大石泉「されど蒼空曇りなし」 (12)
蝉の鳴き声は、寝苦しい暑さで気持ちの悪い朝を更に嫌にする
昨日の晩は少しばかり夜更かしを、おかげで近く提出のレポートはまとまった
周りから堅い性格と言わるが、それはあくまで他人の評価
他人の前で演じてる訳では無いけれど、多少気にしてしまうのは普通でしょ?
だから家では縛られない、他人の自分と自分の自分を切り替える
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今日も1日が始まった、なんでもない1日が
窓を開ければ蒼空が、天へ突き抜けんと広がって
まるで空が海になったが如く、そこに雲は一片と無し
計算高いと言われるが、計算したく無いものも
友情、絆、愛に自然
私だって女の子、アイドルだってやっている
ロマンチストと言われても、理想主義と言われても
王道だろうとメジャーだろうと定石だろうと
きゅんとくるモノに憧れて、趣きなんて言葉でカッコつけ
私は今、空を見上げて思うのは
いつもと変わらぬこの時が、普通の今が
長く永く続きますように
泉「......」
乃々「....普段からは想像もつかない大石さんみたいで、新鮮味がとても良いと思うんですけどぉ....」
泉「か、改善点は...?」
乃々「え...なんで改善するんですか?」
泉「だってリズムもバラバラ、言葉は幼稚、挙句オチはごく普通、面白みが欠片もありません!」
乃々「亜子さんに影響でもされたんですか...森久保は良いと思うんですがぁ...」
泉「でもぉ...」
乃々「....森久保はポエムが面白く無いといけないなんて思ったこと無いです。森久保は思ったことをまとめて少し言葉を飾っただけ。皆がそれポエムだポエムだって持ち上げてるだけです」
泉「その着飾りが大変なんですよ?辞典で調べるにしても大変です」
乃々「だから着飾らせるんじゃ無いんですよ。思ったことを思ったまま、その時を、日記の様に、風景を思い出せる様に纏めたらそれでポエムだと森久保は思うんですけど」
泉「そんなのでいいの?」
乃々「文香さんじゃ無いから文学なんて大層なことは言えないけど。詩なんだからルールなんてあってないもの。だから人の数だけ正解が出来る。それで良いと思うんですけど」
泉「お世辞でなく...?」
乃々「...。机の下同盟に配って意見を募るで森久保は失礼します...」
泉「や、辞めてぇぇ!!!」
ある夏の日の昼下がり、堅い貴女の過去作は
普段交わりのない私に届きその蒼い空が見えた
それはいつもの暗い影からは見えない青空で
私はまだ貴女の様に真っ直ぐモノへ向かえない
いつか貴女の様になれたなら私は変わってしまっているだろうか
それでも私は私でありたい
真っ直ぐ見つめあえなくて思いを伝えられるって
逃げてきた訳では無いけれど私は今雲の中
いずれ貴女が先の見えない暗雲に飲み込まれても
私はそこで待っている
今の貴女は一片の曇り無き蒼空なり
by森久保
今日森久保ォ!の誕生日だったってことと企画で大石さんのSSを建てました
短かすぎる作品ですが楽しめて頂ければ幸いです
ではごきげんよう
うーん酉ネタばらしは痛い
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