真っ白雪姫 (70)


 とあるお城の窓際に女王様がおりました。

女王「あまり動けないってのは暇なものよねー」チクチク

 愚痴をこぼしながら裁縫に夢中?のようです。

女王「いてっ!?クソ針が!痛ってぇなぁおどれぇ!!」ポタポタ…

女王「はっ、これは…うひひ…」

 なにやらろくでもない事を妄想したようです。

女王「真っ白な肌…真っ赤な唇…真っ黒な髪の毛…」

女王「そんな娘が…私はほしい!!そしてあんな事やこんな事を…」

女王「うっ!?」

女王「ぽんぽんいたい…いたいのぉ…」ガクリ

 おやおや、早速産まれそうですよ。

 よかったですね女王様。(白目)




 こうしてキモい…じゃなかった、綺麗な女王様は可愛い娘を産みました。

 娘は希望通りの容姿を持って産まれました。

 でも女王様は産んですぐに亡くなってしまったようです。  ザマァ

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 娘はすくすく育ち、その容姿から白雪姫と呼ばれるようになりました。

白雪「お花が綺麗ですね、お水あげなきゃ」

白雪「あ、他のみんなにもちゃんとあげますからね」シャァァァ

 白雪姫はとても優しい子。(誰かさんと似なくてよかった)

メイド「姫様ー私も手伝いますよー」

白雪「ありがとうございます、でもメイドさんもお疲れでしょう?」

白雪「お肩をお揉みしますね」モミモミ

メイド「あひゃぁ!?どうしてそんな事を姫様が…」

白雪「?いつもお世話してもらってばかりじゃ悪いかと思いまして」

メイド「あぁ、憧れの姫様に肩を揉まれるなんて…イク…じゃない、気持ちいい…」ビクンビクン

白雪「どうしたのですか?どこか調子が?」

 その性格から誰からも好かれるお姫様として有名となりました。


 一方その頃、継母である新王妃様はというと…。

継母「鏡よ!世界で一番美しいのは誰ぇ?」

鏡『王妃様マジびゅりほー』

継母「おーっほっほっほ!当然よねぇ!!超当たり前っしょー?!」

 真実の鏡という魔法具と向き合っていました。

 王妃様はナルシストだったようです。

継母「じゃあねぇ…これからもっともっと美しくなるのは誰ぇ?」

鏡『マジぱねぇ王妃様』

継母「ですよねぇ!私以外なんてカビたパン程度だしねぇ!」

継母「超ヨユーだっての!をーっほっほっほー!!」

 例えがよく分からないけど満足そうです。

 頭から肥えに突っ込んで汚らしく死ねばいいのに……おっと、なんでもありませんよ。


 白雪姫は成長し、やがて美しい姿になりました。

料理長「おやこれは姫様、お食事はまだできていませんぞ」

白雪「いえ、お料理お手伝いしようと思いまして」

料理長「ひ、姫様を厨房に立たせるなんて…」

白雪「大丈夫ですよ、わたしがしたいだけですから」ニコ

料理長「うーむ、分かりましたよ…でも簡単な事だけですからね?」

白雪「やった♪」

白雪「トントンさせてください!トントン♪」

料理長「さ、さすがに包丁は…」

 興味を持つのは良い事ですが、後先などは考えてないようです。

 白雪姫の優しさは日を追うごとに増していっています。


継母「鏡よ!世界で一番美しいのは誰ぇ?どうせ私っしょ?」

 また懲りずにこのウンk…王妃様は鏡に問いかけています。

鏡『シンデレラマジきゅーと』

継母「だっ誰よそれぇ!?」

鏡『間違い、白雪姫マジぷりてぃ』

継母「白雪姫ですって…!?本気で言ってるの!!」

鏡『ワタシ、ウソ、ツカナイ』

鏡『白雪姫と比べたら王妃なんて月とイボイノシシぐらいの差が――』

継母「きえぇぇぇぇぇぇ!!」ガシャーン

鏡『』チーン

継母「白雪姫めぇぇぇ!!まじむかぁぁぁぁぁ?!」

 自分より美しいと言われ、激おこになってしまいました。

 ……イボイノシシでなくブロブフィッシュの方がよかったか。


 白雪姫はメイドと森の奥へ来ていました。

メイド「申し訳ありませんが、ここでしばらくお待ちになっててくださいね?」

白雪「はい、待ってますね」

 メイドは白雪姫をその場に残して去っていきました。

白雪「うーん、戻ってくるまでどうしてようかな…」

白雪「…」キョロキョロ

白雪「ららら~♪」

小鳥「ちゅんちゅん」パタパタ チョコン

ウサギ「ふんふん」ピョコピョコ

リス「ちちち」チョロチョロ

 歌に誘われて小動物たちが集まってきたようです。

 白雪姫はどんな生き物にも好かれてうらやましい限りです。


白雪「…ふぅ、ちょっと疲れちゃった」

小鳥「ちゅんちゅん」

白雪「あら?いつの間にか観客がいたのね」

白雪「パンくずで良いならどうぞー」プチプチ パラパラ

小鳥「ちゅんちゅん」ツンツン

ウサギ「ふんふん」モキュモキュ

リス「ちちち」モリモリ

 小動物にも好かれるなんてどこまでいやら…優しい白雪姫なのでしょう。

白雪「でもいつまで待っていればいいのかな…」

白雪「…」

白雪「ちょっと周りを散歩してようかな」テクテク

 やはり考えるのは苦手なようです。

 普段来ない場所なのかすごく楽しそう。


白雪「~♪」

メイド「…」コソコソ

 去ったはずのメイドは何故か白雪姫の後ろをつけていました。

メイド(王妃に姫様を殺せと言われたけど…)

メイド(できるわけないでしょ!?ばっかじゃないの!!)

 ちなみにこれより前に猟師に同じような事させて失敗しています。

メイド(姫様に酷い目に合わせるぐらいなら襲うっての!性的な意味で)

メイド(あの柔らかくて白い素肌を舐め舐め…ゲヘヘ)

メイド(全身余すことなくむしゃぶりつきたい…!!)

メイド(おっと、姫様を見失わないようにしなきゃ)

メイド(でもこのままどうするかな…どこかで二人で住んできゃっきゃうふふ…)

 メイドはただの変態だったようです。 キメェ


小人「オレたちゃ無敵の小人さ~♪」

小人「どんな相手もいちころよ~♪」

小人「だけど酒と女にゃ弱い~♪」

小人「ダメじゃねぇか、全然無敵じゃないぞ」

 白雪姫の前に小人達(一匹だけ明らかに性格が違う)が歩いてきました。

白雪「あら?」

小人「女だ女♪」

小人「人間のメスだメス♪」

白雪「前にお会いになった小人さん達ですか?」

小人「いつぞの白い嬢ちゃんか」

小人「また迷子とは正気の沙汰じゃねぇな、おい」

 どうやら初対面でなく再会だったらしいです。


白雪「今回は待っててと言われて待機してただけですよ」

小人「待てと言われて待つ馬鹿がいますか♪」

小人「ハゲと言われたら落ち込む馬鹿ならここにー♪」

小人「エロと言われたらテンション上がる馬鹿もここにー♪」

小人「お前ら黙れ」

小人「悪いが嬢ちゃん、こんな場所に放っていかれる時点でおかしいと気づくんだな」

白雪「え?でもメイドさんはちゃんとここで待っててくださいって…」

小人「それは外面はそう言うのが普通よぉ」

小人「前回もそうだがきっとあんたは悪意によってこの森へ放り出されたんだ」

白雪「悪意?これの事ですか?」プチッ

小人「いや…」

 それはアケビですよ、白雪姫。


小人「これからどうするんだ?」

白雪「もう少し待ちますよ、メイドさんすぐに戻ってくるだろうし」

小人「危機感がなさすぎる♪」

小人「たまには真面目に会話に乱入♪」

小人「かわい子ちゃんには挿入♪」

小人「おいやめろ♪」

小人「もうお前ら帰ってろ」

白雪「くすくす…相変わらず面白い方達ですね」

小人「笑ってる場合じゃないんだがな…」

小人「しかたねぇな、嬢ちゃんの言うようにオレ達も少し待つとするか」

 何も分からず対応のしようがないので小人達も待ち合わせ場所で待つ事にしました。


メイド「むむむ…」

メイド(姫様の周りにちっさいおっさん共が群がってる…)

メイド(見ている感じ悪さしたりはなさそうだけど心配だなぁ)

メイド(そろそろ姫様と合流して遠くの地に移住していちゃいちゃしようと思ってたのに…)

メイド(ん?おっさん共が枝を集めだした?)

メイド(それを燃やしはじめた…いや、どうやって火つけたんだよ…)

メイド(そのまま火を囲って踊りだした…って!?)

メイド「キャンプファイヤーは暗くなってからだろJK!!」ガサッ

小人「なんか来たぞ♪」

小人「メイド萌え萌えー♪」

白雪「え?メイドさん?」

メイド「OH…」

 あらら、ついツッコんでしまったので隠れてるのがばれちゃいましたね。


小人「それじゃああんたはこの嬢ちゃんに悪意はないと?」

メイド「もちろん!むしろ大好きだし」

白雪「悪意あります、ほら」パタパタ

小人「…」

 それはアゲハですよ、白雪姫。

メイド「元凶は王妃様よ!あの人がこんなおいしそうな姫様を殺…げふんげふん」

白雪「わたし食べ物じゃないですよ?」

メイド「この無垢さよ!?こんな天然記念物大事にする以外選択肢ないでしょ!?」

小人「うん…あんたの歪んだ愛情はよく分かった…」

 ちっさいおっさん(まとも)と変態百合女の会話はしばらく続きました。

 その間、白雪姫は他の小人達と火を囲って楽しく踊っていたそうな。


メイド「じゃあ準備するまではあなた達の家にお世話になるわ」

白雪「また家事をお手伝いすればいいのですか?」

小人「そうしてくれるとありがたい」

小人「またニート生活が満喫できるぞー♪」

小人「うひょー堕落生活最高♪」

メイド「完全に人任せにする気じゃない…」

小人「オレたちゃニート予備軍だからな」

小人「遊び以外じゃまず働かないのさ」

メイド「それでよく生きてこれたものね…」

白雪「はら、早く掃除してあげましょうよ」

白雪「汚れちゃってたら体に悪いですしね」

メイド「そういう問題ではないんですがね…まぁやるけど」ゴソゴソ

 部屋の中を徹底的に掃除するようです。


 その頃、王妃様はやっぱり怒っていました。

継母「ちょっとぉ!メイド戻ってこないんだけどぉ?」

兵士「メイドさんですか?少し前に辞表出して出て行きましたが…」

継母「はぁ?!まだ仕事中だったはずだけどぉ!それに辞めるなんて聞いてないわよぉ!!」

継母「あいつとっ捕まえてここに連れてきなさいよぉ!!」

継母「絶対裏切ったんだわ、あのダメイド!!」

兵士「しかしあの人は…」

継母「問題でもあるのぉ!?行かないとあんたの首も飛ぶと思いなさぁい!!」

兵士「わ、分かりました…」ドタドタ

継母「白雪…メイドを味方につけたようだけど絶対生きて返さないからねぇ?!」

継母「美しいのはこの私なのよぉ!!よーっほっほっほ!!」

 笑い方が安定してないぞおばさん……おっと、失礼。


小人「おーいお嬢さんたちー♪」

メイド「なに?」

小人「何だか兵士達が探しているみたいですぞー♪」

メイド「兵士?姫様と愛の逃避行がバレたのかしら…」

メイド「ちょっと話し合ってくるから姫様を外に出さないで」テクテク ガチャ

小人「視姦ぐらいしかできないから安心すれー♪」

メイド「ホントに大丈夫かしら…」パタン

白雪「この本はどこにしまえばいいのですか?」

小人「それはその隅にでも積み重ねておいてくれ、家具なんて気の利いたものはないんだ」

白雪「あららー」

白雪「何ならお作りしましょうか?」

小人「あんた姫の癖にそんなスキルまで持ってるのか…?」

 白雪姫はできなくてもしようとするようです。


メイド「お探しの人物はここにいるわよ」ガサガサ

兵士「!!みんな!メイドがいたぞ!!」

メイド「あら、随分と数そろえてきてるのね」

 兵士達が集まり、15人ほどになりました。

兵士長「姫様はどうした?」

メイド「ノーコメント…と、言いたいけど無駄に時間かけるのも面倒だから正直言うわ」

メイド「彼女をどうこうする気ないしお城に帰す気もないわ」

兵士長「それは命令違反で反逆と受け取っていいのか?」

メイド「どうせそうなると思って辞表出したのよ」

兵士長「今ならまだ戻って謝れば何とかなるがどうする?」

メイド「あのナルシーババァに?あははっ!謝るどころか唾吐きかけてやりたいわ!!」

 あまりの暴言に兵士達はざわざわしだしてさぁ大変。


兵士長「こうなったら実力行使しかないな…いけ!!」

兵士長「相手は丸腰だ!恐れる事はない!!」

メイド「そう思うのが普通よね?」スッ

兵士「きぃえぇぇぇぇぇ!!」シュッ

メイド「やれやれ…姫様のためとはいえ、荒っぽい事はもうしないと決めてたんだけどなぁ」カシャンカシャン

メイド「私に刃向けた以上覚悟できてんだろうねぇ?!」シュバァン!!

兵士「ぐはぁ!?」「げふぁ!?」ドサドサ

メイド「もう半分か、普段あんたら何してるわけ?ひ弱すぎ」ヒュンヒュン ドン!

兵士長「携帯用の槍なんてあったのか…」

メイド「これ?手作りだからどこにも売ってないわよ?他もかかってきなさいよ」チョイチョイ

 メイドさんは過去にとある軍の最強の槍兵だったそうな。

 その後、幼い白雪姫に出会って一目惚れとかなんとかかんとかでメイドになったそうな。


白雪「んしょ…できた!」トンテンカン♪

小人「…これが本棚?」

小人「どこのゴミ箱かと思ったZE♪」

小人「いやいや、立てかけるんじゃなくて本を床に置いて汚さない箱なんだよきっと♪」

白雪「あれー?」

メイド「ただいま」ガチャ

白雪「おかえりなさい、どこ行ってたのです?」

メイド「姫様のファンが押しかけてきたので門前払いしただけですよぉ」

小人「絶対違うだろ」

白雪「えっと…これですか?」ポフ

 それはパンですよ、白雪姫。

メイド「アホの子な姫様かわいい~」

 白雪姫を変な目で見るメイドさんは全然かわいくないですよ。


継母「はぁ~?返り討ちにされたぁ?!」

兵士長「メイドさんは元々我々寄りの人間でして…」

継母「つーまーりー!力技じゃ白雪にすら近づけないわけね?!」

継母「ふん…なら他の方法使えばいいじゃない」

兵士長「申し訳ありませんが我々はこれ以上は…」

継母「あんた達の力なんて借りる必要ないわぁ!!」

継母「私一人であんな小娘いてこましてきてあげる」

 どうやら王妃様一人でなにやらやらかすようです。

兵士「あの人じゃ無理だろ…」ボソボソ

兵士「頭悪いし、空気も読まないときたもんだ…」ボソボソ

兵士「前女王様もかなりアレな人だったけどこの人は完全にイッちゃってるよな…」ボソボソ

継母「じゃあ行って来るわよぉ!待ってなさい白雪!ふぉーっほっほっほー!!」

 悪口を聞く耳すら持ってないとかどれだけ残念なんだこの肥女は……おっと口が滑りました。


メイド「それじゃあそろそろ――」

 「すみませぇーん」

白雪「あら?誰かしら?はーい」パタパタ

メイド「OH…」

小人「まるで自分の家のごとく自然に~♪」

小人「軽やかなステップでお出迎え~♪」

小人「それより部外者のお前が出るのかよってツッコめよ」

白雪「どちらさまで?」ガチャ

物売り「おんやぁ、これはかわいらしいお嬢ちゃんだねぇ」

物売り「そんなあなたに似合う物があるんだけど見ていかないかね?」

白雪「どのような物なのですか?」

物売り「ひょーっほっほ…これだよ、超良い素材で作られた腰ひ――」シュル

メイド「結構です」ジョキン

物売り「!?」

 まさかのハサミちょんぱキターッ!!


メイド「買う物はありませんのでお引取りください」グイー

物売り「え…ちょ――」バターン

 物売り(肥)はアホ面をしたまま放り出されました。

白雪「あー…一体どんな物だったのでしょう…」

メイド「姫様には不要の物ですよ」

メイド「それにダメですよ、知らない人を確認せず勝手に招いちゃ」

小人「だからって商品?を迷いなくちょんぱするのもどうかと思うぞ」

メイド「だって殺意プンプンだったんだもの」

メイド「誰か知らないけど私の姫様に手を出そうとするヤツは絶対排除する」

白雪「殺意?生のお魚の切り身ですか?」

 それは刺身ですよ、白雪姫。

小人「それならさっさと離れたほうが良いな」

メイド「言われなくてもそうするつもりだったのに邪魔が入ったのよ…」


メイド「それじゃ今度こそ出て行くわ」

小人「そうか、世話になったな」

メイド「こっちこそいきなり押しかけて悪かったね」

小人「また遊びに来いよおらぁ♪」

小人「でないとI☆TA☆ZU☆RAしちゃうぞ♪」

小人「トリックオアスイーツ(笑)♪」

メイド「はいはい、それじゃあね」ガチャ パタン

白雪「お元気でー」フリフリ

小人「…行ったか」

白雪「そうですね」

小人「それじゃまた自堕落生活満喫するぞー♪」

白雪「じゃあわたしは掃除でも――」

メイド「なにさりげなく残ろうとしてるんですか姫様ぁ!?」バァン!

 一人出て行こうとしたメイドさんは涙目だったという。


小人「お腹すいたよーん♪」

小人「お腹と背中がガッチムチ♪」

小人「と、いうわけで食事の用意をお願いしたい」

メイド「いやいや、私らもう出て行くから」

白雪「あら大変、何かおいしいもの作らなきゃ」

メイド「姫様!もう小人達には十分奉仕してあげたでしょ!?もう行きますよ!!」

小人「ふっ、出るといいさ♪」

小人「この暗がりで出りゃ狼が軍をなして待ち構えてるぜ♪」

小人「いや、獣に軍はねぇだろ」

メイド「ふっ、狼ぐらい私の槍術で…」ガチャ ソー

 ガタガタガタガタガタガタ!ゴンゴンゴンゴンゴンゴン!

 「女の匂いがする!」「処女!?処女なの!?」「食いたい!色んな意味で!!」

メイド「…これは色んな意味でないわー」パタン ガチャリ

小人「無理せず食事でも作って落ち着いてたらどこか行ってくれるさ」

白雪「なーにをつっくろうかなー♪」

 さすがのメイドさんも狼(性的な意味で)の相手はしたくなかったそうです。


継母「くっ…あのゲスメイドが超ウザね…」ガサガサ

継母「また小人共の家まで来たはいいけど……なにこれぇ?」

狼「おらぁ!女だせやぁ!いるのは分かってんだぞ!!」ガンガン

狼「出さねぇと鼻息で家ごと吹っ飛ばすぞゴルァ!!」

 それは別の狼ですね。

狼「ならババァ丸呑みしてババァに成りすますぞワレェ!!」

 それも別の狼ですよ。あと私(語り手)の言葉に反応しないでください。

継母「これだけいればメイドどころか白雪もやってくれるんじゃないかしら?」

継母「ちょっとそこの狼達、話があるんだけどぉ?」

狼「あぁ?ババァは眼中にないから消滅しろや!!」

狼「そのぶっさいくな面メッタメタに切り裂かれたいのか!?さっさと失踪しとけ!!」

継母「なぁっ!?」

 美しい(笑)王妃様は顔を真っ赤にして激おこスティ(ryになってしまいました。


継母「と、いうわけで二人を襲ってほしいのだけど?」

狼「なんでテメェに命令されなきゃならねぇんだ、あぁ?」

継母「はぁ?まだ調教が足りないようねぇ…」ドスン!

狼「わ、分かったからその大斧で威嚇するな…な?」ビクビク

 実はこの人は元『きこり』だったそうな。

継母「どんな手使ってもいいから殺っちゃってきてよぉ?」

狼「いいけどよぉ…」

狼「それだけ力あるのなら自分で行きゃよくね?」

狼「しっ、自分の手を汚したくないんだよこの人間はよぉ…」

継母「そんじゃちゃっちゃかちゃと行ってきて」

狼「待てよ、中のヤツに戦いに慣れてやがるのがいるんだろ?」

狼「急ぎてぇのは分かるが無謀に突っ込むのは得策じゃねぇ、返り討ちに遭う可能性が高い」

継母「じゃあどうしろっていうのよ!?超だるいんだけどぉ!!」

狼「簡単よぉ…炙り出すんだよ」ニヤリ

 狼はすごく悪い顔で王妃様に計画を話しだしました。


メイド「…何だか焦げ臭くない?」

小人「もうお食事タイムは終わったZE♪」

小人「恋に焦がれているのかもしてないYO♪」

小人「それは意味が違うぞ」

白雪「ふぅ…ちょっと暑くなってきました」

メイド「確かにちょっと異常なほど暑くなったわよね…」

 その時、窓が突然割れて外から炎が噴き出してきました。

白雪「きゃっ!?」パリーン!

メイド「お怪我はありませんか姫様?!」ササッ

白雪「ちょっとビックリしただけですよ、あーびっくり…」

小人「おいおい…なんで家の周りが萌えてるんだ♪」

小人「字が違うぞブラザー♪」

小人「とりあえずここから出ないと焼け死ぬぞ!いくぞてめぇら!!」

 小人達は(意外と)真面目に扉をぶっ壊して出口を確保したようです。


メイド「さぁ姫様、私達も外へ避難しましょう!」ガシッ

白雪「は、はい!」

メイド(うひょぉう!!姫様の小さくてかわいいおてて!くんかくんか!!)

 こんな時だというのにこのメイドは変態まっしぐらです。

メイド「ふぅ、何とか出れ…」

狼「出てきたぞおらぁ!」バッ

狼「一気に押さえ込んじまえ!!」ババッ

メイド「なっ!?」ドサッ

狼「女、とったどー!!やっほーい!!」

白雪「……あのー」

狼「んだよ!!今からお楽しみタイムなんじゃ!!」

白雪「お楽しみ?パーティでもするのですか?」

狼「決まってんだろ?乱こ………あれぇ?」

 メイドさんは捕まったけど何故か白雪姫は誰も捕まえていなかったようです。


狼「なーにやってんだよ!?大人しそうだしさっさと捕まえろや!!」

狼「それがよぉ…何故か触るのダメな気がするんだわ」

狼「確かに…よく分かんねぇけど汚すと何か悪い気が…」

白雪「あっ!ダメですよ、メイドさんに乱暴したらー」グイグイ

狼「あ、すんません…」サッ

メイド「えっと…ありがとう、姫様」

白雪「もう暗くなっているのだから帰らなきゃダメですよ?」

狼「あ、ヘィ!」ドタドタ

 どういうわけか白雪姫に言われるままに狼達は去っていきました。

メイド「なんだったの…」

小人「おーい、やっと火が消えたぞ」

小人「消火して昇華される♪」

小人「意味不明♪」

 小人達は知らない間に消火活動をしていたようです。


継母「……え?」

継母「ちょ…いきなり失敗してるじゃない…」

狼「すまんおばはん、あの子は手を出してはいけない気がするんだわ」

狼「なんだかさっきまでの欲もなくなっちまったしこれで終わりな?」

継母「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

継母「待ちなさいよあんたらぁ!?意味が全然分からないわ!!」

狼「あんたもこんな所で遊んでないで帰って家事でもしな、じゃあなー」タッタッ

継母「ま…」

継母「白雪ぃぃぃぃぃ!覚えてなさいよぉぉぉぉぉ?!」


 一方白雪達は…。


小人「家がなくなっちまった…」

小人「オレ達のニート生活がYA☆BA☆I♪」

小人「ホームレス生活の始まりか♪」

メイド「また建てるしかないわね」

白雪「家建てるならきっとお役に立てますよ?」

 小人達は家をなくし、途方に暮れていました。


メイド「野宿なんてガールスカウト以来だわ」カラン パチパチ

小人「スカウト♪スカ○ロ♪」

小人「このウ○コ女めー♪ウン○ー○ンコー♪」

メイド「あんたら串刺しにして焼かれたいのか?」ジャキン

小人「串に刺さって小人♪小人♪」

白雪「こうやってみんなでお外で話すのって楽しいですね」ニコニコ

メイド「めったに外出できませんでしたもんね、姫様は」

小人「そりゃ外なんて危険だらけだしな」

メイド「あんたらみたいなのもいるしね」

小人「異議あり!!♪」

小人「こいつらだけよ、オレはいたってまともだ」

白雪「うふふ…」


メイド「んで、家はどうするのさ?」

小人「何とか建てるさ」

小人「そしたらまた自堕落生活まっしぐら♪」

メイド「あっそ、家建てるのぐらいは手伝ってもいいわよ」

小人「まーじでー♪でーじまー♪」

小人「ひょっこりひょうたんでーじま♪」

メイド「意味分かんないけど火をつけられた原因が私達みたいだからね」

白雪「あははははは!うふふふふふふ!」

メイド「…姫様?」

白雪「あーっはははははははは!!」

メイド「いきなり大笑いしてどうしたのかしら…」

小人「もしかしてこれじゃね?」ヒョイ

小人「ペケペケーン♪ハッキョウダケー♪」

 摂取すると頭がしばらくパッパラパーになってしまうもののようです。(とある植物図鑑参考)


継母「馬鹿獣共まで使えないならこの私自身で白雪葬るしかなさそうねぇ」コソコソ

  「あははははははは!あはっあはっ!!」

継母「?」サッ

白雪「うふふふふふ…」テクテク

継母「あの馬鹿娘一人で歩いているわ…これはチャンスよぉ!!」ダッ

継母「この毒櫛で死に化粧してくれるわしらゆきぃぃぃぃぃぃぃ!!」ダダッ

白雪「ふへ?」クルリ

継母「もう遅いわバカナスビがぁぁぁぁぁ!!」ギラッ

白雪「ちぇいさぁ!!」バチーン!

継母「ぶべら!?」ズサー

白雪「こらはべりしにむでらそげに!!いけまぜろきてろし!!」

継母「何言ってるのぉ!?ぜぇんぜん分からないんだけどぉ!?」

白雪「あてょてょてょてょてょ!!」

 あまりの意味不明な怖さに王妃様は逃げ出したそうな。


白雪「あのー、昨日何してたか思い出せないんですけど」

メイド「もう思い出さなくていいですよ…」

小人「走って消えていった嬢ちゃん探すのにどれだけ苦労した事か…」

白雪「はい?」

メイド「もう思い出させないで!!」

小人「それでこれから家作りを始めようと思うのだが」

小人「まずは外壁を作るからオレが言う物をこの辺りから集めてきてくれ」

メイド「分かったわ」

小人「お前ら半分は道具の準備で、残りはメイドの手伝いな」

小人「よしきた♪」

小人「じゃあオレ、メイドさんとランデブーしてくるわ♪」

小人「オレも一緒にランナウェイする♪」

白雪「わたしは何すればいいのです?」ワクワク

小人「遊んでろ♪」

白雪「えーっ!?」

 (変な)小人さんにすら役に立たないと判断されたようです。


メイド「やっとできたわね…」

小人「予想以上に質素♪」

小人「適当にやった結果がこれだよ♪」

小人「そりゃおまえらのせいだ」

メイド「それじゃあ私達は行くから…姫様」

白雪「えーもうお別れですか?寂しいですね」

小人「どこ行くかは知らないが元気でな」

小人「たまには遊びに来てくれな♪」

小人「そしたら全身使って歓迎するぞ♪」

メイド「全身とかあんたらが言うと卑猥にしか聞こえんわ…それじゃあね」

白雪「小人さん達もお元気でー!」フリフリ


 一方、王妃様は…。


継母「全然殺れないじゃない!超むか!!」シャクシャク

継母「おやつにりんご持ってきておいてよかったわ…ん?」

継母「これ使って毒殺すればよくなぁい?」

 またない頭を使ってろくでもない事を思いついたようです。


白雪「これからどこへ行くのですか?」

メイド「姫様の行きたい所ならどこでも~」

白雪「それじゃえっと…えっと…」

メイド「考えてる姿もかわゆいっすなぁ」

物売り「もし、そこのお嬢さん方」

メイド「ま た お ま え か !」

物売り「いっひっひ…今度は食べ物持ってきたよ」

メイド「いらない、帰れ」ジャキン

物売り「ひぃっ!?」

白雪「えー、どんなのか見るだけでもダメですか?」

メイド「うっ…そんな上目遣いされたら断るのなんてできない…」

物売り「ほっ…」


白雪「それでどんな物なんです?」キラキラ

物売り「ものすごい興味津々ね…おっと」

物売り「これじゃよ、『桃源郷りんご』じゃ」

白雪「すごい!虹色のりんごなんて初めて!」

物売り「そうじゃろう?今すぐ食べたくないかね?新たな世界へ旅立つようなうまさなんじゃ」

白雪「食べたいです!」

物売り「だったらひとつサービスとしてあげようじゃないか」

メイド「待ってお婆さん、それが怪しい物じゃないという証拠がないわ」

物売り「…仕方ないねぇ、じゃあ私が食べてみせようかね」シャクシャク

物売り「これでどうだい?別に毒なんて入ってやしないだろう?」

メイド「確かに問題はなさそうね」

メイド「じゃあ次はその反対側に持ってるのも食べてよ」

物売り「!?」

この程度で警戒を解かないメイドに物売り(肥)はさぞビックリしたそうな。


メイド「動きが止まってるよ、食べられないの?」

物売り「いや…食べられなくはないんだけどねぇ…もう私は満腹で…」

メイド「じゃあその商品は買えないね」

物売り「うぐっ…」

メイド「さぁさぁ食べてごらんよ」

白雪「ちょっとりんご見せてもらっていいですか?」

物売り「あ?あぁ、ほら」ヒョイ

メイド「他のでもいいよ?」

物売り「ならこれを…」

白雪「ん…あまりおいしくないかも…」シャリ

メイド・物売り「えぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

 おやおや、勝手に食べちゃいましたよ。


白雪「うーん、おいしかったらいっぱい買おうと思ったんだけど…」

白雪「やめておきますね、ごめんなさい」ペコリ

メイド「か、体は大丈夫ですか!?」

白雪「え?別になんともありませんけど?」

物売り「あれには一滴でピクリと動かなくなるほどの薬を入れておいたのにどうして効かない!?」

メイド「ふーん、やっぱりそういうことだったの?」カシャカシャ

物売り「あ、やばぁ!」

メイド「その声……あなた、王妃様ね?」シャキン

物売り「!?」

 とうとう正体がバレてあら変態(大変)。

白雪「え?お義母様?どこにですか?」キョロキョロ

 白雪姫には何も分かっていないようです。


メイド「まだこんな事してたの」ザッザッ

継母「くっ…」ジリジリ

メイド「私がいる限り姫様には指一本触れさせやしないから」

継母「…バカメイドが!!」ポイッ ダッ

メイド「あっ!待ちなさい!!」

白雪「あれ…」フラ…ドサリ

メイド「え…姫様!?」クルッ

継母「よ、よく分からないけど今頃効いてきたようねぇふぉーほっほっほ!!」ダダダ

メイド「待てバカ女!?」

メイド「ちっ…姫様このままにしておくわけには…」

メイド「姫様!姫様!…うそよ!?そんな…!!」ユサユサ

白雪「…」グタ

メイド「姫様が……死んだ……」

メイド「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」


 コンコン

小人「誰か来たぞ♪」

小人「また家事手伝いでも来たのかな♪」

小人「そんなわけないだろう、さっさと開けろ」ガチャ

メイド「…」

小人「あんたか、どうした?移住地探しに出て行ったんじゃなかったのか」

メイド「彼女を預かってて」フワ

小人「眠っているのか?」

メイド「あの物売り…王妃にやられたわ」

メイド「用があるからちょっと出てくる」ダッ

小人「あ、おい!」

小人「こりゃあまずい事になったな…」

 メイドは自分の元いた場所、お城の方へ走っていきました。

 どうやら王妃様をデストロイするつもりのようです。


小人「眠るように死んでるのか♪」

小人「いたずらしちゃえ♪」ツンツン

小人「触りまくってやるぞフヒヒ♪」サワサワサワ

小人「服の中に入ってあんなところこんなところを…♪」

小人「おいやめろ、この娘は間違いなく息をしてない」

小人「じゃあどうするんだよこれ♪…どうするんだよ…」

小人「数刻前まで楽しそうに動き回ってたのによぉ…」

小人「オ、オレは信じないからな!!」

小人「この子が死んじまったなんて絶対!!」

小人「…せめて綺麗なままで寝かせてやろう」

小人「ヤロウ共、どこかで見つけたガラスの棺あったろう?」

小人「そこへ入れて花を敷き詰めてやろうぜ」

小人「それがオレ達のしてやれる事だ」

 小人達はそのガラスの棺に白雪姫を入れてやることにしました。


小人「お前の笑顔忘れないからな」

小人「おーいおいおい…」

小人「あの作ってくれたへんてこな棚は一生の宝にするからよぉ」

小人「無茶しやがって…」

 小人達は眠る白雪姫を囲って泣いていました。

??「む、あの小さいおっさん共はなにしているんだ?」

 そこへいかにも(色んな意味で)チャラチャラしてそうな男が通りかかりました。

小人「誰だあんた?」

王子「ボクは隣国の王子だ、ここで何をしていたのかね?」

小人「見てのとおりさ、かけがえのない命が終わったんだ」

王子「こっ、これは…!?」

王子「なんてエロくて美しい姿をした娘なんだ!!」

 王子はそれはそれは正直な人でした。(じと目)


王子「彼女をくれないか!?」

小人「はぁ?」

小人「くれと言われても冗談抜きで亡骸だがいいのか?」

王子「かまわない!」

小人「どうするよ、お前ら」

小人「大事にするならかまわないさ♪」

小人「んだんだ♪」

王子「じゃあいいんだね?それじゃあ馬車が近くにいるからそれに運ばせよう」

小人「…」

王子(ふふふ…こんなリアルラブドールを手に入れられるとは思わなかった)

王子(ただの人形でなく本物!(ただし遺体)きっと感触も最高にいいんだろうなぁ!)

王子(待っててね?帰ったらボクのフルバズーカで気持ちよくしてあげるから!)

 王子かと思ったらただのマジキチだったようです。


メイド「どけぇ!!」ブゥンブゥン

兵士「ぎゃぴ!?」

メイド「出てこい王妃ぃ!!お望みの綺麗な肉片にしてやるから!!」

継母「に、肉片なんて望んでないし美しくないわよぉ?!」

メイド「そこかぁ!!」ドドド

継母「ひぃ!?つい返事をしてしまったわぁ!超やばじゃないのぉ!?」バタバタバタ

継母「こ、この大扉の先へ行けば絶対追ってこられないっしょ?!」ギィィィ…バターン!!

継母「ふぅ…これで超安し――」


 ドガガガガガガガ!ドスーン!!


継母「槍で扉に風穴開けるとか人間業じゃないわぁぁぁ!!」

メイド「あんたに安置はない」ジャキン

継母「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」ジョバー


メイド「どうして姫様を殺した!?」

継母「え、えぇっ!?」

メイド「…どうしてそんな反応するのよ?」

継母「た、確かに最初は殺そうとしたわよぉ…」

継母「で、でもそれだけじゃ面白くないから死にたくなるほど苦しめようとしただけなのよ…」

メイド「じゃああれはなんだってのよ?」

継母「あのりんごには即効性の睡眠薬を混ぜていたのよぉ」

継母「寝込んで隙を見てゲスみたいな奴らの所に放り込んでやろうと…」

メイド「どっちにしろ悪いわぁぁぁl!!」ドスッ

継母「いやぁぁぁぁ死にたくないのぉぉぉ!!」

メイド「じゃあ死んでないのね?」

継母「あのままりんごが体に入ってたら永遠に寝るかも?」

継母「だから放って帰ってきたんだけど」

メイド「早く出し方教えろバカ女!!」ドスドスドス

継母「分かったからその槍しまってよぉ!?」


メイド「あんたら!姫様は!?」バァン

小人「お、戻ってきたか」

メイド「いいから姫様どこ!?」

小人「イケメン王子が連れて行ったぞ♪」

小人「死んでも人気者♪」

メイド「はぁぁぁ!?」

メイド「何で勝手なことしたんだあんたら!!」

小人「そりゃもう亡くなってるわけだし?♪」

小人「人形と同じもんじゃないっすか姉貴~♪」

メイド「あほかぁぁぁぁ!!まだ姫様は死んでなかったんだよ!!」

メイド「その王子とやらはどこ行った!?」ジャキ

小人「ノーノー、その槍はしまっちゃおうねー♪」

メイド「やかましい!さっさと言え!!」

 小人達はメイドにボッコボコにされました。


小人「こんなに体格差がある相手に本気とか…」

小人「教育がなってないザマス♪」

小人「ザマスザマスの――」

メイド「は?なんて?!」ドンッ!!

小人「な、なんでもないザマス…♪」

 その時、止まっている馬車が見えてきました。

 間違いなくキチ王子の乗っていた馬車に違いありません。

メイド「私の姫様はどこだぁぁぁ!!」

使いの男「へ?」

王子「なんだ?今馬車の修理中だっての…にぃ!?」ドスッ!!

メイド「お前か!姫様さらったのは?!」

王子「さらったってもう死んでたんだろぉ!?」

王子「だからボクのラブド――」

メイド「こんの変態がぁぁぁぁぁ!!」ズドドドド!!

 しかしそういう彼女も変態なのでした。


王子「では本当に死んではいないと?」

メイド「そうよ」

メイド「でもそのままだと危険だから早く処置しないと…」

メイド「姫様はどこに?」

王子「こちらの棺に…いない!?」

王子「さっき車輪が破損した衝撃で外に放り出されたか!?」

 まずそうなった時すぐに気づけよ、と言いたいですね。

メイド「姫様どこ!?」

小人「メイドの嬢ちゃんよぉ」

メイド「何よ!?今はそれどころじゃ…」

小人「あれじゃねぇか?」

白雪「すぅすぅ」

メイド「…どうして木の上に」

 しかも気持ちよさそうに寝息を立てていました。

 飛び出した衝撃で詰まったリンゴが出ていたようです。


 ここは王子の国の城。

王子「あなたは何の罪もない義理の娘である白雪姫を暗殺しようとしていたのですね?」

継母「…」

メイド「返事が聞こえませんよ?」ドンッ!!

継母「ひっ!?」

継母「そ、そうですわぁ…」

継母「私以上に美しい存在などいてはいけないのよ…!!」

メイド「鏡見ろやババァ!!」ジャキ

継母「いやぁぁぁ!?殺さないでぇぇぇ!?」

王子「メイドさん落ち着いて…」

メイド「コイツが姫様の命狙う以上存在を許してはいけないのよ!!」

王子「貴女が彼女が大好きなのは分かったからとりあえず下がってて…」

メイド「ちっ…」


王子「貴女がやろうとした事は許しがたい事です」

 お前がやろうとしたこと(死体と××××)もな。

王子「それ相応の罰を受けてもらうことになります」

メイド「…」

王子「悪いけど『なら私がこの手で…』って顔で槍構えるのやめてくれる…?」

継母「どうして私がこんな目に合わなきゃいけないわけぇ!?」

継母「ただ一番美しくありたかっただけなのにっ!!」

メイド「だからって鏡に裏切られただけで姫様に手を出すのが許されるとでも!?」

王子「メイドさん」スッ

王子「彼女は貴女に何もしていません、それで襲ってはただの無差別の殺人鬼と同じです」

王子「だから―――」

白雪「あの…ちょっとお義母様とお話していいですか?」

 おや、黙ってやり取りを見ていただけの白雪姫が声をかけてきました。


白雪「お義母様」

継母「…なによぉ?」

白雪「お義母様はわたしのほうが綺麗だから怒っているのですよね?」

継母「そうよ!あんたさえいなければ?!」

白雪「わたしはお義母様のほうが綺麗だと思いますけど」

継母「ふじこふじこ…・・・へ?」

白雪「ほら、お義母様のほうがお年を召しているから若いわたしのほうがそう見えるけど」

白雪「同じ年ぐらいの人と比べたならきっと一番だと思いますよ、自信持ってください!!」ギュッ

継母「…」ポカーン

メイド「その発想はなかったわ」

王子「どこまでも心が澄んでらっしゃるようだね、彼女は」

 ここには心が腐ってる者ばかりですけどね。


継母「自分が殺されかけておいて怒りもしないわけぇ?」

白雪「そうだったのですか?怖いですね」

継母「それだけぇ!?」

継母「同じ家に住む信頼している者相手に殺されかけたのよ!なのに何よその態度は!?」

継母「ふざけるのもいい加減にしてよぉぉぉ!!」

白雪「わたし、考えるのって苦手なんですよ」

白雪「でもお義母様を馬鹿になんてしていません」

白雪「血がつながってなくてもわたしには母はあなたしかいませんし」

白雪「嫌いになってなれません」ニッコリ

継母「…」

メイド「さすがに分かりますよね?姫様が嘘などついていないということを」

継母「私は…私はぁ…」

継母「あなたなんて大っ嫌いよぉぉぉ…」ポタポタ

 王妃様は自身のしようとしたことの後悔と白雪姫の純粋さに涙が止まらなかったそうです。


 結局、白雪姫はお城へ帰ってきました。

白雪「何だかすごくいい匂いしますけど、これは何をしてるところなんですか?」

兵士「へ?落ち葉を燃やして焼き芋を…」

白雪「お芋?食べられるのですか?」

兵士「あ、はい…」

兵士「皆に内緒でおひとつ食べていかれますか?」

白雪「いいのですか!?ほしいです!!」

兵士「じゃあ出来上がるまでしばらく待っててください」ガサガサ

白雪「まだかなまだかな~♪」

メイド「姫様こんなところにおられま…」

兵士「…この件についてはどうか内密に」

メイド「出来上がりひとつで手を打とうじゃないですか」

兵士「分かりました…しばらくお待ちを…」ガサガサ

白雪「ほっかほか~♪やっきたてお芋~♪」

 兵士はこっそり焼いていた焼き芋を二人に奪われてしまいましたが満足そうな顔でした。


継母「白雪ぃ」

白雪「なんですかお母様」

継母「…」ジー

白雪「?」

継母「行っていいわ」

白雪「…?はい、失礼しますね」テクテク

継母「日に日に美しくなっていく白雪…」

継母「一体何をすればあそこまでなれるのよぉ!?」

継母「天然!?天然ボケなの!?」

継母「もしそうなら私はどうすればいいのよぉ!!」

メイド「…」

継母「ひっ!?」ビクーン

メイド「無駄に意識するから駄目だと思われ」

メイド「自然体で相手のことなど気にしないようにすれば良いかと」

メイド「では」テクテク

継母「…自然体…か」

 肥…王妃様は何かを悟ったようです。


王子「やぁ白雪姫、迎えに来たよ」

白雪「あぁ、王子様お久しぶりです」

王子「(二日前に会ってんだけど…)ははは、相変わらず可愛いお方だ」

王子「今日こそは君にボクの想いを伝えようと思ってね」

白雪「なんですか?」

王子「君を一目見た時からその姿を視姦…視界から離すのが辛かった」

王子「いつも君を想ってオナ…妄想にふけたりしてしまった」

王子「そして気づいた、君なしではボクは生きていけないと!」

王子「君さえよければボクと生涯のラブド…伴侶となってくれないだろうか?」

白雪「えっと…は――」

メイド「…」ドンッ!!

王子「!?」ビクッ

メイド「また姫様を狙って来ましたか、変態王子様」

王子「どうしてあなたはいつもボクと彼女の邪魔をするんだ?!」

メイド「そりゃ姫様を守るという使命があるから」

王子「とかいいながら百合百合しい事ばかり考えてるのは誰だい!!」

 所謂、類友というやつのようです。


メイド「あんた最初姫様を大人のおもちゃ扱いしてただろ!?」

王子「違うよ!いや、違わないけど…」

王子「できるなら生きてる子としたいのが当然じゃないか!!」

メイド「結局それが目的か!さいってーだわ!!」

王子「当たり前だろ!ボクは王子だけど男でもあるんだ!!」

メイド「だからって体だけ見てるってのは人としてどうなんだよ?!」

白雪「…」

白雪「お外に出かけてこよっと」テクテク

メイド「私は姫様のすべてを愛してるんだ!!」

メイド「あのぼんやりしたところもあの無垢な笑顔も全部!!」

王子「ボクだってそうさ!!」

メイド「だったらエロい事は封印してから付き合ってみろ!!」

王子「ふ、そんな事して彼女が本気出したボクから離れたくなくなったらどうするつもりだい?」

メイド「その場合は殺すわ」ジャキ

王子「どっちにしてもダメじゃないか!?」

 変態二人が言い合いしている間に白雪姫は勝手にどこかへ出かけてきました。


 こうして白雪姫は毎日を楽しく過ごしましたとさ。

 めでたしめでた――

白雪「あの、何しているのです?」

 へ?

白雪「ずっと気になってたんですよ」

白雪「一人で何かおしゃべりしていたようですから」

白雪「お暇なら一緒におしゃべりしましょ?」

 私はただの語り手なのでこちらに話かけないでください。

白雪「えーなんでですかぁ?」

白雪「二人でお話したほうが楽しいですよ」

 いや…だから…。

白雪「ほらほら、行きましょ?」グイ

 どうしてこうなった…。

 おつむが空っぽだと入り込めない領域にまで干渉できるのだろうか?

 そして私はどうなるのだろうか…。


メイド「姫様ー!どこですかー?」

白雪「メイドさんだ、こっちですよ」

メイド「あぁ、こんな所まで来てたのですか…」

メイド「勝手にどこか行っちゃダメでしょう?(じゃないとイチャイチャできない)」

 「…」

メイド「ところで…どちら様?」

白雪「お友達ですよ、お話してたのです」

メイド「そうですか…どこかで会いました?」

 「き、気のせいだと思いますが…」

メイド「そう?」

白雪「メイドさんも一緒にお話しましょ?」

メイド「はいはい、姫様とご一緒なら何でもしますよー」

 (語り手である私が物語に吸い込まれてどうやって終わればいいんだろう…)

おしまいです

カオスすぎるww


他の童話でもまたやっていただきたい

>>69 実を言うと過去にいくつか同じようなのやった覚えがあります。

すぐ死のうとするシンデレラとかはなんとなく記憶にあるので探してみてください。

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