とある庭園での会話
「そもそもあの黒球はなぜ生まれたの?」
「それは企業秘密という事にしてもらおう。あえて言うのならば……そうだな。天啓が降ったのだよ」
「天啓ねぇ……仮にも科学の街の長ともあろう貴方が?」
「いずれわかる時が来る。少なくともこの世には我々の理解を遥かに超えた存在がいるという事だよ」
「あら、私達はそういったモノを信仰としているのだけれど?」
「君達の神のような『脆弱』なモノではない。別の次元の存在でもない。この次元に、この宇宙の彼方に存在するモノだ。アレ等に比べれば十字教の神など虫ケラのような存在なのだよ」
「ふーん……その割には貴方が天啓を用いて創り出した数々の道具……神を虫ケラと呼べるほどのモノかしら?」
「我々はアレ等からホンの僅かな知識を得たに過ぎない。この世界には無数の書物があるだろう?我々はその中のたった一冊の書を彼らから受け取っただけだよ。たったそれだけの事さ」
「……彼らがこの地球に侵略する事は?」
「君は虫ケラ以下の存在……微生物のような存在を一々気にしたりするのか?」
「自らが矮小な存在である事を感謝したのは初めてだわ」
「ただし、我々微生物を餌とする虫ケラは存在する。そして彼等にとってこの虫ケラは邪魔でしかない。だから我々は知識を授かったのだよ。虫ケラに対抗する為、させる為にね」
「GANTZ……神が人に火を与えたのなら、アレは人に何を与えたのでしょうね……」
「そういえば何故アレはGANTZと呼ばれているわけ?」
「少なくとも私が付けたわけではない事は確かだ」
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●『めもりーろーどさゅう……めもりーろーどさゅう……』
●『めにゅーを選んでくだちい』
1.上条「……GANTZ?」御坂「黒い球体の部屋?」
上条「……GANTZ?」御坂「黒い球体の部屋?」 - SSまとめ速報
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2.上条「答えろよ……GANTZ!!」御坂「私の前に立つのなら……アンタも潰すわよ?」
上条「答えろよ……GANTZ!!」御坂「私の前に立つのなら……アンタも潰すわよ?」 - SSまとめ速報
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4.一方通行「GANTZねェ……」上条「歯ァ食いしばれよ最強ッ!!」
一方通行「GANTZねェ……」上条「歯ァ食いしばれよ最強ッ!!」 - SSまとめ速報
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?御坂「お願い……GANTZ……」上条「なんだ?このサイト……」
御坂「お願い……GANTZ!!」上条「なんだ?このサイト……」 - SSまとめ速報
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皆さんお久しぶりです。1です。
前のようにのらりゆったりと更新していきたいと思いますのでどぞよろしく。
今度こそ、一方戦、千手戦までいきたいですね。いきましょう。
とりあえず続きは明日の夜になります。それまで暇潰しに過去作でも見て、どんな話だったか思い出しておいてくださいな。
ではまた。
こんにちわ、1です。
少し早いですがゆっくり投下していきます。
前スレが中途半端に終わったので、このスレの出だしは今までとは違い、そのまま前スレの続きで書いていきます。
白井黒子は、自室で疲弊しきっていた。
『妹達』
レベル5、御坂美琴を素体とした20000体ものクローン人間達。
彼女達は、ただただある実験の為に『消費』されていた。
『絶対能力進化計画』
人の身にして、神の域へと踏み入ろうと作られた、悪魔の実験。
それは、20000体の妹達を20000通りの戦闘で殺すというモノ。
彼女達は今この瞬間も、殺され続けているのかもしれないのだ。
それを阻止しようと、素体である御坂と、その後輩であり、学園都市の生徒による自衛組織『風紀委員(ジャッジメント)』の白井は、この数日間必死に闘い続けていた。
しかし
白井「お姉様……私は……もう……」
レベル4の強力な瞬間移動能力者、所謂テレポーターである白井だが、所詮はまだ中学1年の女の子。
ハッキリ言ってまだ子供である。
今この部屋にいない、同部屋の御坂も中学2年の子供。
学園都市の科学者。この実験の責任者であり、妹達を生み出した天井によって極限まで追い込まれた2人の少女には、もはや諦めがあった。
そんな時
ピーンポーン
白井「……誰ですの?もう最終下校時間もとうに過ぎておりますのに……」
部屋のインターホンが鳴り響いた。
常盤台中学の寮は、お嬢様学校の為、非常にセキュリティが高い。
来客は寮の玄関にあるカメラインターホンによって、寮生とやりとり出来るのだ。
白井「!?……貴方は……」
そして、そのカメラに映り込んでいた人物。
それは、彼女達の絶望をぶち壊してくれるヒーローであった。
とある橋の上
御坂「……どうすればいいんだろう……」
御坂美琴は疲弊しきっていた。
妹達。
絶対能力進化実験。
いくら破壊しても増え続ける研究所。
その度に進化していく侵入者への対策。
初期ならば、白井と最強クラスのハッカーである初春のコンビによってほぼ全ての研究所を掌握出来ていたが、今では御坂ですら1日に1つ2つ破壊するのがやっとのレベルである。
学園都市は常に進化している。
昨日の最先端技術が、今日には古い技術と化する程に。
レベル5であり、身体を大幅に強化された吸血鬼の御坂ですら、その進化についていけないのだ。
恐らく、一週間もすれば、たった1つの研究所すら満足に落とせなくなる。
御坂「残された手段はもう第1位を倒すことしか……でも……」
第1位を倒す。
それにより、この実験を行う科学者達に、こう思わせる事が出来る。
『第1位は、本当に絶対能力者(レベル6)の器なのか?』と。
研究所を襲撃していく過程で、学園都市が誇る世界最高のコンピューター『樹形図の設計者』が破壊されている事がわかった。
これにより、科学者達は、実験内容の再演算を行う事ができない。
この実験は、あらゆる綿密なデータを演算して作られたモノ。
つまり、一度実験内容に対してケチがつけば、実験自体が凍結する可能性が高いのだ。
しかし、それは御坂が第1位に勝つ事が大前提。
白井によれば、第1位の能力はあらゆる力の向きを自由自在に操作する『ベクトル操作』
いくら強力な電撃を放っても、所詮は1つの力の流れ。
その向きを変えられれば、その電撃は御坂自身を葬るだろう。
故に、第1位。無敵の存在なのだ。
第1位には誰も勝つ事が出来ない。第1位の評価を覆す事は不可能なのだ。
ならば
御坂「……私の価値を下げれば……ん?」
「ニャーン」
ふと御坂が目を向けると、そこには黒い子猫がこっちを見つめていた。
「ハァッ……ハァッ……」
そして、その向こうには1人の少年が。
御坂「あ、アンタは……」
Prrrr
Prrrr
浜面「ハイ、こちら何でも屋HAMAZURA」
白井「……夜分申し訳ございません。……白井ですの」
浜面「おぉ、こないだはどーもな」
先日、白井と御坂が再会を果たした夜。
白井は研究所を襲撃する際に、『前の』上条に聞いた浜面へと助力を頼んでいた。
元々はサポートとしか考えていなかったが、研究所の防衛についていた暗部との戦いで、レベル0とは到底思えない程の強さで暗部の人間を撃退した事により、白井は浜面の底知れぬ不可解な力を知ってしまったのだ。
先程まで、この部屋にいた人物。
全てを知ったあの少年は、今頃御坂の元へと向かっているだろう。
自分には何もできなかった。そして、レベル0に過ぎないあの少年も何が出来るわけでもない。
しかし、あの少年は迷いなく御坂を助ける道を選んだのだ。第1位の存在を知っても、科学者達の闇を知ってもなお。
絶望に沈んでいた自分とは違い。
白井「えぇ……実はまた頼みたい事が……今からある人の手助けをしていただきたいんですの」
浜面「あの実験関連か……いいぜ、それで誰を手伝ってやればいいんだ?」
白井は目を瞑り、1人の名を告げる。
今日。
この夜に。
全てを終わらせる為に。
御坂「アンタが……何でここに……」
上条「何やってんだよ……お前……」
白井「……上条……上条当麻さんを助けてください……」
投下終了です。
次の次くらいにVS一方通行までいければいいですねぇ。それではまた。
お早うございます、1です。
色々と賛否両論あるみたいですが、ゆっくりと更新していきます。
『妹達』シリアルナンバー10032
彼女は今、1つの実験の為に、ある場所に向かっている。
その実験の名は、『絶対能力進化計画』
内容は、20000体の御坂美琴のクローンを20000通りの戦闘によって殺害すること。
次の実験で、第10032次となる。
つまり、10032号と名を付けられた彼女が、実験体となるのだ。
10032号「子猫……大事に育ててくれるといいのですが……と、ミサカはあの少年に任せた判断が正しかったのか考えます」
10032号は前日の夕方、とある少年と出会った。
そして当日の昼、少年と再会し、とある子猫と出会った。
その夕方、初めて子猫をこの手で抱いた。
とても弱々しく、小さな命だった。
だが、温かい。
1つの立派な命だった。
ズキッ……
10032号「ッ!?……何なのでしょうか?と、ミサカはこの胸の痛みに疑問を覚えます。心拍数も高くなっているような……」
本来感情というモノがない彼女達、妹達は、自分達の個々の命というモノにも無関心である。
シリアルナンバー、10032号
御坂美琴のクローン体。
実験動物。
製造費、約18万円の命。
同個体が9968体。
それが自分である。
しかし
ドクンッ……
10032号「おかしいですね……心拍数の上昇が止まりません。と、ミサカは自分の生体機能の異常に戸惑います」
ある妹達の個体がいた
彼女は一度死んだハズだったのだが、気づけばとある不思議な空間にいた。
彼女は姉と会った。
姉は自分の事を受け入れてくれた。自分を1人の人間として受け入れてくれた。
彼女に仲間が出来た。
自分の隣を共に走る男がいた。男は頼りなかった。
彼女は戦った。
殺される為に培ってきた戦闘経験が、初めて他人の為に活かされた。
彼女は命を賭けた。
弱々しく幼い少女と、その少女を守る為に戦った少年を救う為に。
そして彼女は命を落とした。
その時初めて、『恐怖』を知った。
それまで9899回の死を経験した彼女であったが、その時初めて、死への恐怖を知った。
それは、彼女が失いたくないモノを持ってしまったから。
自分が死ねば、背後にいる守るべき2人も死んでしまうのだから。
そして彼女は、これが『感情』というモノという事を理解しないまま、命を落とした。
が、この出来事が、自身の能力によって常時あらゆる情報が繋がっている妹達に、僅かだが変化を及ぼしたのだ。
その少女は周囲の人間達に、『9900号』と名乗っていた。
ドクンッ……ドクンッ……
10032号「胸が締め付けられそうです。身体も強張り、足取りも重く……と、ミサカは明らかな身体の異常に戸惑います。一体これは……」
人は死をイメージさせられた時、身体は強張り緊張し、心臓の鼓動は際限なく激しくなっていく。
10032号は今まさに、『恐怖』という感情を体験していた。
10032号「……早く心拍数を平常に戻さなければ。と、ミサカは呼吸を整えます」
9900号の思念は、自身の能力により、妹達に伝わっていた。
が、『脳に何らかの異物』を埋め込まれていた為、大半がノイズによって理解不能な信号と化していたのだ。
更に、9900号は既に実験によって死亡したとされていた為、妹達の上位の存在であり、全体のコンソールのような役割を持つ個体によって、情報は後にバグとして処理されていた。
だが、確かに妹達は受け取っていたのだ。
9900号が1人の人間として生き、1人の人間として死んだという事実を。
それは、妹達という巨大なネットワークの無意識の底に、確実に一石を投じた。
更に、研究所を御坂や白井が襲撃したあの夜。
妹達への人格データなどの入力装置を開発した布束という少女が、妹達に感情を与えようと、あるデータを入力しようとした。
奇しくもそれは、偏光能力に阻止されるも、インストールは止まっておらず、最終的に上位個体によって阻止されたモノの、データは確かに一度入力された。
10032号「……心拍数、許容範囲に戻りました。実験開始地点まで移動再開します。と、ミサカは……ミサカは……」ブルッ……
10032号は、実験動物としては失敗してしまった。
心残りを作ってしまった。
あの小さな子猫の温かさを知ってしまった。
命というモノを意識してしまった。
一瞬、生に執着してしまった。
9900号が妹達の意識の底に作り出した波紋は、そして布束が入力しようとしたデータの残骸は、10032号にあるモノを生み出そうとしていた。
10032号「ミサカは何故……震えているのですか?」
生きたいという感情を。
投下終了です。
9900号の事がわからない方。一応、このSSオリジナルです。シリーズ一作目の後半に登場してますので話の流れがわからない方や忘れてる方は見てみてください。
それではまた。
このSSまとめへのコメント
続きどうなってん?