貴音「己の限界」 (24)

「プロデューサーさん。 この後飲みに行きましょう!」



小鳥嬢の声が私の耳に入る

どうやらプロデューサーを飲みに誘っているようです



「あらあら〜、私もご一緒していいかしら〜」



続け様にあずさが話に乗ってくる

仕事終わりの、何も変わらない日常風景

私は盛り上がりを見せる明るい一角とは対照的な、仕切りの影で一人月を眺めていた



「今宵も月が綺麗ですね……」



誰に届くはずでもない私の声は、窓の外に響く都会的な喧騒に飲まれていった



















961プロから移籍してきた私と響

そんな私達を温かく受け入れてくれた皆様

優しい765プロの皆様

私は事務所の扉を潜った瞬間、私達の選択は間違っていなかったと確信しました

横に居た響の緊張した顔がどんどん明るい笑顔へと変化していったのが見えたので

そして何より……プロデューサーの顔を見た時の、私の心の闇が晴れていった感覚がそう思わせてくれたのでしょう

思えばあの時からでしょう、私の心がプロデューサーに惹かれ始めたのは……


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「おーい、貴音ー」



お昼時に声を掛けてくれたプロデューサー

丁度らぁめんを食べに行こうと、事務所の扉に手を伸ばした瞬間でした



「はい、なんでしょう?」

「今度のラーメン食べ歩きで取材するお店なんだが」



私の脳内はもうらぁめんの事でいっぱいになっております

そんな時にらぁめんの話をするプロデューサーは、本当にいけずです



「はい、それがどうか致しましたか? もう打ち合わせは終わった筈ですが……?」

「ああ、だけど取材より先にちょっと食べに行ってみないかと思ってな」

「え? それはプロデューサーと一緒にという事でしょうか?」

「そうだが……嫌か?」


眉を八の字に変形させたプロデューサーは、不安そうな声を出して私の目を見つめていました

そんな顔を見て……私は少し笑ってしまいました


「ふふ……」

「な、なんで笑うんだよ……?」

「いえ……可愛らしい表情を見せられたもので……ふふっ……」

「なんだよそれ……んで行くか? 行くなら車出すけど?」

「はい。 是非ご一緒させてくださいまし」


私がそう言うとプロデューサーの表情は一気に明るくなり、口角を上げながらニコニコ笑っていました

まるで子供の様な無邪気な笑顔に私も釣られて笑ってしまう


「プロデューサーの笑顔は幸せな気持ちにさせてくださいますね」

「そ、そうかな……自分じゃよく分からんな」

「ふふっ。 それではこの幸せな気持ちは私だけの特権としておきましょう」


プロデューサーは少し困った顔を見せ、頭を掻きながら照れ笑いを浮かべていました

その動作の一つ一つが私の心に暖かい光を与えてくれる

心の中がどんどんと暖かくなるにつれ、私の心はどんどんとプロデューサーに惹かれていく

もう後戻りが出来ないところまで……




その後もプロデューサーと何度からぁめんを食べに行き、そのお陰からぁめん食べ歩きの収録は無事に終了

番組放送日にはプロデューサーと一緒に事務所で鑑賞会

キラキラした目で画面を凝視するプロデューサーの表情はまるで子供のようで、私の心の中を擽り続けた

番組が終わるとプロデューサーは笑顔で私の頭を撫でてくれた


「よかったぞ。 次も頑張っていこうな」


その一言と私の頭を撫でるプロデューサーの手の温もり

それだけで私の心は暖かさで満たされていった

それと共に熱くなる私の顔


「す、少し夜風に当たってきます!」


事務所から飛び出し、屋上までの階段を駆け上がる私

顔がどんどんと熱くなる

焦りながらも屋上の扉を開けると、熱い私の顔を冷たい風が撫でる

冷たい風が季節の変わり目を教えてくれる

季節はもう冬

気温も下がり、吐き出す息も白く染められている

その白い息が行く末を目で追うと、私の頭上に大きく身構えるお月様

気温が下がった所為か、何時もなら靄で覆われている朧気な月ではなく、輪郭がはっきりと夜空に浮かび上がる月

久しぶりに見た大きな月に見蕩れていると、背中を包み込む温かい感触

後ろを振り返ると、心配そうな顔で私を見詰めるプロデューサー

先程まで羽織っていた背広は私の背中に掛けられていた

「どうしたんだよ高音……俺なんかしちゃったか?」


眉を八の字にし、私の顔を覗き込むプロデューサー

その表情を見ると更に熱さを増す私の顔


「顔が赤いぞ? 大丈夫か…?」


そう言うとプロデューサーは私の額に手を当てる

反抗する事も出来ずに私は固まり、ぼうっとプロデューサーの顔を見続けた


「少し熱いな……風邪でも引いたか?」

「い、いえ……そうではないかと……」

「じゃあ事務所暑かったか? 暖房強めすぎたかな……」

「そ、そうじゃなく……」

「ん? じゃあどうして屋上に?」

「えっと……その……つ、月が見たくなりまして……」


私の口から出た苦し紛れの言い訳

その言い訳を真に受け、視線を私から私の頭上へと移すプロデューサー


「おぉ……凄いな……」

「え、ええ……今日は月が綺麗です……」

「ははっ。 おいおい、その発言は俺が勘違いしちゃうぞ」

「え?」

「あれ? 高音は『月が綺麗ですね』 の、もう一つの意味を知らないのか?」

「他にも意味があるのですか?」

「ああ、夏目漱石が考えたって言われるやつで『あなたが好きです』 って意味だよ」

「え……?」


その瞬間私の心臓がドクンと鳴った

温かいと感じていた心の温もりは、私の心臓を締め付ける痛みへと変わり

顔の熱さは先程の熱さを優に超えるものへと変化していた

好き……? これが好きという感情……?

私が感じていた心の温もりはプロデューサーを好きという気持ちの所為?

そこから先の記憶は曖昧です……気が付いたら私は自分の部屋で布団に包まっておりました

頭の中をぐるぐる回る“好き”という言葉

私は分かっていなかっただけ……?

前からプロデューサーが好きだった……?

時計の秒針が刻むリズムに乗せ、私の脳内でプロデューサーとの出会いが走馬灯のように駆け巡る

ああ……心が惹かれていたのは自覚していた……だけどそれが恋だと気付いていなかっただけ……私は……プロデューサーに恋をしてる……多分


「小鳥嬢。 少し相談が……」


事務所の中には私と小鳥嬢のみ

それを確認した上での相談……私の恋愛相談


「相談……いいわよ。 私でよければ」

「有難う御座います……では早速。 ……恋とはなんでしょう?」


私が恋という単語を口にした瞬間、小鳥嬢は固まってしまわれました

少し間を置いて困った表情になり、頭を掻き出す小鳥嬢

はて……私はおかしな事を言ってしまったのでしょうか?


「あ……えっと……恋?」

「はい。 恋です」

「そ、そっかー……恋かー……高音ちゃんは誰かを好きになったの?」

「は……はい……多分ですが……」


まだ確信を得られていない私は、自信無さ気な反応しか出来ないでいた

私の胸を締め付けるこの感覚が恋なのかどうなのか……


「多分ね……」

「はい……その方と話していると胸がポカポカして……キュー……と締め付けられるのです……もしやこの感覚が恋なのではないかと思い、小鳥嬢に相談したのです……これは……恋なのでしょうか……?」

「……間違いないわね。 それは恋よ高音ちゃん」

「や、やはりそうなのですね……」


私の考えは間違いではなかったようです……これは恋……

私はやはりプロデューサーに恋していた


「……で、その人には告白したの?」

「え、い、いえ……私こういった体験は初めてでして……どうしたらいいのか……」

「そうなのね……じゃあ私がお姉さんとしてアドバイスをしてあげるわ! 任せて!」

「は、はい! お願いします小鳥嬢!」

「じゃあまずね――――………」











「――――……なる程……分かりました! 私……頑張ってみます!」

「その意気よ高音ちゃん! あとこれは資料だから読んでおいてね」


小鳥嬢から大変為になる話を聞けました

これで私は教えに則り実行するのみ

……貴方様……私の想い……受け止めてくださいまし……


そうして月日が経ち……一ヶ月後


「高音ー! 次の仕事が決まったぞー!」

「は、はい!」


私は思いの丈を伝える事が出来ぬまま、何時もと同じ日常を過ごしています

臆病者の自分が憎い……


「次の仕事はなー」


貴方様は本当に素敵な笑顔を私に見せてくださる……けれど……私が告白をし……もし……断られでもしたら……?

貴方様の笑顔はもう見れないかもしれない

貴方様とこうやって普通に接する事がもう出来ないかもしれない

貴方様との関係が崩れてしまうかもしれない

……そんなのは嫌です……私の居場所がなくなってしまうのは……


「……い……おい……高音?」

「え、は、はい!」

「どうした……体調でも悪いのか……?」

「い、いえ……そのような事は……」

「そっか? なら次の仕事は問題なさそうだな」

「え?」

「あら? 聞いてなかったか? そんじゃもっかい言うぞ。 次は泊まり込みで地方ロケだ」

「な、なんと……」

「そんな不安そうな顔しなくても大丈夫だ。 俺も着いてくから」

「な、なんと!」

「え……嫌だったか……?」

「そ、そのような事は御座いません!」

「お、おう……そうか良かった」


プロデューサーと泊まりでロケ……これは神様がくださった好機……これを逃したら次はないと思わねば……


「それじゃあ出発日は一週間後な。 朝九時にここに来てくれ、俺の車で行くから」

「わ、分かりました!」


一週間あれば私の決心も固まる……怯えてはいけません……逃げてはいけません……絶対にプロデューサーに想いを伝えねば


プロデューサーと一緒にロケに行くまであと六日

プロデューサーに想いを伝えるまであと五日

プロデューサーへの想いが届くかもしれない日まであと四日

プロデューサーに断られるかもしれない日まであと三日……

プロデューサーとの……関係が終わってしまう日がくるまであと二日……

プロデューサー……あなた様……


月灯りが窓ガラス越しに私を照らしてくれている

迷い無き月光は街全体を包み込み、迷走している私を嘲笑うかの如く柔らかい光を散蒔く

仕切りを挟んだ向こう側では小鳥嬢とプロデューサーが事務仕事に追われている

カタカタと響く音

シュッシュと響く音

時折聞こえる咳払い

こんな近い距離にあなた様が居るのに伝える事を恐れている私

唇を噛み締めながら仕切りの越えられない壁を見つめ続けるこの無駄な時間

煩わしく陰鬱な私


「プロデューサーさん。 この後飲みに行きましょう!」


小鳥嬢の声が聞こえました

プロデューサーは小鳥嬢とこの後夜を共にするのでしょうか……


「あらあら〜、私もご一緒していいかしら〜」


続け様に聞こえたあずさの声

あずさも一緒なのですね……


「分かりました。 けど二人共飲み過ぎないでくださいよ」

「「はーい」」


仕切り越しに聞こえる三人の楽しげな声

そう……私は未成年……あずさや小鳥嬢には追い付けない

超えられない壁

年齢の壁

お酒を飲んでプロデューサーと一緒に楽しむ事は出来ない

私が二十歳になる前に、プロデューサーはあずさか小鳥嬢のどちらかと交際を初めてしまうかもしれない

……そんなの嫌です……

楽しそうな声を上げる三人とは対照的に一人暗がりで月を見上げる私


「今宵も月が綺麗ですね……」


届かないこの声

届く筈がないこの声

…………動かなければ

二十歳まで待つ必要は何処にもないのです

お酒が飲めずともプロデューサーに想いを届ける事は出来るのです

一緒にいれる時間が少なくても……私は負けません

なよなよしているのは私らしくありません

必ず伝えなければ……あなた様……

――― ホテルのフロント ―――


「え!? 一部屋しか予約されてないってどういうことですか!!?」


ホテルの受付で私の横に立つプロデューサーが声を荒げている

なぜか……二部屋の予約を取っていたはずが、一部屋しか予約が取れていなかったらしい


「大変申し訳ございません……。 ほかの部屋はもう埋まってしまっておりまして……部屋はツインとなっておりますのでそれでなんとか……」

「そうは言いましてもね……」


必死に頭を下げているホテルの偉い人の前で、プロデューサーは頭を掻きながら困った表情を浮かべている


「……私は構いませんよ」

「い、いや……貴音が構わなくてもだな……」

「よいではないですか。 一晩だけでしょう? なら問題はないかと」

「うーん……本当にいいのか?」

「はい」

「……分かった。 取り敢えず部屋は一つでいいので、今後はこのような事が無いようお願いしますね」

「はい。 大変申し訳ございませんでした」


これを行幸というのでしょうか。 寝具は二つといえど部屋は一つ……恰好の舞台が用意されました

あとは私次第……

その後は部屋に荷物を置き、現場まで行き、無事収録を終わらせました

収録終わりにスタッフの皆様との打ち上げに行き、この地の名産品の数々を食させて頂きました。 真に美味でした。

……ハラが減っては戦は出来ぬと言いますしね









―――……時計の針は八時を少し過ぎました

私達はホテルの部屋で今回の収録の反省会を始めたばかりです

プロデューサーの手にはお酒の缶が握られており、私は両手でお茶の感を持っています

机一つを挟んで時には真剣な顔で、時には笑顔で会話を続けておりますが、どうにも距離を感じてしまいますね

机一つの距離から生まれる物理的な距離感の所為なのか……それともお互いの手に握られている飲み物の種類から生まれる違いからなのか……


「……ん? どうした貴音?」

「え? いや……なんでもありません……」

「……やっぱり男の俺と一緒の部屋は嫌だったか?」

「そ、そのような事は!」

「いや、無理はするな。 男と一緒じゃ体が休まるどころか心も休まらないだろう。 このビールを飲み終わったら俺は車の中で寝るとするよ」

「ですからそのような……」


私が変な考え事をしていた所為で、その気持ちが表情に浮かんできてしまっていたようです

……このような事で心を乱してしまっているようでは……この気持ちを伝える事はできないんでしょうか……

情けない……本当に自分が情けない……

「た、貴音? なんで泣いてるんだ?」

「え……?」


私の頬を伝う一筋の涙

情けなさから、悔しさから溢れ出た涙


「俺……なんか貴音にしちゃったのか? 少し前からなんか……よそよそしかったっていうか……」

「な、なにもしておりません!」

「本当か? 俺嫌われちゃったかな? って思ってたんだ……」


……私はなにをしていたのでしょう……恋しく想う人をここまで悩ませ……あまつさえこの様な悲しい表情まで……


「……嫌いになどなっておりません」


嫌いになってなどおりません……

……ここから先は小鳥嬢から頂いた助言を頼りに先へ進めばいい……

勇気を出すのです四条貴音

一言だけで先に進めるのです

四条貴音。 いざ参らん


貴音「性欲の……限界っ!」

P「……はい?」

貴音「そ〜こ〜に〜ナニがあ〜る〜の〜♪」ゴソゴソ

P「貴音さんや?」

貴音「なんでしょうかあなた様」ゴソゴソ

P「なにをしているのかね?」

貴音「ふふ……とっぷしぃくれっとです……」

P「取り敢えず俺のズボンから手を離しなさい」

貴音「ふぅ……仕方ありませんね」

P「で、なにをしようとしたのかね?」

貴音「ふふ……とっぷs「言わせねーよ」 あなた様はいけずです……」

P「取り敢えずこのような行動に移った説明してもらおう」

貴音「それはとある夜の事」

P「言っとくが夜鳴きそばの話で間を持たせようとしても無駄だからな」

貴音「あなた様はいけずです……」

P「説明したらとっておきのラーメン屋を紹介してやろう」

貴音「実は小鳥嬢から聞きまして」

P「ラーメンってすごい」

貴音「男性の下腹部には“ナニ”という摩訶不思議なキノコが生えていると聞きまして」

P「何教えてんだあのヒヨコは」

貴音「その“ナニ”はキノコでありながらイカや栗の花の香りを発すると」

P「やだ、生々しい」

貴音「時には柔らかく、時には硬くなり、その硬くなった時こそが食べ頃と聞き」

P「貴音さんそろそろ止めてください」

貴音「さらに、意中の相手のキノコこそ至高の一品と聞きまして」

P「今さらっと告白された気がする」

貴音「では……頂きます」ゴソゴソ

P「アカン」ビシッ

貴音「痛いです……」

P「あのな、“ナニ”ってのはキノコじゃないんだ」

貴音「なんと」

P「お前、性教育ってのは習わなかったか?」

貴音「せいきょういく……横文字とは真m「横文字じゃないよ?」

P「兎に角だな……その“ナニ”ってのは食べ物じゃないんだ」

貴音「小鳥嬢の持っている薄い本では食べていましたが?」

P「あのアホウドリなんてもん見せやがる」

貴音「しかし男性が男性の“ナニ”を頬張っておりました。 普通は女性が頬張るのではないのですか?」

P「その言い方は知ってる物言いだね貴音ちゃん」

貴音「いえ、これも小鳥嬢の説明を受けての事」

P「俺はもう怒る気力もないよ」

貴音「あなた様の“ナニ”……頬張らせて頂けないでしょうか……?」

P「その上目遣い止めて、マイサンが元気になっちゃう」

貴音「まいさん……その女性とはどの様な関係なのですかあなた様! 」ドンッ!

P「うん、ちょっと説明するから手に持ったハンマー置いて、ってかどこから出したのそれ」

貴音「ふふ……とっぷしぃくれっとです……」

P「いきなりそのキャラはおかしいかなーって」

貴音「で、その女性とはどの様なご関係で?」

P「マイサンってのは直訳すると自分の息子って英語だ」

貴音「ご子息……! なんと……あなた様は既に結婚されていたのですね……」ポロポロ

P「結婚はしてないぞ貴音」

貴音「では何故ご子息が居られるのでしょうか? 何かしらの理由で奥様との関係が崩れ、その流れで破局。 それでご子息の親権をあなた様が受け、狭いあぱぁとで二人暮らし、しかし仕事に追われるあなた様ではご子息の面倒を見きれず、自然と離れる親子の関係。 そのままご子息は母親の元へ預けられ、仕事によってご子息を面倒見きれなかった自分を戒めるかの如く仕事に尽くすあなた様。 事務所で無理やり笑顔を作り、その裏では部屋で泣く毎日。 そんな悲しみの渦中に飛び込んだ四条貴音! さぁ、あなた様…私の胸で泣いてくださいまし!」

P「そんな長い妄想を噛まないでよく言えたね、レッスンの成果だね、だけどちょっと落ち着いて服を脱ぐの止めてもらえると嬉しいかな」

貴音「据え膳食わぬは男の恥と申しまして……ね?」

P「ね? じゃないよ貴音ちゃん、まず俺には息子も居ないし奥さんも居ない。 そしてマイサンってのは比喩で、実際は貴音が言う“ナニ”を表した言葉だ」

貴音「『ナニ』が硬くなり食べ頃になったのですね! 是非頬張らせてくださいまし!」

P「ちくしょう! これじゃいたちごっこだ!」

貴音「御託はよいので早くチン○出してください」

P「今はっきりチ○コって言ったね! ついに本性表したね!」

貴音「私のアワビはもう準備万端でございます」

P「貴音の口からそんな卑猥な言葉聞きたくなかったな〜」

貴音「バレてしまっては仕方がありません……あの……私を……その……だ、抱いてくださいまし……あなた様……///」

P「今更恥ずかしがったって遅いと思うな僕」

貴音「ではどうしたら……もう万策尽きてしまいました……」

P「物事には順序ってものがあるんだよ貴音」

貴音「前戯でしょうか?」

P「さっきの無知っぷりは何処にいったのかすっごい気になるな」

貴音「とっぷs「言わせねーよ」

P「兎に角な、性行為に及ぶに至ってまず最初に契約ってそんな大事じゃないが……付き合うってのが必要だと思うんだ」

貴音「……相思相愛というものでしょうか?」

P「うん、やっとまともなレスポンスが返ってきた気がするよ」

貴音「れすぽんす……?」

P「あー気にするな、んでその相思相愛になってからデートしたり、そのデートの時に手を繋いだり、キスしたりしてから性行為だと思うんだよ」

貴音「でぇと? きす?」

P「あちゃー、そこまでかー」

貴音「その面妖な横文字……私気になります!」

P「そのキャラは違うと思うよ」

貴音「で……その興味をそそる横文字の意味を教えてくださいまし」

P「デートってのは相思相愛になった男女がお出かけする事を言う……と思う。 そしてキスってのは、接吻だ」

貴音「……あなた様は私とそうなりたいと考えた事はありますか?」

P「……俺はプロデューサーだ……そして貴音はアイドル。 これが意味することは分かるだろ?」

貴音「分かりたくありません」

P「でもな貴音」

貴音「分かりたくなどありません!」

P「貴音……」

貴音「あなた様は小鳥嬢やあずさのような、お酒が飲めるような相手でなければそういった関係にはなれないのですか?」

P「それは今関係ないだろ」

貴音「私の中ではあるのです! お酒が飲めぬというだけであなた様との距離を感じてしまうのです……」

P「……そんなことあるはずないだろ」

貴音「本当ですか? なら私にもあなた様の傍にいられる資格があると思っていいんですね?」

P「貴音……」

貴音「……私の想いはあなた様に届かないのでしょうか……」

P「……俺は結構周りから古い考えって言われることがあるんだ」

貴音「……?」

P「結婚するまで純潔を保つとか……プロポーズは男からするもとか……」

貴音「あなた様……?」

P「……あー……結局俺も仕事人間になれなかったかぁ……」

貴音「あ、あの……どういう意味で……?」

P「……俺だってずっと我慢してたんだよ……プロデューサーだからーとか。 相手がアイドルだし、未成年だしって……」

貴音「それは……」

P「けど貴音がそんな積極的なアプローチ仕掛けてきたら……俺だって我慢できなくなっちゃうって……」

貴音「あなた様……」

P「けど……けじめは大事だと思う……貴音がトップアイドルになってから改めて想いを伝えるから……その……な?」

貴音「あ、あなた様……それは良い返事と期待しててよろしいのでしょうか?」

P「……まぁ……そうだな……」

貴音「ふふ……心待ちにしておりますよ♪」

P「あぁ……だから今後こんnうぷっ!」

貴音「ん……ぷはっ……ふふ……これで最初の壁である接吻……“きす”は済ませましたね」

P「はぁ……まいったな……」

貴音「いけずなあなた様が与えてくれる最後の壁……私はずっと待っていますから……ふふっ……♪」

P「あぁ、必ず……その先も見せてやるからな」ナデナデ

貴音「先……あぁ……ふふっ……はい、あなた様♪」







おわりおわり

くぅ疲れてない

おしりちん可愛いね

過去に

P「己の限界」

千早「己の限界」

あずさ「己の限界」

とかなんか色々書いてたんですよはい

読んでくれてありがと

じゃあの

おうふ 変換ミスでござる さーせん

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