【咲】京太郎「あれ? 俺の下着が……」咲「もぐもぐ」 (547)


 何番煎じかも分からない京太郎スレだよぉ
 恋愛成分やキャラ崩壊、変態要素があるので苦手な人は注意

 基本SS形式で進行して、時折安価で判定取ったりします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468849798



 その異変に気付いたのはいつくらいだろうか

 全国大会が終わった直後か?

 いや、それとも県予選の頃か……?

 そもそも、中学の頃から似たようなことが多発していたような気がする

京太郎「……無い」

 バタリとロッカーを締めて、俺は首をかしげる
 理由は単純

 ロッカーに入っているハズの俺の着替え……つまり、下着やタオルが無くなっていたからだ

京太郎「なんでだ……?」ウーン

 確かにうちの麻雀部は美少女揃いである
 竹井先輩は勿論、あの和が在籍しているくらいだからな

 そりゃ部室に忍び込んで下着の一枚や二枚、盗みたくなるのは男の性だろう
 だれだってそーする、俺だってそーする

 だが、疑問を挙げるとすればただ一つ

京太郎「なんで男物を……」

 そう、和の下着を狙って優希や咲のロッカーを漁ったなら分かる
 勘違いは誰だってするものだから

 しかし、俺のロッカーとなれば話は別だろう
 なにせ中には男臭いタオル、学ラン、ぐちゃぐちゃの荷物

 どう見たって女物のロッカーではない
 決して、変態野郎が喜ぶようなモノは入っていないというのに……

京太郎「なぁ咲、お前のロッカーには異変は無いか?」クルッ

 俺は思考を中断し、共に居残っていた腐れ縁に話しかける
 こいつには前々から俺の私物が無くなることを話していたので、これだけ言えば意図は伝わると思ったんだけど

京太郎「……咲?」

咲「……もぐもぐ」モゴモゴ

京太郎「何食ってんだお前?」

 後ろの咲はなぜか、口いっぱいに何かをほおばっている
 お菓子か? いや、それにしては咀嚼が何かおかしいような気も……

咲「もごもご」モグモグ

その酉、ググるとヒットするスレがあるから、バレに気を付けれ


>>4 なんと、じゃあ変えます


京太郎「それ、何を食べてるんだ?」

 ふとした疑問

咲「ひょうひゃんのひゃんふ」

 よくわからない回答
 まぁ、部活後でお腹が空くこともあるよな

京太郎「お前、そんな食いしん坊キャラだったっけ?」

咲「……」コクコク

京太郎「そっか。ま、明日部長にも相談してみるよ」バタン

咲「ほうはへ」コクン

 ロッカーを閉めて、俺は咲と一緒に下校する

京太郎「じゃあ部室の鍵を……っ」ゾワゾワ

 鍵を取り出した途端
 どこかまとわりつくような視線が、俺の体を包む
   
 誰かに見られている?
 いや、そんなハズは……

京太郎「……帰るぞ」

咲「うん」モグモグ

 下校している間も、咲はずっともごもごしていた
 まるで牛みたいだな、と言うと、咲は顔を赤くして自分の胸を見つめていた

 違う、そうじゃない
 喉まで出かけた言葉を飲み込み、俺逹は帰路に着いた



 ガチャッ


咲「ははひはー……」モゴモゴ



 変態判定↓2

 49以下 タオル 
 50以上 パンツ
 ゾロ目 ダブル

その酉はモロバレやで…


>>8
 うぎゃー なんくるあるさー


咲「んべぁ」ベチョッ

タオル「」ネトォ

咲「あー……流石に二時間も口に含んでると」ハムハム

タオル「」

咲「うん、やっぱり薄くなっちゃうかぁ」

 ガチャッ

界「おかえり咲」

咲「ただいま」

界「ん? どうしたんだそのタオル。やけに濡れてるけど」

咲「なんでもないよ。それより私、お風呂入るね」

界「あ、ああ」

咲「……」トテトテ

 バタン

咲「……そう言えば、京ちゃんのパンツを盗ったのは誰なんだろう?」ウーン


 一方その頃


京太郎「やっぱり……カバンの中にも無い、か」ガサゴソ

 となると、部室に何者かが忍び込んで盗んだに違いないな
 部のみんながそんなことするわけがないし

 くそ、和の下着とか無事ならいいんだけど

京太郎「はぁ……染谷部長に言うのも恥ずかしいなぁ」

 俺のパンツが盗まれてるんです、なんて部長に就任したばかりの先輩に言いづらい
 ここはまず、デリカシーの無い竹井元部長に相談しようかな

京太郎「ラインでもしてみるか」



京太郎「ええっと、なんて言えばいいかな?」

京太郎『お疲れ様です。少し相談があるんですが、いいですか?』

 ティロン

久『あら? 珍しいわね、どうしたの?』

京太郎「お、早い」

 受験勉強で忙しいハズなのに、なんだかんだ面倒見はいい先輩だよなぁ
 よし、ここは頼ってみよう

京太郎『実は最近、部室で不可解な事件が起きてまして』

 ティロン

久『事件? 一体なんのこと?』

京太郎『俺のロッカーから、私物がよく無くなるんです』

京太郎「さて、と。何か心当たりがあったりするといいんだけど」


 その頃


久「私物がよく無くなる……ですって?」ピクッ


 変態判定↓2

 49以下 久「私だって、まだそこまでは……」 ドキドキ
 50以上 久「私じゃない!?」ドキッ
 ゾロ目 久「んっめ、スガパンんっめぇ……」モグモグ
 

それもアウトなんや
ゾロ目!?


>>11
 これでどや!!



久「それは大変ね」

 須賀君からのラインを見て、私は戦慄したわ
 だって、私の大切な後輩である須賀君の私物を盗む人がいるだなんて……

久「信じられないことをする人もいるものね」

 眉間を抑えつつ、私は机の上のティーカップを手に取る
 全く、これから私は大事な儀式を行うところだったのに

久「んっ……」ゴクッ

 からからに乾いた口内に、甘い紅茶が流れ込む
 うん、美味しいわ
 これからのことを思うと、格別……ね

久「ふぅ。紅茶で口をスッキリさせた後にはやっぱり、これよね」クスクス

 須賀君のことは心配だけど
 私、こう見えて卑しいのよ

久「目の前の餌を待てと言われて、待てるほど……辛抱強くないのよ」フフフ

 机の上に広げてある、ジップロック入りのお宝
 ジジッと端を開けただけで、広がるむわっとした香り

久「あぁ~、たまらないわ」ゾクゾク

スガパン「」ゴゴゴゴゴ

久「……頂きます」

 両手を合わせ、精神集中
 取り出したスガパンの、一番匂いの濃い場所であろう一箇所目掛けて

久「あーん……」ハムッ

 私は、その柔らかな唇を吸い寄せた
 
久「はふっ、はむっ、はむはむっ」ムシャムシャ

 もはや、理性なんて消し飛ぶ
 濃厚な雄の匂い、須賀君の、香り

久「はむ、じゅずるる、じゅぅぅぅずずずっ」ジュルル

 あぁ、美味しい
 なにこれ、あぁぁっ、頭がおかしくなりそうだわ

久「んっめ、スガパンんっめぇ……」モグモグ

 あはっ、さいこぉ……♥♥



 一時間後


京太郎「……返信が来ない」サビシイ

 そりゃまぁ、こんな変なこと言われたら混乱するよな
 和や咲ならまだしも、俺がこんなこと言うなんて

京太郎「あー、やっぱ染谷部長に相談するべきだったか」ゴロン

 明日、部活に行ったら相談しよう
 毎度毎度、タオルやパンツを買いなおしてたらお小遣い無くなっちまうし

京太郎「みんなに被害が及ばなければいいんだけどな」

 もしも変態ヤローがいて、俺に……いや、清澄の仲間逹に害をなすというのなら

京太郎「俺が絶対、許さない」ギリッ

 俺が守るんだ! みんなを!!



 
 その頃


咲「はぁん、京ちゃんタオルいい匂いだよぉ♥♥」コスコス


 またまたその頃


久「んほぉぉぉぉっ♥♥♥♥」グチュグチュ



 現在ストーカー数 

末期 1名
重度 0名
軽度 1名



 清澄 部室


京太郎「ということで部活に来たのはいいんだが」

 今日は見事に俺一人
 なんでこんな日に限って誰もいないんだ

京太郎「咲は図書委員の仕事で、和と優希はまだ授業中か」

 染谷部長は私用で遅れるらしいし
 あー、くそ

 誰にも相談出来そうにないぞ

京太郎「……」チラリ

 しかし、本当に俺のロッカーを漁ってる何者かがいるのか?
 いや、物が無くなってる以上は絶対にいるはずなんだけどさ

京太郎「……開けてみるか」ガタッ

 今日はまだ一回も開けていない
 もしかするとまた、昨日から何か物が減っているかもしれない

京太郎「さて……」

ロッカー「」

京太郎「開けよう」ガチャッ



 コンマ一桁判定↓2
 +ゾロ目で全裸

1、2、3、4 誰もいない
5 優希
6 和
7 咲
8 まこ
9 久
0 照

 

>>18
残念ながら、それもアウトやねん
単語だけでなく、その後に数字数桁付けてみるとエエかと

きっと京太郎が凄いフェロモン出してるからしょうがないんだよ(白目)


>>25
 ほいほい これでどうでっさろ

 ロッカーを開く
 ただそれだけの行為なのに、異様に緊張してしまう

 一体、この中で何が起こっているのか
 それが俺の興味を引き立て……

京太郎「……え?」

優希「あっ」

 扉を開いた瞬間、パチリと目が合う
 
京太郎「ゆ、優希?」

優希「じぇ、じぇ?」

 まっすぐにこちらを見ている瞳
 清澄麻雀部一のちんちくりんが、俺を見上げるように顔を上げた

京太郎「えっと……」

優希「こ、これは、その……」

 しどろもどろになりながら、優希は狭いロッカーの中で身をよじる
 いや、コイツマジでなにやってんだ?

京太郎「おい、お前まさか?」

優希「これはだな!」バッ



 変態判定↓2

 49以下 優希「じゃ、じゃーん!! ドッキリ大成功ー!!」
 50以上 優希「み、見なかったことにするべき、だじぇ……」
 ゾロ目 優希「ただのオナニーだじぇ!」
 




優希「じゃ、じゃーん!! ドッキリ大成功ー!!」アセダラ

京太郎「ドッキリ……?」

優希「あ、あーあ!! のどちゃん逹が来たら出る予定だったのになー」プイッ

京太郎「ああ、ドッキリだったのか」

優希「そうだじょ」ドキドキ

京太郎「なんだ、俺はてっきり優希の奴が俺のロッカーを漁ったり」

優希「っ」ドキッ

京太郎「匂いを嗅いで興奮してる変態なのかと思っちまったぞ」

優希「ま、まさかそんなことあるわけないじぇ! この童貞!!」ドキドキドキ

京太郎「お、おい! 童貞は関係ないだろ!」

優希「へーんだ! いいからそこをどくじぇ」

京太郎「お、おう悪い」

 俺を押しのけるようにして、ロッカーから出てくる優希
 よかった、優希は変態なんかじゃなかったんだ

優希「(京太郎の匂いを体に付けられたけど、何も盗れなかったじょ……)」

京太郎「つーかやるなら自分のロッカーでやれよな」

優希「やーん! 乙女のロッカーは聖域なのー」

京太郎「うざっ」

優希「なんだとー!!!」ポカポカ

京太郎「(本当によかった……)」

 薄い可能性の一つとして、危惧していることではあった
 そう、部員の中に犯人がいるかもしれないという可能性

 そんなの、俺は考えたくない
 だってみんな……大切な仲間なんだから

京太郎「……」

優希「(あっぶなー、セーフセーフだじぇー)」ニヒヒ



 数時間後


和「ロンです」

優希「げっ」

和「後半の集中力が欠けていましたね」

優希「くそー! 全国で鍛えてものどちゃんには勝てないじぇ!」

咲「お疲れ様。京ちゃんも頑張ったね」

京太郎「ああ。ふぅー、というかようやく終わったなー」

 あの後、集まったみんなと対局を重ねて……気が付けばもう日が落ちている

まこ「練習熱心じゃな。これなら来年も安泰じゃ」

京太郎「新入部員を入れても、みんなならやれますって!」

まこ「アホ。お前も頑張るんじゃぞ?」

京太郎「はい!」

和「私逹も、練習に付き合いますから」

咲「うん! 今度は京ちゃんも全国優勝目指そうね!」

京太郎「うーん、俺には遠い壁だなぁ」

優希「為せば成るじぇ!!」

京太郎「(ほんと、みんないい仲間逹だよなぁ)」ジィーン

 竹井先輩がいないのが残念だけど
 本当にここのみんなは俺をよく見てくれる

 おかげで実力も付いてきたし、この勢いで来年は全国大会にも出られるかもしれない

京太郎「うし、頑張るぞー!」

和「はい。その意気ですよ」ニコニコ

京太郎「あ、ああ」デレデレ

咲「むー」プクー

優希「むー」プクー

まこ「こら、膨れちょらんで片付けをせんか」ペシッ


京太郎「ふぅ、しっかし対局すると喉が渇くなぁ」つペットボトル

和「紅茶もいいですけど、スポーツドリンクが飲みたくなることありますよね」

京太郎「ごくごく……ああ。でもちょっと量が多くて残しちまった」プハー

和「へぇー……」ジィー

京太郎「さて、俺も片付けするかな」ガタッ

 トンッ  ペットボトル君

和「……」ジジィー

優希「そっちを持って欲しいじぇー咲ちゃーん」

咲「うん! とわっ、わたたたっ」スッテンコロリンチョ

京太郎「おいおい、何やってんだ咲」スタスタ


ペットボトル「」オイテケボリ


和「……」ゴクッ


 変態判定↓2

 49以下 和「あ、あー! のどか、喉が渇いちゃいましたー」ボウヨミ
 50以上 和「……」ササッ シュバッ 
 ゾロ目 和「こりゃ勃起モンやでぇ……」ペロペロ

危うく末期が増えるところだった…
それでも重度だが…


ペットボトル「」ゴゴゴ

和「……」ススス

ペットボトル「!?」

和「……」ササッ シュバッ

ペットボトル「」アーレー カバン「イイヨ!コイヨ!」スポッ

和「グッド」ガッツポ


咲「てへへ、ごめんね京ちゃん」

京太郎「いや、本当に気をつけろよ?」

和「ふふ、咲さんは相変わらずですね」ナニクワヌカオ

咲「恥ずかしいなぁ」カァ

京太郎「さてと、俺も片付け……あれ? ここにあったペットボトル知らないか?」キョトン

和「あれ? もう飲み終わったのかと思ってゴミ箱へいれてしまいましたけど」

京太郎「え? ああ、ありがとな」

和「いえ、こちらこそ勝手なことを……よければ新しいのを弁償します」

京太郎「いやいやいいって。俺も捨てようと思ってたからさ」

和「それならよかったです」ニッコリ

京太郎「(天使だ)」ホッコリ

和「……」クスッ



久「(恐ろしく速い収納……私でなければ見逃してしまうわね)」つ望遠カメラ



 現在ストーカー数 

末期 1名
重度 1名
軽度 2名



優希「片付け終わりー!!」

咲「じゃあ京ちゃん、帰ろう?」

京太郎「あ、いや。俺はちょっと染谷部長と話があるんだ」

まこ「ん?」

和「お話、ですか?(気になりますが、鮮度が高い内に間接キスをしなければ……)」

優希「私逹には聞かせられないのかー!?」

京太郎「ああ、ちょっとな」

まこ「な、なんじゃ……少し緊張するのぅ」ドキドキ

京太郎「いや、変な話じゃないんで」

まこ「そうか……」ショボン

咲「むー」

優希「むー」

京太郎「まぁ、近いうちに話すからさ」

咲「京ちゃんがそこまで言うなら」

優希「ちゃんと話せば許してやるじぇ!」

京太郎「約束するよ」

和「(ああ早く須賀君の飲み残しを体内に須賀君の唾液を体内に取り入れて受精するんです孕むんです孕村なんですよ)」ポー



京太郎「じゃあ染谷部長、少しいいですか?」

まこ「ああ。帰りがてらでいいじゃろ?」

京太郎「はい!」

和、アカン(白目)


 帰り道

まこ「なんじゃと?」

京太郎「……本当のことです」

 俺は染谷部長との帰り道、全てを話した
 
京太郎「体育の授業で汗だくになった下着とか、汗を拭いたタオルとか」

まこ「……」ゴクッ

京太郎「そういったものがもう何度も……最近じゃボールペンなんかも無くなってまして」

まこ「勘違い、ということじゃなさそうじゃな」

京太郎「俺も何度も確認しましたよ。でも、やっぱり無くなっているんです」ウツムキ

まこ「京太郎……」

京太郎「俺、俺……もう、どうしたらいいか」グスッ

まこ「!!」

京太郎「みんながそんなことするわけないのに!! なのに!! 疑ってしまうんです!!」ポロポロ

まこ「……」

京太郎「最低ですよ! 俺は最低だ!! くそっ! くそぉぉぉ!!」ポロポロ

まこ「っ」


 変態判定↓2

 49以下 まこ「これで涙を拭くんじゃ」スッ
 50以上 まこ「(流石に三十枚は取りすぎじゃったか……)」
 ゾロ目 まこ「(京太郎のレア泣き顔wwwwwファーwwww今夜のオカズは決まりじゃなwwww)」



京太郎「ぶちょう……?」

まこ「……京太郎、これで涙を拭くんじゃ」スッ

京太郎「あ、ありがとうございます」ゴシゴシ

まこ「お前の気持ちはよう分かる。辛かったじゃろ?(とはいえ、盗んだのは主にわしらじゃけぇwwww)」

京太郎「やっぱ、染谷部長は優しいです」グスッ

まこ「んぎぃぃっ!?」ガクガク

京太郎「え?」

まこ「あ、いや、なんでもない……けぇ(罪悪感と幸福感の波状攻撃……これは最高の快楽じゃ)」ジュンッ

京太郎「あの、これ。洗って返しますから」

まこ「男が細かいことを気にしなくていいじゃ」パシッ

京太郎「あっ」

まこ「後輩の涙くらい、背負わせてくれんかのぅ?」ウィンク

京太郎「ぶ、部長!!」ジィーン

まこ「(だって最高のオカズじゃしwwwwww涙の染み込んだハンカチwwwwwwくはwwwww)」

京太郎「お、俺!! 部長にずっと付いていきますから!!」

まこ「おう! 当たり前じゃ!(どうせならアソコも突いてくれんかのぅwwwwなんちゃってwwwwww)」

京太郎「(やっぱり仲間を疑っちゃいけない! 信じよう!!!)」

まこ「(あー、早く帰ってこの最高の記憶とともにオナニーじゃ! オナニーをするんじゃ!!!)」ムフフ




 現在ストーカー数 

末期 2名
重度 1名
軽度 2名
 


 頭が切れたのでもう一回




京太郎「おで、おでっ……うたがいたぐ、ないのにっ……」ズビズビ

まこ「きょ、京太郎……」プルプル

京太郎「うぅ、ぶじょぉ……おれ、どうじだら、いいんですがぁ?」ポロポロ

まこ「……」プルプル




まこ「(京太郎のレア泣き顔wwwwwファーwwww今夜のオカズは決まりじゃなwwww)」




京太郎「ぶちょう……?」

まこ「……京太郎、これで涙を拭くんじゃ」スッ

京太郎「あ、ありがとうございます」ゴシゴシ

まこ「お前の気持ちはよう分かる。辛かったじゃろ?(とはいえ、盗んだのは主にわしらじゃけぇwwww)」

京太郎「やっぱ、染谷部長は優しいです」グスッ

まこ「んぎぃぃっ!?」ガクガク

京太郎「え?」

まこ「あ、いや、なんでもない……けぇ(罪悪感と幸福感の波状攻撃……これは最高の快楽じゃ)」ジュンッ

京太郎「あの、これ。洗って返しますから」

まこ「男が細かいことを気にしなくていいじゃ」パシッ

京太郎「あっ」

まこ「後輩の涙くらい、背負わせてくれんかのぅ?」ウィンク

京太郎「ぶ、部長!!」ジィーン

まこ「(だって最高のオカズじゃしwwwwww涙の染み込んだハンカチwwwwwwくはwwwww)」


 現在ストーカー数 

末期 2名
重度 1名
軽度 2名


 何回切り貼りミスしてるんだって話ですよね





京太郎「おで、おでっ……うたがいたぐ、ないのにっ……」ズビズビ

まこ「きょ、京太郎……」プルプル

京太郎「うぅ、ぶじょぉ……おれ、どうじだら、いいんですがぁ?」ポロポロ

まこ「……」プルプル




まこ「(京太郎のレア泣き顔wwwwwファーwwww今夜のオカズは決まりじゃなwwww)」




京太郎「ぶちょう……?」

まこ「……京太郎、これで涙を拭くんじゃ」スッ

京太郎「あ、ありがとうございます」ゴシゴシ

まこ「お前の気持ちはよう分かる。辛かったじゃろ?(とはいえ、盗んだのは主にわしらじゃけぇwwww)」

京太郎「やっぱ、染谷部長は優しいです」グスッ

まこ「んぎぃぃっ!?」ガクガク

京太郎「え?」

まこ「あ、いや、なんでもない……けぇ(罪悪感と幸福感の波状攻撃……これは最高の快楽じゃ)」ジュンッ

京太郎「あの、これ。洗って返しますから」

まこ「男が細かいことを気にしなくていいじゃ」パシッ

京太郎「あっ」

まこ「後輩の涙くらい、背負わせてくれんかのぅ?」ウィンク

京太郎「ぶ、部長!!」ジィーン

まこ「(だって最高のオカズじゃしwwwwww涙の染み込んだハンカチwwwwwwくはwwwww)」

京太郎「お、俺!! 部長にずっと付いていきますから!!」

まこ「おう! 当たり前じゃ!(どうせならアソコも突いてくれんかのぅwwwwなんちゃってwwwwww)」

京太郎「(やっぱり仲間を疑っちゃいけない! 信じよう!!!)」

まこ「(あー、早く帰ってこの最高の記憶とともにオナニーじゃ! オナニーをするんじゃ!!!)」ムフフ



 現在ストーカー数 

末期 2名
重度 1名
軽度 2名


 出オチ安定のスタート地点清澄が終わり
 このまま清澄の内輪だけでストーカーに囲まれた生活か、それとも他校に目を向けるのか


 安価便りで行きますかね


 行き先安価 ↓2

1 清澄続行
2 他校編
3 プロ編

2


 他校人気すぎぃ
 やったね京ちゃん、ストーカーが増えるよ!

 人気の学校どこじゃろな(個人的に好きな学校ピックアップでごめんよー)


 安価↓1から5 多いとこ 同数の場合はコンマの合計数


1 龍門渕
2 阿知賀
3 白糸台
4 宮守

2


 第二章 もんぶち編 ~血染めのプレゼント~



 俺の私物が無くなる、という事件を染谷部長に相談してから一週間が過ぎた
 結局、部長が部室の鍵を取り替えてくれたお陰で被害はなくなり

 今では俺の私物が勝手に無くなることはない

京太郎「……」

咲「(少しは自粛しないとバレちゃうよね)」ドキドキ

和「(今日も須賀君の飲み残しを。それなら足がつきにくいですし)」フフフ

優希「(ロッカーの匂いに満たされるだけで十分だじょ)」フフン

まこ「(既にストックは沢山あるけぇ。しばらくは持つじゃろ)」ニヤリ



久「はぁ。部外者の立場になったお陰で、あまり露骨に部室に近づけないのがネックよねぇ」ハァ



 帰宅後

 
 全てはいい方向に進んだように思えた
 もう何も悩むことはない

 何もかもが終わったのだと


京太郎「……」


 しかし、俺には新たな悩みの種があった
 確かに私物は無くならなくなった

 だが、その代わりに……


京太郎「まただ」

 帰宅して早々、ポストからはみ出ている豪華な包装紙
 それはここ最近、毎日のように入れられている物だ

京太郎「……」ガサゴソ

 中にはいつも同じ、手作り風のお菓子が入っている
 そして、付いている手紙には……


『大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き』
 
京太郎「ひっ!?」グシャッ


 血のように紅い紅い文字で、そう書かれているのだ

 

なぜ止めなかったのかハギヨシさん……


>>82
 ハギヨシさんが差出人かもしれないし……
 というか判定するし……

うぁー、すごいなぁー(白目)




 ただでさえ不気味で、気持ちの悪い手紙……或いはラブレターとでも呼ぶべきモノ
 最初はイタズラかとも思った

 だけど、ある事実に気づいてからはそうも言っていられなくなったのだ

 まず一つ、これらは全て手書きであるということ
 印刷した様子もなければ、コピーでもない

 つまり、この手紙の差出人は毎日毎日……差し詰め、漢字練習帳で字を繰り返し書く小学生の如く
 この『大好き』という文字を何百回と書いて俺に差し出しているのだ

京太郎「……」

 そして、手紙とともに入っているお菓子
 これもまた、ある種の狂気に満ちていると言っていいシロモノだ

 最初の一回
 俺は何気なくこのプレゼントを口にしてしまったのだ

 俺にも春が来た、などと浮かれてしまった自分を今でも呪いたくなる

 口にした途端、昔喧嘩で口を切った時を思い出した
 それほどまでに、そのクッキーは……鉄と、血の味しかしなかったのだ

 一体、どれほどの血液を練りこめば……あんな味になるというのだろう

 当然クッキーはすぐに吐き出し、俺はそれをゴミ箱に捨てた
 それ以来、クッキーはケーキやマフィンに姿を変えて……毎日ポストに入っている

 そう、手紙の文字と同じように赤く染まった――スイーツが

衣だったら、確実に血が足りてなさそうだな…



 自室

京太郎「ふぅ……」ゴロン

 部屋に戻った俺は疲れからか、すぐにベッドの上に寝転がった
 
京太郎「母さんは昼間、近所のおばちゃん逹と食事会に行ってるし……大体それくらいに入ってるんだよなぁ」

 前もって母さんには犯人を特定してくれと頼んでいるんだが
 犯人も周到なもので、母さんの不在の時を狙ってアレらを仕込んでくる

京太郎「なんなんだよ、畜生」

 握り締め、グシャグシャになった手紙を見つめる
 こんなもの、こんなものをもらっても何も嬉しくない

 俺はもっと普通に……

京太郎「……ん?」クンクン

 なんだ? この手紙……不気味すぎてマジマジと観察したことなかったけど
 少し、いい匂いがする?

京太郎「この甘ったるい感じは……」

 どこかで嗅いだ記憶がある
 確か、えっと……

 前にハギヨシさんにタコスの作り方を教えて貰いに……


京太郎「そうか! 龍門渕だ!」ガバッ

 記憶の蓋が開く
 そう、前に龍門渕の執事であるハギヨシさんにタコス作りを習った時に一度、俺は龍門渕の屋敷に行っている

 その時、屋敷に入った途端にした甘い香り……
 それが、この手紙から発せられている

京太郎「あの時、ハギヨシさんに聞いたら……」



ハギヨシ『ああ、この香りですか? 龍門渕特製の芳香剤でして、世界でこの屋敷にしか無いんですよ?』



京太郎「こう言ってたよな?」

 つまりこの手紙は少なくとも……龍門渕で匂いが移っているってことだ
 それって、まさか……

京太郎「……」




 決断してからは早かった
 俺は早速、ハギヨシさんにメールを送る

京太郎『相談したいことがあるので、今度お屋敷にお伺いしてもいいですか?』

 そう、確認するのだ
 この手紙の香りと、龍門渕限定の芳香剤の香りが一致するか

 そして……この手紙の差出人が、龍門渕にいるかどうかを

京太郎「……」ドキドキ

 ティロリン

京太郎「来た」

ハギヨシ『勿論構いませんよ。では日時は後ほどお送りします。フフ、お嬢様逹も須賀君に会いたがっていますよ』

京太郎「龍門渕さん逹が?」

 正直、咲逹のおともで少ししか話したことないけど……
 でもまぁ、手紙の主といえばやはり女だろうし

 龍門渕さん逹の中に犯人がいても、おかしくはない

京太郎「……待ってろよ、犯人」

 必ず突き止めてやる
 そして、もう二度とこんな真似をしないよう、釘を刺してやる!

京太郎「……絶対に!!」







 その頃



ハギヨシ「ということですが、よろしいですか?」

透華「ええ、勿論ですわ」クスクス

一「へぇ?」

純「へへ、面白くなりそうだぜ」

智紀「楽しみ……」

衣「……」フラフラ

ハギヨシ「おや衣様。気分が優れませんか?」

衣「問題無い。あの男が来るのなら、衣は……」ニヤァ

ハギヨシ「フフフ……」


 そして、その日はやってくる
 龍門渕――そこは、一歩足を踏み入れたら最後

 二度とまともな生活にもどることは叶わない



 魔の巣窟


 ぬるい恋愛ごっこみたいなスレでゆるして
 これからバシバシ純愛繰り広げていく予定だから楽しみだゾ~

 次更新はもんぶち編になります
 明日の夜、またお会いしましょー 

乙です



 龍門渕透華さん
 彼女はあの龍門渕高校の理事長の孫娘で、かなりのお金持ちであるとのことだ

 その証拠に、以前彼女の屋敷を訪れた時にはその大きさに驚いたし
 執事のハギヨシさんだけではなく、多くのメイドも従えている事からも
 その有り余る財力を知ることが出来た

 俺の家もそこそこ裕福な方だとは思っているけど
 あの人の家に比べれば、月とすっぽん並に格が違うものだろう

京太郎「……」

ハギヨシ「ようこそいらっしゃいました。須賀君」

 出迎えてくれたのは、顔見知りの執事……ハギヨシさん
 優しく、万能で、俺のちょっとした憧れであるこの人に、俺は訪ねたいことがあってここに来た

ハギヨシ「なにやら表情がかたい様ですが?」

京太郎「あ、いや! 別になんでもないんです!」

 脳裏に浮かぶ、血濡れのプレゼントの記憶
 その差出人を見つける為に、俺は……

ハギヨシ「では参りましょうか」

京太郎「はい。お願いします」

 大きな門をくぐり、俺はその一歩を龍門渕邸に踏み入れる
 果たして本当に――この屋敷に犯人がいるのだろうか?

ハギヨシ「……」クス



京太郎「うわぁ、やっぱり凄いなぁ」

 庭園も凄かったけど、屋敷の中は更に凄まじい
 豪華な調度品、インテリア、どれ一つ取っても優美でいて精巧

 俺なんかじゃ一生縁の無さそうな物があちこちに置かれている

ハギヨシ「喜んで頂けてご主人様逹もお喜びでしょう」

京太郎「さすがのお金持ちですよね」クンクン

 そして、感じる
 やはりこの屋敷特有の甘い香りは……あの手紙から感じた匂いと同じだ

京太郎「(やっぱりここに……犯人が?)」

ハギヨシ「それでは須賀君。この応接間でお待ちください」ガチャリ

京太郎「あ、はい!」

ハギヨシ「私はお嬢様逹をお呼びしてまいりますので……そうだ。コートをお預かりしましょう」スッ

京太郎「ああ、どうも」ヌギヌギ

ハギヨシ「……」

京太郎「ありがとうございます」

ハギヨシ「いえいえ、では」フフフフフフ

 そう言い残し、ハギヨシさんは廊下の奥へと消えていってしまった
 残された俺はハギヨシさんの言うとおりに、応接間で待つことにした

京太郎「……ソファもフカフカだ」ボフン

 なんだか広くて落ち着かない
 というか、なんで龍門渕さん逹までここに来るんだろうか

京太郎「接点、あったっけ」

 遠い記憶を遡るように頭を捻りながら、俺はハギヨシさん逹を待つことにした



 その頃

ハギヨシ「……」

京太郎のコート「」

ハギヨシ「……」


 変態判定↓2

 49以下 ハギヨシ「ここに掛けておきますか」スッ
 50以上 ハギヨシ「んっふ」
 ゾロ目 ハギヨシ「これってぇ、勲章ですよぉ……」ネットリ



ハギヨシ「ここに掛けておきますか」スッ

一「あれ? どうしたんですか? そのコート」テクテク

ハギヨシ「おや……国広さん」

一「あ、もしかしてもう須賀が来ちゃったとか?」

ハギヨシ「ええ。私はこれから透華お嬢様を呼びに参るところです」

一「へぇ……あ、じゃあその間にボクが須賀の相手でもしておきますよ」ニッコリ

ハギヨシ「……?」

一「……」ニコニコ

ハギヨシ「ではお願いします。すぐに戻りますので」シュタッ



一「もう……行ったよね?」キョロキョロ

京太郎のコート「」

一「……」ジィー



 変態判定↓2

 49以下 一「こ、これが須賀の、コート……」ゴクッ
 50以上 一「ふわぁ……須賀の匂いだぁ……」ギュゥッ
 ゾロ目 一「来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれ来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれたた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた来てくれた」ブツブツブツブツ




一「こ、これが須賀の、コート……」ゴクッ

京太郎のコート「」

一「……う、うぅ」チラチラ

京太郎のコート「」

一「あ、あー……なんだか、お腹が冷えてきちゃったなー」ボウヨミ

京太郎のコート「」

一「何か羽織るものとか、無いかなぁ」チラチラ

京太郎のコート「」ズモモモモ

一「お、こんなところにコートがあるじゃん! 誰のか知らないけど着ちゃおう!」バッ

 装着!

一「……」ブカブカ

 クンクン

一「んっ……汗臭い」クンクン

 でも、なんでだろう?
 なんだかすごく……落ち着く

一「えへへっ」ギュゥ

 ガチャッ

一「!?」

純「ふわぁ……やべ、昼寝しすぎちまった」ポリポリ

一「あっ」

純「ん?」

一「っ!」ガバッ

純「あー? なんでこんな場所にコートが落ちてるんだ?」

一「」プルプル

純「しかもなんか妙にふっくらしてるし」


※ 一ちゃんは今京太郎のコートにくるまりながらしゃがみこんでいます


純「……このコート、どっかで見たことあるよーな?」ジィー

一「はわわわ」ブルブル



純「まぁいいや。それより今日は須賀が来る日だったし」

一「」ビクッ

純「アイツが来た時の為に、茶でも淹れといてやるかなー」スタスタ

一「……」ホッ

純「あ、でもコートを床に置きっぱなしにしておくのも」

一「……」シャカシャカシャカシャカシャカ

純「おわっ!? コートが逃げたぁっ!?」ビビクン

一「(ひぃぃぃぃっ!)」シュバババ

純「……なんだったんだあれ?」キョトン

 衣のイタズラか?
 それとも……

純「……ふーん?」

 なんだっていいけどな
 それよりも、オレは……

純「へへっ」ニヤリ



 変態判定↓2

 49以下 純「須賀の為にお茶を淹れたら……褒めてくれたり、しねぇかな」ドキドキ
 50以上 純「ちょうどトイレに行きたかったし……ちょうどいいや」フフ
 ゾロ目 純「紅い紅茶を淹れなきゃ……(使命感)」


純「須賀の為にお茶を淹れたら……褒めてくれたり、しねぇかな」ドキドキ

 アイツ、前にオレのことを女の子扱いしてくれたし……
 意外と女たらしなんだよなぁ

純「タコス作りを習いに来たのだって、あいつの為だろうし」

 いいよなぁ清澄の連中は
 四六時中、アイツと一緒にいられて……

 オレだってもっともっと、アイツと話してみたいのに

純「……」

 そうだよな、もっと話してもいいよな
 なのにいつもハギヨシさんとばかり……男同士だからだろうけどよ

 もっとオレの事を見てくれればいいのに
 オレだって、女っぽくないから……男友達みたいに気軽に話して……

 いや違う
 オレはアイツがオレを女の子扱いしてくれるから気になっているわけで
 でもアイツは男っぽい奴の方が話やすいだろうし

 あれ?

 あれあれあれあれあれあれあれあれあれあれあれあれ?


純「……」フラフラ


 まぁいいやなんでも
 オレがお茶を淹れて、アイツが喜んでくれりゃそれでいい

 オレは、アイツの顔が見られたらそれだけで幸せを感じられるんだから


純「へへ……待ってろよ、須賀」


 その頃

京太郎「それにしても立派だなぁ」キョロキョロ

 このテーブル一つ取っても、俺の家より高かったりして
 いや、いくらなんでもそこまでは無いだろうけど

京太郎「にしても、こう広い場所に一人だと」ウムム

 早く誰か来て、話し相手になってくれないかな?
 例えば井上さんとか、国広さんとか

京太郎「もしくは……」

 ガチャリ

京太郎「あっ」

智紀「あっ」

京太郎「沢村さん!」

 応接間に入って来たのは龍門渕随一の巨乳の持ち主
 眼鏡の眩しい、沢村智紀さんだった

智紀「えっ、も、もう来ていたの?」ズサッ

京太郎「ええ。って、なんで後ずさりするんですか?」

智紀「えっと、それは……」

京太郎「?」

智紀「……//」モジッ

京太郎「(なんだろう?)」

智紀「(だ、だって……)」



 変態判定↓2

 49以下 智紀「(こんなに近くで顔を見たら、頭がフットーしちゃう……)」ボッ
 50以上 智紀「(ついさっきまでスガニーしていたから……きまずい)」モジモジ
 ゾロ目 智紀「まだ、ケーキが焼きあがっていないから」クスッ



京太郎「沢村さん?」ニコニコ

智紀「っ」ドキィーン

京太郎「?」

智紀「(こんなに近くで顔を見たら、頭がフットーしちゃう……)」ボッ

京太郎「顔が赤いですよ? 熱でもあるんですか?」

智紀「ち、ちがっ」パタパタ

京太郎「あの、無理はしない方が」

智紀「大丈夫!大丈夫だから!」

京太郎「はぁ、それならいいんですけど」

智紀「……」ジィー

京太郎「(なんだか凄い見られてる)」

智紀「(やっぱりカッコイイ……)」ポワー

 ガチャッ

京太郎「ん?」

純「よぅ須賀! やっぱり来てたんだな!」

京太郎「井上さん!」

純「って、智紀もいたのかよ」

智紀「うん」コクッ

純「わり、須賀とオレの分しか淹れてきてねぇや」ガチャガチャ

智紀「大丈夫。喉、乾いてないから」

京太郎「ありがとうございます。井上さん、お茶を淹れるの上手ですよね」

純「練習してあれからもっと上手くなったぜ」

京太郎「それは楽しみだなぁ」

純「(須賀に褒められた。須賀に喜んでもらえた)」ドキドキ

智紀「(メスの顔してる……)」ヒクヒク

京太郎「あ、本当だ。美味しい」パァ

純「えへへへ」ニヤニヤ

智紀「わ、私もお茶くらい……」

京太郎「へぇ。じゃあ今度ご馳走してlくださいね」

智紀「う、うん!!」

純「……」ムスッ



 その頃


透華「これでも微妙ですわ……いえ、これでも」ブツブツ

 コンコン

透華「あら? 開いていますわよ」

 ガチャリ

ハギヨシ「失礼します」

透華「ハギヨシ、もう来ましたの?」

ハギヨシ「はい。応接間でお待ち頂いています」

透華「そう。なら急いで支度しますわ」

ハギヨシ「では私は衣様のところへお伝えして参りますので」

透華「ええ。構いませんわよ」

ハギヨシ「……失礼します」バタン

透華「……須賀京太郎」ボソリ

 清澄高校一年
 麻雀部部員、ただし実力は県大会初戦敗退レベル

 しかし清澄のメンバーからは慕われていて、全国大会中も彼女たちのメンタルを支え続け
 優勝に貢献したとも言われる――幻の六人目


 私にとっては執事であるハギヨシの友人


 そして、何よりも――


 変態判定↓2

 49以下 透華「原村和をギャフンと言わせる為の駒でしてよ!」オーッホッホッホ
 50以上 透華「未来の旦那様……//」ポッ
 ゾロ目 透華「愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人愛しい人」



透華「原村和をギャフンと言わせる為の駒でしてよ!」オーッホッホッホ

 いくら優勝の立役者と言えど、あんな冴えない男のどこがいいのか理解に苦しみますわ
 まぁ、あの程度の男なら……私の魅力でイチコロですわね

透華「あんな……男……」


~京太郎「あ、どうも。須賀京太郎っす! 県大会では惜しかったですねー」ヘラヘラ~


透華「初めてでしたわ。この私を前に、あんな馴れ馴れしい態度を取ってきた男は……」

 特に私の家柄を知っている男は皆、媚びへつらうか下手に出てくるばかり
 そうでなくても、心のどこかで私に対する壁を作っている

 ハギヨシでさえ、従者としての一線を持って
 私にひれ伏しているというのに……


 なのに、あの男は――


透華「教育が必要ですわ」ボソッ

 そう
 これは原村和をギャフンと言わせるだけではありませんわ
 
 私を前に不遜な態度を取ったあの男を、私にゾッコンにしてあげますの
 そうすれば――ふふっ

 とても、とーっとも面白そうですもの

透華「……ドレスは、これに決めましたわ」クスクス

 さぁ、魅了して差し上げますわよ
 須賀京太郎……覚悟なさい


 龍門渕家の人間は、諦めが悪いんですのよ!


 その頃

ハギヨシ「……」スーハー

 私自身、衣様をとてもお慕いしておりますし
 従者として一生を終えられれば、などと夢を見ることもあります

 しかし、どうしても

 この時ばかりは――いささか緊張してしまいますね

衣「ハギヨシか」

ハギヨシ「!」

 部屋の扉を開く前から……
 流石にお見通し、というわけですか

ハギヨシ「失礼します」

衣「……この気配。あの男が来たのか」モフモフ

 手にしたぬいぐるみを弄びながら、衣様はベッドに腰掛けておいででした
 それはまるで、遊びあきた人形で妥協しながら――

 新たなおもちゃを買って貰えることを待ちわびる、子供のような姿

衣「こどもじゃない、ころも、だ」

ハギヨシ「これは失礼をば」

衣「意外にも顔に出やすいな。上手の手から水が漏る、か」ピョン

ハギヨシ「行かれますか?」

衣「ああ。トーカが服選びに時間がかかっている内が好機だ」

 幼い子供の容姿でいて、内に秘めるは……
 なんとも恐ろしく、それでいて魅力溢れる方なのでしょうか……

衣「……須賀、京太郎」ボソリ


 変態判定↓2

 49以下 衣「わーい! 今日もボコボコにして泣かせてやるー!」ケラケラ
 50以上 衣「あぁ……早くいじめたい。心を折ってやりたい……」クスクス
 ゾロ目 衣「……」



衣「あぁ……早くいじめたい。心を折ってやりたい……」クスクス

ハギヨシ「っ」ゾクッ

衣「初めてだった。あのサキですら、最初は怯えた顔をしていたというのに……」クスクス

ハギヨシ「(ああ、なんというギャップでしょうか)」ゴクリ

衣「衣と打って、アイツは楽しそうな顔をしていた」

ハギヨシ「(須賀君の話をする時の衣様は、いつもの幼い子供の顔ではなく)」

衣「何度負けさせても、討ち取っても、笑う。心底幸せそうに、衣相手をしてくれる」

ハギヨシ「(大人の、それも――)」

衣「あぁっ……海誓山盟。衣はあの男が恋しい……あの男が衣の前で怯え、泣き叫び、縋り付いてくる姿を見たい」プルプル

ハギヨシ「(恋に溺れた牝の顔を覗かせる)」

衣「衣以外にも、幸せそうな顔を見せるあの男が憎い。でも、衣だけがキョウタロウを怯えさせられる」

ハギヨシ「(愛多憎生とでも言いましょうか。愛多き人ゆえに、憎しみを買いやすいのでしょうね)」

衣「待っていろキョウタロウ。今日こそは衣が、衣だけのキョウタロウにしてみせる」クスクス

ハギヨシ「(羨ましいものです。これほどまでに、衣様に愛されているだなんて……)」フフ





京太郎「……へっくし!」

純「風邪か?」

智紀「大丈夫?」

京太郎「あ、はい。なんとか……」

 なんだ、今の感じ? 
 妙に胸がざわついたような……



歩「……」コソッ



純「というか透華逹遅いな」

智紀「探してくる?」

純「別にいいんじゃねぇか?」

京太郎「ハギヨシさんが遅いなんて心配ですよね」

 コンコン

京太郎「ん?」

 ガチャリ

歩「あ、皆さん!」

純「お、どうしたんだ?」

歩「いえ、大したモノじゃないんですが……クッキー☆を焼いてきまして」

京太郎「!」ビクッ

智紀「うわぁ、美味しそう」

純「へぇ、気が利くじゃん!」

歩「お客様がいらしていたようなので……須賀さんもどうですか?」ニコニコ

京太郎「え、えっと、俺は、その」

歩「美味しいですよ?」

純「自分言うかフツー?」

智紀「でも本当に美味しそうだから」

京太郎「(クッキーはトラウマあるんだけどなぁ)」

歩「どうですか?」ニコニコ

京太郎「い、頂きます」

 ここまで言ってくれているのに、食べないわけにはいかないよな

京太郎「じゃあ一つ」

 そして俺は差し出されたクッキーの一枚を

京太郎「あむ」

歩「……」クスッ

 口の中に、放り込んだ


 変態判定↓2

 49以下 歩「美味しいですか?」ニッコリ
 50以上 歩「あっ……食べてる、私の……愛の、んっ」モジモジ
 ゾロ目 歩「美味しいですか? 美味しいですよね? だってそれには私の愛情がたぁっぷり入ってるんですから。なのに須賀さんはひどいです。いつも私の送った愛をゴミ箱へ捨ててしまうんですから。いいえ、でもいいんです。そんな酷いところも含めて愛していますから。だってそれが愛というものですよね? 相手の嫌な部分や嫌いな部分も含めて、愛しいと思えるのが本当の愛なんです。それなのにあなたの周りには身勝手な人が多すぎますよね。私だけが須賀さんのことを真剣に愛していると思います。いいえ、きっとそうに違いありません! だから私はアナタのことをずっと見守っています。ずっとずっとずっとずっとずっとずぅっと!誰よりも私がアナタを愛し続けますから!ふふっ嬉しいでしょ? 嬉しくない? なんで? なんでなんでなんで!? どうしてそういうこというの? 酷い、そんなのあんまりですよ。謝ってください! 私に、私の愛に謝ってください! 謝れ、謝れよ! 月島さんにも謝れよ! 謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れぇぇええええええええええええええええええええっ!!!!!!!!!!!」



歩「美味しいですか?」ニッコリ

京太郎「あ、美味しい」

歩「やったぁ!」

純「やるじゃん」モグモグ

智紀「本当に美味しい」ポリポリ

京太郎「マジで美味いですよ」

歩「練習した甲斐がありました」エヘヘ

 ガチャリ

透華「あら、なんだか甘い香りがしますわね」

一「なになに、クッキー食べてんの?」

京太郎「あ、お邪魔しています」ペコリ

透華「オーッホッホッホ! 構いませんわ! 来るもの拒まずが龍門渕家のしきたりですもの!」

歩「透華お嬢様逹もいかがですか?」

透華「ええ、頂きますわ」

純「あー、こんなに増えるなら紅茶もっと用意しときゃよかったな」

ハギヨシ「それならご心配なく」シュバッ

純「おわっ?! いつの間に?!」

ハギヨシ「人数分の紅茶はご用意していますよ」フフフ

一「あれ? 衣は?」

京太郎「もうここにいますけど」

衣「キョウタロー、衣と勝負しろー」ギュゥゥゥ

智紀「いつの間にか対面座位で抱きついてる」

一「は、はぁぁぁ!?」

透華「な、何をしていますの!? はしたないですわよ!!」

衣「……」クスッ

透華「こ、衣が昼ドラの泥棒猫のような顔を……」フラッ

ハギヨシ「お、お嬢様!?」


純「あー、いいよなぁ衣は」

智紀「ずるい」

一「ぼ、ボクだって!」

透華「淑女の嗜みがなっていませんわよ!!!」

衣「……キョウタロー」ギュゥウ

京太郎「あはは」

ハギヨシ「困ったものです」クスクス

歩「いいなぁ」ジィー

 なんだかんだで、やっぱりここの人逹は面白い人ばかりだ
 やっぱり、この中にあの手紙の差出人がいるとは思えない

京太郎「……あの」

透華「あん? なんですの?」ギロリ

純「透華、キャラがぶれてるって」

透華「あ、失礼しましたわ」オホホ

京太郎「いえ、俺……どうしても皆さんに相談したいことがあって」

透華「相談?」

京太郎「はい。驚かないで聞いて貰えますか?」

ハギヨシ「なにやら申告な面持ちですね」

一「話してみなよ。ボクら、相談に乗るからさ」

京太郎「ありがとうございます」

 きっと、この人たちは力になってくれる
 だから俺は、今までに起きたこと全てを――彼女たちに話すことにした



透華「ストーカー!?」

一「それも、手紙からこの屋敷の香りが!?」

京太郎「はい」

 天江さんもいるので多少はオブラートに包んだけど
 やっぱりショックは大きかったようだ

衣「……キョウタロウを怯えさせている。衣以外の誰かが、キョウタロウを……」ブツブツブツ

透華「なるほど。それでここへ」

京太郎「皆さんを疑いたくは無かったんですけど」

純「でも仕方ねぇよな。あの芳香剤って、特注なんだろ?」

智紀「じゃあ、犯人はやっぱりこの中に?」

純「クッキーといやぁ……」ジィー

歩「わ、私じゃありませんよぉ!」ブンブン

透華「歩はそんなことしませんわ。勿論、ここの誰もがそうでしてよ」

京太郎「そうですよね。じゃああの香りは一体……」

透華「……ハギヨシ、確かあの時」

ハギヨシ「ええ。恐らくそうかと」

京太郎「?」

 なんだ? 龍門渕さんとハギヨシさんは何かを知っているようだ

透華「実は……あの芳香剤、他にも持っている人間がいましてよ」

京太郎「え?」

純「マジで?」

ハギヨシ「ええ。以前交流した他校の方々が、ここの匂いを気に入ってくださりまして」

透華「親交の証にプレゼントしましたのよ」

一「じゃあ! そいつらの中に犯人が!?」

智紀「可能性としては十分」

京太郎「そっか、そういうことだったのか」


透華「許せませんわね。私逹に濡れ衣を着せるだなんて」

一「全くだよ!」

衣「……」ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ

京太郎「でも、まだ決まったわけじゃ」

ハギヨシ「そうですね。しかし、可能性が高いのは事実でしょう」

京太郎「確かに」

 他に疑うべき場所は無いし、手掛かりもそれしか無い

純「ムカつくぜ」

一「ボク逹は健全に須賀のことを想ってるのに」

智紀「うん」

衣「……も、勿論だ。衣は不純な気持ちなど、微塵もありは……」ヒヤアセ
 
歩「あの、透華お嬢様。もしかしてその学校って……」

透華「ええ。みんなも知ってのとおり――」

京太郎「!」



安価↓1から5 多いとこ 同数の場合はコンマの合計数


1 鶴賀
2 阿知賀
3 白糸台
4 宮守



透華「阿知賀女子ですわ」

京太郎「阿知賀!? あの阿知賀ですか!?」

純「ああ、そういやあの時やたらと屋敷の香りについて騒いでたな」

一「お土産に芳香剤を上げてたんだー」

智紀「これでピースは繋がったね」

京太郎「阿知賀、か」

 果たして本当に阿知賀の誰かが犯人なんだろうか?
 奈良から長野まで距離があるし、毎日のようにクッキーを送りつけるのは難しいと思うけど

ハギヨシ「須賀君、もしよろしければ……」

透華「そうですわ! 私逹も協力しますわよ!」

歩「犯人探しですね!!」

京太郎「いえ、出来れば犯人は俺一人で捕まえたいんです」

透華「!? なぜですの!?」

純「水臭いぜ! そんな奴、みんなでとっちめて晒しモノにしてやるくらいでちょうどいいだろ?」

京太郎「それがイヤなんです。俺、犯人が反省してこんなことやめてくれれば、それで満足ですから」

 もし犯人が親しい誰かだと知ったら、傷つく人は多いだろう
 それは犯人の周りだけじゃなく、犯人自身もそうだ

 俺は、誰にも傷ついて欲しくなんかない
 
 だから、この件は俺一人で片を付けたい

透華「甘ちゃんですわね」

京太郎「はい。自覚してます」

透華「で、でも……そんなところが、私は好きでしてよ」フフフ

京太郎「えっ?」

一「あ、ああああ!! げふんげふん!!!」

純「え? なんだって? え? な ん だ っ て ? え  ?  な  ん  だ  っ  て  ? 」

智紀「抜けがけ乙」

歩「抜けがけはいけませんよお嬢様」フフフ

透華「そ、そんなつもりではありませんわ!」カァ

衣「衣は京太郎を拉致監禁して苛めたいぞ」

京太郎「はい?」

ハギヨシ「今のはスルーするところですよ」

透華「ああもう! なんですのみんなして!!!」プンプン

京太郎「なんだかよくわからないけど、龍門渕は明るくて楽しいなぁ」アハハ



 結局、龍門渕では犯人を見つけることは出来ず
 新たな手掛かりを見つけるのみで終わってしまった

 その後は麻雀を打ったり、ご飯をご馳走になったりして楽しく過ごした
 まるで自分の家のように、みんなが優しく歓迎してくれて嬉しかったなぁ

 もし機会があるなら、また今後も遊びに来たい
 そう思える場所だった、本当に


京太郎「……阿知賀、か」


 帰宅してからの俺は、新たに得た情報に頭を悩ませていた
 もし本当に阿知賀の誰かが犯人だとしたら、一度奈良に行かないといけない


京太郎「でも、そんな金無いしなー」


 一応、和絡みの件で阿知賀のみんなとは交流がある
 松実玄さんは旅館に遊びに来てとも言っていたし、宿泊券も貰った

 でも交通費がなぁ……


 ガチャッ


京太郎「ん? なんだよ母さん? え? マジ? は?」

 
 突如部屋に入ってきた母さんは、ニコニコと笑いながら俺に何かを差し出してきた
 それは……奈良行きの新幹線のチケットだった


京太郎「どういうことだよ?」


 なんでも、今日は家のポストに紅い贈り物は入っておらず
 代わりにこの券が入っていたそうだ


京太郎「いや、確かに奈良の旅館の券もあるけどさ……は? オヤジと二人きりになりたい?」


 つまり、結婚記念日で夫婦水入らずでイチャつきたいから
 前から松実さんの旅館に行きたがっていた俺に、奈良へ行ってこいって話らしい

 でも、これって明らかに……


 罠、だよな?



 贈り物の代わりに奈良行きの券ってことは、自分が阿知賀の人間だと自白したようなもんだ
 つまり、犯人は俺との直接対決を望んでいるってことか?

京太郎「……上等」

 いいぜ、どんな罠があるかしらないけど
 売られた喧嘩だ、買ってやる

 必ずお前の正体を暴いて、俺は……

京太郎「俺は、平穏を取り戻してみせる!!!」



 そ し て



憧「え? 須賀が阿知賀に?」

玄「うん。前に上げた券を使いたいからーって。電話で予約してくれたの」

穏乃「やったー! また須賀君と遊べるね!」ピョイン

宥「その日はちょうどみんなが遊びに来る日だから」

灼「つまり、須賀君とお泊まり会?」

憧「お、お泊まり会っ!? そんな、まだ私逹……学生なのに」カァァ

穏乃「? なんか問題あるっけ?」キョトン

玄「ほえ?」

憧「あ、ああ、そうよね、別に変なことするわけじゃないし」ドキドキ

宥「……」

灼「楽しみだけど……ハルちゃん、なんて言うかな」

玄「もう話したけど、好きにしなさいって」

穏乃「ならもう心配ないですね」

憧「……」

灼「何も無いといいけど、ね」

穏乃「?」

憧「ええ、ほんとね」




 そのころ



晴絵「須賀京太郎。ふふふふっ、須賀京太郎」クスクスクス





 つ    づ    く






 


 次回阿知賀編
 ぶっちゃけ阿知賀組に血を使って料理しそうなのアコチャーくらいしかいない気もするでやんす

 というか7判定でゾロ目が出ないとはもんぶちの癒し率ェ……
 純愛がなさすぎて物足りないですねー、はい

 次はもっともっと、純愛デュエル! アクセラレーション!




 現在ストーカー数 

末期 2名 久・まこ
重度 2名 和・衣
軽度 7名 咲・優希・一・純・智紀・透華・歩


 ※ハギヨシさんは重度以上にならなかったので除外だお



 奈良


京太郎「んーっ……つっかれたぁ」

 長野から新幹線ではるばると、奈良までやってきたぜ!
 
京太郎「しっかし……本当によかったのか?」

 こうして犯人の挑発に乗るような真似をしてるわけだ
 いつ何が起きても、おかしくはない

京太郎「……阿知賀のみんな、か」

 前に清澄のみんなと話した時には、みんないい人そうに見えた
 特に松実玄さんとは意気投合して、一晩中おもちについて語り尽くしたっけ

京太郎「他のみんなも、いい人そうに見えたのに」

 一体あの人逹の中の誰が、俺に血染めの手紙や贈り物を……?
 うーん、分からん

京太郎「とりあえず、進むしかないか」ガサゴソ

 えっと、地図によると……こっちのバス停から迎えるか

京太郎「よし、まずは松実館を目指そう!」スタスタ






???「……んふっ」ニヤァ






京太郎「っ」ゾゾゾゾ




 バス停

京太郎「時刻表を見た感じ、これかな?」

 さて、とりあえず事前に伝えた時間には間に合いそうだ
 一応玄さんにはラインを送っておこう

京太郎「えーっと」


京太郎『今バスに乗ったので、あと三十分くらいで到着できそうです』


京太郎「よし」

 それにしても、事情が事情とはいえ一人旅なんて初めてだなぁ
 しかも宿泊先があの松実姉妹の家だなんて……

京太郎「正直たまりませんです、はい」

 ガタン

京太郎「おっ、動き出した」

 バスか。
 県大会前の合宿を思い出すなー……って?

京太郎「あれ?」

 前の席に座っているあの特徴的なこけし頭は……?


灼「……」テテーン


京太郎「鷺森、さん?」

 どうしよう、人違いだったら恥ずかしいし
 でも、本人だったら声をかけないと……

 うーん?



 変態判定↓2

 49以下 灼「センターに入れてスイッチ……」カシャッ
 50以上 灼「……」ブツブツブツブツブツブツブツ
 ゾロ目 灼「れじぇんどれじぇんどれじぇんどれじぇんどれじぇんどれじぇんど」グルグルグルグル



灼「(まさかとは思ってヤマを張っておいたけど……やっぱりこのバスに乗ってる)」ドキドキ

京太郎「……やっぱり鷺森さんだよなぁ」スクッ

灼「(後は気づかれないように隠し撮り写真を……)」プルプル

 スタスタ

京太郎「あのー?」

灼「今だ!」バッ

京太郎「え?」

灼「センターに入れてスイッチ……」カシャッ

京太郎「あっ」

灼「あっ」

京太郎「……えっと?」

灼「あ、あぁっ……//」プルプル

京太郎「記念写真、ですか?」

灼「ちが、今のはその、えっと」ブンブン

京太郎「まぁとにかく、お久しぶりです。奇遇ですね」

灼「あ、うん」

京太郎「隣、いいですか?」

灼「構わないけど……」プイッ

京太郎「(あれ? こんな冷たい感じの人だったっけ?)」ボフン

灼「(近い近い近い近い近い)」ドキドキドキ

京太郎「いやー、後ろ姿で分かりましたよー」

灼「そ、そう。ありがとう」プイー

京太郎「?」

灼「(か、顔を直視出来ない……)」カァァ

京太郎「ところで、鷺森さんはどうしてこのバスに?(具合でも悪いのかな?)」

灼「それは、須賀君を、その、迎えに来て……」

京太郎「ああ、そうだったんですか。ありがとうございます」ニッコリ

灼「……」プイー

京太郎「(ずっと窓の外を見たままだ)」

灼「……んへへ」ヘラヘラ




灼「あ、ここで降りないと」ピンポーン

京太郎「おお、さすが地元にお詳しい」パチパチ

灼「当然だとおも……」チラッ

京太郎「……」ニコニコ

灼「」キューン

京太郎「鷺森さん?」

灼「」パクパク

京太郎「ど、どうしたんですか!?」

灼「……ハルちゃん、ハルちゃん、ハルちゃん、ハルちゃん……ふぅ、もう落ち着いたから大丈夫」スッキリ

京太郎「なんの呪文ですか?」

灼「と、とにかく降りないと」

京太郎「そうですね……あ、その前に」グイッ

灼「ひゃっ!?」ドキン

京太郎「せっかくですし、もう一回記念写真を」カシャッ

灼「」ボフン

京太郎「さっきは俺、驚いて変な顔してたでしょうし」

灼「」

京太郎「よし、鷺森さんも綺麗に写ってますよ。後でラインで送りますね」

灼「」コクコク

京太郎「さぁ、降りましょう」

灼「」コクコク


京太郎「んー、やっと降りられたー」セノビ

灼「じゃ、じゃあ……ここをまっすぐ行けば、着くから」

京太郎「え? 一緒に行かないんですか?」

灼「ちょっと用事があるから! また後で!」タタタタ

京太郎「あ、行っちゃった……」

 具合悪そうだったし、どこかトイレを探しに行ったのかも
 くそ、俺って気が利かないな

京太郎「鷺森さんも心配だけど、とりあえず向かうか」

 女性のそういうことに詮索しない方がいいって、和も言ってたし

京太郎「とはいえ、本当にまっすぐだけで着くのかな」

 案内人がいないと妙に不安というか、心細い
 誰か見知った人でも通りかからないかなぁ……


穏乃「……」ジィー


京太郎「……」チラリ


穏乃「……あっ」


京太郎「高鴨?」


穏乃「正解! うわー、覚えててくれたんだ!」パァ

京太郎「当たり前だろ。というかそこで何してるんだ?」

 道路脇にある大きな木の上で、枝にしがみつくようにして乗っかっている高鴨
 一体何をしたらこんな状況に……

穏乃「いやー、さっきここに野良猫が登っちゃってて」

京太郎「それを助けに行って、この様ってことか?」

穏乃「そ、そうなるかな?」アハハ

 スポーツ万能なイメージがあるけど、流石にこの高さは怖いのか
 少し震えて、高鴨は枝を強く握り締めていた

京太郎「降りられそうにないか?」

穏乃「う、うん。ちょっと、怖いかも」フルフル

 なんだからしくないセリフだけおd……
 よし、ここは俺が助けるしかないか


京太郎「じゃあ下で俺が受け止めるから」

穏乃「えっ!?」

京太郎「ほら、飛び降りてきていいぞ!」

穏乃「……い、行くよ?」


京太郎「どんと来い!」

穏乃「いっせーのー……」グッ

京太郎「!」

穏乃「せっ!!」ピョン


 変態判定↓2

 49以下 憧「だ、ダメぇー!!」ドンッ
 50以上 憧「こんなところで何をしてるの……? シズ、須賀君……」カラカラカラカラ
 ゾロ目 憧「あはっ、どうしてこんな場所で二人が抱き合ってるの? ねぇ、なんで? どうして?」レイプメ




穏乃「わわっ!」バッ

京太郎「よっと!!」ガシッ

 フニョン

穏乃「ひゃっ!?」ビクン

京太郎「っととぉ」ズザァ

 飛び降りてきた高鴨を抱きとめるように、俺は両手を広げる
 見事に俺の胸元に飛び込んできた高鴨を守りながら、俺は勢いを殺す為に体を捻って後ずさり

 昔ハンドボールで培った技術が、こんな形で役に立つなんてな

京太郎「大丈夫か?」

穏乃「……」ポワー

京太郎「あれ? どこかぶつけたか?」

 かなり強めに抱きとめたから、衝撃でどこかぶつけちまったのかもしれない
 俺としたことが……

穏乃「う、ううん! 大丈夫! 問題無い! 問題無いから!」アセアセ

京太郎「でも」

穏乃「ほら見て! こんなに元気ピンピンだよ? あはは!!」

京太郎「高鴨が無事ならそれでいいけど」


 ……カラカラ


穏乃「あの、その高鴨ってのやめて欲しいんだ」

京太郎「え?」

穏乃「し・ず・の! 穏乃って呼んで欲しいんだけど……ダメ、かな?」ジィイ

京太郎「俺は構わないけど」

穏乃「じゃあ私も京太郎君って……」


 カラカラカラカララ


京太郎「? なんだ、この音……?」

 地面に金属を擦りつけるような……
 って、後ろから?


憧「……」カラカラカラカラ


 そこにいたのは、虚ろな瞳をした新子だった
 いつもの明るい笑顔はそこには無く、能面のような顔で幽鬼のように歩く彼女の右手には一本の金属バットが握られており

 カラカラと音を立てていたのは、彼女がそのバッドを引きずるようにして歩いているからだ


京太郎「あ、新子?」

穏乃「えっ、憧?」

憧「こんなところで何をしてるの……? シズ、須賀君……」カラカラカラカラ

京太郎「え? えっと」

 なんだ、この状況?


憧「私、言ったわよね? 一緒に迎えに行こうって」カラカラカラ

穏乃「……」

憧「でも待ち合わせの場所には現れないで、なに? 何をしてるのシズ?」カラカラカラカラ

京太郎「おい新子、別に穏乃は何も……」

憧「新子? 穏乃? ねぇ、どうして? なんでシズだけ名前で呼び捨てなの? ねぇ?」グッ

京太郎「待て、バットを振り上げるな!」

 なんだかよく分からないが、新子は怒っているみたいだ
 ちゃんと謝って誤解を解かないと

京太郎「穏乃、とりあえず謝るぞ」

憧「あれ? なんで黙るの? ねぇ、どうして隠すの? やましいことがあるってことでしょ? ねぇ、ねぇ!!!」カァーンッ!

京太郎「っ!?」ビクッ

穏乃「……」

京太郎「穏乃? おい、そろそろ本気で……」

 なんだ? 穏乃の様子もおかしい
 もしかして怯えて……


穏乃「……」クスッ
 


 変態判定↓2

 49以下 穏乃「何をしてるように見えるのかなぁ?」
 50以上 穏乃「そんな態度だから、京太郎君に相手にされないんだよ」クスクス
 ゾロ目 穏乃「ご、ごめんなさい憧……ゆるして、ゆるしてぇ」グスッ


穏乃「ご、ごめんなさい憧……ゆるして、ゆるしてぇ」グスッ

京太郎「!」

憧「し、ず……?」

穏乃「やくそくの場所、行こうとしたんだけど……でも、途中で、猫が、それで」ジワァッ

京太郎「! そういうことか!」

憧「どういう、こと?」

京太郎「新子は……」

憧「あこ!!!!!!」ブンッ

 カァーンッ!!

京太郎「あ、憧は……穏乃と一緒に俺を迎えに来てくれようとしてたんだろ?」

憧「うん、そうだけど」

京太郎「その待ち合わせ場所に向かう途中で、穏乃は木の上で降りられなくなった猫を見つけたんだ」

穏乃「……」コクコク

京太郎「それを助けようとして、今度は穏乃が降りられなくなって」

憧「あっ……」

京太郎「そういうことだよ。だから、新子を……」

憧「……」スッ

京太郎「わざと憧との約束をすっぽかしたわけじゃないんだ」キリッ

憧「……そうなの? シズ?」

穏乃「ご、ごめんね」ゴシゴシ

憧「ううん……私こそごめんなさい。事情もろくに聞かずに」カラーン

京太郎「(バットを捨ててくれたか)」ホッ

憧「馬鹿ね、それなら携帯で連絡してくれればよかったのに」

穏乃「あ、そうだね。あはは……」

京太郎「うんうん、仲良きことはいいかな」

穏乃「ありがとう京太郎君。私の為に」モジモジ

京太郎「いや、いいんだよ。なんだか、穏乃って守りたくなるっていうか」ポリポリ

穏乃「ほ、ほんとぉ?」

京太郎「いや、まぁ。俺も一応男だし」

穏乃「えへへ……」テレテレ

憧「むー」プクー










穏乃「えへへっ」ニヤァァァ










穏乃「(ありがとう憧。お陰で思ったよりカンタンに、京太郎君との距離を縮められちゃった)」クスクス




京太郎「というかなんでバットなんか持ってたんだ?」

憧「え? ちょっと野球でもしようかと思って」ブンブンッ

京太郎「(いいスイングだな)」オォォ

穏乃「……」ニコニコ

京太郎「ひと悶着あったけど……迎えに来てくれた助かったよ」

憧「道に迷っちゃったの?」スッ

京太郎「そうじゃないんだけど、寂しいし」ジリッ

憧「……なんで後ずさるの?」

京太郎「あ、いや。なんでもない(さっきの尋常じゃない様子からして、恐らく犯人は……)」ジィー

穏乃「(憧が犯人。そう思い込んでくれたよね、京太郎君)」フフフ

憧「ふーん? というかそもそも、須賀君が来たら野球がしたいって言い出したのは……」

穏乃「そんなことよりほら! 玄さん逹が待ってるから行こうよ!」

京太郎「お、そうだな」

憧「……?」

穏乃「(わざわざ奈良まで京太郎君を呼んだのは、ただ会いたかったからじゃないんだよ)」フフ

京太郎「(憧の様子にはくれぐれも注意だな)」

穏乃「(スケープゴートを用意して、そのことを相談するフリをして……私が距離を詰める)」

憧「(穏乃がバット持ちなさいよね。自分で催促したくせに)」ムスー

穏乃「(ごめんね憧。もう、憧に勝ち目は無いよ。チェックメイト……なーんてね)」クスクスクス



京太郎「おー! ここが、松実館!」

 思ったよりも綺麗で広そうな場所だ!
 これは快適に宿泊出来そうだぞ

憧「一応私逹も泊まってるのよ」

京太郎「え? そうなのか?」

穏乃「夜はみんなで麻雀を打とうね」

憧「ところで玄逹はどこ?」キョロキョロ

穏乃「そう言えば……もう到着するって連絡しておいたのに」

 タタタタ

玄「お待ちどうさま!」バーン

京太郎「わっ!?」

玄「いらっしゃい須賀君! お待ちしておりましたー」ペコリ

京太郎「どうも。しばらくお世話になりますね」

憧「玄、宥姉は?」

玄「お姉ちゃんはいつものアレで引きこもり中なの」

穏乃「それじゃあ灼さんは?」

玄「まだ来てないね。灼ちゃん、どうしたんだろ?」

京太郎「どうしたんでしょうね」トオイメ

玄「まぁいいや! まずは須賀君をお部屋に案内するよ!」

京太郎「ああ、すみません。荷物も下ろしたいので」

憧「じゃあ私逹は先に行ってるわよ」カラカラ

穏乃「また後でね、京太郎君!」

京太郎「ああ、後でな」




玄「須賀君、本当に泊まりに来てくれてありがとう」テクテク

京太郎「いえ、こちらこそ宿泊券なんてありがとうございます」テクテク

玄「私もまた須賀君とお話したかったから」クスクス

京太郎「っ」ドキ

玄「今夜はいっぱいお話しようね?」ニッコリ

京太郎「は、はい!」

 憧の事も気になるけど、せっかく奈良まで来たんだから楽しまないとな
 犯人は恐らく決まりだろうし、そう張り詰めなくてもいいか

玄「じゃあこっちの角を曲がって……」

京太郎「(思ったより歩くな)」スタスタ

玄「ふふふふーん♪」

京太郎「……」スタスタ

玄「……」ニコニコ



 変態判定↓2

 49以下 玄「この部屋だよ! ゆっくりしていってね!」
 50以上 玄「はい、この部屋だよ。お姉ちゃんと一緒のお部屋!」ニコニコ
 ゾロ目 玄「お待たせ。ここが私の部屋だよ!」



玄「はい、お待たせ!」

京太郎「お、ここですか?」

玄「うん。この部屋だよ! ゆっくりしていってね!」

京太郎「うわぁ、綺麗にしてありますね」

玄「もう、当たり前だよ」クスクス

京太郎「じゃあ荷物を置きます」ドサッ

玄「……ちょっと、掛け軸の位置が悪いなぁ。これじゃちゃんと盗撮できないよ……」ボソッ

京太郎「え? 何か言いましたか?」

玄「ううん! あ、ちょっとここの掛け軸のズレを直すね!」ササッ

京太郎「おー、プロですね」

玄「えっへん! じゃあみんなが集まってる場所へ向かおうか」

京太郎「あ、その前にトイレを借りてもいいですか?」

玄「と、トイレ!? トイレにはまだ設置してないよ!!」

京太郎「はい? トイレ、無いんですかここ?」

玄「いや、そうじゃなくてカメ……はっ!?」

京太郎「亀?」

玄「ううん! なんでもない! こっちだよ! 案内するね!」ソソクサ

京太郎「???」



玄「じゃあ、ごゆっくり……」ポロポロ

京太郎「なんで泣いてるんですか?」

玄「なんでもないの、なんでもないから……」

京太郎「? 行ってきます」スッ

 ガチャッ

京太郎「さて、さっさと用を足すとしますか……」

宥「……」ジィー

京太郎「……」チラッ

宥「あ、須賀君」

京太郎「ぎゃああああああ!?」

宥「わわっ!? どうしたの!?」

京太郎「い、いや!? なんでトイレに宥さんが!?」ビックリ


 ドンドンドン ドウシタノスガクーン! チャックデオチンチンハサンダノカナー!? 
 ドンドンドン ワタシガナデナデシテアゲルノデス!


宥「いや、なんでって言われても」

京太郎「こ、こここ、ここ男子トイレですよね?」

 ドンドンドン カメサーン! スガクンノカメサーン!!  ア、アコチャン!?
 ドンドンドン ナニヲシテルノヨクロ! スガクンノカメサンハワタシノモノヨ!

宥「うん」

京太郎「ぎゃー! やっぱりなんくるあるさー!!!」


 ドンドンドン キョウタロウクン! ニゲテー!


宥「だから、そうじゃなくて」

京太郎「あわわわ」ブルブル



 変態判定↓2

 49以下 宥「お掃除していただけだよ?(大嘘)」
 50以上 宥「女子トイレが壊れていたから、それで……(大嘘)」
 ゾロ目 宥「うんちして♥」


宥「お掃除していただけだよ?(大嘘)」

京太郎「あ、なるほど」

宥「一応、私もここの人間だから」フンス

京太郎「いやー、ごめんなさい。俺もうっかりそれを忘れてました」アハハハ

宥「でも、私もちゃんと掃除の看板を出してなかった見たいだから」ペコリ

京太郎「俺も騒いですみませんでした」ペコリ

宥「じゃあ私、もう出るから」

京太郎「はい、すみません」


 ガチャッ


玄「わっ!? お姉ちゃん!?」

憧「どうして宥姉がここに!?」

宥「お掃除していたら須賀君が入って来て、びっくりしちゃった」エヘヘ

穏乃「……ふーん?」

玄「は!? まさかお姉ちゃん!?」ピキーン

宥「ふふっ。玄ちゃんの穴は私が埋めるよ(意味深)」グッ

玄「か、神ぃ!! 仰せのとおりにぃ!!」ドゲザ

憧「?」

穏乃「(……どうにかして、後で手に入れようっと)」ニヤリ








京太郎「……美少女がドアの前にいる状態じゃ、出すもんも出しにくいんですけど……」プリプリ




観葉植物くん「REC」キラーン



 


 そうこうして、ようやく松実館へたどり着いた俺
 みんなから歓迎? されて、夜の時間まではゲームをしたり卓球をしたりと
 色んなことをして時間を潰した

 本来の目的だと、犯人探しに時間を使う予定だったんだけど……

憧「ちょっと! 須賀君の隣は私でしょ!!」

穏乃「えー? いいよね? 京太郎君」ギュッ

京太郎「お、おう」ドキドキ

憧「ぐぬぎぎぎぎぎぎぎぎぎっ!!」ギリギリギリ

 わかりやすい容疑者がいるお陰で、特にその必要も無さそうだ

 そして――

玄「うーん、そろそろかなぁ」

宥「赤土先生?」

灼「そう言えば、そろそろ来るって言ってた時間」

京太郎「赤土先生って、あのコーチの人ですか?」

宥「うん。すっごい人なんだよ」

灼「阿知賀のレジェンドって呼ばれていてね! それで」ペラペラペラペラ

京太郎「(凄い饒舌に……。でも、それだけ凄い人なんだろうか)」

 あの小鍛治プロに一矢報いたという伝説
 そんな偉大な人に会えるなんて、少し楽しみだ

京太郎「一体どんな人なんだろう」

 ガラガラ

玄「あ、来たみたい!」

穏乃「赤土先生!」

京太郎「(お?)」


 スタスタ


晴絵「いやー、みんなお疲レジェンドー」ガラガラ

京太郎「思ったよりレジェンド感ねぇぇぇぇっ!?」ガビィーン

晴絵「え? 嘘!? ダメだった!?」

灼「須賀君! いくら須賀君でもハルちゃんを侮辱することは許さない!」

憧「いやいや、今のはダメでしょフツー」

晴絵「ごめんね。なんだか期待に応えなくちゃって」テヘテヘ

京太郎「いや、こちらこそ失礼しました」

玄「面白いねお姉ちゃん……ってお姉ちゃん?」

宥「」カキィーン

玄「こ、凍ってる!?」

穏乃「うわぁ!? だ、大丈夫ですか!?」オロオロ



 十数分後

晴絵「へぇ、そんなことがあったんだ」

京太郎「はい。びっくりしましたよ」

宥「須賀君、もうその話はやめてほしいな……」モジモジ

憧「私も須賀君と一緒にトイレで二人きりになりたいわ」ボソッ

玄「一緒になったらどうするの?」

憧「それはまぁ……飲むわよね」

玄「わお」

灼「……」カシャッ

穏乃「何を撮ってるんですか?」

灼「ハルちゃん、だけど」プイー

穏乃「その割には京太郎君の割合が多いみたいですけど」

灼「手ブレ」

晴絵「話に聞いていたより、随分と面白い子だね」

京太郎「そうですか? なんだか照れますね」

晴絵「どう? 今度は麻雀の腕を見せて欲しいんだけど」

京太郎「え? 俺のですか?」

玄「私も気になるなぁ。須賀君ってどれくらい打てるのかな?」

京太郎「いやー、どうでしょ」

穏乃「自信無いの?」

京太郎「最近、強い人としか打ってなかったから。どんなもんだろうって」

灼「長野は魔境だから……」

京太郎「じゃあやれるだけやってみます!」

宥「頑張ろうね!」

 麻雀をまともに打つのは久しぶりだ
 みんなの胸を借りるつもりで、打ってみよう!

京太郎「じゃあ、行きます!!」


 実力判定↓2

 49以下 クソ雑魚ナメクジ 4位
 50以上 やりますねぇ! 1位 
 ゾロ目 お前ら阿知賀なんかに負けるわけないだろ! ぶっちぎり1位(晴絵込み)



 数十分後


京太郎「ははははは! たのしー! もっとやりましょー!」ケラケラ

穏乃「お、落ち着いて! もう点棒無いよ!」

玄「うわぁ……なのです」

宥「ある意味、凄いね」

灼「ことごとく全てが裏目に出てたね」

憧「可愛い……」キュンキュン

穏乃「大丈夫? もうやめる?」

京太郎「大丈夫だよ。俺はまだやれるぜ」ゲンキピンピン

晴絵「へー? ここまでボコボコにされても折れないなんて」

京太郎「うぉー! 次だ!」

晴絵「(精神力だけはトップクラス、かな。恐ろしく運がないけど)」クスクス



 二時間後



京太郎「」スピー

玄「疲れて眠っちゃったみたいだね」

宥「寝顔可愛い」ポッ

灼「……」カシャカシャ

憧「……」ペロペロ

穏乃「憧!? 何やってるの!?」

憧「え? 寝汗を舐めてあげるんだけど、悪い?」

穏乃「(私だって舐めたい……でも、ここで尻尾は出せない)」ギリッ

晴絵「もう時間も遅いし。みんなは部屋に戻りなさい」

玄「え? でも須賀君は?」

晴絵「私が運んでおくから。彼を運べるのは私くらいでしょ?」

宥「でも、それならお父さんを呼んだ方が……」

晴絵「これくらい軽いわよ。さーさー、みんな。明日は早いんだから」

穏乃「……」


玄「じゃあみんな、行こう」

宥「部屋でトランプしたいなぁ」

灼「女子会」

憧「その前に須賀君の匂いを噛み締めながらオナ……」

穏乃「賛成」

憧「え?」

穏乃「ううん、なんでもない」

玄「?」

晴絵「じゃあ、みんなまた明日ね」

玄「お願いします、赤土先生」


 ガラガラ


京太郎「むにゃ……」

晴絵「ほんと、よく眠ってるわ」クスクス

 スタスタ

京太郎「ち……いやだ、くっきー……」ウーン

晴絵「!」

京太郎「……うぅ」ムニャニャ

晴絵「……ふふふっ」サワッ

京太郎「んぁ」ピクッ

晴絵「張りがあって、引き締まった体……」サワサワ

京太郎「んぅ」モゾモゾ



 変態判定↓2


 49以下 晴絵「ほんっと、可愛いわねぇ」ジュルリ
 50以上 晴絵「ちょっとくらいつまみ食いしても……バレないわよね」
 ゾロ目 晴絵「……ツカマエタ」



晴絵「ほんっと、可愛いわねぇ」ジュルリ

 こんなに無防備で……いけない子

晴絵「……」ペロリ

京太郎「んひっ……」ピクッ

晴絵「あむ……はむっ」

京太郎「みみ……耳が、みみがぁ」モゾモゾ

晴絵「んふっ、おいひぃ」レロレロ

京太郎「」ビクン

晴絵「あの子逹が夢中になるのも……分かるような気がするわ」クスクス


 コソッ


穏乃「……」ジィー


晴絵「よいしょ。思ったよりは軽いけど、大変だわ」ヨイショヨイショ



穏乃「……」



晴絵「この部屋ね。ここに寝かせて……電気を消す」

京太郎「ふがっ」モフッ

晴絵「おやすみなさい」カチッ

京太郎「」スピー




穏乃「……」ガラガラ

 シュルッ パサッ

穏乃「……んひっ」

 スタスタ  ピトッ

京太郎「んぅ……?」

穏乃「しぃーっ……これは夢、夢だから」

京太郎「ゆめ……」

穏乃「ふふふふふふふっ」ギュッ

京太郎「……ゆ、め」

穏乃「ティヒヒヒヒヒ」ジュルリ





    ンアッー




玄「あれ? 穏乃ちゃんは?」

憧「トイレだって」

宥「遅いね?」

灼「おっきぃのを出してるんだとおも……」

憧「まぁ、シズだしありえそうね」



 翌朝


京太郎「いてて……なんだか、体がダルイ」

 というか、俺って昨日……どうしたんだっけ?

京太郎「っつぅ!? なんだ!?」ズキン

 体の気だるさもそうだけど、首筋に痛みが?

京太郎「……鏡で見てみるか」チラッ

 なんだこれ? 赤い痕が首に……?

京太郎「虫に刺されたか?」フラフラ

 ガラガラ

玄「おはよう須賀君。昨日は眠れた?」

京太郎「はい。おはようございます」

玄「食事の用意はできてるから、着替えたら来てね」

京太郎「分かりました」

 首の痕はよく分からないけど、さっさと顔を洗おうっと




穏乃「……んふふ」チューチュー

宥「あれ? 穏乃ちゃん、それは?」

穏乃「あ、特製のジュースなんですよ」

灼「トマトジュース?」

憧「へぇ? 健康的でいいじゃない」

宥「美味しい?」

穏乃「はい。世界一……美味しいですよ」クスクス

憧「そう言われると気になるわね。私にも飲ませてよ」

穏乃「ダメ」

憧「え? いいじゃないケチ、少しくらい……」

穏乃「ダメって言ってるよね?」ギロリ

憧「っ!?」ビクッ

穏乃「……これは全部、私のモノなんだから」ゴクゴクッ

宥「?」

穏乃「一滴残らず……私の中で、一つに……ティヒヒヒ」


 



 阿知賀で吸血鬼に襲われている京太郎
 一方そのころ、彼の身の危険を感じ、動き出そうとしている別のストーカー勢力があった
 
 そのストーカー逹とは!?


 安価↓1から5 多いとこ 同数の場合はコンマの合計数


1 鶴賀
2 永水
3 白糸台
4 宮守



 京太郎が血を吸われているその頃


豊音「はぁ、ちょー寂しいよー」ズゥン

胡桃「どうしたの?」

塞「またあの須賀君のこと?」

豊音「そうだよー」ズゥーン

エイスリン「メルアド!」

豊音「ううん。あの時、連絡先を聞きそびれちゃって……」

白望「それは……ダルい」

豊音「うぅっ、連絡取りたいのに……」ジタバタ

塞「まぁ、連絡先知らないんじゃ……どうしようも」

胡桃「うん」

エイスリン「ザンネンムネン!」

白望「……」

豊音「あ、でも! 四人とも、須賀君の連絡先、聞いてたよね?」パァァ

塞「え? ああー、どうだったかなぁ」プイッ

胡桃「充電中」プイー

白望「ダルい」グテー

エイスリン「黙秘権を行使します」バッテン



豊音「ぼ、ぼっちだよー」ガーン



 ※ このあとトシさんが電話番号とメルアド、現在位置、現在京太郎が置かれている状況を説明してくれました



 つ     づ     く


 阿知賀はなんだか思うように行かなかったので猛省
 というよりは無駄にシリアスにしたのが失敗でしたね、次はコメディタッチの予定

 松実姉妹が大好きなので贔屓したのは内緒
 次の更新では豊音さんが主人公なのであしからず
 

 現在ストーカー数 

末期 3名 久・まこ・穏乃
重度 3名 和・衣・憧
軽度 10名 咲・優希・一・純・智紀・透華・歩・灼・玄・宥・晴絵



 宮守女子高校
 全国大会では岩手代表として、清澄の前に立ちふさがった強敵逹だ

 全員が三年生で構成されており、今回の大会に掛ける想いも一塩だったのだろう
 全てが終わった後、思い出を残すべく他校と交流する彼女たちを見て……

 ふと俺も、その思い出の1ページに刻んでもらえたらと

 話しかけたのが全ての始まりだった――


京太郎「……」

玄「どうしたの? 変な顔をして」

京太郎「あ、いや」

憧「まだ気分悪いの?」

宥「寝心地悪かった?」

京太郎「いえ! そんなことはないです! ただ、少し……」

 妙に気だるさを感じる起床から数時間が経ち
 なんとが体調は元に戻ったものの……

京太郎「なんだか、違和感がありまして」

穏乃「違和感?」

 今の俺は、新たな悩みに直面していた

灼「一体どういう違和感?」

京太郎「……なんといいますか、部屋で視線を感じるというか」

玄・宥「」ギクッ

京太郎「部屋の中に、もうひとり誰かがいるような気がして」ウーン

宥「そ、そそそそれは須賀君の錯覚だよぉ」

玄「そうなのです! 全て錯覚なのです!」

穏乃「……」

京太郎「で、ですよね」




 
 


灼「昨晩からずっと麻雀ばっかりやってるし……」

穏乃「少し休憩しよっか?」

京太郎「ああ、そうだな。すみません、じゃあ俺……部屋に戻ります」

玄「あ、何かお茶とか持っていこうか?」

京太郎「いえ、少し仮眠するので……大丈夫です」

玄「そっか。何か必要になったら言ってね?」

京太郎「はい。それじゃあ」スクッ

 ガラガラ ピシャリ

穏乃「……少し、抜きすぎたかな」ウーン

憧「須賀君の寝顔……」ハァハァ



京太郎「なんなんだろうな……」

 今も誰かに見られているような気がする
 誰もいないのに、気配だけを感じるようだ……

京太郎「疲れてるのか、俺」

 慣れない一人旅だしな
 少し休んで、体調を取り戻そう

京太郎「よいしょっと」

 ガラッ

京太郎「……布団敷くのダルいな」ボフッ

 ソファの上でいいか
 ここで一眠りしよう……

京太郎「……」スゥ

 トコトコトコトコ

京太郎「(……足音?)」

 トコトコトコ

京太郎「(誰か、いるのか?)」

胡桃「……」ジィー

京太郎「(眠い)」スピー

胡桃「……」ニコッ



 変態判定↓

 49以上 胡桃「充電……」ハァハァ
 50以上 胡桃「捕獲完了」ガシッ
 ゾロ目 胡桃「いただきます」パクッ


 虚ろな夢を見ていた
 それは……どこか遠い世界の話で

 俺はそれをテレビの映像を見るような立場――
 完全な傍観者として、そこに立っていた

胡桃「ん……しょっ」

 小さな女の子がソファに座る誰かの上によじ登る
 男は眠っているのか、まるで反応する気配が無い

胡桃「……ふふっ」

 女の子は嬉しそうに、微笑みを浮かべ
 とうとう男の膝の上に座ってしまった

胡桃「……んー」フフフ

 プラプラと足を動かしては、時折振り向いて男の顔を覗く女の子
 何か言っている? 口をパクパクとさせているが、声は聞こえない

胡桃「?」

 男からの返事が無いことが不可解であるかのように
 女の子は首をかしげ、そして――目を見開く

胡桃「寝てるんだ……」

 まただ
 また何かを呟いて、女の子は男の腕を握る

 力なくぶら下がっていた腕はなんなく持ち上がり、そして……

胡桃「充電、だから」クスクス

 その手は女の子の口元まで運ばれ

胡桃「いただきます」パクッ

 ハムッ ジュルルルッ
 
 ジュズゥゥウルルルル





京太郎「うわぁあああっ!?」ガバッ

 な、なんだ今の!?
 ゆめ、なのか……

京太郎「うわ、すっごい寝汗……ん?」

 なんだ?
 指がすごく、濡れてる……?

京太郎「寝汗か? それにしてはすごく粘っこいような……」



 ドタバタドタバタッ!! ガラガラッ!

玄「どうしたの須賀君!?」バッ

宥「凄い悲鳴だったよ!?」バッ

灼「何があったの!?」

憧「夢精でもした?」

穏乃「私が恋しくなったんだよね? そうだよね?」

 
京太郎「あ、いや……その」


玄「?」

京太郎「あのー、玄さん。ここって、座敷わらしが出たりします?」

玄「へ?」

宥「座敷わらし?」


京太郎「いや、なんでもないんです。多分、寝ぼけていて」

憧「ソファなんかで寝るからよ。そうだわ、なんなら私が布団に……」ヌギヌギ

穏乃「ふんっ!!」ハラパン

憧「エンコゥッ!?」ガクッ

灼「綺麗にみぞおちに……」

穏乃「ちゃんと布団で寝ないとダメだよ?」

京太郎「ああ、そうするよ」


玄「じゃあお布団敷くね」パッパッ


京太郎「ありがとうございます」

 そうだよな、座敷わらしなんて本当にいるわけがない
 俺の勘違いか、TDN夢だったんだ……








胡桃「……んっ、おいし……」ペロッ


京太郎「さて、今度こそ寝るか」モゾモゾ

 やっぱり布団はいいなぁ
 こうして潜っているだけで睡魔が……

京太郎「睡魔が……んぅ」スヤスヤ

 ガラッ

 テクテクテク

京太郎「んぁ? また座敷わらしか……?」

塞「……」テクテク

京太郎「むにゃ……」

塞「……」ガサゴソ

京太郎「(何か漁ってる?)」

塞「鼻水ティッシュ……収穫ね」ガサゴソ

京太郎「?」

塞「……」モゾモゾ

京太郎「(何かが布団に入ってきた……? でも、眠くて目を開けられない)」スピー

塞「……ふひっ」クスッ


 変態判定↓2

 49以上 塞「ぎゅぅー」ダキッ
 50以上 塞「悪い子は塞いじゃおうね~」ギュゥー
 ゾロ目 塞「いただきます」ハムハム



塞「寝顔可愛い」ツンツン

京太郎「ふがっ」

塞「……んふふ」ツンツン

京太郎「んぅ……」

塞「あはっ、たのしー」ツンツン

京太郎「うぅ……ん」

塞「あ、ごめん、苦しかったよね?」

京太郎「……」スピー

塞「じゃあお詫びに……」

 ムニュムニュ

塞「ぎゅぅー」ダキッ

京太郎「……やわ」ボソッ

塞「柔らかい? ふふ、嬉しいなぁ」スリスリ

京太郎「んぅ……」モゾモゾ

塞「はぁ……いい匂い。エイちゃんの力のお陰でこんなに……」

京太郎「やわらか……」ギュゥゥ

塞「んひぃっ!?」ゾワゾワ

 ムニムニ

塞「こ、これイっちゃっていいよね? ね!? イくよ? イっちゃうよ!」ハァハァ


エイスリン「ダメです」カッ


塞「あっ」




京太郎「ん?」ガバッ

 なんだ、今確かに誰かが俺の横にいたような……

京太郎「気のせい、か?」

エイスリン「キノセイキノセイ」

京太郎「ああ、そっか。そうですよね」

エイスリン「ソウソウ」

京太郎「……」

エイスリン「……」ニコニコ

京太郎「え?」



京太郎「なんでここにエイスリンさんが……?」

エイスリン「コレハユメダカラ」カキカキ 

京太郎「布団で寝ている人の絵……そっか、これはまだ夢なのか」

エイスリン「ウン」コクコク

京太郎「夢の中で夢を見てたのか、俺」ズーン

エイスリン「ヨクアルヨクアル」

京太郎「じゃあ……起きないと」

エイスリン「エー?」

京太郎「というか俺の夢にどうしてエイスリンさんなんでしょうか?」

エイスリン「ソレハ、モチロン……//」カキカキ

京太郎「ハートの絵? まさか!? 俺はエイスリンさんのことを!?」

エイスリン「あーいーしーてーるー」

京太郎「一万年と二千年前から?」

エイスリン「あーいーしーてーるー」

京太郎「そうだったんですか!?」

エイスリン「曹操」

京太郎「劉備」

エイスリン「孫権」

京太郎「……」

エイスリン「……」


 変態判定↓2

 49以上 エイスリン「ユメハミレタカヨ!」
 50以上 エイスリン「デモコレカラスルノハ……ユメジャナイヨ」ギュッ
 ゾロ目 エイスリン「ユメノナカデズットイッショダヨ……エイエンニ」



京太郎「嘘だ! エイスリンさんはそんなに日本語ペラペラじゃないはずだ!」

エイスリン「ソンナコトナイ」

京太郎「いや、一応キャラって大事ですし」

エイスリン「タシカニ」

京太郎「ということで、俺は目覚めることにします」

エイスリン「エ? モウオワリ」

京太郎「夢の中で目覚めるにはまた寝ればいいんでしょうか」

エイスリン「タブン」

京太郎「じゃあ俺はもう寝るので」

エイスリン「うぅっ」

京太郎「あ、でも」

エイスリン「?」

京太郎「夢の中とはいえ、エイスリンさんと話せて楽しかったです」モゾモゾ

エイスリン「!」

京太郎「今度は現実でお話しましょうね」

エイスリン「……うん」

京太郎「おやすみなさい」

エイスリン「ジャストイップン!」

 パリィーン

エイスリン「ユメハミレタカヨ!」





京太郎「……」パチッ

 なんだか変な夢を見ていたような……
 ていうか、全然寝られてないぞ

京太郎「ふわぁ……やっぱ寝るのはヤメだ」ガバッ

 ガラガラ

玄「あっ」

宥「あっ」

憧「あっ」

穏乃「あっ」

灼「あっ」

京太郎「……何やってんですか?」

玄「え、えっと。須賀君の様子を見守ってたの」

京太郎「? よくわかりませんけど、少し散歩してきてもいいですか?」

宥「お散歩?」

憧「おちんぽ?」

京太郎「はい。ちょっと風に当たりたいなって」

穏乃「じゃあ私も一緒に行こうかな? この辺の土地勘なら任せてよ!」

京太郎「いや、一人でブラブラしたいんだ。気持ちはありがたいけど、ごめん」

穏乃「う、うん。別に、いいよ……うん、気にして、ないから」レイプメ




宥「くれぐれも迷子にならないでね?」

灼「ここらへんに迷うような場所あったっけ?」

玄「無いと思うけど……うーん」

京太郎「大丈夫ですよ、いざとなれば携帯もありますし」

穏乃「京太郎君に拒否された京太郎君に拒否された京太郎君に拒否された」ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ

憧「何かあったらすぐに呼びなさいよ?」

京太郎「分かってる。じゃあ行ってくるよ」

 スタスタ

玄「道に迷わないでねー?」

京太郎「大丈夫ですよー!」

 まだ明るいし、外は一本道だ
 まさか迷うなんて事は……



白望「……」グニャァーン




京太郎「迷ってしまった」ガーン

 え? ここどこ?
 雪降ってるじゃな~い! 寒いと思ったわー!

京太郎「待てよ? さっきまで奈良には雪は降ってなかったぞ?

 ということは……え? ここどこ?
 東北? 北海道?

京太郎「いやいや、井上脚本じゃないんだから! F91のアイドルじゃあるまいし!」

 きっと何かの勘違いだ、うん
 ここがどこなのか、あそこの家の人に聞いてみよう

京太郎「あのー、すみませーん!」ドンドン




京太郎「すみませーん!」ドンドン

 あれ? おかしいな?
 誰もいないのか? それなら他の家に……って

京太郎「ここしか、民家が無い?」

 他は森で囲まれていて、道すら無い
 というか俺はどうやってここまで来たんだ?

京太郎「すみませーん、入りますよー?」

 とはいえ頼れるのはここしかない
 俺は怒られることを承知で、家の中へと上がる

京太郎「おっ……」

 なんだか美味しそうな料理があるぞ
 しかも出来立てほやほやだ

京太郎「……っ」ゴクッ

 そういや結局朝から何も食べてないんだった
 くっ……お腹が減って

京太郎「ど、どうする?」

 少しくらいなら……バレない、よな?



白望「……」コクコク

 


 変態判定↓2

 49以上 白望「……どうして食べないの?」
 50以上 白望「……食べさせて」
 ゾロ目 白望「食べた? 食べたよね? 食べたんだ……」グルグルメ



京太郎「……いや、ダメだ」ブンブン

 勝手に人の家に上がりこんで、泥棒まがいの事なんて出来ない

京太郎「帰ろう」ガラッ

 スタスタスタ

白望「えっ……」


京太郎「出口はあっちかな?」スタスタ


白望「……どうして食べないの?」

 
京太郎「お、こっちから帰れそうだ」


白望「どうして? ねぇ……なんで?」ブツブツ


京太郎「早く帰って玄さんの手料理食べたいなー」


白望「食べればずっと一緒にいられるのに……キミとなら、ダルくないのに……」


京太郎「かえーろかえろ、おうちにかえろー」




白望「後は頼んだよ……トヨネ……」ブツブツブツ



京太郎「ふぅー、ようやく雪ゾーンから抜けたー!」

 このまま歩いていけば松実館に戻れるぞ

京太郎「よーし! 腹も減ったし急いで……」


 ぽ


京太郎「ん?」キョロキョロ

               ぽ


京太郎「気のせい、か?」


 



         ぽ

 ぽ
            ぽ    ぽ



 ぽ           ぽ        ぽ

 ぽ    ぽぽ         

   ぽ                  ぽ


       ぽ


京太郎「!?」ゾワゾワ
 


京太郎「なんだあれ……?」

 向こうの家の生垣から、頭が見えてる……帽子?
 台か椅子に立ってるのか?

 いや、違う
 歩いているということは……あれくらいの身長ってことか?
 
 でも、あの生垣って……俺の身長くらいはある

京太郎「ということは……」ゾクッ

 物凄く身長が高いってことだよな?
 少なくとも、俺よりは……

京太郎「か、帰ろう」

 あの変な鳴き声も気になるし……

京太郎「っ」タタタタタ


 ぽ      ぽ
   ぽ  ぽ          ぽ
  ぽ
        ぽ     ぽ
           ぽ
 ぽ   ぽ 
             ぽ     ぽ

  ぽ   ぽ        ぽ

        ぽ
 ぽ           ぽ    ぽ

      ぽ    ぽ  
              ぽ      ぽ



京太郎「た、ただいま戻りましたー!」

玄「お帰りなさい」

宥「迷わなかった?」

京太郎「迷いはしなかったんですけど、色々と不思議な体験をしました」

憧「不思議な体験?」

京太郎「ああ、後で話すよ」

穏乃「思ったより帰ってくるの早かったな……パンツしか盗めなかったよ」

灼「このタオルだけで十分」スーハー



 俺はその後、玄さんの作ってくれた夕食を取りながらさっきの話をした
 奇妙な鳴き声と、大きな身長の人の話

 それを聞いて阿知賀のみんなは不思議そうに目を瞬かせていたが
 突然、話を聞いていた玄さんのお父さんが声を荒らげ出した


「いつ見たんだい? どこで見たんだ!? 生垣よりどのくらい高かったんだ!?」


 などと、血相を変えて叫ぶものだから
 俺以外のみんなは怯えたように震えていた

 俺はありままの事を話し、さっさとこの話題を終わらせたかったんだが……


「須賀君。君は明日、帰らなければならない」

京太郎「え?」

「そして今夜は君を閉じ込める。事情があるんだ、わかってくれ」

京太郎「あ、はい?」

 そう言っておじさんは電話を取り出し、誰かを呼び出しているようだった
 俺逹は何もわからず、ただおじさんの言うとおりにする他無かった

 そして――


京太郎「あのー? ここで一晩を明かせばいいんですか?」

「ああ。いいかい? 夜が明けるまで、誰も部屋に入れちゃダメだぞ」

 俺はおじさんに言われるまま、松実館の脇にある納屋に閉じ込められた
 一応布団はあるものの、なんだか物寂しい場所だ

京太郎「……」

「一晩耐えれば問題無い。いいかい? 誰が来ても返事してはいけないよ?」

京太郎「わ、分かりました」

 尋常ではないおじさんの様子に、俺も頷くしか無い
 
 一体、何が起こるというのだろうか


 外では玄さん逹の抗議する声が聞こえてくる

玄「どうして須賀君を閉じ込めるの!?」

宥「須賀君がかわいそう」

穏乃「もっと京太郎君と遊びたい!」

灼「ハルちゃん、どうしよう……」

憧「ねぇ、私が中に入って見張るってのはどう?」


京太郎「……」


 しかしそんな抗議の声も虚しく、おじさん逹によってみんなは連れて行かれてしまった
 俺は納屋の中の布団に包まりながら、さっさと一晩が明けないものかと退屈していた

 すると――

 ニョワー ハピハピスルニィ……


京太郎「!?」

 なんだ!? 今の声!?
 めっちゃ可愛い声だったけど、どこか恐怖を感じる声だ……

 ア、マチガッタ コッチジャナイヨトヨネ! 
 ウン、ゴメンネ  チャントヤッテ! メッ!

京太郎「?」


京太郎「まさか、本当に俺は何かに狙われているのか?」

 だとすると、もうすぐそこまで何かが来ている?

京太郎「……っ」ゴクッ

 ガタン

京太郎「!?」

 ガタガタガタガタガタ アレ? アイテナイヨー

京太郎「だ、誰だ!?」


豊音「……ぽぽぽ」


京太郎「ひっ!?」

 またあの声だ!?
 可愛い声だけど、なんだか怖い……

豊音「開けて欲しいよー」ガチャガチャガチャ

京太郎「ひぃっ!?」

豊音「お話したいよー。ちょー寂しいよー」ガッチャンガッチャンガッチャンガッチャン!!!!!!!

京太郎「あわわわっ!」ブルブル

豊音「あーけーてーよー」ガチャガチャyほアヴィアうshb硫黄あhおいあhbオイアhおいあshんおいあhんオイあshウイあshい;あンbオイアsビジャvblジョアvスカbljkヴkbkl

京太郎「うわぁぁぁあっ!?」

豊音「……」

京太郎「……?」プルプル

 ガチャンッ!!! ガンッ!!! ガンガンガンガンッ!!!! バキィッ!


 変態判定↓2

 49以上 豊音「開けられなかったよー」ショボーン

 50以上 豊音「お、開いてるよー」ニッコリ

 ゾロ目 豊音「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ」



豊音「開けられなかったよー」ショボーン

エイスリン「damn it!」

胡桃「そんな!? ねぇ、開けてよ!! 開けて!!」ガンガン

塞「あちゃー。相手もぬかりないねー」

白望「……」ガンガンガンガンッ!!

塞「珍しくシロもキレてるし……」


豊音「ごめんね、みんなごめんね」ポロポロ


塞「いいっていいって。また今度頑張ろ」

胡桃「チャンスはまだある」

白望「……」ガンッ

エイスリン「FUCK!!」ガンガン

豊音「ごめんだよー」グスッ

塞「はい撤収ー! 帰って須賀君の部屋から手に入れたグッズの鑑賞会ねー」

胡桃「……歯ブラシ」シャキーン

白望「コップ」キラーン

エイスリン「シャツ!」ピカーン

塞「鼻噛みティッシュ!」キラキラ

豊音「……」モジモジ

塞「あれ? トヨネは?」



豊音「……須賀君の、靴下」カァァ



 あの謎の来訪者が姿を現してから、どれくらいの時間が経ったのか
 気が付けば俺は暖かな毛布に包まれながら目を覚ました

 身を起こすとおじさん達が中に入ってきて、よく耐えたと褒めてくれた

 そして、二度と奈良には来てはいけないと
 俺を車の中に乗せながら何度も言っていた

京太郎「結局、あまりゆっくり出来なかったな」

 車の中から、外を見る
 外には阿知賀のみんなが、涙目で立っている

玄「須賀君……今度は私逹が遊びにいくからね」

宥「また会おうね」

灼「こんな別れの形って……」

晴絵「仕方ないわ。これも運命よ」

憧「須賀君!! 私、絶対会いに行くからね!」

穏乃「京太郎君……こんなの絶対、おかしいよ」

 みんなが何かを言っているのは分かる
 でも俺は、彼女逹と会話をすることなく引き離されてしまった

 揺れゆくワゴンの中で、思い返す
 そういや、結局犯人探ししてないなぁって

 まぁ、今となっちゃどうでもいいっちゃどうでもいいんだけど

京太郎「じゃあな、みんな」

 仮にあの中に犯人がいたのだとしても、俺はもう気にしない
 ぶっちゃけ血染めのプレゼントなんて実害無いし

 それに、あんなに可愛い子逹の内誰かに好かれているのなら
 嬉しいことだろう、常識的に考えて


玄「(須賀君帰ったし、映像の確認しようっと)」

宥「(トイレのカメラ回収しなきゃ)」

灼「(今日はハルニー四回、スガニー三回かな)」

憧「(須賀君って全裸で土下座すればヤらせてくれないかしら?)」

穏乃「(ふふ、早速明日からまたお菓子を送らないと……)」クスクス


 だから、もう犯人なんてどうでもいい
 細かいことなんて考えず、帰ったら彼女でも作ろう

 竹井先輩とか染谷部長とかよく相談に乗ってくれるし、きっと変態じゃないだろう
 あの二人にアピールでも、してみようかな



 数日ぶりの我が家

京太郎「ただいまー」ガラガラ

 なんだかんだ言って、やっぱり実家が一番落ち着くもんだ
 松実館も楽しかったけど、安らげるのはやっぱり家だな

京太郎「母さーん? いないのかー?」

 たく、また親父とどっか行ってるのか?
 息子が帰ってくるってのに、出迎えもしないで……

京太郎「何か食いもん……って、うん?」

 なんだこれ? 変な機械が机の上にあるぞ

京太郎「なになに……二人の相性度測定マッスィーン?」

 機械の横にあった説明書を読んでみる
 なんでも、この機械を使えば二人の恋愛相性度を測ることが出来るらしい

京太郎「くっだらねぇ、いい歳してこんなんで遊んでたのかよ」

 親父と母さんが二人でイチャついていたことを想像すると気持ちわるいけど
 でも、これは微妙に面白そうだ

京太郎「明日……学校で試してみようかな」

 彼女を作ろうと思った矢先だし
 これで相性を見るのは悪くないよな

京太郎「和とかと相性抜群だったらどうしよう」グヘヘ


 へへっ、明日が楽しみだ
 どんな結果になるかな

 



 変態編終了
 あと一校やる予定だったって? 知らない子ですね……

 ネタが尽きたんで別ネタやっていきます
 そこで好感度というか、今回やった変態度を引き継ぐかどうかを決めます


 現在ストーカー数 

末期 4名 久・まこ・穏乃・胡桃
重度 3名 和・衣・憧
軽度 14名 咲・優希・一・純・智紀・透華・歩・灼・玄・宥・晴絵・塞・エイスリン・白望・豊音



 安価↓1から5 多い方

1 リセットォ!

2 続投ォ!



 翌日


京太郎「ということで、どうだ?」

咲「どうだって言われても……」

 俺が奈良から帰ってきた翌日
 久しぶりに竹井先輩も合わせて、みんなで集まろうという約束をしていた

 そこで俺は早速、例の機械を試そうと持ってきたわけだ

まこ「旅行から帰ってきてそうそう、なんてものを持ってくるんじゃ」

優希「面白そうだじぇ!」

和「相性度を測る機械、ですか?」

久「ふーん?」

 みんなの反応はそれぞれ一様で、訝しむ者もいれば
 楽しげな瞳で見ている人もいた

まこ「一応、部活の一環のつもりじゃったんだがのぅ」

久「いいじゃないまこ。須賀君がせっかく持ってきてくれたんだから」

優希「息抜きもたまには必要だじょ」

まこ「しかし」

咲「……相性度」ドキドキ

和「どうやって測定するんですか?」

京太郎「ええっと……測りたい人同士が手を繋いで……機械のレバーを握るんだそうだ」

 
咲「やろうよ!」

和「やりましょう!」

優希「やるじぇ!!!」

まこ「当然じゃな」

久「当たり前じゃない」


京太郎「なんだかみんな、急にやる気が……」

 まぁいいや
 問題は結果がどうなるかだけど

京太郎「じゃあ咲。お前からだ」

咲「ええっ!? わ、私ぃ!?」



京太郎「いいだろ、ほら」

咲「うぅ、いきなりだなんて……」

和「これ、数値はこの液晶に出るんですか?」

久「そうみたいね。100が上限?」

京太郎「説明書によるとこうなってます」


好感度


00 うんこ
10 ゴミ
20 嫌い  
30 他人
40 知り合い
50 友達 
60 親友
70 友達以上恋人未満
80 恋人
90 夫婦
100 一心同体

咲「う、うんこ……」

優希「こんなのが出た日には自殺もんだじょ」

和「……」

まこ「なかなか面白いのぅ」

京太郎「他にも色々な機能があるみたいですけど、まずは数値を測ってみましょう」

久「そうね。じゃあ咲、準備して」

咲「は、はい!」




京太郎「手を握るぞ」

咲「う、うん」ギュ

 こうしていざ触ってみると、咲の手って柔らかいな
 女の子だから当然なんだけど……こう、意外だ

咲「(わ、私の手、汗ばんでないかな?)」ドキドキ

京太郎「ふーむ」ニギニギ

優希「(羨ましいじょ)」ジィー

京太郎「行くぞ咲ー」

咲「まだ、心の準備が」ドギマギ

久「どうなるかしらねー」クスクス

まこ「楽しみじゃな「」

和「……」

京太郎「レバーを握ってくれ」ギュッ

咲「うん!」ギュッ

 
測定器「ドゥルルルルルルルル」


京太郎「お?」

咲「(神様、お願いっ!)」ドキドキ


 相性判定↓2



測定器「相性83!」デデーン

咲「は、はち、はちじゅうさんっ!?」ギャーン

和「チッ」

京太郎「おぉ、なかなかの数値だな」

咲「わた、私と京ちゃんがこ、恋人!?」

まこ「チッ」

京太郎「へぇー? 意外と当たるのかな、コイツ

咲「それって、京ちゃんも私のこと……」ドキドキ

優希「チッ」

京太郎「でも、一回の結果じゃなぁ」

咲「だ、だよね。いくら私と京ちゃんが仲良しなのは当然だけど、機械が正しいかどうかは……」

久「チッ」

京太郎「じゃあ、次は誰がやります?」

まこ「わしが行こうかのぅ」

京太郎「染谷部長ですか?」

まこ「ま、よろしくな」
 
咲「(私と京ちゃんが恋人、恋人、恋人、恋人……//)」モジモジ


 こうして、清澄高校麻雀部に一つの機械が持ち込まれた
 この機械が後々、あんな悲劇を生んでしまうことになるとは

 まだこの時、俺は気づきもしなかった

 


 キリよくないですが、今日はここまでです
 相性編は次から本格的にやっていきます

 他に何か面白そうなコンマネタがあれば教えてください

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