シンデレラガールズのSSになります
ちょっとだけ、刺激の強いシーンがありますので注意
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「お待たせしました、プロデューサーさん」
「あ、これが今回のお仕事の資料なんですね…」
「台本と、それから…私の名札も」
「『白菊 ほたる』」
「はい、私の名前が、ちゃんとここに」
「…良かった、今回も、名前を間違われずに済んで…」
「倒産しちゃった前の事務所だと」
「そんなの、日常茶飯事でしたから」
「…それで、オーディションすら受けられない、なんてのも」
「…」
「そうやって、心配して、不安になって、またダメで」
「やっぱり、私は、…不幸なんだなと」
「心のどこかで、諦めちゃってましたから…」
「なんて、しんみりしている場合じゃないですね」
「せっかくのお仕事なんですから、頑張らないと…!」
「それじゃあ、行きましょうか」
「プロデューサーさ…んッ!?」
「あ、あいたたた…」
「すみません、急に足がもつれちゃって」
「私ったら、また焦っちゃって…」
「…?」
「プロデューサーさん、どうして顔を…」
「…あッ…」
「す、す、…すみません…」
「転んだ拍子に、こんなはしたない…」
「す、すぐ立ち上がりますから…!」
「…」
「あ、あの…」
「み、…見えちゃいました?」
「…いえ、見えちゃったから、顔を背けたんですよね…」
「すみません…お見苦しいモノを」
「…」
「…え?」
「あ、ああッ、そうですね、お仕事に行かないと…!」
「はい、…気を付けて、行ってきま…」
「い、いえ、そうでしたね」
「『不幸な時ほど、笑え』」
「プロデューサーさんが、教えてくれましたからね…」
「…はい」
「私は、…しっかり、笑えているでしょうか」
「…えへへッ」
「そ、それじゃあ、行ってきますね…!」
「みなさん、お疲れ様でした…」
「今日はありがとうございました」
「あッ、プロデューサーさん!」
「お疲れ様です」
「どうにか、無事に撮影が終わりました」
「良かったです、みなさんに迷惑をかけずに済んで…」
「実は、ちょっと、ハプニングもありましたが…」
「で、でも」
「プロデューサーさんが、教えてくれた通り」
「そういう不幸な時ほど、笑えるように」
「が、…頑張りました…!」
「…えへへ」
「…あ、そうですね、まずはお着替えしなきゃ」
「もうちょっと待っててくださ…きゃッ!」
「いたた…」
「あ、足元に機材のコードがあったなんて…」
「プロデューサーさんの方ばかり見ちゃってました」
「あ…」
「…」
「そ、その…」
「すみません、…また」
「…ッ…」
「お、お眼汚し…失礼しました」
「…え?」
「はい…実は、撮影中のハプニングで」
「ちょっと、汚しちゃったんです…」
「不幸中の幸い、と言うのでしょうか」
「なんとか、衣装は汚さずに済みまして」
「撮影に支障は出なかったんです」
「それで、衣装はそのままで、下着だけ換えさせてもらったんです」
「だ、だから、…朝のとは違ってて」
「その、あまり汚くはないと…」
「…って、何を言ってるんでしょうね、私…!」
「プロデューサーさんに、嫌な想いをさせておきながら、こんな…」
「汚いとか、汚くないとか、…関係、ないですもんね…」
「す、すみません…」
「…すぐ、着替えてきます…」
「あとは、事務所に戻るだけなんですね」
「…え、今日はもう私だけ…?」
「す、すみません…私なんかのために、わざわざ車を…」
「それもプロデューサーとしての仕事だから当然…?」
「そう、言っていただけると、その…」
「…」
「ありがとう、ございます…」
「あの、私…」
「プロデューサーさんのために、頑張りますから」
「み、見捨てないで…もらえると」
「…あッ、えッ、…もう、なんですか急に撫でるなんて」
「肩肘、張らなくて、良い…?」
「…もう」
「優しいんですね、プロデューサーさんは」
「…」
「…本当に、ありがとうございます」
「も、戻ってこれましたね」
「すみません…また、私のせいで…」
「まさか、道路を黒猫さんが横切っちゃうなんて…」
「危うく事故を起こしちゃうところ、でしたね」
「すみません、私のせいでプロデューサーさんに、災難が…」
「…あ」
「そ、そうですね、プロデューサーさんとしては」
「事故に遭いかけたことより…」
「急ブレーキで体制を崩しちゃって」
「めくれちゃった、…私のスカートの方が、災難、でしたね」
「ごめんなさい…」
「…スカートをやめたら、ですか」
「そう、ですね」
「確かに、ちょうどプロデューサーさんと居る時に」
「転んじゃったり、風が吹いたりしちゃいますからね…」
「…でも」
「以前に、他の格好をした時のこと、覚えてますか…?」
「ズボンの時は、転んじゃった共演者さんに引っ張られて」
「ずり下げられて、みんなに晒しちゃいました」
「和服の時は、帯が切れちゃって」
「はだけて前が全開になっちゃいました」
「キグルミは、まだマシでしたけど…」
「…動いていたら、ちょうど、『そこ』だけ破けちゃって」
「結局、見られちゃったじゃ、ないですか…」
「私は、不幸から逃れられません」
「…逃れられ、ませんから」
「どう、あがいても」
「見せちゃう結果に、…収束するんです」
「…」
「スカートだと、その」
「見えちゃったとしても、ですよ」
「裾を整えたりで、『元通り』になるんです」
「スカートだと、最初から、…見え易いものですから」
「その分、元にも戻し易いんです」
「ズボンとか、どう頑張っても見えない服装だったら」
「衣服がダメになるような、そんな結果が待ってますから」
「…って、すみません」
「私の都合ばかりで、すみません…」
「…でも、もう…」
「そんな理由で、スカート以外はもうありませんし」
「新しく買っても、…きっと、すぐに…」
「す、すみません!」
「せっかく事務所に戻ってきたのに」
「こんな話で、引き止めてしまって…!」
「さ、早く戻りましょう、プロデューサーさん」
「ちひろさんも待ってくれてるでしょうし」
「…はい、もう、湿っぽい話はおしまい、ですね」
「ええ、私ならもう平気です」
「ありがとうございます、プロデューサーさん…!」
「…それで」
「ここに戻るまでの階段で、また見ちゃったと」
「…ふふッ」
「さすがですね、プロデューサーさん」
「ああ、そんな焦らなくても大丈夫ですよ」
「ほたるちゃんは、もう帰しましたから」
「この話は、聴かれたりしませんよ」
「まあ、聴かれたところで」
「プロデューサーと、そのアシスタントの」
「ただの事務的なお話と、そう思うでしょう」
「…実際、そうでしかないですからね」
「ふふッ」
「で、どうしたんです?」
「そんな深刻そうな表情をして」
「ああ、早く帰りたいんですね?」
「そうですね、お仕事でだいぶお疲れのようですし」
「それに」
「今日もまた、ほたるちゃんのを、いっぱい見ちゃって、それで」
「…いえ、なーんでもありません♪」
「…ん?」
「もう実験はもう充分だ、…ですか?」
「いやあ、人聞きの悪いことを仰いますねえ」
「可愛い可愛いアシスタントに向かって、このプロデューサーさんは」
「…もう、ノリが悪いですねえ」
「それで、改めてどうしたんです?」
「今更、正義の感情に目覚めました?」
「今更、罪悪の感情に苛まれました?」
「今更、男女の劣情が芽生えました?」
「…ふふ、ふふふッ…」
「…ええ、忘れちゃいませんよ?」
「不幸体質を自覚している、あの子」
「ほたるちゃんが、うちに所属となった時」
「その不幸から、守り退け助けるために」
「なんとか手段を講じようと、相談しましたね」
「プロデューサーさんは、何より、ほたるちゃんの心を護ろうとした」
「だから、どんなに辛い目にあっても大丈夫なように」
「魔法の言葉を、彼女にかけた」
「そう」
「『不幸な時ほど、笑え』、と」
「実際、救われているようですね」
「巡り巡って、自衛のモノとはいえ」
「以前のような気弱なそれじゃなくて」
「堂々とした、そう、拠り所に裏付けられた、そんな笑顔に」
「最近は、そんな笑い方ができているように思います」
「ステキ、ですねえ」
「…で、私ですね」
「アシスタントとして、と言うより、個人的な感情ですが」
「事象の把握は、何より優先されるべきだと」
「そう考えていますから」
「精神論だけで越えられるほど、世の中は甘くない」
「敵を知り、己を知れば、百戦とて危うからず」
「把握していればこそ、打てる手がある」
「把握できていなければ、打開策も何もない」
「だから、です」
「…それを実験とは、いささか不名誉な称し方ですが」
「まあ、この際、良いでしょう」
「プロデューサーさんも、知ってますよね」
「私が、ほたるちゃんに、何と教えたか」
「どんな、魔法の言葉をかけたか」
「…ええ」
「『プロデューサーさんは、女の子のパンツを見るのが』」
「『嫌いも嫌い、大ッ嫌い』、と」
「結果として、私の推測は的中しました」
「ああ、プロデューサーさん的に言えば」
「『実験が成功を収めた』、ですかね?」
「まあ、それはどうでも良いでしょう」
「私が、ほたるちゃんに魔法の言葉をかけた結果」
「プロデューサーさんは」
「『ほたるちゃんのを、見てしまう』」
「そんな毎日を、送るようになった」
「違いませんよね?」
「…ふふッ…」
「そう」
「ほたるちゃんの不幸体質とは」
「周囲にただ不幸を撒き散らす類では、決してありません」
「『ほたるちゃんが考えうる、不幸』」
「それが、周囲に降りかかる」
「己が不安を、己で具現化し、己に不幸として返ってくる」
「…不憫な娘、でした」
「でも、今は違います」
「ほたるちゃんは、うちに来て救われました」
「プロデューサーさんに出会って、救われました」
「『不幸な時ほど、笑え』、という、魔法の言葉で、救われました」
「その結果、どうなったか」
「…もう、わかってますよね?」
「ほたるちゃんは、優しい娘です」
「自分の将来よりも、何よりも」
「救ってくれたプロデューサーさんを、意識するようになりました」
「そうして、ほたるちゃんは考えるようになります」
「私がかけた、魔法を道標に」
「『プロデューサーさんが、不幸になったらどうしよう』」
「『プロデューサーさんの不幸って、なんだろう』」
「『そうだ、女の子のが、…見えちゃうこと』」
「まあ、やぱりその結果でしょうね」
「いやあ、不幸ですねえ」
「で、ほぼ毎日、可愛いアイドルのを見せられて」
「ホント、不幸なプロデューサーさんですね」
「お仕事で顔を合わせば、見えて、見えて…」
「大変ですねえ」
「…え?」
「オフの日にも、見ちゃった?」
「ほたるちゃんが足元に落としたケータイがなぜか誤動作して」
「画像が送られてきた?」
「…ふふふッ…」
「あははッ!」
「いやあ、これはこれは」
「想像以上の、『不幸』、ですねえ?」
「そういう、わけでですね」
「何よりの収穫は」
「ほたるちゃんの考える『不幸』と、当事者の『不幸』」
「そこは、必ずしも一致するわけではない」
「それが、わかったこと、ですね」
「…ねえ?」
「だって、プロデューサーさん」
「『不幸』でしたか?」
「ほたるちゃんのを見れて、『不幸』、でしたか?」
「…ですよね」
「言わずとも、その前かがみが答えです」
「…うふッ…」
「…えッ?」
「…もう充分でしょう、とは」
「もう、充分ほたるちゃんのを堪能したッ!」
「そういう意味ですか?」
「そんな、まっさかぁ」
「あんな可愛い13歳のを」
「見飽きちゃうなんて、考えられませんよねえ?」
「…まだ、足りないくらいじゃないですか」
「ちなみに、今日は何回くらい見ました?」
「何色でした?」
「それで興奮したんですよね?」
「…うふふふッ」
「別に、茶化したりやしていませんよ」
「ただ、充分だと言える結果には」
「まだ至っていない」
「それだけですよ」
「プロデューサーさんも、そう」
「ほたるちゃんは、トップアイドルに登り詰められる」
「そう、確信していますよね」
「…いい、返事です」
「なればこそ」
「今、真実を明かすわけにはいかないんです」
「そう、ほたるちゃんには、まだ早い」
「…私が何を、考えているか、ですか?」
「決まっているじゃないですか」
「事務所と、プロデューサーさんと、アイドル達の」
「輝かしい将来のこと、です」
「…」
「なんだかんだ言ってますが」
「私は、ウソはつきません」
「そこは信頼していただけると」
「まあ、アシスタントを疑うプロデューサーさんなんて居ないと思いますが」
「…信じて、くださいね?」
「なぁんて」
「ええ、言わなくともわかりますよ」
「私を疑ってないことくらいは」
「…」
「…ありがとう、ございます」
「ふふッ」
「…ええ」
「然るべき時がくれば」
「すべて、お話ししますから」
「さあ、もう良い時間ですね」
「明日もお仕事がありますから」
「今日はもう、上がりましょう」
「ね、プロデューサーさん…?」
「ふふッ」
「…」
「す、すみません…」
「今日もまた、いっぱい…」
「…」
「そう、ですね」
「事務所に、戻らないと…」
「あ、今日も私だけなんですね」
「何から何まで、すみません、本当に…」
「…」
「…あの」
「プロデューサーさん」
「運転しながらで構いません」
「事務所に着くまでの間」
「少しだけ、…良いですか?」
「…ありがとうございます」
「『不幸』って、どういう時に起こるものか」
「考えたことって、ありますか?」
「私は…」
「…」
「…こちらへ移籍させていただく、その前に」
「たくさんの人達に、お世話になりました」
「たくさんの仲間が、支えてくれました」
「たくさんの業界を、見てきました」
「…」
「…そんな中で」
「そんな中で、良く、耳にする言葉がありました」
「『幸せ』」
「そう、何度も聞いてきました」
「…妬んでいるわけでは、ありません」
「むしろ、私の不幸から逃れられて」
「本当に良かったって、そう、思うんです」
「そう、…思って、いたんです」
「『幸せ』を口にしたみんなは」
「…もう、幸せだと、言えない」
「そんな風に、なってしまいました」
「…」
「仲の良かった子が、ケガしちゃって、お仕事がなくなったり」
「良くしてくれた人が、事故にあって引退しちゃったり」
「そして、プロデューサーさんも、…です」
「…前の事務所で、担当してくださったプロデューサーさんに」
「私、訊ねたことがあるんです」
「私なんかの担当で、良かったんですか、と」
「そうしたら、前のプロデューサーさんは」
「私を担当できて、『幸せ』だ、と」
「そう、笑ってくれました」
「…」
「それが、最後に見た、プロデューサーさんの笑顔でした」
「…」
「私が、私が居たばっかりに…」
「…すみません」
「ただ、その」
「不幸は、向こうからやってくるんです」
「何に惹かれて、やってくるか」
「それは、『幸せ』なんだと、私は思うんです」
「幸せであれば、その足を引っ張ろうと」
「呼んでもない『不幸』がやってくる」
「…幸せっていうのは、他でもない」
「『不幸の前兆』だと、私は思うんです」
「だから、その」
「プロデューサーさんが、教えてくれた」
「『不幸な時ほど、笑え』」
「その言葉が、嬉しかったんです」
「幸せになりなさい、でも、不幸を退けよう、でもなく」
「あるがままの不幸を受け入れて」
「そのうえで、笑えるようにと」
「決して、幸せにならないように」
「絶対に、不幸なままあるように」
「そして、平穏を過ごせるように」
「不幸の断頭台に続く、幸せの階段を登らなくて済むように」
「…だから、私…!」
「…?」
「…どうして、そんな」
「そんな、哀しそうな顔を」
「どうしてプロデューサーさんが、そんな」
「辛くて泣きそうな…」
「あ…」
「やっぱり、プロデューサーさんは、優しいんですね」
「私なんかのために、泣いてくれて…」
「…違う?」
「…す、すみません」
「…あッ」
「お話をしていたら、もう事務所ですね…」
「…」
「…すみません、空気を悪くしてしまって」
「えッ、あ…」
「…はい、プロデューサーさんに、頭を撫でてもらうの」
「…好…、その、キライじゃない…です」
「…」
「…そう、ですね」
「戻りましょう、事務所に」
「…限界?」
「どうしたんです、プロデューサーさん」
「…心配しなくても、ほたるちゃんなら、もう帰しましたよ」
「今ここに居るのは、プロデューサーさんと」
「可愛い可愛いアシスタントの、私だけです♪」
「…」
「…ずいぶんとまあ、深刻な面持ちで」
「どうしたんです?」
「今日はほたるちゃんのを見れなかったんです?」
「…ああ、いえ、結構です」
「その前かがみが充分なほどの答えです」
「毎度、わかりやすくて助かります」
「で、一体どうしたんですか」
「見え過ぎちゃって、もうガマンできなくなっちゃいました?」
「えッ、違う?」
「…いえ、別に」
「13歳のを見て興奮するプロデューサーさんですから」
「そんなことだろうと、タカを括ってたわけじゃないですよ?」
「…ええ、ホントに」
「で、どうしたんです」
「…」
「…なるほど」
「ほたるちゃんの価値感を知って、辛くなった、と」
「…まあ、確かに」
「この業界に身を置くとはいえ、13歳の女の子ですからね」
「そんな寂しい考え方を、してしまうような」
「そんな人生を歩んできたこと」
「そうして」
「プロデューサーさんの魔法の言葉は」
「救いになりはすれど」
「…歪んだカタチでの、救いとなってしまった」
「これは、想定外でしたね…」
「…」
「…それで」
「プロデューサーさんは、どうお考えで」
「どうすれば、救えると?」
「…」
「ほたるちゃんに、真実を打ち明ける?」
「思ったモノが不幸になるから、安心して楽しいコトだけ考えろ」
「そう、伝える、と」
「…」
「却下、…ですね」
「確かに、うまくいけば解決になりそうですね」
「むしろ、1度うまくいってしまえば」
「今度は、幸福が舞い込むようになるかも知れない」
「それこそ、鷹富士さんのように」
「でも、それでも」
「ほたるちゃんに、それが可能だとでも?」
「私は、そうは思えません」
「むしろ、さっきの話を聞いたからこそ」
「私は全力で阻止します」
「13歳にして、そんな考えに至る娘です」
「そこを、矯正できるとお思いで?」
「下手に伝えて、どうなるか」
「ほたるちゃんは、きっと、こう考えるでしょう」
「『今までの不幸は、やっぱり自分が招いていた』」
「『みんなに迷惑をかけたのは、不幸を、具体的な不幸を想像した自分』」
「そうして、罪悪に押し潰されるでしょう」
「それだけに留まりません」
「きっと、ありとあらゆる『不幸』を想像するでしょう」
「今更、しちゃいけないと言って、それは無理な注文でしょう」
「その『不幸』がどこまで及ぶかは定かではありませんが」
「…うちの事務所の面々だけで済めば、御の字じゃないですかね?」
「…」
「しかし」
「このままでは、いけませんね…」
「わかりました」
「私が、何か手立てを考えておきます」
「…私は、プロデューサーさんの、アシスタントですから」
「こういう時に、手が打てるように」
「普段から、情報把握に動いているわけですから」
「任せてください」
「私は、誰も」
「『不幸』にしない」
「そう」
「『誰も、損しない』、そんな世界にする」
「そう、誓います」
「あ…」
「お疲れ様です、プロデューサーさん」
「はい、今日のお仕事は順調に進みました!」
「えへへッ」
「機嫌が良い、ですか?」
「そう、ですね」
「だって、最近は」
「お仕事も調子が良くて」
「特に目立った不幸もなくて…」
「あ、そうだ…」
「今朝、また、プロデューサーさんに見せちゃったんでした…」
「す、すみません…」
「プロデューサーさんばかり、不幸にしちゃって…」
「…」
「…そ、そうですね」
「立ち話もあれですし、戻りましょうか」
「…でも、本当に」
「最近は、調子が良くて」
「…」
「…まさか」
「まさか、とは思います、が…」
「…」
「これが、『幸せ』…?」
「これが…」
「『不幸』の、前触れ…?」
「…」
「…あッ、すみません…すぐ乗ります」
「考えても仕方ないですね」
「すみません…」
「あッ、またお迎えは私だけなんですね」
「…」
「おかえりなさい、プロデューサーさん、ほたるちゃん」
「ただいまです、ちひろさん!」
「先方からお電話をいただきましたよ、主役がほたるちゃんで良かった、と」
「そ、そんな…勿体無いお言葉ですよ」
「まあまあ、そう謙遜しないで」
「…ありがとうございます」
「さて、それじゃあ、ほたるちゃん」
「…はい、私はお先に失礼しますね」
「帰りも気を付けてくださいね、お仕事で疲れているんですから」
「はい、ありがとうございます!」
「…ふふッ」
「プロデューサーさん、ちひろさん、お疲れ様でした…!」
「…さて、プロデューサーさん」
「あれから何日か過ぎましたが」
「まだ、有効な手立てが、浮かびません」
「…すみません」
「…」
「それに、いつまでほたるちゃんに気付かれずに事を進められるか」
「それも懸念材料です」
「…」
「だから、プロデューサーさん」
「1つ、頼まれていただけないでしょうか」
「…大それたことではありません」
「ほたるちゃんの心情、ご存知でしょう」
「なればこそ、です」
「仮に、もしも仮に」
「『万が一』のコトがあった際に」
「あの娘を、傷付けてしまわないように」
「責任感を、罪悪感を、絶望感を」
「未来ある13歳に、背負わせてしまわないように」
「…ただひとこと、音声として、記録して欲しいんです」
「ほたるちゃんと一緒に居られて、『幸せ』だ、と」
「もちろん、私も」
「そして、事務所のみんなにもお願いするつもりです」
「…こんな、何か起こってからの保険からですが」
「それでも、何かできることがあるとすれば」
「手は打っておきたいんです」
「…」
「ありがとうございます、プロデューサーさん」
「はい、バッチリ記録できました」
「これで、準備が1つ整ったわけですね」
「…それでは、私はお先に失礼します」
「プロデューサーさんは、…今日は事務所にお泊りですか」
「そうですね、明日はだいぶムチャなスケジュールですから」
「戻って出勤し直す余裕もなさそう、ですね…」
「すみません、アシスタントでありながら、こんな時に」
「それでは」
「…ええ、プロデューサーさんもお気を付けて」
「…」
「…さて…」
「…」
「…?」
「携帯が鳴ってる…」
「誰でしょう…?」
「…ッ」
「ひちろ、さん…?」
「ど、どうしましょう…」
「私、何か迷惑をかけてしまったのでしょうか…」
「…」
「め、メール…ですね」
「えっと…」
「『今日は、お疲れ様でした』…?」
「よ、良かった…普通のメールだ」
「…?」
「あ、プロデューサーさん、今日は事務所に泊まるんだ」
「頑張って、くれてるんですね…」
「私、…いえ、事務所の、みんなのために」
「…私も、頑張らないと」
「うん」
「…まだ、続きが」
「…ッ…」
「…プロデューサー、…さん、が…」
「お仕事を、頑張ることができるのが嬉しい、って」
「それで…わ、私と…ッ」
「『私と一緒に居られて、幸せ』って…」
「…そんな…」
「あ、お、音声データが…」
「…」
「プロデューサーさんの、声…」
「…」
「…言ってる…」
「確かに、プロデューサーさんが、言ってる…」
「『幸せ』だ、って…」
「…」
「…プロデューサーさん…」
「どうしよう」
「どうしようどうしようどうしよう」
「プロデューサーさんが、『幸せ』になっちゃったら…!」
「ううん、喜ばしいことなのに」
「私の、せいで」
「私のせいで、その『幸せ』は…ッ」
「『不幸の前兆』に、他ならないのにッ!」
「…」
「どう、すれば…」
「…」
「…ッ!」
「そう、だ」
「『幸せ』が、『不幸の前兆』だったら」
「その『幸せ』を、崩し壊してしまえば、良いんだ…」
「そうすれば、プロデューサーさんは」
「『不幸』にならない」
「『幸せ』にはなれなくても、『不幸』にならずに済む…」
「…」
「でも、そんなことって…」
「…!!」
「…今日は、プロデューサーさんは」
「事務所に、お泊り…」
「…」
「プロデューサーさん…」
「…すみません」
「…」
「…さて」
「事務所の明かりは、まだ点いてる…」
「…」
「…カギは、かかってない」
「プロデューサーさんは」
「…居ない」
「急がなきゃ、いけないのに…!」
「…」
「…どこに、行ったんだろう…」
「いつもの仕事机には、居ない」
「いつもの応接室にも、居ない」
「いつもの事務所には、…居ない」
「どうして…」
「…」
「…遅かった?」
「私が、『幸せ』に、…間に合わなかった?」
「…プロデュー…サー…さん」
「…」
「…!」
「いや、まだだ」
「まだ、探していない部屋がある」
「お泊りって言ってたから、もしかしたら…」
「それに、もし、そうだったら」
「その方が、…きっと、都合が良い…」
「…」
「…今、行きますね」
「プロデューサーさん…!」
「…良かった」
「やっぱり、仮眠室に居たんですね」
「…」
「…まだ起きているようですが」
「私が来たことには、気付いてないみたいですね…」
「今、仰向けで読んでいるのは」
「明日のお仕事で使う、資料でしょうか」
「…」
「…うん」
「全部、そう、全部」
「…都合が、良い」
「こうなったら、あとは、ゆっくりと」
「期を待つ、それだけ」
「…」
「プロデューサーさんが、資料を置く」
「その瞬間が、仕掛け時…!」
「…」
「…置いた、大きなアクビをしながら…ッ!」
「今しか、ないッ!」
「プロデューサーさんッ!」
「私が履いてるのを、見てくださいッ!」
「お、落ち着いてくださいプロデューサーさん!」
「私がここに居ることなんて、どうだって良いじゃないですか」
「それよりも、ほら」
「早く、見てください…!」
「こうやって、お顔を跨いでいるのは」
「私だって、その、…恥ずかしいんですから!」
「…ッ!」
「だ、ダメです、動いちゃったら!」
「見てくれなきゃ、ダメなんです!」
「に、逃がさないですよ…!」
「ダメです、眼を開けてください!」
「眼を開けて、しっかりと見てください!」
「じゃないと、…じゃないと!」
「…」
「これでも…」
「…見て、くれないんですね…」
「わかりました」
「だったら…!」
「…!」
「こ、こうすれば…!」
「眼を開けて貰えないなら、こうやって」
「押し付けちゃいますから!」
「眼を背けちゃうほど、キライなのでしたら」
「こうやって、お顔に押し当てちゃえば」
「…すごく、イヤですよね?」
「すごく、すごく、…『不幸』、ですよね?」
「ね…ッ!?」
「だ、ダメですよ…」
「どんなにもがいても、逃がしませんから…」
「このスカートの中に、逃げ場なんて、ないんですから…!」
「でも、このままじゃ…」
「…」
「ちょ、ちょっとだけ、脚でお顔を挟みますね」
「プロデューサーさんが、動かないように…!」
「もう、顔を背けられないように」
「ちょっとだけ、ぎゅぅっとします!」
「んしょッ…」
「プロデューサーさんが、『幸せ』じゃなくなるまで」
「わ、私は退きませんから…!」
「さ、叫んじゃダメです」
「誰かが来ちゃったら…!」
「…えいッ」
「そんなことになったら、困りますから」
「お口を、塞がせてもらいます…!」
「ち、窒息しちゃわないように」
「鼻は空けておきますから」
「息は、できてますよね…?」
「苦しい、ですか…?」
「…」
「…んッ…」
「で、でも、…ごめん、なさい」
「プロデューサーさんを、助けたいんです」
「そんな苦しそうな呼吸も、もうすぐ…!」
「だから、…だからッ!」
「どうか、早く、…『不幸』に、なってください…!」
「…」
「…どれくらい、経ったのでしょう」
「頭が、ボーッとして」
「…プロデューサーさん」
「さっき、思い切り仰け反ってから」
「…動いて、くれませんね」
「…」
「すみません」
「こんな、イヤな想いをさせてしまって」
「でも」
「プロデューサーさんを」
「…私は、プロデューサーさんを」
「『幸せ』に、したく、なかったんです」
「だって、それは、…『不幸への前兆』だから」
「だから、すみません」
「こんな仕打ちを、しちゃって…」
「顔を背けるほどの、キライなモノを」
「呼吸も絶え絶えになるほどに、押し当てつけて」
「動かなくなるまで、…ううん、動かなくなっても、まだずっと続けて…」
「…」
「…プロデューサーさん」
「『不幸』に、なって貰えました、でしょうか」
「あ…お口、塞いだままでしたね」
「今、退きます」
「…?」
「…プロデューサーさん」
「なんで、そんな、…笑顔で」
「…」
「引きつった、笑顔、…で」
「…あ」
「そうか、…そうです、よね」
「プロデューサーさんが、教えてくれた言葉」
「そう、ですよね」
「『不幸な時ほど、笑え』」
「こんな、時まで…」
「…ありがとう…ありがとう、ございます」
「プロデューサーさんが、笑ってくれたから…」
「はい」
「『不幸』にできたって、安心できました」
「…うふふ、ふふふふッ…」
「本当に、良かった…良かったです…ッ」
「お疲れ様です、プロデューサーさん」
「今日のお仕事も、大成功だったようですね」
「ええ、アシスタントとして鼻が高いです」
「…」
「どうしました?」
「何を、心配することがあるんです」
「何もかも、うまくいっているじゃないですか」
「そう、以前と変わらずに」
「ほたるちゃんの意識は、あなたに」
「プロデューサーさんに向けられています」
「自身の未来より、プロデューサーさんの未来を」
「何より、危惧しています」
「プロデューサーさんが、『不幸』に、ならないように」
「『不幸の前兆』である、『幸せ』を無くすために」
「そのために、意図的に『不幸』にする」
「そうやって」
「『幸せ』と『不幸』の調整をする」
「あわよくば、打ち消す」
「…それが、ほたるちゃんの出した、答え」
「優しい娘ですから」
「意図的に『不幸』にするなんて、考え付かなかったのでしょうね」
「大切な人であれば、そうあるほどに」
「そうして、あの娘は想い付いた」
「想い付いて、実行に移した」
「プロデューサーさんが、大切だから」
「プロデューサーさんを、助けるために」
「そして」
「プロデューサーさんにとって、何が『不幸』か」
「それを、知っていたから」
「なればこその、結果ですね」
「…ふふッ…」
「そうして、ほたるちゃんの意識が」
「プロデューサーさんを、意図的に『不幸』にする」
「そこに向いている今」
「そこにしか向けられていない、今」
「私達を妨げるモノなんて、ありません」
「襲い来る『不幸』なんて、ないんです」
「…そう」
「プロデューサーさん、以外には」
「…」
「プロデューサーさんも」
「最近は、言わなくなりましたね」
「ほたるちゃんが可愛そうだとか」
「人道に反しているだとか」
「もう、実験は充分じゃないですかー、…とか」
「…ふふッ」
「やっぱりあれですか」
「改めて、ほたるちゃんのを見て興奮しちゃいました?」
「よりにもよって、13歳の娘ので!」
「もう、肩肘を張るだけの心が折れちゃいました?」
「あの可愛らしいお尻で、心ごと潰されちゃいました?」
「…ふ、ふ」
「あははッ!」
「…いえ、ごめんなさい」
「そうですよね」
「その前かがみが、何よりの答えですね」
「…ふふ」
「…くくッ…」
「良いじゃ、ないですか」
「『誰も、損しない』世界じゃないですか」
「…ふふふッ!」
「え?」
「あの時、ウソの録音で、けしかけるよう仕向けた?」
「違いますよぉ」
「たまたま想い付いたんで、その手段に賭けてみたんです」
「実際、うまくいかなかった可能性だってありますから」
「その時は、お伝えした通りの使い方をしていましたよ?」
「きっと」
「…うふッ」
「…さ、そろそろ行ってあげないと」
「待ちくたびれちゃいますよ」
「ずっと、プロデューサーさんを待っていたんですから」
「健気ですよねえ」
「ふふッ」
「さあ、私は邪魔しないように」
「空気の読める可愛いアシスタントですから」
「…もう、ノリが悪いままですね」
「もうほたるちゃん以外は見えないんですかねえ」
「13歳の、いたいけな少女しか、もう」
「…」
「なぁんて、冗談ですよ、冗談」
「うふふッ」
「それじゃあ、プロデューサーさん」
「お先に、失礼しますね」
「…」
「…あッ、プロデューサーさん」
「待って、ました」
「…えへへッ」
「私、…もう、すっかり仮眠室の主、ですね」
「えへへへへ」
「さあ、それじゃあプロデューサーさん」
「今日の出来事の、おさらいを、しましょう…!」
「今日、幸せだったこと」
「あ、紙にまとめて印刷してあるんですね」
「…わぁ、いっぱいありますねぇ…」
「えーと」
「朝の占いが1位だった」
「お弁当の卵焼きが美味しかった」
「あの3連続の信号に引っ掛からなかった」
「…」
「…まだまだ、いっぱい、…いっぱい…」
「…」
「…今日も、『幸せ』、だったんですね」
「それじゃあ」
「見合うだけの、『不幸』で、打ち消さないと」
「本当に、『不幸』になっちゃいますからね」
「これだけの『幸せ』なら…」
「『押し付け』ですね」
「ほら、こっちに来て」
「座ってください、プロデューサーさん」
「よい、しょ」
「…ふふ…」
「スカートの中に、プロデューサーさんの、お顔が」
「眼は、開いてくれてますか?」
「しっかりと見てますか?」
「ちゃんと『不幸』になってますか?」
「でも、まだです」
「まだ、足りないんです」
「…んッ…」
「ほら、ぎゅぅーっと」
「呼吸が、おかしくなっちゃうくらい」
「ぎゅっと、ぎゅうっと…」
「これくらいじゃなきゃ、『不幸』には…!」
「…」
「…ううん」
「プロデューサーさん」
「最近は、引きつった笑顔じゃなくなってきてますね」
「すごく、自然に、笑えてる風に見えます」
「…もしかして」
「この『不幸』に、耐性がついてきてませんか?」
「だとしたら、大変ですね」
「今までと同じことでは、『不幸』になりきれなくて」
「…きっと、また『幸せ』に…」
「…」
「…えいッ」
「変更です、プロデューサーさん」
「『押し付け』から、『圧し掛かり』にッ」
「こうやって、ちょっとでも、強く、長く…ッ」
「そうして、『不幸』に、ならないと…」
「…うん…」
「大人しくしてくれて、ありがとうございます」
「そう、そのまま、じっとして」
「この『不幸』を、しっかりと受け止めてください」
「…んんッ…」
「…」
「んふぅ…」
「今日は、これくらいでしょうか」
「でも、このままじゃ、やっぱり…」
「考えないと、いけませんね」
「もっと強く長く、押し付ければ良いのでしょうか」
「それとも、もっと違うのを履いた方が…」
「…いえ、いっそ履かない方が?」
「困りました…」
「…」
「あッ…」
「こんな時でも、頭を撫でてくれるんですね…」
「やっぱり、プロデューサーさんは、優しいですね」
「…えへへ」
「…はるかな昔」
「パンドラの箱なるモノがあって」
「その中には、ありとあらゆる災厄が入っていた」
「そう伝え聞いてます」
「そうして、その底には」
「『希望』が封じられている、とも」
「プロデューサーさん」
「私のスカートは、きっと、パンドラの箱なんです」
「この中には、災厄が渦巻いている」
「めくれる度に、プロデューサーさんを『不幸』にする」
「そんな災厄の詰まった、箱」
「だからこそ、ですね」
「今の体勢が、私、…好きなんです」
「だって、『不幸』しかないパンドラの箱に」
「私のスカートの中に」
「プロデューサーさんという、『希望』が」
「今、確かに入っていると」
「ハッキリと、そう感じられますから」
「っと、そんなコト言っちゃうと」
「私も、『幸せ』になっちゃいますね?」
「…ふふ…」
「…うふふッ…!」
「プロデューサーさん」
「…今はまだ、想い付かなくとも」
「いつかきっと、方法を考えますから」
「そうして、プロデューサーさんの『調整』を、私が担いますから」
「プロデューサーさんは、ここで」
「私の、スカートの中で」
「笑っていてください」
「スカートの中という、『不幸』に塗れた中で」
「『不幸な時ほど、笑え』」
「教えてくれた言葉の通りに」
「うふふ…ッ」
「大丈夫」
「プロデューサーさんは、何も心配しなくて良いんです」
「これから先」
「未来永劫」
「私が、ずっとお傍に」
「私が、一緒に、そう、ずっと一緒にいて」
「私が、プロデューサーさん、…あなたの」
「あなたの、『不幸』を、プロデュースしますから…!」
以上で終了です
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以前に書いたもの
佐久間まゆ「記憶喪失のプロデューサーさん…♪」
佐久間まゆ「記憶喪失のプロデューサーさん…♪」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1440581074/)
佐久間まゆ「記憶喪失のまゆと、一緒に…♪」
佐久間まゆ「記憶喪失のまゆと、一緒に…♪」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1440870874/)
今回のお話と繋がりはありませんが、こちらもお読みいただけると幸いです
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