千早「なぜか浴衣の仕事が多いわ」 (23)
*短編です
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8月某日
千早「なぜか浴衣の仕事が多いわ」
千早「もう5回よ。4日後にもう1回あるわ…。夏だからかしら? 春香は浴衣の仕事増えた?」
春香「え? 私はそんなに。1回だけだよ」
千早「じゃあ何か別の理由があるのかしら」
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春香「理由……。浴衣のお仕事ってどんなの?」
千早「えっと、まず普通に撮影でしょ、それからPV撮影にドラマ、あとはお祭りの取材。そこで浴衣を着たままミニライブもしたわ」
春香「浴衣着てライブって大変そうだね。息が苦しそう」
千早「そうね。でもお祭りにいたお客さんとファンの応援のお陰で苦しさなんてなかったわ」
春香「え?」
千早「え?」
美希「ただいまなのー!」
千早「おかえりなさい、美希」
春香「おかえり~」
美希「なんの話してたの?」
千早「私の浴衣の仕事が多い話よ」
春香「そうそう、千早ちゃん、浴衣でのお仕事5回もあったんだって。次も合わせると6回らしいよ」
美希「へぇ~、おめでとうなの千早さん」
千早「美希は浴衣の仕事増えた?」
美希「むぅ。まだ一つもないの。ミキも浴衣着てお仕事したい! ミキ、水着のお仕事ばっかり!」
千早「……」
春香「わかった! きっと千早ちゃんは髪がストレートで長いから浴衣が似合うからだよ! 古き良き日本みたいな」
千早「似合うだなんて」
美希「そうなの! 自信もっていいよ千早さん。ミキ、髪の毛金色だから、THE日本って感じしないの」
小鳥「確かに最近は大和撫子みたいな子ばかりのような気もするわ」
春香「そうなんですか?」
小鳥「うん。他のプロダクションの様子も見ておかないとね」
美希「さすが小鳥なの!」
小鳥「ほら、このDVDよ」
DVD「~~~~」
春香「あぁ、346プロの。可愛いなぁ」
千早「古き良き、流行ってるのかしら」
伊織「ただいまー! 四人でなんの話?」
春香「かくかくしかじかで」
伊織「ふぅん。私は二回あったわね。亜美と真美も一緒だったわ」
千早「亜美と真美も?」
伊織「えぇ。二つとも雑誌の写真撮影だったわ。お祭り会場で自然な感じでお願いしまーすって」
伊織「そしたらあの二人、綿あめに林檎飴にタコ焼き、花火まで買って。食べきれない分は私に押し付けてくるのよ!」
春香「はは…。いつも通りだね」
伊織「流石にはしゃぎすぎで撮影どころじゃなかったわよ」
真「ただいまー!」
雪歩「ただいまですぅ」
響「ただいまだぞー!」
―――説明中―――
雪歩「私は一回だけ」
響「私も一回だぞ」
真「ボクは三回だよ…」
春香「へぇ!三回も」
伊織「やるじゃない」
真「それが…駄目なんだ!」
千早「?」
真「ボク、ボク…」
伊織「な、何よ」
真「女の子なのに男物着せられるんだぁ! どうして僕だけこんな仕打ちを…」
雪歩「げ、元気出して真ちゃん! と、とっても似合ってたからぁ!」
響「そ、そうだぞ! テレビで見たときすごくかっこよかったぞ!」
真「それが駄目なんじゃないかぁぁ…」
千早「……謎は深まるばかりね」
貴音「ただいま戻りました」
春香「貴音さん! 実は…かくかくしかじかで」
貴音「ほう。それは不思議ですね」
千早「四条さんは浴衣の仕事ありましたか?」
貴音「それが、今年はないのです」
貴音「…恐らく、ですが」
春香「?」
貴音「今年の夏は千早や伊織、亜美、真美。それに他のぷろだくしょんの面々が需要を満たしているのでしょう。流行り、というやつでしょうか」
千早「なんだか、ごめんなさい」
貴音「どうして謝るのです。それに、今年の夏は、です。それにわたくしがらーめんろけ等で忙しいというのもあるのです」
美希「貴音、ひそかに対抗心メラメラなの!」
春香「わ、私も負けてらんないよ」
千早「そうね。次の仕事、私頑張るわ」
貴音「それが良いです。千早」
あずさ「ただいま~」
美希「おかえりなさいなの!」
あずさ「ふぅ。暑いわね~」ドサッ
春香「なんですかそれ?」
あずさ「これは水着よ~。今日はプールで撮影があって、企画で自分の水着を持っ来てって言われたんです~」
春香「鞄パンパン…。何着持って行ったんですか?」
あずさ「選べなくって。それに古いやつも多いから、どれを持って行けばいいか迷っちゃって~」
春香「それで全部持って」
千早「へぇ」
あずさ「行きは軽かったんですけど~」
美希「帰りは水を含んでるから重くなるのは当たり前なの!」
あずさ「それもそうね~。うっかりうっかり。ところでなんのお話?」
千早「かくかくしかじかで」
あずさ「私も一回もないわねぇ。貴音ちゃんと同じよ~」
春香「去年はあって今年はない、ってことですか?」
あずさ「そうよ~」
千早「やっぱり流行なのかしら」
春香「あずささんと貴音さんは今年浴衣の仕事はない…。美希もなし…」
美希「反対に千早さんの浴衣のお仕事は次も合わせて六回あるの…。真君も三回…」
春香「伊織、亜美、真美は二回ずつ。私と雪歩、響ちゃんは一回ずつ…」
美希「6、3、2、1、0 なの」
千早「でもあずささんと美希には水着の仕事があるわ。……!」
春香 美希「!」
千早「そんな…」
春香「い、いや! それはないよ千早ちゃん!」
美希「そ、そうなの! 偶然なの! それはないない」
千早「……それって?」
春香「それというのは、その…」
P「おう!ただいま!」ガチャ
やよい「うっうー! ただいまですー!」
P「千早! 次の浴衣ロケのことだけど、やよいも一緒に参加することになった」
やよい「千早さんよろしくお願いしますー!」
P「って千早? どうしてそんな浮かない顔してるんだ? やよいとの仕事心待ちにしてただろ?」
千早「胸が…」
P「?」
千早「私には胸がなくて浴衣が似合うから、浴衣の仕事が多いんですか! 胸がないのが古き良き日本なんですか! 」
P「は、はぁ? 何言って」
千早「どうなんですか!」
P「俺に聞かれてもなぁ…。あちらさんから一方的にきた仕事だからなんとも…」
千早「…くっ!」
春香「千早ちゃん!駄目だよ!」
貴音「そうです」
千早「春香? 四条さん?」
千早「でも…」
春香「千早ちゃんだけ浴衣の仕事が多いってことは、皆の仕事状況から考えると確かにそういう理由があるのかもしれない!」
千早「…」
春香「でも忘れちゃダメだよ。それも含めてファンの人が千早ちゃんの浴衣姿が可愛いって思ってくれてるってこと!」
貴音「次のやよいとのロケ、そのような暗い顔で出るつもりなのですか?」
千早「それは…」
春香「ファンの人たちだってそんなの望んでないよ…」
千早「春香…。四条さん…。ごめんなさい。私、ファンの人たちのこと考えてなかったわ」
春香「私こそごめん。ちょっと大声なんか出しちゃって」
千早「高槻さん」
やよい「はい!」
千早「次のロケ、よろしくね」
やよい「はい! 今から楽しみです~!」
終
―――――――――――
打ち上げ花火をバックにした浴衣姿の千早を見て。
千早は浴衣が似合いますね。間違いない。
やよいとのロケ編またやるかもです。あっもう9月だ…夏はまだ続くから大丈夫(?)
短編でしたがここまでありがとうございました。
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