「上に上がりゃ関係ねえ…!」
「奴を完全否定する…!」
「僕も本気で…獲りに行く!!!」
※アニメ2期以降のネタバレ満載
※どう見ても駄作
悟空「オラの?」緑谷「ヒーローアカデミア!」
悟空「オラの?」緑谷「ヒーローアカデミア!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466998511/)
「以上の点があっても校則を貫き通したいという人は続きを読んでくれ!」
「PLUS ULTRA!!!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1469447431
「死柄木という名前…」
「触れた物を粉々にする個性…」
塚内「20代~30代の個性登録を洗ってみましたが該当なしです」
塚内「ワープゲートの方、黒霧という者も同様です」
塚内「無戸籍且つ偽名ですね」
塚内「個性届を提出していないいわゆる裏の人間」
スナイプ「何もわかってねえって事だな…」
スナイプ「早くしねえと死柄木とかいう主犯の銃創が治ったら面倒だぞ」
オールマイト「主犯か…」
校長「何だいオールマイト?」
オールマイト「思いついても普通行動に移そうと思わぬ大胆な襲撃」
オールマイト「用意は周到にされていたにも関わらず!」
オールマイト「突然それっぽい暴論をまくしたてたり…」
オールマイト「自身の個性は明かさないわりに脳無とやらの個性を自慢気に話したり…」
オールマイト「そして思い通りに事が運ばないと露骨に気分が悪くなる」
オールマイト「まぁ…個性の件は私の行動を誘導する意味もあったろうが…」
校長「それにしたって対ヒーロー戦で《個性不明》というアドバンテージを放棄するのは愚かだね」
オールマイト「もっともらしい稚拙な暴論」
オールマイト「自分の所有物を自慢する」
オールマイト「思い通りになると思っている単純な思考」
オールマイト「襲撃決行も相まって見えてくる死柄木という人物像は…」
オールマイト「幼稚的万能感の抜け切らない《子ども大人》」
プラドキング「力を持った子どもってわけか!」
ミッドナイト「小学時の一斉個性カウンセリング受けてないのかしら…」
ブラドキング「で!?それと何か関係あんのか!?」
塚内「先日のUSJで検挙した敵の数72名」
「!?」
塚内「どれも路地裏で潜んでいるような小物ばかりでしたが…」
塚内「問題はそういう人間がその《子ども大人》に賛同し着いてきたという事」
塚内「ヒーローが飽和した時代」
塚内「抑圧されてきた悪意たちもそういう無邪気な邪悪に惹かれるのかもしれない」
オールマイト「……」
塚内「まぁ…ヒーローのお陰で我々も地道な捜査に専念できる」
塚内「捜査網を拡大し引き続き犯人逮捕に尽力して参ります」
校長「子ども大人…逆に考えれば生徒らと同じだ」
校長「成長する余地がある」
校長「もし優秀な指導者でもついたりしていたら…」
オールマイト「…考えたくないですね」
校長「さてその話は一旦止めて…」
「?」
校長「ここで少し君達に紹介しておこうか…」
オールマイト「ですが校長…この場でなくとも…」
校長「恐らくもう二度と表れないケースだ…出来れば警察にも伝えておきたい…」
悟空「えーオッス!皆!オラ孫悟空だ!」
悟空「皆で仲良くやれたらいいなぁーって思ってるぞ」
悟空「よろしく!」
皆「えええええ!?」
切島「あ、あれって…USJの時の…」
葉隠「なんで…」
爆豪「……」
緑谷「ど、どういう事だ…」
オールマイト「私から説明させてもらおう」
オールマイト「彼は数ヶ月前からヒーロー活動をしているカカロットさんだ」
オールマイト「まだメディア関連の情報も全く無いため皆が知らないのも無理はない」
緑谷(嘘だ…全くどころか0の筈じゃ…)ピッピッ
緑谷(…新ヒーロー…カカロット…)
緑谷(ほ、本当だ…悟空さんの写真も…)
オールマイト「相澤くんが入院している間ここの担任をしてもらう」
悟空「っちゅう訳だ!皆短え間だけどオラと一緒に頑張ろうな!」
峰田「つ、つまりこの間のは俺らの情報を予め知ってたから…」
蛙吹「にしても急展開すぎるわね」
轟「……」
悟空「さて!本題に入ってくぞ!」
悟空「もうすぐ体育祭が開かれるってのは皆も知ってるよな!?」
「クソ学校っぽいの来たぁぁ!!」
芦戸「待って待って!敵に侵入されたばっかなのに大丈夫なんですか!?」
悟空「え、そりゃその…」
オールマイト「逆に開催する事で雄英の危機管理体制の盤石を示す…」
オールマイト「て考えらしいな」
悟空「そ、そうそう!オラそれが言いたかったんだよ!」
(心配だなぁ…この担任)
オールマイト「警備は例年の5倍まで強化するとの事」
オールマイト「何よりウチの体育祭は最大のチャンス」
オールマイト「敵ごときで中止していい催しじゃあない!」
峰田「いやそこは中止しよ?」
緑谷「え?峰田君…雄英体育祭見た事ないの?」
峰田「あるに決まってんだろ…そういう事じゃなくてよ~…」
オールマイト「ウチの体育祭は日本のビックイベントの一つ!」
オールマイト「かつてはオリンピックがスポーツの祭典と呼ばれ全国が熱狂した」
オールマイト「今は知っての通り規模も人口も縮小し形骸化した…」
オールマイト「そして日本に於いて今《かつてのオリンピック》に代わるのが雄英体育祭だ!!!」
八百万「当然全国のトップヒーローも観ますのよ!」
八百万「スカウト目的でね」<知ってるてば…
上鳴「卒業後はプロ事務所にサイドキック入りがセオリーだからな」
耳郎「そっから独立しそびれて万年サイドキックも多いんだよね」
耳郎「上鳴あんたそーなりそうアホだし」
上鳴「くっ!!」
オールマイト「当然名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる」
オールマイト「プロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ!」
オールマイト「年に一度…計3回だけのチャンス」
オールマイト「ヒーロー志すなら絶対外せないイベントだ!!!」
「あんなことあったけど」
切島「なんだかんだテンション上がるなぁオイ!」
切島「活躍して目立ちゃプロへのどでけえ一歩を踏み出せる!!」
緑谷「皆が凄いノリノリだ…」
飯田「君は違うのか?」
飯田「ヒーローになる為在籍しているのだから燃えるのは当然だろう!?」グッ
蛙吹「飯田ちゃん独特な燃え方ね、変」
芦戸(音だけじゃ分からないなんて言えない)
緑谷「僕もそりゃそうだよ!?でも何か…」
麗日「デク君…飯田君…」
「!」
麗日「頑張ろうね…体育祭…!」ゴゴゴ…
緑谷「顔がアレだよ麗日さん!?」
芦戸「どうしたうららかじゃないよ麗日」
峰田「生(スパァン
蛙吹「お前の発言権ねえから」
麗日「皆!!私!!頑張る!!」
切島「おおーーー」
瀬呂「…けどどうした?なんかキャラがフワフワしてんぞ」
緑谷(そういえば…麗日さんに聞いてなかったな…)
緑谷「お金!?お金が欲しいからヒーローに?」
麗日「究極的に言えば…」
麗日「なんかごめんね不純で…飯田君とか立派な動機なのに私恥ずかしい…」
飯田「何故?生活の為に目標を掲げる事の何が立派じゃないんだ?」
緑谷「うん…でも意外だね」
麗日「ウチ建設会社やってるんだけど…」
麗日「全然仕事なくってスカンピンなの」<こういうのあんま人に言わん方が良いんだけど
飯田「建設…」
緑谷「麗日さんの個性なら許可取ればコストかかんないね」
麗日「でしょ!?昔父にそれ言ったんだよ!」
麗日「でも…」
『ウチに就職する!?』
麗日『うん!!大きくなったら父ちゃんと母ちゃんのお手伝いする!』
『気持ちは嬉しいけどなお茶子』
『親としてはお茶子が夢叶えてくれた方が何倍も嬉しいわ』
『したらお茶子にハワイ連れてってもらえるしなー!』
麗日「私は絶対ヒーローになってお金稼いで父ちゃん母ちゃんに楽させたげるんだ」
緑谷(憧れだけじゃなくて現実を加味した上で…)
飯田「麗日君…ブラーボー!」
悟空「おっ!緑谷ここに居たんかあ!」キキーッ
緑谷「あ、悟空…先生!」
悟空「一緒にメシ食おうぜ!」
悟空【それと話してえ事もあるからな】
緑谷(!?…はぁ…)
緑谷「わ、分かりました…」
麗日「デク君何だろうね?」
飯田「この間USJで敵を食い止めたと聞いたぞ」
飯田「あの一件についてじゃないか?」
飯田「あれから緑谷君も顔が広くなっただろうし」
飯田「蛙吹君も言った通りオールマイトの如く超絶パワーもある」
飯田「先生方にも気に入られているかもな」
轟「……」
悟空「うめええええ…」ガツガツガツ…
緑谷「…」モグモグ
緑谷(ランチラッシュも大変だなぁ)
悟空「っにしてもおめえ無茶すんなぁ…!」
悟空「あれ程言ったのにいきなし3倍まで上げちまったらそら体ぶっ壊れっぞ」ガツガツガツ…
悟空「まぁ死ななかっただけまだマシだけどよ」
悟空「全くおめえは昔のオラと似てんなぁ!ははは」
緑谷(褒め言葉…だよな?何故か嬉しくも悲しくもない…)
カチャ…
悟空「さてと…」
悟空「とりあえず体育祭の事だけどよ…」
悟空「どうだ?今の調子は?」
緑谷「……」
緑谷「さぁ?」
悟空「……」
悟空「おめえ…舐めてっだろ?」
緑谷「えいや…そんなんじゃなくて…」
悟空「きっと戦闘訓練やこないだのUSJん時を通しておめえは自分が強いっていう認識をもてたんだろう」
悟空「そりゃ良いけどだからって周りが弱いなんて意識しちゃ駄目だぜ緑谷」
悟空「爆発が凄え爆豪や火や氷を使う轟…」
悟空「まだ手の内を見せてねえ奴がわんさかいんだ」
悟空「…でもまぁ…体育祭はおめえ達の強さを披露するっちゅう場でもあっからな」
悟空「緑谷はトップヒーロー志望だろ?」
緑谷「はい!」
悟空「だったらオールマイトも言ってた様に…」
悟空「僕が来た!って事を…皆に知らしめんだ緑谷!!!」
緑谷「!!!」
…今日はここまで
こんな感じで1日1話ってペースで行くよ
遅い投稿になるかもしれないけどそこはご了承ください
ざわ…ざわ…
マイク「群がれマスメヂィア!!」
マイク「今年もお前らが大好きな高校生たちの青春暴れ馬…」
マイク「雄英体育祭が始まディエビバディアァユウレディ!!??」
~二週間前~
緑谷「……僕が来たって……」
緑谷「でもどうやって?」
悟空「雄英体育祭は1年のヒーロー科と普通科と……」
悟空「あ、そうそうサポート科がごちゃ混ぜになって行うイベント」
悟空「要は学年別天下一武道会だな」
緑谷(天下一武道会…)
悟空「つまり!全力で自己アピールができんだ!」
緑谷「……はぁ」
悟空「はぁて!?」ズコッ
緑谷「いや仰ることはごもっともです。でも正直あんな事があった直後じゃいまいち乗り気じゃないっていうかそもそも悟空さんやオールマイトさんに見てもらえるだけで僕の悲願達成された様な物だし目立つ必要とかモチベがないし」ブツブツ…
悟空「おめえはプラス思考なんかマイナス思考なんかよっく分からねえ奴だなあ!?」
緑谷「……」
悟空「上を目指してる奴とそうじゃねえ奴は将来差が開くぞ?」
悟空「前も言ったけどこいつはプロのドラフト指名がかかってくる」
悟空「この後の職業訓練の事を考えるとできりゃあ良い成績を残してえ」
悟空「さっきも確認した通り、おめえはプロ…トップヒーローになりてえって言うんなら常に1番になりてえって気持ちをもたねえと」
緑谷「……悟空さん」
悟空「?」
緑谷「誤解されている様なので訂正させてもらいます」
緑谷「僕はトップヒーローになりたいんじゃない」
緑谷「《オールマイト》になりたいんだ」
悟空「……すまねえすまねえ」
悟空「おめえは別に最初からトップになりてえなんて一言も言ってなかったな」
悟空「…ま、オラはおめえが何しようと首つっこまえねが…」
悟空「1年前、オラに言ってくれた気持ちだけは忘れねえでくれよ?」
緑谷「…はい」
麗日「うおお…」
ざわ…ざわ…ざわ…
麗日「何ごとだあ!?」
峰田「何しに来たんだよ…出れねーじゃん!」
爆豪「敵情視察だろザコ」
峰田「ふぉお!?」
峰田「ふざけやがって…ぶっ殺してや(スパァン
蛙吹「お呼びでない」
爆豪「敵の襲撃を耐え抜いた連中だもんな」
爆豪「体育祭の前に見ときてえんだろ」
爆豪「意味ねえからどけモブ共」
飯田「知らない人の事とりあえずモブって言うの止めなよ!!」
「どんなもんかと見に来たがずいぶん偉そうだなぁ」
「ヒーロー科に在籍している奴は皆こんななのかい?」
爆豪「ああ!?」
心操「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ」
心操「普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったって奴結構いるんだ。知ってた?」
心操「体育祭のリザルトによっちゃあ…」
心操「ヒーロー科編入も検討してくれるんだって」
心操「その逆もまた然りらしいよ…」
A組「!!」
心操「敵情視察?少なくとも俺は調子のってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞっつー」
心操「宣戦布告しに来たつもり」
緑谷 麗日 飯田(この人も大胆不敵だな!!!)
「隣のB組のモンだけどよぅ!!」
鉄哲「敵と戦ったっつうから話聞こうと思ったんだがよぅ!!」
鉄哲「エラく調子づいちゃってんなオイ!!」
緑谷 麗日 飯田(また不敵な人キタ!!)
鉄哲「本番で恥ずかしい事んなっぞ!!」
爆豪「……」
切島「待てコラどうしてくれんだ!!」
切島「おめーのせいでヘイト集まりまくってんじゃねえか!」
爆豪「関係ねえよ」
A組「はあああああ!?」
爆豪「上に上がりゃ関係ねえ…!」
切島「……く…」
切島「シンプルで男らしいじゃねーか…!」
常闇「上か…一理ある」
上鳴「騙されんな!無駄に敵増やしただけだぞ!」
緑谷「……」
緑谷(…バカか…僕は…!)グッ
爆豪『俺は1番にここでなってやる!』
麗日『私は絶対ヒーローになってお金稼いで父ちゃん母ちゃんに楽させたげるんだ』
飯田『兄に憧れヒーローを志した』
相澤『時間は有限』
悟空『上を目指してる奴とそうじゃねえ奴は将来差が開くぞ?』
緑谷(1年前の…)
緑谷(参加種目の決定)
緑谷(それに伴う個々人の準備)
緑谷(二週間前はあっという間に過ぎ…)
緑谷「…上出来だ」
ポニレポ「入場検査長いねえ…」
レポーター「敵の襲撃受けてっからな、厳重にすんのは仕方ねえさ」
レポーター「今年に限っては開催に批判的な声も上がっている」
ポニレポ「物議をかもす=数字がとれる、よ!!」
ポニレポ「今年の目玉はやっぱ1年A組ね!」
デステゴロ「ラストチャンスに懸ける熱と経験値から成る戦略等で例年メインは3年ステージだけど」
デステゴロ「今年に限っちゃ1年ステージ大注目だな」
シンリンカムイ「我らもスカウトに遅しみたいとこだが」
デステゴロ「警備依頼が来た以上仕方ねえよ」
Mt.レディ「なんか全国からプロヒーロー呼んだらしいですね」<今年は
Mt.レディ<うめえ
シンリンカムイ<タダでもらったたこ焼きがか?
緑谷「皆準備できた!?もうすぐ入場だよ!」
葉隠「コスチューム着たかったなー…」
尾白「公平を期す為着用不可なんだよ」
緑谷「…」<王子王子オウジベジータ…
「緑谷」ス…
緑谷「轟君…何?」
爆豪「!」
轟「客観的に見ても実力はお前の方が上だったと思う」
緑谷「え、ああ…うん?」
轟「オールマイトに目ぇかけられてるよなお前」
緑谷「!?」
轟「別にそこ詮索するつもりはねえが…」
轟「お前には勝つぞ」
上鳴「おお?クラス最強が宣戦布告?」
爆豪「……」
切島「急にケンカ腰でどうした…直接にやめろって…」
轟「仲良しごっこじゃねえんだ…何だっていいだろ」
緑谷「…轟君が…何を思って僕に勝つって言ってんのか…は分からないけど…」
緑谷「確かに僕の方が上…だったかもしれない。大半の人は敵わない位…客観的に見ても」
A組「……」
緑谷「でも…《今》はどうかな…」
緑谷「皆…他の科の人達が本気でトップを狙ってくる」
緑谷「だから…僕も遅れをとる訳には行かない!!」
緑谷「僕も本気で…獲りに行く!!!」
轟「……おお」
爆豪「………っ」
マイク「1年ステージ生徒の入場だぁああ!!!」
デクママ「出久~…」
悟空『僕が来たって事を知らしめんだ!』
緑谷「………」
緑谷「了解…カカロット…!」
ザンッ
マイク「雄英体育祭!!」
マイク「ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!!」
マイク「どうせてめーらアレだろ!?こいつらだろ!!?」
マイク「敵の襲撃を受けたにも関わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!」
マイク「ヒーロー科!!一年!!!」
マイク「A組だろおおおお!?」
「うおおおお!」
「きたあああ!!」
緑谷「わ、わああ…人が…すんごい…」
飯田「大人数に見られる中で最大のパフォーマンスを発揮できるか…」
飯田「これもまたヒーローとしての素養を身につける一環なんだな」
切島「め、めっちゃ持ち上げられてんな…」
切島「なんか緊張すんな…なぁ爆豪」ソワソワ…
爆豪「しねえよ。ただただアガるわ」
マイク「B組に続いて普通科のC・D・E組、サポート科F・G・H組も来たぞー!そして経営科…」
悟空(あれ?経営科なんかあったっけか)
「俺らって完全に引き立て役だよなぁ」
「たるいよねー」
ピシューン
ミッドナイト「選手宣誓!!」
「おお…今年の一年主審は18禁ヒーローミッドナイトか…」
「え?校長じゃないん?」
「校長は例年3年ステージだからな」
常闇「18禁なのに高校にいてもいいものか」
峰田「当然だ」
ミッドナイト「静かにしなさい!!」ピシャン!
ミッドナイト「選手代表!!1-A爆豪勝己君!」
緑谷「えーーー!か、かっちゃんなの?」<スタスタ…
瀬呂「あいつ一応入試1位通過だったからな…」
「ヒーロー科入試のな」
爆豪「せんせー」
爆豪「俺が一位になる」
緑谷「絶対やると思った!!」
「調子のんなよA組オラァ!!」BOOO…
飯田「何故品位を貶めるような事をするんだ!」
「ヘドロヤロー!」
爆豪「せめて跳ねのいい踏み台になってくれ」クイッ
鉄哲「どんだけ自信過剰だよ!!俺が潰したるわ!」
緑谷(自信…違う…以前のかっちゃんなら…)
緑谷(ああいうのは笑って言う)
爆豪「」スタスタ…
緑谷(自分を…)
緑谷 爆豪「…」ドッ
緑谷(追い込んでるんだ…)
緑谷(A組を巻き込んでるのがかっちゃんっぽいけど…💦)
爆豪「……」
ミッドナイト「さーてそれじゃあ早速第一種目行きましょう!」ヴン!
麗日「雄英ってなんでも早速だね」<早速ではないよね
ミッドナイト「いわゆる予選よ!毎年ここで多くの者が涙を飲むわ!!」ドゥルルル…
ミッドナイト「さて運命の第一種目!今年は…」
ミッドナイト「コレ!!障害物競走!!」バンッ
ミッドナイト「計11クラスでの総当たりレースよ!」
ミッドナイト「コースはこのスタジアムの外周約4km!」
ミッドナイト「我が校は自由さが売り文句!」
ミッドナイト「ウフフフ…コースさえ守れば何をしたって構わないわ!」
ミッドナイト「さあさあ…位置に付きまくりなさい…」
緑谷「……」
緑谷(この戦いは様々人が見てる…)
緑谷(母さんも…オールマイトも…全国にいる様々なヒーローが…)
緑谷(今僕がやるべき事は…)グッ
『君にも何らかの参考になるだろう』
死柄木(ったくどうして俺がこんなガキのお遊びを…)
死柄木「……あいつ……」ガリガリ…
オールマイト(…さてそれじゃあ見せてもらおうか…)
オールマイト(脳無と張り合ったその実力…)
オールマイト(緑谷少年の真価を!!!)
緑谷(その皆の期待に応える事…!!)ピッ…
緑谷(悟空さん…)
緑谷(見てて下さい…!!)
パッ
ミッドナイト「スターーーート!!!」
ドドッ
「って!スタート地点狭すぎだろっ!!」ギュゥゥ…
緑谷(っ…つまり最初のスタート地点が…)
轟「最初のふるい」ダダ…
パキパキ…
「ってぇーー、足が凍った!」
「動けん!」
「んのヤロオォ…」
マイク「さぁさぁ実況はこのプレゼントマイクとカカロットが担当するぜ!」
悟空「オラこういうの初めてだ」
マイク「リードを切ったのは1-A轟焦凍!!」
マイク「先頭を走ってた奴らは皆凍らされちゃったか…」
悟空「…ま、数人はな」
八百万「甘いわ轟さん!」
轟「!」
爆豪「そう上手く行かせねえよ半分野郎!!」ボォッ!!
常闇(危ない危ない…)
芦戸「っとと…」
尾白(2度目はないぞ…)
峰田「ひぃ…ひぃ… 」ダダ…
麗日(超秘はまだ使われへんわ…) ダダ…
心操「個性使いなれてんなぁ」
轟(クラス連中は当然として思ったより避けられたな)
峰田「裏の裏の裏をかいてやったぜ!ざまあねえってんだ!」
峰田「喰らえ俺の新必殺技!」
峰田「ビッグバン・アダァア!?(ドゴォォ
峰田「ふおお!?」ドヒューン
飯田「峰田君!」
上鳴(あそこに岩盤なんかあったっけか)
峰田「仮想敵か…くそったれ~…」
峰田「て…待てよ…ありゃ…」
マイク「さぁいきなり障害物だ!」
マイク「まずは手始め…」
轟「…」ゴゴゴ…
マイク「ロボ・インフェルノ!!」
切島「ええ!?ドッスンじゃねえのあれ!?」
「にゅ、入試ん時の0P敵じゃねえか!」
「マジか!ヒーロー科あんなんと戦ったの!?」
「多過ぎて通れねえ…」
轟「一般入試用の敵ってとこか…」
八百万「こんなお金どこから出てくるのかしら…」
轟(せっかくならもっと凄いのを出してもらいてえもんんだがな…)バッ
パキパキ…
インフェルノ「ンンンッ!」ゴォッ
障子(声は変わらずなんだな…)
バキッ…
轟「クソ親父が見てるんだから」
「あいつが止めたぞ!」
「あの隙間!通れる!!」ダダ…
轟「やめとけ。不安定な体制ん時に凍らしたから…」
グラ…
葉隠「ん?」
ドゴォォッ!!
轟「倒れるぞ…遅かったか」
マイク「1-A轟焦凍!!攻略と妨害を一度に!コイツァシヴィーーー!!」
マイク「すげえな!一抜けだ!」
マイク「アレだな…もうなんか…ズリいな!」
緑谷(周りの人だかりが邪魔だな…)
緑谷(さぁ…どうする…!)
マイク「…で、スタート地点で棒立ちの奴が一名」
悟空「緑谷ぁああああ!?」
「お、おい、今誰か下敷きになったぞ…」
「死んだんじゃないのか!?てか死ぬのかこの体育祭!?」
ベコベコ…
切島「死ぬかぁあああ!!!」ボゴンッ
マイク「1-A切島潰されてたーー!?」
切島「轟の野郎!わざと倒れるタイミングで!」
切島「俺じゃなかったら死んでたぞ…」
「A組の野郎は本当嫌な奴ばかりだな…」ベコベコ…
鉄哲「俺じゃなかったら死んでたぞ!!」バゴッ
切島「B組の奴!!」
マイク「B組 鉄哲も潰されてたー!ウケるー!!」
悟空(他の奴らどうすんだ?)
切島「個性ダダ被りかよ!」<ただでさえ地味なのに!!
ダダッ
上鳴「良いなああいつら…潰される心配なく突破できる」
「とりあえず俺らは一時協力して道拓くぞ!!」
爆豪(先行かれてたまるかよ…)ボオオッ…
ダッ…
ボッボッボッ…
悟空「爆風の勢いに乗って上に登ってったぞ…」
マイク「1-A爆豪!下がダメなら頭上かよーー!クレバー」
「お前こういうの正面突破しそうだけど、避けんのな」シュル…
爆豪「?」
「便乗させてもらぞ」ゴォッ
瀬呂「へへっ」シュル…
常闇「着地」ゴォッ
影「アイヨ!」
マイク「一足先行く連中A組多いなやっぱ!」
オールマイト「B組や他の科も決して悪くない…」
オールマイト「が…」
悟空「立ち止まる時間が短けえ」
オールマイト(上の世界を肌で感じた者)
オールマイト(恐怖を植え付けられた者)
オールマイト(対処し凌いだ者)
オールマイト(各々が経験を糧とし迷いを打ち消している…!)
ドオオンッ
「道が拓けたぞ!」<しりもちついた!
「あの0Pがあんな容易く…」
八百万「チョロいですわ!」
スナイプ「入試ん時は避けるべき物として出されていたが、倒すべき物と見ればドンくさい鉄の塊よ」
スナイプ「突ける隙も見えてくらあ」
オールマイト(……緑谷少年は何故あんな傍観をしている…)
オールマイト(考えが読めん…)
マイク「オイオイ!?第一関門チョロいってよ!」
マイク「じゃあ第二はどうよ!?落ちたらアウト!それが嫌なら這いずりな!」
マイク「ザ・フォーール!!!」
蛙吹「大げさな綱渡りね」ひたひたひた
麗日(やばっ…先行かれとる…)
「フフフフ。来たよ来ましたよ!アピールチャンス!!!」
麗日「!?」
発目「私のサポートアイテムが脚光を浴びる時!!」
発目「見よ全国のサポート会社!ザ・ワイヤーアロウ&ホバーソール!!」
麗日「サポート科…」
芦戸「ええー!?アイテムの持ち込みいいの!?」
発目「ヒーロー科は普段から実戦的訓練を受けているんでしょう?」
発目「公平を期す為私達は自分の開発したアイテム・コスチュームに限り装備オッケー!」
発目「…といいますかむしろ」
発目「サポート科にとっては己の発想・開発技術を企業にアピールする場なのでスフフフ!!」バシッ
ガキン!
発目「さあ見てできるだけデカイ企業ー!」バッ
発目「私のドッ可愛い…」ゴォッ…
発目「ベイビーを!!!」ボフ…
麗日「すごい!負けない!」
芦戸「くやしー!悪平等…」
ズドォッ
芦戸「うわっ!?」
麗日「な、何このデカイ足…」
拳藤「ん?あ、ごめんごめん踏んでない?」
芦戸「危ないわっ!」
拳藤「ん、怪我なさそうだね。んじゃ、お先にー」
芦戸「行かせるか!」ダダッ
麗日「早っ」
心操「いいなぁ」
マイク「実に色々な方がチャンスを掴もうと励んでますねカカロットさん」
悟空「それよりさっきから集団で人を投げ飛ばす奴が居っけど…」
マイク「さあ先頭は難なくイチ抜けしているぞ!」
轟「…!」
爆豪「くそが」
轟(スピード上げてきたな…スロースターターか)
ボッボッ…
飯田「恐らく兄も…見ているのだ…」DRRR…
飯田「かっこ悪い様は見せられん!」DRRRRRR!
マイク「カッコワリイイイイイ!」
「1位の奴圧倒的じゃんか」
「個性の強さもあるがそれ以上に素の身体能力と判断力がズバ抜けている」
「そりゃそうだろ」
「あの子フレイムヒーロー《エンデヴァー》の息子さんだよ」
「ああー…道理で!」
「オールマイトに次ぐトップ2の血か!」
「早くもサイドキック争奪戦だな!」
マイク「先頭が一足抜けて下がダンゴ状態!」
マイク「上位何名が通過するかは公表してねえから安心せずに突き進め!!」
マイク「そして早くも最終関門!」
マイク「かくしてその実態は…」
轟「…」ザッ…
マイク「一面地雷原!怒りのアフガンだ!!」
マイク「地雷の位置はよく見りゃ分かる仕様になるぞ!目と脚酷使しろ!」
マイク「因みに地雷!威力は大した事はないが音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!」
悟空「失禁ってなんだ?」
マイク「」
轟(成る程。こりゃ先頭ほど不利な障害だ)
轟「エンターテイメントしやがる」
爆豪「はっはぁー!俺は」
轟「!?」
爆豪「関係ねーー!!」ボォッ
爆豪「てめえ、宣戦布告する相手間違えてんじゃねーよ!!」
マイク「先頭が変わったー!喜べマスメディア!!」
マイク「お前ら好みの展開だぁぁああ!!」
マイク「後続もスパートかけてキターーー!!」
マイク「だが引っ張り合いながらも…」
マイク「先頭2人がリードかあああ!?」
マイク「………えーここで一つお知らせ」
マイク「急遽障害物が一つ増えました」
轟 爆豪「!?」
マイク「後ろから勢いよくぶつかってくるから気をつけろー」
緑谷「…」ゴオオッッ
麗日「へ?」
峰田「緑谷…?」
葉隠(そういえばさっきまで緑谷君見てなかった…)
葉隠(あれ…というかいつから居たっけ)
葉隠(あれ!?スタート地点に居たっけ!?)
悟空「緑谷…」
緑谷「地雷か…」
緑谷「なら…利用させてもらうぞ…!」
緑谷「か~め~は~め~…」
クルッ
緑谷「波ああああっ!!!」
ドオオオオオッ…
轟「なんだ今の爆発…!?」
マイク「さあ一気に距離追いつめてきた!!」
マイク「我らが最後の砦障害物その4!!緑谷出久ううううっ!!!」
緑谷『……』
『なぁ…あいついつ走るんだ?』
『さ、さぁ…』
『もう大半が半分走り終わってるぞ?』
オールマイト『……』
緑谷『そろそろか…』
ダダッ
『うおおっ!?速い!』
『今更走ったって意味は…』
『いや、でもよく考えればインフェルノは殆ど残ってない…』
『第一ステージは簡単に突破できるぞ…!』
『でも綱渡りと地雷があるぞ…?』
オールマイト(他の科はまあ知らないから分かるにしろ…)
オールマイト(何故A組の誰もが緑谷少年を見なかった事を不思議に思わなかったのか…!?)
悟空(あいつ気を消してたな…)
悟空(オラが教えてなかった技を独自で編み出してやがる…)
悟空(何にせよ…)
悟空(不意を突いた!!)
ゴオオオッ…
緑谷(一応周り見たけど巻き込んでないよなっ!?)
緑谷(巻き込んでたらごめんなさい!!)
マイク「1-A緑谷出久!怒涛の猛追で上位にまで上り詰めるーー!」
マイク「いや…これは…」
緑谷(距離的にいけるか!?)
緑谷(いや、余裕!)ゴオオオッ
轟(ちっ…そう来たか…)ダダッ…
爆豪「待てデクゴラァァアアッ!!!」ボオオッ
ゴオオオッ…
緑谷「ととっ…」キキーッ…
マイク「1-A緑谷出久!ビリからまさかの一位ゴールイイイイインッ!!」
デクママ「出久ぅぅうううう…」ドサッ
デステゴロ「…あの子は1年前の…」
マイク「やべえよ!1分ぐれえでゴールしちゃったよ!」
マイク「コイツの辞書に障害なんてなかったぜええっ!!」
緑谷「……」
緑谷「…!」グッ
悟空「グッジョブ!」グッ
マイク「ん?」
麗日「凄いデク君!まさか一位になるなんて!」
緑谷「え、いや、まあね…!」
麗日「最後のかめかめ波も決まってた!」<ハッー!
緑谷(亀亀波?)
爆豪「くそっ…が…」
爆豪「またっ野郎…!」
轟(……)
八百万「やった…予想以上に良い結果を残せましたわ…」
峰田「なんだこの下品な胸は…偽乳なのか?」
蛙吹「カエルがなんですって?」ガシッ
峰田「違う!カタカナの方じゃない!」
ミッドナイト「ようやく終了ね!じゃあ結果を…」
ミッドナイト「……また割愛ね」
42名「はああああ!?」
ミッドナイト「もう知ってるでしょ皆…後書くのがだるい」
緑谷(なんで割愛のシーンだけこんなメタ発言するんだ…)
ミッドナイト「とにかく本戦に残った42名、おめでとう!」
ミッドナイト「でも安心するのはまだ早い…」
ミッドナイト「さらに辛い苦難が待ってるわよ!」
ミッドナイト「さあ!第二種目を発表するわよ!」ドゥルルル…
ミッドナイト「第二種目は騎馬戦!」バンッ
砂藤「騎馬戦…?」
ミッドナイト「ええ。四人一組でポイントを争う種目よ!」
ミッドナイト「上位4チームまでが最終種目へコマを進めることが可能!」
ミッドナイト「で、そのポイントなんだけどさっきの結果意外と重要で」
ミッドナイト「42位が5P、41位が10Pって感じで5Pずつ上のポイントが割り当てられるの」
緑谷(となると…?10個上なら50上なんだから100…100…)
ミッドナイト「……上を行く者にはさらなる受難を」
ミッドナイト「雄英に在籍する以上何度も聞かされるよ、これぞPlus Ultra!」
ミッドナイト「予選通過1位緑谷出久君!!」
ミッドナイト「持ちP1000万!!」
緑谷(……)
41人「」ギロッ
緑谷(……は?)
『テメェが何をやれるんだ!?』
緑谷(…あの時とは違う周りの目…)
緑谷(実力で勝ち取ったトップの座は…こんなにも重いのか…!)
悟空(さぁ…いってえどうなるか…)
ミッドナイト「じゃあ詳しいルール説明よ!」
ミッドナイト「制限時間は15分!割り当てられたポイントの合計が騎馬のポイントとなる」
ミッドナイト「騎手はそのポイント数が表示されたハチマキを装着!」
ミッドナイト「終了までにハチマキを奪い合い保持ポイントを競うのよ」
ミッドナイト「とったハチマキは首から上に巻くこと!とりまくればとりまくるほど管理が大変になるわよ!」
ミッドナイト「そして重要な事はハチマキを取られても…また、騎馬が崩れても」
ミッドナイト「アウトにはならないってとこ!」
八百万(多い方が有利な筈…つまり10~12のチームがずっとフィールド内に…)
青山「シンド☆」
芦戸「一旦ポイント取られて身軽になっちゃうのもありだね」
蛙吹「それは全体のポイントの分かれ方見ないと判断しかねるわ三奈ちゃん」
ミッドナイト「個性発動ありの残虐ファイト!」
ミッドナイト「でもあくまで騎馬戦!!悪質な崩し目的での攻撃等はレッドカード!」
ミッドナイト「一発退場とします!」
ミッドナイト「ではこれより15分!チーム決めの交渉タイムスタートよ!!」
緑谷(長)
緑谷(ポイント数は僕の場合あまり関係ない…!)
緑谷(組んでもらいたいのはあの人とこの人と…)
デステゴロ「この雄英体育祭ってヒーローの気構え云々よりも…」
デステゴロ「ヒーロー社会に出てからの生存競争をシミュレーションしてるな」
デステゴロ「ヒーロー事務所がひしめく中でおまんま食ってくにゃあ時に他を蹴落としてでも活躍見せなきゃなんねーってのが障害物競争だろ?」
Mt.レディ「あれ心苦しいですよねー」<あとタバコやめろ
シンリンカムイ「貴様…!」
デステゴロ「一方で商売敵といえど協力してかなきゃなんねー事態も腐る程ある」
Mt.レディ「あ…騎馬戦がそうですねまさに!そっか…」
Mt.レディ「自分の勝利がチームメイトの勝利になっちゃうもん」
Mt.レディ「相性やら他人の個性やら…持ちつ持たれつ」
Mt.レディ「サイドキックとの連携」
シンリンカムイ「他事務所との合同個性訓練」
デステゴロ「プロになれば当たり前の生きる術を子どもが今からやってんだなー…」
Mt.レディ「大変ですね」
緑谷「麗日さん!飯田君!」
麗日 飯田「?」
緑谷「僕と組んでくれないか!?」
麗日「え…」
緑谷「チームを組むなら意思疎通がスムーズにできる人の方がいい…」
緑谷「それに策も考えている…!」
緑谷「飯田君を先頭に僕と麗日さんで馬を作る!」
緑谷「そんで僕と飯田君を麗日さんの個性で軽くすれば機動性抜群!」
緑谷「騎手はなるべくフィジカル強い人がいいけど…まだ決めかねてる…」
緑谷「とにかく逃げ切りを可能とするさくはこんくらいしか…」
飯田「…成る程…さすが…」
飯田「だがすまない」
飯田「断る」
緑谷「!?」
飯田「入試の時から君に負けてばかり…素晴らしい友人だが…だからこそ」
飯田「君についていくだけでは未熟者のままだ」
飯田「君をライバルとしてみているのは爆豪君や轟君だけじゃない」
飯田「俺は君に挑戦する!」
緑谷「飯田君…!」
緑谷「麗日さんは…?」クルッ
麗日「………」
麗日「…誘ってくれたのはとても嬉しいけど…」
麗日「私も…飯田君と同意見…」
緑谷「!!」
麗日「そりゃデク君はすごいよ!」
麗日「さっきも言ったけどぶっちぎりで一位になったんだから…」
麗日「でも…だから…」
麗日「頼りっきりはいけないかなって…」
緑谷「……」
麗日「ごめん…デク君…」
緑谷(…くそっ…二人共断られた…)
緑谷(もう始まっているんだ…全員敵!僕は今トップ…)
緑谷(友達ごっこじゃいられない…!)
緑谷(まぁ分かってたっちゃ分かってたけど…)
緑谷(考えろ…誰となら逃げ切れる…いやこの際誰でもいいか!?)
緑谷(クソォォ!探せえええ!!!)
砂藤「俺と組め!!」
芦戸「えー爆豪私と組も!?」
青山「僕でしょねえ?」
爆豪「………!!!」
爆豪「てめえらの個性知らねえ、何だ!?」
砂藤「B組ならまだしも!!周り見てねーんだな!」
オールマイト(性格はああでも3位200P…)
オールマイト(個性の汎用性を考慮すれば爆豪少年の人気も頷ける)
切島「轟の奴ソッコーチーム決めがったぜ!」
切島「おい爆豪!!俺と組もう!」
爆豪「クソ髪」
切島「切島だよ覚えろ!」
切島「てかお前も似たようなもんだろ!!」
切島「お前どうせ騎手やるだろ!?そんならおめえの爆発に耐えられる前騎馬は誰だ!」
爆豪「…根性ある奴」
切島「違うけどそう!硬化の俺さ!!」
切島「ぜってーーブレねえ馬だ!」
切島「奪るんだろ!?1000万!!!」
爆豪「…」ニッ
峰田「障子ぃ…障子ぃ…」
障子「?」
峰田「女と組みてえけどダメだーー!オイラと組んでくれええっ!!」
峰田「オイラ小さいから馬にはなれねえ!」ギャーギャー
峰田「でもオイラ騎手じゃあ誰も馬なんかやってくんねーんだ!!」
峰田「お前の巨体と触手ならオイラの体すっぽり覆えるだろ!?」
障子「!」ハッ
障子「名案だ峰田」
峰田「ダニ?」グスッ
緑谷「……」
緑谷(超避けられてる…この現状を…!)
緑谷(そりゃそうだ…やっぱり保持し続けるより終盤に取る方が理に適ってるもん!)<尾白くんhelp me!
緑谷(他の組の人と組もうとするにもあれだけじゃ僕の個性を判断する材料が足りない!)
緑谷(加えて僕自身把握してないからな…!)
緑谷(A組はもう殆ど決まっちゃったぽいし…)
緑谷「あ、オワタ…」トン
緑谷「?」
拳藤「よっ。1位クン。あたしと組まない?」
緑谷「GOD!!!」ドババ…
拳藤「わっちょ…服…」
緑谷「い、いいの!?僕1000万故に狙われるけど…?」ドバァ…
拳藤「まーそりゃそうだけどさ」
拳藤「あれ見てすごいなって思っちゃってさ」
拳藤「ガン逃げされたら君勝ちそうだし」
緑谷「…それ過信してない?」
拳藤「するさ」
拳藤「強い人と組むに越した事ないじゃん?」
緑谷「…!!!」キュンッ
拳藤「えっと…顔が大変な事になってるよ?」
緑谷「あ…それで君の名前と個性は…」
拳藤「B組の拳藤一佳。個性は…体の一部大きくすんだ」
拳藤「まぁ限度があるけど」
緑谷「……巨大な手か…」
緑谷(…!!)
緑谷(…なるほど…これなら…)
拳藤「あんたは?」
緑谷「Aの緑谷出久、個性はビーム砲だよ」<カメハメハーてやつ
緑谷「実はね…今ちょうどいい案を思いついた…拳藤さんの個性で」
拳藤「ん?」
緑谷「後もう一人バックアップが欲しいけど…」キョロキョロ…
八百万「…!緑谷さん!」
緑谷「!八百万さん…」
八百万「そちらの方は?」
緑谷「B組の拳藤一佳さん。僕のチームに入ってくれた」
緑谷「丁度良かった!今実はいい作戦考えてて一人援護役が欲しかったんだ!」
緑谷「君と組みたいんだけどいいかな?」
八百万「私も今迷ってまして…よろしいですか?」
緑谷「勿論さ!君の個性なら勝つ確率がうんと上がる!」
八百万「ではお言葉に甘えまして…」
緑谷「じゃあ後は前騎馬の…」スタスタ…
緑谷「…君だ!」
ミッドナイト「15分経ったわ…」
ミッドナイト「それじゃあいよいよ始めるわよ」
「ここにいるほとんどがA組ばかり注目している…」
「何でだ?」
「そして鉄哲が言った通りA組連中も調子づいてる……」
「おかしいよね…」
「彼らと僕らの違いは?会敵しただけだぜ?」
物真「ヒーロー科B組が予選で何故中下位に甘んじたか…」
物真「調子づいたA組に知らしめてやろう皆」
物真「…て時になんで拳藤がいないのかな?」
「そんな事知るか」
マイク「15分のチーム決め兼作戦タイムを経て、とうとうフィールドに12組の騎馬が並び立った!!」
悟空「……なかなか面白え組み合わせじゃねえか」
マイク「さぁ上げてけ鬨の声!!」
マイク「血で血を洗う雄英の合戦が今!」
マイク「狼煙を上げる!!!!」
緑谷「八百万さん!」
八百万「っはい!!」
緑谷「拳藤さん!」
拳藤「はいよっ!!」
緑谷「常闇君!」
常闇「ああ…!」
緑谷「よろしくっ!!!」
轟『お前らを選んだのはこれが最も安定した布陣だと思うからだ』
轟『上鳴は左翼で発電し近づけるな』
轟『麗日は防御・移動の補助』
轟『飯田は機動力源もといフィジカルを生かした防御』
飯田『それで轟君は氷と熱で攻撃・けん制というわけか』
轟『いや…』
エンデヴァー『…』
轟『戦闘において』
轟『熱は絶対使わねえ』
マイク「よおおおし!組み終わったな!?準備はいいかなんて聞かねえぞ!!」
マイク「いくぜ!!残虐バトルロイヤルカウントダウン!!」
物真「鉄哲。恨みっこなしだぞ」
鉄哲「おう!!」
マイク「3!!!」
爆轟「狙いは…」
爆轟チーム
爆轟 200P
切島 160P
芦戸 120P
瀬呂 175P
TOTAL 655P
マイク「2!!」
轟「一つ」
轟チーム
轟 205P
飯田 185P
麗日 125P
上鳴 95P
TOTAL 610P
マイク「1!」
緑谷「…」
緑谷チーム
八百万 170P
常闇 180P
拳藤 75P
緑谷……10000000P
TOTAL 10000425P!!!
マイク(あれなんか原作とポイント違…まあいいか!)
マイク「START!!!」
鉄哲「実質1000万の争奪戦だ!!」
葉隠「はっはっは!緑谷君!!いっただくよーー!」
常闇「いきなり襲来とはな…まず2組…」
常闇「追われる者の運命…選択しろ緑谷!!」
緑谷「勿論逃げの一手!」
「けっ……!」
ズブ…
八百万「!!沈んでる…B組の方の個性ですわ!」
緑谷「やられるかっ!!」ガシッ
ゴオオッッ
鉄哲「飛んだ!?あいつの個性ビームじゃねえのかぁおい!」
鉄哲「追ええっ!」
葉隠「耳郎ちゃん!!」
耳郎「わってる」ギュオッ…
影「!!」バシバシッ
耳郎「ちっ…」
常闇「いいぞ黒影。常に俺達の死角を見張れ」
影「アイヨ!」
緑谷「すごいよ!かっこいい…」
緑谷「僕らに足りてなかった防御…それを補って余りある全方位中距離防御…」
緑谷「すごいよ常闇君!!」
常闇「選んだのはお前だ」
常闇「それと…俺の活かし方がなってるな」
緑谷「…やっぱりさっきより調子いい?」
常闇「ああ…すこぶる快調だ」
拳藤(手痛い…)
スタッ
緑谷「よし。着地成功」
葉隠「私達も追うよ!さぁ耳郎ちゃんリベンジ…」
砂藤「つーかおい葉隠!!」
砂藤「ハチマキねえぞ!!!」
葉隠「はっ!!?」
葉隠「いつの間にー!?」
物真「漁夫の利」
マイク「さぁ~~!まだ2分も経ってねえが早くも混戦混戦!」
マイク「各所でハチマキ奪い合い!」
マイク「1000万を狙わず2位~4位狙いってのも悪くねえっ!!」
峰田「アハハハ!」
緑谷「峰田君!?何処だ!」
峰田「奪い合い…?違うぜこれは…」ダダッ
峰田「一方的な略奪よ!!!」
障子「」ダダダ…
緑谷「しょ、障子君一人!?これ騎馬戦だよ!!」
常闇「一旦距離を取れ!複数相手に立ち止まってはいかん!」
ダッ
プニッ
八百万「ひえっ!?なにこれ…」
緑谷「峰田君の…やっぱり何処かに…」
峰田「ここだよぉ…緑谷ぁ…」ズギャアンッ
緑谷「なぁああ!?それアリ!?」
ミッドナイト「アリよ」
ギュオッ
緑谷「危なっ!?」ヒョイ
蛙吹「流石ね緑谷ちゃん」
緑谷「蛙吹さんもか!すごいな障子君!!」
蛙吹「梅雨ちゃんと呼んで」
蛙吹「ケロ」ギュオッ!
常闇「くっ…さっさとふりき…」
緑谷「待った!STOP!」
峰田「ははあ!どうした!諦めたか緑谷あ!?」
バチッ…
蛙吹「なん…ですって…」
緑谷「スタンガン…」
ドサッ
蛙吹「」
峰田「偽乳隊長おおおお!?」
マイク「おおーっ!!緑谷チーム八百万がつくったスタンガンで撃退!てかこれ反則じゃねえの!?」
ミッドナイト「…ハチマキがとられそうになったからやむを得ない自衛ね…アリよ」
マイク「許可出ちゃったよマジか!チーター出没注意だ皆!」
八百万「あまり強くない物をつくったから数秒で意識は戻るはずです!」
緑谷「ああ!早く行こ…」
ゴッ…
緑谷「か、かっちゃん!?」
爆豪「調子乗ってんじゃねえよクソが!!」ブンッ
緑谷「常闇君っ…!!」
ボオオッ
常闇「間に合ったか…」
爆豪「んだこいつ…」ひゅっ
ピタッ
「おおおおっ!?」
マイク「騎馬から離れたぞ!?いいのかアレ!?」ギュルルル…
ミッドナイト「テクニカルだからオッケー!まあ足着いてたらダメだったけどね!」<ナイスキャッチだ瀬呂!!
デステゴロ「やるじゃねえのA組の連中…」
「派手な動きで見てるこっちも楽しいやなー!」
「敵と戦ったってだけでこうも差が出来るもんかね…」
マイク「やはり狙われまくる1位と猛追を仕掛けるA組面々共に実力者揃い!!」
マイク「現在の保持ポイントはどうなって…」
悟空「!!……なんだありゃあ…」
マイク「え、えー…7分経過後現在のランクは…」
マイク「A組緑谷以外パッとしねえ…てあれ、爆豪…爆豪チーム0!???」
「単純なんだよ……
物真「A組…」
爆豪「っんだテメェコラ返せ殺すぞ!!」
芦戸「やられた!」
物真「ミッドナイトが第一種目と言った時点で予選段階から極端に数を減らすとは考えにくいと思わない?」
爆豪「!?」
物真「だからおおよその目安を仮定しその順位以下にならない予選を走ってさ」<大体40位ぐらいじゃね?的な感じで
物真「後方からライバルになる者達の個性や性格を観察させてもらった…」
物真「その場限りの優位に執着したって仕方ないだろう?」
切島「クラスぐるみか…!」<おい来るぞ…
物真「まぁ全員の総意ってわけじゃないけどいい案だろ?」
物真「人参ぶら下げた馬みたいに仮初の頂点狙うよりはさ」
爆豪「…!」ピクッ
物真「あ、あとついでに君有名人だよね?」
物真「【ヘドロ事件】の被害者!今度参考に聞かせてよ」
物真「年に一度敵に襲われる気持ちってのをさ」
爆豪「!!!」ブチブチブチッ!!!
爆豪「切島…予定変更だ…」
切島「は?」
爆豪「デクの前に…」
爆豪「こいつら全員殺そう…!」ゴゴゴゴオオッッ…
物真「」ニヤッ
緑谷(B組は…予選を捨てた長期スパンの策ってわけか…)
緑谷(確かに体育祭前からA組が食っていた空気を覆す事によってより強い印象を与えられるな…)
緑谷(…じゃあなんで拳藤さんは来たんだって話だけど」
緑谷(なんにせよそれは必ずしも僕を狙う事に固着してはいない!)
緑谷「皆!!逃げ切りがやりやす…」
緑谷「……まぁそう上手くはいかないか…」
マイク「さあ残り時間半分切ったぞーー!?」
轟「そろそろ…」
轟「奪るぞ」
マイク「B組隆盛の中…果たして1000万Pは誰に頭を垂れるのかっ!?」
「あんま煽んなよ?物真。同じ土俵だぞそれ」
物真「ああ…そうだね。ヒーローらしくもないし、よく聞くもんね」
物真「恨みを買ってしまったヒーローが敵に仕返しされるって話」
爆豪「お、おお…ぉぉおお…」
切島「爆豪落ち着け!冷静になんねえとポイント取り返せねえぞ!!」
爆豪「おおぉぉぉ…」ボンッ
爆豪「ぉっし進め切島…俺は今…」
爆豪「すこぶる冷静だ…!!!」
切島「いや頼むぞ本気で」
蛙吹「とりあえず岩盤浴7回ね」
峰田「その代わり願い一個叶えてくれよ?」
蛙吹「全く…いい作戦だからあなたでも組んだのに…」
蛙吹「いつの真にハチマキ奪われたの…」
峰田「わかんねえよ!でももうこれで失うもんはねえ!」ゴゴゴ…
峰田「あの2組のP!全力でかすめとるぞ!!」
常闇「もう少々終盤で相対するのではと踏んではいたが…」
常闇「随分買われたな緑谷」
緑谷「時間はもう半分!」
緑谷「足止めないでね!仕掛けてくるのは…」
轟「飯田前進」
飯田「ああ!」DRRR…
轟「麗日、あれ浮かせ」
麗日「うん」フワッ…
轟「上鳴、これで代用してくれ」
上鳴「あ?」パシッ
轟「汚れ+静電気これ位ありゃ十分だろ」
上鳴「いつの間に凍らせてたのか…」
緑谷「…一組だけじゃない!」
ビリビリッ…
上鳴(…無差別放電…)
上鳴(130万V!!)バヂィッッ!!!
「!!!???」
耳郎「上…鳴…!」
ッッッ…
緑谷「残念…」
緑谷「こっちもこっちで用意させて貰ったぞ!」
緑谷「絶縁体シート!!」
轟「ちっ…」
八百万(あの時与えたのは結構痛いですわね…)
緑谷「4人共全身覆えるぐらいの大きさだから大丈夫だと思うけど…」
拳藤「」プルプル…
緑谷「……手あげ続けてる拳藤さんが大ダメージだね」
拳藤「な、なんの…こんなのいつものの10倍辛い筋トレよ…」
緑谷「それ死ぬ!!」
バキィッ
緑谷「しまった!?」
轟「相手前にして茶番たあ余裕だな」
緑谷「くそっ…」
緑谷「常闇君…で、どう?」
常闇「っ!!」ゴォッ
轟「麗日!!」
麗日「はいっ!!」フワッ
ドガアッ
緑谷「瓦礫を盾に…」
常闇「……拳藤の手の陰のお陰でいつもより調子はいいが…」
常闇「特に上鳴」
常闇「あの程度の装甲太陽光のみならば…」
緑谷「……」
緑谷『そう…防御に徹してほしい…』
常闇『……いいが…厳しいぞ?』
常闇『俺の個性は闇が深い程力を増すが…どう猛になり制御が難しい』
常闇『逆にこの日光下は制御はできるものの攻撃力は中の下といったところか…』
常闇『保持する為とはいえそれだけで俺を誘うのはハイリスクじゃないか?』
緑谷『いいや…君にいい事を教える』
緑谷『実は僕のチームに体の一部を巨大化させる個性の人がいるんだよ』<B組で
緑谷『だから君が前騎馬になれば常にその人の陰でその黒影を強力にしてもらう!』
緑谷「真っ暗って程じゃないからコントロールも出来るはずだ!』
常闇『…フッ。面白い。そこまで言うなら俺を使ってみろ』
常闇『託したぞ緑谷!』
緑谷「…やっぱり上鳴君の電光…」
常闇「奴の放電が続く限り攻めでは相性最悪だ」
影「悪魔たん…」
緑谷「……攻撃力低下…向こうには知られてないよね?」
常闇「お前みたいに勘が鋭くない限りな」
常闇「これはお前とUSJで話した口田のみ」
常闇「奴は口が固い…!」
緑谷「………」
轟「…」
緑谷「…まあ…知っていまいがなんだろうが」
緑谷「後5分…耐えてみせるさ」
ボオオッ
爆豪「っ!!」
物真「ははっ…へえ…すごい」
物真「いい個性だね」
爆豪「俺のっ…」
切島「爆豪おめーもだだ被りかよ!」
爆豪「クソがっ!!」ボオオッ
爆豪「!?」
シュゥゥ…
物真「僕の方が良いけどさ」ガチガチ…
切島「んなああーー!俺の!?また被っ…」
爆豪「いや違え…」
爆豪「こいつ…コピーしやがった」
物真「正解!まあ馬鹿でも分かるよね」
ボービー!
爆豪「ちっ…」
瀬呂「ボンドってありかよ…」ベチョ…
物真「!凡戸!仕掛けてきたな!」
凡戸「物真!後は逃げ切るだけだ!このポイント数なら確実に4位以内に入れる!」
切島「くそっ!足が固まっちまって動けねえ!」
芦戸「ちょい待ち!あたしの個性で溶かすから!」ギャーギャー
瀬呂「早く!0Pだぞ!早く!!」
物真「あ、怒らないでね?煽ったのは君だろ?」
物真「ほら、宣誓で…何言ってたっけ」
物真「恥ずかしい奴…」
物真「えーまぁいいやおつかれ!」
爆豪「……」
ギリッ
爆豪『俺が一位になる』
爆豪「ただの一位じゃねえ…俺が取るのは…」
爆豪「完膚なきまでの一位だ…!!!」
マイク「残り時間約1分!」
マイク「轟フィールドをサシ仕様にし…そしてあっちゅー間に1000万奪取!!」
マイク「とか思ってたよ5分前までは!」
マイク「緑やなんとこの狭い空間で5分間逃げ切っている!」
緑谷(後1分…予想以上に長い戦いだ!)
轟「…」ズザッ
緑谷「キープ!!」ズザッ
エンデヴァー「突かれてるじゃないか…阿蘇め…」
轟(常に距離を置いて左側に…よく見てやがる)
轟(これじゃ最短で凍結させようにしても飯田が引っかかる…)
轟(こう動かれちゃ無闇な凍結は自分の首を絞める…)
轟(麗日はさっきからキャパオーバー気味だし)
麗日「うぷぷ…」
轟(上鳴の放電も常闇に塞がれる…!)
上鳴「まだウィける…」
轟(この野郎…!)
緑谷(正直やばい)
飯田「皆…この後1分弱俺は使えなくなる…」
飯田「頼んだぞ」
轟 麗日 上鳴「?」
飯田「しっかり掴まっていろ…」
飯田「奪れよ轟君っ!!!」
轟「!」
飯田「トルクオーバー…」DRRR…
ゴオオオッ
緑谷(速いっ!?)
ガシュッ
飯田「レシプロバースト!!!」
ピリッ
緑谷「しまった!?」
マイク「なーーー!!?何が起きた!?速っ速ぁあああ!?」
マイク「飯田そんな超加速があるなら予選で見せてくれよーー!」
轟「飯田…なんだ今の」<DRRR…
飯田「トルクと回転数を無理矢理上げ爆発力を生んだのだ」
飯田「反動でしばらくするとエンストするがな」
飯田「クラスメイトにはまだ教えてない裏技さ」
マイク「ライン際の攻防!その果てを制したのはー…」
飯田「言ったろ緑谷君」
飯田「君に挑戦すると!!!」
マイク「逆転!!!轟が1000万!!」
マイク「そして緑谷!急転直下の0Pーーー!!!」
緑谷「くそっ…!」クルッ
緑谷「突っ込んで!!」
常闇「上鳴がいる以上攻めでは不利だ!」
常闇「他のポイントを取りに行く方が堅実では…?」
緑谷「ちっ…!」
緑谷(考えろ…考えろ…確かに常闇が言ってることは一理ある。だけど今更どこにどの位ポイントが持ってのかを把握してないこの状況で行くのは無謀!取れたとしても4位までにはいけない!それだったらもう飯田君が動けなくなった向こうを…でもまだ上鳴君と麗日さんがいる…それに無闇矢鱈に突っ込んだらそれこそ相手の思う壺…でも…」ブツブツ…
拳藤「振り返んな!」
拳藤「今はただ真っ直ぐ前向けっ!!!」
緑谷「!!!…」
拳藤「……」
緑谷『…それ過信してない?」』
拳藤『するさ』
拳藤『強い人と組むに越した事ないじゃん?」』
緑谷(皆僕を信じてきた…!)
八百万「…」
緑谷『君と組みたいんだけどいいかな?』
八百万『私も今迷ってまして…よろしいですか?」』
緑谷『勿論さ!君の個性なら勝つ確率がうんと上がる!』
緑谷(僕も皆を信じてきた…!)
常闇「…」
常闇『…フッ。面白い。そこまで言うなら俺を使ってみろ』
常闇『託したぞ緑谷!』
緑谷(…託された…!)
緑谷(このまま…)
ゴオオッッ…!
轟「くっ…!」
緑谷(引き下がれるかよっ……!!!)
緑谷「界王拳っ…!」
轟「面白えっ…」ボオオッ…
緑谷「ああああああああっ!!!!!」
マイク「残り1分を切って現在轟ハチマキ4本所持!!」
マイク「ガン逃げヤロー緑谷から一位の座をもぎ取ったぁああーー!」
マイク「上位4チームこのまま出揃っちまうか?」
物真「2位か…ちょっと出来すぎかも」
物真「まあキープに専念だな」<客るせー
切島「待てええええ!待てって!!」
物真「!」
物真「しつこいなぁ…その粘着質はヒーロー以前に人として…」
切島「勝手すなぁあああっ!爆豪!!!」
ボオオッ
爆豪「…っ」
物真「円場!ガード!!」
円場「っしゃあ!!」
ブオオッッ
爆豪「てっ!」ドゴッ
円場「ははあっ!見えねえ壁だざまあみろ!」
悟空「あいつ空気の壁作ったんか!すげえなあ!」
マイク「ありゃ暴走しがちの爆豪じゃあ煽られておしまいだわなぁ」
悟空「いや…でもオラは…」
ブンッ
パリッ!!
物真「!」
ガシュッ
ピリッ
物真「取られたっ2本!」
マイク「おおおっと!爆豪チーム2本奪取で3位に!!」
マイク「この終盤で順位が変わりゆく!!」
マイク「若気の至りだあ!」
円場「くそっ…」
物真「大丈夫だ!4位…5位の奴らは動けなくなってる…」
物真「この一本死守すれば…」
瀬呂「飛ぶ時は言えってば!」シュルル…
切島「でもこれで通過は確実…」ドサッ…
爆豪「まだだっ!!!」バッ
瀬呂「はあ!!?」
爆豪「完膚なきまでの一位なんだよ取るのは!!!」ブンブンブン
悟空(あの真似する奴も状況に応じての判断力はずば抜けってけどよ…)
悟空(一つ惜しい所…)
爆豪「さっきの俺単騎じゃあふんばりが効かねえ!」
爆豪「行け!!!」
爆豪「俺らのポイントも取り返して、1000万に行く!!」
切島 芦戸 瀬呂「……!」
爆豪「しょうゆ顔!テープ!!」ダダッ…
瀬呂「瀬呂なっと!!」ひゅっ
ピタッ
物真「外れだ」
爆豪「黒目!進行方向に弱め溶解液!!」
芦戸「あ・し・ど・み・な!!」ビュッ!!
オールマイト(爆豪少年!君は言われずとも非常によく分かっているんだろう…)
オールマイト(常にトップを狙う者と…)
ギャルルッ!!
物真(テープを巻く反動でこっちに…!?)
オールマイト(そうでない者その差を!!)
悟空「あいつの執念をコケにした事」
ボオオンッッ!!
マイク「爆豪!!容赦なしぃぃいーー!!!」
マイク「やるなら徹底!彼はアレだな完璧主義だな!!」
マイク「さぁさぁ時間ももうわずか!!」
爆豪「次!!デクと轟ん所だっ!!!」
緑谷「ああああああああっ!!!!!」 ゴオオッッ
轟「……!!」
緑谷(安心しろ…どのみち当てはしない!)
緑谷(空を切るように…)
緑谷(その手を崩して……)ブワッ
轟(…左…!)シュゥゥ…
轟(俺は何を…!)
轟(はっ!)
緑谷(隙を見せたな!)
緑谷(あの『界王拳』は脅しだ!まだ使わない!)
緑谷(今なら取れる!)
緑谷(ポイント数隠してる…どれだ…いや…頭のハチマキじゃないんだったら…)
緑谷「全取りだぁぁああああっっっ!!!!!」ガシュッ
ビリィッ
緑谷「とった!とったああ!!!」
マイク「残り17秒!こちらも怒りの奪還!それどころか他チームのハチマキも奪い取ったぁぁあああ!!」
轟「っそ…!」
飯田「何をやっているんだ轟君!しっかりしたまえ!」
麗日「や、やばいよやばぶぶぶ…」
上鳴「ウィー…」
緑谷「このまま逃げ切るぞ!!」
常闇「ああ!!!」
轟(今のポイント…4位以内…だが…)
マイク「そろそろ時間だ!!カウントいくぜエヴィバディセイヘイ!!!」
マイク「10!!」
轟「取り返すぞ!!」
マイク「9!!」
飯田「言っただろう!?もう俺は使えない!これ以上は…」
マイク「8!!」
拳藤「これは…」
マイク「7!!」
八百万「いける!!!」
マイク「6!!」
爆豪「デクゴラァァア!!」ボオオッ
マイク「5!!」
緑谷「かっちゃん…!!」
マイク「4!!」
常闇「くっ…!」ゴオオッ
マイク「3!!」
オールマイト「……」
マイク「2!!」
悟空「……」
マイク「1!!!」
マイク「TIME UP!」
………
マイク「早速上位4チーム見てみよか!!」
緑谷「…はぁ…はぁ…」
ポン…
常闇「……緑谷」
緑谷「…はぁ…はぁ…」
常闇「…」スッ…
緑谷「……1000万…!」
常闇「よく…やった…!!!」
緑谷「いいいいい……」
緑谷 拳藤 八百万「よっしゃあああああ!!!!」
マイク「緑谷チーム!1000万保持達成1位ぃぃいいい!!!」
マイク「2位!爆豪チーム!!」
爆豪「くそっ!!」
マイク「3位!鉄て…てあれ!?し、心操!?心操チーム!!!!?」
心操「ご苦労様」
マイク「4位!轟チーム!」
轟「……」
マイク「以上4組が最終種目へ進出だあああああっ!!!!」
悟空(よくやった緑谷…!!!)
轟(攻撃には使わねえ…そう決めた筈なのに…)
轟(気圧された…)
轟「いけねえ…これじゃ…」プルプル…
轟「親父の思う通りじゃねえか…」
マイク「一時間程昼休憩挟んでから午後の部だぜ!!じゃあな!!!」
マイク<なぁカカロット一緒にメシ食おうぜ
悟空<悪いけど急ぎの用事ができちまったんで…
フッ
マイク「…瞬間移動…」
緑谷「あり゛がとう゛!!」ドババ…
拳藤「あーうん嬉しいのは分かるけどそんな泣く程じゃ…」
緑谷「いや…皆協力してくれたお陰で助かったんだ…」
緑谷「じゃなきゃあの時奪り返せなかった」
常闇(…隙があったから頭のも取ろうとしたけど止めておいて正解だったかもな)
緑谷「特に拳藤さん…僕と初対面なのに僕を信頼してくれた…」
緑谷「それに迷っていた時にも言葉をかけてくれた!本当感謝しかない!」
緑谷「この御恩は一生忘れませんっ!」
拳藤「なんだその今から私死ぬみたいなムードは…」
拳藤「…まあ皆のお陰でもあり誰のお陰でもないんだからさ?」
拳藤「ただ…じゃあ私は」
拳藤「あんたのその言葉…一生忘れない」
緑谷「……」
拳藤「ま、次会う時は体育祭中だといいね」
拳藤「じゃね、デク」
緑谷「………じゃ」
常闇「……」<ゴゴゴ…
八百万(この私を差し置いてデクなんて呼ぶなんて!麗日さんだってデク君ですのよ!?今日初対面なのに爆豪さんや麗日さんみたいに付き合い長かったり別に仲良かったわけじゃありませんのよ!?なのになんで…」ブツブツ…
常闇「……恋愛というやつか…分からん」
影<ヤオヨロッパイー
常闇<なんだそれは
ポン
「…おい」
緑谷「?」
鉄哲「何が起きたんだ?いつの間にか0Pになって終わってたぞ?」
塩崎「あの小人の方のポイント…穢らわしい取り方をしてしまった罰でしょうか…」
物真「くそ…あのシネシネ野郎め…あいつがいなかったら今頃僕達は…!」
物真「大体!なんで拳藤はあっちを肯定してるんだ!」
物真「拳藤がいれば…!」グッ
拳藤「…あたしが…何だって?」
物真「拳藤…!」
拳藤「別に…あたしはあいつらが浮かれてんのもプロ達が賞賛してるのにも何にも思っていないわけじゃあない」
拳藤「ただ…あたしはこっちの方が効率いいと思っただけよ」
物真「お前はプライド無いのか!?B組としての!ヒーローとしての!」
拳藤「そのプライドを一時的に捨てたおかげであたしは上がってこれたのよ」
物真「…!」
拳藤「これも必要な事なんだよ…ヒーロー社会に出てきた時のね」
拳藤「……最も…」
拳藤「あいつのせいでA組のイメージぶち壊れたけどね…」
拳藤「ははっ…」
蛙吹「悔しいわ。おめでとう三奈ちゃん」
芦戸「爆豪、轟の氷対策で私入れてくれてただけで実力に見合ってんのか分かんないよー…」
麗日「飯田君あんな超必持ってたのズルいや!」
飯田「ズルとは何だ!!あれはただの【誤った使用法】だ!」
上鳴「ウェーーイ」(楽しかったアレ)
飯田「どうにも緑谷君と張り合いたくてな…」
麗日「男のアレだな~…ていうかその緑谷君…デク君は?」
麗日「どこだ?」
緑谷「………」
轟「………」
緑谷「話って…何?」
轟「………」
緑谷「あ、気持ちは嬉しいけど…そういうのは」
轟「違えよ」<ここトイレじゃあるめえし
オールマイト「よっ」
エンデヴァー「?」
オールマイト「久しぶりだな!お茶しよ!」
オールマイト「エンデヴァー!」
エンデヴァー「…オールマイト…」
発明「あれ?私は?」
マイク「おめえは騎馬戦で落ちたよ」
発明「ええ!?もう終わり!?」
緑谷「話って…何?」
緑谷「早くしないと食堂混みそうだし…」
緑谷「……えと…」
轟「…」ギロッ
緑谷「…」ゴクッ
緑谷(…かっちゃんとはまた違う…冷たい威圧感)
轟「気圧された。自分の誓約を破っちまう程によ」
緑谷(使えば有利になる場面でも拒んだ…)
緑谷(左側のこと…)
轟「飯田も上鳴も麗日も八百万も常闇も…」
轟「感じてなかった…最後の場面」
轟「俺だけが気圧された」
轟「……何故かな…まぁ、あるとしたら…」
轟「俺だからだな」
緑谷「………は………?」
緑谷「つまり…どういう…」
轟「お前に同様の何かを感じたってことだ」
緑谷(…同様の?何のだ…)
轟「なぁ…緑谷」
轟「お前、オールマイトの隠し子か何かか?」
緑谷(あ、そういうパターン!?…)
緑谷「…別にそんな事はないよ」
轟「………」
緑谷(…まぁオールマイトに目かけられてるってのは100%違うって訳じゃないが)
緑谷(たまに登下校尾行されてるしなぁ)
轟「そうか…」
轟「……なんでそう動揺せずすぐに否定できる?」
緑谷(しまった…反応が早すぎた…!)
轟「…まぁ、その口ぶりから察するに最低でもオールマイトと何かしら言えねえつながりがあるんだろう」
緑谷「…あのさ、さっき俺だからって…言ってたじゃん…」
緑谷「あれって一体…」
轟「……」
轟「俺の親父がエンデヴァー…それは知ってるだろ」
緑谷「うん………!?」
轟「万年No.2のヒーローだ」
轟「お前がNo.1ヒーローの何かを持っているのなら俺は…」
轟「尚更勝たなきゃならねえ」
オールマイト「超久しぶり!10年前の対談振りかな!?」
オールマイト「見かけたら挨拶しとこうと思ってね」
エンデヴァー「そうか。ならもう済んだろう、去れ」
エンデヴァー「茶など冗談じゃない…」クルッ
エンデヴァー「便所だうせろ!」
ゴォッ
オールマイト「つれないこと言うなよーー!」<HAHAHA!
エンデヴァー「ぐっ…!」
オールマイト「君の息子さん、焦凍少年」
オールマイト「力の半分も使わず素晴らしい成績だ!」
オールマイト「教育が良いのかな」
エンデヴァー「…何が言いたい」
オールマイト「いや、マジで聞きたくてさ」
オールマイト「次代を育てるハウツーってのを」
エンデヴァー「?」
エンデヴァー「貴様に俺が教えると思うか?」
エンデヴァー「相変わらずそのあっけからんとした態度が癪に障る」
オールマイト「ご、ごめん…」
エンデヴァー「これだけ覚えとけ」
エンデヴァー「アレはいずれ貴様をも超えるヒーローにする」
エンデヴァー「そうするべく…」
エンデヴァー「つくった仔だ」
オールマイト「…」ゾッ…
オールマイト「何を…」
エンデヴァー「今は下らん反抗期だが…」
エンデヴァー「必ず超えるぞ…」
エンデヴァー「超えさせる……!」
轟「親父は極めて上昇志向の強い奴だ」
轟「ヒーローとして破竹の勢いで名を馳せたが」
轟「それだけに生ける伝説オールマイトが目障りで仕方なかったらしい」
轟「自分ではオールマイトを超えられねえ親父は次の策に出た」
緑谷「個性婚…か」
緑谷「超常起きてから第二~三世代間で問題になったやつ…」
轟「…よく分かったな」
緑谷「まあね。ただ偶然、氷の個性の人と結婚した…なんて狙ってる様にしか見えない」
轟「自身の個性をより強化して継がせるためだけに配偶者を選び…結婚を強いる」
轟「倫理観の欠落した前時代的発想」
轟「実績と金だけはある男だ」
轟「親父は母の親族を丸め込み母の個性を手に入れた」
轟「俺をオールマイト以上のヒーローに育て上げることで自身の欲求を満たそうってこった」
緑谷(……)
轟「うっとうしい…!」
轟「そんな屑の道具にはならねえ…」
轟「記憶の中の母はいつも泣いている」
轟「『お前の左側が憎い』と俺に煮え湯を浴びせた」
緑谷「!?」ゾッ…
轟「……ざっと話したが俺がお前につっかかんのは見返すためだ」
轟「クソ親父の個性なんざなくたって…」
轟「いや…」
轟「使わず一番になる事で奴を完全否定する…!」
爆豪(……)
爆豪(は?)
緑谷(あまりに違う世界の話で正直ビビった)
緑谷(目指す場所は同じでも…ここまで違うのかって…)
轟「……言えねえなら別に良い」
轟「お前がオールマイトの何であろうと俺は右だけでお前の上に行く」スタスタ…
轟「時間とらせたな」
緑谷(コミックだったら主人公だ…それ程の背景)
緑谷(それに対し僕が言える事なんて…)
ザッ…
緑谷「…僕は…」
轟「…?」
緑谷「ずうっと助けられてきた」
緑谷「さっきだってそうだ」
緑谷「僕は…」
緑谷「誰かに救けられてここにいる」
ザアッ…
緑谷「オールマイト…彼のようになりたい」
緑谷「その為には1番になるくらい強くなきゃならない」
緑谷「君に比べたらささいな動機かもしれない…」
緑谷「でも僕だって負けらんない」ビュゥゥ…
緑谷「僕を救けてくれた人達に…応える為にも…!」
轟「…」
緑谷「さっき受けた宣戦布告、改めて」
緑谷「僕からも」
緑谷「僕も君に勝つ!!!」
轟「……」ビュゥゥ…
爆豪「………」
昼休憩終了
マイク「えー最終種目発表の前に予選落ちの皆に朗報だ!!」
マイク「あくまで体育祭!ちゃんと全員参加のレクリエーション種目も用意してんのさ!」
マイク「本場アメリカからチアリーダーもよんで一層盛り上げ…」
マイク「ん?ありゃ?」
悟空「……?何やってんだ八百万達…」
マイク「どーしたA組!!?」
1年A組チアガールズ「……」
拳藤「ぶはっ!」
拳藤「あひゃひゃひゃひゃ!!」ガンガンガン…
八百万「何をおっしゃいたいの?」
拳藤「いや…その…ぶはははは!」ゴロゴロ…
拳藤「いや、ごめん…なんか…」
拳藤「恥じらいもなく堂々とそれ着てるから…」
拳藤「はははは!!」
八百万「…」ギロッ
麗日(怖っ!?)
拳藤「あー、やばい、笑いすぎたわ。顎おかしくなりそ」
拳藤「次種目までのリラックスなったわ。じゃあまたねー」
梅雨「…やたら明るい子だったわね」
拳藤「あ、忘れてた…」キキーッ
拳藤「えっと…八百万…だっけ」
八百万「…?」
拳藤「闘る時ゃ闘るでそん時もまたよろしくな?」ポンッ
八百万「ええ!お互いベストを尽くせるよう頑張りましょう!」ゴゴゴ…
拳藤「んじゃ今度こそ、またな!」
ダダッ…
芦戸「なんだったのあの子…」
八百万(必ず叩き潰して差し上げましょう…)ゴゴゴ…
麗日(そいやデク君見ないなあ)キョロキョロ
八百万「…大体…峰田さん!上鳴さん!騙したでしょう!!?」
峰田 上鳴「なんの事かな?」グッ
峰田『午後は女子全員ああやって応援合戦しなきゃいけねぇんだって!』
八百万『え…聞いてないけど』
上鳴『信じねえのも勝手だけどよ…』
上鳴『悟空先生の言伝だからな』
壁
悟空『……へ?』
悟空「あいつらマジでやっちまったのか…」
八百万「何故こうも峰田さんの策略にハマってしまうの私」ズーン…
八百万「おまけに馬鹿にされる始末…」
耳郎「アホだろあいつら…!」
葉隠「まあ本戦まで時間空くし張りつめてもしんどいしさ」
葉隠「いいんじゃない!?やったろ!!」<オラァ!!
蛙吹「透ちゃん好きねえ」
マイク「さあさあ皆楽しく競えよレクリエーション!!」
マイク「それが終われば最終種目」
緑谷「…」チラ…
マイク「進出4チーム!総勢16名からなるトーナメント形式!」
マイク「1対1のガチバトルだ!!!」
切島「トーナメントか…!毎年テレビで見てた舞台に立つんだあ…!」
芦戸「去年トーナメントだったっけ」
瀬呂「年によって違ったりするけど例年サシで競ってるよ」
瀬呂「去年はスポーツチャンバラしてた筈」
ミッドナイト「それじゃあ組み合わせ決めのくじ引きしちゃうわよ」
ミッドナイト「組が決まったらレクリエーションを挟んで開始になります!」
ミッドナイト「レクに関して進出者16名は参加するもしないも個人の判断に任せるわ」
ミッドナイト「息抜きしたい人も温存したい人もいるしね」
ミッドナイト「んじゃ1位チームから順に…」
「あの…!すみません」
尾白「俺…辞退します」
皆「!!?」
緑谷「ええ?尾白君何で…」
麗日「せっかくプロに見てもらえる爆なのに!」
尾白「騎馬戦の記憶…終盤ギリギリまでほとんどないんだ」
尾白「多分奴の個性で…」
緑谷「?」
心操「……」
尾白「チャンスの場だってことは分かってる…それをフイにするなんて愚かな事も…!」
緑谷「…尾白君…」
尾白「でもさ!皆が力を出し合い争ってきた座なんだ!」
尾白「こんな…こんな訳分かんないままそこに並ぶなんて…」
尾白「俺はできない…!」
麗日「気にしすぎだよ!本戦でちゃんと成果を出せばいいんだよ!?」
芦戸「そんなん言ったら私だって全然だよ!?」
尾白「違うんだ…俺のプライドの話さ…!」
尾白「俺が嫌なんだ…」
尾白「あとなんでチアの格好してるんだ君達…」
峰田「全く…下品な女共だぜ…」
蛙吹「なんか言った?」
峰田「いえ…!なんでも…!!」
蛙吹「あなたは進出者じゃないでしょ」ズルズル…
峰田「は、離せ…!!」
庄田「僕も記憶がなく…棄権したい!」
庄田「実力如何以前に…何もしていない者が上がるのはこの体育祭の趣旨と相反するのではないだろうか!?」
切島「なんだこいつら…!!男らしいね!」
マイク「なんか妙な事になってるが…」
悟空「ミッドナイトがどうすっかによんな」
ミッドナイト「そういう青臭い話はさぁ…」
ミッドナイト「好み!!!」ピシャアン!!
ミッドナイト「尾白、庄田の棄権を認めます!」
緑谷(好みで決めた…)
青山「僕はやるからね?」スッ…
ミッドナイト「繰り上がりは5位チームだけど…」
「……なら、ずっと動けなかった私達より…」
「最後の最後まで上位だった鉄哲チームじゃない?」
鉄哲「え…」
「私達動かずに終わっちゃったしさ…」
「適任だと思うよ?」
鉄哲「お…おめえらあああっ!!」
ミッドナイト「という訳で鉄哲と塩崎が繰り上がって16名!!」
ミッドナイト「組はこうなりました!!」
第一試合 爆豪VS心操
第二試合 轟VS瀬呂
第三試合 塩崎VS上鳴
第四試合 飯田VS青山
第五試合 芦戸VS拳藤
第六試合 常闇VS八百万
第七試合 鉄哲VS切島
第八試合 麗日VS緑谷
緑谷(…轟君と当たるとしても決勝かぁ…)
緑谷(でもかっちゃんがいるしな…こりゃ分からない)
緑谷(……心操…B組にもいなかった気がするぞ…)
緑谷(突然3位になったんだよな…)
緑谷(それよりさっきのチーム皆いるし…)
麗日「ほえええ…!?」
緑谷(初戦は麗日さんとか…)
マイク「よーし!それじゃあトーナメントはひとまず置いといて!イッツ束の間!」
マイク「楽しく遊ぶぞレクリエーション!!」
緑谷(とは言っても…)
緑谷(神経を研ぎ澄ます者…緊張を解きほぐそうとする者)
緑谷(それぞれの思いを胸にあっという間に時は来る)
ワァァ…
緑谷「……尾白君…それ、本当?」
尾白「ああ…多分な」
緑谷「まずいよ…それじゃあかっちゃん…」
緑谷「1回戦で負けるじゃないか…」
セメントス「オッケーもうほぼ完成」
マイク「サンキューセメントス!」
マイク「ヘイガイズアァユゥレディ!?」
マイク「色々やってきましたが!!」
マイク「結局これだぜ!!ガチンコ勝負!!」
マイク「頼れるのは己のみ!」
マイク「ヒーローでなくともそんな場面ばっかりだ!分かるよな!!」
マイク「心・技・体に知恵知識!!」
マイク「総動員して駆け上がれ!!」
マイク「1回戦第一試合!」
マイク「見た目は凶暴!中身も凶暴!実力は伊達じゃない!!」
マイク「ヒーロー科!爆豪勝己!!」
マイク「対!!!」
マイク「ごめん今のところ目立つ活躍なし!」
マイク「普通科!心操人使!!」
ワァァアア…
マイク「ルールは簡単!相手を場外に落とすか行動不能にする、あとは『まいった』とか言わせても勝ちのガチンコだ!!」
マイク「ケガ上等!!こちとら我らがリカバリーガールが待機してっから!!」
マイク「道徳倫理は一旦捨ておけ!!!」
マイク「だがまぁ命に関わるよーなのはクソだぜ!アウト!!」
マイク「ヒーローは敵を捕まえる為に拳を振るうのだ!」
セメントス<クソな場合は止めるからねー
心操「…爆豪…か」
心操「君、ヘドロの時の被害者だってね」
爆豪「あ?」
心操「そんでもって敵の襲撃か…参っちゃうよねー」
心操「さぞかしクラスメイトは大変だろうねー」
爆豪「何が言いてえんだよ」
マイク「さあ早速始めよか!!」
心操「君に関わるとロクな事がない」
マイク「レディィィイイ」
心操「君、疫病神かなんかじゃないの?」
マイク「START!!!!!」
爆豪「テメェいま何つったゴラァァアッ!?」ダッ
ピタッ…
緑谷「…終わった…!」
飯田「終わった…?どういう事だい緑谷君」
緑谷「彼の個性は…」
マイク「おいおいどうした大事な緒戦だぜ!盛り上げてくれよ!?」
マイク「爆豪、開始早々完全停止ーーー!?」
マイク「アホ面でビクともしねー!心操の個性か!?」
マイク「全っっっっっっ然目立ってなかったけど彼!!」
マイク「ひょっとしてやべえ奴なのか!?」
悟空「…あいつの個性…」
マイク「?」
悟空「いや、トーナメントだから簡単なデータ貰ったんだけどよ」
悟空「洗脳じゃああの入試合格できねえよ」
マイク「洗脳…」
悟空「例えば誰か操って敵倒してもらおうってしたって結局そいつのポイントになっちまう」
悟空「操って敵の攻撃から助けてもそいつがそいつの実力で避けたって認識になっちまうから心操にレスキューポイントは与えられねえ」
悟空「普通科も志望してるっちゅー事はこいつの中ではこの結果は想定内だったんだろうな…」
爆豪「……」
心操「でも爆豪…個性だけは当たりだったね」
心操「恵まれてていいなあ」
心操「……振り向いてそのまま場外に歩いていけ」
スタスタ…
マイク「あ、あれ!?爆豪ジュージュン!?君そんな素直だったっけ!?」
上鳴「素直云々の話じゃねえよこれ…」
切島「マジかよ…ば、爆豪…」
スタスタ…
タタッ
爆豪「……」
心操「……」
ミッドナイト「爆豪君…場外」
ミッドナイト「勝者!心操人使!!」
ザワザワ…
「マジかよ数秒で終わっちまった…」
「仕方ねえよ…相手の個性洗脳なんだからさ…」
「え、そうなの!?にしてもなぁ…」
「がっかりだよな、正直」
爆豪「……は、は?」
心操「お疲れ様。君のお陰ですぐに試合が終わった」
心操「わざわざ場外まで歩いてくれて…」
爆豪「は…は?な、何がっどういうっ」
心操「それを君が知る必要はない」
心操「伏線通りやってあげたよ?」
心操「足元ゴッソリ掬っちゃうぞっーてね…」
爆豪「…」ブチブチイッ
緑谷「止めろかっちゃん!落ち着けっ!」
心操「ま、今年はダメだったけど、来年また目指せばいいじゃん1位」
心操「初っ端敗退ドンマイ」
爆豪「ぶっ殺すぞクソ…」ゴオオッッ
セメントス「やばっ…」
爆豪「がっっ!!」ボオオンッッ…
心操「………」
爆豪「あ………」
ドサッ
悟空「馬鹿野郎…!挑発に乗っちまったから…!」
マイク「なんというか…これ…いわゆる自爆ってヤツか…」
マイク「と、とりあえず第一試合は終了!第二試合目は轟VS瀬呂だ!見逃すんじゃねえよお前らああっ!」
緑谷「……」
「運べ!頭から血ぃ出してる!」
緑谷「……かっちゃんが…やられた…!」
緑谷(ここまで勝ち上がってくると…あんな敵とも戦わなきゃいけないのか…!)
轟「……邪魔だ」
エンデヴァー「醜態ばかりだな焦凍」
エンデヴァー「左の力を使えば障害物競走も騎馬戦も圧倒できた筈だろう」
轟「…」スタスタ…
エンデヴァー「いい加減子供じみた反抗をやめろ。お前にはオールマイトを超えるという義務があるんだぞ」
轟「…」スタスタ…
エンデヴァー「分かってるのか?兄さんらとは違う。お前は最高傑作なんだぞ!!!」
轟「…!」スタスタ…
轟「それしか言えねえのかてめえは」
轟「お母さんの力だけで勝ち上がる…戦いでてめえの力は使わねえ」
エンデヴァー「……学生のうちは通用したとしても」
エンデヴァー「すぐ限界が来るぞ」
マイク「お待たせしました!!続きましては~」
マイク「優秀!優秀なのに拭いきれぬその地味さはなんだ!?」
マイク「ヒーロー科!瀬呂範太!!」
瀬呂「ひでえ」
マイク「対!!!」
マイク「一度は緑谷を追い詰めたこの男!!強すぎるよ君!」
マイク「ヒーロー科!轟焦凍!!」
マイク「START!!!!!」
瀬呂「んまぁ…勝てる気はしねえけど…」
シュルッ!
パシッ
瀬呂「つったね負ける気もしねええーー!」ゴオオッッ
マイク「場外狙いの早技!!この選択はコレ最善じゃねえか!?」
マイク「正直やっちまええええ!瀬呂おおっ!!」
轟「…悪いな」
キィィンッ…
マイク「………はあああ!?」
悟空「まあ…」
緑谷「そうなるよな…」
パキンッ
スタッ
瀬呂「……………や…」
瀬呂「やりすぎだろ…」
ミッドナイト「……う、動ける?瀬呂君…」
瀬呂「これ見て分からない?これで動けたら超人よ俺」
ミッドナイト「瀬呂君行動不能!!!」
「ど、どんまい…」
「どんまい、どんまーい」
轟「すまねえ…やりすぎた…」<どーんまい!
轟「イラついてた…」ボオオッ
轟「…」<どーんとマイケル!
緑谷(自然とわき起こったドンマイコールの中…)
緑谷(自身が凍らせたのを左手で溶かしていく轟君の姿が何故か…)
緑谷(僕にはひどく悲しく見えた)<don't Michael!!
緑谷(うっせえ)
ミッドナイト「轟君二回戦進出!!」
マイク「第三試合!」
マイク「もう説明だるいから割愛!!」
マイク「上鳴VS塩崎!!」
上鳴「俺ゃか弱い娘に暴力を振るったりする外道じゃねえ…」
マイク「レディィィ……」
塩崎「…?」
上鳴「安心しろ。一瞬で終わらせる」
マイク「START!!!!!」
ズドッ
塩崎「え」
悟空「え」
マイク「………え?」
マイク「しゅ、瞬殺ーーー!!またかよどんだけ早く終わらせたいの君達ーーー!?」
マイク「目にも止まらぬ速さで塩崎を場外に投げ飛ばしたあああ!?なんちゅう奴だ!!」
ミッドナイト「上鳴君!二回戦進出!!!」
マイク「やべえ!既にこの3人やべえよ!!」
Mt.レディ「あっちゃー…植物つながりが…」
シンリンカムイ「それよりも今勝った子の方が気になるな…」
上鳴「ひゅう…終わった」
緑谷「は、早っ!?いつ戻ってきた…」
上鳴「…はは…言うなりゃ奥の手さ」
上鳴「俺の個性は電気を纏うってやつなんだけどさ」
上鳴「上限超えるというオーバヒートすんだろ?そこを何とかしたかったから…」
上鳴「改良した。電流の速さを身につける事に成功したわけよ」
麗日「す、すごい…」
上鳴「苦労したんだぜ?試行錯誤の繰り返し…ま、今は10秒が限度なんだがよ」
上鳴「速さは天下一品!文字通り電光石火の如し!!」
緑谷(……皆に堂々と言うところを見ると弱点はないんだな…)
緑谷(10秒だけって言ったってあんなスピードを10秒出されちゃあっという間にやられる…)
耳郎「あいつが思ってたほどアホじゃなかった…だと…」
緑谷(まだ分からない…僕と当たった時の対策考えとかないと…)
緑谷「うーん…」
マイク「第四試合スタート!!」
緑谷(って事はもう初っ端から界王拳使うしかないかな…いやでも実際雷のスピードだったら界王拳だろうがオールマイトだろうが無理ゲーだ…あれこれで勝ち目ないんじゃいや、でもよく考えれば雷の速さで走ってたら多分一瞬にして塩崎さんバラバラになると思うんだよって事は雷の様な速さってだけで実際は結構遅かったり…ああでも加減してるって可能性も…」カリカリカリ…
麗日(流石デク君分析力半端ない)
マイク「おおーっと!飯田のレシプロバーストで一発K.O.!!!!」
緑谷「あ、終わった。飯田君対策も考えないと…」カリカリカリ…
麗日(ちゃんと試合も見てるんね)<てか早っ
マイク「さあどんどん行くぞ!頂点目指して突っ走れ!!」
マイク「第五試合START!!!」
拳藤「A組の人初めまして、ってさっき会ったか」
拳藤「早速悪いけど勝たせてもらうよ…!」ゴオオッッ
マイク「開始早々個性使ってきたー!」
悟空「手ぇ大きくすんのか! 」
ダンッ
拳藤「避けられた!?」ブワッ
マイク「だが芦戸上へ逃げる!!」
芦戸「考えが単純なんだよー!捕まえて場外にするつもりだったんだろうけどそう上手く行かせるか!」
芦戸「喰らえ!あたしの最高火力!」ヒュゥゥ…
芦戸「超溶がばっ」ズドオッ
マイク「おーっと必殺技言ってる途中で攻撃ーー!ヒーローのお約束そっちのけだーー!!」
マイク「そして…」
ドサッ
芦戸「ひええ…」グルグル…
マイク「場外ーー!!」
ミッドナイト「拳藤さん!二回戦出場!!!」
上鳴「うひょーなんて素晴らしい蹴りだあ!俺もあの美脚で蹴られてえ!」
峰田「ふざけるな!八百万が…宇宙一なんだ…!」
緑谷(使い慣れてるなぁ。動きにブレがない。反動でスピード遅くなるとか思ってたけど…)
緑谷(…?)
拳藤「」ニコッ
上鳴「うおおっ!俺に手振ってくれたぜ!おい!」
峰田「なんだと~!?勘違いするな!この俺に振っているんだ!」
ワーワーギャーギャー
緑谷(……逆だ…全く真逆…)
緑谷(あれは僕を闘る顔だ…偽りの笑顔…)
緑谷(参ったな…準決勝はさっきの3人の中の誰かと闘うのか…)
緑谷(怖い怖い)
緑谷「…あれ…そういえば麗日さんは…」
飯田「……」スタスタ…
麗日「飯田君、お疲れ様」
飯田「?ああ、麗…
飯田「かじゃないな!シワシワだぞ眉間!!」
麗日「みけん?」
麗日「あ…ちょっと緊張がね…眉間に来てたね」
飯田「……そうか。確か君の相手はあの緑谷君だもんな」
麗日「……うん。超怖い」
飯田(……お互い敵同士なんで状況は初めて…ましてや1VS1)
飯田(どう接すればいいか…とても複雑なんだろうな)
麗日「でもね、飯田君のあのやつとか見ててさ」
飯田「あのやつ?」
拳藤「ったく…淡々と解説なんかしてるからああなる…」スタスタ…
拳藤「…あ。八百万」
八百万「……」
拳藤「いやー不運も良い所だよなー。なんせ私らさっきのチームメイト全員に当たるようになってるんだから」
拳藤「ま、気まずくやるなよ」
拳藤「あんたもデクの所まで行きたいんだろ?」ポンッ
八百万「……ええ」
拳藤「じゃあこれにも勝ってあたしにも勝て!」
拳藤「見当祈るよ」
スタスタ…
八百万「……」
八百万(言われずとも、常闇さんにも貴方にも、緑谷さんにも負ける気はありませんわ!)グッ…
八百万(私はただ…自分を信じて前に突き進むだけ…!)
マイク「さあ!攻撃無効のチーターVS武器作成のチーターだ!」
マイク「第六試合START!!!」
八百万「常闇さん!貴方の弱点はもうお見通しですわ!」グォッ
マイク「さっそく職人!閃光手榴弾で迎え撃つ!!」
常闇「思考が単純すぎる!」ゴォッ
ドガァアッ!
マイク「が常闇!相棒黒影の攻撃が少々早かった!反射神経抜群!」
ヒュゥゥ…
「なーんかさっきからこの展開ばっかだなあ」
「ああ。吹っ飛ばして場外ハイおしまいってw」
「ワンパターンにも程……」
フワッ
常闇「!?」
八百万「ふふふふふ…」
八百万「単純なのはどっちかしら!?」ブンッ
常闇「しまっ…」
カッッ…
常闇「ぐおおっ…」
マイク「うおおおーマビィーーーー!?」
常闇「くそっ…どこだ…!」
八百万「ここですわ!」ビリビリッ
常闇(いつの間に前に!?)
八百万「蛙吹さんの時の5倍……!!!」
バリィィッ!!!
常闇「………」
ドサッ
ミッドナイト「常闇君行動不能!」
ミッドナイト「八百万さん二回戦進出!!」
ワァァァ…
マイク「なんと…場外になりそうだったのが…浮いた…?」
緑谷「…あれは完全に舞空術…まさか…」
悟空【……いやぁ、すまねえすまねえ…】
緑谷(やっぱり悟空さんか!!!)
緑谷(おかしいと思ったんだ!障害物競走の時の成績9位になってたから!)<峰田君も10位に
緑谷(…あ、またメタ発言)
悟空(よくやった八百万。まさかあの10日ちょいで舞空術使えるようになるなんてよ…)
悟空(おめえにも才能あんじゃねえか)
悟空【それと緑谷。そろそろだぞ?】
緑谷「……はい」
マイク「では!次の第七試合はー…」
麗日「そろそろ…来そうやな」
飯田「……正直な所緑谷君には突く隙はないからな」
飯田「恐らく君の個性も研究しているだろうし」
麗日「うん…初めて会った時もそうだったけど…改めてやるなあって思った」
麗日「だってちゃんとB組の個性もあの爆豪君やった人のもノートにとってる」
麗日「ちゃんと先見据えて行動してる」
麗日「どんどん凄い所見えてくる」
麗日「多分ウチは最初飯田君があんな事言ってなかったら騎馬戦でデク君と一緒になってたかもしれない」
麗日「恥ずかしくなった。あれ聞いてて」
飯田「……」
麗日「皆将来に向けて頑張ってる!」ガタッ…
麗日「そんなら皆ライバルなんだよね…だったら…」
麗日「決勝で会おうぜ!」グッ
飯田「……ああ。俺は…どちらも応援してる」
麗日「…」ガチャ…
飯田「……」バタン
飯田(……あまり…かけられなかったな声…)
ドサッ…
マイク「個性ダダ被り組!鉄哲VS切島!!」
マイク「真っ向勝負の殴り合い!それを制したのは…」
ミッドナイト「………両者ダウン!!」
ミッドナイト「引き分け!!」
ミッドナイト「引き分けの場合は回復後、簡単な勝負…腕相撲等で勝敗を決めてもらいます」
「実力もほぼ互角かよ…」
「いいねーああいう暑苦しいのは」
「士気上がるしサイドキックに欲しいかもな…」
蛙吹「…次、ある意味最も不穏な組ね」
耳郎「ウチ、なんか見たくないなー」
飯田(……緑谷…麗日…)
上鳴「お、おい、で!?肝心のうららかっぷは?」
峰田「………」ピピピ…
ピピッ
峰田「[ピーーー]以上だ!!」グシャ
上鳴「何…だと」
轟「……」
マイク「…1戦目最後の組だな…!」
マイク「トップ&トップ!地味さもトップクラス!ヒーロー科緑谷出久!!」
マイク「対!!!」
マイク「でも俺こっち応援したい!!!ヒーロー科麗日お茶子!!」
ワァァァ…
緑谷「…まさかこんな形で顔を合わせる事になるなんてね…」
麗日「……」
緑谷「まあ麗日さんなら分かってると思うけど…」
緑谷「僕は誰と当たろうが手抜くつもりはないよ」
緑谷「全力で勝つ」
麗日「…」ゾオッ
麗日「……界王拳……」
緑谷「…?」
マイク「START!!」
麗日「界王拳使ってない時点で手抜いてるだろっ!!!」ダダッ
緑谷「え、いや、あれは反動半端ないから…」あたふた…
飯田(麗日君の場合触れて場外に落とすってのが1番手っ取り早い)
飯田(そりゃ舞空術でずっと飛行されたら意味ないが)
飯田(緑谷君はそんな事する性格じゃない…)
飯田(…だからするとしたら…)
緑谷「仕方ない…やるか…」キッ
飯田(迎撃!!)
麗日(見極めろ!左か?右か?)
麗日(まさか足から何て事は…)
緑谷「波あっ!!」
ボオオッ
麗日「くうっ…!」ゴオオッッ…
麗日(いつも両手の奴しか見てないから反応できない…!)
緑谷「…じゃあさっそく…」
緑谷「そこだ!」ガシッ
緑谷「……ん?」
麗日「っ!!」バッ
飯田「よしっ!」
マイク「上着を浮かせて這わせたのかあ!よー咄嗟にやったな!」
悟空「…」
麗日(背後からいきなりならっ…!)ゴォッ
クルッ
麗日「えっ…」
ボオオッ!
麗日「った…」ズザザ…
瀬呂「あれ見てから判断してんの?」
障子「何にせよあの反応速度じゃ煙幕は関係ないな」
砂藤「触れなきゃ発動できねえ麗日の個性…」
砂藤「正直あの反射神経には分が悪いぞ…」
麗日「くっ…」ガッ
ダッ
マイク「麗日間髪入れず再突進!!」
緑谷「遅いっ!」
麗日「っ!!?」
ボオオッ!!
飯田「…っ…」
麗日「おらああああっ!」
ボボォッ!
蛙吹「お茶子ちゃん…」
耳郎「緑谷まさかあいつあっち系の…」
麗日「まだまだあ!!!」
ボオオッ…
マイク「休む事なく突撃を続けるが…」
ボォッ…ボボオオッ!
マイク「これは…」
「…あの変わり身が通じなくて…ヤケ起こしてる」
物真「馬鹿だね…あいつ」
「なぁ…止めなくていいのか?大分クソだぞ…?」
セメントス「……」チラッ…
「…見てらんねえ…!!」
「おい!それでもヒーロー志望かよ!!」
「それだけ実力差あるなら早く場外にでも放り出せよ!」
「女の子いたぶって遊んでんじゃねーよ!」BOOO…
「そーだそーだ!!」BOO…
マイク「一部から…ブーイングが…」
マイク<でも俺も正直そう「おばっ!?」
マイク「何SOON…」
悟空「さっきからつまらない早く終わらせろってうっせえよ」
悟空「そんなに見たくねえならおめえ達が帰れ」
飯田「悟空先生…」
悟空「ここまで上がってきた相手の力を認めてっから警戒してんじゃねえか」
悟空「本気で勝ちてえんだから手加減も油断も出来ねえんだろう」
緑谷(……まだだ…まだ…)
麗日「…はぁ…はぁ…」
緑谷(死んじゃいない…)
麗日「…そろそろ…か…な」
麗日「へへ…」
緑谷「?」
麗日「ありがとうデク君…」
麗日「油断してくれなくて」ぴと…
緑谷(……へ…?何を…)
物真「緑谷の距離ならともかく…客席にいながら気付かずにブーイングしたプロは恥ずかしいね」
物真「低姿勢での突進で緑谷の打点を下に集中させ続け…」
物真「武器を蓄えてた」<ホラあれ見てみ
物真「そして絶え間ない突進と爆煙で視野を狭め…」
物真「……悟らせなかった…!」
麗日「勝あああああつっっ!!!!」
ドドドドッッ!!!
マイク「流星群!!??」
悟空「気付けよ…」
飯田「そんな捨て身の策を…麗日君…!」
麗日(こんな量!!迎撃にしろ回避にしろ必ず隙ができる!その瞬間に超秘で距離つめる!!)
麗日(勝つ!!!勝ってデク君みたいに…!)
緑谷「……」
緑谷「波ああああっ!!!」
ボオオオオッッッ!!!!!
麗日「くうっ…!」ドドッ…ダッ
緑谷「…てて…」ビリビリ…
緑谷「麗日さんの事だ…別で何らかの超秘用意してるとは思ってた」
麗日「一撃て…」
マイク「会心の光撃!!麗日の秘策を堂々…正面突破!!!」
麗日(私の今できる最大限…!)
麗日(全く通じへんかった!!)
麗日「うう゛…」よろ…
緑谷(…結構長引くなこれ…)
緑谷(使うか…!)
緑谷「界王拳…!」ボオオッ!
ゴオオッッ
麗日(それでも!!!)グッ
麗日「っっっ!!!」ダダッ…
麗日「あ…」カクッ
緑谷「2……?」
ドサッ…
麗日「っんの…体が…いう事…きかん…」
緑谷「……キャパ…」
緑谷(そうだ…あれだけやってたんだ…)
緑谷(とっくに超えて…)
緑谷「麗日さ…」
ミッドナイト「…」スッ
緑谷「!……」
麗日「まだ……」
麗日「~~~~………
「父ちゃん……」
ミッドナイト「…………」
ミッドナイト「麗日さん…行動不能」
ミッドナイト「勝者…緑谷君!」
マイク「………」
「………」
緑谷「…麗日さん!」ダダッ…
麗日「…デク…君っ…」
緑谷(…ごめんね?お疲れ?惜しかったね?)
緑谷(なんて声かけりゃいいんだよ…!)
緑谷「…」スッ…
麗日「……はぁ…はぁ…」
緑谷「…楽しかった」
麗日「……」
緑谷「こうして麗日さんと本気で向き合える事無かった…」
緑谷「最後の技も正直ビビった…ハラハラドキドキした」
緑谷「何だろう…いつの間にかわくわくしてた…」
麗日「……へへ…」
ガシッ
麗日「私も…!」
マイク「………っうおおおおっ!!!」
マイク「YEAHHHHH!青春ってほんとすっぱらしい!!」
マイク「緑谷出久二回戦進出ぅぅぅうううっ!!!」
ワァァァ…!
緑谷「歩ける…?」
麗日「うん…大丈夫ぶぶぶぶ…」
緑谷「……」
緑谷「よっと…」ボムッ…
麗日「ひゅえっ!?///」
峰田 上鳴「あ…あああ…」
八百万「」ポカーン
耳郎「おい!戻ってこい魂!!!」ユサユサ…
麗日「で、デクきゅん!///そ、そんなっおんぶせんでもっ!///」
緑谷「?怪我させたの僕だから当然じゃないか」
麗日「い、いやそりゃそっだけど…」
峰田「おいコラ緑谷ぁああああ!!!」
上鳴「裏切り者おおおおっ!!!」
緑谷「じゃ、行こっか」
麗日(うう…恥ずかしさで死にそう…)
オールマイト「……」
オールマイト「天然?」
マイク「さあこれで準々決勝に進出する8名が決まった!まだまだ始まったばっかだ!盛り上がっていくぜベイベーーー!!!」
ワァァァ…
切島「あれ、俺らの腕相撲は?」
ミッドナイト「諸事情によりカット」
鉄哲「なんて酷い事するんだ!」
切島「おめえいつの間に声高くなってんぞ?」
マイク「…今日やたら誤植あったな」
悟空「おめえwwwすっぱらしいwww」
「はははは!!!」
「くそぉ…!」
心操
轟
上鳴
飯田
拳藤
八百万
切島
緑谷
勝ったのはこれか
マイク「でわでわガチンコトーナメント第二回戦行うぜええええっ!!」
ワァァァ…
マイク「勝者は>>94の以上8名!!」
緑谷「オラ達にそれ言っても分からねえよ…」
マイク「じゃあさっそく第一試合行ってみよ!!」
マイク「二回戦第一試合!」
マイク「目立ってなかったけどあっさり爆豪倒しちゃったよ!!」
マイク「普通科!心操人使!!」
マイク「対!!!」
マイク「今度はミッドナイト凍らしちゃあかんよ!!」
マイク「ヒーロー科!轟焦凍!!」
マイク「洗脳VS炎&氷!!一見轟の方が有利だが洗脳条件を明かしてない心操も厄介だぁぁ!」
心操「……」
轟「……」
心操「…轟君。君、左使ってないでしょ」
心操「じゃなきゃあんな予選で苦戦とかしてないよね?」
心操「なんで使わないのかな?なんでかな?」
心操「例えば…」
マイク「START!!!!!」
心操「エンデヴァーさんを恨んでたりとか?」
轟「!!!」
バキバキッ!!!
心操「……う……」
ミッドナイト「心操君行動不能!」
ミッドナイト「轟君第三回戦進出!!」
ワァァァ…
「まーた即凍結でK.O.か。芸がないねえ」
「いや、でもしゃあないだろ、あれ」
「だって…」
轟「…」ザッ…
心操「くっ…!」
轟「お前、爆豪使って俺の事暴こうとしたんだろ」
心操「!?」
轟「おかしいと思った。爆豪がその場にいるなら『死ねえ!』とか言って乱入して来ただろうけど」
轟「まさか壁に隠れて盗聴なんてあり得ねえって…」
轟(まぁ話している途中までは気付かなかったけどな)
轟「おめえは恐らく…相手に挑発して乗ってきた相手が口を開けた時、初めて能力を発揮するんだろう」
悟空「じゃなきゃああんな戦闘前に煽らねえわな」
轟「…まぁ、よかったな。煽る前に決着ついて」
轟「もし母さんを馬鹿にでもするんだったら…」
轟「これ位じや済まなかったぞ?、お前…」ギロッ
心操「ひっ…!」ゾッ
轟(……まぁつう事は幸い爆豪自体には聞かれてないって事だな)
轟(……)
マイク「第二試合は最速VS最速!!さあ心の準備はいいかマスメディア!!!」
飯田「…行かねばな」
緑谷「飯田君…」
麗日「上鳴君対策、思いついた?」
飯田「……いや、全く」
緑谷「…そりゃそうさ…塩崎さんが1秒足らずで場外に落とされた…」
緑谷「……これは…」
飯田「…勘違いするな緑谷」
緑谷「…?」
飯田「俺は別にこれっぽっちも諦めてない」
飯田「兄が見てるんだ…期待に応えねばならん」
飯田「…俺は俺にできる限りのベストを尽くす…」
飯田「俺からも…」
飯田「君と…決勝で会おう」
緑谷「…ああ」
マイク「二回戦第二試合!!」
マイク「その速度、雷の如し!!」
マイク「ヒーロー科!上鳴電気!!」
マイク「対!!!」
マイク「その速度!…ええと………とにかく速えよ!」
マイク「同じくヒーロー科!飯田天哉!!」
マイク「1年の最速決定戦と言っても過言じゃあねえこの戦い!」
マイク「さあ制するのはどっちだぁああ!?」
飯田(…上鳴君のあれは10秒程と言っていたな…)
飯田(面白い…こっちも丁度超秘は10秒が限界だ)
飯田(この勝負…)
マイク「START!!!」
飯田「10秒で終わらせる!!!」DRRR…
フッ
上鳴「お?何処…」
飯田「レシプロ…」
上鳴「いい!?ちょ待待待
飯田「バースト!!!」
ブワッ
飯田「何!?」
キキーッ
マイク「オッシー!後ちょいでイイダーキック決まったのに…」
飯田(足音からして方向的に…)
飯田「上!?…にもいない…」
マイク「あ、あれええ!?突如フィールド内から消えた上鳴!!」
マイク「何処いったあいつ!飯田完全に棒立ち状態!!」
ダッ…ダッ…
飯田(いや…消えてはいない!微かに足音…)
飯田(だが…捉えられない…!)
ダダッ…
飯田(いや…こんな速さ視認できるわけないだろう!)
飯田(感じろ…!神経を研ぎ澄ませ…!)
ダダッダッ…!
飯田(感覚…感覚…感覚…!!!)
緑谷「飯田君!止まっちゃ駄目だ!動け!!」
飯田「え?」
上鳴「俺はこっちだ…!」
飯田「しまっ…」クルッ
上鳴「だりゃっ!!」バキィッ!!
ドガァァッ!!
ミッドナイト「っ…」
ドサッ…
ミッドナイト「………これは…」
飯田「………」
ミッドナイト「飯田君場外!!!」
ミッドナイト「上鳴君三回戦進出!!」
上鳴「っしゃああっ!」
ワァァァ…
マイク「のああああっ!飯田の秘策、レシプロバースト破れたりーー!?」
マイク「スピード対決、制したのは…」
マイク「上鳴電気ぃぃいいい!!!」
緑谷(…あんなスピード捉えきれっこない…!)
緑谷(飯田君のレシプロでさえあの時見切れなかったのに…)
緑谷(…上鳴君…強い…強すぎる…)
マイク「さあ!次は正直もう無いと思ったよ!」
マイク「女子同士の対決PART2!!」
マイク「これまた注目のバトルだ!」
八百万(私ならできる私ならできる私ならできる…)ドキドキ…
八百万「…」
悟空『誰にだってスランプにはまる事ぐれえあるさ』
悟空『大丈夫だ。おめえの実力と個性なら…』
悟空『奪れる!!』
八百万「………」
八百万「…行きましょう」
マイク「二回戦第三試合!」
マイク「道具作成のチーター!加えて空飛ぶから場外無理!!」
マイク「ヒーロー科!八百万百!!」
マイク「対!!!」
マイク「華麗さじゃあ劣らない!俺結構このがふっ」ドゴッ
悟空「おめえちょっと気持ち悪い」
悟空「ヒーロー科!けんどういっか!!」
マイク<カエセ!
マイク「さあ!1年最速の次は1年女子最強決定戦かよ!」
マイク「1年の中でぶっちぎりに強い女は誰だ!?」
拳藤「さっき私に勝てっつったけどさ」
八百万「?」
拳藤「私も負ける気無いんだよね」
拳藤「約束しちゃったからね…デクとここで会うって」
八百万「……」
マイク「START!!!!!」
ゴオオッッ
八百万「……そんな事…」
拳藤「…へ?」
八百万「知ったこっちゃありませんわ!!!」ズドドドッ!!
拳藤「マジっ!?」ダダダッ…
マイク「にゃぁぁあ!?く、クレイジィィイ!いきなり機関銃ぶっ放してきたよ!」
マイク「こっわ!!」
オールマイト「?銃扱ってる時点で違法じゃないかって?」
オールマイト「君達の法律とこっちの法律じゃあ違うんだ。気にするな」
オールマイト「…彼女の個性はその物体の構成、そして構成してる物質を把握しなきゃ作れないからな」
オールマイト「余程の予習をしていたのだろう」
オールマイト「だがまあ、マシンガン如きでやられちゃ…」
拳藤「…っとと…」ヒョイ…
八百万「くっ…!」ズドドドッ…
オールマイト「一人前どころか三流にすらなれんぞ拳藤少女…」
八百万「弾切れ…」
拳藤「あっぶな…」
マイク「おおーっ!何とか蜂の巣コースを回避した拳藤!」
マイク「次はどう出る八百万!?」
八百万「なら…」グオッ
ジャキ…
拳藤「いいっ!?」
マイク「なああっ!?今度はロケランか!EGETSUNEEEE!!!」
八百万「発射!!」
ボオオッ…
拳藤「でもさっきの弾が大きくなっただけの様な物…」
拳藤「回避は容易!」ダンッ
マイク「おおっ!空高く飛んでミサイルとの衝突回避…」
ボオオッ…
拳藤「え?」
八百万「追尾型ロケットランチャーですわ。甘く見なくってよ…」
拳藤「ちっ!」ヒュゥゥ…
マイク「なんと!八百万のロケットランチャー拳藤追う仕様!つくづくチーターだなおい!」
マイク「だが拳藤急降下し空中での爆破免れたーー!」
スタッ
ボオオッ…
拳藤「えええ!?ちょ…やめええ!」ダダダッ…
マイク「追う!追う!地獄の果てまでミサイルが追いかける!」
拳藤「ひいいいっ!?」ダダッ…
飯田「速さはミサイルの方が速い!」
緑谷「この勝負もらった!」
拳藤「……!」
ダダダッ…
マイク「あり?拳藤どうしたいきなり八百万の方に走ってったぞ…」
八百万「諦めましたの!?」ジャキ…
キキーッ
拳藤「」ニヤッ
八百万「え?」
シャッ
八百万「はっ!?」
八百万(しまっ…)
ズドオオオンッッ…
ミッドナイト「ぐっ…」
マイク「すっげえ爆発…!」
悟空「……」
八百万「………」
拳藤「…うーん。避けられちゃうかまあ…」
マイク「なるへそ!追尾を利用して八百万の前まで走って寸前で避けた!」
マイク「あのタイプじゃあ曲がりきれずに八百万当たっちまうか」
悟空「なんとか八百万も反射で舞空術使って避けたけど…」
ヒュゥゥ…
タッ
拳藤「流石チーター。一筋縄じゃいかないね」
八百万「この程度の策でやられる訳にはいきませんわ」
拳藤「じゃあ小細工なしはどうかな?」ニッ
ダダッ!
緑谷(速い!)
八百万「っ…!?」
拳藤「はっ!」ドゴォッ!
八百万「ぐっ…」
八百万「やあっ!」ブワッ…
拳藤「いい蹴りじゃん。だけど…」
拳藤「遅い!!」バキッ!
八百万「かっ!?」
ドガッ!ゴッ…
マイク「すげ…格闘戦で圧倒しとる…」<バキッ…
拳藤「掌底!!!」ズドオオオッ!!!
八百万「きゃぁっ!!」ヒュゥゥ…
ズザザッ…
八百万「ぐ、ぅぅ…」
拳藤「…言ってなかったけど…」
拳藤「これでもあたしちょっと拳法かじってんだ…知ってた?」
マイク「知らねえええ!?てかちょっと所じゃねええ!そこらのチンピラの1人や2人ぐらいは制裁出来るよねそれ!?」
悟空(勿論八百万に教えたのは舞空術じゃねえ…それどころか本当は格闘技メインで教えてたんだ…)
悟空(予想以上に厄介だな…)
八百万「はぁ…はぁ…」
拳藤「もう何発も食らったから結構ボロボロだろ?」
拳藤「まぁまだ闘るってんなら付き合うけど」スッ…
八百万(まさかここまでなんて…B組にこんな方がいるとは思いませんでしたわ…)
八百万(…今更武器で不意打ちかけるのも無理がある…)
八百万(ならっ…!)
バッ…
拳藤「そのポージングは…」
八百万(…か…め…)
マイク「あれ?それ緑谷の個性のじゃん!?どしたの急に八百万!」
八百万(は…め…)
拳藤(ハッタリ!?いや空飛ぶあたりガチか!?)
拳藤(…何にせよ避けて手巨大化させてそろそろ終わらせるか…)
拳藤(温存もしておきたいし…)
八百万「…」キッ!
拳藤「ここだあっ!」ダンッ
マイク「拳藤またまた飛んだ!!!」
八百万「波っ!!!」
ポフッ
「………」
拳藤「……へ?」
マイク「o、oh…や、やっぱり緑谷の真似だったのか…」
悟空「…でも、隙ができたぞ!」ニッ
マイク「あっ!そういや空中行っちゃったなあの子…」
拳藤「あっちゃ…」
八百万「狙えって言っている様なものですわ!!」ダンッ!
八百万「はああっ!!!」
緑谷「よっしっっ!!!」
ガシッ
八百万「やっ…!?」
グッ…
マイク「っかあああ!八百万!拳藤の巨大な手に掴まれた!!」
八百万「くっ……」
拳藤「惜しかったね…上手い作戦だったけど…」
拳藤「…でも上に行きたいのはあんたらだけじゃないんだ」
バッ
マイク「は、離した!?」
八百万「……」
拳藤「…巨拳…!」
ズドォォォッ!!!
マイク「…っ!!!」
緑谷「…八百万さんっ!?」
ヒュゥゥ…
ドゴォォッ……
ミッドナイト「っ…八百万さん…!」
ダダッ…
八百万「………」
ミッドナイト「…気絶してる…」
ミッドナイト(場外にせよ何にせよあんな勢いでぶつかってったら浮くのも間に合わなかった…)
ミッドナイト「場外!!」
ミッドナイト「拳藤さん三回戦進出!!」
拳藤「っし!!!」
ワァァァ…
マイク「くぅぅっ!やっぱり拳たんナンバーワンなんね…」
悟空「……」ゴゴゴ…
マイク「え、いやなんでもないっす」
悟空「…八百万…」
緑谷「……」
飯田「緑谷君。君次だろ」ポンッ
緑谷「あ、あっ!そうだ!行かないとっ」
飯田「やれよ。緑谷」
飯田「君なら奪れるさ。頂」
緑谷「……うんっ」
スタスタ…
緑谷「…」
「早く運べ!結構重症だ!」
「打撲数カ所行っちまってるよ!」
緑谷「……」
八百万「」
緑谷「行ってきます。八百万さん」
マイク「さあ!第二回戦。シメを飾るのはこいつらだ!」
マイク「情熱!努力!とにかく暑苦しっ!!」
マイク「ヒーロー科!切島鋭児郎!!」
マイク「対!!!」
マイク「結構君目立ってるけどやっぱりジミー!」
マイク「ヒーロー科!緑谷出久!!」
切島「へへ…。ここまで来ちゃむしろ褒め言葉だな。地味」スッ…
緑谷「そりゃどうも…」スッ…
オールマイト(切島少年の個性は硬化か)
オールマイト(緑谷少年のかめはめ波が効くかどうか…)
マイク「START!!!」
緑谷「だああっ!」ダダッ
切島「がああっ!」ダッ!
ガシッッ!!
マイク「お!すげえ取っ組み合い!先ずは力比べか!」
緑谷「くっ…!」
切島「ぐおああああっ…!」
ググッ……
マイク「こりゃ切島の方が有利か?」
緑谷「っと…」グイッ
切島「おわっ…!?」
マイク「ぬっ!?緑谷が倒れた拍子に切島が力抜けちまった!」
緑谷「だあっ!」ブンッ!
ヒュゥゥ…
ダッ
切島「そう簡単に場外なるかよ!」ダンッ
マイク「吹っ飛ばされそうになるが切島も負けじと応戦!!」
緑谷 切島「うおおおおおっ!!!」
ドガッバキッドゴッ!
マイク「激しい接戦繰り広げるぅぅううっ!」
マイク「これだろ!?こういうの期待してんだろお前らぁあっ!!」
切島「だあっ!」ドガッ
緑谷「っくっがあっ!」バキッ!
切島「効かないねえ!」
緑谷「いっちいいい!?」
悟空「防御はピカイチだなありゃ…!」
切島「おりゃ!」ズボッ!!
緑谷「うごっ…」
緑谷「かはっ…」
マイク「おお~!緑谷結構大ダメージ!」
緑谷(くっ…硬いから攻撃力も高い…!)
緑谷「か~め~は~め~!」ギュオオッ…
切島「!?」
緑谷「波ああああっ!!!」ボオオッ!!
切島「くっ!」
ボオオオオッッ…
シュゥゥ…
緑谷「……」
「効かねえって…」
緑谷「!?」
切島「言ってんだろおおっ!!」ドゴオッ!!!
緑谷「がっ…!」
切島「っらあっ!」ドゴオッ!
バキッ!ドガッ!
マイク「一方的な暴力が緑谷を襲ううう!こりゃ痛い!!」
飯田「緑谷君…!」
麗日「切島君強いよ…」
「またこりゃクソな展開になりそだな」
ザワザワ…
悟空「……」
緑谷「ぐあっ!うっ!!」バキッドゴッ
悟空(…違え…考えてるのさ…)
悟空(普通、他の奴らなら少し考えてすぐ諦めっけど…)
悟空(緑谷は絶対そんな事しねえ。考えて、考えて…)
悟空(どうすりゃいいのか考察してんのさ)
悟空(無理だ不可能だなんてこれっぽっちも考えない)
悟空(だからこんぐれえのピンチは…)
ズザザ…
悟空(乗り越えられる!)
切島「最後じゃあああっ!!」
ブンッ…
緑谷「……」
ガシッ
切島「なにっ…」
ドゴォォッ!!
切島「……がはっ!?」
緑谷「…」
ズズッ…
マイク「…き、効いた!?硬くなってっから効かないんじゃねえのか!?」
マイク「なんだ!?緑谷この試合でパワーアップでもしたのか!?」
爆豪「違えよ」
上鳴「ぬおっ爆豪いつの間に…」
爆豪「るせ殺すぞ」
飯田「どういう事だ爆豪君…?」
爆豪「黙ってみとけメガネ」
飯田「……」
緑谷「……君の技、借りるぞ峰田君!!」
峰田「ダニィ!?」
緑谷「だだだだだだっっ!!」ボボボボボオッ!
マイク「な、なんと!緑谷突如ヤケクソとビーム撃ちまくり始めた!」
切島「だ、だから効かねえって…」ボボボボボ…
切島「ぐ…!!」ボボオオッ!
飯田「き、効いてる!?」
爆豪「ありゃデクがパワーアップしたんじゃねえ。むしろ逆だ」
爆豪「切島がパワーダウンした」
爆豪「ありゃ硬くなるよう気張り続けてんだろ」
爆豪「そりゃ速攻仕掛けたらどこかで綻ぶわ」
爆豪「長期戦にならねえ様序盤で殴りまくったのはいいけど…」
ダンッ
緑谷「ジャン拳…!」
切島「いっ…!?」
爆豪「見通し甘えよバカ」
緑谷「グーッッッ!!!」バキイッッ!!!
切島「ぐおっ……」
切島「あ…く…」
緑谷「まだか…?」スッ…
切島「…」ドサッ…
切島「へへ…駄目だ。参った…」
ミッドナイト「切島君降参!!」
ミッドナイト「緑谷君三回戦進出!!」
緑谷「よし!」
ワァァァ…
マイク「これで二回戦は全て終了!」
マイク「遂にベスト4が出揃った!!」
マイク「次の試合に備えろ4人!」
飯田「…にしてもよくよく考えれば緑谷君不遇だな…」
麗日「?」
飯田「考えてもみろ。この後1試合終わった後2連続で準決勝、決勝だ」
飯田「あれでスタミナはもつのか…?」
麗日「う、うう…デク君…」
ガチャ…
上鳴「お、お疲れ!緑谷」
緑谷「上鳴君もお疲れー」バタン…
上鳴「いやーまさか俺ベスト4入りなんて照れるなぁーおい!」
緑谷「超秘チートに近いもんね」
上鳴「てかお前後1試合あるぞ?観客席戻って休めば?」
緑谷「いいや…」
緑谷「次、もすぐ終わるでしょ?」
上鳴「……緑谷は分かってんなー…」
上鳴「じゃ、そろそろ俺も行くか…」
上鳴「じゃな。緑谷」ガチャ…
緑谷「……」バタン…
マイク「体育祭!とうとう終幕に近づいてきた!!」
マイク「もうこの4人ならどいつが優勝してもおかしくない状況!」
マイク「それ程の強者達の中から、優勝する権利、切符が与えられるのは、2人!」
マイク「そしてその1枚が今、譲渡される時が来た!!!」
マイク「もうここまで来れば説明不要だな!?」
マイク「三回戦第一試合!!!」
マイク「ヒーロー科!轟焦凍!!」
マイク「対!!!」
マイク「同じくヒーロー科!上鳴電気!!」
マイク「この2人はなんとこれまでの試合を5秒以内でケリ着けてた!」
マイク「なんたる力!」
マイク「なんたる速さ!」
マイク「さあ、瞬殺王VS最速王!」
マイク「どちらにその権利が与えられるのか!?」
マイク「準備はいいな!?レディィィ…」
上鳴 轟「………」
マイク「START!!!!!」
キィィンッ……
ミッドナイト「」
マイク「ぎゃあああ!ミッドナイトォォオオッッッ!?」
マイク「なあ、俺言ったよな!?もうすんなっつったよな!?」
マイク「早くも決着…」
悟空「いや、まだだ」
上鳴「やっほー!」
マイク「まぢかよ…!?」
マイク「流石最速!難無く轟の凍結避けやがったーー!」
上鳴「このまま場外に投げ手やんぜ!!」シャッ
マイク「またしても消えた!?」
ガシッ…
上鳴「…ぬっ…ふんっ…ぐっ…」
マイク「……ん?」
「…え?」
上鳴「ぐぬぬぬぬぬぬ…」グイッ
上鳴「え…何これ取れねえ」
轟「……脚」
上鳴「…?脚?」
上鳴「あ」
轟「脚も一緒に凍らせたから動くわけねえだろ」
マイク「うおおおっ!轟め!避けた場合の事考えて自分固定してやがった!」
マイク「こりゃやべえええ上鳴!!」
上鳴(い、いや、後5秒ある…それで…)
ピキピキ…
上鳴「ぬおおおあああっっ!?」
轟「逃すわけねえだろ」
上鳴「ははは…時間切れ…か」パキパキ…
轟「………」
マイク「があああっ!最速王、遂に敗れる!!決勝戦への切符勝ち取ったのは…くぅぅうっ!!」
マイク「轟焦凍!!!!」
轟「………」
轟(緑谷…折角ここまで来たんだ…)
轟(こんなステージで負けちゃ承知しねえぞ…)スタスタ…
轟「あ、溶かすの忘れてた」<スマン
ボオオッ…
緑谷(………)
緑谷(…やっぱり…こうなったか…)
緑谷(まず最初の凍結…当たり前だ。今までの傾向からして上鳴君は1、2秒でケリをつけようとしてた)
緑谷(だから始まった瞬間にフィールド全体を凍らして逃げ場無くせば…別に僕や麗日さんみたいに飛ぶわけじゃないからな)
緑谷(としたら、上鳴君が取るべき行動はやっぱり上空に逃げる事だろう…)
緑谷(ここまでは上鳴君も分かってた…でも…轟君はあえてそこを突いて飛びかかり掴ませ凍らした…)
緑谷(脚を凍らせ地面に付けたらまず上鳴君のパワーじゃ地面から引き千切れない…)
緑谷(………上鳴君、そこの対策は考えきれなかったか…)
緑谷「…次は拳藤さんか…」
緑谷「彼女の個性は気をつけなくていいけど…」
緑谷「かじってる格闘技がどれ位のレベルか…」ガタッ…
緑谷「…」
マイク「準決勝第二試合…」
マイク「皆大好き!我らがアイドル!!」
マイク「ヒーロー科!拳藤一佳ぁああっ!!」
悟空(さっきの説明不要撤回しやがった…)
マイク「対!!!」
マイク「なんか今回女と絡む事多い人!!」
マイク「ヒーロー科!緑谷出久!!」
ワァァァ…
マイク「このバトルに勝った者が轟と決勝で闘う事が可能!!」
マイク「どちらが勝利を収めるか……」
マイク「いややっぱ拳たんだろ!?」
ワァァァ…
拳藤「なんか知らんが持ち上げられてんなー、私」
緑谷「……」
拳藤「…久しぶりだね、デク。何年振りよ」
緑谷「3時間12分振り」
拳藤「覚えてくれてたんだ、嬉しいね」
拳藤「昨日の友は今日の敵ってやつかな」
拳藤「安心しな。あんたを表彰台に送ってやるからさ」
緑谷「へえ~。僕を勝たせてくれるの?」
拳藤「ははは!何面白い冗談言ってんの緑谷?」
拳藤「あたしが勝つに決まってんじゃん」ニコッ
緑谷「拳藤さんが決勝で負けたら僕4位だけど?」ニコッ
ミッドナイト「あ、準決勝上がった時点で表彰台上がるのは確実よ?」<そりゃ同率3位
緑谷「え?そうなの?」
拳藤「良かったじゃーん。もう3位確定だってさ」
「な、なんか仲良く…話してんな…」
「これから闘うってムードが感じられねえ」
葉隠「さっきの子と緑谷君仲良しだねー…」
耳郎「しー…」
葉隠「え?」<ゴゴゴ…
麗日「何晒してんのあいつなんであんなイチャイチャしてんの確かに騎馬戦で一緒に頑張ったチームメイトかもしれんけどなんであっんなニコニコしながらキャッキャウフフしてるんデク君もデク君や天然過ぎやろウチおんぶした時顔真っ赤にしてたのになんで何とも言って(ブツブツ…
葉隠(バーサーカーモードON)
耳郎「今はそっとしてやんな…」
葉隠「りょ、了解…」
マイク「ヘイ!茶番はこれ終わってからしてくれ!時間ねぇ!」
マイク「それじゃあ開始の合図行くぜ!アァユゥレディィィ!?」
緑谷 拳藤「OK」
マイク「START!!!!!」
緑谷「だっっ!!」ダンッ
ドガッ!
拳藤「ととっ…」
緑谷「はっ!だっ!」バキッ!ドゴッ!
拳藤「ちぇあっ!」ブワッ
拳藤(避けられ…」
緑谷「っらあ!」ドガァァッ!
拳藤「たっ…」
拳藤「はは…やんじゃん?」
緑谷「これ位は準備運動だよ」
「おお…」
マイク「なんっちゅう攻防戦やってんだあいつら…」
悟空「おお!これこれ!こういうの見てっとワクワクすんだよ…」
緑谷 拳藤「はああああっっ!!」
ガッ!!!
飯田(な、なんという衝撃…)ビリビリ…
緑谷「だだだだっ!」バキッドゴッ…
ブオッ
拳藤「はっ!はあっ!!」ドッ!ドゴオッ!
緑谷「った~…」
緑谷「いい!?」ヒョイ…
ズドォォォッ…
緑谷「……💧」<ミシミシ…
拳藤「まだまだいくよっ!!」ダダッ
ブオッブワッ…
緑谷「ちょ、ちょっと!タンッマ!!」ヒョイ…
ドゴオォッ!!
緑谷「危なあっ!?」ズザザ…
ガクッ
緑谷「あ、端」
拳藤「終わりっ!」ゴオオッッ!
緑谷「なっ…!?」
ズドォォッ…
拳藤「……」
緑谷()
ブゥゥ…
拳藤「やられた…!」
緑谷「は、はぁ…危ない危ない…」
マイク「残像か!」
緑谷「いや…やっぱりすごいよ拳藤さん…」
緑谷「僕の攻撃予想以上に効いてない…」
拳藤「そんな簡単にやられる訳にもいかないでしょ」
緑谷「…そうだな…」
緑谷「よし!これならどうだ…!」
ガッ…
拳藤「?」
ゴゴゴ…
緑谷「はあああ…!」
拳藤「え、な、何々なに始まんの?」
悟空「あれは…」
ボンッ!
緑谷「…覚悟はいいか…」
拳藤「光の…玉?」スッ…
緑谷「でやあああっ!」ゴオオッッ…
拳藤(速い!)
ヒョイ!
緑谷「はああ…はい!」グイッ
拳藤「っとと…」ヒョイ!
拳藤(えーー!?また追尾…!?)
緑谷「でやああああっ!!」グイッグイッ
拳藤「わっ…わわっ!」ヒョイヒョイ…
緑谷「………だああっ!」グイッ!
拳藤「っだっ!」ダンッ
ドゴオォッ…
緑谷「…!速いな…」
マイク「おお…緑谷も負けじと追尾弾放つが全部避けられる!」
拳藤「へえ…撃てるのかめはめ波だけじゃないんだ…」
緑谷「へへ…驚いたでしょ?これ結構自信作でね…」
拳藤「うんうん」
緑谷「これも繅気弾って名前がちゃんとあってね」
拳藤「うんうん」
緑谷「…こんな事もできるんだよ!!」グイッ!!
拳藤「!!!」ドゴオォッ!!
マイク「なっ…と、突如地面からさっき衝突した繅気弾が出てきたーー!」
悟空「ありゃ地面ん中言って拳藤の真下へ移動したんだろ」
マイク「そんなんできんの!?」
緑谷「……」
拳藤「……」
ダンッ!
拳藤「!!」バキッッ!!!
緑谷「ぐあっ!?」
緑谷「いってて~…」<タッ…
緑谷「や、やっぱ分かっててもガード出来ないなぁ…」
拳藤「いった…顎外れたんじゃないのこれ…つつ…」
マイク「………こいつらなんなん?」
緑谷「うーん…通じないかぁ」
拳藤「いや、めっちゃ痛いよ」
緑谷「なら仕方ない…秘策その2!!」
拳藤「どんどん出さないでえっ!?」
緑谷「か…め…」
拳藤「?何だかめはめ波じゃん?」
緑谷「は…め…」ギュオオッ
拳藤「その位受け止めてやるよ!」バッ
マイク「拳藤、緑谷のかめはめ波に対し両手で構える!」
悟空「あいつだったらガードできっかな…」
緑谷「…」ニヤッ
緑谷「波ああああっ!!!」ボオオオッッ!!
拳藤「……」
緑谷「今だっ!!」グイッ
ギュオオッ!
拳藤(曲がった!?)
緑谷「行け!!」グッ
ドオオオンッッ…
緑谷「……」
シュゥゥ…
マイク「な、ナンテコッタ…」
マイク「緑谷のかめはめ波…拳藤に当たる寸前に曲がって…」
マイク「360°回ったと思ったら後頭部にクリーンヒット…」
マイク「これ…無事なの?」
切島「すげえな…あのビーム砲の軌道変えやがった…」
常闇「繊細だな…」
拳藤「……」シュゥゥ…
マイク「お…拳藤立ってる!あれ食らってノーダメだったのか!?」
マイク「……?」
拳藤「……わわっわっ…わーー!」ズドオッ…
マイク「と思ったら転倒!!一体どうした!?」
拳藤「いったぁ…」
拳藤「うう…頭大っきいと重くて支えらんないんだよ…」
拳藤「んしょ…」
緑谷「………💧?」
マイク「な、なななななナンテコッタ…」
マイク「拳藤個性発動!頭大きくして大ダメージ回避だー!」
マイク「顔ズームしても相変わらずカワイイ!」
拳藤「…」シュン…
拳藤「…で、後何見せてくれんのかな?秘策」
緑谷「…う、うーん…」
マイク「両者一歩も劣らない!いや、数々の必殺技耐え凌いでいる拳藤の方がちょっと有利かな!?」
緑谷「できれば後は決勝に残したいなぁ…」
拳藤「お、私の二の次ってか」
拳藤「こりゃ舐められた」
緑谷「え、いや別にそんな…」
緑谷「……仕方ないな…」
緑谷「も一つだけだよ?」グッ
拳藤「さてさて…次はどんな技かな…」
緑谷「……」
拳藤「…」
緑谷「界王拳!!!」
緑谷「はあっ!!」ゴォッ!
拳藤「くっ…」
マイク「ぐおおお…」
砂藤「遂に出したか…」
口田「相澤先生の時の技…」
緑谷「…」ボボボボ…
マイク「な、なんじゃああ!?あの紅いオーラ!」
拳藤「へ、へえ~強そ」
緑谷「見た目だけじゃないさ。これはほんのちょっと…見せただけ」
緑谷「瞬間的に出せる力はこんなもんじゃあない」
緑谷「…行くぞ!」
シャッ…
拳藤「!」
マイク「消えたっ!?」
拳藤(あ、足音…も聞こえない…)
拳藤(何この静けさ…)
シャッ
緑谷「…」
拳藤「…え?」
緑谷「…」グッ…
緑谷「はあっ!!!」ドガァァッッッ!!!
ヒュゥゥ…
ズドオオオッッ…
マイク「ひいいいい…」
悟空「…」
緑谷「…」ボボボボ…
緑谷「…ふう」シュン…
ミッドナイト「場外!緑谷君決勝進出!」
緑谷「やっほおおっ!」
ワァァァ…
轟「……」
マイク「いや~すげえすげえ。うんすごいの一言に尽きる」
悟空「おめえ実況ちゃんとやれよ…」
「つつ…」
マイク「!?」
拳藤「容赦ないなぁデクってば…」
マイク「……」
緑谷(…あんま手加減してなかったんだけどなぁ…)
拳藤「いっや降参降参。勝てないわあんなの」
緑谷「」キョトン
悟空「…こりゃある意味拳藤一人勝ちだなぁ…」
飯田「B組の中にもあんな生徒が…」
上鳴「どうせだったらもっと服ボロボロにして欲しかった…」
峰田「もしかしたらノーブラだったかもしれないのに…」
上鳴 峰田「なー?」
ドゴドゴッ!
耳郎「あんたらは黙ってろっ」
上鳴「すびばせん耳郎さば…」
峰田「くばばらくわばば…」
緑谷「勝たせてくれてありがと!」
拳藤「くぅぅっ…!負けんなよ決勝…!」
ガシッ
マイク「準決勝!堂々終了ぉぉおお~!!!」
マイク「とうとう最終試合出場の2人が選出されたぁああっ!」
マイク「果たして勝つのは緑谷か!?轟か!?」
マイク「10分後決勝戦を始める!皆絶っっっ対見逃すんじゃねエヴィバディ!!!」
ワァァァ…
麗日「わああああデク君決勝進出だってええ!」ユサユサユサ…
飯田「うむ」ガクガクガク…
飯田「」ヴヴヴヴヴヴ…
麗日(あ、マナーモード君だ)
飯田「おっと…誰かから電話だ…」
麗日「?」
飯田「…母さん…?」
ピッ
飯田「もしもし…母さん?」
飯ママ「飯田…」
飯田「負けてしまいました…不甲斐ないです」
飯ママ「違うの!その事じゃなくて!」
飯田「?」
飯ママ「…ごめんなさい。取り乱しちゃって…」
飯ママ「天哉…よく…落ち着いて聞いて…」
飯田「……」
飯ママ「天晴が…兄さんが…
「敵に!!!」
飯田「……………は?」
~保須市~
「……お前らは気付きもしない」
「偽善と虚栄で覆われた…ハァ…歪な社会…」
「ヒーローと呼ばれる者ども…」
「俺が…気付かせてやる…!」
黒霧「探しましたよ『ヒーロー殺し』…ステイン」
ステイン「!?」ジャッ!
黒霧「落ち着いて下さい…我々は同類」
ステイン「?」
黒霧「悪名高い貴方に…是非とも会いたかった…」
黒霧「…お時間少々よろしいでしょうか…」
ステイン「………」
ゴオオ…
死柄木「…」
拳藤「見事負けちゃったよん」
物真「惜しかったね。いいとこまで行ったのに」
拳藤「全っ然。まだあいつ出してない技とかあるもん…」
拳藤「すっごいよね…デクって」
鉄哲「…なあ…思ってたけどよ…」
鉄哲「なんでお前あいつの事デクデク言ってんだ?」
拳藤「ん?ああ、あれ?」
拳藤「え、だって『死ねえ!クソ!死ねえ!』の奴が言ってたじゃん」
鉄哲「まあ確かに言ってたけどよ…」
鉄哲「だからって別の組の奴をいきなりあだ名で呼ばなくてもいいだろ…」
拳藤「……ん~」ポリポリ…
拳藤「かっこいいから?」
物真「」
鉄哲「ほあ?」キョトン
拳藤「確かあの『テメクソゴラ!』の奴と幼馴染だとか言ってたろ?」
円場(なんか爆豪に同情したくなってきた)
拳藤「毎日木偶木偶言われてへっちゃらってのは結構すごい事じゃない?」
鉄哲(そら呼ばれ慣れてるからじゃ…)
円場(まぁあんな性格の奴とまず仲良かないわな…)
物真「ちょっと緑谷殴ってくる」ガタッ
円場「やめろ物真!落ち着けえ!」
物真「できぬう!」
拳藤「…」
~控え室~
緑谷「……」
轟『記憶の中の母はいつも泣いている』
轟『「お前の左側が憎い」と俺に煮え湯を浴びせた』
緑谷「…そりゃさ…」
緑谷「氷だけの藤君になら勝てるかもしれない…」
緑谷「でも…それで優勝して僕は何を得られる?」
緑谷「名声か?実績か?」
緑谷「そんな偽りの貰ってなんになる…」グッ…
緑谷「……そしたら…さっきとやってる事同じだろ…!」
麗日『負けてしまった…』
緑谷『…………れ』
(リカバリーガールに出てけって言われてた)
緑谷『麗日さん…』
麗日『最後行けると思って調子乗ってしまったよくっそー…」
緑谷『怪我は…大丈夫?』
麗日『うん!リカバリーされた!体力削らんよう程々の回復だから擦り傷とか残ってるけど』
麗日『くぅぅっ…やっぱり強いデク君!完膚なかったよ』
麗日『もっと頑張らんといかんな私も!』
緑谷『………』
麗日『………』
緑谷『……大丈夫…?』アワワ…
麗日『大丈夫!意外と大丈夫!』BBB…
麗日『デク君すぐ先見据えてやってるし…負けたからって負けっぱなしにするわけにはいかんよ』
緑谷『……いや…そん…』
マイク<さあ!そろそろ第二回戦始めよ!
緑谷『!もう始まるのか…』
麗日『ああごめん…!私おってデク君時間削っちゃって…』
麗日『見とるね、頑張って』
緑谷『……ああ』ガチャ…
バタン
麗日『………』
パカッ…
ピッ…
麗日『電話さっきごめんな…父ちゃん』
茶パパ『いやこっちも忙しい時にすまんな』
茶パパ『いやー…テレビ母ちゃんと見とったよ!惜しかったなーー!!』
茶パパ『でも凄かったぞー!』
麗日『…』<HAHAHA…
麗日『惜しくないよ、凄くもない』
麗日『最後焦りすぎたし、あそこからの打開策あらへん状態やったし…』
麗日『完敗』
茶パパ『そうなんかぁ。難しい事はよう分からんけど…』
茶パパ『別に負けたからって道閉じるわけやないんやろ?』
茶パパ『来年もあるんやろ?』
麗日『勝ち進めばそんだけ色んなタイプへの対応とか見せられんねん』
麗日『一戦だけじゃスカウトする方も分からへん』
茶パパ『…何を生き急いでんのや』
麗日『だって…!!早く私…父ちゃん達…』
茶パパ『お茶子はもぉ…急がんでも大丈夫やで』
ポタポタ…
茶パパ『そんななるくらい優しいお茶子は絶対良いヒーローんなるって俺分かっとるもん』
緑谷『……………』
麗日『っく…っちゃんっ…』
麗日『ひっく…』ポロポロ…
緑谷『……』スタスタ…
緑谷(ああうん分かってたよ最初から!ああなるって!)
緑谷(悔しくないわけないだろ!『助けになれば』って思っても何もしてあげられない…!)グッ
緑谷(それどころか…)
緑谷『また背中を…!』
緑谷「……力は…助けられる力はあるのに…!」
緑谷「これじゃ…ただの木偶の坊じゃないか…」
『テメェが何をやれるんだ!?』
緑谷「………」
緑谷「もう…どうすりゃいいんだよ…」
ポロポロ…
ポン…
悟空「なーに泣いてんだ」
緑谷「?」
緑谷「悟空さん」
悟空「全くおめえは泣き虫だなぁ…」
悟空「ほら、もう決勝戦始まっちまうぞ」
悟空「早く」
緑谷「……」
緑谷「悟空さんは…」
悟空「?」
緑谷「悟空さんは…今まで色んな敵と戦ってきたんですよね?」
悟空「……」
緑谷「…敵を救いたいっ…て時は、ありましたか?」
悟空「……そりゃ…」
悟空「いくらでもあったさ。救えた時もあったし…」
悟空「できなかった時もある」
緑谷「……」
悟空「…でもよ、オラは後悔してねえ」
悟空「その結果が今のオラなんだからな」
悟空「……緑谷」
緑谷「?」
悟空「何すりゃいいか分かんねえ時は…」
悟空「胸を張れ!」
悟空「何をしたっていい!言ったろ?何してもオラは首つっこまねえって」
悟空「おめえが正しいと思った事をやりゃいい!」
悟空「誰もそれにケチなんてつけられねえぞ」
緑谷「……」ゴシゴシ…
緑谷「はい!」
緑谷「…とは言ったものの…」スタスタ…
緑谷「やっぱ緊張すんな…入場の時の比じゃないよ…!」ドックンドックン…
緑谷「…ここまで来たんだなぁ…」
緑谷「そ、そそそうだ!胸張らないと!」
緑谷「」ピーン
緑谷「…何やってんだ僕は…」スタスタ…
緑谷 エンデヴァー「おっ」
緑谷「エンッッッー!?」
エンデヴァー「おぉ。いたいた」ズゥゥ…
緑谷「エンデヴァー…なんでこんなとこに」
緑谷(近くで見ると…すごい威圧感)
エンデヴァー「君の活躍見せてもらった」
エンデヴァー「素晴らしい個性だね。様々な光線を出せる…」
エンデヴァー「いや、それよりカイオウケンとやらか…」
エンデヴァー「パワーだけならオールマイトに匹敵する力だ」
緑谷「…何を言いたいんですか…」
緑谷「僕もう行かないと…」
エンデヴァー「ウチの焦凍にはオールマイトを超える義務がある」
エンデヴァー「君との試合はテストベッドとしてとても有益なものとなる」
エンデヴァー「くれぐれも…みっともない試合はしないでくれたまえ」
緑谷「…」
エンデヴァー「言いたいのはそれだけだ」
エンデヴァー「直前に失礼した」スタスタ…
緑谷「……僕は…」
エンデヴァー「…」
緑谷「僕はオールマイトじゃありません」
エンデヴァー「…そんなものは当たりま
緑谷「当たり前の事ですよね」
緑谷「轟君もお前じゃない」
ゴオオオッ…
エンデヴァー「!?」
悟空「やっべえ…緑谷探してたら時間がなくなっちまった!」
悟空「早く戻らねえと…」
ゴオオオッ…
悟空「……」ォォ…
悟空「………な、なんだ今の…」ビリビリ…
悟空「緑谷…?こりゃ…殺気…」
悟空「いや…違え…」
悟空「な、何が起こったんだ今…!」
エンデヴァー「面白い…」
エンデヴァー「超えられるものなら超えてみせろ」
エンデヴァー「俺を…」
エンデヴァー「轟焦凍をぉぉおおおっっ!!!」
マイク「……さあ、この展開を誰が予測できただろうか…」
マイク「今思えば、第一種目も、第二種目もこいつらの為にあったステージなのかもしれねえ…」
マイク「今ん所成績がずば抜けて優秀なのはこの2人…」
マイク「もうここまで来たら地味なんて言わせねえ!」
マイク「ヒーロー科A組!!緑谷ぁああ出久ぅうううっ!!!」
マイク「性格も戦いもクールだが、燃えるハートは熱いぜ!!」
マイク「ヒーロー科A組!!轟ぃいい焦凍ぉおおおっ!!!」
マイク「遂に!遂に今ここに!」
マイク「雄英高校1年の頂点を決める戦いが始まろうとしている!!」
ワァァァ…!
マイク「おうテメェら!準備はいいなあ!?」
マイク「途中で便所なんて厳禁な行為止めてくれよ!!」
マイク「最後に確認だぜ!!アァユゥレディィィ!?」
「イエスウィーアァァアアアッッッ!!!」
デクママ「出久…」
オールマイト「……」
悟空「…緑谷…」
死柄木「あのガキ…まだ残ってたのかよ」
マイク「3!!!」
八百万「緑谷さん…」
マイク「2!!」
拳藤「デク…」
マイク「1………!」
轟『お前には勝つぞ』
緑谷『僕も君に勝つ!!!』
緑谷 轟「……」
マイク「START!!!!!」
緑谷(まず氷結が来る…)
轟(あの力を好きに撃たせるのは危ねえ)
緑谷 轟(開始瞬間に…)
マイク「START!!!!!」
緑谷 轟(ぶつけろ!!!)
轟「!!」バキバキッ!
緑谷「波ああああっ!!!」
ボオオッ!
ドオオオンッ…
マイク「うおおっ!?開始早々凍結にでる轟だが…」
緑谷「…ふう」
マイク「難なく破ったぁぁああ!」
轟「…だからどうした…!」
バキッッッ!!
緑谷「波あああっ!!!」
ボオオッ!
マイク「まーーた破ったあっ!!!」
緑谷「……」
轟「……」
緑谷(轟君の戦いはいつも一瞬で情報が少ない…)
緑谷(とにかく情報…この戦いの中で隙を見つけないと…!)
緑谷(…背面に張った氷恐らくは吹っ飛ばされない為に張った…)
緑谷(…見極めろ…考えろ…見つけるんだ…!)
緑谷「!!」
パキパキ…
緑谷「波っっ!!」ボオオッ!
切島「流石轟ってとこか…強烈な範囲攻撃ポンポン出してんなぁ」<緑谷もだけど
爆豪「ポンポンじゃねえよナメんな」
切島「え?」
爆豪「筋肉酷使すりゃ筋繊維が切れるし走り続けりゃ息切れる」
爆豪「個性だって身体機能だ」
爆豪「あいつにも何らかの限度はあるだろ」
切島「…また冷静に解説してやがる」
爆豪(俺だって出せる威力には限度がある)<あ、反応しなくなったぞ爆豪
爆豪(だからコスチュームで許容超過の爆破を撃てる様考えたわけだしな…)
切島「考えりゃそりゃそっか…」
切島「つう事は緑谷は瞬殺マンの轟に…」
轟「耐久戦か」
轟「すぐ終わらせてやるよ」パキパキ…
緑谷「また懲りずに…」
緑谷「波ぁぁあああっ!!!」
ボオオッ!
ドオオオンッ…
緑谷「……っ!?」
緑谷「消えたっ!」
轟「俺はこっちだ…」
上鳴「あ、俺のセリフパクった~!」
緑谷「だっ!!」バキッ!!
轟「っ!?」
マイク「おおーっと!どさくさに紛れて緑谷に背後に回った轟だが後ろ蹴りで迎撃されるぅぅー!?」
緑谷「んのっ…!」グオッ!
轟「!!」バキィッ!
緑谷「ふっ!りゃっ!だぁっ!」ドゴォッ!ドガアッ!バコォッ!
麗日「…轟君相手に近接はまずいんじゃ…」
飯田「いや、凍らされるのはあくまで、左腕か、左脚に触れた時」
飯田「掴ませる暇を与えなければいける…!」
緑谷「おりゃあっ!」ドゴオォッ!
轟「ぐっ…」ゴッ…
マイク「強烈なアッパーカットーー!こりゃ効いたああ!!」
ダンッ…
緑谷「はあああっ…」
轟「……」
ピク…
緑谷「?」
轟「!!」バッ!
瀬呂「不意をついた!」
常闇「大げさにフリをしてただけか…!」
ブワッ
轟「ちっ…」
八百万「また残像っ…!」
緑谷「はああああっ!!」
轟「!」クルッ
バキィッッ!!
轟「が…っ!」メキメキ…
ヒュゥゥ…
轟「っ…くそ…」ズザザ…
緑谷「だあああっ!」ダダッ…
緑谷「ちぇあああっ!」
ドガッ!ボゴォッ!ドゴオォッ!
マイク「緑谷の一方的な攻撃!反撃もガードする隙も与えないー!」
峰田「すげえ…あの轟に有利に戦い進めてやがる…」
上鳴「…」
ドガッッ!!!
轟「ぐあぅ…」
ダンッ
轟(…一回転して…)クルッ…
バギィィッ!!!
マイク「勢いつけての踵落とし!超痛そっっ!!!?」
切島「決まった!!!」
緑谷「へへ…」
轟「……」
轟「…」ニヤッ
ガシッ
緑谷「しまっ…」
パキパキ…
バキィイッ!
マイク「緑谷左脚で蹴りを繰り出し轟の手から離させるが…」
タッ
緑谷「つつ…」
轟「…お前の脚だけ凍らせたのは情けだ」
緑谷「!?」
轟「こんな早く試合終わらせるだけじゃつまらねえ…」
轟「だからお前に選択肢を与える」
轟「このまま試合を続ければ…」
轟「…そうだな。5分か」
轟「5分後、お前の肉は腐り二度と1人では歩けなくなる体になる」
轟「それが嫌なら今すぐ降参しろ」
悟空(……)
悟空(轟は…早めに決着つける気はねえ…)
悟空(圧倒的勝利…)
悟空(圧倒的なパワーでねじ伏せる…)
悟空(それで初めて轟はエンデヴァーに見けえす事ができる…」
悟空(…その為には緑谷との戦いで自分がどれ程の実力かっての見せつけねえとなんねえ)
緑谷「……」
緑谷「ふっ」
スッ…
轟「…」
マイク「緑谷!この轟の警告に動じず再び構えた!!」
ミッドナイト「…結構やばいんじゃ…これ」
セメントス「…」
轟「…本当にいいんだな」
緑谷「…」
ニカッ
緑谷「ピンチを覆していくのがヒーロー…だよ轟君」
セメントス「…もう少し様子を見よう」
緑谷「はっ!」ダンッ
轟「…」スッ
緑谷「おりゃあ!」ドゴッ!
轟「…っ…」
轟(こいつ…さっきより技のキレが…)
緑谷「はっ!だっ!」ドガッ!バキッ!
轟「…!」ドゴオォッ…
轟(ガードが…)
緑谷「…ぅ…」スッ
拳藤「あの構えは…」
緑谷「掌底…」
ズドオオオッッッ!!
轟「ガハッ!?」
マイク「こりゃ…第二回戦で拳藤が八百万に放った技!」
ガシッ
緑谷「まだ倒れるなよ…!」グッ…
ドガッッ!
ドッッガッッ!
マイク「追い打ちをかけるかの様に殴る殴る殴る!!!何これボクシング!?」
爆豪「…というか切島みてえな殴り方だな…」
ボキイッッ!!
ヒュゥゥ…
ズザザ…!
緑谷「…へっ」
轟「……」
緑谷「ハンディキャップはこれ位で十分かな?」
轟「……いや…」ガ…
マイク「物ともせず立っちゃったよ轟!!あんな猛攻食らっても顔COOOOL!!」
ワァァァ…
轟「……」ガシッ…
轟「…」グシャッ…
鉄哲「瓦礫持って粉々にした…何する気だあいつ…」
パラパラ…
轟「~」ヒュゥゥ…
キィィンッ…
マイク「ありゃ…」
ガシッ…
轟「アイスサーベル………」パキ…
マイク「ぐあああっ!氷の剣作っちゃったよ!もうなんでもありだなあオイ!?」
轟「…武器の使用くらい、大したことないハンデだろ…?」
緑谷「…え、いや、その、それは…」
エンデヴァー「……言い忘れてたがな」
エンデヴァー「これでも焦凍には剣技の稽古をつけてやっててな…」
エンデヴァー「って遅いな」
ダンッ
緑谷「わっとと!?」
ブンッ!
緑谷「危なっ!」ヒョイ…
マイク「轟の攻撃を避ける緑谷だが!流石に剣相手で拳じゃあ分が悪いぜ!?」
緑谷「くそっ…」ダダッ…
轟「…」ダダッ…
緑谷「…あ、また端」キキーッ
ダンッ
緑谷「はっ!?」
轟「終わりだ緑谷…!」
八百万「緑谷さん!!」
ブオッ!
キィンッ…
轟「………」
緑谷「………」
ボボボボ…
悟空「…マジかよ…!」
オールマイト「なんと…!」
轟「…くっ…」ギギッ…
マイク「と、突如緑谷の腕から…あれは…」
マイク「光の…剣?」
緑谷「…言ったはずだろ轟君…」
緑谷『君が焼いたノートには…』
緑谷『凄いと思ったヒーローの分析をまとめている!』
緑谷「…凄いと思ったヒーローは分析しているって…」
轟「…!?」ギギッ…
緑谷「エンデヴァーの息子だ…!その位の可能性…」ギギギ…、
緑谷「見過ごす訳ないだろぉっっ!」
キィィンッ!
轟「ちっ…!」
マイク「緑谷光の剣で轟押し返したぁああっ!」
マイク「これで剣装備ってハンデは無くなったぞ!」
悟空(気を手に集中して剣の形状に…)
悟空(…なんてこった…オラが見ねえ間にあんなに開発して…)
悟空(完全に…自由自在に…)
悟空(気を使いこなしている…!)
緑谷「…」
悟空(…ま、一つ言えば…)
悟空(開放がまだ出来てねえみてえだけどな)
緑谷「はっ!」ダダッ
キンッギィッ!
轟「ちっ!!」
キンッキンッキンッ!!
マイク「格闘戦の次ぁ剣闘かよ!!熱いねえ!!!」
ワァァァ…
緑谷「っりゃああっ!!」キィンッ!!
轟「くっ…」
ズザ…
轟(脚が崩れ…)
ズバァッ!!
…クルクル…
スパッ
緑谷「…」
轟「……っくそ…」
緑谷「震えてるよ轟君」シュゥゥ…
緑谷「個性だって身体機能の一つだ」
緑谷「君自身冷気に耐えられる限度があるんだろ?」
緑谷「で、それって左側の熱を使えば解決できるもんじゃないのか…」
轟「…」
緑谷「…っ!!」シュゥゥ…
緑谷「皆本気でやってる…!」
緑谷「勝って…!目標に近づく為に…っ!1番になる為に!」
緑谷「半分の力で勝つ?まだ僕は君に傷一つつけられちゃいないぞ!!」
緑谷「全力でかかって来い!!!」
エンデヴァー「…あの小僧…」
轟「…何のつもりだ…」
轟ママ『いいのよ…お前は…』
轟(この先を…いつの間にか忘れてしまった…)
ワァァァ…
轟「クソ親父に…金でも握らされたか?」
轟「イラつくな…!」ダダッ…
轟(さっきみたいに至近距離での凍結なら…)
ザッ…
緑谷「…」
轟(…は、速いっ!?)
爆豪(動きが鈍い!体に霜が降りてからだ…)
爆豪(恐らく俺の威力上限と違って…ゲームのMPみてえなもんか!)
爆豪(ただ単に地面凍らすなら上鳴ぐれえの面積可能なんだろうが…)
爆豪(体積的にはしょうゆ顔の時の規模が限度か…!)
轟(左脚上がった瞬間に…)
轟(こいつ…!)
ドボォォッッ!!
ズザァァ…
轟「…な…んで…」
轟「ゲホッ」
マイク「ここにきて緑谷遂に優勢か!?」
ワァァァ…
バキッ…
緑谷「氷の勢いも弱まってる」
ダダッ…
セメントス「……どうしますミッドナイト…」
セメントス「タイムリミット3分切りましたよ」
ミッドナイト「……まぁ…どうかしら…」
ミッドナイト「リカバリーガールいるから大丈夫…とは言えないけど…」
ミッドナイト「これが彼らにとってラストバトル」
ミッドナイト「凍傷が酷いから~なんて理由だけで水差すのも…」
セメントス「…ですね」
悟空(傷一つっ…ておめえ右脚負傷してんのに…)
悟空(加えて着地したりするのは主に左脚のみ。その負担もでけえはず…)
オールマイト(何が緑谷少年をつき動かす…?)
緑谷「くっ…!」ピキッ
緑谷(衝撃が強すぎた…!左脚にヒビが…)
バキバキッ…
緑谷「っ!」
緑谷『オールマイト…彼のようになりたい』
緑谷「っぉぉおおっ!」
緑谷『その為には1番になるくらい強くなきゃならない』
緑谷「波あああっ!」ボオオッ!!
ズザァァ…
轟「く…」
スタ…
轟「なんでそこまで…」
緑谷「期待に…応えたいんだ!」ダダッ
緑谷「笑って…応えられるような…カッコイイヒーローに…」
緑谷「なりたいんだっ」
オールマイト「………」
轟ママ『焦凍…』
轟「……」
緑谷「だから全力で!」
ゴンッ!
緑谷「やってんだ皆!!」
轟「…」ズズッ…
緑谷「君の境遇も、君の決心も…」
緑谷「僕なんかに計り知れるもんじゃない…」ヨロ…
緑谷「でも…」
緑谷「全力も出さないで1番になって…」
緑谷「完全否定なんてふざけるなって今は思ってる!」
轟「っ……」
エンデヴァー『立て。こんなものではオールマイトはおろか雑魚敵にすら…』
轟ママ『やめて下さい!まだ五つですよ…』
エンデヴァー『もう五つだ!邪魔するな!!』
バシィッ
パキパキ…
轟「うるせえ…」
轟『嫌だよお母さん!僕…』
轟『僕、お父さんみたいになりたくない』
轟『お母さんをいじめる人になんて…なりたくない』
轟ママ『………でも…ヒーローにはなりたいんでしょ?』
ナデナデ…
轟ママ『いいのよ…お前は…』
轟ママ『強く思う将来があるなら…』
ゴオオッッ
轟「!?」
緑谷「だから…僕が勝つ!!」
オールマイト(左側を使わない…あの親子の間にある軋轢…)
オールマイト(緑谷少年…君はまさか…!)
緑谷「君を超えてッッッ!!!!!」
ドゴオォッ!!!
ワイワイ…
轟『……』
グイッ
轟『!?』
エンデヴァー『焦凍見るな』
エンデヴァー『兄さんらはお前と違う世界の人間だ』
轟「……」ヒュゥゥ…
轟ママ『お母さん…私ヘンなの…もうダメ』
轟ママ『子供達が…日に日にあの人に似てくる…』
轟『?』ヒョコ…
轟ママ『焦凍の…あの子の左側が…』
轟ママ『時折醜く思えてしまうの』
ボコボコッ!
轟『!?』
轟ママ『私…もう育てられない…』
轟ママ『育てちゃ…ダメなの』ボコボコ…
轟『お…母さん?』
轟ママ『…』
クルッ
轟『っ!!』ゾオッ…
ガシッ……………
轟(………俺は………)
轟『お母さんは…?』
エンデヴァー『お前に危害を加えたので病院に入れた』
エンデヴァー『全く…大事な時だと言うのに…』
轟『……』
ギリッ!
轟(俺は親父を……)
轟『おまえのせいだ……!』
轟「親父をっ…」
緑谷「君の!」
緑谷「力じゃないかっ!!!」
轟「………」
轟「っ!!!!!」
『…個性は親から子へ受け継がれていきます…』
『しかし…本当に大事なのはその繋がりではなく…』
『自分の血肉…自分である!と認識すること…』
『そういう意味もあって私はこう言うのさ!』
オールマイト『私が来た!ってね』
<HAHAHA!
轟『わぁぁ…』
轟ママ『………でも…ヒーローにはなりたいんでしょ?』
轟ママ『いいのよお前は…』
轟ママ『血に囚われることなんかない』
轟ママ「なりたい自分に…なっていいんだよ」
轟「………」
ボオォォ………
ゴオッッッ!!!!!
マイク「こ、これは…!?」
轟『戦闘において』
轟『熱は絶対使わねえ』
爆豪「…使い…やがった…!?」
麗日<ネツキタ
オールマイト(…まさか…轟少年を救おうと…?)
緑谷「あっちち…」
轟「………勝ちてえくせに……ちくしょう」
緑谷「!」
轟「敵に塩送るなんて…」
轟「どっちがふざけてるって話だ…」
緑谷「……轟君…」
エンデヴァー「………」ニヤッ
轟「俺だって…ヒーローに………!!」
ボオオッ…
緑谷「………へへっ」
エンデヴァー「焦凍ぉぉおおおおっっ!!!」
エンデヴァー「やっと己を受け入れたか!!」ズンズンッ…
エンデヴァー「そうだ!!良いぞ!!」ズンッ…
エンデヴァー「ここからがお前の始まり!」ズンッ…
エンデヴァー「俺の血を持って俺を超えて行き…」ズンッ…
エンデヴァー「俺の野望をお前が果たせ!!!」
轟「……」
エンデヴァー「………」
オールマイト「………」
マイク「エンデヴァーさん…急に激励…か?」
マイク「親バカなのね」<付き合いねーから意外だぜ
轟「………」ボオオッ…
緑谷「…すご」
轟「何笑ってんだよ」
轟「その怪我で、この状況でお前…」
轟「イカれてるよ」
シュゥゥ…
轟「どうなっても知らねえぞ」
悟空(時間的に考えりゃ2分…いや100秒か…)
緑谷(…100秒もありゃ十分だ…)
緑谷(この残り短い時間だから…)
ゴオオオッ!!!
轟「っ…お前まさか…」
緑谷「ああそうだよ。元からイカれてるよ」
緑谷「師匠のお墨付きさっ…!」
轟(師匠…?)
緑谷「うああああああ…」
ボボボボ…
悟空「み、緑谷やめろ!それ以上行っちまったらマジで体ぶっ壊れる!」
緑谷「あああああ…」
グッ…
緑谷「5倍界王拳だぁぁあああっっ!!!!!」
ゴオオッッ…!
轟「……くっ…」
緑谷「さぁ…最終ラウンドだ…!!!」
ゴオオッッ!
ゴオオッッ!
ドオオオンッッッ…
ミッドナイト「なっ…なんて衝撃…」ズズッ…
「うわぁぁ!?」
拳藤「激しすぎだろ…」
峰田「壊される…みんなぁ…壊される…」
マイク「激しい攻防戦繰り広げてんのは分かるけど!煙幕のせいで状況が分からねえええ!?」
緑谷「っがっ!だりゃあ!」バキイッッ!
轟「けはっ…っらあ!」ドゴオォッ!
ドゴッ!バキッ!ドガッ!バゴッ!…
悟空「っ…」
ガッッッ!!!
タッ…
緑谷「はああっ!」ダンッ!
轟「でやあああっ!」ダンッ!
カッッッ…
マイク「……」
マイク「w、wow…」
緑谷「く、くく…」ググッ…
轟「あ…あ…!」ググッ…
バッ…
緑谷「波ああああっ!!!」
ボオオッッ!!
轟「喰らえっ…!」
ボボボオッッッ!!
ズドオオオ………
マイク「あ、相打ち…!」
緑谷「……」
轟「……」
切島「全く動きについていけねえ…」
麗日「……すごい…」
八百万(…緑谷さん…もう…)
緑谷「くっ…」シュゥゥ…
エンデヴァー「…最初にぶっ放し過ぎたか…」
エンデヴァー「もう息切れしてるぞ…」
轟「はぁ…はぁ…」
轟「……」
轟「緑谷…分かってるな…?」
緑谷「…」ボボボボ…
轟「もうお前に残されている時間は1分もない」
轟「次でケリ…つけるぞ」
緑谷「……」
緑谷「…ああ…!!」ゴオオッッ…
轟「っ………」
轟「んっ!!」
ドゴッッッッ!!!!!
マイク「ど、どうした轟…急に地面に穴を…?」
ビキッ
マイク「え」
ビキビキ…
緑谷「…ッジかよ…」
マイク「ぎょ、ぎょやああああ!?」
マイク「ちょ、直径2m、高さ…10mは軽く超える氷の円柱!!!???」
マイク「ま、まさか…」
轟「…」ボオオッ!
マイク「ほ、炎に包まれたその巨大な塊を…」
轟「これが俺の最大、最高の攻撃だ…」
緑谷「なら…こっちも…!」スッ…
緑谷「5倍かめはめ波だぁっ!!!」ボボボボ!
緑谷「か~!め~!!」
ゴオオッッ!
セメントス「ミッドナイト!」
ミッドナイト(流石にこれ以上はもう…)
緑谷「はぁあああ!」ギュルル…
ミッドナイト(彼の身がもたない…!)
轟「…」スッ…
緑谷「めぇええええ!!!」
ゴオオオッ!
悟空「やめろおめえら!そんな事したら他の皆にも!!?」
緑谷「波ぁあああああっっっ!!!!!!!!」
ボオオオオッッッッッ!!!!!
轟「緑谷…」ボボオッッ…
轟「ありがとな」
ゴオオオッッッッ!!!!!
ズドオオオオオオオォォォォッ…
シュゥゥ…
セメントス「…威力が大きけりゃいいってもんじゃないけど…」
セメントス「すごいな…」
マイク「」ピクピク…
マイク「何今の…お前のクラス何なの…」
オールマイト「散々冷やされた空気が瞬間的に熱され膨張したんだ」
マイク「何ちゅう高熱だよ!ったく何にも見えねー!」
マイク「オイこれ勝負はどうなって…」
「!?」
ズルズル…
緑谷「……う…」
ドサッ
轟「…」
ミッドナイト「緑谷君…場外」
マイク「………」
「………」
マイク「しょ、勝者は…」
マイク「今年度雄英体育祭一年優勝者は…」
マイク「轟焦凍ぉぉおおおおおっ!!!!!」
ワァァァ…
轟「…………」
ミッドナイト「緑谷君!」ダダッ…
フッ…
悟空「…緑谷!」
緑谷「…」
悟空「くっそ!気絶してる…」
ミッドナイト「悟空先生…」
悟空「緑谷の事はオラに任せてくれ」
悟空「リカバリーガールんとこ行ってくる…」スッ…
フッ…
ミッドナイト「…」
マイク「ええー…ただいま全ての種目が終了した」
マイク「表彰式に行きてえとこだが、緑谷選手、結構な重症なもんなんで治療し回復後に行う」
マイク「最後まで見とけよエヴィバディ!!!」
ワァァァ…
スタスタ…
「邪魔だ」
轟「……」
エンデヴァー「…とは言わんのか」
エンデヴァー「炎熱の操作…ベタ踏みでまだまだ危なっかしいが…」
エンデヴァー「子どもじみた駄々を捨ててようやくお前は完璧な俺の上位互換となった!!」
エンデヴァー「卒業後は俺の元へ来い!俺が覇道を歩ませてやる!!」
轟「捨てられるわけねえだろ」
エンデヴァー「…」
轟「そんな簡単に覆るわけねえよ」
轟「ただ、あの時…あの一瞬は」
轟「お前を忘れた」
轟「それが良いのか悪いのか正しい事なのか」
轟「…少し…考える」スタスタ…
エンデヴァー「……」
リカバリーガール「安心しな。脚も普通に元通りになる」
悟空「よ、良かった…」ガクッ…
リカバリーガール「…決め手となったのは応急処置の時間かね…」
リカバリーガール「この子…ただ単に挑発したんじゃなく…熱も使わせる事で少しでも脚を温かくしようと考えたんだ…」
リカバリーガール「利口というか…無茶しすぎというか…」
リカバリーガール「どちらかっていうと最後の技が…命取り」
リカバリーガール「骨が何本も逝っちまってるよ」
悟空「…」
リカバリーガール「傷ってのはね、表面的には治るけど本質的には完全には治らないんだよ」
リカバリーガール「その残り傷が蓄積されればされる程、酷い後遺症が残っちまう」
リカバリーガール「今はまだこれ位って感じだけど、これ繰り返したらあんた…」
リカバリーガール「この子いずれぶっ壊れるよ…」
悟空「…面目ねえ…」
リカバリーガール「ま、こうなる予感はしてたけど…」
リカバリーガール「思っていたより軽めに済んだから良かったねえ」
リカバリーガール「後はこの子起きるまで待つだけだから」
リカバリーガール「あんたは持ち場に戻んな?」
悟空「…あんがとな、ばっちゃん…」
フッ…
リカバリーガール「…最近の若い子はほんとハラハラさせてくれるねえ」
リカバリーガール「まるで若い頃のあんたじゃないのかい?」
リカバリーガール「オールマイト」
…………
ガチャ…
オールマイト「わ、私が参りました…」
リカバリーガール「なんだ、居たんだね。驚かせないでおくれ」
オールマイト「私を驚かしましたよね!?今!」
リカバリーガール「ははは。 全くあんたってのは…」
リカバリーガール「その様子だと…今回の表彰式あんたがやるみたいだねえ」
オールマイト「HAHAHA!勿論ですよ!」
リカバリーガール「あんたもだよ?ちゃんとこの子にしつけとかないと」
リカバリーガール「無茶ばっかりして堕ちちまうなんてオチ私ゃやだよ」
オールマイト「以後、気をつけます」
リカバリーガール「…そろそろ起きると思うんだけどねえ…」
リカバリーガール「……そういえば、体育祭終わったけど…」
リカバリーガール「少しは検討ついたかい?後継者」
オールマイト「……ええ、まぁ」
リカバリーガール「あんたもそろそろ辞め時だと思うよ?」
リカバリーガール「この時代、いい意味でも悪い意味でも平和の象徴に依存しちまってる」
リカバリーガール「いつまでも柱にしがみついたって人は成長しない」
リカバリーガール「今度は自分達で柱を立てないと…」
リカバリーガール「…で、誰に絞ったんだい?後継者後継者」
オールマイト「…」
オールマイト「内緒ッッッ」
リカバリーガール「ちえっ。つまらない子だねえ」
オールマイト「……」
緑谷「……ん…」
リカバリーガール「お?起きたかい?」
緑谷「…」ガバッ
緑谷「試合は…?」
オールマイト「…」ポンッ
オールマイト「負けちゃった、決勝」
緑谷「……」
オールマイト「非常に惜しかった」
緑谷「…そう…ですか」
オールマイト「……やっぱ、悔しいか?」
緑谷「…………」
緑谷「あれ、僕、吹っ飛んだんです」
緑谷「自分から」
オールマイト リカバリーガール「!?」
オールマイト「何故…」
緑谷「……なんというか…」
緑谷「轟君と思いっきり試合したんですけど…」
緑谷「……なんか…もう心配いらないかなっ…て」
緑谷「自分は…それだけで満足しちゃいました…」
オールマイト「…そっか」
オールマイト「なら、仕方ないな!」
オールマイト「ほら!さっさと準備して表彰式!」
オールマイト「君来るの待ってるんだからな皆!!」
緑谷「は、はい!」
リカバリーガール「……」<というかなんでオールマイト来てるの?
緑谷「…」スタスタ…
オールマイト「君の試合、実に素晴らしかったぞ?」
緑谷「は、はい!あ、ありがとうございますっ」
オールマイト「……」
緑谷「……」
緑谷『笑って…応えられるような…カッコイイヒーローに…』
緑谷『なりたいんだっ』
オールマイト(…この子は一体どの位の努力をしてきた?)
オールマイト(生半可な精神、特訓じゃあこうも行ってないだろう…)
オールマイト(今回見ていて間違いない事は一つある)
オールマイト(緑谷出久の器、理念…)
オールマイト(…どれを取るせよ…)
オールマイト(この子は…)
オールマイト(私の個性を受け継ぐに値する…!!!)
ミッドナイト「それではこれより!表彰式を行います!」
ワァァァ…
峰田「とうとうこの時が来たなぁ」
芦戸「うー…私も行きたかったなぁ…」
蛙吹「今回の失敗を糧に次頑張ればいいのよ三奈ちゃん」
蛙吹「それにしても飯田ちゃんどうしたのかしら…」
蛙吹「決勝の最初ちょこっと見てからいつの間にか消えたわ」
麗日「ご家庭の事情で早退だって」
蛙吹「大変ねえ飯田ちゃんも」
麗日「……」
飯田『麗日君。突然だが僕は早退させてもらう』
飯田『兄が敵にやられた』
麗日(……飯田君、大丈夫かな…)
ミッドナイト「メダル授与よ!今年メダルを贈呈するのはもちろんこの人!!」
ゴオオッッ
オールマイト「私が!」
オールマイト「メダルを持ってk(タッ
ミッドナイト「我らがヒーローオールマイトォ!!!」
オールマイト<ミッドナイトノイジワル…
ミッドナイト<カブッタ…
「今年の一年は良いよなぁ」
「オールマイトに見てもらえんだよなー」
オールマイト「では順に…まず上鳴少年」
上鳴「っす!」
オールマイト「強いなぁ君は!」
オールマイト「ただ!相性差を覆すには個性に頼りっきりじゃダメだ」
オールマイト「もっと地力を鍛えれば取れる択が増すだろう」
上鳴「はいっ!」パチパチ…
オールマイト「同率3位、拳藤少女!」
拳藤「はい」
オールマイト「おめでとう。君も中々の試合繰り広げてくれた!」
オールマイト「…試合やるの気まずかったろ、あの空気じゃ…」ボソッ…
拳藤「いえ。場の空気に流されない様に行動する、というのも一つの勉強になりました」
オールマイト「くぅぅっ!前向きに行動、私そういう子大好き!」
拳藤「…」
オールマイト「あ、い、いやそういう事じゃないからな!?な!?」
オールマイト「こ、これからも雄英で文武両道。様々な事に励んでくれ」
オールマイト「期待してるぞ!」BOOO…
オールマイト(うう…)
オールマイト「次は…緑谷少年か」
緑谷「っはははいっ」
オールマイト「君は今回の体育祭で総合的に優秀な生徒だった」
オールマイト「どんな状況下でも冷静に判断し、対処する」
オールマイト「チームとのコミュニケーション、助け合い」
オールマイト「そして相手を分析し、己がスキルと実力でここまで這い上がってきた」
オールマイト「これ、単純なんだけど難しいんだぜ?達成するの」
緑谷「ありがたいお言葉…」アセアセ…
オールマイト「ま、最後はちょっとツメが甘かったかもな!」
オールマイト「よく頑張った!今回負けた悔しさ、バネにして次こそ頂点奪りにこい!」
オールマイト「おめでとう!」パチパチ…
オールマイト「さてでは最後に…今回優勝した轟少年…」
轟「……」
オールマイト「決勝まで…左側収めてたのは何かワケがあるのかな」
轟「…」
オールマイト「誰にも言えない事情位ある。無理に言えとは言わんさ」
轟「……緑谷戦で、キッカケを貰って分からなくなりました」
轟「でも…今ならあなたが奴に気にかけるのも少し…分かった気がします」
轟「俺も貴方の様なヒーローになりたかった」
轟「ただ…俺だけが吹っ切れてそれで終わりじゃ…」
轟「駄目だと思った」
轟「清算しなきゃならない物がまだある」
オールマイト「…」ダキッ
オールマイト「顔が数分前までとは違う…」
オールマイト「今の君ならきっと清算できる」
パチパチ…
オールマイト「さあ!」
オールマイト「今回は彼らだった!!」
オールマイト「しかし皆さん!」
オールマイト「この場の誰にもここに立つ可能性はあった!」
オールマイト「ご覧いただいた通りだ!」
オールマイト「競い!高め合い!さらに先へと登っていくその姿!!」
オールマイト「次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている!!」
オールマイト「てな感じで最後に一言!!!」
緑谷(好敵手と書いて『とも』と読む)
オールマイト「皆さんご唱和ください!!」
オールマイト「せーの」
「プルスウ(ry
オールマイト「お疲れ様でした!!!!!」
「ダニィ!?」
ミッドナイト「そこはプルスウルトラでしょ!オールマイト!!」
オールマイト「あ、ああ…皆疲れたろうなって思って……💧」BOOO…
オールマイト(うう…2回もズッコケてしまった…)
緑谷(なんか歯が浮く言葉だけど…)
緑谷(それを実感せずにはいられなかった日だった…)
緑谷(そして…)
悟空「皆お疲れっ!ちゅう事で…」
悟空「明日明後日は授業は休みだぞ!」
悟空「プロからの指名とかこっちでまとめっから」
悟空「休み明け発表されるの楽しみに待ってろよ!」
悟空「あ、後しっかり体休めとけよ!」
緑谷(僕らを取り巻く環境は…)
緑谷(ここから少しずつ変化を見せ始める…)
<サヨーナラ!
ガラッ!!
飯田「兄さん!!!」
飯ママ「天哉静かに…」<後マスク
飯田「…………」
「先程麻酔が切れて目覚めました。まだ朦朧としてますね」
「あと2分…手術が遅れてたら手遅れでした」
天晴「……天…哉…」
天晴「母………さん」
飯ママ「……あ……ああ…」
ドサッ
飯田「…………」
天晴「おまえ…みてえな…優秀な弟が…」
天晴「せっかく…憧れて…くれてんの…に」
天晴「ごめんな…天哉…」
天晴「兄ちゃん…」
飯田「に、兄…………」
天晴「負けちまった」
~体育祭翌日~
轟邸
冬美「え?びょ…病院?」
冬美「急にどした…ていうか焦凍それお父さんに言わなくていいの?」
轟「ああ」
ガラッ…
冬美「なんで今更お母さんに会いに行く気なったの!」
轟「……」
轟ママ『時折醜く思えてしまうの』
轟「…」スタスタ…
ウィーン…
轟(自分の存在がお母さんを追いつめてしまうから会わなかった)
轟(お母さんはきっとまだ…俺に…親父に囚われ続けてる)
轟(だから俺がこの身体で)
轟(全力で『再びヒーローを目指す』には)スッ…
ピクッ
轟「…」プルプル…
轟「…ふう…」
ガラッ
轟(会って話を)
轟(たくさん話をしなきゃ、と)
轟(そう思ったからだ)
轟ママ「?」クルッ
~同時刻~
某歩道
スタスタ…
麗日「今日の昼は…」
麗日「安いの…うーん…」
麗日「おもちだ」
麗日「1日空いてるからなぁ…」ゴソゴソ…
麗日「何しよ…」スッ…
麗日「アレ?」
麗日「鍵…開いとる?」
ガチャ…
「「お茶子ぉぉおおおおおっ!!!」」ドダダダダッ!
麗日「ほぎゃああーー!?」
麗日「と、父ちゃん母ちゃん!!?」
麗日「え~~~!何でここに!?」
茶ママ「来ちゃった」
茶パパ「あんな奮闘した娘を見て駆けつけずにはおれやんね」
茶ママ「おつかれ会しに来た」
麗日「えええー!?仕事はーー!?新幹線で来たん!?えええええ!?」
麗日「~~~言ってよぉ~」ジワワ…
~同時刻~
某豪邸
執事「百お嬢様、本日はどこへお出掛けに?」
八百万「学校の補習へ行って参りますわ」
執事「休日まで学校へ!?」
執事「私、感動…」ドバババ…
八百万「……」
八百万(このままではダメ…)
八百万(いつまでも緑谷さんに置いていかれる訳には行きませんわ)
八百万(………)
拳藤『私も負ける気無いんだよね』
八百万(まずあの女をどう始末するか…)ゴゴゴ…
執事「お嬢様?何やら恐ろしいオーラが…」
八百万(そういえばいつも山で修行いるけど…)
八百万(悟空先生は一体何処にお住みに…)
悟空「」ガツガツ…
悟空「うめえええ…」ガツガツ…
デクママ「7回よ!?すごくない?」
緑谷「うん…」
デクママ「騎馬戦から気絶7回!!」
デクママ「ラスト2回は脱水症状によるもの!」
緑谷「僕なんかよりよっぽど壮絶だったんだね…」
悟空「そりゃ大変だったなぁ母ちゃん!」
デクママ「そりゃそうよ…」
デクママ「急に個性出たって聞かされて…」
デクママ「でもなんでかめはめ波なの?」
緑谷「え、いやそりゃその…」チラ…
悟空(オラに回さないでくれ…)
デクママ「…前も言ったけど…応援する…て言っても」
デクママ「それは心配しないって事じゃないからね?」
緑谷「…うん…」モグモグ…
悟空「……」ガツガツ…
緑谷(見てくれる人を不安にさせていた)
緑谷(誰の心配もする事のない僕なりのやり方が要る)
緑谷(それが…『僕が来た』って言えるようになるスタートラインだ!)
デクママ「録画見る?高画質よ高ガシツ!」
緑谷「あ、後で1人で見るから…」
悟空「っかぁぁ…食った食った…」
悟空「さてと…あ、そうだ緑谷」ガタッ
悟空「これから八百万に稽古つけに行くんだけどよ、おめえも来る?」
緑谷「……ふぇ?」
爆豪「死ねえ!クソ菌があああああ!!!」ゴシゴシ……
勝ママ「昼に起きてきて叫ばないで」
楽しく読ませて貰ってるよww
悟空らしさが皆無なのが残念やけど
>>156
自分も最初から書いてて今はマシになったと思うけど相変わらず違和感が半端ない
まぁ悟空も大人になったという解釈で今は我慢しておくれ
こちらも違和感無くなるよう努力するけど
んじゃステイン編始まるべ
緑谷(体育祭の疲れも癒え…)<こっちは修行しててまだだけど
緑谷(二日後、雨)
ガーーー…
緑谷「…」ガタンゴトン…
「お兄さん…」
緑谷(……ヒーローg
「お兄さん!」
「ヒーロー科の緑谷君!」
緑谷「え?」
「体育祭良かったねえ!惜しかったぞ?」ニカッ
緑谷「え…」
「2位、でやたらオールマイトが好評してた子か…」
「意外と小さいわね…」
緑谷「ええ…」
「昔を思い出しちまったよ僕は!」
「わかるわかる!なんか必死な感じね」
ザワザワ…
緑谷「えええ~」
~校門前~
ザーー…
緑谷「朝から疲れた…」バシャ…
緑谷「もう梅雨か…早いなぁ」
「何 呑気に歩いているんだ!」バシャバシャバシャ
緑谷「っ!」ビクッ…
飯田「遅刻だぞ!おはよう緑谷君!!」
緑谷「カカカッパに長靴!?」
緑谷「遅刻って…まだ予鈴の5分前だよ?」
飯田「雄英生たるもの10分前行動が基本だろう!」
緑谷「…………あ……」
飯田「兄の件なら心配ご無用だ」<バルバルバル…
飯田「要らぬ心労をかけてすまなかったな」
緑谷「……」グルッ…
芦戸「超声かけられたよ来る途中!!」
葉隠「私もジロジロ見られて何か恥ずかしかった!」
切島「俺も!」
瀬呂「俺なんか小学生にいきなりドンマイコールされたぜ」
蛙吹「ドントマイケル」
尾白「たった1日で一気に注目の的になっちまったよ…」ワーワー…
上鳴「やっぱ雄英すげえな…」キーンコーンカーンコーン
オールマイト「おはよう皆!」ガラッ
ピタッ…
オールマイト(……なんという速さ…)
<オハヨーゴザイマス!
オールマイト「皆にビッグニュースだ!相澤先生の意識が回復したみたいだぞ!」
上鳴「マジか!」
蛙吹「良かった…」
オールマイト「……とは言っても怪我の深さからして一学期中は戻れない」
オールマイト「本格的な復帰は二学期から…」
オールマイト「だそうだ」
緑谷「…」
オールマイト「それじゃま、今日のヒーロー情報学だがちょっと特別で…」
切島(ヒーロー関連の法律やら…只でさえ苦手なのに…)
上鳴(特別!?小テストか!?やめてくれよ…)
オールマイト「『コードネーム』ヒーロー名の考案だ!!」<CHORD NAME!
「胸ふくらむやつきたああああ!!」ワッ!
オールマイト「というのも先日話した『プロからのドラフト指名』に関係してくる」
オールマイト「指名が本格化するのは経験を積み即戦力と判断される2、3年から」
オールマイト「つまり今回来た指名は将来性に対する期待に近い」
オールマイト「卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセルなんてよくある」
峰田「何だと…くそったれ…」
葉隠「頂いた指名がそのまま自身へのハードルになるんですね!」
オールマイト「そゆ事!んでその集計結果がこちら!」
轟 4123
緑谷 3180
上鳴 318
八百万 260
切島 206
飯田 139
常闇 59
麗日 26
瀬呂 5
緑谷(どっかで見た事ある数字ばっかだなぁ)
瀬呂「戦闘力たったの5だゴミか」
峰田「お前それ自分で言って悲しくなんねえの?」
オールマイト「例年はもっとバラけるんだが」
オールマイト「今回は2人に注目が偏った!」
切島「だーーーー白黒ついた!」
青山「見る目ないよねプロ」プンプン
八百万「流石ですわね轟さん」
轟「ほとんど親の話題ありきだろ…」
麗日「わああああ」ユサユサ…
飯田「うむ」ガクガク…
オールマイト「これを踏まえ!指名の有無関係なくいわゆる職場体験に行ってもらう」
オールマイト「君らは一足先に経験してしまったがプロの活動を実際に体験してより実りある訓練をしようってこった!」
砂藤「それでヒーロー名か!」
麗日「俄然楽しみになってきたぁ!」
オールマイト「まぁ一応…仮だけど適当な名前は」
ミッドナイト「付けたら地獄を見ちゃうよ!!!」
「!?」
ミッドナイト「この時の名が!」
ミッドナイト「世に認知され」
ミッドナイト「そのままプロ名になる人多いからね!」
緑谷「ミッドナイト!?」
オールマイト「って事だ!そこら辺のセンスをミッドナイトに査定してもらう!」
オールマイト「多分こういうのはミッドナイトが適役だと思うんだ」
オールマイト「将来自分がどうなるのか…」
オールマイト「名をつける事でイメージが固まりそこへ近づいていく」
オールマイト「それが『名は体を表す』って事さ」
オールマイト「『イレイザーヘッド』…とかな」
緑谷「…」
緑谷(…名前…かぁ…)
~15分後~
ミッドナイト「じゃそろそろ出来た人から発表してね」
切島(発表形式かよ!?)
瀬呂(え~これはなかなか度胸が…)
青山「行くよ…」
スッ…
青山「輝きヒーロー」
青山「 I can't stop twinkling!!(キラキラが止められないよね)」
(短文やん!!?)
ミッドナイト「そこはIを取ってCan'tに省略した方が呼びやすい」
青山「それねマドモアゼル☆」
(採用された!?)
芦戸「エイリアンクイーン!」
ミッドナイト「2ーー!?血が強酸性のあれ目指してるの!?やめときな!」
芦戸「ちぇー」
(馬鹿野郎!)
(最初に変なの来ちまって大喜利みたいな空気になっちまったじゃねえか!)
蛙吹「フロッピー」
ミッドナイト「かわいい!親しみやすくていいわ!」
ミッドナイト「皆から愛されるお手本のようなネーミングね!」
(ありがとうフロッピー!空気が変わった!)
切島「烈怒頼雄斗!!」
ミッドナイト「『赤の狂騒』!これはアレね!?」
ミッドナイト「漢気ヒーロー『紅頼雄斗』リスペクトね!」
切島「そっす!大分古いけど俺の目指すヒーロー像は『紅』そのものなんス!」
ミッドナイト「ふふ…憧れの名を背負うってからには相応の重圧がついてまわるわよ?」
切島「覚悟の上っス!!」
緑谷(切島君かっこいいなぁ)
緑谷(出会う前はいくらでも『っぽい名前』考えてニヤニヤしてた…)
緑谷(けどこんなんじゃまだこの名を背負うには荷が重すぎる…)
緑谷(僕なんかには付けられないや…)
オールマイト「…」
上鳴「うあ~まだ考えてねえんだよな俺…」
耳郎「いい名前つけたげよっか」
耳郎「ジャミングウェイ」
上鳴「『武器よさらば』とかのヘミングウェイもじりか!」
上鳴「インテリッぽい!カッケェ!」
耳郎<いや…(ププ…
耳郎<折角強いのに…(ブフッ!
耳郎<すぐウェイってなるじゃんww?(プルプル…
耳郎「ヒアヒーロー」<耳郎お前さぁふざけんなよ!?
耳郎「イヤホン=ジャック」
障子「触手ヒーローテンタコル」
瀬呂「テーピンヒーローセロファン」
尾白「武闘ヒーローティルマン」
砂藤「かぶった」<甘味ヒーローシュガーマン
芦戸「ピンキー!!」
上鳴「スタンガンヒーローチャージズマ!!」
葉隠「ステルスヒーローインビジブルガール!」
ミッドナイト「良いじゃん良いよさぁどんどん行きましょ!!」
八百万「この名に恥じぬ行為を」<万物ヒーロークリエティ
ミッドナイト「クリエイティヴ!!」
轟「ショート」
ミッドナイト「名前!?いいの!?」<ああ
常闇「漆黒ヒーローツクヨミ」
ミッドナイト「夜の神様!」
峰田「モギタテヒーローグレープジュース!」
ミッドナイト「ポップ&キッチュ!!」
口田「ふれあいヒーローアニマ」
ミッドナイト「うん!」
麗日「考えてありました」<ウラビティ
ミッドナイト「シャレてる!」
爆豪「爆殺王」
ミッドナイト「そういうのは止めた方がいいわね」
爆豪<なんでだよ!
切島<爆発さん太郎は!?
ミッドナイト「思ったよりずっとスムーズ!」
ミッドナイト「残ってるのは再考の爆豪君と…」<再考!?
ミッドナイト「飯田君…そして緑谷君ね」
飯田「……」キュポッ
天晴『…天哉…昨日…言おうか迷ったん…だけどさ』
天晴『脚の感覚が全くねえんだ』
飯田『そんな…ウソだ!』
天晴『ヒーロー…インゲニウムは多分…ここで…終し…まいだ』
飯田『ダメだ!これからもっと多くの人を導くんだ兄さんは!!』
飯田『嫌だよ!!!』
天晴『俺だって…嫌だよ…』
天晴『……だからさ…お前がいいなら…』
天晴『この名…受け取ってくんねえか?』
飯田「…」ピタッ…
ゴシゴシ…
飯田(…無理だ…兄さん)キュッ…
スッ…
飯田(僕にはまだ…)
ミッドナイト「……飯田君も、名前ね」
緑谷「…」ザッ…
緑谷(……これしか…)
スッ…
「!!??」
緑谷(ないよなぁ…)
オールマイト「…」
上鳴「ええ…緑谷いいのかそれで!?」
緑谷「…うん」
緑谷「今まで好きじゃなかった」
緑谷「けど、ある人に意味を変えられて…」
緑谷「僕には結構な衝撃で、嬉しかったんだ」
緑谷「デク(これ)が僕のヒーロー名です」
爆豪「……」
麗日(デク君…)
爆豪<爆殺卿!!!
ミッドナイト<……
オールマイト<私にフラないで…
オールマイト「…」スタスタ…
悟空「お、オールマイト、オッス!」
オールマイト「おはようございます。悟空さん」
悟空「緑谷の奴はコードネーム何にしたんかぁ?」
オールマイト「結局…『デク』になりましたね」
悟空「そっか…やっぱオールマイト!みてえな名前だとプレッシャーがでけえかぁ…」
悟空「あ、そうそう。すまねえけどよ…」ゴソゴソ…
悟空「実はさっき緑谷に1人指名来ててよぉ~」スッ…
オールマイト「?今さら誰が…」
オールマイト「!!!」
悟空「?」
オールマイト「こ、この方は……」
峰田「オイラはMt.レディ!!」
蛙吹「峰田ちゃんやらしい事考えてるわね」
峰田「勘違いするな。俺は尻派じゃあない。おっぱい派
「ふぉっ!?」ギュオッ
尾白「芦戸もいいとこまで行ったのに指名ないの変だよな」
芦戸「それ」
麗日「デク君はもう決めた?」
緑谷「まずこの3180の指名ヒーローらの得意な活動条件を調べて系統別に分けた後事件・事故解決件数をデビューから現在までの期間でピックアップして僕が今必要な要素を最も備えてる人を割り出さないといけないなぁこんな貴重な経験そうそうないし慎重に決めるぞそもそも事件がないときの過ごし方等も参考にしないといけないなぁああ忙しくなるぞうひょー」
(芸かよ最早)
~さっきの授業後~
オールマイト「職場体験は一週間後」
オールマイト「肝心の職場だが指名のあった者は私が個別でリストを渡すのでその中から選択してくれ」
オールマイト「指名のなかった者は予めこっちからオファーした全国の受け入れできる事務所40件!」
オールマイト「この中から選んでもらう」
オールマイト「それぞれ活動地域や得意なジャンルが異なる」
オールマイト「よく考えて選ぶんだぞ!」
切島「俺は都市部での対・凶悪犯罪!」
蛙吹「私は水難に係わる所がいいわ」<あるかしら
オールマイト「皆今週末までには提出だからな!」
「えええ!?後2日!?」
轟「…」ピラ…
緑谷「バトルヒーロー『ガンヘッド』の事務所?」
緑谷「ゴリッゴリの武闘派じゃん!麗日さんがそこに?」
麗日「うん!指名来てた!」シュッ
緑谷「てっきり13号先生みたいなヒーロー目指してるのかと…」プルプル…
麗日「最終的にはね…でもこないだのデク君戦で思ったんだ」
麗日「強くなればそんだけ可能性が広がる!」シュッ
麗日「やりたい方だけ向いてても見聞狭まる!」
麗日「とね」
緑谷「…なるほど…」プルプル…
麗日「それより…さっきから気になってんだけど…」
麗日「震えてるね?」
緑谷「ああコレ…空気イス」
麗日「クーキイス!!!」
麗日「まさか授業中ずっと!?そんな馬鹿な!」
瀬呂「空気イスとか古くねーか?」
緑谷「何言ってるんだ!空気イスは筋肉の等尺性収縮を応用した動けない状態でも手軽にできるトレーニングだよ!」
爆豪<るせえ…
緑谷「今のままじゃ駄目なんだ…!」プルプル…
常闇「二兎追う者は一兎も得ず」
飯田「……!」
~放課後~
緑谷「……うーん…」
緑谷「とは言ったものの…やっぱり3000以上の事務所の活躍ピックアップって無理あるかな…」
緑谷「適当に選ぶわけにもいかないし…」
キキーッ!
緑谷「ん?」
オールマイト「わわ私が独特の姿勢で来た!!!」
緑谷「わわっ!」
オールマイト「良かった…緑谷少年まだ残ってて…」
緑谷「ど、どうしたんですか?」
オールマイト「君に誤報を伝えていた。正しくは3181名からスカウトを受けていた」
緑谷「え?」
オールマイト「そのもう1人の方…」
オールマイト「多分君も気になる人だと思うんだ」
オールマイト「かつて、一年間だけ雄英の教師をしていて…私のクラスの担任だった方だ」
緑谷(!?お、オールマイトの高校時代の担任…?しかも一年て…)
オールマイト「名をグラントリノ、言うなれば私のお師匠様か…」
オールマイト「大分前に隠居なさっていたのでカウントし忘れていたよ…」
緑谷「そ、そんな凄い方が何故…」
オールマイト「……」
オールマイト「いや待て待てま、まだアレ譲渡してないんだがなぁ…でもやっぱあんな派手にやってたらそら勘違いしちゃうのかなぁ…やっべ後でこれどう説明しよ」<震えるなこの足め!
緑谷「お、オールマイトが取り乱してる…」
緑谷(……?譲渡?)
オールマイト「と、とにかく!折角のご指名だ!ぞぞ存分にししししごかれてくくるくく…るといいィイイぃい…!」ガタガタガタガタ…
緑谷(どんだけ怖いんだよぉぉおお!?)
オールマイト「お、それとそうだ」
緑谷「?」
オールマイト「コスチューム!修繕されたのが戻ってきてるぞ」
スナイプ「職場体験ねえ…」
悟空「すぐに決まったのが何人か…」ピラ…
スナイプ「大事な行事だ。よく考えさせろよ?」
スナイプ「三年なんか今になって後悔している奴もいる」
悟空「…へえ…」
悟空「……飯田の…」
悟空(…この事務所………)
悟空(保須…保須?…こないだなんかあった気がすっけど…)
悟空「ま、いっかぁ…他他…ええと…」<これなんて読むんだっけか…
~職場体験当日~
悟空「皆コスチューム持ったな?」
悟空「本来外じゃ着ちゃいけねえ代物だ。落としたりすんなよ?」
芦戸「はーーい!」
悟空「いい返事だ芦戸!さあ、皆行ってこい!」←送る係
ワイワイ…
葉隠「楽しみだなぁ!」グッ…
切島「お前九州か!逆だ」
轟「…」
麗日「…」
緑谷「…」
緑谷「飯田君」
飯田「?」
緑谷(体育祭後、ニュースで聞いたインゲニウムの事件…)
緑谷(逃走中のその犯人)
緑谷(神出鬼没、過去17名ものヒーローを殺害し、23名ものヒーローを再起不能に陥れた)
緑谷(通称ヒーロー殺し敵名『ステイン』)
緑谷(飯田君は何も言ってはくれなかった)
緑谷「…本当にどうしようもなくなったら言ってね…」
緑谷「友達だろ?」
麗日「」コクコクコク…
緑谷(この時…)
飯田「ああ」
緑谷(もっと強く声をかけるべきだった…)
緑谷(僕はこの日の事を…やがて後悔する事になる)
~新幹線で45分~
緑谷「…オールマイトが恐れる程のヒーロー…」
緑谷「『グラントリノ』…聞いたことない名だけど…きっと凄い人に違いないぞ!」
緑谷(……それに…あの時言ってた譲渡って何だ…)
緑谷(…いや…今気にすることじゃないか)
緑谷「さあ、一体どんな所に住んで…」
ボロロロ…
緑谷「……」
緑谷(あ、住所間違って見てる。隣の建物だ)
緑谷「なんて事ありませんよね…」ギギ…
緑谷「すみませんー雄英高校から来ました…」
緑谷「緑谷出久です…よろしくお願いしま…あ」
「」
緑谷「ぁあああ死んでるぅぅう!?」
「生きとる!!」バッ!
緑谷「生きてる!!」ホッ
「いやぁあ切ってないソーセージにケチャップぶっかけたやつ運んでたらコケたァ~…」スク…
「誰だ君は!?」
緑谷「雄英から来た緑谷出久です!!」
「何て!?」
緑谷「緑谷出久です!!!」
「誰だ君は!?」
緑谷(やべえ)
緑谷(オールマイトの先生だ…相当なお歳とは分かってたけどコレは…)
「飯が食いたい!」ペタン
緑谷「飯が!!💧」
「シャモ?」
緑谷「違います」
「俊典!!!」
緑谷「違いますっ!!」
緑谷「す、すみません…ちょっと…電話してきます…」
緑谷(と、とりあえず彼の仕上がりっぷりをオールマイトに…)ギギ…
「撃って来なさいよワン・フォー・オール!」
緑谷「…」
「どの程度扱えるのか知っときたい!」
緑谷「…………」
「…………?」
「………え、知らないの?ワン・フォー・オール」
緑谷「……いえ…」
「オールマイトから聞いてないの?」
緑谷「…いえ、全く…」
「………」
「あれ?君体育祭で撃ってなかったっけ!?あれ?あれ?💧」
緑谷「あの…やっぱり電話…」
緑谷(……?)
(あっれー?あの破壊力OFAしかあり得ないよね?普通の人間じゃできないよね?)
(え?ワシの勘違い?うっそマジかよ…)
(やっべええなんか誤魔化さないと…すまん俊典ぃいい!)ガンガン…
緑谷(さっきとはまた違う焦り様…)
(他後何言ってた!ええと…うんと…くっそぉぉ…)
(後覚えてるのかめはめ波かめはめ波言ってる事しか…)
(……かめはめ波…?)
「あ」
「誰だ君は!?」
緑谷「わぁぁああ!?」
緑谷「~~…っ…」
緑谷「僕…早く…」
緑谷「僕は早く…一人前にならないといけないんです…」
緑谷「この力…気を完全に扱えるように…」
緑谷「だから…こん」
緑谷「おじいさんに付き合ってられる時間はないんです!!」
「…」
緑谷(……あ、怒ったかな…)
「………」
ニヤッ
「小僧、その言葉…どこで聞いた」
緑谷「え」
ダダダダンッ!!!
緑谷(…床2回壁3回蹴り飛ばした…?)
「……あの技、実際に見てみたい…」
グラントリノ「かめはめ波、撃ってこいや受精卵小僧」
緑谷「!?」
オールマイト「DNA検査?脳無の?」
塚内「ああ。捜査協力を依頼してる訳でもないし…」
塚内「情報漏えいになるが…君には伝えなくちゃと思ったからな」
塚内「黒幕への手がかりだ」
オールマイト「…」
塚内「…あれから色々試したものの」
塚内「奴は口がきけない…とかじゃない」
塚内「何をしても無反応…文字通り思考停止状態…」
塚内「素性を調べるためDNA検査した所」ピラ…
オールマイト「誰これ」
塚内「傷害・恐喝の前科持ち…まぁチンピラだ」
塚内「そして、奴の身体には全く別人のDNAが少なくとも4つ以上混在している事が判明した」
オールマイト「!?」
オールマイト「………おい、人間かそれ?」
塚内「…全身薬物等でいじくり回されているそうだ」
塚内「安っぽい言い方をすれば『複数の個性に見合う身体』にされた改造人間」
塚内「脳の著しい機能低下はその負荷によるものらしいが…」
塚内「本題はその身体じゃなく…DNA」
塚内「個性複数持ちの方」
塚内「DNAを取り入れたって『馴染み浸透する』特性でもない限り個性の複数持ちなんてことになりはしない」
塚内「ワン・フォー・オールを持った君なら分かるだろ…」
オールマイト「……個性を与える個性…か?」
グラントリノ「何だよ…体育祭でやたら使いこなせてるじゃねえかって思ってたが…」
グラントリノ「俺もボケたなぁ…あの馬鹿まだ決めかねてんのか…」
緑谷「え…」
グラントリノ「いや…わざわざ俺のとこに寄越してきたんだ」
グラントリノ「概ね、決まっちゃいるか」
グラントリノ「?何ボサッとしてる小僧」
グラントリノ「さっさと着替えろコスチューム」
緑谷(同じ言い回し…やっぱりこの人…)
緑谷(…オールマイトの先生…!)ゴクッ…
緑谷(あ、取説)
「緑谷様へ」
「修繕にあたり弊社の独断で材質やデザインに少々の変更を加えましたがご了承ください」
「だってこっちの方が絶対かっこいいし!」
緑谷「💧」
緑谷(サポート科はこんな人ばかりなのか)<私が来ましたよフフフ
緑谷(いや呼んでません)<え
緑谷(何はともあれ母製スーツβ初陣だ!!)ギュッ
緑谷「よろしくお願いします」ザッ!
グラントリノ「…」
緑谷「…あの本当にいいんですか?」
緑谷「グラントリノさん…結構なお歳でしょうし
緑谷「もっと開けた屋外じゃないとここも…」
グラントリノ「ウダウダとまぁ…」
グラントリノ「じれったい」ダダンッ!
緑谷「くっ!」クルッ
バキィッ!
緑谷「ぐあっ!」
緑谷(来ると分かってても反応できない!)
緑谷(飯田君のレシプロかそれ以上…)
緑谷「てか撃つだけじゃないんですか…これ実戦形式」
グラントリノ「さっきので俺の実力がわからなかったか?」グシャァ!!
グラントリノ「気を扱えるんだろ?放ってみい」<電子レンジがぁあ!電子レンジそのものがぁああ!
緑谷「っ…」
緑谷「…仕方ありませんね」ニッ
緑谷「」ボォッ!
グラントリノ(気が上昇した!?)
緑谷「界王拳2倍!!」
ゴォッ!
グラントリノ「ちっ!」ゴォッ!
ドガガガッ!
グラントリノ「小僧…やるじゃねえか…」ガガガガ…
緑谷「…!」
緑谷「だりゃあっ!」バキィッ!
グラントリノ「ぅおっ…」
ガッッッ!
グラントリノ「ってぇ…」バッ…
グラントリノ「なんちゅうガキだ…?」
緑谷「…」ギュルルッ
緑谷「波ぁぁあっ!!!」
ボオオッ…
グラントリノ「とおっ!」ダンッ!
緑谷「避けられた!」
グラントリノ「あ、やっべ床に…」
緑谷「軌道上えっ!」グオッ
グラントリノ「え?」
ドオオオンッ!
緑谷「……」シュタ…
グラントリノ「…」シュゥゥ…
緑谷「…大丈夫ですかぁ…」
緑谷「…し、死んでる…」
グラントリノ「生きとる!!」バッ
緑谷「イキテタ!!」ホッ
グラントリノ「くぅ~歳はとりたくねえもんだなぁ…衰えた」
グラントリノ「ってか曲げるの無し!卑怯!!」
緑谷「ぇぇぇ…」
グラントリノ「……まぁ、妥協してギリギリ合格ライン突破………」
グラントリノ「しているかもしれない可能性が1%程ある様なない様な気がするがそう予測してやってもいいかなと少しは思えるかもしれん」
緑谷(究極にアバウト…)
グラントリノ「……お前、さっきより気落ちてるぞ?」
緑谷「!?」
緑谷(そういえば…さっきも気づいて…)
グラントリノ「余程体力消耗する超必なんだろ」
緑谷(……1.5と2倍の界王拳はあくまで耐えられるだけ…)
緑谷(3~5は耐えられないにも関わらず無理矢理上限を伸ばしているだけ…)
緑谷(ただでさえ命に関わる大技だ…)
グラントリノ「その…なんだ、もっとこう効率の良いパワーアップ法ないの?」
緑谷(…効率…)
緑谷(こないだ悟空さんにも言われた…)
緑谷「あの…それって…」
グラントリノ「答えは自分で考えろ」ギギ…
グラントリノ「俺は飯買ってくる」
緑谷「……」バタン
~同時刻~
保須市
担当者「普段は依頼の電話待ちが多いんだけど…」
担当者「最近はホラ…保須市も慌ただしいからね」
飯田「市街パトロールは抑制になります」
担当者「そゆこと」
担当者「にしてもインゲニウムの弟さんがよくウチに来てくれたね」
飯田「…」
飯田(ヒーロー殺し…現代社会の包囲網でも捕らえられぬ神出鬼没ぶり…)
飯田(無駄なことかもしれない…それでも今は追わずにはいられない)
飯田(僕はあいつが許せない)
~死柄木アジト~
ステイン「その一団に俺も加われと」
死柄木「…」
ステイン「……目的は何だ」
死柄木「とりあえずはオールマイトをブッ殺したい」
死柄木「気に入らない物は全部ぶっ壊したいな」
死柄木「こういう…糞餓鬼とかもさ…全部」ピラ…
ステイン「…興味を持った俺が浅はかだった…」
ステイン「おまえは…ハァ…俺が最も嫌悪する人種だ」
死柄木「はあ?」
ステイン「子どもの癇癪に付き合えと?…ハ……ハァ」
ステイン「信念なき殺意に何の意義がある」スッ…
黒霧(破壊衝動のみの死柄木弔に更なる成長を促す為招いた男…)
黒霧(しかしこれは…)
黒霧「先生…止めなくて良いのですか?」
<これでいい!
<答えを教えるだけじゃ意味がない!
<到らぬ点を自身に考えさせる!成長を促す!
緑谷「……」
緑谷「……効率の良いパワーアップ…」
緑谷『誰の心配もする事のない僕なりのやり方が要る』
緑谷「……あるのは一つ…か」
~数週間前、つーか体育祭翌日~
悟空『2人共、体育祭お疲れ!』
悟空『すっげえ活躍してたぞおめえら!』
緑谷 八百万『は、はいっ!』
八百万(き、聞いてないですよぉ悟空先生…なんで緑谷さんまで…///)
緑谷(本来なら体をゆっくり休ませたいとこだけど…)
緑谷(そうも言ってられない…)
緑谷(何とか掴むんだ…ここでヒントを…!)
悟空『八百万はこれから気の集中の練習』
悟空『緑谷は…予想以上に鍛えてたなぁ…』
悟空『もう気のコントロール完璧と言っても過言じゃねえぞ…』
緑谷『え…へへ』
悟空『気を消す…これができりゃ後残すは開放だけだな』
緑谷『開放…ですか?』
悟空『ああ。今までかめはめ波みてえな気功波で気をてに集中して瞬間的に気を高めてたわけだが』
悟空『それを爆発させ、常時その高めた気の状態を維持できるようにすんのが開放だ』
悟空『さ、やってみろ!』
緑谷『………』
緑谷『え?』
悟空『やってみろってー!今のおめえならできるだろ?』
緑谷『えええええ…』
緑谷(……これ位か…)
緑谷(気を集中…爆発させ開放)
緑谷(答えには辿り着けてるけどやっぱりやり方が分からない…)
緑谷「……瞬間的に…効率的に…」
緑谷「…駄目だ…とにかく言葉だけ並べてもごちゃごちゃして分からなくなる…*
緑谷「もっと柔軟に…フラットに考えろ…」ブツブツ…
ドア
グラントリノ「……」
グラントリノ(思考は柔軟…そこは体育祭の動きで分かっていた…)
グラントリノ(もう一歩ってとこか…)
グラントリノ(なかなか良いやつ見つけたんじゃないか?)
グラントリノ(俊典…いや)
グラントリノ(オールマイトよ…)
緑谷<そういえばまだグラントリノ、ドアの外にいるなぁ
グラントリノ<やべっ逃げろ…
~その頃、他の面々は~
爆豪「……」
物真「あっれえ!?なんで君ここにいるの!?確か1位になったんだから指名数半端ない筈なんだけどあ!?あそっかぁ!確かトーナメント初っ端に敗退してた!なら仕方ないかn
爆豪「」ガチャン…
物真「すみませんした」
爆豪「なんでテメェがいんだよ…」
物真「知るかよ。別に人数は1人のみなんて一言も言われてないだろ?」
物真「ただ何故か偶然、偶然!偶然に君と一緒になってしまった」
爆豪(偶然強調すんなよ…)
物真(くそが…なんでお前までここに…)
物真(うう…若手美女ヒーローって聞いたから2人であんな事やこんな事してやろうと思ってたのにぃ…)
物真(こうなったらこいつを出し抜いて素晴らしい活躍を見せつけなければ…!)グッ
爆豪「何やってんだこいつ」
ガチャ…
「おっはよー!ことしのきぼうしゃふたりはきみたちか!」
「よろしくね!」
爆豪 物真「は?」
フォースカインド「まぁ…国からお給金頂いてるので一応公務員なんだが」
フォースカインド「成り立ち故に公務員とは何もかもが著しく異なる」
切島「……」
鉄哲「……」
切島 鉄哲「なんでお前がここに!?」ガシッ!
フォースカインド「指名は2票入れられるんだよ」<てか聞けや
フォースカインド「んで、実務が具体的に何なのかって話だが…」
ガンヘッド「基本は犯罪の取り締まりだよ」
ガンヘッド「事件発生時には警察から応援要請が来るよ」
ガンヘッド「地区ごとに一括で来るんだよ」
ガンヘッド「逮捕協力や人命救助等の貢献度を申告」
ガンヘッド「そして専門機関の調査を経てお給料が振り込まれるよ」
ガンヘッド「基本歩台だね」
麗日(喋り方可愛い)キュン
ウワバミ「…そうね。後は副業が許される」
ウワバミ「公務に定められた当時は一部で相当揉めたと聞くけど…」
ウワバミ「市民からの人気と需要に後押しされた名残ね」
ウワバミ「というわけでこれからCM撮影なの」
ウワバミ「付きあってね」
八百万 拳藤「…」
拳藤「……もっと…ヒーロー的活動を体験したいんだけどな」
八百万「あらぁ?これもプロになれば避けては通れぬ道ですわよ?」ゴゴゴ…
八百万「そんな事も分からなくて?」ニコッ
拳藤「……」
拳藤<うわーんデク怖いよ助けてー(棒)
八百万<ムキーーー!
~そして、1日目夜~
グラントリノ<ムニャムニャ!
グラントリノ<Z!Z!!
緑谷(寝てるんだよな?)
緑谷(初日は結局見ていただいただけでヒーロー的活動は一切していない…)
緑谷(ご飯買って帰ってきたら寝ちゃったよ)
緑谷(グラントリノ…検索してもロクにヒットしなかった…)
緑谷(一年間だけの雄英教師…)
緑谷(色々謎な方だ…)ギギ…
スタスタ…
緑谷「フラットに考える…」
緑谷「かっちゃんや皆は息をする様に自然と出来る事…」
緑谷「僕はかめはめ波の時、まだ使うって意識を持っている」
緑谷「……」チラッ
緑谷「だからってここで気功波はなぁ…」
緑谷「あ」
緑谷「界王拳を使えばいいじゃないか…!界王拳なら被害は出ない!」
緑谷「ふんっ!…」
緑谷「あ」
悟空『でも例外はあってな』
悟空『界王拳や自爆ってのはいわゆる気を開放させた状態から瞬間的に気を上げる方法なんだ』
緑谷「ダメじゃないか…」
緑谷「…」ダダダンッ
シュタッ…
緑谷(試しに壁蹴って上ってみたがいつもとスピード変わらず…)
緑谷(…何が足りない…)
こけこっこー
グラントリノ「おはようそして!」
緑谷「」ボロッ
グラントリノ「どうした!?」
緑谷「い、いえ…昨日ちょっと自主トレしてたら夢中に…」
緑谷「グラントリノさんに言われた事咀嚼して実践してみたんですけど…」
緑谷「先はまだ長いです…」
グラントリノ「…まあそりゃ初めてのチャレンジだったらそうなるわな」
グラントリノ「個性は生まれた時から体と共に成長し馴染んでいる」
グラントリノ「普通そんな問題は起きんさ」
緑谷「…」
緑谷「そういえばなんでグラントリノは気をご存知で…?」
グラントリノ「…」
緑谷「それに昨日言っていたワンf(ピンポーン!
緑谷「……」<宅配デース!アマゾンさんからデース!
グラントリノ「出て?」
緑谷「はい…」
ガチャ…
グラントリノ<ナイスタイミング宅配
緑谷「電子レンジ…?」
グラントリノ「昨日何故か壊れちゃったからな!」<お急ぎ便さ!
緑谷(ガチなのかオトボケなのか…)<嘘です!全て嘘です!
緑谷(自分から踏んでなかったっけ…)<本当はグラントリノが壊し
グラントリノ「よし小僧」<ハァッ☆
グラントリノ「昨日買ってきた冷凍たい焼き食うぞ!用意だ!」
緑谷「ええ!?朝食たい焼きですか…?」
グラントリノ「俺は甘いのが好きなんだ!」
ピッピッ…
グラントリノ<ワクワクッ
ジィ~…
緑谷(……生まれた時から…か。考えてみれば15年間皆その特訓をしてたんだよな…)
緑谷(つまり15年間培ってきた感覚をこの数日間で…)
緑谷(時間は待ってくれない…)チンッ!
コト…
グラントリノ「うひょー!これよこれ!」
グラントリノ「時代はアツアツよ!」
緑谷(時間は限られてる…どうすれば…)
グラントリノ「浮かない顔してるな…」
グラントリノ「まぁ今はアツアツたいを食って…」ガブ…
グラントリノ「で冷だっ!?」ビキッ!
緑谷「ウソ!?ちゃんと解凍モードでチンした筈…!」アセアセ
グラントリノ「バッカおまえこれ…」
グラントリノ「でかい皿でそのまま突っ込んだな!?」
緑谷「あ…」
グラントリノ「無理に入れると中で回転できねえから一部しか熱くならんのだ!」
グラントリノ「チンした事ないのか!?」
緑谷「す、すみません!ウチ、回転するタイプじゃなかったので…」
緑谷「………」
緑谷「あ」
緑谷「あああああ!分かった!」
緑谷「グッグラントリノさん!」
グラントリノ「ん?」
緑谷「こ、このたい焼きが…僕…ですっ!」ドーンッ!
グラントリノ「うん違うぞ。大丈夫か?」
緑谷「い、いえ…そういうっ…違くて…」
緑谷「…今まで『使う』って事に固執してた…!」
緑谷「必要な時に、必要な箇所を…!」
緑谷「スイッチを切り替えて…!」
緑谷「でも…それだと二手目三手目で反応に遅れが出てくる…」
グラントリノ「…」
緑谷「なら…初めからスイッチを全て付けておけば良かったんだ…」
ギュルルッ…
緑谷「一部にしか伝わってなかった熱が…」
緑谷「万遍なく伝わるイメージ…!」ボオオッ!
グラントリノ(辿り着くまで随分早かったな…)
悟空『大体かめはめ波はいつもの2倍ぐれえのパワーを出してると思ってくれりゃいい』
緑谷「…全部…常時…200%…!」
グラントリノ「…イメージが電子レンジのたい焼きて」
グラントリノ「えらい地味だがいいのかそれ」
ゴオオッッ…
緑谷「……」シュン…
ニッ
緑谷「そこもっ…師匠のお墨付きですっ…!」ビリッ…
グラントリノ「…」
緑谷『ああそうだよ。元からイカれてるよ』
緑谷『師匠のお墨付きさっ…!』
グラントリノ(……まさか師匠ってのは…)
グラントリノ(こいつの昨日のかめはめ波…)
グラントリノ(野郎の最初の頃のワン・フォー・オールにそっくりだった…)
グラントリノ(だが原理も同じだなんて聞いてねえよ…)
グラントリノ「…」
グラントリノ「お前…その師匠ってのは誰なんだ?」
緑谷「………」
緑谷(……別に…言ってもいいか。知ったところでどうもならない…)
緑谷「…孫悟空…です」
グラントリノ「………」
グラントリノ(……話が違えじゃねえかよ…)
グラントリノ(…孫悟空…そいつは…とっくの昔…)
グラントリノ(1000年前に亡くなった男じゃなかったのか…)
グラントリノ(……神よ…!)
グラントリノ「……その状態のまま…維持して動けりゃ…」
グラントリノ「体育祭の時のお前とは一線を画す!」
緑谷(……確かに…この状態の界王拳…)ビリビリ…
緑谷(今までの2倍が4倍…今限界の5倍使えばさっきまでの10倍のパワーアップにはなる…!)
グラントリノ「さて…どうするか…」
グラントリノ「…30秒か…」カチッ
緑谷「?」
グラントリノ「その間…」
グラントリノ「一発かめはめ波ぶち込んでみろ!」ダダダンッ!!
緑谷(マジかよ…!)
グラントリノ「あ、勿論軌道曲げるのと界王拳無しだからな!」
緑谷「く…」
緑谷(だが…昨日2倍で追いつけたスピード…)
緑谷(今の僕になら…)
緑谷「だっ!」
ダンッ!
バキッ!
緑谷「……!」
グラントリノ「いい攻撃だ…昨日と同じぐれえ…」
ドガガガ…
緑谷「うおおおおっ!!」ガガガガ…
グラントリノ「だが…」
グラントリノ「負けてられっか!!」バキィッ!
緑谷「うわぁぁあっ!?」ヒュゥゥ…
グラントリノ「残り10秒だ!!」ダンッ!
緑谷「…」ヒュゥゥ…
グラントリノ(何もしてこない…諦めたか!?)
緑谷「…」バッ
緑谷「波ぁあああっ!」ボオオオオッッ
フッ…
緑谷「残像!?」
グラントリノ「あの位の技、俺レベルなら誰だって身につけられる」
緑谷(やばっ…上!)
グラントリノ「タイムアップだ!!」ダンッ
フッ
グラントリノ「お?」ゴッ…
「勿論…分かってましたよ…」
緑谷「だから建物に影響が来ない程度に威力弱めたんだ…!」ギュルルル…
グラントリノ「いい!?」
緑谷「喰らえフルパワー…」
緑谷「かめはめ波ぁあああっ!!!」
ボオオッ!
グラントリノ「…ぬ…」
グラントリノ「ぬぅぅ…」
緑谷「グラントリノ…」
グラントリノ「誰だ君は!?」
緑谷「もういいですよ!」
グラントリノ「くっそぉ…後2秒耐えれば俺の勝ちだったけどなぁ…」
グラントリノ(久々に本気出したってのに…)
緑谷<お怪我は…?
グラントリノ(この小僧…化けるな…)
グラントリノ「ん、大丈夫だ!全くもって大丈夫!」
グラントリノ「そんな事より朝飯朝飯!」
緑谷「もう11時ですけど」
グラントリノ「んじゃ昼飯だ!たい焼き食うぞたい焼き!!」
「……」
「……どうした?神様…」
「…いや…また下界を見ててな…」
「1年前…あれから習慣になってのぉ…」
「何故今になって悟空さんは現れおったのか…」
ステイン「何を成し遂げるにも…信念…想いが要る」
ステイン「ない者…弱い者が淘汰される」
ステイン「当然だ」
ステイン「だからこうなる」
ブシュゥ…
死柄木「ハッハハハ!いってえええ…」
死柄木「強すぎだろ…」
死柄木「黒霧!こいつ帰せ早くしろ!」
黒霧「身体が動かない…!」
黒霧「恐らくヒーロー殺しの個性……」
ステイン「英雄が本来の意味を失い偽物が蔓延るこの社会も…」
ステイン「徒に力を振りまく犯罪者も…」
ステイン「粛清対象だ…ハァ…」
ズズッ…
死柄木「ちょっと待て待て」
ガシッ
ステイン「?」
死柄木「この掌は駄目だ」
死柄木「殺すぞ」ボロボロ…
ステイン(!?刃が…)
死柄木「口数が多いなぁ…信念?」
死柄木「んな仰々しいもんねえよ…」
死柄木「強いて言えば…そう」
死柄木「オールマイトだな…」
死柄木「あのゴミが祀り上げられてるこの社会を目茶苦茶にブッ潰したいなぁとは思ってるよ」
ステイン「……!」ゾオッ…
ダンッ!
ステイン(こいつ…)
死柄木「せっかく前の傷が癒えてきたってとこだったのにさ…」
黒霧(イレイザーヘッドに蹴られただけなんだが…)
死柄木「こちとら回復キャラがいないんだよ」
死柄木「責任取ってくれんのかぁ…?」
ステイン「…それがお前か…」
死柄木「は?」
ステイン「お前と俺の目的は対極にある様だ」
ステイン「だが」
ステイン「『現在を壊す』」
ステイン「その一点において俺達は共通している」
死柄木「ざけんな、帰れ、死ね」
死柄木「『最も嫌悪する人種』なんだろ?」
ステイン「真意を試した」
ステイン「死線を前にして人は本質を表す」
ステイン「異質だが…『想い』」
ステイン「歪な信念の芽がお前には宿っている」
黒霧「……」
ステイン「お前がどう芽吹いて行くのか…」
ステイン「始末するのはそれを見届けてからでも遅くはないかもな」
死柄木「始末すんのかよ…」
死柄木「こんなイカれた奴パーティメンバーなんて嫌だよ俺…」
黒霧「死柄木弔。彼が加われば大きな戦力になる」
黒霧「交渉は成立した!」
ステイン「用件は済んだ!さぁ保須へ戻せ!」
ステイン「あそこにはまだ成すべき事が残っている…」
担当者「…っと」スポッ
担当者「ぷはーっ」
担当者「まーこんだけ街が警戒モードだと敵も出て来られないよね」
飯田「……そうでしょうか…」
飯田(……)スッ…
飯田(『ヒーロー殺し』ステイン)
飯田(情報を集めてすぐ分かった)
飯田(奴は今まで出現した7ヶ所全てで…)
飯田(必ず4人以上のヒーローに危害を加えている)
飯田(目的があるのか…)
飯田(ジンクスか知らんが必ずだ)
飯田(保須ではまだ…兄さんしかやられてない)
天晴『ごめんな…天哉…』
飯田「……」
飯田7奴はこの街に再び現れる可能性が高い…)
ゴオオッ…
ステイン「……」
飯田(来い……!!俺が……)
グラントリノ「まだ行くぞォッ!!」ダンッ
緑谷「っおおおおっ!!」ダンッ!
飯田(この手で始末してやる………!)
~職場体験3日目・夕方~
緑谷「……」シュタッ…
緑谷「はぁ…はぁ…」
グラントリノ(俺の動きに完全に付いていける様になりやがった…)
グラントリノ(気の開放とやらも完璧にこなしてる…)
グラントリノ「でも…これ以上俺と闘っても変なクセがつくかもな…」
緑谷「え…」
グラントリノ「…よし。フェーズ2に行く」
グラントリノ「職場体験だ!」
ギギ…
グラントリノ「つーわけでいざ敵退治だ!!」
緑谷「おお!!……ってええ!?いきなりですか!?」
グラントリノ「だぁから!俺とばかり闘っちまうと変なクセついて全く違うタイプへの対応でつまずく!」
グラントリノ「つかそもそも職場体験だろ」
グラントリノ「次は様々なタイプや状況で経験を培うフェーズだ」
緑谷「仰る事はごもっともです…でもいざとなると心の準備は…」
グラントリノ「敵との戦闘はもう経験してるんだろ?それにそんなでかいヤボには近づかんさ」
グラントリノ「ちょっと遠出する」<タクシ!
グラントリノ「ここいらは過疎化が進み犯罪率も低い」
グラントリノ「都市部にヒーロー事務所が多いのはそれだけ犯罪が多いからだ」ガチャ…
グラントリノ「人口密度が高けりゃそれだけトラブルが増える」
グラントリノ「渋谷あたりは小さなイザコザ日常茶飯事なわけよ」ストン…
緑谷「渋谷ぁ!?まさかそんなハイカラな街にコスチュームで!?」
グラントリノ「ヒーロー同伴でなきゃ着られん服だろ?」
グラントリノ「最高の舞台で披露できるのを喜びんさい!!」<シートベルトシテクダサイ
緑谷「…てなると甲府から新宿行き新幹線ですか?」カチャカチャ…
グラントリノ「うん」
緑谷(保須市…横切るな)
緑谷(飯田君………気になるな…)
緑谷(後で連絡してみよう)
担当者「今日も今日とてパトロール…ごめんね変わり映えなくて」
飯田「いえ…むしろ良いです」
キョロキョロ…
担当者「………あのさ」
担当者「聞きにくい事だけど…」
担当者「君、ヒーロー殺し追ってるだろ」
飯田「………それは……」
担当者「ウチに来る理由が他に思い当たらなくてね」
担当者「やや!別に来てくれた事は嬉しいんだぜ!?」
担当者「…でも私怨で動くのは止めた方がいいよ」
担当者「我々ヒーローに逮捕や刑罰を行使する権限はない」
担当者「個性の規制化を進めていった中で個性使用を許されてるわけだからヒーロー活動が私刑となってはいけない」
担当者「もしそう捉えられればソレはとても重い罪となる」
飯田「…」
担当者「あ!いや!ヒーロー殺しに罪がないとかじゃなくてね!」
担当者「君真面目そうだからさ!視野がガーッとなっちゃってそうで…」
担当者「案じた」
飯田「……ご忠告感謝します」
飯田(……しかし…)
飯田(じゃあしかし…!!)ググッ…
飯田(この気持ちを…!どうしたらいい!?)
ゴオオ…
「保須市って……
死柄木「思いの外栄えてるな」
ステイン「この街を正す」
ステイン「その為にはまだ…犠牲が要る」
黒霧「先程仰った『やるべき事』というやつですか?」
ステイン「お前は話がわかる奴だな」
死柄木「いちいち角立てるなぁオイ…」イライラ…
ステイン「ヒーローとは偉業を成した者にのみ許される『称号』!!」
ステイン「多すぎるんだよ…英雄気取りの拝金主義者が!」
ステイン「この世が自らの誤りに気づくまで…」
ステイン「俺は現れ続ける」ダンッ!
死柄木「あれだけ偉そうに語っといてやる事は草の根運動か…」
死柄木「健気で泣けちゃうよ」
黒霧「……そう馬鹿にもできませんよ」
死柄木「?」
黒霧「事実、今までに彼が訪れた街は軒並み犯罪率が低下しています」
黒霧「ある評論家が『ヒーロー達の意識向上につながっている』と分析しパッシングを受けたこともあります」
死柄木「それは素晴らしい!ヒーローが頑張って食いぶち減らすのか!」
死柄木「ヒーロー殺しはヒーローブリーダーでもあるんだな!」
死柄木「回りくどい!!」
死柄木「やっぱ…合わないんだよ根本的に…」
死柄木「ムカツくしな」
死柄木「おい黒霧脳無出せ」
黒霧「!」
死柄木「俺に刃ぁつき立ててただで済むかって話だ」
死柄木「ブッ壊したいならブッ壊せばいいって話…ハハ…」
黒霧「…」ゴオオ…
死柄木「大暴れ競争だ」
ズドッ…
死柄木「あんたの面子と矜持潰してやるぜ大先輩…」
~新幹線に乗った緑谷チーム~
ゴオオッ…
緑谷「着く頃には夜ですけどいいんですか?」
グラントリノ「夜だから良い!」
グラントリノ「その方が小競り合いが多くて楽しいだろ」
緑谷「楽しかないけど…納得」
ピッピッ
グラントリノ<座りスマホ!!最近の若者は全く…
緑谷(既読なのに…返事無し)
緑谷(いつもなら既読してから3分以内に返してくれるのに…)
緑谷(飯田君…)ゴオオッ…
キィィッ!
緑谷「なっ!?」
グラントリノ「っんだ!?」
「お客様座席にお掴まりください。緊急停止します」
ドガァアッ!
「ヒーロー!?」
「キャァアア」
ヒーロー「っんだよあいつ…!」
脳無「…」
緑谷(あ、あれは脳無!?)
グラントリノ「座ってろ小僧!」ダンッ!
緑谷「え!?」
グラントリノ「人様のお仕事…」ゴオオッッ
脳無「!?」
ドガァアッ!
グラントリノ「邪魔すんじゃねぇえっ!!」
ゴオオッッ…
緑谷「グラントリノッッッ!」
グラントリノ「小僧!こっち来んじゃねえ!お前は…」
ゴオオッッ…
緑谷「…行っちゃった…」
緑谷(何が起きた!?何だよ今の…ここ…保須市…だよな?)
緑谷(飯田君…!)
マニュアル「マジかよ…このご時世に馬鹿だな!」<あ、名前表記されてるやん!
マニュアル「天哉君!現場行く!走るよ!!」
飯田「………」
チラッ…
飯田「………!!!」
ダダッ…
ステイン「騒々しい…阿呆が出たか…」
ステイン「後で始末してやる…今は…」
グッ…
ネイティヴ「うあっ…」
ステイン「俺が為すべき事を為す…!」
ネイティヴ「身体…動かね…クソ野郎が…」
ネイティヴ「死ね!」
ステイン「ヒーローと名乗るなら死際の台詞位選べ」
……RR…
ステイン「…」
ジャッ!
飯田(危っ…)
ステイン「スーツを着た子供…」
ステイン「何者だ」
飯田「くっ…!」
ステイン「消えろ。子どもの立ち入っていい場所ではない」
飯田「血のように紅い巻物…全身に携帯した刃物…」
飯田「ヒーロー殺しステイン!そうだな!?」
飯田「お前を追ってきた」
飯田「こんなに早く見つかるとはな!!」
飯田「僕は
スッ
飯田「……!」
ステイン「その目は仇討ちか」
ステイン「言葉には気をつけろ」
ステイン「場合によっては子供でも標的となる」
飯田「……」スクッ…
飯田「標的…ですらないと言っているのか…」
飯田「……っ」
飯田「では聞け犯罪者っ!!」
飯田「俺は…お前にやられたヒーローの弟だ…!」
飯田「最高に立派なヒーローの弟だ!!」
飯田「兄に代わりお前を止めに来た!!」
天晴『この名…受け取ってくんねえか?』
飯田「僕の名を生涯忘れるな!!!」
飯田「インゲニウム」
飯田「お前を倒すヒーローの名だ!」
ステイン「そうか」
ステイン「死ね」
「ギャアアア」
「ひとまず席にお戻りください!」
「落ち着いて!ヒーローを待っ…
ダダッ!
緑谷「すみません!僕出ます!」
「ええ!?」
緑谷(姿は違ってたがあんな脳味噌おっぽろげそういるもんじゃない…!)
緑谷(兄弟か…!?いや今はグラントリノ…!)
緑谷(無事でいてくれ!)ダンッ!
「ええ!?ちょっと!君!」
ゴオオッッ…
「そ、空飛んでった…」
グラントリノ「なんだよったく…今週はガチバトルウィークかよ…」
グラントリノ「全くとんだ巻き添えだ!はっちゃけやがって…」
脳無「…」
グラントリノ「なんだお前?」
ゴッ!!
グラントリノ(速い!)
グラントリノ(がまだ対応圏内…)ダンッ!
ゴッッ!
「えええ!?ちょっ…待って!」
グラントリノ(しまった!)ダンッ!
脳無「…」ブンッ!
「わあああっ!?」
グラントリノ(見境いなしか!)
グラントリノ「やめとけこの…」
ボオオッ!
グラントリノ「何っ…」
脳無「……カ…」
「ヒーロー殺しを狙っていたんだが…タイミングの悪い奴だ」
スタッ
グラントリノ「…」
「存じ上げませんがそこのご老人」
「俺に任せておけ」
<え、ま、マジ!?
<なんで貴方がここに!?
「…」ニッ…
エンデヴァー「…ヒーローだからさ…」
ワァァァ…
ゴオオッッ…
緑谷「流れの本が騒ぎの中心…!」
緑谷(なんだって脳無みたいな奴が…)
緑谷(もしあれがUSJの時みたいなデタラメの強さ持ってたら…)
緑谷(グラントリノどころじゃない!この街が…)
緑谷(職場体験してる飯田君だって…!)
「天哉くーーん!」
緑谷(どう動けばいい…!僕はするべき最善の行動は…)
緑谷(…飯田君?)キキーッ!
緑谷「!!?」
ドオオンッ!
ドオオッ…
脳無 脳無「…」
緑谷(何だよ…おい…これ)
マニュアル「なんでこんな時に限ってどっか行っちゃうんだおい!」
緑谷(さっき飯田君呼んでいた声…ノーマルヒーロー…)
緑谷(飯田君の訪問先…!)
緑谷(どこかに行った…?嘘だろ…あの真面目な飯田君が?)
緑谷(こんな大事件前にして?)
緑谷(…保須…脳無…飯田君…保須…)
緑谷(…まさか飯田君…!)
ゴオオッッ!
「くそっ…なんなんだよこいつら…」
「ザ・フライがやられた!」
「一体何が目的なんだよこの化物共は!?」
ドオオンッ…
死柄木「やっぱ良いねえ…脳無」
黒霧「貴方は参戦なさらないので?」
死柄木「馬鹿か怪我してんだよ」
死柄木「だから奴らを持ってきたんだしな」
死柄木「…」
死柄木『おい先生…脳無は何体出来てるんだ?』
<雄英襲撃時程の奴はいないが
<6体までは動作確認完了しているよ
死柄木『よこせ』
<何故?
死柄木『ヒーロー殺しが気に入らないからだよ』
死柄木『気に入らない物は全部ブッ壊していいんだろ先生!』
<……………3体までだ
<これを機に学んで来るといい………
死柄木『ん?』
死柄木「ハハハハハ…」
ドオオオンッ…
死柄木「夜が明ければ世間はあんたの事なんか忘れてるぜ…」
死柄木「ヒーロー殺し」
飯田「あああ!!」ブオッ!
ステイン「…」ダンッ!
飯田(避け…)
ステイン「インゲニウム…ハァ…」
ステイン「兄弟か…ハァ…」
ステイン「奴は伝説の為生かした」
ステイン「お前は…」ヒュッ
飯田「靴から刃っ」
ザクッ
飯田「うああ…」ブシュゥ…
ドサッ
ガンッ!
飯田(なんて力だ…!?)
ステイン「弱いな…」ギラッ…
ザクッ!
飯田「があ゛あ゛!?」
飯田(左肩…)
ステイン「お前も、お前の兄も弱い」
ステイン「贋物だからだ」
飯田「黙れ悪党…!」ギロッ
飯田「……脊髄損傷で…下半身麻痺…だそうだ」
飯田「もうヒーロー活動は適わないそうだ!」
飯田「兄は…多くの人を救け、導いてきた」
飯田「立派なヒーローなんだ!」
飯田「僕に夢を抱かせてくれた立派なヒーローだったんだ!!!」
飯田「殺してやるっ!!!」
ステイン「あいつをまず救けろよ」
飯田「……」
ステイン「自らを省みず他を救い出せ」
ステイン「己の為に力を振るうな」
ステイン「目先の憎しみに捉われ私欲を満たそうなどと…」
ステイン「ヒーローから最も遠い行い…ハァ…」
ステイン「だから死ぬんだ」ズボッ
レロッ…
飯田(か、体が動かない!?)ピタッ…
ステイン「じゃあな。正しき社会への供物」チャキ…
飯田「黙れ…黙れ……っ!」グッ…
天晴『天哉が憧れるっつーことは俺』
天晴『すげえヒーローなのかもな!ハハ…』
飯田「何を言ったってお前は!!」
飯田「兄を傷つけた犯罪者だ!!」
シャッ…
ステイン(なんだ今のは!?)
ステイン(微かに脚
バギィィッッッッ!!!
ステイン「……なっ……」
緑谷「っぁああっ!!!」
ゴォッ!
ステイン「がっ……」
ヒュゥゥ…
ズドォォッ!!、
飯田「…み、緑谷…君?」
緑谷「救けに来たよ…飯田君!」
シュタッ…
緑谷「あちゃ…やりすぎちゃったかな?」
緑谷(……まさかとは思ったが……)
緑谷『考えすぎかもしれない!』
緑谷『確証も全くない!!』
緑谷『でも…だからって動かずにはいられない!』ゴオオッッ…
緑谷『ヒーロー殺しが現れた場所で脳無みたいな奴が暴れてる…!』
緑谷『恐らくこの街で僕だけが考えられる不安…!』
緑谷『敵連合とヒーロー殺しは繋がってるんじゃないのか!?』
緑谷『つまりヒーロー殺しはまだこの街に居るんじゃないのか!?』
緑谷『要は飯田君が居ない理由は…』
緑谷『ヒーロー殺しを見つけてしまったからじゃないか!?』
緑谷「ビンゴ…!」
ガッ
緑谷「…」
ステイン「…ハァ…」
ボキッボキッ
緑谷(あちゃ…効いてない…)
飯田「緑谷君…何故…」
ステイン(…こいつ…死柄木が持っていた写真の…)
緑谷「ワイドショーでやってた…!」
緑谷「ヒーロー殺し被害者の6割が人気の無い街の死角で発見されてる」
緑谷「だから騒ぎの中心のノーマルヒーロー事務所辺りの路地裏…」
緑谷「虱潰しに探してた…!」
飯田 ステイン「!」
緑谷(…まぁ、飯田君の気を探って来たんだけどね…ありがとうワイドショー…!)
緑谷「動ける!?大通りに出よう!」
緑谷「プロの応援が必要だ!!」
飯田「身体が動かない…」
緑谷「!?」
飯田「斬りつけられてからだ」
飯田「恐らく奴の個性…」
緑谷(…それも推測されてた通り…)
緑谷(斬るのが発動条件?)チラッ…
ネイティヴ「ぐ…」
緑谷(もう1人…くそっ…)
緑谷(飯田君だけならまだ担いで逃げられたかもしれないのに…)
飯田「緑谷君…手を…出すな!」
飯田「君には関係ないだろ!!」
緑谷「……何言って…」
ステイン「仲間が『助けに来た』」
ステイン「良い台詞じゃないか」
ステイン「だが俺にはこいつらを殺す義務がある」
ステイン「ぶつかり合えば当然…」
ステイン「弱い方が淘汰されるわけだが」ギッ…
緑谷「っ…」ゾワッ…
ステイン「さぁ、どうする?」
緑谷(USJの奴らとは違う…)
緑谷(殺人者の……眼)
緑谷(…何の確証もない推測でもなんでも…)
緑谷(説得してプロと一緒に来てもらうべきだった…!)
緑谷(…ここいらで近くに居そうなのは…)
緑谷(………)
緑谷(身動き取れないこの2人を守りつつ…時間を稼ぐ…)
緑谷(できれば…)
緑谷(ヒーロー殺しを退ける…!)
飯田「逃げろ!!やめろっ言ったじゃないか!」
飯田「君には関係ないと!」
緑谷「それじゃあヒーローは何も出来ないじゃないか!」
飯田「…」
緑谷「言いたい事は色々あるけど…後にする!」グッ…
緑谷「オールマイトが言っていた!」
緑谷「余計なお世話はヒーローの本質なんだって…!」
ステイン「ハァ………!」
飯田「……」
ダダッ…
ステイン「良い」チャキ…
緑谷(気を爆発…)
緑谷(開放!)ゴォッ
ダンッ!
ステイン「!?」
緑谷(一気に懐へ…!)
ステイン(長物に対し間合いを詰める…)
ステイン(良い判断だ)
サッ…
飯田「駄目だ!そいつに斬りつけられたら!!」
緑谷(そんでええええ…)
シャッ!
ステイン「っ!」ブオッ
緑谷(っぶねぇ~…)キキーッ!
ステイン(股を潜ったか…)
ステイン「甘いっ!」クルッ
ブオッ!
ステイン「き、消えた!?」
ステイン(…いや…)
ステイン「上」
緑谷「遅いっ!!」
ドゴオォッ!!
ドサッ
緑谷「っと…」シュタッ…
飯田(今のは…相澤先生や拳藤君との戦いで界王拳を使った時のような速さ…)
緑谷「…」
飯田(緑谷君…この数日間で何を会得した…!?)
緑谷(いいぞ!?これは行ける!)
緑谷(ステインが倒れた!十分倒せ…)
ステイン「……」
レロッ
緑谷「え」
ピタッ…
緑谷「なっ…」
緑谷(動かない…!?嘘だろ…どこも…)
緑谷(あったよ!こんな気付きもしないかすり傷で…)
緑谷「……そ、そうか!血…」
ステイン「パワーが足りない」
ステイン「俺の動きも見切ってちゃいたが…」
ステイン「それだけじゃない」
ステイン「視界から外れ確実に攻撃できる態勢になる様画策した…」
ステイン「口先だけの人間はいくらでもいるが」
ステイン「お前は生かす価値がある」
緑谷「…!?」
ステイン「こいつらとは違う」スタスタ…
飯田 ネイティヴ「…!!」
緑谷「…ち、ちくしょう!やめろっ!!」
ステイン「…」チャキ…
ダンッ!
緑谷「くっ!」
ボオオオオッッ!
ステイン「何…?」
バキバキ…
シュタッ…
ステイン「……?」
「すまねえ遅くなった」
ステイン「…今日は次から次へと…邪魔が」
「お前のテレパシーのお陰だ、緑谷」
緑谷「あ、ありがとう…!」
緑谷(でも…なんで左…)
飯田「な、なんで…なんで君まで来たんだ!」
飯田「轟君!!!」
轟「なんでって…」
轟「俺が聞きてえな」
轟「んま、とりあえず下がってろ」
バキバキ…
ステイン「!?」
ダンッ
ネイティヴ「避けられた!」
轟「いや、いい」
緑谷「ふぇ?」
ズザザ…
緑谷「わわわ!?」
轟「安心しろ。数分もすりゃ」ボボッ…
轟「プロも駆けつける」ボオオッ!
ステイン「くっ…」ヒュッ…
轟「…情報通りのナリだな…」ドサッドサッ…
轟「こいつらは殺させねえぞ、ヒーロー殺し」
緑谷(ステインから距離を離してくれた!ありがとう轟君…!)
緑谷「あ…轟君!そいつに血見せちゃ駄目だ!」
緑谷「多分血の経口摂取で相手の自由奪う!」<皆ヤラレタ!
轟「それで刃物か」
轟「俺なら距離を保ったまま…!」
ヒュッ!!
轟「やべっ…」ピッ…
轟(かすった!?)
ステイン「…」ニヤッ
ステイン「良い友人を持ったじゃないか」ダンッ
ステイン「インゲニウム」チャキ…
轟(速え…一瞬で間合いに…)
ガキィッ!
緑谷「氷の壁だ!」
轟「ちっ!」
クルクルッ…
ステイン「ん?」チラッ
轟「!?」
轟(か、刀…いつの間に投げてたのか…)
轟(ちゃんと避け…)ガシッ
轟「なっ…!」
ステイン「…」ジュル…
轟(刀はフェイクか…!)
ボオオッ!
ステイン「ふん…後少しだったのに…」シュタッ…
轟「っのくそ…」
轟(一つ一つの動きが二択三択迫ってくる)
ダンッ!
轟(強え)
轟「はっ!」
バキィッ!
ステイン「…」チャキ…
ステイン「氷がどうした」ズババ…
轟(いとも容易く切りやがった…紙を切るかの様に…)
飯田「何故…何故だ」
飯田「…2人共…やめて…くれ…」
轟「?」ボオオッ…
飯田「兄さんの名を継いだんだ」
飯田「僕がやらなきゃ」
飯田「そいつは僕が………!」
轟「…継いだのか?おかしいな」
ズオッ!
ネイティヴ「な、なんちゅう氷壁作ってんじゃこいつ…」
轟「俺の見たことあるインゲニウムはそんな顔じゃなかったけどな」
飯田「…!」
轟「お前ん家も裏じゃ色々あるんだな」
緑谷「轟君…!」ググ…
ピクッ…
緑谷(…手…動…)
ズバババァッ!
轟「…!?」
ステイン「己より素早い相手に対し自ら視界を遮る…」
ステイン「愚策だ」
轟「そうでもねえさ?」ボオオッ!
轟「空中ならっ!?」スパパ…
轟(腕に…しかも二本かよ…!?)
ステイン「…」ニヤッ
ステイン「お前も良い…」チャキ…
ネイティヴ「上…!」
轟「まずい!」
ダンッ!
ステイン「っ!!」
ステイン(時間か!)ガシッ…
緑谷「うおおおおっ!」ゴオオッッ!
轟「緑谷!!」
緑谷「なんか普通に動けるようになった!」
轟「時間制限か!?」
ネイティヴ「いや!あの子は1番最後にやられた筈!」<つか俺いい加減ウゴキタイ…
緑谷(このまま投げ飛ば…
ドボッ!
緑谷(エルボー痛いです)
シュタッ
緑谷「ゲホッ…」
ステイン(ちっ…Oか)
轟「下がれ緑谷!!」バキィッ!
緑谷「あらほらさっさー!?」ダダッ!
ステイン「ちっ」ダンッ
緑谷「…血を取り入れ動きを奪う」
緑谷「僕が先に解けたって事は…考えられるパターンは3つ」
緑谷「人数が多くなる程効果が薄くなるか、摂取量か或いは」
緑谷「血液型によって効果に差異が生じるか…!」
ステイン「血液型…ハァ…正解だ」
緑谷「分かったとこでどうにもなんないけど…」
轟「できりゃ2人担いでさっさと撤退してえとこだが」
轟「氷も炎も避ける反応速度だ」
轟「そんな隙もくれそうにねえ」
緑谷「…プロが来るまで近接を避けつつ粘るのがベストか…」
緑谷「轟君は血を流し過ぎてる!僕が引きつけるから後方支援を!」
轟「相当危ねえ橋だが……そだな」
轟「2人で…守るぞ」
ステイン「2対1か…甘くはないな」
飯田「…く……」
轟「………」
轟(兄貴がやられてからのお前が気になった)
轟(恨み、つらみで動く人間の顔はよく知ってたから…)
緑谷「っらあああっ!」ダンッ!
轟(そういう顔をした人間の視野がどれだけ狭まってしまうのかも知っていたから)
轟(母は泣いて謝り驚く程あっさりと笑って赦してくれた)
轟(俺が何にも捉われず突き進む事が幸せでもあり、救いになると言ってくれた)
轟(以前のままの俺だったら、職場体験で親父の事務所を選ぶなんてことは絶対なかった)
轟(赦した訳じゃないし赦す気もねえ)
轟(だが奴がNo.2と言われている事実をこの眼と身体で体験し受け入れる為だった)
轟「っ…が!」ボォッ!!
轟(どんだけクズでもNo.2と言われるだけの判断力と勘の良さは認めざるを得なかった)
エンデヴァー『前例通りなら保須に再びヒーロー殺しが現れる』
エンデヴァー『しばし保須に出張し活動する!!市に連絡しろぉ!』
轟『……』
轟(簡単な事だったんだ全部!!)
轟(簡単な事だったのに…見えてなかった!)
緑谷『君の!』
緑谷『力じゃないかっ!!!』
轟(たった一言…)
飯田「……」
ステイン『あいつをまず救けろよ』
緑谷『救けに来たよ…飯田君!』
轟『2人で…守るぞ』
飯田『殺してやるっ!!!』
ズバァッ!
緑谷「ぐあっ…」ブシュゥ…
緑谷(さっきと動きが全然…)
ステイン「ハァ…!」
飯田「止めてくれ…」
飯田『ターボヒーローインゲニウムは知っているかい?』
緑谷『もちろんだよ!東京の事務所に65人もの相棒を雇ってる大人気ヒーローじゃないか!』
緑谷『あ、もしかして…』
飯田『それが俺の兄さ!』
緑谷『わっ!すごいや!』
飯田『規律を重んじ人を導く愛すべきヒーロー』
飯田『俺はそんな兄に憧れヒーローを志した…』
飯田「…もう…僕は…」
轟(……俺がお前に言える一言…!)
レロッ…
緑谷(またか…!)
緑谷「ごめんっ轟君!」
轟「やめて欲しけりゃ立て!!!」
轟「なりてえもんちゃんと見ろっ!!!」
飯田「…」
飯田『インゲニウム』
飯田『お前を倒すヒーローの名だ!』
ポタポタ…
飯田(何がヒーロー…)
轟「…」
飯田(友に守られ!)
緑谷「…」
飯田)血を流させて!)
ネイティヴ「……」
飯田(罪を思い知らせんが為に兄の名を使った…!)
飯田(入試から何も変わっちゃいない…!)
飯田(目の前の事だけ…自分の事だけしか見えちゃいない!!)
『天哉もヒーローに?』
飯田(10歳)『うん』
飯田『兄さん』ウィンウィン
飯田『かっこいい』ウィンウィン
天晴(25歳)『ロボかよ』
飯田『後学の為に教えてくれないか?』
飯田『兄さんはどういう思いでヒーロー活動を続けているのか』
天晴『モテるから』キリッ
飯田『不純だ!!』
天晴『冗談だって冗談!』
天晴<半分
飯田<半分!?
天晴『…んま、確かに祖父・両親共にヒーロー活動してたから』
天晴『世間じゃ俺がヒーローやってるのも当然みたいに言われてるしな』
天晴『まぁ…単純なもんだけどさ』
天晴『迷子を見かけたら迷子センターへ手を引いてやれる」
天晴『そういう人間が1番かっこいいと思うんだよな』
飯田『…では何故迷子センターに務めなかったんだ?』ウィーン
天晴『汲め汲め話を!ロボかよ!』
天晴『アソビがないというか何というか…』
天晴『天哉は頭も運動神経も当時の俺よりずっと優秀なんだから…』
天晴『…っと待てよ。じゃあつまりそだな!』ポンッ
飯田『?』
天晴『天哉が憧れるっつーことは俺』
天晴『すげえヒーローなのかもな!ハハ…』
飯田(…お前の言う通りだヒーロー殺し…)
飯田(僕は彼らと違う)
飯田(未熟者だ)
飯田(足元にも及ばない…)
飯田(それでも…!)ググッ…
ボオオッ!
ステイン「氷に…炎」
シャッ!
轟(…っんで避けられんだよコレが…!)
ステイン「言われた事はないか?」
ステイン「個性にかまけて挙動が大雑把だと」チャキ…
轟(やっべ…斬られ…)
飯田(今ここで立たなきゃ!)ダダッ!
ステイン(効果切れか!?)
飯田(二度と!!)
飯田(もう二度と彼らに…兄さんに!)DRRR…
ダンッ!
飯田(追いつけなくなってしまう!!!)
飯田「レシプロ…」
バギィィッ!!
飯田「バーストオオッッッ!!」
ステイン(刀が…)
飯田「っ!!」ブオッ!
ステイン(この程度の蹴り…)
ガッ…
ズッッ!!!
ステイン(速い!)
緑谷「飯田君っ!!」
轟「解けたか…意外と大した事ねえ個性だな」
飯田「轟君も緑谷君も…関係ない事で…」DRRR…
飯田「申し訳ない…」
緑谷「またそんな事を…!」
飯田「……だからもう」
飯田「2人にこれ以上血を流させるわけにはいけない」
ステイン「感化されとりつくろおうとしても無駄だ」
ステイン「人間の本質はそう易々と変わらない」
ステイン「お前は私欲を優先させる贋物にしかならない!」ギロッ
ステイン「英雄を歪ませる社会のガンだ」
ステイン「誰かが正さねばならないんだ」
轟「時代錯誤の原理主義だ」
轟「飯田、人殺しの理屈に耳貸すな」
飯田「いや…」
飯田「言う通りさ」
飯田「僕にヒーローを名乗る資格など…ない」
轟「!?」
飯田「それでも…折れるわけにはいかない…!」ググッ…
飯田「俺が折れればインゲニウムは死んでしまう」
ステイン「論外」
ボオオオオッッ!!
轟「ったく…!」
ネイティヴ「馬鹿!ヒーロー殺しの狙いは俺とその白アーマーだろ!?」
ネイティヴ「応戦するより逃げた方がいいって!」
轟「そんな隙を与えてくれそうにないんですよ」
轟「さっきから明らかに様相が変わった」
轟「奴も焦ってる」
轟(血液型っつう不確定要素に近接必須、おまけに持続時間の短さ…)
轟(個性だけ見りゃ特別強力ってわけでもねえ)
轟(多対一なんて最も苦手なパターンだろ)
轟(プロが来る前に飯田とこの人を殺そうと躍起になってるんだ)
轟『安心しろ。数分もすりゃ』
轟『プロも駆けつける』
轟(物怖じしてくれりゃと伝えた情報が逆に奴に本気を出させちまった…!)
轟(イカれた執着…!)
プスプス…
飯田(いかん!レシプロが切れる…)
飯田(さっきの蹴りで冷却装置が故障したのか…)
飯田「轟君!温度の調節は可能か!?」
轟「?炎熱はまだ慣れねえ!何でだ!?」ボオオッ!
飯田「俺の脚を凍らせてくれ!排気筒は塞がずにな!」
ステイン「邪魔だ」
ビッ!
轟「野郎…!」
飯田「轟君!!」ドンッ
スパッ!
飯田「ぐっ!」
轟「飯田!!」
ステイン「お前も止まれ」ビュッ!
ドスッ!
轟「大…」
飯田「いいから早く!!」
轟「……っ…!!!」
バキバキ…
DRRR…
轟「ほらよっ!」
飯田(…ありがとう轟君…)ガブッ…
飯田(戦うんだ!)ブシュゥ…
飯田「つっ…」
飯田(腕など捨ておけ!!)
飯田「レシプロエクステンド!!!」ダンッ!!
飯田「っ!!!」
飯田(今は…)
ステイン「阿呆が…」チラッ…
緑谷(今は…)ゴォッ
ステイン(いつの間に背後に!?)
轟「行け」
飯田(脚が)
緑谷(拳が)
緑谷 飯田(あればいい!!!)ドッッバギィィッ!!!
ステイン「がぼっ!!!」
轟「よし…!」
ヒュゥゥ…
緑谷(ここで界王拳を使ってたら…!)
緑谷(体力の消耗で今頃倒れてた…!)
ステイン「………」
ステイン「っ!!」
飯田「お前を倒そう!」
飯田「今度は犯罪者として!」
轟(動きを止められた!チャンス!)
轟「たたみかけろぉっ!!」ボオオッ!!
飯田「ヒーローとして!!」
バキィッ!!
ステイン「がっ…」ボロッ…
ヒュゥゥ…
ツルツル…
ドサッ!
緑谷「くあっ…」ズキズキ…
飯田「緑谷君!脚…」
轟「!立て!!奴はまだ…」
ステイン「」
緑谷「……」
緑谷「…さすがに…気絶してる…っぽい?」
轟「……だな」
轟「よし。じゃあ拘束して通りに出よう」
轟「氷結だと目覚めた拍子に割れられる可能性もある」キョロキョロ…
轟「何か縛れるもん…」
緑谷「とっ取りあえず武器は全部外しとこう」
飯田「…」
ズルズル…
轟「さすがゴミ置場、あるもんだな」
飯田「轟君…やはり俺が…」
轟「お前腕ぐちゃぐちゃだろ…」
ネイティヴ「悪かった…プロの俺が完全に足手まといだった…!」
緑谷「いえ…一対一でヒーロー殺しの個性だともう仕方ないと思います…」<舞空術で浮いてるからおんぶ無しでもOK!
緑谷「強過ぎる…!」
轟「三対一だった上にこいつ自身のミスもあってギリギリ勝てた」
轟「最後のを見る限り多分焦って緑谷の復活時間が頭から抜けてたんじゃねえかな…」
轟「飯田のレシプロならともかく…緑谷の最後の攻撃、対応がなかった」
飯田「…」
「むっ!っんな!?」
緑谷「?」
グラントリノ「何故お前がここに!?」
緑谷「グラントリノ!?」
グラントリノ「座ってろっつったろ!!」ドガッ!
緑谷「グラントリノ!!」
グラントリノ「よく分からんが…とりあえず無事ならよかった」
緑谷「グラント
グラントリノ「おかわり欲しいか?」スッ
緑谷「ごめんなさい」
緑谷「でも…なんでここが…」
グラントリノ「ああ…轟がな…」
緑谷「え?轟って…」
轟(……親父…?)
~数分前~
エンデヴァー「虚仮威しの低音とはいえ…」
エンデヴァー「意識を保ったままでいられるのは初めてだな」
脳無「…」シュゥゥ…
グラントリノ「あんた気をつけろ!こいつは…」
脳無「っ!!」ボオオッ!
エンデヴァー「!!…なる程。吸収、放出か」
エンデヴァー「だがダメージ有りだ。所詮ザコ個性…」
グラントリノ「おかしいな…違うぞ!轟!」
グラントリノ「こいつ個性を複数持ってる!!」
エンデヴァー「何?」
ムキッ!
ダンッ!
脳無「~」べろっ!!
ゴオオッッ…
エンデヴァー(舌が…改造人間かなんかかコイツは)
グラントリノ(さっきの市民は…いない!)
グラントリノ「うっし…んじゃま…」グッ
ドギャッ!
エンデヴァー「ん」
バキィッッ!!!
脳無「」ドバッ!!
グラントリノ「むむ…やはり久々だと加減がなぁ…」<道路割っちゃった
エンデヴァー「ちっ…やるじゃないかご老人」
ドオオンッ!
グラントリノ「!?」
エンデヴァー「あっちは確かヒーローが集中していた筈…」
グラントリノ「少なくとも2~3分は経ってるぞ!揃いもそろって…ったく…」
グラントリノ「早えとこコイツの拘束・身柄引き渡しを済ませてさっさと加勢に行くぞ!」
エンデヴァー「…ムゥ…」
エンデヴァー『焦凍!事件だついてこい!』
エンデヴァー『ヒーローというものを見せてやる!』タッタッタッ…
エンデヴァー『って!どこ行くんだ焦凍ォ!!!』
焦凍『江向通り4-2-10の細道』
焦凍『そっちが済むか。手の空いたプロが居たら応援頼む』
焦凍『お前ならすぐ解決出来んだろ』
焦凍『友達がピンチなんだ』
エンデヴァー「…そいつは…ウチの相棒に任せろ」
グラントリノ「?」
エンデヴァー「ご老人は今から言うアドレスへ向かってくれ」
エンデヴァー「加勢はこのエンデヴァー1人で事足りる」
グラントリノ「って訳だ」
緑谷「はぁ…」
「細道…ここか」
「あ!」
ダダッ…
緑谷「…?」
「エンデヴァーさんから応援要請承ったんだが…」
「子供…?」
飯田「え…」
「ひどい怪我だ…早く救急車を…!」
「…待てよ、コイツヒーロー殺し…?」
轟「あいつ…エンデヴァーがいないのは向こうがまだ戦闘中という事ですか?」
緑谷<あ、そうだ!脳無みたいな奴が…
「ああ…あの敵に有効でない個性らがこっちの応援に来たんだ…)
飯田「……2人共…」
飯田「僕のせいで傷を負わせた…本当にすまなかった…」
飯田「何も…見えなく…なってしまっていた………!」
緑谷「…僕の方こそごめんね…」
緑谷「君があそこまで思いつめてたのに全然見えてなかった…」
緑谷「友達なのに…」
緑谷『…本当にどうしようもなくなったら言ってね…』
緑谷『友達だろ?』
麗日『』コクコクコク…
飯田「…」
轟「しっかりしろよ…」
飯田「……ああ…」
緑谷(時間でいえばほんの5~10分くらいの戦いだった)
緑谷(けれど…僕らにとっては物凄く長い戦いの様に感じ…
緑谷「……」
緑谷 グラントリノ「皆伏せろっ!!」
「!?」
バサッ…
グラントリノ「何やら大きい気だと思えば…」
「敵!?エンデヴァーさんは何を…!」
緑谷「くっ…何とか…」
ズキズキ…
緑谷(さっきの傷が深すぎる…!)
ガシッ…
緑谷「え」
バサバサッ!
飯田「緑谷君!!!」
脳無「…」バサ…
緑谷「っく…にゃろ…」
緑谷「か…め…!」
グラントリノ「小僧やめろ!爆発に巻き込まれる!」
緑谷「くっ…!」
グラントリノ(いかんっ…あまり上空に行かれると俺の個性じゃ届かなくなる!)
「やられて逃げてきたのか!」ピチャ…
<うわっ血汚っ!!
グラントリノ「マズイ!!!」
スッ…
ズバッ!!
轟「!?」クルッ
ペロッ
「きゃっ!?」ドサッ
グラントリノ「!?」
ズドッ
ステイン「偽物が蔓延るこの社会も…」
ステイン「徒に力を振りまく犯罪者も…」 シュタッ…
緑谷「…!?…」
ステイン「粛清対象だ…ハァ…ハァ…」
ネイティヴ「……」
ステイン『騒々しい…阿呆が出たか…』
ステイン『後で始末してやる…今は…』
緑谷「なん…で…」
ステイン「全ては正しき社会の為……!!!」
死柄木「オイオイオイ…ふざけんじゃあないよ」
死柄木「何殺されてるあの脳無!何であのガキ共がいる!」
死柄木「言いたい事が追いつかないぜ…めちゃくちゃだ」
死柄木「なんで思い通りにならない」ガリガリ…
「助けた…?」
「馬鹿、人質とったんだよ。躊躇なく人殺しやがった」
「あいつ殺す!私の顔舐めた殺す!」
「敵殺しになってどうする」
「いいから戦闘体制になって!とりあえず…」
エンデヴァー「何故一かたまりでつったっている!?」
エンデヴァー「そっちに一人逃げた筈だが!?」
「エンデヴァーさん!?」
「あちらの方はもう!?」
エンデヴァー「多少手荒になってしまったがな!」
エンデヴァー「…して…あの男まさかの…」
緑谷「は、離してくれ…!」
ステイン「……エンデヴァー…」
スクッ…
グラントリノ「!!?」
エンデヴァー「ヒーロー殺しーーー!!!」ボオオッ…
グラントリノ「待て轟!!!」
緑谷「…っ!」バッ
ステイン「贋物…」
緑谷「!!」ゾッ…
ステイン「正さねば…」
「!?」
ズドン…
ステイン「誰かが…血に染まらねば…」
グラントリノ「……」
ズドン…
ステイン「英雄を取り戻さねば!」
エンデヴァー「…!!」
ザッ…
ステイン「来い…来てみろ贋物ども」
ステイン「俺を殺していいのはオールマイトだけだ!!!」
ゴオッッッ…
「ひっ…」ドサッ…
緑谷「あ…ああ…」
グラントリノ「……まさか…」
ステイン「」
エンデヴァー「こいつ…」
エンデヴァー「気を失ってる…」
ドサッドサッ…
飯田「い、今のは…」
轟「なん…だったんだ…」
緑谷「……」
緑谷(後から聞いた話なんだけど)
緑谷(この時ヒーロー殺しは折れた助骨が肺に刺さっていたそうだ)
緑谷(誰も血を舐められてなんかいなかった)
緑谷(なのにあの場であの一瞬)
緑谷(ヒーロー殺しだけが確かに相手に立ち向かっていった)
ボロボロ…
グシャッ!
死柄木「帰ろ」
黒霧「満足いく結果は得られましたか?死柄木弔」
ゴオオ…
死柄木「バァカ」
死柄木「そりゃ明日次第だ」
~一夜明け・保須総合病院~
緑谷「…冷静に考えたら…」
緑谷「すごい事しちゃったね僕達…」
轟「そうだな…」
緑谷「あんな最後見せられたら…生きてるのが奇跡って思っちゃうね」
緑谷「僕の脚…多分これ殺そうと思えば殺せてたと思うんだ」
轟「ああ。俺らはあからさま生かされた」
轟「あんだけ殺意向けられて尚立ち向かったお前はすげえよ」
轟「救けに来たつもりが逆に救けられた」
轟「悪いな」
飯田「いや…違うさ、僕は…」
ガラッ
グラントリノ「おお!起きてるか怪我人共!!」
緑谷「グラントリノ!!」
飯田「マニュアルさん…」
グラントリノ「色々グチグチ…してえとこだが…」<あ…す、すみ…
グラントリノ「その前に来客だぜ」
グラントリノ「保須警察署署長の面構犬嗣さんだ」
緑谷「つ、面構!?しょ、署署長!!」
面構「掛けたままで結構だワン」
轟(署長がわざわざ…何だ?)<ワン…?
面構「君達がヒーロー殺しを仕留めた雄英生徒だワンね」
面構「ヒーロー殺しだが…火傷に骨折となかなかの重傷で現在治療中だワン」
轟「…」
飯田「…」
面構「超常黎明期…警察は統率と規格を重要視し、個性を武に用いない事にした」
面構「そしてヒーローはその穴を埋める形で台頭してきた職だワン」
面構「個人の武力行使…容易に人を殺められる力…」
面構「本来なら糾弾されるべきこれらが公に認められているのは先人たちがモラルやルールをしっかり遵守してきた為だワン」
面構「資格未取得者が保護管理者の指示なく個性で危害を加えた事…」
面構「例え相手がヒーロー殺しであろうとも」
面構「これは立派な規則違反だワン」
緑谷「…」
面構「君達三名及びプロヒーロー」
面構「エンデヴァー、マニュアル、グラントリノ」
面構「この六名には厳正な処分を下されなければならない」
轟「待ってくださいよ」
緑谷「轟君…」
轟「飯田が動いてなきゃネイティヴは殺されてた」
轟「緑谷が来なけりゃ2人は殺されてた」
轟「誰もヒーロー殺しの出現に気づいてなかったんですよ」
轟「規則守って見殺しにするべきだったって!?」
面構「結果オーライであれば規則はウヤムヤにして良いと?」
緑谷「ちょちょちょ…」
轟「……人をっ…救けるのがヒーローの仕事だろ…!」
面構「だから君は卵だ…まったく…」
面構「いい教育をしてるワンね…雄英もエンデヴァーも…」
轟「この犬っ!」
飯田「やめたまえ!もっともな話だ!」ガシッ
グラントリノ「まぁ…話は最後まで聞けや」
面構「…以上が警察としての意見」
面構「で処分云々はあくまで公表すればの話だワン」
緑谷「え…」
面構「公表すれば世間は君らを褒め称えるだろうが処罰はまぬがれない」
面構「一方汚い話公表しない場合…」
面構「ヒーロー殺しの火傷跡からエンデヴァーを功労者として擁立してしまえるワン」
面構「幸い目撃者は極めて限られている」
面構「この違反はここで握り潰せるんだワン」
面構「だが君達の英断と功績も誰にも知られることはない」
面構「どっちがいい!?1人の人間としては…」
面構「前途ある若者の『偉大なる過ち』にケチをつけさせたくないんだワン!?」
マニュアル「まぁどの道俺らは監督不行届で責任取らないとだしな」<俺のたい焼き…
飯田「申し訳ございません…」
マニュアル「よし!」chop!
マニュアル「他人に迷惑かかる!分かったら二度とするなよ!!」
緑谷 轟 飯田「……よろしくお願いします」
面構「大人のズルで君達が受けていたであろう称賛の声はなくなってしまうが…」
面構「せめて…共に平和を守る人間として…」
面構「ありがとう…!」ペコッ
緑谷「…」
轟<初めから言ってくださいよ
緑谷(思わぬ形で始まった路地裏の戦いはこうして人知れず終わりを迎えた)
緑谷(ただ…その影響もまた人知れず)
緑谷(僕らを蝕んでいた)
プルプルプル…
ポニレポ『別件での取材中でしたがご覧ください!』ゴォッ…
ポニレポ『突如上がった破壊温と黒煙!!』
ポニレポ『事故によるものか敵の暴動かまだ全く情報が入っておりません…』
ポニレポ『…!』
ポニレポ『何だろあれ…映せますか?』
カメラマン『野次馬…ですかね?』<双眼鏡持ってるし
カメラマン『ええ?あんな所から?』
「ヒーロー殺しが逮捕されたんだってよすげえすげえ!」
「マジ!?誰が倒したん!?」
「安心したけどなんか残念~」
「あ、ソレワカル!」
アナウンサー<三人の敵はいずれも住所・戸籍不明の男
アナウンサー<その外見的特徴とNHAテレビが偶然捉えた2人の男の姿から
アナウンサー<先月雄英高校を襲った敵連合との繋がりを指摘する声も上がっております
アナウンサー<オールマイト以降の単独犯罪者では最多の殺人数
アナウンサー<犯罪史上名を残すであろう敵『ヒーロー殺し・ステイン』
アナウンサー<犯行の詳しい動機など追ってお伝えします
<ーー…ーー…
死柄木「…どこもかしこも…」
死柄木「脳無は二の次かよ」
死柄木『夜が明ければ世間はあんたの事なんか忘れてるぜ…』
死柄木「忘れるどころか…」
死柄木「俺らはおまけ扱いか…」
「……うーん…」
「まだまだね…」
爆豪「…はぁ…はぁ…なんで…」
物真「くっそ…どんな個性か予測できないからコピーもできない…」
「さあたつたつ!」
「まだまだしょくばたいけんはおわらないよ!」
「いくよ!」ダンッ
爆豪 物真「ちぃっ!!」
ウワバミ<シュシュっと一吹き!簡単ウェーブ
ウワバミ<ヘアスプレー『UNERI』…
ウワバミ「仕事早いわねー」
ウワバミ「これでデモだから一か月後ぐらいにはCMで流れるわよ」
ウワバミ「さ、パトロールに出ましょう」
拳藤「……テレビ…出ちゃったなぁ…」
八百万「ヒーロー…私はヒーロー…」<この方敵
拳藤「……前から思ってたけどさ」
拳藤「なんでやたらあたしにつっかかって来んの?八百万」
八百万「……私がつっかかって問題でも…?」ゴゴゴ…
拳藤「いや…デクの話すると途端に気分悪くなるから…」
拳藤「…もしかしてあんた…」
八百万「NOOOO!断じて違いますわ!!!」
拳藤「あたしまだ何も言ってないぞ」ニヤニヤ…
八百万(うう…)
麗日「大丈夫なら良かったよー…デク君も飯田君も…」
麗日「うん…安静にね!また色々聞かせてね」
ガンヘッド「ウラビティちゃん。基礎トレやるよ」
麗日「あ、ハハイ!!」
麗日「じゃあまた学校でね!大変な時にごめんね…」<じゃ!
ピッ…
ガンヘッド「」ガーン……
ガンヘッド「ウラビティちゃん………リア充…だと…」ピクピク…
麗日「ち、違マス!違います!💧」
緑谷「……」
緑谷「女子との通話って…すごい!」
緑谷<コエチカ!
ガララ…
緑谷「あ、飯田君!今麗日さんがね…」
轟「緑谷」
緑谷「?」
轟「飯田、今診察終わったとこなんだが」
飯田「…左手、後遺症が残るそうだ」
緑谷「!?」
飯田「両腕ポロポロにされたが…特に左のダメージが大きかったらしくてな…」
飯田「腕神軽躁という箇所をやられたそうだ」
緑谷「そんな…そしたら…」
グラントリノ「そしたらもクソもあるか!」バッ!
緑谷「ぐ、グラントリノ!?まだいた…」
グラントリノ「ったく…説教だけにここまで遥々やって来てねえよ…」
グラントリノ「こういう事もあろうかと準備していたぞ!」ゴソゴソ…
緑谷 轟 飯田「え?」
グラントリノ「仙豆だ、食え」
緑谷「……………」
緑谷「なんですか?これ…」
グラントリノ「黙って食えええ!」グイグイ…
緑谷「ぶばぼぼぼ!?」
ゴクッ…
緑谷「……飲んじゃった…」
グラントリノ「見ておけ」
緑谷「……?」
轟「……何も起きてねえじゃ…」
ビリィッ!
轟 飯田「!?」
緑谷「脚治ったああ!」
轟 飯田「はあああ!?」
飯田「一体どういう…」
グラントリノ「こいつはなんとどんな怪我や病気でも一瞬にして治してくれるとんでもねえ代物で」
グラントリノ「世界中に1人、俺しか持っていない」
グラントリノ「勿論、そんな後遺症程度あっさりと治しちまう」
グラントリノ「お前らもさっさと職場体験戻りてえんだろ?」
グラントリノ「屁理屈付けてさっさとこんなとこ出てっちまえ」
グラントリノ「あ、ごめん病気治せなかったわ」
緑谷<ナンデスト!?
飯田「…いえ」
飯田「後遺症と言っても手指の動かし辛さと多少の痺れくらいなものらしく…」
飯田「手術で神経移植すれば治る可能性もあるそうです」
グラントリノ「でも早めにやろうが何だろうが変わらんだろう?」
飯田「……ヒーロー殺しを見つけた時何も考えられなかった」
飯田「まずマニュアルさんに伝えるべきでした」
飯田「奴は憎いが奴の言葉は事実だった」
飯田「…だから」
飯田「俺が本当のヒーローになるまで、この左手は残しておきたいんです」
グラントリノ「……」
グラントリノ「そこまで言うなら…仕方あるめえか?小僧」
緑谷「……あ…」
緑谷(あの時…もっと強く言っておけば…)
緑谷(いや…よそう…)
緑谷(飯田君はもう飲み込んだんだ…)
緑谷(僕が謝るのは…失礼だ…)スッ…
緑谷「一緒に…強くなろうね」
轟「……な、なんか悪い💧」
緑谷「…?どうしたの?轟君」
轟「いや…その…俺が関わると…」
轟「体…ぶっ壊れる…みてえな雰囲気に…」<こないだ脚腐らせようとしたし
緑谷 飯田「……」
緑谷「あっはははは!何言ってるんだ!!」
飯田「轟君も冗談言ったりするんだね」
轟「いや…冗談じゃねえ…ボディクラッシャー的存在に…」
グラントリノ「…」<ボディクラッシャーww!?
グラントリノ「あの様子なら…心配いらなそうだな…」
グラントリノ「…じゃあ俺はやるべき事やるか…」
グラントリノ<……いやっはっはっはっ!俺もボケだなぁ!?
グラントリノ<すまねえすまねえとんだ勘違いしちまって!
オールマイト「い、いやはや…私がまだオロオロして後継者を決めかねていたせいです…」
オールマイト「ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません…!💧」
グラントリノ「でも!体が動いちまうようなとこはお前そっくりだったよ俊典!!」
グラントリノ「お陰で減給と半年間の教育権剥奪だー!」<キビシ!
グラントリノ「ま、結構な情状酌量あってのこの結果だが」
グラントリノ「それに今は教育権あんまし興味ねえからな」
グラントリノ「先代……『志村』との約束…」
グラントリノ「お前を育てる為だけに取った資格だからな…」
オールマイト「その節は本当にお世話になりました…💧」
オールマイト「あなたの教えがあって今の私があるというものです」
グラントリノ「その割には忘れとったろ」
オールマイト「いっいえいえ!決してそのような事は!!」
オールマイト「むしろ記憶を封印してたと言いますか…」
グラントリノ「おい」
グラントリノ「まぁいい。本題はこっからだ」
グラントリノ「今回電話したのは他でもない、ヒーロー殺しの件だ」
グラントリノ「実際に相見えた時間は数分もないがそれでも戦慄させられた」
オールマイト「グラントリノとあろう者が戦慄されるとは…」
オールマイト「しかし、もうお縄になったというのに何が…」
グラントリノ「俺が気圧されたのは恐らく…」
グラントリノ「強い思想、或いは強迫観念からくる威圧感だ」
グラントリノ「褒めそやす訳じゃねえ…が」
グラントリノ「俊典、お前が持つ『平和の象徴観念』と同質のソレだ」
グラントリノ「安い話、『カリスマ』っつー奴だ」
グラントリノ「今後取り調べが進めば奴の思想・主張がネット、ニュース、テレビ、雑誌…」
グラントリノ「あらゆるメディアで垂れ流される」
グラントリノ「今の時代、良くも悪くも抑圧された時代だ」
グラントリノ「必ず感化する人間は現れる」
オールマイト「個々で現れたところで…今回の様にヒーローが」
グラントリノ「そこで『敵連合』だ」
グラントリノ「繋がりが示唆された…この時点の連合は」
グラントリノ「『雄英を襲って返り討ちにされたチーマーの集まり』から『そういう思想ある集団だった』と認識される」
グラントリノ「つまり受け皿は整えられていた!」
グラントリノ「個々の悪意は小さくても…一つの思想の下集まる事で」
グラントリノ「何倍にも何十倍にも膨れ上がる」
グラントリノ「ハナっからこの流れを想定してたとしたら」
グラントリノ「敵の大将はよくやるぜ…」
グラントリノ「着実に外堀を埋めて己の思い通りに状況を動かそうというやり方…」
オールマイト「……嫌な…予感はしてましたが」
グラントリノ「ああ…」
グラントリノ「俺の盟友であり…お前の師」
グラントリノ「『先代ワン・フォー・オール所有者志村』を殺し」
グラントリノ「お前の腹にデケエ穴をプチ開けた男…」
グラントリノ「『オール・フォー・ワン』が再び動き始めたと見ていい」
オールマイト「あの怪我でよもや生きていたとは…信じたくない事実です…」
グラントリノ「……俺んとこに送ってきた…て事は…」
グラントリノ「そいつは…お前の希望…って解釈でいいんだな?」
オールマイト「……」
グラントリノ「時は満ちた。洗いざらい全てを話してやりな」
グラントリノ「OFAとAFO…今のお前の現状を…」
グラントリノ「…そして、託せ。未来を」
オールマイト「…………」
オールマイト「心得ました」
緑谷「短い間でしたが…お世話になりました」
グラントリノ「なんも世話した様な気はせんがな…職場体験もあれじゃな」
緑谷「いえ!発想のご教授と組手ぶっ続けのお陰で」
緑谷「ヒーロー殺し相手に何とか動けました!」
グラントリノ「」ゴッ
緑谷「痛っっっつ!??」
グラントリノ「本気じゃないヒーロー殺し相手に、だ」
グラントリノ「捨て身の一撃必殺外して…なんて事にならずによかったとは言うべきか」
グラントリノ「大体!後ちょっとで脚切断っちゅう重傷モノになるとこだったろ!?もう少し気のコントロールを上手くすりゃ怪我せずに済んだ!大体お前なんで俺の言うこと聞かず勝手に行動するんだよムキーーー!」ガミガミ…
緑谷「…はぁ…」
グラントリノ「オールマイトのような最高のヒーローになりてえっつうなら」
グラントリノ「まだまだ学ぶ事は多いぞ」
緑谷「っはい!!」
グラントリノ「ん!それじゃ…」
緑谷「ま、待ってください!少し…聞きそびれた事が…」
グラントリノ「なんで孫悟空を知ってるか…だろ?」
緑谷「!!」
グラントリノ「……今話すべき事じゃあない」
グラントリノ「いつか…連れてってやる…」
グラントリノ「天界へ…」
緑谷「天界…?」
グラントリノ「……」
緑谷「あ、そっちじゃなくてルーキー時代のを…」
グラントリノ「違うんかい!」
グラントリノ「ああまぁ…俺ァ目立つ活躍する前に引退してるからな」
グラントリノ「元来ヒーロー活動に興味ねえし」
緑谷「ええ!?」
グラントリノ「ある目的の為に個性の自由使用が必要だった…」
グラントリノ「ただそれだけさ」
緑谷「…」
グラントリノ「以上だ!じゃあ達者でな」
緑谷「あっ…はい!ありがとうございました!」
グラントリノ「……」スタスタ…
グラントリノ(最高のヒーロー…か)
グラントリノ(容姿も性格もまるで似てないが)
グラントリノ(確かにお前そっくりだぜ、俊典)
グラントリノ(盟友が選んだ男…そしてその男が選んだ…)
グラントリノ「小僧!」
緑谷「?」
グラントリノ「誰だ君は!?」
緑谷「ここで!?」
緑谷「いやっ…だから緑谷出…」
グラントリノ(共に見届けてやろうじゃないか俊典…)
グラントリノ「違うだろ!」
緑谷「え…?💧」
グラントリノ(お前が『過去』となる日まで…)
緑谷「……あ」
グラントリノ(いつか…こいつの名が)
緑谷「【デク】です!!!」
グラントリノ(『平和の象徴』と言われるその日まで…)
「………着実に計画は進んでいる」
「後は実行の命令を待つのみか」
「すまないな、オールマイト先生…」
「だが仕方ない…」
「これも…明るい未来の為…」
No.2終了!変わらず誤字ばっかだけどどすか?
期末編からNo.3にするよ!
?何故急に変えるかって?
展開があまりにも原作と変わってしまうからだよHAHAHA!
多分今やってる所らへんまで一気に進める予定だから楽しみに待っといて
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