精霊「魔王を倒した暁には、一つだけ願いを叶えてあげましょう」
勇者「えっ、マジで!?」
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精霊「はい。……ただし、貴方一人で倒した場合のみなんですけどね」
勇者「一人で、か……」
精霊「……無理そうですか?」
勇者「うーん……」
勇者(多分、魔王だって俺一人を相手に大量の仲間を引き連れて戦う…なんてことはしないはずだろうし)
勇者(いけないこともない…か?)
精霊「……えっと、聞いてますか?」
勇者「は?」
精霊「」ピクッ
精霊(は?とか舐めてるんですか?別にあんたじゃ倒せなさそうだから、私としては早く次に行きたいんですけど?)
精霊(……はぁ。心の中だけなら強く言えるのになあ)
勇者「……………」
勇者(うわ、つい癖で考え込んじまった)
勇者(しかも、は?とか言っちまったし……)
勇者(……と、とりあえず、気がきくアピールでもして印象を変えよう)
勇者「あ、えっと、>>7でもしようか?」
結婚
勇者「あ、えっと、結婚でもしようか?」
精霊「……はい?」
勇者「!?」
勇者(えっ?マジで結婚する気なの?)
勇者(俺としては、小粋なジョークを言って、この場の雰囲気を変えようと思っただけなんだけど……)
勇者(それに、普通だったら)
ー妄想ー
勇者「結婚……しよっか?」
精霊「えっ?」
勇者「…はは、冗談だよ。これから俺は死地に赴くだろ?」
勇者「だから、血痕と結婚をかけたダジャレを言おうかと思って」
勇者「できちゃった結婚…いや、できちゃった血痕……なんてね」キリッ
精霊「もうっ!もっと緊張感を持ってくださいよ!」
勇者「……ふん。俺だって、緊張感くらい持ってるさ」
精霊「え…?……ちょっと、急に真面目になるなんて頭でも打ったんですか?」
勇者「いや、頭は盛ってる」モヒカ-ン
精霊「……やだ、勇者さんのモヒカン大きい……//」ジュンッ
勇者(……みたいな感じになるんじゃないの?)
精霊「……………」ムムム
勇者(ていうか、さっきからずっと精霊さん黙ってるし……)
勇者(と、とりあえずなんか話そう)
勇者「……あの、精霊さん?」
勇者「さっきのは…その、言葉のあやっていうか、冗談っていうか……」
精霊「……わかってますよ」
勇者「あ、それなら」
精霊「ごめんなさい、勇者さん。私にはまだ結婚とか、考えられません」
精霊「…でも、好きになってくれたことはとても嬉しいです」
精霊「だから…魔王を倒したら、もう一度くらいプロポーズ……しても、いいですよ?」
勇者(エッ?ナニコノテンカイ、イミワカンナイ)
勇者「……あ、い、今の言葉って……」
精霊「……………」カァァ
精霊「……も、もうっ!早く魔王討伐に行ってください!」
精霊「う、浮気は駄目ですよ!…私はいつでも見てますからね!」
勇者「…え、ちょっ、それって、プライ」
--プツン
妹「…ねぇ、起きて」ユサユサ
勇者(ん?なんだか今日は体が重たいな……?)
勇者(でも眠いし、もう少し寝よ)ムニャムニャ
妹「……………」ムムム
妹「……早く起きないのなら…きす、しちゃうよ?」
勇者「……………」スヤスヤ
妹「これは、おっけーってことでいいんだよね…?」
妹「…んふふ、お兄ちゃんはあたしのものなんだから…」
精霊「……………」
勇者「!!???」ギュウウウ
妹「!」
勇者「こふっ、く、くび、くるし…たすけ……」ゲホッゲホッ
妹「お、お兄ちゃん、大丈夫!?」
勇者「い、いもうと…おかあ、さんを……」
妹「わ、わかった!急いで呼んでくる!」タタタ
勇者(……あぁ、俺死んじゃうのか……)ゲホッゲホッ
勇者(お母さん、朝早くから働いてるのに…迷惑、かけちゃうな……)ケホッコホッ
勇者(ん……?なんだか少し症状がマシになったような)ケフッ
勇者(…いや、マシどころじゃない。さっきまで血を吐いていたのが嘘みたいなくらい元気だ)
勇者「……さっきのは何だったんだ?」
精霊「……………」ニコッ
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