南条光「ギンガの輝き」 (214)

――ここは、どこだ?

――何故私はこんな所にいる……?

――私はヒカルと別れて……地球を旅立って……そのまま……

――おかしい……思い出せない……どうなった?

――何が一体どうなってるんだ?

――ここは……まるで……





「この人形……誰かの落とし物かな?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410615326

――誰だ?女の子の声?

――人形だと……まさか 『また』 なのか……?

――誰かが私を『抱えあげて』、覗き込んできた

――それは、少女だった

――先ほどの声の子だろうか……小学生ぐらいの年頃だった

――私をじっと見つめてくるその瞳は、吸い込まれるように何処までも青く深く澄んでいて……





――まるで、『我々』が永く長く、遥か昔から愛し続けてきた……美しい地球のような青だった

アタシ、南条光!徳島出身、B型の14歳!

普段は何処にでもいる中学生だけど、それは世を忍ぶ姿……本当のアタシは……

南条光「よし!今日は事務所まで走っていこう!ヒーローは普段の生活から特訓するんだ!」

そう、本当のアタシは人に夢と希望を与える存在……ヒーローなんだ!

そして……


光「プロデューサーも、アイドルは体力勝負だ!っていつも言ってるしな!」




――そう、アタシはヒーローでもあり……アイドルなんだ!

光「ハァ……ハァ……ちょっと飛ばしすぎた……ゼェ……アタシもまだまだだな……」フゥ…

光「ん?」

『……』

光「……?」




光「……なんだろうコレ……人形?」

光(人形……人形だ……何処にでもある、子供向けのヒーローのソフビ人形だ……!)

光(でも……こんなヒーロー見たこと無いな……多分、特撮だよね?う~ん……アタシが知らないヒーローなんて……)ムーン…

光「……でも、なんでこんな所に落ちてるんだ?」

光「……この人形……ひょっとして誰かの落とし物かな?」

光「もしかしたら何処かの子供が落としたのかも……!」ハッ

光「だったら……うん、きっと探して泣いてるかも!」

光「そうと決まれば、早速交番に持っていかなきゃ!」

――この少女、どうやら私を誰かの落とし物と勘違いしてるようだが……うーん……どうしたものか……

――しかしこのまま落とし物として交番に預けられるのは困る……私は今の自分の状況すらわからんのだ……

――だが、今はこの少女のポケットにスッポリはまっている……

――無理に動いて驚かせたり騒ぎにする訳にはいかない……

――ええーい!こんな時にヒカル達がいてくれれば!

――うーん……どうすれば……


光「ん!信号は車が来てなくてもちゃんと守る!」


――む?そうそう。そうだ。危ないからな!

――……この少女、今時珍しい関心な娘だな……


光「ん?アレは……」


――ん?

子供A「へっへーん!こっちこっちー!」

子供B「あっコラ!返せよー!」

キャッキャッ

子供A「こっちだよー!」

――なんだ、子供か……ハハッ……微笑ましいな

――だが、アレは少し危ないな……誰かが注意せねば……


光「こら!道路の側でそんなに走り回っちゃ危ないぞ!ここは信号がすぐ変わるし結構車も通るんだ!」


――おお、やはり今時珍しい少女だな……いいぞー!関心関心!

子供A「はあ?何だアイツ」

子供B「うっせーチービ!」

光「なっ……チビじゃない!140cmはある!」

子供A「チビじゃんチービ!」

子供B「チビチビ!」


――うーむ……中々にワルガキどもだな……これは大変だ

光「この辺はこの前も車とぶつかりそうになった子がいて大変だったんだ!だから」

子供B「あーあー聞こえませ~ん!」

子供A「あっちで遊ぼーぜ!」

ダッ

光「あっちょっと……」




???((今だ!!))




ブォォォォォォォッ



光「……えっ……?」

子供A「……?」


ブォォォォォォォッ


――車が!?危ない!!

(スピードが出すぎてる!間に合わない……)

光「危ない!!」

ダッ

――っ!?なっ……この子は……まさか……っ!

ブォォォォォォォォォォォッ



光(……っ!ダメだ!これ……間に合わない……!)

ガバッ

光「……っ!!」ギュッ


――っ!!

――っ!!





『ウ ル ト ラ 念 力 ! 』

カ ッ

光「……?」

光「……アレ……アタシ……子供を助けようとして……引っ張ろうとして間に合わなくて……抱えてそのまま……アレ?」

光「……なんとも、ない?」

子供B「……!お姉ちゃん!大丈夫!?」

子供A「……うぇぇっ……グスッ……ヒック……」ガタガタ

光「……アレ?……君、大丈夫なの?無事……なのか?」

子供A「う……うん……グスッ」ジワッ

子供A「う……うぇぇぇぇぇぇぇん!うわぁぁぁぁぁぁ……」ワァァ…

光「!」

光「あの、大丈夫!?君は何処か打ってない!?」

子供A「うぇぇぇ……ヒッグ……」コクコクッ

光「……良かった……」ホッ

光「! さっきの車は……」


光(うわ……公園の生け垣に突っ込んでる……大丈夫なのかな……?)

光「そういえば……ぶつかりそうになった時……」

光「誰かの声が、した気がしたんだけど……」




???「全く!君はなんという無茶をする子供だ!」

光「!?」キョロキョロ

???「無事だったから良かったものの一歩間違えば取り返しのつかないことになってたぞ!」

光「なに!?誰!?」

???「オーイ!ここだここだ!」

光「……?アタシのポケットの中……?」



人形「……」




光「……?」

人形「――こんにちは、お嬢さん」

光「!? えっ……に、人形が……喋ったぁぁぁぁっ!?」

人形?「驚かせて済まない。実は私はただの人形ではないのだ」

光「!? !!? !!!?」パクパク

人形?「私の名前はウルトラマンタロウ」





ウルトラマンタロウ「遠い遠い宇宙から来た……君達地球人の…ずっとずっと古い友人だ」

【ウルトラマンギンガ】×【アイドルマスターシンデレラガールズ】

『狙われた事務所』

安価の使い方はまちがえてるし、クロスなのに>>1に前書きしとかないとかろくでもない作者も居たもんだな

>>19
すいません、気付きませんでした。気を付けます…。

――ウルトラマンタロウが光という少女に拾われる、少し前

その部屋は闇一色だった

部屋の中心に、禍々しい形をした影のような『何か』が蠢いていた

その『何か』の傍らには無数の人形が並べられている

その人形の1つを手に取り……『何か』は手に持った短剣にも見える杖のようなものをかざした

途端に、その人形は闇に包まれ膨れ上がり……

やがて、それは異形へと姿を変えた

???「ふははははははっ!ふははははははははは!!!!」

???「ふっかぁーーーーつ!! 闇の皇帝陛下!よくぞ……よくぞよくぞよくぞこォの私を甦らせてくれました!!」

人形が変化した異形な生き物は大きな笑い声を挙げながら闇の皇帝と呼んだ影に向き直る

???「我が名はレギュラン星人の“ズウォーカァ”!!」

ズウォーカァ「貴方様のために、なんなりと御命令を聞きましょう!!」

正直、ギンガマンとのクロスかと思った

あと、sageじゃなくてsagaね

ズウォーカァ「闇の皇帝陛下のためにィ!!」

『――……。』

闇の皇帝と呼ばれた影はズウォーカァと名乗る異形に短剣状の杖の分身を作り出して手渡した

そして、暗い霧の中から響いてくるような不気味な声でゆっくりと喋り始めた

『――このダークスパークを使い人間達の心から闇を集めよ……』

『暗き心……悪の感情……妬み、嫉み、憎しみ、恐怖、哀しみ……悪意と裏切り、失望と絶望……人間のマイナスエネルギーを集め、我に献上せよ……』

ズウォーカァ「ははーっ!お任せあれ!!」




ズウォーカァ「この闇のエージェント……レギュランのズウォーカァめが必ずや、必ずや、必ずや貴方様のお役に立ってご覧に入れましょう!」

【芸能事務所:CG(シンデレラガールズ)プロダクション・事務所】



CGプロ……そこは、キュート、クール、パッション、それぞれ3つのグループに別れたアイドル達とそれを受け持つ3人のプロデューサー(プラス一人のアシスタント)がそれぞれのプロデュース方針を掲げながら時に協力し時に競いあう、ちょっと変わったプロデューススタイルのアイドル専門の芸能プロダクションである。

実に3桁を越える人数のアイドルが所属する新進気鋭のこのプロダクションは、不思議とどこか落ち着いた空気のする事務所と和やかな雰囲気が特徴であった。

>>28
>あと、sageじゃなくてsagaね
すいません、指摘ありがとうございます。

PaP(パッション担当P)「いやーホント…交通事故に巻き込まれたって聞いたときはビビったわ……。ケツから心臓とか内臓とか全部飛び出るかと思ったもん」

CoP(クール担当P)「ケツじゃなくてクチだ。2文字の所しか合ってないぞ」

十時愛梨「えっ!?PaPさんお尻から心臓出ちゃうんですか!?」

CoP「いや、出るわけないだろう」

PaP「いやいや、マジで出るかと思ったねホント。もし出たらどうしようって位っつかもうそこまで来てたからね。出口まで来てたから」

CoP「お前の内臓は肛門に集まる習性でもあるのか」

CuP(キュート担当P)「二人とも、ここアイドル事務所なんだけど」

愛梨「……そんな……!……でも、PaPさんがどんなPさんでも……私にとってはPaPさんが一番のプロデューサーさんですから!!」

PaP「……っ!とときん……!」ジーン…

愛梨「PaPさん……!!」



CuP「……なんで良い話風になってるんだろうね」ボソッ

CoP「……俺とお前はケツから内臓ぶら下げてる男よりも下なのか」ボソッ

CuP「……担当じゃないとはいえちょっとショックだね」

脇山珠美「……!!」

珠美「た……珠美にとっては、CoP殿が一番のプロデューサーですよ!」

CoP「! ああ、ありがとう」

CuP「あーいいなー」

珠美「も……もしCoP殿のお尻から内臓的なものがはみ出てても……た、珠美は……珠美は……!!」ダラダラ

CoP「(葛藤してるな…)ありがとう珠美。ただ1つ言っておくが……俺は尻から内臓は出さないぞ」

珠美「えっ!?」

CuP「当たり前だよ?」

CoP「俺はちゃんと口から出す」

CuP「え?出すの?」

珠美「く……口から内臓……」クラッ

CuP「想像しなくていいから!出ないからね珠美ちゃん!二人も!ここ、一応アイドル事務所なんだけど!?」

光「あはは、プロデューサーさん達は相変わらず仲良しだね!」

タロウ「……」←ポケットの中

タロウ(ここがアイドルの芸能事務所か……私が思っていたのと随分違うようだな……)ヒソヒソ

光(……うん!皆良い人だよ!)ヒソヒソ


PaP「? どーしたー光ー?」

光「!! な……なんでもないよ!」

PaP「?」



光(……どうしよう……)


光(……あのままタロウ…連れてきちゃった……)

――数時間前、事故直後



光「宇宙人!?」

タロウ「しーっ!声が大きい!」

光「あ、ごめんなさい」

タロウ「……まぁ、驚くのも無理はない。どうやら君達の星では宇宙人の存在は知られていないようだからな」

光「……あ、でも」

タロウ「?」

光「ウチの事務所にも宇宙人いるよ?永遠の17歳なんだって!!」ミミミン

タロウ「? ほぅ……?」

タロウ「……?」

<ウッサミーン!

光「人形みたいな宇宙人なの?」

タロウ「いいや違うぞ。本当の私はとっても大きいのだ。なぜか今はこんな姿になってしまっているが……」

光「ふーん……」

タロウ「む?信じてないな?」

光「うーん……人形に機械やマイクか何か仕込んで誰かが動かしてるのかも、とか」

タロウ「……さっき君たちが車に轢かれそうになった時に車をずらしたのは私だ」

光「えっ!?」

タロウ「ウルトラ念力といってな。あまり多用できない取って置きだぞ!」

光「……!」

光(じゃあ……さっきのは……)

光「……本当なの?」

タロウ「……?」

光「取って置きだって。本当に、車を動かしたのは貴方なの?」

タロウ「? ああ、その通りだ。ああしないと大変なことになっていた。取り返しの付かないことに」

タロウ「気絶してあそこのベンチで寝かしてる運転手の男性には悪いことをしたが……」

運転手「うーん……」

光「……」

タロウ「彼も車もケガも何もなくて良かった。私も罪もない地球の友を、傷つけたくはないからね」

光「……じゃあ、皆を助けてくれたんだね」

光「間に合わないと思ったのに……おかしいと思ったんだ。あの子もアタシも、無事だったから」

タロウ「……」

光「……アタシ、信じるよ。タロウの話」

タロウ「! 本当かい?」

光「うん!信じる!」

タロウ「……自分で言うのもなんだが、いいのかい?」

光「……うん」

光「助けてもらったのは、アタシが一番よくわかってるから!」

光「それに、こうしてタロウが色々話してくれて、もしそれが全部本当だったなら、それはアタシを信頼してくれてるからだと思ったんだ」

タロウ「……」

光「アタシのことを信じてくれたから、アタシも信じるよ!」

タロウ「……そうか。なら、私も君を信じよう」

光「うん!アタシがタロウの、地球での友達だ!」

タロウ「……」

光「……どうしたの?」

タロウ「いや、少し前まで、実は私は今のように人形の姿だったんだ。それを、地球人の友人たちのおかげで元に戻ることができ、そうして仲間とともに宇宙に帰ったハズだった」

光「えっ!?」

タロウ「……だが、今はご覧の通りだ。正直何故今こうなってるのかが、私にもわからないんだ」

光「……」

タロウ「……」

光「……何か、アタシに出来ることはある?」

タロウ「……君は本当に優しい子だな」

光「アタシは、ヒーローを目指してるから!だから助けを求めている人や困ってる友達は絶対に見捨てないって決めてるんだ!」

タロウ「……そうか、ヒーローか」

光「うん!」

タロウ「……君は光に満ちているな」

光「? ありがとう?」

タロウ「……ああ。実に素晴らしいことだ」

光「……」

子供B「あ!お姉ちゃーん!救急車とお巡りさん来たよー!」

光「! はーい!今行くよ!」

光「……ごめん、行かなきゃ」

タロウ「……ああ」

タロウ「そういえば、君の名前はまだ聞いてなかったね」

光「あ、ホントだ」

光「アタシ、光。南条光」

タロウ「光……!それは良い名前だ!!」

光「そう?へへっ…ありがとう!」

タロウ「……ああ」



タロウ「――私の大切な、とても素晴らしい勇気を持った友人の名前も、“ヒカル”だったんだ」

一度ここで区切ります。レスくれた方読んでくださってた方ありがとうでした。
一応、このSSの中ではギンガの世界とモバマスの世界が同じ世界という設定で書いてます。なので南条はウルトラマンを知りません。ギンガ最終回終了後、特別篇が終わった辺りの時期をイメージしてます。

生存報告&投下します

アレ?名前欄がおかしい……>>1です。

現在・事務所



光(……そうだ。それで到着した救急隊員の人とお巡りさんに事情を話すからタロウはポケットに隠れててって言って……)

光(……そのあとなんやかんやあって涙と汗と鼻水でメチャメチャな顔になったPaPさんもやってきて……いっぱいお説教や注意を受けて、そのまま帰ってきたんだった……)

光(……ゴメンねタロウ)ヒソヒソ

タロウ(いいや、私は構わないさ。……移動もままならず事情も状態も把握できない今は、どのみち迂闊には動けないだろうしな)ヒソヒソ

光(……うん)ヒソヒソ


タロウ(……しかし、あまり私も詳しくないが……アイドルがああいう事態になるのは好ましく無かったんじゃないか?どうしようもなかったとはいえ……)ヒソヒソ

光(……うん。多分。でもPaPさんが「後の事は大丈夫だから任せろ」って言ってたし……きっと大丈夫だと思うよ)

タロウ(……そうか。なら、素直に専門に任せるのが良いだろう。あ怪獣退治は怪獣退治専門の所に任せるべきなのと同じように素直に専門家に任せるべき時がある)ヒソヒソ

光(怪獣!?)ピクッ

タロウ(……?)

光(……)ドキドキ

タロウ(……?)

光(……ねぇ、タロウってさ、宇宙人なんだよね?)ヒソヒソ

タロウ(?)

タロウ(ああ、そうだが……それがどうかしたのか?)ヒソヒソ

光(……)ドキドキ

光(……じゃあさ、怪獣とかって……ホントにいるの?)ヒソヒソ

タロウ(……?ああ。この世界にはどうかは知らないが、沢山の宇宙と沢山の星に怪獣は存在している。私も多くの怪獣と平和を護るために戦ってきた)ヒソヒソ

光(……っ!!)

タロウ(……?)

光(……じゃあ、本当に怪獣はいるんだ!TVの中だけじゃないんだ!)

タロウ(……?光は怪獣が好きなのか?)

光(え?……うん!ヒーローも好きだけど、怪獣も好きだよ!)

タロウ(……そうか)

光(……?)

タロウ(……だが、怪獣に出会った事がない、悪い宇宙人に逢ったことがないというのは……それだけで幸せなことなのかもしれないな)

光(……?)

タロウ(……怪獣が暴れるとそれだけで大きな被害が出てしまう。君が出会った事がない、知らないということはそれだけで被害に遭った人が誰もいないことの証明になるんだ)ヒソヒソ

光(……!)

タロウ(TVで見たことがあるなら、君にもわかるだろう。それに、怪獣以外にも悪質な宇宙人や知的生命体が人類を脅かす事もある)ヒソヒソ

タロウ(何者かの邪悪な意思が罪もない人々を傷つけることは許されない。もしそうなればそれだけ涙を流す存在が生まれてしまうということだ)ヒソヒソ

光(……)

タロウ(……前に地球の友といたときも、やはり悪しき存在を相手に力を合わせて立ち向かうことになった)ヒソヒソ

光(……っ!)

タロウ(……今ここでこういう事態になっていることは、やはりとても不味いことなのだと思う)ヒソヒソ

光(……えっ!?)

タロウ(……)

タロウ(……一体この星で……再び何が起ころうとしているのだ……?)

光(……!)

光(……)

タロウ(……)ウーン…









PaP「……ぴにゃお君ぴにゃお君」

CoP「なんだいハゲ丸君」

PaP「ウチの光ちゃんはさっきから何をこっそりヒソヒソ人形に話しかけてるんだろうねぴにゃブサ太くん」

CoP「そういう遊びなんだろう頭テカリ丸くん。子供の頃は俺もそういう覚えがあった。そんな気がする」

PaP「あーそういう遊びかー。ただの遊びなら良かったわー。事故の後だからPちゃんちょっと過敏になっちゃってたよー。てっきり事故の恐怖をああやってまぎらわせてる的なアレかと思っちゃったよブサこら太くん」

CoP「まぁ俺も自分のアイドルが事故に巻き込まれればそうなってもおかしくないからな。気持ちはわかるぞシャイン頂きくん」

PaP「……」

CoP「……」

PaP「……」

CoP「……」

PaP「お前な……お前だから俺はハゲじゃねぇって言ってんだろ。どう見てもフサフサだろうが。どっからどう見ても若さと情熱溢れるネクタイの似合うフサフサナイスガイだろうが」

CoP「母方の祖父が薄いと要注意らしいな」

PaP「だからハゲてねぇっつってんだろうが!!お前な!お前ホントそういうのやめろよ!全国のハゲてるおじ様に申し訳ないとかさぁ!そういうの無いわけ!?」

CoP「ならお前もいい加減俺のことをぴにゃこら太扱いするのをやめろ」

CuP「……仲良いな相変わらず」

PaP「じゃあさ!じゃあもうハゲ言うなよ!俺もぴにゃこら太扱いやめるから!もう書類にお前の名前書くときぴにゃこら太って書くのやめるから絶対ハゲって言うなよ!」

CuP「え?」

CoP「ちょっと待て。お前今とんてないこと言ったぞ」

PaP「もしお前がハゲって言ったらあれな!今年のアニバのパーティーで佐藤さんの物真似しろよ!服装含めて佐藤さんの物真似しろよ!」

CuP「そこはシュカーハートさんで良いんじゃ……」

CoP「ならお前がもし次俺をぴにゃこら太扱いしたらその時は頭髪を剃れよ」

CuP「ペナルティ重っ!!?」

愛梨「ええっ!?PaPさん髪の毛全部剃っちゃうんですか!?」

PaP「そらないよ!?絶対剃らないよとときん!?」

愛梨「でも……どんな頭になっても私の一番のPさんは……PaPさんですから……!」

PaP「うん!……剃らないよ?」

CoP「……」

珠美「……!」

珠美「た……珠美は例えCoPがぴにゃこ」

CoP「珠美」

珠美「……」

CuP「それ以上いけないよ珠美ちゃん」







タロウ(……本当に楽しそうな事務所だな)

光(……うん!皆いい人でしょ?)

タロウ(……こういう平和を護るためにも……何が起きてるかを把握せねば……)

タロウ(……何か、悪しき意思が蠢いてる気がしてならない……)






タロウ(……せめてしばらく何も起きなければいいのだが……)

同時刻・事務所近くの喫茶店







レギュラン星人・ズウォーカァ「ぬぁ……自由とは最高だな……ずっとこうしていたい」

ズズッ←コーヒー

ズウォーカァ「あぁ……こうしてコーヒー一杯で何時間も居座りながら浴びる店員の冷たい視線を楽しみつつ粘っていたい……」

ズウォーカァ「……しかし闇を集めろと言われてもなぁ……こうして通る人間を眺めていてもイマイチピンと……いやティンとくる人間が通らないな……」

ズウォーカァ「嫌がらせを主な趣味とする私としては出来るだけ後の伸び代が大きそうな、それでいてこう、後に尾が引きドロドロとしてそうな……そんな人間を所望してるのだが……」

ズズッ…

ズウォーカァ「……」



ズウォーカァ「……そうだな……例えば同世代もしくはそれに近い年齢の同性にコンプレックスがある女子などがいれば理想なのだが……」

ズウォーカァ「……何処かにそんな感じの、見るからに『私、悩みがあります!(裏声)』みたいな少女女性もしくは女子が都合よくこの喫茶店の前を通ったりしないものか……」チラッ


関裕美「……はぁ……」トボトボ…


ズウォーカァ「……」


裕美「……事務所行くの……気が重いなぁ……」トボトボ…


ズウォーカァ「……」


裕美「……いやだなぁ……」ズーン…




ズウォーカァ「……」


ズウォーカァ「……ティンときた」

裕美「……」






数時間前・学校



裕美「……先生に頼まれたプリント集めで遅くなっちゃった……今日帰りに事務所寄るように呼ばれてたのに……」

裕美「急がなきゃ遅れちゃう……」



男子A「なーお前この前のグラビア見たー?」

男子B「おー見た見た!」

男子C「アレだろ!夏休みグラビア特集!」



裕美「……!」

男子A「良いよな、田舎の祭りを舞台にした浴衣特集!」

裕美(……!私も出てる奴だ……!)コソッ

男子B「あぁ……ガキの頃はわからなかったが、浴衣って良いもんだよな……」

裕美(……今も子供なのに……変なの)

男子C「良いよね浴衣……なんかこう、グッとくるものがあるよね」

裕美(……なんか、男子の会話だ……)ドキドキ

男子A「俺はやっぱり比奈ちゃんの浴衣が良かったな。大人の女性の浴衣だ」

裕美(……比奈さんやっぱり人気なんだ……)

男子B「俺はやっぱり美羽だな!みうさぎ同い年であのスタイルは反則だろ!」

裕美(……)

裕美(……なんで男子ってあんな話ばっかりなんだろ)ムスッ

男子C「俺はやっぱり莉嘉ちゃんか杏ちゃんが良かったと思うな」

男子A「……」

男子B「……」

裕美(……)

男子C「……」

男子C「……なんかこう、グッとくるものがあるよね」

男子A「……そういやうちの学校にもアイドルいたような」

男子B「あー……そういやいたな」

男子C「ほら、同じ学年の……隣のクラスの……」

男子達「……」




男子A「あ、関か」


裕美「!!!!」ビクッ

裕美(……わ……私の名前出ちゃった……)コソコソ

裕美(……なんて言われるんだろう……)ドキドキ



男子A「……そういやあいつもグラビア出てたな。浴衣のアレ」

男子B「そういやそうだったな」

男子C「……」


裕美「……」


裕美(……ノータッチなんだ……)ガーン…

裕美(……それはそれでショックなんだけど……)ズーン





男子A「……関ってさ」

裕美「!!」ビクッ


男子A「まだお母さんと服とか買いに行ってるタイプだよな」

裕美「」

男子C「あーわかるわかる。っぽいよね」

裕美「」ガンッ

男子B「いや、流石に無いだろ。もう14だぞ」

裕美「」グサッ

男子A「いや、間違いないね。アイツは絶対そういうタイプだ。水着とかもまだ母親と買いに行くタイプ」

裕美「」←行った

男子B「……なんか可哀想だな」

裕美「」ザクッ

男子A「いっつも機嫌悪そうに周り睨んでるし」

裕美「……っ!」

男子B「周りの人に気とか許してなさそう的な」

裕美「」

男子C「でも莉嘉ちゃんがお姉ちゃんと買い物に行ってたり杏ちゃんがお母さんに服任せてたりするのは……なんかこうグッとくるものがあるよね」

男子A「……」

男子B「……」

男子C「……」







裕美「」

ズーーーン…

男子A「なんつーか、関はガキっぽいイメージあるわ」

男子B「やっぱこう、大人っぽい方が良いよな」

男子C「……」






回想・終わり


裕美「……」

裕美(……男の人ってやっぱり大人っぽくて綺麗な人の方が好きなんだ……)

裕美「……プロデューサーも、なのかな……」ハァ…

裕美「……」トボトボ


ズウォーカァ「……」コソッ

ズウォーカァ「……尾行、なう」

ズウォーカァ「……ククク……まさかホントに都合良く悩んでそうな人間の小娘に出会えるとはな……さ~て、良い闇がいや悪い闇が手に入りそうだ……」

ズウォーカァ「え?何故もっと心が悪そうで闇が取りやすそうな人間から取らないのかって?(※独り言) 簡単さ!それは私が宇宙一の嫌われ者、ズウォーカァ将軍だからよ!」

ズウォーカァ「このまま尾行してあの娘の闇を掴み……支配者様より受け取った『コイツ』を使って一騒動起こしてやる」

ズウォーカァ「名付けてその名も『人類嫌がらせ大作戦』!!どーだ素晴らしいネーミングだろう!」



ズウォーカァ「悪質宇宙人レギュランの名に賭けて!この作戦必ず成功させてやるのだフワハハハハハハハハハ!!」ゲラゲラ

お巡りさん「ちょっとそこの人、すごい怪しいけどさっきから何やってんの?」キキッ

ズウォーカァ「んえ?」

CGプロ・事務所



ちひろ「それじゃ愛梨ちゃんと珠美ちゃんはそろそろ衣装合わせしちゃいましょうか」

愛梨「はい!」グッ

PaP「stopとときんここで脱いじゃダーメ」ガシッ

珠美「心得ました!どんな仕事でも!不肖この珠美、誠心誠意頑張ってお受けします!」

CoP「頼もしいな」

珠美「えへへ……♪」デレッ

ちひろ「じゃああっちの部屋でやりましょう」

愛梨「はーい!」

珠美「はい!」


ガチャッ バタンッ


タロウ「……アイドルの仕事、か……千草は今もアイドルを目指して頑張っているんだろうな……」

光「……?どうしたの?」

タロウ「ん?いや……」

タロウ「……なぁ光」

光「何?」

タロウ「ここのアイドル達は君も含めてどんな仕事をしているんだ?」

光「えっと……皆バラバラだよ。雑誌やテレビとか地方やデパートのイベントのお手伝いしたり、応援したり歌って踊ったり……」

タロウ「……それは、とてもハードだな……」

光「うん。でも、大変なほどやりがいがあるし、皆楽しんでるよ!」

タロウ「ほう……楽しんで……か。それは何より素晴らしいな」

光「うん!あと、アイドルはファンや沢山の人達に夢や希望を与える仕事だから、つまりヒーローみたいなものなんだ!」

光「アタシはタロウみたいに怪獣と戦えないけど……それでも誰かのヒーローを目指して毎日がんばってるよ!」

タロウ「……怪獣と戦えない、か……」

光「……?」

タロウ「……なぁ、光……」



ガチャッ

裕美「……おはようございます」

CuP「お!裕美!お疲れ様」

裕美「……! ……お、おはようプロデューサーさん」

CuP「?」

CoP「……おはよう裕美君」

PaP「おろ?関ちゃんなんか元気なくね?」

裕美「……」




タロウ「……彼女もここのアイドルかい?」

光「うん、関裕美ちゃんって言うんだ。アタシと同い年で、良い子だよ」

タロウ「……同い年?そうなのか……随分大人びているというか……」

光「……?」

タロウ「ところで……彼女は何か怒っているのか?」

光「あー……違うと思う。裕美ちゃんは目付きが悩みだって言ってた。怒ってるみたいに見えるからやだって」

タロウ「……それは年頃の少女には辛い悩みかもしれないな……」

光「……そうだね」

CuP「今連絡したよ。とりあえずちひろさんが裕美の衣装も今見に行ってくれてるからひとまずそこのソファで待っててよ」

裕美「……はい」

CuP「……?」



裕美「……」ポスッ

裕美「……はぁ……」ズーン…





CoP「……」

光「……」

PaP「……」

CoP「……悩んでるな」ヒソヒソ

光「……悩んでるね」ヒソヒソ

PaP「すっごい分かりやすく悩んでるな」ヒソヒソ

CuP「裕美……裕美一体どうしたんだ……なんかあったのか?」オロオロ

PaP「すっごい分かりやすく焦ってんなお前」

PaP「バレンタインの時といい相変わらずすぐ顔に出る奴だなオメーは」

CoP「……行け。こういう時こそプロデューサーの腕の見せ所だろう」ポンッ

CuP「!」ハッ

PaP「そうだぜ。プロのデューサーの腕を見せる所だろ」

光「……デューサーって何なんだ?」

CuP「そうだ……何やってんだ俺……そういう時こそすぐに相談に乗ってこそプロのデューサーじゃないか……!」

光「プロデューサー、デューサーってどういう意味?」

PaP「あ?いや俺も意味はよく知らねぇけどプロって付いてるんだからプロじゃないデューサーもいるんだろ」

光「そっかー」

CoP「大丈夫かこの事務所」

裕美「……はぁ……」ションボリ

CuP「……裕美、ちょっとあっちで話せるか?」

裕美「……? う、うん」





PaP「お、いったぞ」

CoP「あの年頃は繊細だからな。悩みがあるなら早めに周りの大人が気をかけてやった方が良い。思春期の中学生なんて特にデリケートな時期だ」

光「うん、たしかに」

PaP「……」

CoP「……」

光「……?」

CoP「……もし話せないような悩みならその時はちひろさんに助けてもらうしかないがな。俺達に話せなくても同性相手なら話せる事もあるだろう」

PaP「お前……その優しさを森久保ちゃんにも少し分けてやれよ」

CoP「……乃々は自分で変わりたがってるから今は少し強引でも積極的に前に出る機会を与えた方が良いんだ」

光「なるほど、あえて厳しくするのも愛のムチなんだな」

CuP「……何か、悩みがあるなら相談に乗るぞ?」

裕美「!」

裕美「……すごいな、プロデューサーはなんでもわかっちゃうんだね……流石だね」

CoP(いやわかりやすかった)

PaP(わかりやすかったな)

光(わかりやすかったね)

タロウ(確かに丸わかりだった)

PaP(アレ?今の誰?)



CuP「……俺に話せることなら、話してくれないか?」

裕美「……」ググッ

裕美「……」

CuP「……裕美」

裕美「……?」

CuP「……俺は、大人だし、沢山の人をプロデュースしてきてる。まだまだの所はそりゃあるが、それなりに色んな経験も積んできたつもりだよ」

裕美「……」

CuP「勿論、裕美より少し多くの事を経験してるし勉強もしてる。何か力になれるかもしれない」

裕美「……」

CuP「……それに何より、俺はお前のプロデューサーだ」

裕美「!」

CuP「……頼ってくれなきゃ、俺が寂しいんだ」

裕美「……っ」

CuP「……言いたくないことなら無理に聞かない。ただ、俺に話して楽になることなら、少しでもここで吐いて良いんじゃないか?」

裕美「……プロデューサーさん……」

事務所・外




ズウォーカァ「くそ!まさか警察に目をつけられるとは……地球人にはバッチリ上手く化けていた筈なのに……」ゼェ…ハァ…

ズウォーカァ「ハァ…ハァ…なんとか巻いたか……全く、女子学生の後をつけただけであんなに追い回すとは、なんて奴等だ!」


ズウォーカァ「……しかしさっき感じたマイナスエネルギーは何処に行ったのだ?」

ズウォーカァ「……この辺で微かにまだ気配がするのだが……うーん……」

ズウォーカァ「……ん?」




ズウォーカァ「なんだここ……CGプロダクション?」

裕美「……あの……あのねっ」

CuP「!」


CoP「!」
PaP「!」
光「!」
タロウ(!)


裕美「……ホントは、こんなことプロデューサーさんに話すの……少し恥ずかしいんだけど……」

CuP「……」

裕美「……プロデューサーさんは、大人だし……」

CuP「……?」



光「……今更だけどアタシ達向こうに言っといた方が良くない?」ヒソヒソ

PaP「……なんか俺もそんな気がしてきた」 ヒソヒソ

CoP「……だが衣装に着替えた十時くんと珠美がもうすぐ戻ってくるから部屋にはいないといかんぞ」ヒソヒソ

PaP「デスクと衝立が近いからなぁ……離れても多少聞こえちゃうわよ」ヒソヒソ

タロウ(出来るだけ離れた所に座りTVかラジオでも点けて誤魔化すのはどうだろう)ヒソヒソ

PaP「名案だな、それでいこう」ヒソヒソ

CoP「そうだな。そうしよう」ヒソヒソ

光「あと、出来るだけ衝立から離れなきゃねッ!」ヒソヒソ




PaP&CoP「「……ん?」」

裕美「……早く大人になるには、どうしたら良いと思う?」

CuP「……え?」

裕美「……今日ね、学校の男子に子供っぽいって……そう言われたんだ」

CuP「……っ」

裕美「……私……私だって、好きで子供な訳じゃないよ……」

裕美「でも、そんなすぐには大人になれないし、どうしようもないじゃない……」

CuP「……裕美……」

裕美「……やっぱり、男の人は……大人の女の人の方が好きなのかな……」

CuP「……っ!」

光「……裕美ちゃん、そんな悩みがあったのか……」

PaP「……まぁ中学生の男子なんてそんなんの盛りだからな……年上のねーちゃんに鼻の下デレデレしちゃったりエ……セクシーなアイドルに鼻の下デレデレしちゃったり単純なもんよ」

CoP「……まぁな。ただ、裕美くんはそれを真面目に受け止めてしまったのだろう」

光「……アタシも身長でからかわれたりしたから裕美ちゃんの気持ち少しわかるかもしれない……クッ!同じ事務所の仲間が苦しんでたのに気付かなかったなんて……!!」

タロウ(いや、皆が気付いていたと思うぞ)ボソッ

PaP「しかし、CuPの奴はたまにサラッと変なこと言うからな……上手くフォロー出来んのかしら」

CoP「……」

窓の外




ズウォーカァ「……」プルプル

窓枠に掴まってぶら下がってる


ズォーカァ「……ふふふ、聞いたぞ聞いたぞ、思春期にありがちな悩み!劣等感!コンプレックス!」プルプル

ズウォーカァ「ふははははっ!やはり元から悪いやつを使っても面白くないし盛り上がらん!狙うならこういう普通なのに闇を抱えてる者に限る!」プルプル

ズウォーカァ「このままどうにかしてコンプレックスを刺激し闇を増幅させ……闇の皇帝から授かったこれ……で……っ!」プルプル

ズウォーカァ「フハハハハ!私は宇宙一の嫌われもの、ズウォーカァ将軍!名付けて、『乙女の悩み利用作戦!!』」プルプル

ズウォーカァ「フフフどうだカンッペキなネーミングだろう!!」プルプル




ズウォーカァ「あっ……腕が疲れてやばい……お……落ちちゃう落ちちゃう……っ!!」ガクガク


ズウォーカァ「頑張れ私!頑張レギュラン!!」ブルブルブルブル…

裕美「……」

CuP「……なあ裕美」

裕美「……?」

CuP「……男は皆、そんな大人の女性とか、その……セクシーだとか、そういうのばっかりが好きな訳じゃないよ」

裕美「……え?」

CuP「ホントだよ。男の俺が言うんだから保証する。だからさ、裕美が無理に大人になる必要なんてないし急ぐ必要もないよ」

裕美「……」

CuP「裕美には裕美の魅力があるじゃないか!それに、何を言われたのかは知らないけどさ、実際セクシーなだけなんで実際全然大したことないよ!」

裕美「……」

CuP「よく裕美ぐらいの子が憧れるような……大人っぽいとか、セクシーとか、そんな事に囚われて大事なことを見失っちゃいけないよ」

裕美「……プロデューサー……」

CoP「……大したことは言ってないが表情が随分和らいできたな」

PaP「……そうだな、心配することもなかったか」

光「うん。良かった良かった」

タロウ(うむ、確かにな)

タロウ(……?なんだ?何か妙な気配が……気のせいか?)




ズウォーカァ(ぬぉぉぉぉぉっ!何か良い感じで闇が薄らいできてる気がするぞ!オノレェェェェェッ!なんとかせねばぁぁぁっ!)ブルブルガクガク

裕美「……プロデューサー……!」

CuP「セクシーがなんだ!大人がなんだ!」

CuP「そんなもん、時間がたてば嫌でも大人になるんだから急ぐ必要なんかないぞ!」

裕美「……」

CuP「それに大人になりたいなんて言ったら菜々や川島さんに怒られるしな!」

裕美「? なんで菜々さん……?」

CuP「……」

CuP「と……とにかく、裕美は今で充分魅力的だ!!だから気にする必要ない!」

裕美「……っ」カァァァァッ

CuP「裕美はもっと自分に自信を持つんだ!セクシーさや大人っぽさが全く欠片も無くたって裕美には魅力が詰まってる!セクシーなんか要らないよ!」

裕美「」グサッ

CuP「アレ?」

窓の外のズウォーカァ「でも一番好きな水着は?(裏声)」

CuP「大人っぽいビキニ」ポロッ

裕美「」

PaP「」
CoP「」
光「」

CuP「えっ!?あっ!!」

裕美「や……やっぱり……プロデューサーも大人っぽい方が好きなんだ……」

CuP「あっいや、ちが……えっと、そういう意味でなく……」



PaP「何やってんだあの野郎!」

CoP「というか途中の声誰だ」

光「今のは酷いぞCuPさん!」

タロウ(今の気配……やはり何かが……!?)



ガチャッ



愛梨「PaPさん!あの、着替えてきたんてすけど、この衣装サイズ合ってますか?すっごくキツイんですけど……」

PaP「ん? 愛梨か……どうし ど わ ぁ ぁ お っ ! ! ! ? 」

CoP「……?」クルッ

タロウ(……?)チラッ

CoP「!!!?」

タロウ(!!!?)

珠美の衣装を着た愛梨


愛梨「す……すっごくキツくて……ぴちぴちなんです……!」

バンッ

バンッッ

ババンッッ

PaP(こ……これは……!)

CoP(……まさに視覚の暴力……!)

タロウ(……まさに大怪獣……!!)

光「? どうしたんだ皆?」クルッ

PaP「!光ちゃん!見ちゃいけません!」ガバッ

光「わっ……どうしたんだ!?プロデューサー!」

CoP「そうだ、これは見せるわけにはいかない!」

光「!? なんだ!?どうしたんだ!?」

タロウ「ダメだ光!見てはいけない!」



タロウ「これは……これは君の教育に悪い!!!!」

CuP「? 何を騒いでるんだ?」スッ

愛梨「あ、CuPさん、これ見てください!なんだか服のサイズがおかしいんです!」

裕美「」

CuP「」ブフゥッ

愛梨「わっ鼻血が……大丈夫ですか?」

CuP「……いや、ゴメン……大丈夫、大丈夫だから」ボタボタ

裕美「」

CuP「あ……あの、とにがく愛梨ぢゃんは何か羽織って……」ボタボタ

裕美「」


裕美「や……やっぱり……大人っぽい方がプロデューサーさんも好きなんだ……」プルプル

CuP「! あっ、いやっ違う!これは不可抗力で……」ボタボタ

裕美「うっ……」ジワッ

CuP「ひ……裕美!大丈夫!大丈夫だから!」ボタボタ

裕美「……?」

CuP「いや、えっと……ほら!さ…さっきも行ったろ?アレ、ほら、大人になんてすぐなれる!あと2年もすれば裕美だって……」ボタボタ



ガチャッ



全員「?」


愛梨の衣装を着た珠美


全員「」

珠美「ふふっ……いやぁ……まさかCoP殿がこんなセクシーな衣装を珠美に用意していただなんて」ブカブカ

CoP「……」

珠美「ふふふ……珠美もとうとう大人の女性として売り出すときが着たということでしょうか……!」ブカブカ

CoP「……」

全員「……」

珠美「いやぁ、参ってしまいますな」ブカブカ

CoP「……」

珠美「しかし珠美ももう16……このようなセクシーで大人な衣装も着こなせねば立派なアイドルとは言えませんし、仕方ないですね!」

珠美「ふふっどうですかCoP殿、珠美の着こなしは!」

珠美「自分で言うのもなんですが、この肩が見えてる辺りが特にセクシーなのではないでしょうか!」ダボッ

珠美「どうですか?CoP殿!」

珠美「……CoP殿?」


珠美「……なぜ……」


珠美「……何故、そんな哀しい目で珠美を見るのですか……CoP殿……」

光「……珠美ちゃん……」ジワッ

珠美「……」

CoP「……珠美」

珠美「……」

CoP「……脇山珠美くん」

珠美「……はい」

CoP「……着替えてきなさい」

珠美「……はい」グスッ


ガチャッ バタンッ


全員「……」

PaP「……愛梨ちゃん」

愛梨「あ!はい!」

PaP「それはね、珠美ちゃんの衣装なんだよね」

愛梨「え!?そうなんですか!?」

PaP「うん、実はそうなんだよね」

CoP「……」

PaP「だからね、それ……返そうね。珠美ちゃんと一緒に着替えてこようね」

愛梨「はい!着替えてきます!」

ガチャッ

バタンッ

CoP「……多分更衣室の前で泣いてるだろうから珠美くんのアフターケアに行ってくる」

PaP「……うん。頑張ってね」

光「……珠美ちゃんをお願いします」

タロウ「……」

ガチャッ バタンッ

PaP「……」

光「……」

PaP「……目を逸らすなよ光……世の中ってのはな……平等じゃないんだ。……だがな、だからこそカバーし合える仲間が必要なんだ」

光「……うん。なんかそれっぽくまとめようとした感がするけど」

PaP「……」

光「……」

PaP「……」

タロウ(図星か……)

PaP「……まぁ、なんだ。人それぞれというか、ホラ。年齢やらなんやらでさ……解決できないことも世の中ってのは……」

PaP&光&タロウ(((……あっ)))

3人「……」

クルッ










CuP「……」ボタボタ←鼻血

裕美「……」




裕美「」ジワッ

3人「」

裕美「うぅ……っ」ジワッ…

ペタペタ

CuP「裕美、はしたないからやめよう?な?」ボタボタ

PaP「鼻血鼻血」

裕美「うぅ……っ」

ギュッ ギュッ

CuP「裕美!やめなさい!めっ!」ボタボタ

PaP「裕美ちゃん!それダメだから!闇に呑まれる奴だから!」

CuP「そうだよ裕美!やめよう!?やみのまだから!!やみのまだらからそれ!!」ボタボタ

PaP「やみのま!やみのま!」

ガチャッ

CoP「今ウチの蘭子の話してたか?」

PaP「してねぇよとっとと失せろハゲ!」クワッ

CuP「ややこしいからあっち行ってろ!」

CoP「」

バタンッ

裕美「うぅ……っ」

CuP「裕美……」ボタボタ

裕美「わ……わたしだって……」

CuP「!」

裕美「私だって……好きで子供な訳じゃないよ……!」

CuP「……」

裕美「好きで小さい訳じゃないよ……でも……そんなの……そんなの自分じゃどうしようもないじゃん……!」グスッ

光「……!」

裕美「アイドルなのに……アイドルらしくなくっても……大人っぽくなくっても……そんな……」

CuP「……」ボタボタ

CuP「……あのな、裕美……」


裕美「そんなの、どうしようもないじゃん!!」


ダッ

CuP「裕美!待っ……」

ガチャッ

バタンッ


CuP「……!」

CuP「裕美ィィッ!!」

ボタ ボタ

PaP「……いつまで鼻血垂らしてんだよお前」

CuP「大変だ!追いかけないと!」ボタボタ

PaP「そうだな。とりあえずまず鼻血止めないとな」

CuP「あ……でも外ならどっちに行ったんだ!?」ボタボタ

PaP「落ち着け。俺らも手伝ってやるから。まずは鼻血止めろ。血塗れで少女を追いかける気かオメー事案になるわ」

光「あ……アタシも追いかけるよ!」

CuP「光ちゃん……ありがとう!
もし道路に飛び出して車に轢かれでもしたら大変だ……急がなきゃ!」ボタボタ

PaP「そうだね。あとね、急いで鼻血止めないとそろそろお前死ぬんじゃねぇのかなって」

光「アタシ、先行くよ!アタシは右を探すからね!」ダッ

CuP「うん、ありがとう!」ボタボタ

ガチャッ バタンッ



CuP「よし!俺も追いかけないと!」

クラッ

CuP「うっ……?」グラッ

PaP「!オイ!」ガシッ

CuP「……ごめん、ありがとう」ボタボタ

PaP「いや、うん……つかお前……」

CuP「……くそっ!何て事だ……!」

PaP「……」




CuP「なんで……こんな時になんで貧血なんて……っ!!」ボタボタ


PaP「だから鼻血止めろっつってんだろ!!人の話聞けやお前!!」ブチィッ

更衣室前


ガチャッ

CoP「着替え終わったか……大丈夫か?」

珠美「……はい」ズビッ

CoP「ん?」

珠美「……?光ちゃん……どうしたんですか?」ズズッ

光「あ!CoPさん!珠美ちゃん!裕美ちゃん見なかった?」

CoP「いや……」

珠美「……どうかしたのですか?」

光「えっと……あのあと裕美ちゃん泣き出して走っていっちゃって……」

CoP「!」

珠美「えっ」

光「……外にいっちゃったのかな」

CoP「……アイツはどうしてる」

光「……鼻から血が止まらなくて今ウチのプロデューサーが見てくれてる」

CoP「……」

光「アタシ外見てくる!」

珠美「あ、珠美も一緒に……」

光「ほんと?」

CoP「……今車庫に美世くんと晶葉くんがいるはずだ」

光「! じゃあ外に出てたら見てるかも!」

珠美「見てるかもしれませんね!聞きに行きましょう」

CoP「俺はアイツらを見てくる。悪いが二人とも頼む」

光「うん!」

珠美「はい!」


事務職・車庫





晶葉「フフ……我ながら天才の自分が恐ろしい……こんなものを開発し小型化と実装にまで漕ぎ着けるとは……」

美世「うーん……でもやっぱりこれは不味かったんじゃ……」

晶葉「……載せてるだけだ。使わなければ問題ない」

美世「うーん……まぁノリノリで手伝っちゃったあたしもあたしだけど……今さらだけどこれ、バレたらかなり怒られるんじゃ……」

晶葉「……」

美世「……」

晶葉「……なに、バレなければ問題ないさ。これの存在を知っているのは私と美世だけ……」


光「晶葉!美世さん!!」


晶葉「」ビクーンッ

美世「」ビクーンッ

光&珠美「……?」

光「晶葉、美世さん!ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

晶葉「なんだ!?言っとくけど私達はやましいことはちょっとしかしてないぞ!!」

美世「晶葉ちゃん!」

光&珠美「?」

光「なんだ!?どうかしたのか二人とも!?」

美世「えっ!?なななななんでもないよ!!なんにもないよ!!」

晶葉「あ、ああ!違法な改造を社用車に勝手に色々やったりなんかしてないからな!」

美世「晶葉ちゃん!!?」

光&珠美「「??」」

美世「そそそそれより二人とも、何!?どうしたの!?」

光「はっ!そうだ!」

珠美「すいません、裕美ちゃんを見ませんでしたか!?」

光「探してるんだ!一刻を争ってる!」

晶葉「ああ、裕美か! ……ん?裕美?裕美の改造なんかしてないぞ私は」

美世「晶葉ちゃん!落ち着いて!バレてないから!大丈夫だから!」

光「?」

珠美「?」

光「実は、事務所で色々あって泣きながら飛び出しちゃったんだ」

美世「え!?なんで」

珠美「CuP殿とどうやら何かあったようで……」

晶葉「あー……なるほど」

美世「何かポロっと言っちゃったとかかな……プロデューサーたまにデリカシーないことや変なこと言うし……」

光「……うん、言ってた」

タロウ(……うむ、言ってたな)

美世「……悪気とか無いのはわかってるんだけどねぇ」



晶葉「……そういえば、さっき人の目を気にしてた時に誰か走っていったな」

美世「あ、そうだね。通りを左にだったかな」

晶葉「咄嗟に身を隠したから顔までは確認出来なかったが女子だったと思うぞ」

光「? なんで隠れる必要があったんだ?」

晶葉「そりゃあバッチリやましいことをしてたからな」フンス

光「えっ」

晶葉「あっ」

美世「あぁぁぁっと!ホラ、その子裕美ちゃんかもしれないし、もしそうなら急いで追いかけた方が良いんじゃない!?ねっ!?」

光「はっ!そうだった!!こうしてる間にも泣いてる仲間がいるんだった!アタシとしたことが!!」

珠美「そうでしたね!とりあえずまず行ってみましょう光ちゃん!」

光「うん、行こう珠美ちゃん!晶葉!美世さん!ありがとう!」

美世「う、うん!……そうだ、私たちもさっき手が空いたし反対側の通り見に行くよ!ね!そうしよ!行こう晶葉ちゃん!」

晶葉「あ?……あ、ああ!そうだな!!そうだ!探しに行こう!大変だもんな!」

珠美「ありがとうございます!見つけたらCuP殿の携帯にも連絡してあげてください!」

美世「うん、わかった!そっちもあんまり焦っちゃダメだよ?特に道路周りは車とか気を付けてね!」

光&珠美「「はい!」」ビシィッ

晶葉「そうだ光、この間の忘れ物だ」ゴソゴソ

光「?」

晶葉「ほら、この前寝るときも着けたままにしてたせいで寝返り打って壊したって言ってた……」


パンパカパーンッ


光「!! それは!“池袋博士特製ヒーロータイマー”!!」

晶葉「うむ。バッチリカンペキに修理完了だ!なんたって私は天才だからな!」

光「うわーありがとう晶葉!!いや、池袋博士!!」

晶葉「ふっふっふっ、天才だからな、なんと前よりバージョンアップも施してあるぞ!……まぁ、お楽しみというヤツだ」

光「おお~っ!!ありがとう!今度はもっと大事にするよ!あと壊してほんとにごめんなさい!!」

晶葉「フフ、なぁに次から気をつけてくれれば良いさ。気に入ってくれるのは嬉しいからな。慎重に扱ってくれるともっと嬉しいが」

光「うん!」

珠美「光ちゃん!そろそろ行きましょう!」

光「あ!ごめん珠美ちゃん!」

珠美「……大丈夫でしょうか、裕美ちゃん……携帯にかけても出ません……」

光「事務所に荷物置いたままだったから……もしかしたらその中に入れてるのかも」

珠美「……変な人に絡まれてたりしなければ良いのですが……」

光「うん……早く探そう!」

珠美「そうですね!」




タロウ(……光!光!!)

光「……?」

光(どうしたの?タロウ?)

タロウ(……以前私がした話を覚えているか?)

光「……?」

タロウ(悪い宇宙人がいて、昔私はそいつらと戦っていたという話だ)

光「!」

タロウ(私は今、どうやら力自体がとても不安定なようだが……それでもなにか、うっすらと邪悪な意思のようなものを感じるのだ)

光「えっ!?」

珠美「!? 光ちゃんどうかしましたか?」

光「あ、なんでもないよ!」

光(何かって……何?もしかして……)

タロウ(……いや、私にもわからない。だが、気を付けるに越した事はない)



タロウ(杞憂かもしれないが……あの裕美という少女、早く見つけた方が良いかもしれない)

カーンッ カーンッ

ドドドドドドドドッ


マンション建設予定地前・通り






裕美「……どうしよう……知らない間に結構遠くまで走ってきちゃった……」

裕美「……」グスッ

裕美「……泣いてる……私…カッコ悪い……」ハァ…


カーンッ カーンッ

ドドドドドドドドッ


裕美「……プロデューサー……心配してるだろうな……」

裕美(でも……)


CuP『大人っぽいビキニ』ボタボタ…


裕美「プロデューサーだって……酷いんだよ……?悩んでるって言った本人目の前で……あんな……」グスッ






???「何か悩みごとがおありのようですねお嬢さん」

裕美「!!!?」ビクッ



人間に擬態したズウォーカァ



ズウォーカァ「ふふふ……こんにちわ可愛いらしいお嬢さん」

裕美「……」



銀色のとんがり帽子

銀色のなんか宇宙っぽいピッチリスーツ

銀色のとんがり靴

何故か手に風車



裕美「……」

裕美(――変な人だ!!?)ガガガーンッ

裕美(どうしよう……!あっ携帯……!)

ゴソゴソ

裕美(……事務所に忘れてきたんだ……)サーッ…

ズウォーカァ「フッフッフッ……初めましてお嬢さん」コツ… コツ…

裕美「ヒッ…!」ビクッ

裕美(なにこの人……?私になんの用……? と、とにかく逃げなきゃ……!)

ズウォーカァ「私は決して怪しいものでは」

ダッ

ズウォーカァ「ありま……アレ?」

裕美(と……とにかく逃げなきゃ!!)

ズウォーカァ「えっ……ちょっ…アレ!?なんで!? おい待てお前ェェェェっ!!!?」

裕美「!!?」

裕美(お……追いかけてくる!?)

ズウォーカァ「お前ーーーっ!!走ってたお前を追いかけて追い越して探して見つけて先回りするのがどれだけ大変だったと思ってるんだ!!?待たんかァァァァッ!!!!」

裕美(追いかける!?何!?なんなのこの人!!?)

ズウォーカァ「止まれぇぇぇぇっ!!止まってその溜まりに溜まったマイナスエネルギー!!私によこせぇぇぇぇぇぇっ!!!!」

裕美「うっ……うわぁぁぁぁぁぁんっ!!!?」



裕美(怖いよ……怖いよぉぉ……っ!助けて……!助けて……!!)



裕美(助けて……プロデューサー!!)


カーンッ カーンッ

ドドドドドドドドッ




光「……うーん……裕美ちゃん……見つからないなぁ……」

珠美「……何処にいるんでしょう……」


ピピピピピピピピッ


光「わっ!」

珠美「!? 光ちゃんの腕時計が!?」

光「ビックリした~……」ドキドキ

光「……ん?なんか表示されてる……【call】 ?」

珠美「……?」ドキドキ

ピッ

晶葉『やぁ光。私が見えて聞こえているかね?』

光&珠美「「!!? 」」

光「えっ!?晶葉が映った!?」」

珠美「しかもこれ…… 晶葉ちゃんの声ですよ!?」

晶葉『はっはっはっ!いい反応だ!ということはどうやら成功のようだな。なんとその腕時計には小型のカメラとディスプレイ、そして通信機を仕込んで置いたのだ。修理ついでに造った私のウサちゃんウォッチ(お手製)となんと繋がってるぞ!』

光「おお……!すごい!特撮の防衛隊みたい!!」

珠美「こんなものの中に……」

晶葉『フフ……相変わらず良い反応だ。私と美世は車で探してたんだがな。人の足でいけそうな範囲には裕美は見当たらなかった
……帰ってるかもと思い今事務所に戻ってきたところなんだ。すまない』

光「そっか……ううん、ありがとう!」

晶葉『……それでな、ウチのプロデューサーが……っと!わっ!助手!離れて!ち……近い!近いから!』

CuP『光ちゃん!珠美ちゃん!』

光「!」

珠美「CuP殿!」

CuP『ごめんな!俺のせいで……それで、悪いんだけど俺もすぐ追いかけるから今どの辺にいるのか教えてくれないか!? なんだが酷く胸騒ぎがして……』

光「えっと……今、マンション!ほら、公園のもっと向こう側!!」

珠美「やたらおっきいのが建ってる彼処です!」

光「アタシ達もこの辺もっと探してみるよ!」

CuP『わかった!本当にありがとう!あと、悪いけど見つけたらすぐ連絡ちょうだい!その腕時計、なんか携帯にもなるんだって!』

光「すごいな晶葉!」

珠美「わかりました!」

CuP『ごめん!ありがとう!』

プツッ

光「……よし!珠美ちゃん、アタシ達も……」

タロウ「……むっ!?」ピクッ

光「!」

光(どうしたの?タロウ?)

タロウ(……今あっちの通りからかすかに悲鳴のようなものが聞こえた気が……)

光「えっ!!?」

ダッ

珠美「光ちゃん!?どうかしましたか!?」

光「わかんない!でもあっちから悲鳴がって!」

珠美「え……えぇぇぇっ!!?」









建設中マンション工事現場

敷地内












裕美「……っ」ゼェ…ゼェ…

裕美(……中入っちゃった……でも……ここなら隠れる所あるし……誰か……誰か工事の人とかいれば……)コソッ



『何処にいるのかな~お嬢さ~ん?』



裕美「っ!?」ビクッ

ズウォーカァ「何処かな~?何処に隠れたのかな~?」

コツ… コツ…

裕美(……っ!!) ガタガタ…

コツ… コツ…

コツ… コツ…





コツ…コツ…

コツ… コツ……

裕美(……っ)


コツ… コツ…



コツ…





























『 見 ィ つ け た 』






裕美「!!?」


ガ シ ィ ッ


ズウォーカァ「もう逃がさんぞ小娘が!!」

裕美「ひっ……や……やだ!離して!!誰か!助けて!!プロデューサァァァァッ!!」


ズォォォォォッ


裕美「……っ!?」



ズウォーカァ(宇宙人ver)『だぁぁれが離すものか!!もう逃がさんぞォォ!!フハハハハハハハハハハッ!!!!』

裕美「!!?」



ズウォーカァ「さぁ大人しくしろ!!……いや、暴れても良いかものか!?
お前のコンプレックスによって蓄積されたマイナスエネルギーに更に恐怖と絶望で生まれたものを足せば……強い力になるかもしれんしな!!」

裕美「なんなの!?離してよ!!何言ってるのかわかんないよ!もうわけわかんない!!誰か! ……やだ!イヤァッ!!」

ズウォーカァ「マイナスエネルギーは何も悪人や悪の心から取る必要もないのだ!人のコンプレックスやマイナスな心、恐怖、絶望、それらが重なっても強いダークな力になる!!」

ズズズズズズ…

裕美「!?」

裕美「 な……何……?何なの……この黒い煙……?わ…私の腕から出てる……?」


ズウォーカァ「フフフ……出てきた……出てきたぞマイナスエネルギーが!!さぁ!こっちに来い!」グイッ

裕美「っ!?」

裕美「 イ ヤ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ッ ッ ッ ! ! !? 」



光「!!」

珠美「い……今のって……!」

光「……裕美ちゃんの……悲鳴!?」

タロウ「急げ光!!今はハッキリと感じる!!何やら強い闇のエネルギーを感じる……!これはまさか……」

珠美「えっ!? な…なんですか!?今の声……」

光「わかった!!珠美ちゃん!!CuPさんと事務所のみんなに連絡して!!」

ダッ

珠美「わ……わかりました……あっ!光ちゃん!!一人で行ってはダメです!!待って!!」

ダッ
















ズウォーカァ「フッフッフッ……ここまでくるのに随分と手こずらせやがって……だが、おかげで良いエネルギーが手に入ったぞ!」

裕美「もういやぁ……離してよぉ……っ」グスッ

ズウォーカァ「フフハハハハッ!もっと泣け!!泣きわめけ!!」

裕美「なんで……なんで私がこんな目に……っ」ヒック…

ズウォーカァ「フッフッフッ…思春期の心に生まれた濃くて強いマイナスエネルギーでまず下地を作り……恐怖と絶望を与え更にそれを成長させる……そこにコイツを加えれば……」スッ

裕美「……っ!?」ビクッ



【ダークダミースパーク】



ズウォーカァ「……さぁ……これを見ろ……! 見れ!!」

カッ


裕美「」ビクッ

ズズズ…

裕美「――…っ」


ドクンッ



ズウォーカァ『……お前は、心に悩みがあるんだろう?』

裕美「……」


『それは、その悩みとは……願いとはなんだ?』

(――はやく……はやく大人になりたい……)

『何故そうなりたい?』

(――……そうすれば……もっと大人になれれば……そうすればもっと皆……プロデューサーも私のこと……みんなアイドルとして、もっと、もっと私を見てくれるかもしれないから……)

『そんなことはありえない』

(――……っ!)

『仮にもしお前の願いが叶って今より大人になってもお前がそんな風に見られることはない』

(――……なんで……)

『お前より可愛いアイドルだって、綺麗なアイドルだって、スタイルが良い大人なアイドルだって、この世には何百人もいる』

(――……っ!)

『わざわざお前を見る奴はいない』

(――……)

『それにあのチビすけを見ただろう……もし今より大人になったからといって望む姿になれるとも限らない』

『仮になれたとしても、お前より素敵なアイドルなんて周りにいくらでも溢れてる』

(――……やめてよ……)

『そうだろう?何故わざわざお前を見る必要がある?』

(――……やめてったら……)

『今日お前をずっと見ていたぞ……常に不機嫌そうに眉間に皺を寄せ周りを睨み付けてばかり……何がアイドル……ずっとそんな顔だ……』

(――……もう言わないでよ……!)


『誰も幸せにしない顔だ……しかも周りを巻き込んで一人で怒って飛び出して泣き出して……役にも立たないアイドルの癖に周りにかける迷惑はいっちょ前……こんなんで誰がお前を見てくれる……』

(――……やめてって言ってるのに……っ)

『こんなお前を何故見る?誰が見る?周りより優れた点も無く、ただただ邪魔な存在……魅力もない……』

(――……やめて……っ!)

『誰もお前なんか見るわけがない……そう……お前の周りのヤツだって……アイツもそうさ……』



『あのプロデューサーって男だって……』


ドクンッ


「 ――……や め て っ て 言 っ て る で し ょ ! ! ! ! 」

裕美「わかってるよ!!そんなのわかってるよ!!」

裕美「皆言ってたもん!!聞いてたもん!!学校の男子達の言ってたこと……聞いてたもん!!」

裕美「……比奈さんや愛梨さんみたいに大人じゃないし……莉嘉ちゃんや杏ちゃんみたいに特別可愛い訳じゃないし……」

裕美「プロデューサーの……プロデューサーが好きな、大人の女の人なんかじゃないし……っ!!」

裕美「わかってるのに……なんでそんなこと一々言うの!?なんで……」


裕美「聞きたくないって言ったのに!!言わないでって言ったのに……なんで……」

『言わなくてもずっと……お前が生きてる限りずっとこれからついてくる……何度だって目の前に突きつけられる』

裕美「……っ!!」

裕美「……こんなの……もうやだ!!やだよ……っ」


ズズズズズ…


裕美「こんなの……こんな嫌な気持ち……ゴチャゴチャしてわかんない気持ちも!!周りの声も、全部全部もう見たくない!!」



裕美「要らない!!こんなの……こんなのもう、全部要らないよ!!!!」















ズウォーカァ「言ったな?」

裕美「――……え?」

バシュゥゥッ



裕美「……っ 何……これ?手の中に勝手に……」

ズウォーカァ「ダークダミースパークだ……お前の要らないモノを全部ぜーんぶ綺麗にしてくれる」

裕美「……綺麗に……?」

ズウォーカァ「そうだ……心に従え……お前の心に満ちたその暗黒のマイナスエネルギーに……それに流されるままただ従うのだ!!」

裕美「そしたら……どうなるの……?」

ズウォーカァ「……いくら要らないものがあってもお前も世界も変わらない……ずっと消えることはないんだ……なら簡単だ。要らない世界を消してしまえばいい」

裕美「要らない……世界……?」

ズウォーカァ「そうだ……この人形の印にそれを突き立てれば、それが叶う。そうすれば楽になれるんだ」

裕美「……楽に……」

ズウォーカァ「そう、もー辛いものもゴチャゴチャもなくなる」

裕美「……」

スッ…

ズウォーカァ「そうだ……いいぞ……そのまま……!」







光「裕美ちゃん!!!!」

ズウォーカァ「!!?」

ズウォーカァ「な……なんだお前らは!?今やっと良いところまで漕ぎ着けてたのに!?」

光「うわっ!? 何あの変なとんがってる奴!?」

ズウォーカァ「初対面の宇宙人にうわっとか言うな!!失礼だろ!!」

光「ご……ごめんなさい!!」



タロウ「! 裕美が持ってるアレは……まさかダークスパーク!?」

タロウ「光!気を付けろ!コイツは前に話した闇のエージェントだ!!


光「え!?じゃあ、コイツがタロウの話してた!?」

タロウ「ああ。そしてヤツは……たしか悪質宇宙人、レギュラン星人!!」

光「あっ……悪質宇宙人!?そんな風に呼ばれてるの!?そんなに悪質なの!!?」

タロウ「ああ!凄まじく悪質な宇宙人だ!!」

光「そんなに悪質なのか……!」



ズウォーカァ「……あのガキの懐の人形……まさか、闇の皇帝が仰っていたウルトラマン!しかもタロウ!?」

ズウォーカァ「おのれぇぇぇぇっ!!なんということだ!まさかウルトラマンまでもが地球に残ってて邪魔をしにくるとは……!!」

ズウォーカァ「これでは私の立てた完璧な計画、名付けて“思春期の女の子を利用して怪獣化し街を壊させたり色々取り返しのつかないことさせてマイナスエネルギーがっぽがっぽ大作戦‼”が邪魔されてしまうではないか……!!」



タロウ「なっ……なんという悪質な計画を!!」

光「タロウ!!どうしようコイツすっごい悪質だよ!!!?」

タロウ「ああ!想像以上に悪質だ!おのれ悪質宇宙人レギュラン星人め!!」

ズウォーカァ「……んん?しかし……よく考えれば貴様……なぜ人形のままなのだ?」

タロウ「ギクッ」

ズウォーカァ「ん・ん・ん~???貴様まさか……その状態から戻れないのか?」

タロウ「ギクギクギクッ」

光「タロウ!どうしよう!バレてる!」

タロウ「あぁっ!光そんな大声で……!」

ズウォーカァ「遅いわぁっ!ギクギク言っとっただろ!!」

ズウォーカァ「フハハハハハハハ!ならば恐れることなんかない怖くないだったな!!」

ズウォーカァ「さぁ小娘!!早くそのダークダミースパークでダークライブをするのだ!!計画の邪魔は入らない!!」


裕美「……」


光「……裕美ちゃん?どうしたんだ?様子が……」

タロウ「ダメだ……私たちの声もさっきのやり取りも聞こえていない!闇の力に呑み込まれつつある……!」

光「アイツ……怪獣がなんとかって言ってたけど……裕美ちゃんに何させる気なんだ!?」

タロウ「さっきヤツが言ってたことが本当なら……あの人形とダークスパークを使って……彼女を怪獣にする気だ!!」

光「!!?」

裕美「……」

ググッ…


光「!! 裕美ちゃん!!ダメだ!」

タロウ「やめるんだ裕美!!」


ズウォーカァ「邪魔はさせるものかの助!怪光線!!」

バシュウッ

タロウ「危ない!避けろ光!」

光「えっ……うわっ!!?」ズルッ

バゴォッ

光「……いたた……滑った……!?」

パラパラ…

光「……っ!!壁が……っ」ゾッ


ズウォーカァ「ウワハハハハハビビったか地球人め!!」



光「……と…特撮なんかじゃない……ほ……本物の……」ゴクッ

タロウ「光!大丈夫か!?」

光「……っ!う……うん!大丈夫……大丈夫、だ!」

タロウ「……良かった!しかし……裕美が……!」

光「!!」



裕美「……」

スッ…

光「!?」

光「やめさせなきゃ……でも……どうしたら……!」

タロウ「このまま闇の力に呑まれたまま怪獣になれば……恐らく暴れだし、街を壊して大きな被害を生むだろう……!」

光「そ……そんな……裕美ちゃんに……裕美ちゃんが、そんなこと……!」




ズウォーカァ「さぁ!現れるぞ!!私の闇のエージェントとしての、最初の仕事で生まれた怪獣が!!」




タロウ「……間に合わない!」

光「……!裕美ちゃん……っ」







裕美「……」



カチッ

バシュゥゥッ



タロウ「――っ!!ダークスパークを使ってしまったか……!」

光「!!」


ゴ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ッ


光「――裕美ちゃん!!」

光「そんなのダメだ!!そんなのしちゃ……!裕美ちゃんのプロデューサーが…今すっごく心配してるんだぞ!今も裕美ちゃんを必死に探してるんだ!!」


光「怪獣なんかになったら……裕美ちゃんの家族も、友達も、事務所の皆も……裕美ちゃんのプロデューサーだって、皆がすごく哀しむんだぞ!!!?」

光「CuPさんは裕美ちゃんを探して、今も必死にここに来ようと走ってるんだ!!」






ピクッ

裕美「……」

裕美「……プロデューサー…?」


光「!!」

タロウ「!?」

光「裕美ちゃ……」






【ダークライブ】

【ホー】




カ ッ ッ ッ


タロウ「……!恐れていたことが……」

光「……!」















珠美「光ちゃーん!?光ちゃん、何処ですかー!?」

珠美「うぅっ……一人で走っていってしまうなんて……何かあったらどうするんですか!」

珠美「裕美ちゃん!光ちゃん!」

珠美「……うぅ……大丈夫……何かあっても大丈夫……珠美は竹刀持ってきましたし……もし怖い人達が出てきてもこれで……」


ズズゥーーーンッ

グラグラグラッ


珠美「ひあぁっ!?」ビビクーン!

珠美「なっ……なんですかこの揺れは!?」

ガラガシャァァァァァァァンッ


珠美「わわっ……この音……建物が何処か崩れたような……?」

珠美「こ……こっちですか……?」





光「……」


珠美「!」

珠美「ひ……光ちゃん!良かった無事で!危ないじゃないですか一人で飛び込むなんて……」

光「……」

珠美「……光ちゃん?」



珠美「……どうしたんですか?上の方を見つめて……」


珠美「……?」クルッ

ヌゥゥゥゥン…

珠美「……?」

珠美「……なんですか?この大きい脚のような柱は……というか、ここなんか風通しが……」

珠美「……ふぇ?」






《硫酸怪獣 ホー(SD)》

ホー『……』

ズゥゥゥゥゥゥン…





珠美「」

珠美「」


光「……ほ……本当に……本当に裕美ちゃんが怪獣になっちゃうなんて……」

タロウ「ああ、なんということだ……!」

光「……っ」



ホー『……』



光「……これが……これが本物の怪獣……こんなに大きいなんて……」

光「……?」ハッ

珠美「」

光「た……珠美ちゃん!いつの間にここに……」

珠美「」

光「もしかして全部見てt……珠美ちゃん?」

珠美「」

光「……」

光「……立ったまま気絶してる」

ズウォーカァ「ふ……フフフフフフやった!やったぞ!初めての任務で!見事にウルトラマンを出し抜き!怪獣を見事生み出してやった!!コイツが街で暴れればどれだけのマイナスエネルギーが生まれることか……」

ズウォーカァ「そして……そのマイナスエネルギーによって闇の皇帝は復活するのだ!!」

タロウ「おのれ……そんなこと許さんぞ!レギュラン星人!」

ズウォーカァ「ズウォーカァだ!馬ぁぁ鹿め!人形の貴様なんかに何ができる!」

タロウ「くっ……!」

光「……」

タロウ「光!?何をしているんだ!彼女(珠美)を連れて早くここから離れるんだ!!」

タロウ「とにかく今の裕美から離れろ!この近さは危険だ……!」

光「……タロウ」

タロウ「どうした光!?」




光「……裕美ちゃん……動かないよ?」

タロウ「!」

タロウ「……何……?」

ズウォーカァ「な……なんだとォ!?」ズガーンッ

ホー(裕美)の意識内



裕美(……アレ?私……私何してたんだっけ?)

裕美(ここ……どこだろう……?)

裕美(……?私……これ……空飛んでるのかな……なんだろう、街が遠くまで見渡せる……)




「うわぁぁぁぁぁっ!化け物だぁぁぁぁっ!」

「早く逃げろ!早く!」




裕美(……? 足元に沢山人がいる)

裕美(……工事現場の……作業員さん?……皆私の方を見て何か叫んでる……?)

裕美(……どうしたんだろう……なんだか怖がってるみたい……)

裕美(……?)

裕美(……え?これ……何だろう……?)




裕美(……ひょっとして……私の……足?)

裕美(何……何これ……)

裕美(……!)


クレーンで吊るされたガラス板


裕美(……)

裕美(……え?)



裕美(……このガラスに写ってるの……)

裕美(……私……?)

ズウォーカァ「おまえー!何をやっとるんだー!暴れろー!暴れんかー!!」プンスカッ


ホー『……』

ホー『……』ジロッ



光「……!」ビクッ

タロウ「……!」

光「……ひ……裕美ちゃん……?」

ホー『……』

裕美(ホー)「……え?足元にいるの……光ちゃん……?」

珠美「」キュゥ…

裕美(ホー)「……珠美ちゃんも……?」

光「……!」

光「裕美ちゃーーーん!」ブンブンブンッ

タロウ「!」

光「裕美ちゃん!アタシの声聞こえるか!?アタシの言ってることわかるか!?」


ホー『……!』

ホー『……ホォォォォ……!』


光「……!」

タロウ「……これは……!」

光「うん……間違いないよ!」

光「怪獣になってるけど……でも、心は裕美ちゃんのままなんだ!」



ズウォーカァ「……」

ズウォーカァ「えっ!!?」


マンション建設予定地前・道路



ブロロロロロロ…


CuP「……!あの辺だ!止めてくれ!」

CoP「わかった」←運転してる

PaP「しかしアレだな、全員で来る必要はなかったかもな」

愛梨「えっ!?そうだったんですか!?私……てっきり皆で追いかけるものなのかと……」

CoP「少なくとも愛梨くんは事務所に残っていた方が良かったかもな」

PaP「ここか……マンションの建設予定場所……工事中なのか」

CuP「裕美が心配だ!!とりあえず降ろしてくれ!早く!」バンバン

CoP「わかってるから落ち着け」タタクナ

愛梨「わーおっきなマンションですねー」

ガチャッ

バタタタンッ

PaP「珠ちゃんなんつってたっけ?敷地内かどっかから声聞こえたかなんかだっけ?」

CoP「ということは中か」

愛梨「わーおっきな生き物ですねーあれ」

CuP「不良とか不審者に襲われてたりしたら……」サー…

CoP「落ち着け。わかってる、こっちも珠美が心配だ」

愛梨「あれなんて動物なんですかねー?」

PaP「俺も光が心配だからな。行くぞ。愛梨は車に残ってくれ。なんかあったらちひろさんに連絡を」

愛梨「あの、PaPさん!あのおっきなのってなんなんですか!?」

PaP「はぁ!?あのね愛梨ちゃん、なんの話してるのかしんないけど今はよくわからないおっきなものの話なんかどうでも……」

PaP「い……」

CuP&CoP「……?」

CuP「……なぁ!急いでるんだ!急にボーッとして……」クルッ





マンションの横に立ってるホー




CuP「」

CoP「」

PaP「」

愛梨「あんなおっきな動物東京にいるんですねー」


ズウォーカァ「ば……馬鹿な……完全に心は闇に囚われていた筈だ!どうなってる!!?」


裕美(ホー)「わたし……わたしどうなっちゃったの……?なんで……なんでこんな姿に……?」

ホー『ホォォ……!』


タロウ「……!私にはわかる。彼女は今、戸惑っている。ただただ状況が飲み込めていないのだ」

光「!」

タロウ「一体何故……力に溺れてる様子も暴れる意思も見えない……何か……変身の時にイレギュラーがあったのか……?」

ズウォーカァ「ん?イレギュラン?」

光「裕美ちゃーーーん!!」

ホー『!』

光「タロウ、裕美ちゃんが何言ってるのか教えて!」

光「裕美ちゃん!大丈夫!?」

ホー『……!』

裕美「ひ……光ちゃん……私……どうしちゃったの……?なんで……なんでこんな姿に……?」

光「……!」

光「裕美ちゃん……裕美ちゃんは悪い宇宙人に騙されたんだ!それで……それで怪獣になっちゃったんだ!」

裕美「かい……じゅう……?何……宇宙人……?」

光「本当なんだ!裕美ちゃんは今、怪獣なんだ!」

裕美「……!そんな……」

ホー『……!』

ガラスに写ったホーの顔

ホー『……っ』

裕美「な……なんで……どうしてこんなことに……」

裕美「やだ……こんなの、やだよ……!」

光「……っ!」

タロウ「裕美!!」

裕美「!」

タロウ「初めまして、私は宇宙の平和を護るために戦う宇宙人の、ウルトラマンタロウだ!」

裕美「……うるとら、まん?」

タロウ「今はこんな姿だが……それでも君達の味方だ!」

光「あの、タロウはホントに味方なんだよ!裕美ちゃんのことも、助けようとしてくれたんだ!」

裕美「……!」

裕美「わたし……私、こんな姿やだ!元に戻りたいよ!」

タロウ「!」

光「裕美ちゃん……!」

裕美「確かに変わりたいって思ったことも……今の色んなものが嫌だって思ったりもしたけど……でも……こんなの望んでないよ!!」

裕美「私……どうしたらいいの……一生こんな姿なんてやだよ!こんなんじゃ、生きていけないよ!どうすればいいの!?」

タロウ「……!」

光「タロウ!何か方法はないの!?」

タロウ「……」

裕美「こんな……こんな姿……こんなにおっきな身体になって……やだよ……こんなのやだ……!」

タロウ「……あるにはある……だが……!」

裕美「!!」

光「あるの!?なら……」



ズウォーカァ「フハーーーッハッハッハッ!!ブワァーカめ!そんな都合よく物事がいくものか!!」

裕美「!」

光「あっアイツ!!」

タロウ「いつの間にマンションの屋上に……!」

ズウォーカァ「フッフッフ……オイ小娘ェ……確かに貴様が元に戻る方法がある……!そこにいるウルトラマンの力があればぬぁ!!」

裕美「……!」

ホー『……!』バッ

タロウ「……!」


ズウォーカァ「たぁだぁし!!それはソイツの人形化の呪いが解けていなければの話なのだァ!!」


光「!!」

タロウ「……!」

裕美「……え……」


ズウォーカァ「……そして、こんな事態になっても巨大化しない所から推察するに……貴様、さては変身できないな?」

タロウ「!!」

光「……変身?」

ズウォーカァ「せいぜい喋ったり多少動ける程度か……? なんにせよ小娘!!貴様を元に戻す方法はふたぁつ!!」

ズウォーカァ「……1つは倒されること……倒されれば……ライブは解ける」

裕美「……たおされる……? なに、それ……」

ズウォーカァ「まぁ攻撃を受けて一回粉粉に吹っ飛ぶとか爆発するとかだな」

裕美「――!?」ビクッ

光「!?」

ズウォーカァ「ふたぁつ!ウルトラマンには今の貴様のような奴を元に戻せる技がある……と聞く!」ペラッ←カンペ

裕美「……!」

ズウォーカァ「つまぁり!!結局のところお前はウルトラマンがいなければ元には戻れず!!永遠に一生そのまま永久永久(とわ)にその姿のままで生きていく運命なのだ!!!!」


裕美「……っ」

裕美「そんな……」

ズウォーカァ「ワッハッハッ 元に戻る方法を教えてやると同時に希望を詰んで絶望をプレゼント作戦、大成功だ!!」ゲラゲラ

裕美「……やだ……私そんなのやだよ!!元に戻してよ!!」

ズウォーカァ「無理に決まってんだろバーーーカ!!つーか出来ても絶対やらんし!」

ズウォーカァ「お前は一生そのままなんだよ!!人の立てた計画台無しにしやがって!!お前は残りの人生家にも帰れず学校にも行けず、アイドルもやれずに化け物としてそうやって一生を過ごすんだよ!!」


裕美「……っ!」

ホー『……』ジワッ


裕美「ひ……酷い……酷すぎるよ……なんで……なんで私がこんな目に……」ジワッ


ドクンッ


ズウォーカァ「おぉっ!ダークスパークに強力なマイナスエネルギーが溜まっているぞ……!フハハハハ結果オーライだ!」


裕美「酷いよ……なんで……どうして私なの……?なんで……」

ホー『……っ』


ボロッ←涙


ボタッ

ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ

裕美「!?」



光「うわっ!?……あの場所溶けてるの……?」

タロウ「くっ……その子を連れてすぐ離れろ光!!あの怪獣……どうやら涙が強力な硫酸になっている!!」

光「~~~っ!!……くそっ!珠美ちゃん!ホラ!しっかり!」

珠美「」キュゥ…

裕美「こんな……こんなの……泣きたいのに……涙も流せないなんて……」


ズウォーカァ「ワハハハハハ泣けーーー!もっと泣けーーー!!」


裕美「うぅ……お母さん……お母さぁぁぁん!うわぁぁぁぁぁっ!!」ボロボロ…

ホー『ホォォォォォォォォ……ッ!ホォォォォォ……ッ!』 ボロボロ…

ボタボタッ

ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ




光「……タロウ!なんとか裕美ちゃんを助ける方法はないの!?あんなの……あんなのってないよ!!」

珠美「」

タロウ「……っ!」

タロウ(何故……何故また私はこんなに無力なのだ……!!)

タロウ(こんな時……せめてヒカルがいてくれれば……! 何故……何故今再びこの地球でこんな悲劇が繰り返されているのだ!?)

タロウ(私がここにこうしているということは……君もいるんだろう……? ギンガ!)

タロウ(君は……今何処にいるのだ……!?)

タロウ「……一体何処に……!」



光「……!タロウ!アレ!」

タロウ「!」

珠美「」



瓦礫の下敷きになっている作業員

作業員「うぅ……」

光「!」

タロウ「いかん!助けなければ!」

珠美「」

光「ごめん、珠美ちゃん……!よいしょっと……ここにいて!」ドサァッ

珠美「」



光「ねぇ!おじさん!大丈夫!?」

作業員「うぅ……」

タロウ「気を失ってるようだ。幸い外傷は大したことはないな……足の瓦礫をどかそう」

光「わ……わかった……!」

光「ぐぅぅぅぅぅぅぅ……!」グググッ

光「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!」ググググッ…

シーン…

光「……っ」

タロウ「……!動かないか……ちょっと待て光、私の念力で浮かせられないか……」

光「……タロウ」

タロウ「……?」

光「アタシ……悔しい……悔しいよ……!」

タロウ「……光……」

光「なんにも……さっきだって今だって……なんにも出来なかった……!」

タロウ「光……君が気に病むことでは……」

光「アタシ……ヒーローになりたいって……TVで見た、誰かを助けられる、励ますことが出来るヒーローになりたいって……ずっとそう、思ってたんだよ……思ってきてたんだよ!」グググッ…

タロウ「……」

光「でも……なんにも出来ない!裕美ちゃんも助けられなかったし、この人だって、一人じゃ助けることも出来ない……!」ググッ…

光「こんな……瓦礫1つ動かせない……!」ググ…

タロウ「……光……」

光「……なんで?」

光「なんで!?なんでアイツは、アイツらはあんな酷いことをするの!?あんなの、まんまテレビの中の悪役じゃないか!!」

光「人を哀しませて、物を壊して、怪我もさせて……」

光「どうして……なんで!?裕美ちゃんは何も悪くないのに……こんな酷いことされていい筈がない!!!」

光「アイツらを、なんとか止める方法はないの!?」

タロウ「……!」

タロウ「……光……私も君と同じ気持ちだ」

タロウ「だが、だからこそ今出来ることをまずしなければいけない。まずはこの人を助けよう」

光「!」

光「……うん」






ズズゥゥゥゥゥン…

光「おじさん!おじさん!大丈夫!?」

作業員「……うぅ……?君は……」

光「良かった!目が覚めた!」

作業員「……そうか……俺、現場に落ちてたこの人形に気を取られて……そしたら瓦礫が飛んできて……よく助かったな……イテテ」

光「あ、無理しないで!この鉄骨、これで隙間が出来てたんだ!足のところだけ崩れた瓦礫が後でのし掛かってたみたいで、動けなくなってたけど」

光「……?ん?人形?」

タロウ「……!それは……その人形は……!」




PaP「こっちだ!こっちから光の声がした!オーーーイ!光ーーー!!」

CuP「気を付けて!この辺、瓦礫が沢山ある」

CoP「珠美くん!君もいるなら返事しろ!!」




光「……! この声……プロデューサーだ!!」

珠美「」

珠美「ふぇ……?プロデューサー……?」パチッ…

珠美「ハッ!CoP殿!」ガバッ

光「珠美ちゃん!復活した!?」


PaP「光ーーー!おぉ!無事だったか!!」

CoP「珠美くん!良かった!心配したぞ!」

CuP「……!」

CuP(裕美……裕美は……!?)キョロキョロ


愛梨「……アレ?大変ですPaPさん!知らないおじさんが一緒です!怪我してますよ!」

作業員「うぅ……」

PaP「おぉ…マジだ……怪我してるのは足だけか?おっさん、大丈夫か?他に痛むところは?」

作業員「あ、あぁ……大丈夫だ。痛っ……!……瓦礫の下敷きになったんだが…そこの子に助けてもらったんだ。命拾いしたよ、本当にありがとう」

光「……!」

PaP「……」



CoP「……」チラッ

ガララッ…←瓦礫

CoP(……これを光くんが……?)

CuP「光ちゃん!裕美は……裕美は一緒じゃないのかい?何処にいるかわからないかな!?」

光「……っ」

光(どうしようタロウ……本当のことを言うべきなの……?)

CuP「……光ちゃん?」

タロウ「……っ」


珠美「ぶぇぇぇぇぇぇっ……C…CoP殿ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」ガバッ

CoP「よしよし。無事で良かったぞ珠美くん」ナデナデ

愛梨「おじさん……立てそうですか?大丈夫?」

作業員「いてて……いや、自力で立つのはこりゃ無理っぽいな……」

珠美「CoP殿ぉぉぉぉぉぉぉぉっ!た…珠美は……珠美は恐ろしい夢を見ました!」グスッ ヒック…

PaP「おっさん無理すんな。俺らの車があっちにあるからそこまで運ぶよ。よし、応急処置終わりっと」ギュッ

作業員「痛つつ……あぁ…ありがとう……なんとお礼を言ったら良いのか……」

愛梨「いいえー!困ったときはお互い様ですよー!」

作業員「……ん?君ら何処かで見たことがあるような……」


珠美「お……鬼のように恐ろしい形相をした山のように巨大な生き物が……怪獣が珠美を食べようと目の前にデデーンと……」

CoP「……」チラッ

珠美「もう……もう珠美はそのままひとくちでペロリと食べられるんじゃないかと……」

珠美「……CoP殿?」

珠美「……」

珠美「……」クルッ



ホー『ホ ォ ォ ォ ォ ッ …… ! ! ホ ォ ォ ォ ォ ッ …… ! !』ボロボロ

ジュゥゥゥゥッ ジュゥゥゥゥゥゥッ



珠美「」

CoP「……」

CoP「! ……珠美くん?」フリフリ

珠美「」

CoP「……気絶してるな……」

CuP「……光ちゃん、裕美は……あのあと裕美は見つかったのかい?それとも……見つからないままだった……?」

光「それは……」 グッ…

CuP「……!」

CuP「……もしかして……裕美に何か……?」サァー…

光「!」

CuP「……っ!裕美!裕美は何処に…まさか……あの崩れたマンションの中に……!?」ガバッ

CoP「! オイ!待て!落ち着け!あのデカイのが側にいるんだぞ!」

愛梨「あの大きいの……顔は怖いのに哀しそうな顔でずっと泣いてますね……なんだか可哀想……」

作業員「……痛っ……そうかい?泣いちゃいるが怒ってるみたいなツラしてるが……それよりお嬢ちゃん達どっかで見たような……」

CuP「頼む!離してくれ!もし……もし裕美に何かあったら……!!」ジタバタ

PaP「待てってば!今あそこ向かったらお前になんかあるだろーが!!落ち着けっつの!!」

CuP「逆の立場ならお前は落ち着けるのかよ!!?」

PaP「!!」

CoP「……っ」

光「……!」


光(もう……言うしかない!)

タロウ(……そうだな)

光「あ……あの!CuPさん!」

CuP「……?」

光「……っ」

光「信じてもらえないかもしれないけど……実は……実はあの大きな生き物……あの怪獣は……」

愛梨「……そういえばアレなんの動物なんですかね?耳が長いから……うさぎさんの仲間なのかな?」

PaP「愛梨ちゃんごめんね、ちょっとだけお口チャックしてて」

愛梨「 (・×・) 」



裕美(ホー)「……私……もう……戻れないの……?」

裕美(ホー)「……?」

裕美(ホー)「……あれ……ひょっとして……プロデューサー……?」

裕美(ホー)「プロデューサー……」

裕美(ホー)「……っ……ウッ…」グスッ



ホー『ホォォォォォォォッ!! ホォォォォォォォッ!!』ボロボロ…




CuP「光ちゃん、怪獣って…怪獣ってあの……?」

ホー『ホォォォォォォォッ!!』ボロボロ…

CuP「……」





愛梨『あの怪獣……顔は怖いのに哀しそうな顔でずっと泣いてますね……なんだか可哀想……』





CuP「……」


光「実は……実はあの怪獣が」

CuP「……裕美?」

光「裕美ちゃ……え?」

光「……CuPさん……わかるの?」

CuP「……裕美!」ダッ

光「あっ!?」

PaP「あっ!?おいどうしたお前!」

CoP「裕美くんが見つかったのか……?」

愛梨「おじさん大丈夫ですか?たてます?」

作業員「うぅ……すまない……?アレ!?君アイドルの十時愛梨ちゃん!?」

愛梨「あ、そうです!私、アイドルの十時愛梨です!!」

PaP「……ってちょっと待て!アイツあのデカイのの方に走ってってんぞ!?」

CoP「なんだと!?」

PaP「何考えてんだよアイツ!?追いかけるぞ!」

ガシッ

光「ねぇ!聞いてよプロデューサー!!あの大きいの……あの怪獣、あれは裕美ちゃんなんだ!!」

PaP「悪い光!ちょっと離してくれ!あの馬鹿止めねぇと死んじま……」






PaP「……う?」

CoP「……何?」

珠美「」チーン…



作業員「えっ本物!?ほんとに本物!?シンデレラガールの十時愛梨ちゃん!? ぁ痛っ!あだだだだだっ……」

愛梨「あ、そうです!初代シンデレラガールの十時愛梨です!」

作業員「うわっマジで!?なんでこんな所に!?」

愛梨「えへ♪」キラーン

作業員「っ!」キュンッ

PaP「……待て……光、何言ってんだ?お前……」

CoP「……」

光「信じてプロデューサー!裕美ちゃんは悪い宇宙人に利用されて、あんな姿になっちゃったんだ!アタシの目の前で!!」

PaP「悪い宇宙人って……えぇ?」

CoP「……光くん」

光「ホントなんだ!信じてよ!」

PaP「……お前……一体何言って……」

光「ーーーっ!!」

PaP「……っ」



タロウ「その子の言うことは全て真実だ」



PaP「んなっ!?」

CoP「……!?今の声……そこの人形から……?」

ヒューッ

スタッ

タロウ「初めまして……私はウルトラマンタロウ。全ての銀河を護る為に戦うウルトラ警備隊の隊員だ」

PaP「なんなんだ……」

CoP「……晶葉くんの造った玩具か……?」

タロウ「いや、確かに今の私はただの人形にしか見えないだろうがそれは違う。何らかの邪悪な意思によってこの姿に変えられてしまったのだ」

PaP「……」

CoP「……」

タロウ「光に聞いたが、この地球には怪獣という存在は今まで確認されていないのだろう?ならば今、あそこで涙を流している生き物こそが私たちの言うことの証明にならないだろうか?」

PaP「……っ!」

CoP「……」



ホー『ホォォォォォォォォッ……ホォォォォォォォォッ……!』ボロボロ…



CoP「……それが仮に本当の話だったとして……」

光「!」

タロウ「!」

CoP「何故、ウチの裕美くんがあんな姿になってるんだ?」

タロウ「……あのマンションの屋上を見てくれ」

CoP「……?」

PaP「屋上……?」


ズウォーカァ「ムハハハハハッ!すごいマイナスエネルギーだ!それこそ怪獣一匹は作れそうなほどに!!」








PaP「……?なんだあのと●がりコーンみたいな変な生き物……」

タロウ「……奴は悪質宇宙人レギュラン星人……恐らく私をこの姿にした者の部下だ。何か目的があって地球人のマイナスエネルギーを集めているんだろう」

PaP「悪質宇宙人!?ツッコむところかソレ!?」

CoP「……マイナスエネルギー?」

タロウ「負の感情を元にした文字通りマイナスのエネルギーだ。時に悪しき者の力の源となり場合によっては怪獣すら産み出すと言われている」

CoP「……」

PaP「……っ!ああああああああああ混乱してきた!訳わかんねぇよ!結局なんなんだ!なんでそんなウチの事務所の娘が巻き込まれてるんだ!?」

タロウ「……わからない。たまたまなのか狙ったのか……だがあの裕美という少女が中学生だったことは狙われた理由の1つだと私は思う」

タロウ「かつて私の仲間の戦士に中学生頃の少年少女という多感な時期にマイナスエネルギーが発生しやすいという考えてそれを防ごうと戦った者がいる。恐らく敵が彼女に目をつけた理由にはそれもあるだろう」

CoP「……」

タロウ「恐らく奴は今怪獣にされたあの子から出てくるマイナスエネルギーを集めているんだ。奴の力が増せばいずれ彼女を操って暴れさせ、町を破壊させ、さらにマイナスエネルギーを得ようとするだろう」

CoP「!?」

PaP「……!暴れさせって……」

PaP「!! やべぇ!CuPの馬鹿を止めねぇと!!」

ホー『ホォォォォォォォォッ……ホォォォォォォォォッ……』

裕美(ホー)「うぅ……私……もう……こんな姿……」


ズウォーカァ「おぉ……良い感じだ……良い感じだぞ!!」ズズズズズズ…

ズウォーカァ(これならはそろさろ暴れさせても……)




「……裕美……?」




裕美(ホー)「……え?」

ズウォーカァ「……ん?」

裕美(ホー)「今の……声……」






CuP「ハァ…ハァ…!」グッ



CuP「……裕美、だよな?」

裕美(ホー)「……えっ……?」

裕美(ホー)「プロデューサーさん……なんで……わかっ…て……?」


ホー『……』



CuP(……反応して……泣き止んで黙ってこっちを見てる……)

CuP(睨んでるみたいだけど……多分、違う……)


CuP「……俺もなんでそう思ったかわかんないけど……裕美なんだろ?」


裕美(ホー)「……プロデューサーさん……」

裕美(ホー)「……わかるの?」


CuP「……っ!裕美なんだろ!?」


裕美(ホー)「こんな姿なのに……?」


CuP「……裕美?」


裕美(ホー)「……うぅ……っ」ジワッ

ホー『……っ』ジワッ


ポロッ


ジュゥゥゥゥゥゥッッッ…



CuP「うわっ!?あぶなっ!?」


裕美(ホー)「!!? あっ……」バッ

ホー『……っ!』バッ



CuP「……っ!」

CuP「今……俺を気にして離れた……? ……っ!やっぱり、やっぱりお前は裕美なんだよな!?」

裕美(ホー)「……っ」



ホー『……』コクッ


CuP「……っ!!」

CuP「……裕美……!」

裕美(ホー)「プロデューサー……!」



ズウォーカァ「……」

ズウォーカァ「えぇい!!なんだ、この流れは!どうなっとるのだ!?っていうかホントになんだ!!?なんであの怪獣の中身に気付くんだ!?あの地球人にはわかるというのか!?」



裕美(ホー)「プロデューサー……なんでで……なんで私がわかるの……?」

ホー『……っ』

CuP「……わかるよ。だって、お前のプロデューサーだもん」

裕美(ホー)「……っ」

CuP「……」

CuP「当たり前だろ?」




ズウォーカァ「……プロデューサーってスゴい」

ズウォーカァ「って納得できるかァ!!」

ズウォーカァ「マイナスエネルギーも止まってしまった……!おのれあの地球人め……!!」






PaP「……とにかく色々言いたい事あるけどな!今は一回こっから離れるぞ!」

PaP「俺はCuPをとにかく一旦ひっぱり戻す!CoPと愛梨はそのオッサン車まで頼む!」

光「……っ!プロデューサー!アタシに出来ること……」

PaP「ありません!珠ちゃん担いでお前も車までいけ!俺がアイツ連れてくから!」

光「……っ」

タロウ「……光。彼の言うことが正しい。我々に出来ることは今、何もない」

光「……でも……裕美ちゃんはアタシの目の前で……」

PaP「関係ない!」

光「!」ビクッ

PaP「光、いいか!?今俺はハッキリ言って状況飲み込めてない!全くだ!けどな、危ないって事だけはわかってる!俺も!CoPもだ!!」

CoP「……」

光「……っ!」

PaP「とにかく冷静に考えろ!出来ることあるかってお前に何が出来る!?出来ねぇだろ!? ない!ありません!!そもそも、アイドルを危ない所にやれるわけないでしょ!!」

光「……!でも……」

PaP「……!」


PaP「……お前今、ひょっとして本当に目の前に正義の宇宙人(自称)や悪い宇宙人(他称)や怪獣が出たからってのぼせてんじゃないのか?」

光「……え?」

PaP「……お前はただのヒーローアイドルだ!ヒーローじゃねぇ!これは遊びでも、ましてや仕事でもねぇ!本当に危ないことはさせない!!どのみち、出来ることなんかねぇし、邪魔なだけだ!!」

光「!」

PaP「……っ」

CoP「……」

PaP「……悪い、光のこと頼むわ」

CoP「……ああ」

光「……」

PaP「行ってくるわ。あと愛梨とオッサンの事も頼む」

ダッ

光「……」

CoP「……光くん、ウチの珠美を頼む」

光「……」

タロウ「……光」

CoP「……俺と愛梨くんが怪我人を運ぶ。そうなると気絶した珠美くんは運べない」

CoP「……助けてくれ、頼む」

光「……はい」

CoP「……」





作業員「あの、ゴメン!写メもう一枚!あと一枚だけだから!」

愛梨「え~?もぉ~っ!あと一枚だけですよ~?えへっ☆」

作業員「」キュンッ

CoP「俺が左側の肩を貸すから愛梨くんは反対側を頼む」

愛梨「あ、はい!わかりました!」

愛梨「えいっ!」フニッ

作業員「っ!!?」ドキーーーンッ

CoP「……」

CoP「……言っとくが……どさくさに紛れてウチの商品にセクハラでもしたら……」ボソッ

作業員「えっ!?いやいやそんなとんでもない!俺妻も娘もいてあだだだだだだだ足痛い足っ!!?」

CoP「……急いで運ぼう。光くんは、大丈夫か?」

光「……っ」ググッ

光「……なんとかっ」プルプル…

珠美「」


CoP(……体格に差がないのにおぶって歩けるのか……鍛えてるな……)


タロウ「……大丈夫か?光」

光「……うんっ……!」プルプル…

>>1です。スレ残していただいてたみたいで、読んでくださってた方たちには本当に感謝です……。こんな風になってしまい申し訳ないです
とにかく完結まで続き書きます。残しててくれて本当にありがとうございますm(__)m

CuP「裕美!帰ろう……!事務所に……大丈夫だから」

裕美(ホー)「……!」

裕美(ホー)「 無理だよ……だって……こんな……こんな大きな身体になっちゃって……」

裕美(ホー)「それに……涙が……涙が止まらない……っ」

ポタポタッ (酸の涙)

ジュゥゥゥゥゥゥッ…

裕美(ホー)「こんな……こんな姿になっちゃって……涙が止まらなくて……でも泣いてるだけで……ヒック……皆、皆傷つけちゃうよ……グスッ……もう……こんなの……家にも……事務所にも……何処にも帰れないよぉ……っ」

ホー『ホォォォォ…ホォォォォ……!』



CuP「大丈夫だ!」



裕美(ホー)「!」

CuP「大丈夫だよ!!きっと元に戻れる!戻れなくても、俺が何とかするから!!」

裕美(ホー)「……っ!」

ホー『……っ!』

CuP「大丈夫だよ!!絶対大丈夫だ!こんなワケわかんないことがあっさり起きたんだ!きっとあっさり戻れるよ!
それに……ウチには晶葉も志希もいる!志希なんか……元に戻れる不思議な薬とか、そういうの作れたっておかしくないじゃないか!」

裕美「……プロデューサー」

CuP「身体が大きいからなんだ!俺がなんとかするよ!
最悪、桃華や琴歌に土下座でもなんでもして……どっか広い場所を借りるよ!!お前の居場所なんか、いくらでも用意するから!!」

裕美(ホー)「……なんで……プロデューサー……私のこと……見捨てないの?」

裕美(ホー)「嫌なことあって……アイドルとしても、自信持てなくなっちゃって……こんな変なことにまでなっちゃったのに……」

CuP「だから、帰ろう裕美!!大丈夫!泣く必要なんかないよ!!」

裕美(ホー)「……っ!」

CuP「……どんな姿になっても……何があっても、泣かないでくれよ裕美。俺がなんとかするからさ……お前にも皆にも……ウチのアイドルには、俺はずっと笑ってて欲しいんだよ……!」

裕美(ホー)「……プロデューサー……」



ホー『……』

ホー『……!』


裕美(ホー)「あっ……!涙が……」



CuP「……!止まった……!」

ホー『……!』


PaP「オイ!お前大丈夫かよ!」

CuP「! PaP……!」

PaP「お前俺が危ねぇっつってんだから少しは聞けよ!光といいお前といい危なっかしい連中ばっかかウチの事務所は!」

CuP「……ごめん。頭が真っ白だった」

PaP「……はぁ……他の連中は車の方向かわせてるよ。怪我人いるしな。……で、だ」チラッ


ホー『……』


PaP「……この……なんつーんだ?怪獣?……マジで裕美ちゃんなのか?」

CuP「……ああ。間違いないよ」

PaP「マジかよ……えぇ……?意味わかんねぇよ……なんっだこれ……」ハァ…

CuP「……」

PaP「……どうすりゃ良いんだこれ」

CuP「……わからないけど、ここじゃ目立つよ。まずはどっかに移動しないと」

PaP「移動っつったってお前……何処に行こうが目立つに決まってんだろ。どうすんだこんな大きさ……」

CuP「……でも、なんとかしなきゃ。もしテレビや映画のみたいに本当に自衛隊が出てきて、攻撃とかまでしてきたら危ないし……」

PaP「ちょっ自衛隊って……洒落になんねぇぞオイ……こういう時って撃ってくんのか?……クソッ!頭追い付かねぇよ俺……!」

CuP「俺だって追い付いてる訳じゃないよ……」

裕美(ホー)「……っ」

CuP「でも裕美だってわかった以上どうしようもないだろ。なんとかしないと」

PaP「……まぁ、そうだな。そうだ。確かにお前の言う通りだ、うん。……俺でも自分のアイドルがこんななったら多分そうする。うん。……じゃあ、こっからどうすっかだな」

CuP「うん」

CuP「……なぁ、裕美」

ホー『!』


CuP「俺やPaPみたいにCoPもきっと同じこと言うと思う。多分ちひろさんも……何があっても俺達はお前を見棄てないから」


ホー『……っ!』


CuP「だから、泣くのはやめよう?な?」

CuP「どんな姿でも……泣いてる裕美なんか俺は見たくないよ」

ホー『……』

裕美(ホー)「……プロデューサー……」

CuP「アイドルなんだから……お仕事以外で泣いちゃダメだよ。裕美は笑ってなきゃ、な?」

裕美(ホー)「……っ」




PaP「……」

※酸の涙で溶けた地面

PaP「……確かに泣いちゃダメだな。色んな意味で」ボソッ






マンション敷地外

CoP「……よし、皆車に乗ったな」

作業員「いてて……」

愛梨「大丈夫ですか~?」

CoP「社用車がでかいって素晴らしいな」

光「待って!プロデューサー達はどうするの?」

CoP「……」

CoP「そちらの……タロウ氏の話が本当であの怪獣が裕美くんならCuPがいる限り少なくとも混乱して暴れるようなことは、もうしないだろう」

タロウ「……!確かに大人しくなっているようだ……彼の言葉が届いているのか……」

CoP「アイツは一言余計で嘘みたいに冗談が下手だが裕美くんと……自分のアイドル達と安い信頼関係しか築けないような付き合い方はしていないからな」

愛梨「あ、でもそれだと私達のプロデューサーもそうだと思います!」

光「……」

CoP「そうだな」

タロウ「……驚いたな。裕美くんが意識を闇に呑まれていなかったとはいえあんなに……君達は本当に心が強く繋がっているのだな」

CoP「ウチは……少し特殊なアイドル事務所だからな」

タロウ「?」

CoP「……天才科学者や自称宇宙人もいれば世界レベルまでいる。極めつけは本物のサンタの多種多様っぷりだ。アイドルが変わり者ばかりだからプロデューサーも変わってるんだ。常にアイドルのことばかり考えてるアイドル馬鹿だらけさ」

タロウ「……」

CoP「変人の集まりなんだよ」

CoP「しかし……裕美くんの身体、実際どうしたものか……」

光「……『事務所で飼ってる新種のウサギが志希さんの作ったクスリで巨大化した』とか言えば誤魔化せないかな?」

愛梨「あれ耳尖ってますよね。やっぱりウサギさんなんですかね?」

CoP「……仮にそれで誤魔化せたとしても政府や他所の国から結局調査団が派遣されそうだな。いや、調査してもらった方が良いのか?」

光「ねぇ!タロウ!前はどうやって戻してたって言ってたっけ!?」

タロウ「前は私にこの星で出来た友人達が力を貸してくれたのだ。彼等が同じく人形の力で怪獣やウルトラマンに変身し戦って倒すことで元に戻したんだ」

CoP「!?」

光「えっ!?タロウ達にも変身出来る!?それホント……」

CoP「オイちょっと待ってくれ」

愛梨「やっつけちゃうんですか?それだと裕美ちゃん怪我しちゃうんじゃ……」

光「! あっ……」

タロウ「……変身したのがウルトラマンなら……ウルトラマンによっては戦意のない相手を無傷で元に戻す光線を使う者もいるんだが……基本はそうなる」

CoP「ふざけるなよ……あの変態トンガリ宇宙人よくもそんな事にウチのアイドルを巻き込んで……」

作業員「……人形?そういえば人形で思い出したけど……痛て……これ、現場に落ちてた奴が……」

光「! そうだ!あった!タロウ以外のウルトラマンの人形!!」

タロウ「……このウルトラマンは……?」

光「……知り合い?」

タロウ「……いや、見たことの無い姿のウルトラマンだ」

光「……そっか。タロウみたいに喋らないんだね」

CoP「……死んでるのか?」

光「えっ!?」

愛梨「おねむなんですかね?」

タロウ「いや、人形になると普通はこうなるのだ。私は何故か意思が消えなかった。前回は仲間や家族が人形化から庇ってくれた事で自我が残っていたのだが……今回は何故……」

CoP「……記憶がないのか?」

タロウ「……すまない」

光「ねぇ!どうやったらウルトラマンに変身できるの!?」

タロウ「……光?」

光「ウルトラマンによっては傷つけず元に戻せるって言ってたよね?このウルトラマン、それが出来るかもしれない!」

CoP「……なるほど。上手くいけば裕美くんを元に戻せる、と」

愛梨「でも変身できてもあんまり可愛くないですよ?それにあんまりおっきくなると恥ずかしいかも」

タロウ「えっ」

光「そうか?アタシはこのウルトラマンもタロウもカッコいいと思うけど」

タロウ「光……!」

CoP「なんとかするなら裕美くんが落ち着いてる今なのかもしれないな。タロウ氏、どうやったら裕美くんのように変身できる?」

タロウ「……」

タロウ「ウルトラマンギンガ、というウルトラマンがいる。この人形化に唯一対抗できる、未来から来たウルトラマンだ」

光「ウルトラマン……ギンガ……」

愛梨「こっちはタロウで普通なのにそっちはなんだかカッコいい名前ですね」

タロウ「」

CoP「愛梨くん。少しお口チャックマンで頼む」

愛梨「(・×・` )」

タロウ「ギンガは……人の心の輝き、闇の力とは反対の光の心、誰かを想う強い善の心を持つ者の元に現れ力を貸してくれる」

CoP「……正しき者に力を貸す、みたいな話か。まるで神様か何かだな」

タロウ「我々ウルトラマンは神では無い。救えない者も入れば間に合わない事もある。だからこそ我々も助けが必要なのだ」

光「そのギンガは何処にいるの!?どうすれば会える!?」

タロウ「……わからない。彼が今何処で何をしてるのか……」

CoP「……」

光「そんな……」

PaP「今スマホで検索してるけど……この大きさじゃ海向かうにしても山向かうにしても道路の電線にひっかかったりどうしても町が壊れるし目立ってしゃーないぞ」

CuP「使われてない採掘所とか近くにないかな?」

PaP「なんでそんなピンポイント?」

ホー『……』

CuP「大丈夫、大丈夫だぞ裕美」

ホー『……』コクッ

CuP「……」ニコッ



「なぁぁぁぁにが大丈夫なものか!!邪魔ばっかりしおってこの地球人どもめェェェェェェッ!!」



CuP「!」

ホー『!』


ズウォーカァ「マイナスエネルギーが完全に止まってしまったわ!なんなんだ貴様ら!何普通に受け入れてんだ!?ビックリして思わず止まってたわ!!」

裕美(ホー)「……!アイツ……!」

ズウォーカァ「普通こんな怪獣に身内が突然なってしまったらとても簡単には受け止められないものではないのか!?
そっからこう……もっと『どうして私がわからないの!?(裏声)』とか、そんな心のすれ違いがあってだな……それで新しいマイナスエネルギーが生まれるとか、そんなんがセオリーだろう!?」

CuP「……」

ズウォーカァ「貴様らホントに人間か!?頭のネジでも飛んどるのかあぁん!?」

ブチッ

PaP「うるせぇぇぇぇトンガリ!!こっちだって頭ハゲそうなぐらいホントはイッパイイッパイなんだよ!今どうすっか真面目に悩んでんだから空気読め!黙ってろボケ!!」

ズウォーカァ「!!?」

PaP「誰がハゲだ!!ぶっ殺すぞカス!!」

ズウォーカァ「!!!?」

ズウォーカァ「おのれ……なんと凶悪な地球人どもめ……!」

CuP「……」

PaP「フサフサだっつーの。今世紀一番のフサフサだっつーの」

ズウォーカァ「この私を甘く見おって……許さんからな……今に見てろここをこうしてこうやって……」

CuP「……」

CuP「なぁ裕美」

ホー『!』

CuP「……ソイツのせいでそんな姿になったんだよな」

ホー『……』コクッ

ズウォーカァ「……?」

CuP「……」


CuP「ソイツを捕まえれば元に戻れるんじゃないか?

ズウォーカァ「!!!?」


ホー『……』





ホー『……』ジロッ


ズウォーカァ「」ビクゥッ

ホー『……』ジーッ…

ズウォーカァ「……っ!!」

ズウォーカァ「ま……待て!来るな!!」

ホー『……』

PaP「プチッといっちまったらどうすんだ?」

CuP「……まぁ宇宙人らしいし、ちょっとぐらいプチッとなっても多分大丈夫だろ」

ズウォーカァ「待て!大丈夫なわけあるか!!貴様らは宇宙人をなんだと思ってるんだ!?宇宙人だってな、生きてるんだぞ!?」

CuP「そういうのいいから。宇宙人が人権主張したかったら可愛い永遠の17歳になってから出直してきてよ」

ズウォーカァ「なんだそのピンポイントは!?……はっ!?」

ホー『……』ジーッ

ズウォーカァ「く……来るな!!来るなぁぁぁぁっ!!そうだ!見ろこれを!はぁっ!!」

【手から光弾攻撃!】

バシュウッ

ドゴォッ! (※壁)

ズウォーカァ「見ろ!マンションの壁に穴を空けるこの威力!私に手を出そうものならばただではすまさんぞ!!」

ホー『……』

ヒョイッ (※瓦礫)

ズウォーカァ「……?」

ホー『……!』

【ただの握力!】グッ

バゴォォォォンッ

パラパラ…

ズウォーカァ「」

PaP「うわ」

CuP「すごいな裕美」

PaP「裕美ちゃん怒るとこえーな」

CuP「そうかな?」


ズウォーカァ「」ガクガクブルブル

ホー『……』

CuP「裕美!そのままソイツ捕まえちゃえ!!」

ホー『!』コクッ



ゴォォォォォォォ…(※ホーの手)



ズウォーカァ「いっ……」

ズウォーカァ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」


珠美「……うーん…た…珠美は白玉ぜんざいの味はしないです……た…食べないでぇ……」ムニャムニャ…


CoP「……」

光「……」

愛梨「可愛い寝顔ですね~赤ちゃんみたい」

作業員「娘が小学生だった時を思い出すねぇ……」

愛梨「珠美ちゃんは和み系ですね~」

CoP「……」

愛梨「それに、なんだか美味しそうな夢見てますね」

CoP「……というより、美味しくいただかれそうな夢を見ているな」

光「……ねぇ、CoPさん!アタシやっぱりプロデューサー達の所に行ってくる!」

CoP「……!ダメだ、許可できない。心配なのはわかるが君を危険に晒したら俺がアイツに殺される」

光「裕美ちゃんなら大丈夫でしょ!?皆を傷つけたりしないよ!」

CoP「……!」

CoP「しかし……」

タロウ「……私も共に行こう。こんな姿だがウルトラ念力が私にはまだある。君達を離れさせることにばかり気を取られていたが……あそこにはレギュランもいる。そもそも彼等だけを行かせたのは間違いだった。すまない」

CoP「……なら俺が」

光「運転できるのはCoPさんだけだし、何かあったとき怪我人も車にいるから……CoPさんはここにいないとダメだと思うんだ」

CoP「……」

光「大丈夫、タロウも来てくれるって言ってるしそれに……」


ズズゥゥゥゥゥゥンッ


光&CoP「!?」

タロウ「なっ……これは……!?」

ズズゥゥゥゥゥゥン…


光「タロウ!これって……!?」

タロウ「まさか……レギュランめ……!」



「巨大化したのか!?」






PaP「はっ……!!?」

CuP「なっ……!?」

ホー『!!?』


ズウォーカァ(巨大化)『……』

ズウォーカァ『……フッフッフ……フハーッハッハッハ!すっかり忘れていたわ!我らレギュラン星人は普通に巨大化ができるのだ!!ビビらせおって!このまま逆襲してくれるわスゴい恐かったぞ!!』



PaP「なっ……オイマジかよ……でかくなった……」

CuP「……」

ホー『……ッ!』

光「……嘘……」

タロウ「おのれ……折角裕美が止まりそうだったのに……奴め実力行使に出る気か……!」

光「えっ……実力行使って……」






ズウォーカァ『……さぁて』ギロッ

ホー『!!』ビクッ

ズウォーカァ『フンッ!』

ドゴォッ

ホー『!?』


CuP「裕美!?」

PaP「裕美ちゃん!?」


ホー『ォォォ…』グラッ

ドシィィィィィィンッ


PaP「うわっ…」グラグラ

CuP「……っ!!」

CuP「裕美……裕美ィィィィッ!?」


ホー『ォォォ…』

裕美(ホー)「……っ」

裕美(ホー)「い……痛い……痛いよぉ……っ」グスッ

ホー『ォォォォォォ…』ボロッ

ジュゥゥゥゥッ

CuP「……っ!裕美……」

裕美(ホー)「痛い……痛いよぉ……っ」ボロボロ

裕美(ホー)「なん、なんで……なんで私がこんな目に……っ」グスッ

裕美(ホー)「ぅう……お母さん……っ痛いよ……痛いよぉ……っ」ヒック…グスッ

ホー『ホォォォォ…ホォォォォォォォ…』ボロッ…

グスッ…ボロボロ…

ジュゥゥゥゥッ ジュゥゥゥゥッッ


CuP「――ッッ!!」

CuP「……ッッ!! テ メ ェ ェ ェ ェ ェ ッ ! ! よくも俺の裕美を殴りやがったな ! ? 許さねぇ!!殺してやる ! ! 」ガバッ

PaP「!!」

PaP「馬鹿!落ち着け!!」ガシィッ

CuP「離せェェェ!糞ォッ!!」

PaP「離せっつったってどうする気だよあんなデカイ奴に!?」



ズウォーカァ『ンン……?』ギロッ



PaP「!!」

CuP「――ッ!!」フーッ…フーッ…

ズウォーカァ『……さっきのは聞こえていたぞ地球人め……ンン~?誰をどうするだってェ……?』

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…


PaP「……ッ!ヤベェ……!」

CuP「テメーに決まってんだろオクラ野郎!!」

PaP「!?」

ズウォーカァ『なっ……!?』

CuP「俺のアイドルを殴りやがって……よくも裕美を泣かせやがったな……!!」

CuP「宇宙人だかなんだか知らねぇけどなぁ!!アイドルに手ェ出して芸能事務所が黙ってると思ってんじゃねぇぞ!!悪趣味な色しやがって……この変態とんがりコーン野郎!!」

ズウォーカァ『……へ……変態とんがり……!!』プルプル

PaP「おま……ちょっ」

CuP「」ハッ

ズウォーカァ『……あ……悪趣味な色だと……!?』プルプル…

ブチッ

PaP「……嫌な予感が……!」

CuP「……ッ!」





ズウォーカァ『ひ……人の……』

ズウォーカァ『……人の身体的特徴を悪く言うとかなぁ……最低なんだぞォォォォ!!』

ゴォォッ


PaP&CuP「「!!?」」

裕美(ホー)「うぅ……グスッ……」

裕美(ホー)「……?」 ピクッ

裕美(ホー)「えっ……」




ゴォォッ……


PaP「やばっ……」

CuP「……!」


ズウォーカァ『元はと言えばお前のせいで私の完璧なマイナスエネルギー収集計画が狂ったのだ……!』

グォォ… ←足

ズウォーカァ『余計なことばかりしてくれおって地球人め……!』


PaP「足を振り上げて……お……オイオイ…ははっ……まさか、な……?」

CuP「……ッ」



ズウォーカァ『お前らなんぞ……』

ゴォォッ…

ズウォーカァ『お前らなんぞ……』

ズウォーカァ『プチッと踏み潰してやるわァァァァァァァッ!!この虫けらどもがァァァァァァァッ!!』


ゴォォッ

光「アイツ……!アイツ……裕美ちゃんを殴った!アイツが!!」

タロウ「おのれレギュラン……!許せん……!」

CoP「……オイ……ちょっと待て……オイ!まさかアイツら……!」

光「?」

タロウ「何か叫んでるぞ……もしや……まさか、レギュランを挑発しているのか?」

光「えっ……」

CoP「……まさか……!」

光「!」


レギュランが二人を踏み潰そうと足を振り上げてる


タロウ「……いかん!」

CoP「――クソッ……!」



光「――ッ!」ザワッ…


ダ ッ ッ


タロウ「!!?」

CoP「光くん……」

CoP「ダメだ!!止まるんだ!!やめろ!!」

ゴォォッ……

ズウォーカァ『散々邪魔ばかりしてくれたな……』

PaP「……っ」

CuP「……邪魔しやがったのはお前の方だろうが……!」

ズウォーカァ『フンッ!好きに吠えるがいい虫けらめ!』


『 死 ね ェ ! ! 』


ゴォォッ


PaP&CuP「 「 ! ! 」 」


ゴシャァッッ




CoP「――……っ」

愛梨「えっ……?何ですか今の揺れ……」


愛梨「プロデューサー……?」

ズウォーカァ『……』


ズウォーカァ『……んん……?』




PaP「……へ……?」

CuP「……あっ……」

CuP「……裕美……?」

ギリッ…

ホー『……ッ……ホォォォォォ……!』


二人を庇ってホーが覆い被さって護っている


裕美(ホー)「……っ!痛、い……っ」

裕美(ホー)「……プロデューサー……怪我……ない……?よかったぁ……」

CuP「……ッ!!裕美……お前……!!」

PaP「裕美ちゃん……!」


ズウォーカァ『……っ!お前……お前はどんだけ私の思う通りに動かんのだこの……地球人の、小娘がァァッ!』

ド ガ ァ ッ

ホー『!!? ォオオ……ッ!!』


CuP「裕美!!?」

PaP「野郎……!」

裕美(ホー)「うぅ……」

ホー『ホォォォォ…』ボロッ…

ジュゥゥゥゥゥゥゥ… ←酸の涙

CuP「!!」

PaP「うわっ危なっ!?」

裕美(ホー)「あっ……!」


ズウォーカァ『……ヌゥ……?』

ズウォーカァ『!』ピーンッ

ズウォーカァ『フンッ!』

ドガァッ

ドガッ ドガァッ

ホー『――!?――!?――!?』

CuP「!?」

PaP「なんだ!?裕美ちゃんで隠れて見えねぇ……どうなってんだ!?」


ズウォーカァ『オラァ!オラオラァ!どうしたどうした小娘がァ!?そこをのかないなら貴様を代わりに踏みつけ続けるぞ!!』

ドゴォッ ドゴォッドゴォッ

ホー『――ッ!!』

ドガァッ ドゴッ

ズウォーカァ『フッフッフ……お前がもしそのまま体勢を崩したらお前の身体でその二人の地球人は潰れてしまうなぁ!!』

ホー『……っ!』

ドガァッ

ホー『!!』

ズウォーカァ『もしお前が倒れなくても痛くて痛くて泣いちゃったりしたら……お前の涙でその二人は溶けて死んじゃうかもなぁ!!』

ドゴォッ ドゴォッドゴォッ

ホー『――……ッッ!!』


CuP「……ッ!!裕美……!」

PaP「コイツ……どこまで……っ」


ズウォーカァ『フハーッハッハッハ!地球人ごときが闇の支配者様のエージェントである私に逆らうからこうなるのだァァァァッ!!フハハハハハハハ!!』

愛梨「プロデューサー……!!」

CoP「! 愛梨くん!駄目だ出るな!!危険だ!!」

愛梨「でもプロデューサーが……私のプロデューサーなんですよ!?」

CoP「行っても何も出来ないんだ!!」

愛梨「――!!」

CoP「……!」

CoP(だが……裕美くんが二人を庇ってくれてるのか……!?なんとか抜け出して車まで走ってきてくれれば……まだなんとか逃げられるか……?)




ドゴォッ ドゴォッ

ズウォーカァ『フハハハハハハハ!!フハハハハハハハハハハ!!なんかもう笑いが止まらんわ!!』

ドゴォッ ドガァッ

CuP「糞っ!やめろよお前!!やめろよォォォ!!」

PaP「裕美ちゃん……クソッ!クソクソクソッ!!」

ドガァッ ドゴォッ

ホー『――ッッ!!』

裕美(ホー)(痛っ……痛い……痛い、痛い、痛い、痛いよ……痛い……!)

裕美(ホー)(でも……我慢しなきゃ……我慢しなきゃ、我慢しないと……)


裕美(ホー)「……っ!……プロデューサー……プロデューサーが死んじゃうよぉ……!」


ドゴォッ ドガァッ

裕美(ホー)「……あぐぅっ!うぅ……っ」

裕美(ホー)(泣いちゃダメ……泣いちゃ……)


CuP「裕美……こんな……どうすれば……どうすりゃ良いんだよ!!?」

PaP「オイ!オイ!!」

CuP「……!?」

PaP「……あそこ、見ろ!裕美ちゃんの腕の隙間」

CuP「……!」

PaP「俺らを庇ってこうなってるなら……なんとかあの隙間から抜け出て車まで走ろう」

スマホでCoPに電話をかけるPaP

PaP「車を何時でも出せるように頼んどくんだよ。なんとか車の所まで行ったら乗って兎に角離れよう。このままじゃ、裕美ちゃんも俺達も駄目だ」

CuP「……ッ!」



ホー『……ッ!!』ガタガタ…


ズウォーカァ『ゼェ……ハァ……クソ!なんてしぶとい餓鬼だ……!踏み疲れてきたわ……!』ゼェ…ハァ…

CoP「……ッ! PaPか!?無事なのか!?」

愛梨「えっ!?プロデューサー!プロデューサー!!」ガバァッ

ムニュッ

作業員「はうっ!お……お嬢さん!ダメだ!私には妻と娘と3匹の犬が……」

グニッ ←怪我した足

作業員「ハゥァァァァッ!!?」

CoP「……」

愛梨「プロデューサー!!聞こえますか!?十時愛梨です!!」

CoP「愛梨くん、待ってくれ。頼む。待ってくれ。……ああ、こっちは大丈夫……じゃない、……何?」

PaP『だから、車の扉のカギ開けてエンジンかけて待っててくれ!!今から全速力でそっちに走ってくから乗ったら一気にここから離れるんだよ!!』

CuP『頼む!裕美が……裕美が俺達を庇って……!!』

CoP「……!! わかった任せろ。……と言いたいが……」

PaP「あ?」

CoP「……光くんがさっきタロウ氏と一緒に飛び出した」

PaP『!? はぁっ!?お前……お前……待てよ!!なんで止めなかったんだ!?』

CoP「……済まない。怪我人を気にして反応が遅れた」

PaP『光は!?光は何処に!?』

CoP「俺が探す。車まで走ってきてくれ。お前たちが狙われてるならお前たちが車を運転して、とりあえず先に逃げてくれ。光くんは俺が見つけて隠れるなりなんなりして連れて帰る」

PaP『ふざけんな!!俺のアイドルだぞ!!なら俺が残って……』

CuP『オイ!どうなってるんだ!?なんの話してるんだ!?』

CoP「……! すまない。兎に角、裕美くんをまずは助けないと……」


ドゴォォォォォォォンッッッ


CoP「!!?」

PaP「!?」

CuP「!!?」


CoP「……?なんだ……?」

作業員「……!車の後ろ道路が……急に爆発したんだ……!!」

ズウォーカァ『ゼェ…ハァ…』

ホー『――……ッ!』ブルブルガタガタ…

ズウォーカァ『フゥ…フゥ……しぶとい餓鬼め……ん?』


CoP達の乗ってる車


ズウォーカァ『……!』 ピーンッ

ズウォーカァ『……フッフッフ……オイ!小娘!私がただ嫌がらせの為だけにその地球人達を狙ったと思っているのか!?』

ホー『……?』ガタガタ…

ズウォーカァ『ハッハッハッ!さっきも言ったな!私の目的は人間の負の感情!マイナスエネルギーを集めることだと!!』

ズウォーカァ『お前たちをいたぶってる間に、お前たちの悔しさや哀しみや怒りで溜まったマイナスエネルギーがここにあるのだ!』


【ダークスパーク】


ズウォーカァ『それを使って……こうだ!!』


【ダークライブ】

【ハングラー】


ドゴォォォォォォォンッッッ


ハングラー『ピギュイィィィィィィィッ!!』


ホー『……!?』

裕美(ホー)「えっ……」

ハングラー『ギュアオオオオオオオオオッ!!』


CoP「……!!」

愛梨「私達の車の後ろに……」

作業員「新しい……怪獣……?」


PaP「なっ……」

CuP「えっ……」


ズウォーカァ『フハーッハッハッハ!!私はわかってるぞ!!あの車の中にもお前の知ってる人間たちが乗ってるのだろう!?』

ホー『……!!』

ズウォーカァ『フフフ……今から私が奴に何を命じるかわかるか……ンン?』

ホー『……ッ!?』


ズウォーカァ『さぁ!ハングラーよ!!今からこいつらの目の前でその車を……』

ウィーン…←車の窓

ズウォーカァ『……ん?』

ひょこっ←愛梨

ズウォーカァ『……?』


愛梨「……」ジーッ…

ハングラー『ギュアオオオオオオオオオッ!!』

愛梨「……」ジーッ…

ハングラー『……?』




愛梨「……なんか……こっちの大きい生き物はあんまり可愛くないですね……」




ハングラー『』


ズウォーカァ『……』

CoP「……」
CuP「……」
PaP「……」




ズウォーカァ『……』

ズウォーカァ『……ハングラーよ!!さぁ!その車を中の人間ごと喰ってしまえ!!』


ハングラー『 ギ ュ ア オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ッ ッ ! ! ! 』

ゴォォォォッッ

【引力攻撃】


CoP「なっ……車が後ろにひきよせられる……!?」

作業員「えっ……えぇっ!?」


ハングラー『ギュアオオオオオオオオオッ!!』

グパァッ…


愛梨「わ~……大きいお口ですね~……」

CoP「……どう見ても喰おうとしてるな…クソッ!」

ガコンッ ←エンジン

CoP「掴まってるんだ!!」

ブロロロロロロッッ

愛梨「きゃああああああっ!?」ガクンガクンッ

作業員「なんでアレ言ったの!?なんでこの娘さっきのタイミングでアレ言ったの!?」

CoP「すまん!彼女は天然なんだ!!」

愛梨「私よく天然って言われるんです~っ!すいませぇぇぇん!!」

作業員「えっ……ちょっ……嘘ォォォ!!」




PaP「愛梨ちゃあああああん!!?嘘だろオイ!?」

CuP「車が……!」

PaP「なんか勝手にあの不細工の方に動いてねぇか!?」

CuP「……引き寄せられてるのか!?」


ズウォーカァ『フハハハハハハハ!!さ~て!体力も回復してきたわ!こっからまた踏みつ祭だ!!』

ゴォォォォッ

ホー『!!』ビクッ


ズウォーカァ『フッフッフ……引力の強さは車が走ろうとしてもゆっくりゆっくりハングラーに引き寄せられるように出来ている』

ホー『……!!』

ズウォーカァ『恐怖でろくに動けまい……!お前が私の攻撃に屈服しその二人をその巨体や涙で殺してしまうのが先か……』

ズウォーカァ『それともあの車が中の人間ごとハングラーの餌になってしまうか……』


ズウォーカァ『どっちが先に、なるのかなァァァァァァァッ!?』

(身体が……身体が動かないよ……どうしたらいいの……?どうしろって……)


ズウォーカァ『フハハハハハハハ!!オラァ!このおっ!』

ドゴォッ ドガァッ

裕美(ホー)「……っ」

CuP「裕美……っ!!」

PaP「!! 野郎また……!」

PaP「兎に角裕美ちゃんの下から抜け出してどっかに隠れて……」

CuP「! 車が……愛梨ちゃん達が!」

PaP「!!?」



(どうしよう……どうして……なんでこんなことに……!?)


CoP「車が……!アクセルを踏み抜いてるのに……前に進まない……!」


(私がくだらないことばっかり気にして勝手に怒って……事務所を飛び出して……皆に迷惑かけちゃったから……罰が当たったの……?)


珠美「う……うーん……ここは……」ハッ


(なんで……こんな……こんなの酷いよ……あんまりだよ……)


愛梨『……プロデューサーさん、聞こえますか?』

PaP「……!スマホ……愛梨の声……!繋がったまんまだったのか!?」


(皆悪くないのに……こんな……こんな……なんで……)


ズウォーカァ『フハハハハハハハ!!さぁて!どっちが先に死んじゃうかなぁ!?』



(宇宙人……?怪獣……?わけわかんないよ……なんで皆に酷いことするの……?)
(殺すって……死んじゃうって……そんな……そんな……!)


(助けて……誰か……誰でも良いから……誰か……お願い……!)


(助けて……!!)

ズォーカァ『フッハッハッハ!中々涙を流さなくなったなつまらん!今度は頭らへんを強く踏みつけて……』


ガ リ ッ ッ


ズウォーカァ『……フガッ……?』


マンション屋上のクレーンのフック


ブッスリ… ←ズォーカァの頭


ズウォーカァ『は……』

ミチミチミチミチィッッッ


ズウォーカァ『 あ が ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ っ ! ! ? な……なんか頭に刺さって食い込んでる ァ ァ ァ ァ ァ ァ ッ ! ! ? 』




ホー『……!?』

CuP「……え……?」

PaP「……なんだ?苦しみ出したぞ……」
CuP「……!今の内に抜けよう!」


ホー『……!』パッ


CuP「……っ!裕美……っ」

PaP「裕美ちゃん……大丈夫……じゃねぇよな……とりあえず離れるぞ!」

CuP「……ッ!CoP達が」

PaP「愛梨……!愛梨!聞こえるか!?」

愛梨『PaPさん……!』

PaP「愛梨!良いか!?諦めるなよ!!CoP!!とにかくエンジン全開にしとけ!!聞こえてるよな!?」

CuP「……!!アイツ……屋上のクレーンが引っ掛かったのか……」

PaP「あぁっ!?クレーンって……」



ズウォーカァ『ギャアアアアアアアアアアアアアアッ!? へ……変なところに刺さってるぅぁぁぁぁっ!!?』ギギギ…



PaP「……? アレって……誰かが動かしてんのか……?」

PaP「……」


CoP『……光くんがさっきタロウ氏と一緒に飛び出した』


PaP「……!まさか……!!」








ギギギギギギギ…

ズウォーカァ『ぐあああああああああああっ!?だ……誰だおのれェェェェ痛い痛い痛い痛いぐっ……変な……変な刺さり方してるぞぉぉぉぉあああああっ!!?』


クレーン操縦席


光「ぐっ……この……!ひ……引っ張られる……!!」

タロウ「光!!君はなんて無茶を……!!」

光「だって!だって他に使えそうなものもなかったし……皆が危なかったし!!こうするしか……!!」

タロウ「……確かにそうだが……鍵が差しっぱなしだったとはいえ、しかし…動かし方だってろくに知らないだろうに……」

光「でも、でも上手く刺さった!アイツに刺さったよ!!」

タロウ「ああ……!やったな光……!」

光「……!うん……!」


ズウォーカァ『ああああああっ!?そこはレギュランの鼻だぞアギャァァァァァッ!!?』


光「ぐっ……この……!!」

ギギギギギギギ…

ズウォーカァ『ああああああああっ!!?』


光「オイ!!お前!!悪い宇宙人!!CoPさん達を解放して、裕美ちゃんを元に戻せ!!でないと……もっと強く引っ張るぞ!!」

ギギギギギギギ…


ズウォーカァ『アガガガガガッ!!?そ……そこはレギュランの唇で……っ!!?』

ブズズ…

ズウォーカァ『あああああああああああああっ!!!?』


光「降参しろ……!でないともっと強く……!!」

タロウ「気をつけろ光!!」



ズウォーカァ『お……おのれ地球人のガキとウルトラマンの人形めぇぇぇぇっ!!』ブチブチブチッ

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