精霊「○○を倒した暁には、一つだけ願いを叶えてあげましょう」【安価】 (21)

精霊「魔王を倒した暁には、一つだけ願いを叶えてあげましょう」

勇者「えっ、マジで!?」


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精霊「はい。……ただし、貴方一人で倒した場合のみなんですけどね」

勇者「一人で、か……」

精霊「……無理そうですか?」

勇者「うーん……」


勇者(多分、魔王だって俺一人を相手に大量の仲間を引き連れて戦う…なんてことはしないはずだろうし)

勇者(いけないこともない…か?)

精霊「……えっと、聞いてますか?」

勇者「は?」

精霊「」ピクッ

精霊(は?とか舐めてるんですか?別にあんたじゃ倒せなさそうだから、私としては早く次に行きたいんですけど?)

精霊(……はぁ。心の中だけなら強く言えるのになあ)


勇者「……………」

勇者(うわ、つい癖で考え込んじまった)

勇者(しかも、は?とか言っちまったし……)

勇者(……と、とりあえず、気がきくアピールでもして印象を変えよう)

勇者「あ、えっと、>>7でもしようか?」

結婚

勇者「あ、えっと、結婚でもしようか?」

精霊「……はい?」

勇者「!?」

勇者(えっ?マジで結婚する気なの?)

勇者(俺としては、小粋なジョークを言って、この場の雰囲気を変えようと思っただけなんだけど……)

勇者(それに、普通だったら)



ー妄想ー


勇者「結婚……しよっか?」

精霊「えっ?」

勇者「…はは、冗談だよ。これから俺は死地に赴くだろ?」

勇者「だから、血痕と結婚をかけたダジャレを言おうかと思って」

勇者「できちゃった結婚…いや、できちゃった血痕……なんてね」キリッ

精霊「もうっ!もっと緊張感を持ってくださいよ!」

勇者「……ふん。俺だって、緊張感くらい持ってるさ」

精霊「え…?……ちょっと、急に真面目になるなんて頭でも打ったんですか?」

勇者「いや、頭は盛ってる」モヒカ-ン

精霊「……やだ、勇者さんのモヒカン大きい……//」ジュンッ




勇者(……みたいな感じになるんじゃないの?)

精霊「……………」ムムム

勇者(ていうか、さっきからずっと精霊さん黙ってるし……)

勇者(と、とりあえずなんか話そう)

勇者「……あの、精霊さん?」

勇者「さっきのは…その、言葉のあやっていうか、冗談っていうか……」

精霊「……わかってますよ」

勇者「あ、それなら」

精霊「ごめんなさい、勇者さん。私にはまだ結婚とか、考えられません」

精霊「…でも、好きになってくれたことはとても嬉しいです」

精霊「だから…魔王を倒したら、もう一度くらいプロポーズ……しても、いいですよ?」

勇者(エッ?ナニコノテンカイ、イミワカンナイ)

勇者「……あ、い、今の言葉って……」

精霊「……………」カァァ

精霊「……も、もうっ!早く魔王討伐に行ってください!」

精霊「う、浮気は駄目ですよ!…私はいつでも見てますからね!」

勇者「…え、ちょっ、それって、プライ」



--プツン

妹「…ねぇ、起きて」ユサユサ

勇者(ん?なんだか今日は体が重たいな……?)

勇者(でも眠いし、もう少し寝よ)ムニャムニャ

妹「……………」ムムム

妹「……早く起きないのなら…きす、しちゃうよ?」

勇者「……………」スヤスヤ

妹「これは、おっけーってことでいいんだよね…?」

妹「…んふふ、お兄ちゃんはあたしのものなんだから…」

精霊「……………」

勇者「!!???」ギュウウウ

妹「!」

勇者「こふっ、く、くび、くるし…たすけ……」ゲホッゲホッ

妹「お、お兄ちゃん、大丈夫!?」

勇者「い、いもうと…おかあ、さんを……」

妹「わ、わかった!急いで呼んでくる!」タタタ

勇者(……あぁ、俺死んじゃうのか……)ゲホッゲホッ

勇者(お母さん、朝早くから働いてるのに…迷惑、かけちゃうな……)ケホッコホッ

勇者(ん……?なんだか少し症状がマシになったような)ケフッ

勇者(…いや、マシどころじゃない。さっきまで血を吐いていたのが嘘みたいなくらい元気だ)



勇者「……さっきのは何だったんだ?」

精霊「……………」ニコッ

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