ﾐｰﾝﾐﾝﾐﾝﾐﾝ…ｼﾞｼﾞｼﾞｼﾞ…

ｶﾞﾁｬ

本田未央「おはようございまーす。……ああ～冷房が効いてる。天国だー。……外は地獄だよ」

ｶﾞﾁｬﾝ

ﾄｸﾄｸﾄｸｯ

ｺﾞｸｯｺﾞｸｯ

未央「はぁ～、生き返った」


ｶﾞﾁｬ

茜「おはようございます！！」

未央「おはよう茜ちん……うわっ大丈夫！？　汗だらだらだよ！」

茜「ランニングをしてきたところです！」

未央「ほら、これ飲んで。麦茶」

茜「ありがとうございます、未央ちゃん……んんっ！？　これはっ」

未央「どうしたの茜ちん」

茜「申し訳ありませんが、これをいただく訳にはいきません！！」

未央「ええ！？　どうしてっ。ちゃんと水分補給しなきゃ倒れちゃうよ」

茜「いえ、大丈夫です。他のものでしっかり水分補給するので」ﾃｸﾃｸ

未央「他のもの？　冷蔵庫にはジュースしかないよ？　って茜ちん、そのポットお湯だよ！？」

茜「問題ありませんっ！！」

ｺﾎﾟｺﾎﾟｺﾎﾟｯ

ｼﾞｮﾎﾞﾎﾞﾎﾞｯ

茜「いただきます！！」

ｺﾞｸｯｺﾞｸｯｺﾞｸｯｺﾞｸｯ

未央(湯気が立ったお茶をイッキ飲みしてる……)

茜「ぷはぁ～、今日もお茶がうまい！！」

未央「茜ちん、大丈夫？　氷持ってこようか？　それとも冷えピタの方がいい？」

茜「ご心配なく。私は元気いっぱいですっ」

未央「ええ……でもこんな暑い日に熱々のお茶を飲むなんて。ねえ、本当に大丈夫？　幻覚とか見えてない？」

茜「とんでもありません！　夏こそ熱いお茶を飲むのがいいんですよ」

未央「ええ～、うっそだぁ」

茜「本当です！　みなさん暑くなると冷たいものを欲しがりますが、これは長期的に見ると悪影響が多いんです。……未央ちゃん、夏バテの原因はなんですか！！」

未央「う～んと、暑くて体力を消耗するから？」

茜「それもあります。ですが、残念ながら今の日本では食欲不振で栄養不足になることが最大の理由なのです。そして、冷たいもののとりすぎは、栄養不足へ直結しているのです！！」

未央「そういえば、ジュースやアイスの食べ過ぎはよくないっていうよね」

茜「はい！！　水分のとりすぎは胃液を薄め、消化能力の低下につながります。また、冷たいものはリンパ線の働きを弱め、代謝を悪くします」

未央「なるほど～。でも、なんでそこで熱いお茶につながるの」

茜「はい、実は体の温度を下げるのにもっとも効果があるのは汗をかくことなんです！！　未央ちゃんは暑い日に激しいレッスンをしたあと、体がやる前よりも楽になった経験はありませんか？」

未央「ああー、そういわれればあるかも」

茜「汗をかくことによる体温低下効果は、冷房よりもはるかに大きいんです！！　また、冷房の場合、体の中心部の熱が残ってしまうことがありますが、汗の場合、その心配もありません」

未央「なるほど。じゃあ、外に出て汗をかいてくればいいのかな。あんまり気が進まないけど」

茜「いいえ、それはいけません！！」

未央「え、なんで？」

茜「外の日差しは強すぎるため、このように暑い日は熱中症の危険があります。しか～しっ、熱いお茶ならその心配もありませんっ。水分補給に加え、体を内側からあたためるため、体の温度を適度に保つことができるのです」

未央「へえ、そっかー」

茜「ふむ、信じられないようですね。では未央ちゃん、実践してみましょう！！」

未央「えっ、まさか今飲むのっ！？」

茜「はいっ」

未央「いやでも、その」

茜「大丈夫です、なにも怖がることはありません。辛いのは一瞬です」

未央「うう、わかった」

ｺﾎﾟｺﾎﾟｺﾎﾟｯ

ｼﾞｮﾎﾞﾎﾞﾎﾞｯ

ﾄｸﾄｸﾄｸｯ

茜「さあ、どうぞ！！」

未央「ええい、ままよっ」

ｺﾞｸ

未央「うわっ熱い」

茜「その調子です！！」

未央「うう～」

ｺﾞｸｺﾞｸｯ

未央「ぷはっ、どうだ」

茜「おみごとです、未央ちゃんっ」

未央「うへー、……うわっ、すっごい汗出てきた」

茜「じきに楽になりますよ。タオルをどうぞ」

未央「ありがと。……あれ、ふいちゃっていいの？」

茜「べったりでも良くないんですよ。新しい汗が出なくなりますから。湿り気が残る程度に軽くふいてください」

未央「うん、わかった」ﾌｷﾌｷ

未央「……」

未央「…………」

未央「……………………あっ」

茜「どうですかっ！？」

未央「うわーほんとだー、なんだかさっきより楽になってきた気がするー」

茜「実感していただけたようでなによりですっ」

未央「うーん、しかしこうなると最近のアイスやジュース食べてたのがなんだか悔やまれるね。なんだか損した気分」

茜「大丈夫です。今からでも遅くありません。温かいものをとるよう心がけましょう」

未央「うん、わかった。……んんっ、むむむむっ」

茜「どうしましたかっ？」

未央「よしっ、茜ちん。今日食べに行こうよ。善は急げって言うし。キムチ鍋とかどうかな」

茜「いいですね～。ごはんが進みます！！」

未央「よーしっ、今夜はキムチ鍋だ！」

……
……

モバP「―――で、具合悪くなって俺を呼んだと」

未央「さ、寒い」ｶﾀｶﾀｶﾀ

茜「ぼ、ボンバー……」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

モバP「あのなあ。確かに、夏に熱いものをあえて食べるってのは悪くない発想だよ。でもな、なにも激辛キムチなんて食べる必要ないんだよ」

未央「……」ｶﾀｶﾀｶﾀ

モバP「こういう香辛料きかせたやつの中には発刊作用がヤバイくらいのやつがあるんだよ。ていうか温めるっていうより熱の先取りというか」

未央「……うん、めっちゃ汗でた」ｶﾀｶﾀｶﾀ

モバP「しかも、汗で濡れた体に強い冷房浴び続ければなあ。女の子は体が小さい分、影響が大きくなりやすいし。加えて、代謝が落ちてるところにいきなりこれはなぁ。もう少し段階的にだな」

茜「わ、私は普段から熱いものをた、食べていますよ……」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

モバP「いくら慣れてても食べ過ぎれば駄目だ。たくさん食べたんじゃないか？」

茜「……ぐ、具材はそこまで食べていません。ただ……」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

モバP「ただ？」

茜「スープをご飯にひたして食べきりました」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

モバP「それ一番ダメなパターンじゃねえか」

おわり

こんなSSを書きましたが、冷房は迷わず使いましょう。
その上で熱いお茶を飲むのがおすすめです

おまけ
日野茜「藍子ちゃんどうぞ」

…ﾊｧ…ﾊｧ

そんな…無理です…こんなの

私には……とても

…ﾊｧ…ﾊｧ

……えっ、気持ちよくなる？

本当…ですか？

…ﾊｧ…ﾊｧ

辛いのは、一瞬？

…ﾊｧ…ﾊｧ

わかりました……信じます

…ﾊｧ…ﾊｧ

……あ

…ﾊｧ…ﾊｧ

うっ……ああ……熱い

…ﾊｧ…ﾊｧ

……すごく…熱い……です

…ﾊｧ…ﾊｧ

…ﾊｧ…ﾊｧ

……あ……あ、あ

本当だ……少し、楽になってきた

…ﾊｧ…ﾊｧ

なんだか……気持ちよくなってきたかも

…ﾊｧ…ﾊｧ

…………………あっ

……

……

…ﾌｩ

……とっても…いいですね

………ﾊｧ………ﾊｧ

こんなに風になるなんて思いませんでした

………ﾊｧ………ﾊｧ

……えっ、ほかにもいろいろあるんですか？

………ﾊｧ

……はい、もっといろいろ教えてくださいね