みく「・・・仮面ライダー?」 (22)
仮面ライダー×モバマスのSSです。
登場するライダーはオリジナルのライダーになります。
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“仮面ライダー”
昔、テレビでたまたまやっていたのをなんとなく観たり、事務所の小さい子供達が話しているのを聞いたことはあった。
しかし、それは造られたもの。あくまでも“特撮”というジャンルの子供向けの番組なんだという認識。それは大きくなったら誰にでも理解できることだ。
これまでは、そう思っていた。
・・・でも事務所の駐車場で得体の知れない何かと戦っている“それ”は他に例えようがない、まさしく仮面ライダーだった。
緑の目に銀色の仮面とボディ。胸部と肩、腕と脚には緑と金色のラインが入った黒い鎧を纏い、仮面ライダーの象徴とも言えるであろうベルトも着けている。
みく「ヒーローショーやってるにしては人が全然いないにゃ・・・」
そう言うと、そばにいた光チャンがぽつりと呟いた。
光「あんな仮面ライダー見たことない・・・」
大の特撮好きの光チャンが知らない仮面ライダー?
ますますわけがわからないにゃあ・・・
これはどっきり?
それとも新しい特撮番組の撮影をしてたの?
いろんな可能性を考えていると、光チャンに急に腕を引っ張られた
光「みくちゃん!!早く逃げなきゃ!!」
みく「えっ・・・?」
仮面ライダーが倒れ、“なにか”はみくたちに標的を変えていたのだ
走りながら後ろを見ると、みくたちを追いかけている“なにか”
その迫り来るおぞましい“なにか”の姿、目を見て理解した
どっきりなんかじゃない・・・
これは現実に起きていることなんだ・・・
あれはみくたちを獲物として狙っている目だ・・・
そう思うと凄まじい恐怖が全身を襲った
“なにか”いや、怪人は猛スピードでみくたちとの距離を詰めている
なんとかして光チャンだけでも逃がさなきゃ・・・!
しかし気が付くと怪人はみくたちの目の前にいた
もうだめだ・・・・・
―――――――
みく「Pチャン!のあにゃん見なかった!?」
モバP(以下P)「いや、今日は会ってないな。どうかしたのか?」
みく「みくのお弁当また魚まみれにされたのにゃ!今日という今日は絶対許さんのにゃー!」
P「マジか・・・じゃあこの際だみく、魚克服してみるか!」
みく「なんでそうなるのにゃ!!もう!みくにイジワルばかりするPちゃんにはいつかバチが当たれにゃあぁぁぁぁ!!」タッタッタッ
P「はははっ、なんだその捨て台詞」
みく「はぁ・・・どこにもいない・・・みくはお腹すいたにゃあ・・・」
??「おばあちゃんが言っていた・・・美味しい物を食べるのは楽しいが、一番楽しいのはそれを待ってる間だ・・・」
みく「!!」
みく「そこにいるのは誰にゃ!!」
光「南の条理に光をもたらすアイドル・・・南条光だ!」
みく「なんだ、光チャンか・・・相変わらずわけわかんない名乗りにゃ」
光「だーかーらー!天道総司だよ!仮面ライダーカブト!」
みく「何度言われてもわかんないものはわからんのにゃ!!」
この子は南条光ちゃん。
同じ事務所のアイドルで特撮ヒーローが大好きなのにゃ
光「へぇ~、それでみくちゃんはのあさんを探して旅に出てるってわけか!」
みく「旅はしてないけどね・・・光チャンは見てないかにゃ?」
光「今日はまだ会ってないね」
みく「そう・・・一体どこに行ったんだろ・・・」
いつもならわかりやすいところに隠れていてみくが怒ったらお弁当を返してくれた・・・
なのに今日はどこを探してもいないなんて・・・
みく「あとは駐車場だけにゃ・・・」
光「駐車場といえば仮面ライダーの戦闘場所だよ!みくちゃん!」
みく「それはもういいにゃ・・・」
その時だった
??「ウゥウゥウウゥッ・・・」
みく「えっ・・・?」
光「なにごとだ!?」
駐車場の真ん中で人が喧嘩してるみたい・・・
いや、あれは人じゃない・・・
あれは・・・・・
―――――――
怪人に回り込まれて、もう逃げ場はない
誰か・・・助けて・・・
諦めかけた瞬間、みくの視界から怪人が消えた
??「・・・この子たちに・・・手出しはさせない・・・!」
怪人はPチャンの車のフロントガラスにめり込んでいた
仮面ライダーが助けてくれた・・・?
??「・・・楽しませてもらう」
そう言うと、仮面ライダーはベルトについていた香水の瓶のようなものを外し、それをベルトに振りかけるような仕草を見せた
...oa CHARGE.....
電子的な声がベルトから聞こえる
すると仮面ライダーの纏う鎧が白く変色し、輝きだした
緑と金色のラインの色がみるみるピンクとオレンジに変わっていく
??「・・・ライダーキック」
仮面ライダーはそう呟くと目の前から消えてしまった
みく「えっ!?どこにいったの!?怪人は!?」
まさかみくたちを置いて行っちゃった・・・?
混乱するみくに光チャンが叫ぶ
光「みくちゃん!大丈夫だ、上だよ!空にいる!」
見上げるとビルの10階くらいの高さに彼はいた
光「ライダーキックだよ!必殺技!」
全身の白い輝きが彼の足に集まると、仮面ライダーはキックのポーズで怪人に向かっていった
Pチャンの車から動けない怪人にキックが決まり、怪人は車と共に大爆発した
??「・・・怪我は?」
みく「大丈夫・・・です」
??「・・・そう・・・ならここから早く離れて・・・」
光「あの・・・!あなたは仮面ライダー・・・なんですか?」
??「・・・・・」
仮面ライダーは喋らない
光「アタシ、ヒーローに憧れてて・・・」
光チャンの話を最後まで聞かずに仮面ライダーはビルにジャンプして行ってしまった
光「ちょっと待って、名前、まだ聞いてない!」
「何の音だ?」
・・・遠くから人の声がした
みく「光チャンここから離れなきゃ!」
~~~~~~
しばらくすると、パトカーや消防車がやってきてPチャンの車の消火作業と現場検証が始まった
詳しい話を聞こうとしたがPチャンは買ったばかりの車が壊れて呆然としていたので、ちひろさんに聞いた
どうやらPチャンの車のエンジントラブルで爆発が起きたということになっているらしい
みく「あの・・・ほかには・・・何かあったりとか・・・」
ちひろ「何か、ですか?他には何も聞いてないけれど・・・気になることでもあるの?」
みく「なんでもない!何もないならいいのにゃ!それじゃみく、Pチャン慰めてくるね!」
みく「怪人のことは騒ぎになってない・・・」
みく「あれは一体何だったのにゃ・・・?」
のあ「・・・何をしてるの、みく」
みく「のあにゃん!もう、どこにいたにゃ!ずっと探してたのに!」
のあ「・・・・・」
みく「ダンマリ決めこむなにゃ!!みく、本当に大変だったのに・・・」
のあ「なにか・・・あったの?」
みく「!」
みく「なんでもないにゃ!それよりもみくのお弁当はどこにあるの!?もうお腹ぺこぺこにゃー!」
のあ「・・・私はみくのハンバーグ弁当なんて知らないわ」
みく「なんでハンバーグだってわかるのにゃ!もーっ!お腹すいたにゃーっ!!」
スイタニャーッ!!
光「あ、のあさん見つけたんだ・・・ん?」
光「のあさんの腰についてる瓶みたいなのって・・・どこかで見たような・・・」
To be continued
つづきは近日中に投稿します。
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