岡崎泰葉「お待たせしました」 (15)

P「ん。忘れ物ないか?」

泰葉「…多分、大丈夫だと」

P「まあ会う人会う人皆からプレゼント貰ってたもんな」

泰葉「はい。ふふっ。皆さんよく覚えてましたよね」

P「それとなく言って回ってたからな」

泰葉「それでですか?」

P「ってもプレゼントよろしく、とかは言ってないからやっぱり泰葉の人徳のなせる技だと思うぞ?」

泰葉「だったら嬉しいです」

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P「それにしても、今日の泰葉ずっと笑顔だったしな」

泰葉「え?そんなに笑ってましたか?全然気付いてないんですけれど…」

P「おう。見た男の半分以上がオチるのは確実な感じにな」

泰葉「えっと…Pさんはどうでした?…なんて」

P「俺はとっくにオチてるぞ?」

泰葉「えっ!?」

P「なにせプロデューサーだからな。まあ、アイドルじゃなくて素の泰葉にオチるのはまた別問題か。それは許しがたいかなぁ…」

泰葉「む、むむむ…」キリッ

P「だからってそんな無理に引き締めなくても良いんじゃないか…?」

泰葉「そうですか…?」ヘニャ

P「泰葉は普段は愛想笑いが多いからな。それも悪いわけじゃないけど、やっぱりそういうの感覚でわかるからさ」

泰葉「なるほど。……でも、だとしたらPさんのおかげですね」

P「俺?」

泰葉「はい。今日の私の笑顔が愛想笑いじゃないのは、Pさんが私をアイドルにしてくれたからですから」

P「お、おおう…」

泰葉「仮面を被らない、素の私で良いよって言ってくれたから、今ありのままの私で笑えているんだと思います」

P「………またそういう恥ずかしいセリフをさらっと言いやがって…」

泰葉「ふふっ。だって、Pさんへの感謝はいくらしてもし足りないですから。毎日増えていってますし」

P「ああ、もう!この話おしまい!帰るぞ!」

泰葉「はぁい」クスクス

泰葉「そういえば、今日のお仕事はこれで終わりなんですよね?」

P「何か予定とかあった?」

泰葉「いえ。次もこんな感じだとトランク入り切らなさそうだな、って…」

P「あー…。ドールハウスだらけだもんな」

泰葉「最近出たばかりのものとかもありましたし。…部屋がまた狭くなります」フフ

P「贅沢な悩みで結構。どこか寄りたい場所とかあるか?」

泰葉「いえ、特には。それに、事務所に戻ったら多分パーティーするんですよね?」

P「ありゃ?気付いてたか」

泰葉「ふふっ。あれだけ皆さんでコソコソしてたら分かりますよ。薫ちゃんや悠貴さんなんて息を止めそうなくらいの勢いで『ないしょ!』してましたし」

P「あの二人は特に嘘とか隠し事ができないからなぁ。それが良い所ではあるけど…」

泰葉「今朝も仁奈ちゃんが張り切ってたから何かするの?って聞いたら『泰葉おねーさんには秘密でごぜーます!』って。私に言っちゃったら意味ないんじゃないかなぁ、とも思いましたけど」

P「泰葉おねーさんなかなかにイジワルでごぜーますね…」

泰葉「てへ?」ペロ

P「いや、誤魔化せてないぞ」

泰葉「あれ?……まあ、多分桃華ちゃんは私が気付いてるって気付いてそうでしたけど…」

P「ああ、それでか…」

泰葉「?」

P「いや、桃華から帰りにケーキ貰ってきてくれって言われてな。泰葉いるのにどうしようかと思ってたんだけど」

泰葉「荷物持ちくらいならしますよ?」

P「させられませんて」

P「って事で、ケーキ屋寄ってから帰るな」

泰葉「はい。問題ありません。どこに頼んでたんですか?」

P「どこだったかな。最近出来たばっかりだけど見た目綺麗で美味しいって愛梨やかな子が言ってたんだけど…」

泰葉「あ、それってもしかして事務所の近くに出来たお店ですか?」

P「そうそう。知ってた?」

泰葉「名前だけは。でもあそこってそれなりにしたはずですけど…」

P「大丈夫。俺の自腹だ」

泰葉「えっ!?」

P「はっはっはー…はぁ…ちっひめ…」

泰葉「あ、ありがとうございます?」

P「泰葉の為ならな!」

P「んじゃ、ちょっと貰ってくるから待っててくれ」

泰葉「あ、私も行っていいですか?」

P「荷物持ちはさせないぞ?」

泰葉「違いますっ!まだ入った事ないのでこの機会に、と思いまして…」

P「はいよ。じゃあ行くか」

泰葉「はい。ふふっ。楽しみです♪」

P「まあ、正直一人でケーキ屋とか心細かったからな。ありがたいわ…」

泰葉「そうなんですか?」

P「男一人であんなキラッキラした所入れるか」

泰葉「結構男の人一人で、とか見かけますけれど…」

P「無理無理」

「いらっしゃいませ~」

P「すいません、予約してたPですけれど…」

「少々お待ちください」

泰葉「ふあー…」

P「どうした?」

泰葉「いえ、本当に宝石みたいだな、って…。それに、やっぱりお高いですし…」

P「な。どうやって食べるんだ?ってのもあるし」

泰葉「確かに難しそうですね。……あ、これ綺麗…」

P「どれどれ?ほー…」

泰葉「また今度来ようかなぁ…」

「お待たせしました。ご確認をお願いします」

P「はい。……間違いないです。………と、これ、ホールありますか?」

泰葉「えっ!?」

「はい。ございます」

P「じゃ、それも」

泰葉「えっ!?いいですよ」

P「今日は遠慮禁止。気になったんだろ?」

泰葉「それは……はい」

P「今日は泰葉の日なんだから、いくらでもワガママ言って良いんだよ」

泰葉「は、はい。………じゃあ、こっちのも……とかは…?」

P「……………ホール、あります?」

「ありがとうございます」

泰葉「ふふっ。早く帰りましょう♪」

P「…いや、いいけどさ。流石にちょっと買いすぎたか」

泰葉「あ、そっか。料理もあったりしますか?」

P「葵が張り切ってたからなあ。下手すりゃフルコースいくぞ」

泰葉「あう…」

P「なんなら持って帰っても良いけど」

泰葉「それは勿体無いです。せっかくなら皆で一緒に食べたいですし。幸せは…分け合いたいですから」

P「…そうだな」フフ

泰葉「あ、でも例えばPさんと二人で分け合う、とかでも…なんて」

P「なるほど」

泰葉「へっ?」

P「じゃ、ひとつは皆で、ひとつは二人で、って事にするか?」

泰葉「えっ?い、良いんですか?……でも」

P「俺と二人で幸せを分け合うのは…嫌か?」

泰葉「嫌じゃないです!…むしろ、その…じゃあ、お願いします…///」

P「ともあれまずは皆で、盛大にお祝いしないとだけどな」

泰葉「はい。勿論それも楽しみです♪」

P「早く帰らないと周子辺りがつまみ食いして怒られてそうだし」

泰葉「あー…」



おしまい

以上、読んでくださった方ありがとうございました!
泰葉誕生日おめでとう!

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