男「コミュ障幼馴染がアイドルを目指す」(10)

男友「怖い話してやろうか?」

男「なんだよやぶから棒に」

男友「いいから聞いてくれ。ってか聞け」

男「はいはい」

男友「知ってるか? 昔、夜の学校に忘れ物をとりにきた生徒がいたらしい」

男友「ひたひたひた。歩くたびについてくる不気味な足音」

男友「振り返るとやつがいた!」クルッ

幼馴染「…………」ヌボォー

男友「ぎゃあああああ! お化けええええ!」

男「ちがうちがう」

男「いたんなら声かけろよ」

幼馴染「…………」シュン

男「ま、いいけど。今日もいっしょに帰るのか?」

幼馴染「…………」コクリ

男「先に校門でまってろ。すぐ行くから」

幼馴染「…………」コクリ

男友「なんつーか貞子に似てるよな」

男「たしかに」

男友「前髪きればいいのになー」

男「…………」

男「じゃあ帰るぞ」

幼馴染「…………」コクリ

男「…………」テクテク

幼馴染「…………」トコトコ

男「…………」ピタ

幼馴染「…………」ピタ

男「…………」テクテク

幼馴染「…………」トコトコ

男「…………」ピタ

幼馴染「…………」ピタ

男「あのさあ、ひとつ質問。なんで後ろにいるの?」

幼馴染「?」

男「や、なんでって顔されてもこっちが困るっていうか」

男「話にくいだろ。隣にこい隣に」

幼馴染「!!」サッ

男「なぜ電柱に隠れた。出てこいコノヤロ」

幼馴染「///」

男「え、周りからみたら恋人みたいって?」

幼馴染「///」コクコク!

男「自意識過剰だバカ。だれもそこまで気にしてないって」

幼馴染「…………」ムスッ

男「なんでちょっと怒ってんだよ。ったく、怒りたいのはこっちの方だっつの」

幼馴染「…………」

男「え、俺がおまえのことどう思ってるかって?」

男「うーむ……」

男「手のかかる妹?」

幼馴染「~~~!」ポカポカッ

男「怒ることないじゃん。なにが不満なんだよ」

幼馴染「~~~!」ポカポカッ

男「つか背中叩くのやめろ。いたくないけどうざい」

男「新しいクラスになって友達できたのか?」

幼馴染「…………」シュン

男「そ、そうか。ま、気にすんなって。来年もある」

男「ってか前髪きれ前髪。おでこだすだけで全然印象がちがうぞ」

幼馴染「!!」フルフルフルフルッ!!

男「全力で否定することもなかろうに……」

幼馴染「…………」

男「え、似合わない? そんなの試してみなきゃわかんないだろ」

幼馴染「…………」フルフル

男「はぁ……」

男「なぁ幼馴染」

幼馴染「?」

男「心配だよ。おまえ、俺がいなくてもやっていけるのか?」

幼馴染「!!」

男「落ち着け、転校はしないって。でも、いつまでもいっしょにはいられないだろ」

男「高校卒業したらどうなるかわかんないし」

幼馴染「…………」シュン

男「すまん、言い過ぎた」

男(そうだよな。本人が一番よくわかってるよな)

男(このままじゃいけないってことくらい)

~自宅~

男(あいつだってコミュ障を治したいと思ってるはず)

男(でも最初の一歩を踏み出すのが難しいんだよな)

男(なにかきっかけでもあればいいんだけど)

男「テレビでも見るか」

ピッ

『さあ~今年もやってきました! アイドルオーディション2016!』

『明日のアイドルはキミだ! たくさんの応募待ってるぜ!』

男「…………」

男「これだ!」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom