですね。今年はみんな忙しくて、夏祭り自体にも行けませんでしたし……」


留美「花火なんてもってのほかだったしね」


薫「おうちでちっちゃな花火はしたことあるけど、ここまでおっきなのは今年見れなかったもんね!」


みりあ「そうだねー……去年はみんなで見に行けたもんね!」


仁奈「仁奈、あの日の事を思い出したですよ!」


桃華「確かにあれは楽しかったですわね……」


泰葉「Pさん、今年はちょいちょいスケジューリングミスしてますね」


P「うぐっ……ま、まぁ、その埋め合わせとしてこの企画を上に提案したんだし、見逃してくれ……」


早苗「Pくん、めっちゃ関わってるじゃない」


P「はうっ!」ビクン!


留美(ちょっとしたところでドジよね……)


真奈美(ドジというか、詰めが甘いというか……)




一旦中断します。1時ごろにまとめて投稿します。





みりあ「ねぇみんな! せっかくだし、もうちょっと近いところまで見に行かない?!」


薫「いいねー! 行こう行こう!」


桃華「えっ? どちらに行かれるのですか? ここでも十分綺麗に見えるとは思うのですか……」


みりあ「いつもは船の上とかから打ち上げられるでしょ? でも今は屋上から打ち上げてるみたいだし」


みりあ「せっかくだから、どんなふうに出てくるのかなぁーって気にならない?!」


桃華「うっ……確かにそう言われれば、少し気になってしまいますわね……」ウズウズ   


みりあ「でしょー!? 行こう行こう!」グイッ


桃華「ちょ、ちょっと待ってくださいまし!」


薫「れっつごー♪」ダダダ


みりあ「わーい♪」ダダダ


桃華「ちょ、ちょっと、ストップ! ストップですわぁぁぁぁ……!」ズルズル


仁奈「仁奈もいくですよー!」タッタッタ


千枝「あはは……凄い勢いで行っちゃいましたね……」


早苗「私たちも行きましょうか。ケガすると危ないしね」


留美「そうね。万が一、事故でも起きたら大変だし」


泰葉「じ、事故ですか……」


真奈美「最悪の事態というのも頭に入れておく必要がある。どんなに楽しい時でもね」


美優「そして私たちは大人ですから、そのお仕事をしに行くだけです……」


早苗「ま、あたしは半分ぐらいは千枝ちゃんたちと同じ気持ちだけどね!」


早苗「どんな感じで発射されるか、ちょっと気になるし! また子供みたいって言われるかもしれないけどー……」トオイメ


留美「いいじゃない。若さがあるって素晴らしいことよ」


真奈美「まったくさ。私も童心を忘れないようにしたいね」


美優「そうですね……」


P(みんな子供っぽいところあるって言いたいけど、ややこしくなりそうだから止めとこう……) 






早苗「それじゃあ行きましょうか」


美優「そうですね。行きましょう……」




ゾロゾロ…




P「俺たちも行くか。ここに残ってるのは変な感じだし」


泰葉「そうですね。行きましょうか」






泰葉「…………ふう」


P「どうしたんだ? 疲れたのか?」


泰葉「いえ、それも当然あるんですけど……」


泰葉「あっという間だな、って思って」


P「まぁ、楽しい時間はあっという間に過ぎちゃうよな」


泰葉「それもそうなんですけど……」


P「ん?」


泰葉「私がこの事務所に来てからの事、なんか思い出しちゃって」


泰葉「あの日から今日までも、あっという間だったなって思っちゃって」


P「そうなのか。それもまた唐突だな」


泰葉「そうでもないですよ……」


泰葉「今日一日、仁奈ちゃん達と一緒に過ごしてきて、何度も思う時がありました」


泰葉「子供の時の私って、こんなに心から楽しそうに笑ってた時があったのかな、って……」


P「……………………」








泰葉「もちろん、全部が全部そうじゃなかったってわけじゃありません」


泰葉「仲のいい子もいましたし、そういう子の前では心から笑うことが出来てました」


泰葉「でも、今日みたいに大人の前で笑ったりっていうのは、ちゃんと出来てたのかな、って……」グスッ


P「……………………」


泰葉「そう思うと、仁奈ちゃんたちは凄いですね。あんなに自分の感情を正直に表現出来て。ちょっとうらやましいです」ニコッ


P「…………今のお前はどうなんだ?」


泰葉「えっ…………?」


P「今のお前はどうなんだ? 今日のお前の笑顔は、全部演技だったのか?」


泰葉「そんなことありません……! 今日は本当に楽しくって、本当に幸せだなって思ってて……!」


P「ならそれでいいんじゃないか?」


泰葉「えっ…………?」


P「こういうとき、なんか気の利いたことでも言えればいいんだと思うけど」


P「俺はそういう才能ないし、空気読めないダメ男だし」


泰葉(それは否定できない……)


P「今、なんか凄い失礼なこと考えなかった?」


泰葉「ソンナコトナイデスヨー」









P「言いたいことはいっぱいあるし、かけるべき言葉もあるんだろうけど」


P「今が幸せならそれでいいと俺は思うぞ」


泰葉「そう……ですかね…………」


P「過去に辛い体験もしただろうし、嫌な思い出もあるだろう」


P「もちろん楽しい思い出もあると思う」


P「そういうの全部ひっくるめて今の岡崎泰葉がいるわけだ」


P「そういう経験があるからこそ、今のお前がここにいる」


P「だとすれば、過去の失敗なんて気にする必要はないんじゃないのか?」








P「俺は今のお前しか知らない」


P「だから、お前の過去に意見したりするのは違うと思うし、その権利は俺にはない……と俺は思っている」


P「だが今のお前に対しては、出会った頃からの岡崎泰葉という人間の人生に対しては、俺は意見を述べることが出来ると思う」


P「プロデューサーとして、そして人生の先輩としてな」


泰葉「プロデューサー…………」


P「確かに出会ったころのお前は酷かったよ。誰を見るにしても、どこか心が無い感じだった。誰も信用していないというか、全てを疑ってかかってるというか」


P「まぁ正直に言えば、非常に接しにくい奴だったよ。お前は」


泰葉「その件については、本当にすいません……」


P「いや、別に謝らなくてもいい。接しにくいって言うのは当時の俺の意見であって、別に責めてるわけじゃない」


P「俺はお前の過去を知らないからさ。その内容をきちんと把握もしてないのに責めることは出来ないよ」


P「その時も『あ、この子はなにか辛い思いをしてきたんだな』って思っただけで、出来れば担当したくないとかは全く思わなかった」


P「じゃなきゃ、今こうして一緒に歩いたりはしてないだろ」


泰葉「それは……確かにそうですね…………」





P「でもそう思えたからこそというか……逆に安心したよ」


泰葉「安心、ですか?」


P「ああ。有名子役をアイドルとしてスカウトしておいてなんだけどさ、どれぐらい根性の折れ曲がった傲慢なガキなのかと思っていたんだが…………」


泰葉「擁護の仕様が無いぐらい酷い予想ですね」


P「見た時に思った。あ、なんだ、俺達と同じようなやつじゃないか、ってな」


泰葉「同じような?」


P「恥ずかしい過去話ではあるが、こう見えて俺もちひろさんも結構苦労してきてな」


P「事務所創設当初は、もう明日にでもクビになるんじゃないかって毎日思ったぐらい仕事が上手くいかなかった時期があった」


P「その時は本当に酷くてな……今思い出しても、寒気がするぐらいだ」ブルルッ


泰葉「そんな時期がプロデューサーたちにもあったんですね」


P「そうだ。こう見えて俺たちも結構苦労してきたんだぞ?」


P「で、ここからがポイントな」


P「確かにその時は辛かったよ。でも、その時の経験――もっと言うと失敗だな。これがあったからこそ今の事務所があるんだと俺は思う」


泰葉「過去の失敗があったからこその今、ですか……?」


P「そうだ。なにがいけないのかを反省出来るっていうのもあるが、その時に築いた人脈とか、その他諸々が今の俺達を支えてくれているっていうのもある」


P「失敗に続く他人からの拒絶……人を信用できなかった時期も中にはあった」


P「だが、そんな俺たちにも手を差し伸べてくれる人たちがいたからこそ、ここまで上り詰めることができた。それについては本当に感謝してる」


P「つまりだ、失敗ばかりの中にもそれなりに得ることが出来たものがあったってことさ」


P「でだ……あの時のお前は、ちょうど失敗続きだった時の俺達と同じような目をしていた」


P「業界人に色々と揉まれた感じがひしひしと伝わってきたよ」


P「だからこそ、扱いづらかった。それがどれだけ辛いことかを、俺達はよく知っていたからな。だから、中途半端な接し方は出来ない――もっと言えば、失敗は出来ない。そう思った」


P「本当に、お前には人一倍気を使ったよ。大変だった。でもそれは、同じ経験者である俺のおせっかいでもあったから、大変だったけど不思議と辛くはなかったな」






P「そして今、お前は俺の隣にこうして居てくれる。笑ってくれる。それはきっと、あの時の失敗が無かったら得ることが出来なかったものだと思う」


泰葉「……………………!」


P「つまりだ、過去の自分を悔やむ必要なんてないんだってことさ。さっきも言ったけど、失敗だらけと思いきや得るものもあった。決して悪いことばかりじゃない」


P「それに、今の自分が幸せならそれでいいと思うし、幸せじゃないなら幸せになるために頑張ればいい」


P「お前がさっき自分で言ったように、子供時代に心から笑えないことが辛かったのならば、これからその時笑えなかった分、思いっきり笑えばいい」


P「そして、その分あいつらを笑顔にしてやればいいだけの事さ」


P「ま、もっともそれはすでに果たされたみたいだけどな。今日の仁奈たち、お前といる間中ずっと笑顔だったぞ」


泰葉「……………………っ」グスッ


P「過ぎてしまった過去は、もうなにを思っても変えることは出来ない。人は今と未来にしか生きられないんだ」


P「だとすれば、せめてもの報いとしてその過去を踏み台にして、幸せな未来を掴むしかないんだよ」


P「そしてそのためにはまず、幸せな今を生きなくてはならない。俺が言いたいのはそういうことだ」


P「で、俺はお前ならそれが出来ると思っている。俺とちひろさんみたいな奴でもそれが出来た。なら、お前にだってできるはずだ」


P「それにお前はまだ若いんだ。これからいくらでもやり直しがきく」






P「和久井さんなんて、仕事が趣味だなんて言えるぐらいだったのに、それを辞めた。心中穏やかじゃなかっただろう」


P「そんな状態でも俺を信じてついてきてくれた。俺はそんな和久井さんを信じた。そして、今の彼女がある」


P「迷いは充分にあったことだと思う。アイドルとしては少し年齢も高い方だし、生半可な覚悟ではなかったことだろう」


P「それでも彼女は俺に付いてきてくれた。それはやっぱり、彼女が今、そして未来を生きようと思ったからに違いないと俺は思っている」


P「単純に自暴自棄だったのかもしれないけどな」ハハハ


P「お前も俺を信じてこの事務所に来てくれたんだろ? だとすれば、俺はどんなことがあってもお前を信じ続ける」


P「だからこれからも俺を信じてくれ。そして、今言った言葉を信じて、俺に付いてきてほしい」


泰葉「……はい゛…………!」グスッ








P「……ま、俺としては得した感じだけどな」


泰葉「は……?」ズビッ


P「だって、これからお前は今までの分いっぱい笑ってくれるんだろ?」


P「俺からすれば、お前の笑顔をこれからいっぱい近くで見ることができるんだ。これ以上に嬉しいことなんてないだろ!」


泰葉「…………! こんな時にそんなこと言うの……卑怯です…………っ!」グスッ


P「はっはっは! 大人って言うのは卑怯なものさ。お前もよーく知ってるだろ?」


泰葉「グズッ……そうでしたね…………。この事務所にいるせいですっかり忘れてました……」ニコッ







泰葉「この事務所は駄目ですね……悩んでいることが、バカらしくなっちゃいます」


泰葉「特に、あなたのせいで」ジーッ


P「それぐらいの方がいいってもんさ」


P「悩み過ぎるのは逆に辛い。ちょっとぐらい適当に考えて生きていくのがちょうどいいってもんさ」


P「お前は色々と難しく考える癖があるから、そういうところはもう少し直した方がいいぞ」


泰葉「そうですね……頑張ってみます…………」







アナウンス『それでは本日最後の花火が打ちあがります。みなさま、お見逃しの内容にご注意ください』


P「ん、いよいよ最後か。最後の花火は大道具の奴らが凄い売り込んでたからなぁ。どんなもんか見てやろう」


泰葉「見てやろうって、一体どこ目線なんですか……」


P「お客様目線です! ちょっとでもしょぼかったら文句言ってやる!」


泰葉「それ典型的なクレーマーの思考ですよね!?」


P「あ~ん? こっちは見てやってんだから文句を言う権利ぐらいあるだろ~?」ツンツン


泰葉「ほっぺをつつかないでください! まったく…………」


アナウンス『それではみなさまお待たせしました。最後の花火を打ち上げさせていただきます』


P「お、来るぞ。お前も見逃すなよ」


泰葉「はいはい……まったく、調子いいんですから」ハァ…








ヒュルルルル……





泰葉「……………………プロデューサー」ボソッ






ドォォォォォォォォォォン!






泰葉「感謝してます…………」ボソッ






パラパラパラパラ……



パチパチパチパチ……!



コレニテホンジツスベテノプログラムヲシュウリョウシマス――






――――――――――


――――――


――――






今回はここまでです。


終わりませんでした。ごめんなさい。ただ、本編的なものは今回で終了です。


次回は後日談的なものを書いて、それで全て終わりになります。願わくば、最後までお付き合いください。



書いてる本人が中身スッカスカの人間なので、シリアスは上手く書けませんでした……最後に変な感じになっちゃったけど、泰葉の可愛さに免じて許してください。




静かに読んでいただきありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。


では、おやすみなさい。



再開します。


今回で終わりになります。長い間ありがとうございました。最後までお楽しみください。


では、今日もよろしくお願いします。




次の日



凛「おはようございます」ガチャ


奏「あら、おはよう凛」


凛「あれ、今日は早いね。なにかあったの?」


奏「んー、別にそういう訳でもないけど、なんとなく早く着いちゃったって感じかしらね」


凛「ふーん、そうなんだ」


奏「そう言う凛も、今日はいつもより早いじゃない」


凛「私もなんだろ……なんとなく今日は早く準備が出来たから来ただけかな」


凛「あとはなんとなくだけど、面白いものが見れそうな気もしたんだよね」


奏「あら、良い勘してるわね」


凛「え? もしかして、なにかあるの?」


奏「そうね、しいて言うなら――」


凛「プロデューサーの全裸とか?!」グイッ


奏「食い気味過ぎるわよあなた。というよりも、こんなところでそんなものが見られるわけないじゃない」






奏「ご期待に添えられないようで申し訳ないけど、おもしろいものっていうのはあれの事よ」サッ


凛「あれ?」サッ


ちひろ「うぅ…………」フラフラ


凛「ちひろさん? なんか調子悪いみたいだけど……って、くっさ!」


ちひろ「うぅ……それは言わないでください…………。自分でも自覚してますから…………」


凛「いやでも……すごいお酒臭いよ…………。なにかあったの?」


ちひろ「はぃ……実は昨日、会社全体で行った夏祭りがあったのですが……そこで運悪くすっかり出来上がった川島さんと友紀ちゃんに出会ってしまって…………」ズキズキ


ちひろ「そこからの記憶がまったくないんです……」ウプッ


凛「あっ……ふーん…………」


奏「そりゃあ、その二人に捕まればそうなるわよ……」


ちひろ「そう思って二人を避けてたんですよ! それなのに運悪く――って、あいたたた……あ、頭が……」ズキズキ


奏「これはかなり重症ね」


凛「私達じゃどうにもならないよ」


奏「可哀想だけれど、しばらく安静にしておいた方がいいわね。ちひろさん、仮眠室で少し休憩でもすれば?」


凛「そっちの方が良いよ。プロデューサには私たちから話しておくからさ」


ちひろ「ありがとうございます……。では、お言葉に甘えて少し休憩してきますね……」


ちひろ「それと、このことはPさんも知っていますので大丈夫ですよ……いたた…………」スタスタ…


凛「…………一体どれぐらい呑まされたんだろうね」


奏「そうねぇ……実際に大人組が飲んでるところを見たことがないから、想像もつかないわね」





凛「そういえばさ、プロデューサーはどこに行ったの? 姿が見当たらないんだけど」キョロキョロ


奏「私もそれは気になってるのよね。いつもはちひろさんがいる時間には必ずあの人もいるはずなのに、今日に限って姿が見当たらないのよ」


凛「遅刻かな? 珍しいね」


奏「ま、あの人が来るまで気長に待ちましょ。幸い、まだ時間はたっぷりあるんだし。なにか飲み物でも飲んで――」





ガチャ




薫「んにゅ…………」ゴシゴシ


奏「…………え」


凛「…………は?」





奏「えーっと……これはどういう状況なのかしら?」


薫「んっ…………お姉さん、だぁれ…………」ゴシゴシ


奏「薫ちゃん……よね。喋り方がこずえちゃんみたいになってるけど」


凛「どう見ても髪の色が違うもんね」


薫「ふわぁ~……ムニャムニャ……………」


奏「しかもこの子が着てるのって…………」


凛「うん、どう見てもパジャマだね」


奏「まさかとは思うけど…………」








ガチャ



まゆ「おはようございまぁす」


凛「まゆ……! いいところに来たね」


まゆ「はい? まゆに何か御用で――」


薫「んー…………」ウツラウツラ


奏「ほら、しゃんとして。まずは顔でも洗ってきなさい」トントン


薫「はぁーい…………」スタスタ…


まゆ「…………昨夜はお楽しみだった様ですねぇ」


奏「どういう解釈したらそうなるのよ。さすがの私でもそれはないわよ」


まゆ「まゆはまだ何も言ってないんですけどねぇ」






凛「――――――」カクカクシカジカ


まゆ「なるほどぉ。それは確かに謎ですねぇ」


奏「この事務所には間違いなく私が一番乗りだったし、その時はちひろさんの姿しか見えなかったわ」


奏「まさかとは思うけど、年少組だけでこの事務所に泊まりこんだわけではないと思うし……」


凛「プロデューサーがあんな状態のちひろさんを監視役に置いておくわけないしね」


まゆ「そうですよねぇ。まゆもそう思います」


奏「どういう経緯でこうなったのかしらね」


まゆ「そうですねぇ……確かに気になるところではありますが…………」


まゆ「薫ちゃんは事務所の奥から出てきたんですよねぇ?」


凛「うん」


まゆ「だったら、まゆたちも奥の方を見に行けばいいんじゃないでしょうか?」


凛「それって……どうなの?」


まゆ「はい?」


凛「それって色々と大丈夫なのかな。もしかしたら、見たらいけないものがあったりとかしない?」


奏「妄想力豊かなのはわかるけど、そんな見られたらマズいものを一晩中ここに放置しておくわけないでしょ」


奏「それにちひろさんも一応は居たんだし、そこまで危ないこともないはずよ」


まゆ「そうですよねぇ。ですから、多分大丈夫だと思いますよぉ」


凛「そっか……そうだよね」


奏「じゃあ、そうと決まればさっさと行きましょうか。私も頭の整理がついたところだしね」


凛「そうだね。私も突然の事で少し驚いたけど……うん、冷静になってきた」


まゆ「薫ちゃんが居たということは、昨日の様子から、おそらくL.M.B.Gの子たちもいることでしょうし」


まゆ「場合によっては身支度のお手伝いをしないといけません。行きましょうか」


奏「そうね。行きましょう」






奏「それにしても……見たらいけないものってなによ、凛」


凛「いや、色々あるじゃん……あの子たちも女の子なんだしさ。例えばこう……日記帳とか」


奏「人に見られて嫌なものをこんな所まで持ってこないでしょ」


凛「……それもそっか」


まゆ「まゆは別に見られてもいいですけどねぇ、日記帳」


まゆ「なんせ、まゆがどれだけPさんのことを想っているかが書かれていますから♪」


奏「お願いだから絶対に持ってこないでね、それ。戦争が起きるから」


まゆ「考えておきますねぇ」


凛「それにしても、あれだけ親御さんどうこう言ってたくせに、あんな小さな子たちをほったらかして……プロデューサーは一体どこにいるのやら」


まゆ「そうですねぇ。それについてはまゆも気になります」


奏「案外あの子たちと一緒に居るんじゃないかしら? それか、私たちよりも早く来て、今は朝食の準備でもしてるとか」


凛「あ、それはありそう」


まゆ「でも、昨日はお家に帰っていませんから、その線は薄いように思います」


奏「どうして寮住まいのあなたがそんなこと知ってるのよ」


まゆ「え? 当たり前の事じゃないですか? ね、凛ちゃん♪」ポンッ


凛「」ビックゥゥ


奏「………………」


凛「そんな軽蔑するような眼で見なくてもいいんじゃない?」


奏「軽蔑じゃないわ。呆れてるのよ」








奏「さてと……準備はいいかしら?」


凛「この奥だったよね」


まゆ「なにが待ち構えているのか、ワクワクしますねぇ」


凛「もうよっぽどのことが無い限り驚いたりしないからね」


奏「あら? 随分と余裕じゃない」


凛「プロデューサーが全裸で立っているぐらいのインパクトが無いとね」


奏「それは単にあなたが見たいだけでしょ」


まゆ「まゆ的には、少し着ていてほしいですけどねぇ」


奏「あなたも乗っからなくていいわよ」







ガチャ



仁奈「………………」ボーッ テクテク


奏「あら、仁奈ちゃんじゃない」


まゆ「やっぱり他の子もいましたねぇ」


凛「ということは、奥にはもう少し――」




「おーい、仁奈。ちょっと待てって」




凛「うん……?」


まゆ「奥から男性の声が――――」

















P(パジャマ)「まったく、先に行くなって……って、なんだ三人とも。ずいぶん早いじゃないか」





奏「ぴ、Pさん…………?」プルプル


P「おう、おはよう奏。今日もいい天気だな」


奏「そ、そうね。降水確率0%らしいけど……その恰好は、一体どうしたの……?!」プルプル


P「ん? これか? いや、パジャマだけど」


奏「そ、そうじゃなくて……!」


P「ああ、なるほどな。いや、昨日結構夜まで遊んじゃってさ。それでお泊り会することにしたんだよ。昨日のメンバーで」


P「で、男の俺があの中に混じって泊まるのはさすがにヤバいなーと思ってたんだけどさ、肝心のちひろさんが色々あって潰れちゃってさ……」


P「あ、事務所のソファーに寝てただろ?」


奏「え、ええ……見たわ」


P「で、他にも大人組居たんだけどさー、ちょっとヤバい状態の人が何人かいたもんだから、そっちの介護に手いっぱいってことになって」


P「しょうがなく俺が一緒に泊まったってわけだ」


奏「そ……そうなのね…………」


奏(こ、これは……これは反則だわ…………!)ハァハァ




奏(っていうか、さっきから後ろの二人が静かなんだけど……嫌な予感が…………)クルッ


凛「ハァ……ハァ…………///」ブルブル


まゆ「ふーっ゛……ふーっ゛…………///」ブルブル


奏(やっぱり)


P「……ん? 二人とも大丈夫か? なんか顔が赤いけど……」


凛「…………も」


まゆ「…………も」


P「も?」


まゆ・凛『萌えぇぇぇぇっ゛!!』ブシャァァァァ




ドシャァ




P「お、おい?! 鼻血が…………!」


奏「大方……予想通りね…………」ツーッ


P「お前も垂れてるぞ……」






ネリネリ  キュポッ



奏「……で、まだ幼いとは言え、今を時めくアイドル五人と一緒に寝たのね」


P「俺は止めとこうって散々言ったんだけどな。他の奴らが何故か引き下がらなくて、結局こっちが折れたってわけだ」


奏「そう……なんだか嫉妬しちゃうわね。私とはいつ一緒に寝てくれるの?」


P「お前、恥ずかしさを誤魔化そうとしてちょっと怪しい言い方してるっぽいけど、ティッシュ鼻に詰めたまま言われても逆に滑稽なだけだからな」


奏「それは言わない約束じゃないかしら?」


P「生憎そんな約束をした覚えはない――それに、五人じゃないぞ」


奏「え? でも、私の記憶が正しければ昨日いたL.M.B.Gのメンバーって五人じゃなかったかしら?」


P「言っただろ。『昨日のメンバー』って」


奏「…………まさかとは思うけど」


P「そうそう、あと一人居ただろ。っていうか、あいつ全然来ないな…………」


P「おーい泰葉。お前も早くこっちに来てくれよ。ちょっと手伝ってくれ!」


凛「………………」ムクッ


まゆ「………………」ムクッ





















曲がり角




泰葉「……………………!」ダラダラ


泰葉(今日の朝のこと、すっかり忘れてた…………っ!)







泰葉(なんか気分が良くて、そのまま流れで一緒にお泊りしちゃいましたけど……)


泰葉(少し考えればこうなることはわかってたじゃないですか……!)


泰葉(昨日の私のバカッ……!)


泰葉(でもでも、あの子たちにあんな風におねだりされたら、誰だって断れないじゃないですか……!)


泰葉(しかもプロデューサーにあんな言葉をかけてもらった手前だったし、余計断れるわけないじゃないですかぁぁぁ!)


泰葉(…………いや、待てよ?)ハッ


泰葉(……そうですよ。誰だってあの子たちのお願いを断ることなんて出来ないんです)


泰葉(それがたとえあの凛ちゃんやまゆちゃんでも……)


泰葉(なら、そこを主張し続ければ私にもまだチャンスはあるはずです……!)


泰葉(彼女たちの事です……絶対に『なんでそこで泰葉が阻止しなかったの?』とか『どうして泰葉ちゃんが止めなかったんですかねぇ』とか質問してくるはずです……!)


泰葉(そしてその瞬間……! 私の無事が確定する…………!)グッ


泰葉(ふぅ……私もまだ思っていた以上に冷静さを欠いてはいないようですね。助かりました)


泰葉(だとすれば、堂々と行きましょう。変に緊張していると、逆に怪しまれますからね……)






泰葉「すいませんプロデューサー、少し遅れました」スタスタ


P「お、来たか。早速で悪いんだが、ちびっこ達の世話を頼む。ある程度済んだら俺も手伝うから」


泰葉「はい、わかりました。では、行きましょう――」


凛「待ちなよ」」ガシッ


まゆ「少しお話しませんかぁ?」


泰葉「……なんでしょうか。時間がないので手短にお願いします」


凛「大丈夫だよ。泰葉が思ってる以上にまだ早い時間だから」


まゆ「そうですよぉ。それに、いざとなればまゆたちもお手伝いしますから」


泰葉「……私も自分の身支度をしたいので手短にお願いしますね」


泰葉(なんとか冷静でいられますけど……オーラ怖っ!)







奏「さっ、仁奈ちゃんは先にこっちに行きましょうか」


仁奈「うみゅ…………」ポケー


奏「そう言えば、千枝ちゃんたちはどこに居るのかしら?」


P「千枝と桃華とみりあはすでに起きてるよ。今はメイクルームで身支度してる」


奏「そう。じゃあ薫ちゃんと合流することにしましょうか。」


仁奈「ふわぁーい、ですよ……」


奏「凛、まゆ…………あとは頼んだわよ」


凛「了解」


まゆ「お任せください♪」


奏「Pさんはここで待っててくれるかしら?」


P「ん? ああ、いいぞ」


奏「それじゃあ行きましょうか」スタスタ


泰葉(あ、これ本格的にヤバいやつですね)






凛「……さて、まずは聞きたいんだけどさ。昨日の夜、寝たんだよね。Pさんと一緒に」


泰葉「え、ええ寝ましたよ。一緒というよりか、一緒の部屋でですけど」


凛「ふーん……それ本当なのプロデューサー」


P「ん? 本当だぞ。左端に俺、真ん中に五人、で右端に泰葉って感じで寝た」


凛「そう……じゃあ、泰葉がPさんに抱き着いたりとか、そういうのはないんだ」


泰葉「あ、ありませんよ、誓って」


凛「ふーん……そう。ならいいよ」


泰葉「ほっ…………」


まゆ「それでは、次はまゆから質問してもいいですかぁ?」


泰葉「……どうぞ(来いっ! あの質問来いっ!)」


まゆ「…………今泰葉ちゃんが着てるそのパジャマ……去年の合宿の時にまゆ達と一緒に買いに行ったもののような気がするんですが……合ってますか?」


泰葉「はい、あってますよ――――」ハッ


まゆ「うふふ……♪」


泰葉「………………」ダラダラ


凛「なに、どうしたの?」


泰葉「いや、その…………」アセアセ


まゆ「うふふ……あのパジャマ、『Pさんが褒めてくれるかも……』って言って、いつもの自分の趣向とは違うものを選んで買ったものなんですよ……♪」ゴニョゴニョ


凛「へぇ…………確かにいつもの泰葉のイメージとは違う感じだね」ザワッ


泰葉(ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!! なんでそこに気づいちゃうんですかぁぁぁぁぁ!)


まゆ「特別な日にしか着ないって決めてるのかどうかはわかりませんが……少なくともまゆは寮の中で泰葉ちゃんがあれを着ていた時を見たことがありませんねぇ♪」


泰葉「………………」ダラダラダラ


P「なんだお前、なんだかんだ言って結構楽しみにしてくれてたのかよ。なんか嬉しいな」エヘヘ


まゆ「泰葉ちゃんにとって、きっといい思い出になったと思いますよ♪」


まゆ「そう……泰葉ちゃんに『とっては』ね…………♪」グリン


泰葉「あ……あ…………!」ガクガク





凛「…………せっかくだから、泰葉の身支度も手伝ってあげるよ」ガシッ


まゆ「それはいい案ですね♪ 昨日の夜あったことについて『楽しく』お話しましょう♪」ガシッ


泰葉「あ……やだ…………っ!」ズルズル


P「お、それはいいな。せっかくだしやってもらえ」


P「昨日は色々と面倒見てもらったみたいだし、残りは全部俺がしといてやるよ」ヒラヒラ


泰葉「い、いえ! 最後まで責任を果たさせてください!」


P「ははは、お前は真面目だなぁ。ま、こういう時ぐらい大人に甘えるってことを覚えた方が良いぞ!」


P「というわけで二人とも、あとはよろしくな」


凛「うん、任せてよ」


まゆ「お任せください♪」


泰葉「あ……だ……だれか…………」


泰葉「誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇ――――!」ズルズル…





















奏「――――で、私とはいつ一緒に寝てくれるの? Pさん」


P「だからまずその鼻に詰めたティッシュを取ってから言え」シャコシャコ


仁奈「んー…………」シャコシャコ


薫「あー…………」シャコシャコ









おわり




お疲れ様でした。


L.M.B.GのSSだと思った? 残念! 泰葉のSSでした!! ……となるとは私自身も思わず、本当はもっとL.M.B.G中心のお話になる予定だったんですがね……。どこでおかしくなってしまったのやら。やっぱり書き溜めというのは大事ですね。


夏休み明けという設定は大事にしたかったので急遽始めたわけなんですが、やはり無計画というのは危ないことをひしひしと感じました。次回はもっとちゃんと計画的に書いていきたいと思います。



さて、三作連続でお送りしてきました『おしおき』シリーズ、これにて一旦終了です。この三作を書こうと思ったのがSSを書き始めるきっかけでした。


案は無いこともないんですが、Rにしようか迷ってるので、多分しばらくは書かないと思います。そして、おそらくRじゃないと思います。


拙筆ではありましたが、最後まで書ききれてよかったです。


最後まで静かに読んでいただき、みなさん本当にありがとうございました。




次回は某アイドルとPさんがイチャイチャするほんわか系か、Pさんが死ぬシリアス系です。


どっちも大体のプロット決まってますが、なにぶんリアルが忙しいのでしばらく後になるかと思います。ちゃんと書き溜めたいですしね。


Pさんが死ぬパターンは6つぐらい候補があるので、いつか全部書きたいところですね。


Pさんが死ぬ系のSS(ドッキリ含め)凄く好きなので、ぜひみなさんも書いてください。そしてみんなで胃を痛くしましょう。



ここから凄い蛇足というか雑談↓





前回のLiPPS編、アフターをR-18で書きます! とか言っちゃったんですけど、なんか他の人が奏と周子のエッチなの書いてくれたみたいですし、私はもうゴールしてもいいよね(白目)


最近ドッキリとかPさんが死ぬ系のSSあんまり見ないんで、ちょっと寂しいです……。私が見落としてるだけなんでしょうか? おすすめの胃が痛くなる系SSがあったら、ぜひ教えてほしいです。出来れば、かんおけさんが書いてたぐらいのえげつなさが欲しいですね。



というどうでもいい雑談でした。




というわけで、これで本当に終わりたいと思います。


次回作も読んでいただけると幸いです。


では、おやすみなさい。

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