【ガルパン】みほ「実写映画ですか?」 (28)

杏「そう、実写映画。かぁしま」

桃「はっ!実はこの度大洗で起きた出来事を基に映画を作りたい、と言う依頼が来てな」

沙織「すごーい!みぽりん映画に出るの?!」

華「とうとう銀幕デビューですか」

桃「話は最後まで聞け!あくまで基にしたノンフィクション映画が作られる、と言う話だ」

杏「正確にはノンフィクション風、だけどね」

優花里「どういうことです?」

麻子「わたしはだいたい分かった。と言うより察した」



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桃「まぁ、ノンフィクション風というのはだな、映画の上映時間が120分、それに合わせるため、廃校の背景や、その、西住の家庭事情などが改変されている」

柚子「でも、もともと90分の予定だったのを尺が足りないからって伸ばしてもらってるんだよ」

優花里「確かに戦車道の復活から全国大会、その上大学選抜との試合まで含めるといろいろありましたからね.......」

麻子「最低でもアニメ10話にOVA、さらに劇場版だからな」

沙織「なんの話?」

華「沙織さんそれ以上はいけません」

杏「有名な女優さんや今をときめく売り出し予定の若手まで豪華キャストでってことだから悪い話ではないんだよねぇ」

桃「戦車道連盟も今後の発展のために是非、と」

優花里「なるほど、確かに戦車道の知名度は上がりそうですね」

みほ「それで、どんな映画になる予定なんですか?」

桃「脚本、と言うか、映画のあらすじだがな」

桃「まず、戦車道をこよなく愛する主人公東隅しほは、大洗の戦車道を立て直すため弱小校である大洗女学院に転向することとなる」

優花里「待った」

桃「どうした秋山」

優花里「まず西住殿と思われる主人公の設定がおかしいです」

沙織「あ、いまのみぽりんだったんだ」

優花里「まず、西住殿の転向理由が」

桃「そこを描写すると長くなりすぎてな。尺の都合でカットだ」

杏「それに実際そこを忠実にやるとさぁ、黒森峰が悪役になっちゃうし」

柚子「いろんな所に禍根を残しちゃうから......」

優花里「それはそうですが......あと、名前、苗字はいいとして下の名前確か西住殿の」

桃「あぁ、現西住流家元の名前だ」

優花里「おかしいですよ、他にもあったじゃないですか!むほ、とか、めほ、とか!」

みほ「ん?優花里さん?」

桃「スポンサーの一つ西住流たっての希望だそうだ」

華「何故でしょう、いきなり大人の都合という黒い影が......」

桃「ええい、キリがない。続けるぞ!」

桃「大洗女学院に着いたしほは愕然とする。メンバーは素人だらけ。やる気はない。内部で抗争が起こっている。食事とおやつへの情熱だけはどこにも負けていない」

麻子「ノリと勢いだけはありそうだな」

優花里「もうこれアンツィオの話じゃないですかー!やだもー」

沙織「あれ?ゆかりん?」

桃「しかし、そんなメンバーの中にも熱心に練習する一台の戦車が」

華「あ、これはもしかして.....」

桃「ヘッツァーだ」

優花里「と"お"し"て"そ"う"な"る"ん"て"す"か"!」

みほ「優花里さん落ち着いて」

麻子「まぁ、生徒会が間に立っている時点でな」

柚子「ごめんね、わたしは一応止めたんだけど」

桃「ヘッツァーに乗っていたのは生徒会役員で構成された三人組で、転校してきたばかりのしほに大洗女学院の戦車道の現状を説明する」

桃「しかし、しほにも使命がある。この荒廃しきった戦車道部を立て直そうと試みるが」

杏「ところが西住ちゃんの厳しい指導に耐え切れずみんな辞めちゃうんだよねぇ」

桃「会長、東隅です」

優花里「いや、そこではないというか」

麻子「まぁ、王道といえば王道の展開だな」

沙織「そっか、わたし達戦車道辞めちゃうんだ」

華「あの、沙織さん?映画のお話ですよ?」

みほ「それで、どうなるんですか?」

桃「うむ、流石に一台と一人では試合もできないので部員を集うことになる」

華「今更ですが、授業の一環ではなくて部活と言う形なんですね」

杏「そこはノンフィクション風だから」

優花里「それよりもタンカスロンを始めるのではないかとヒヤヒヤしましたよ」

杏「そういう案もあったんだけど戦車道連盟がねぇ」

麻子「あるにはあったんだな」

桃「そこで集まったのがお前達だ」

柚子「あ、正確にはあなた達をモデルにした子ね」

桃「まず、イマドキの流行に敏感なモテカワギャル、式部ゆかり」

沙織「どっち!?」

麻子「いや、沙織しかいないだろう」

桃「実家は茶道の家元、鈴木茶々」

華「これはみほさんでしょうか?」

優花里「いや、五十鈴殿では?」

桃「クールな天才ドライバー、本田麻子」

麻子「何故わたしだけ名前がそのままなんだ......」

桃「そして軍事オタクの豊田あかり」

優花里「これは考えるまでもなくわたしですが、苗字.......」

桃「新しい仲間を加え、使われず埃をかぶっていたIV号戦車で練習を始めることになる」

桃「二台が練習する姿を遠くから見つめる元戦車道履修者達」

柚子「あ、戦車道部員ね」

桃「一人、また一人と戦車道を始めたあの頃を思い出し始める」

みほ「あれ?全員戦車道初心者だったはずじゃ......」

桃「.......こほん、そして、武部や秋山の説得もあり、戦車道部は元の姿を取り戻していく」

優花里「今誤魔化しましたよ!ねぇ!」

杏「あー、一応言っとくけど、戦車道素人であって初心者ではないからね?」

沙織「どう違うの?」

麻子「指導者がいないから我流がまかり通って統率が取れていないんだろう。うちに西住さんが来なかったらどうなってたか想像してみるといい」

杏「ま、そんな感じだね。だから実は的外れってわけでもないんだよねぇ」

華「捉え方次第、ということですね」

桃「さて、活気とやる気を取り戻した戦車道部に暗い影が忍び寄る」

華「廃校の話ですね」

桃「いや、廃部だ」

優花里「バレー部じゃないですか!?」

麻子「ちょ、秋山さん......」

沙織「なんか話がスケールダウンしちゃったね」

桃「廃部を回避するには、次の練習試合に勝たなくてはならない」

杏「ここ、実は納得いかなくて掛け合ったんだけど、まぁ、大人の事情とか尺の都合もあってねぇ.....」

柚子「国の機関が絡んでしまいますからねぇ」

沙織「うん、その裏話知りたくなかったなぁ」

優花里「それで、聖グロっぽい学校と練習試合をすることになる、というわけですね」

みほ「あれ?でもそれじゃぁ負けちゃうんじゃ」

沙織「そこはノンフィクション風だから勝っちゃうことにするんじゃないの?」

華「そうですよねぇ」

麻子「ここまで変わってるともうフィクションだがな」

桃「いや、相手は聖グロリアーナとシベリア高校、それとステイツ大付属高校の連合チームだ」

優花里「はい、ストップ。ちょっともう、なんですか?なんなんですかこれ!」

優花里「まず、シベリアとかステイツ、そっちはいいですよこの際。なんで聖グロリアーナだけ実名なんですか?!」

桃「今回の映画撮影に非常に協力的でな」

沙織「いいのかなぁ、聖グロの人たち.....」

桃「本人達たっての希望だからいいんじゃないか?」

杏「ちなみに今回エキストラで出るんだって」

麻子「それが目的か」

沙織「そういうのアンツィオとかサンダースの人達もやりたがりそうだけどなぁ」

杏「耳が早かったのが聖グロだったんでしょ。他にも工作してそうだけど」

桃「それで、試合当日に20対8という圧倒的な戦力差を西ず......東隅は目の当たりにする」

華「大学選抜との試合を思い出しますね」

沙織「あ、ってことはだよ!」

優花里「期待はできませんけどね」

桃「いや、ここは期待通りだ。増援が来る」

杏「主人公、東隅しほのいた白雪谷から姉の東隅まみが来る」

優花里「主人公まみでよかったじゃないですか!」

桃「大人の事情だ!」

みほ「ってことは、黒森峰だからドイツ戦車かな?」

桃「いや、チハだ」

優花里「も"ー、素直にドイツ戦車出してくださいよぉ"!!!」

麻子「.....あ、雪の進軍で白雪谷」

沙織「わかりにくっ!」

桃「それで、試合が始まるわけだが、内容としては全国大会の試合のいいとこ取りだ」

杏「通信傍受機使う悪い参謀がいたり、勢いに乗って突出した小隊が包囲されて教会へ逃げ込んだり、隠し玉の大型戦車のマウスと戦ったり」

優花里「マウスって....英米ソの連合がマウスって.....他にいくらでも......」

沙織「ゆかりん落ち着いて、泣かないで、ね?」

桃「その、あくまで再現というかノンフィクション風だか、な?」

優花里「こんな、ひどい、冒涜ですよ......」ポロポロ

桃「あ"ー、終わり!それで戦って決勝のときみたいに勝って終わり!」

麻子「雑にしめたな.....」

みほ「大丈夫だよ優花里さん、怖くない、怖くないよぉ?」

優花里「ふぐ.....ひぐっ.....うぇ.......」

杏「一応、ラストもいい感じにできてるんだけどねぇ。聖グロの隊長が東隅しほを認めて紅茶を送ったり」

桃「ま、まぁ、そんな感じで進む予定だが.....マウスの件は掛け合ってやるから、泣くな、な?」

優花里「ぐすっ.....絶対......ですよ......?」

桃「あぁ、約束するから」

杏「あー、でも間に合うかなぁ」

優花里「い"っ!」

桃「会長っ!あぁ、もう泣くな泣くな!」

みほ「大丈夫かなぁ」

沙織「それで、映画が完成して公開されたわけだけど.....」

麻子「見事に評価が分かれたな」

華「戦車道関係者からは非難の嵐、対して一般のお客さんからは好評で、という具合ですね」

優花里「『あんなの戦車道じゃない!』なんて書き込みもありましたからね」

沙織「わたしは面白かったけどなぁ。自分がモデルってのが変な感じだったけど」

みほ「そうだね。わたしも面白かった」

麻子「東隅さんがボコの歌を歌ってみんなを元気付けるシーンは感動した」

沙織「わたし達アンコウ踊りだったもんね」

華「マウスもカールに変わってましたし」

優花里「そこは納得していませんからね!結局ドイツの兵器じゃないですか!!」

みほ「あはは......」

みほ「......」

沙織「どうしたの?みぽりん?」

麻子「西住さん。ネットの評価なんて当てにしていいものじゃない」

優花里「そうですよ、西住殿は間違ってません!」

沙織「え?どういうこと?」

華「これです。『こんなの戦車道じゃない』と言う書き込み」

沙織「それがどうかしたの?」

華「いろいろと変わってしまっているところもありますが、映画で使われた戦術や作戦はみほさんがとったものと同じなんです」

沙織「あ」

麻子「そこまで考えて書き込んでるとは思えないがな。だから気にする必要はない」

優花里「そうですよ西住殿!」

みほ「みんな、ありがとう」

麻子「それに、こんな書き込みもある」

みほ「え?」

『みな、これがせんしゃどうでないというけれど、いつかこのえいがのようなせんしゃどうがあたりまえになるひがくる。せんしゃどうはひとのかずだけあるのだからせんしゃにのるものがじぶんのせんしゃどうをみつければいいとわたしはおもう』

沙織「なんで全部ひらがななんだろ?」

華「きっと慣れていらっしゃらない方なんですよ」

優花里「年配の方ですかね?」

みほ「........」

麻子「西住さん?」

みほ「ふふっ」

みほ「なんだかお姉ちゃんみたい」

優花里「でも、この言葉の通りですね」

沙織「そうだね。わたしにはわたしの!」

華「私には私の」

麻子「それぞれの戦車道がある」

みほ「うん!」

優花里「それでは、これからは我々の戦車道を進みましょう!」

沙織「みぽりん、いつもの!」

みほ「う、うん」

みほ「それでは、パンツァー フォー!!」

FIN

終わりです。HTML依頼出してきます。うまくいってくれ......

ガルパン最終章製作決定で大いに喜んでおります。ありがとうガルパン!完結編とかゼロとかさらばガルパンよ永遠にとかに続くんですよね!

ガルパンの実写映画化あったら見てみたいです。やれるもんならやってみろよ感がすごいですが。

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