奴隷「奴隷です」男「気持ち悪」 (34)
奴隷「っ...」
男「またこんなの買ってきたのかよ、お袋」
男「あれ?お袋は?」
奴隷「...母様なら...また市場にでかけました」
男「いや、お前に話しかけてねぇし、話しかけんなよ、幸薄そうなのがうつるわ」
奴隷「...」
妹「...ちょっと...お兄ちゃん...!」
妹「...ごめんね...うちのお兄ちゃんクズなの」
男「クズじゃないわ!」
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男「大体お前奴隷に話しかけんなよ」
妹「同じ家に来たならもう家族も同じでしょ!」
奴隷「...」
奴隷「...ごめんなさい」
妹「あああっ!泣かないで奴隷ちゃん!」
男「きっも、泣いてことが丸く収まるなら世話無いな」
男「一生泣いとけ、ボケカスゴミ」
奴隷「...うわぁぁぁぁん...!!」
妹「このクズ兄貴!どっか行け!」
男「はいよー」
奴隷「...くすん」
妹「ごめんね、お兄ちゃん妹の私でも引くほど口が悪いの」
奴隷「...いえ...」
妹「...それにしても、どうして奴隷ちゃんを買ってきたのかな...お母さん」
奴隷「...分かりません」
奴隷「...私は、満足に家事もできません...右足が動きませんから...」
妹「...そっか」
妹「気にすることないよ!奴隷ちゃんは、奴隷ちゃんに出来ることをやればいいんだから!」
奴隷「...ありがとう、ございます」
妹「パパパッとご飯作っちゃうね」ボォッ
奴隷「...あ」
妹「...んー?あ、これ?珍しい?炎系の魔法」
奴隷「...す、凄い...です」
奴隷「...純粋な炎系魔法なんて...稀だし...扱いも難しいって...聞くのに...」
妹「ふふふ、そんなこと無いよ」
妹「ただ、私は生まれついてこれが使えただけ、特別な事なんて何一つ無いんだから」
奴隷「...」
奴隷(...良いな...)
妹「にしてもお兄ちゃん...どこまで行ったんだろうね」
妹「...あ、そこの車椅子使っていいからちょっとお兄ちゃん呼んできてよ」
奴隷「そ、そんな...!必要ありません...!」
妹「必要無くないよー、ほら、早く早く」
奴隷「...は、はい...」
奴隷「...じゃ、行ってきます...」キィ
妹「うん、よろしくー」
男「どうだっ!?20!」
友「残念、21で俺の勝ち!」
男「はぁぁぁーっ!?また俺の負けかよ!」
友「お前そろそろつけ払え」
男「待て待て!いずれお前からの勝ち分で払うから!」
友「...絶対有り得ないわ」
友「...ん?」
男「お?」
友「...誰か、来たっぽい」
男「そりゃ来るだろ...って、お前の家に誰か来るわけないか」
男「見た目完全に化物だもんな、お前」
友「うるせぇ」
友「はいはい」ガチャッ
奴隷「...わっ...!」
奴隷(...凄い...鱗...)
奴隷(...変化の魔法...って事なのかな)
友「あー、ごめんごめん、ビックリさせたね」
友「ビビった?俺の姿」
奴隷「...いっ、いえ...!ただ...私がノックする前に開けられたものですから...」
友「...あー、耳いいのよ、俺」
奴隷「...その...声が聞こえてきたので...」
友「ん?あぁ、こいつ?」
男「...ん?」
男「...なんだ、お前かよ」
奴隷「...うぅ...」
男「妹が連れてこいって言ったのか?」
奴隷「...そ、そうです...」
男「...ったく、夕飯早いんだよ、あいつ」
奴隷「...」
男「...お前さぁ」
奴隷「...は、はいっ!」
男「何言ってるか分かんないんだよ、もっと腹から声だせよ」
奴隷「...えっ...と...?」
男「腹から!!!声出せよ!!!!」
奴隷「ひ、ひぃっ!!」
友「うるせぇ、近所迷惑だ」
男「お前ご近所さん居ないじゃん」
友「ぐぬぬ...」
男「んー、どーするか、友、お前も食いに来る?」
友「いや、今日は止めとくわ」
男「さも今日は都合が悪いみたいな言い方辞めろよ、お前来たことねぇじゃん」
友「まーな」
友「お前と奴隷ちゃんと妹ちゃんで楽しく飯食ってろ」
男「勘弁してくれよ、こんな辛気臭い面したやつと飯食いたくねぇよ、ただでさえ妹飯まずいのに」
奴隷「...」ポロポロ
友「...うわっ...泣かすのは引くわ」
男「知らん」
男「おら!泣いてんじゃねーよ馬鹿が!キリキリ付いてこい!!」
奴隷「...は、はいぃ...」
奴隷「...」キィ
男「...」
奴隷「...」キィ
奴隷「...あ、あの...」
男「...」
男「...何だよ」
奴隷「...わ、私...何か...気に触ることしたでしょうか...?」
奴隷「そ、その...」
男「うぜー」
男「お前の存在が気に障るわ」
奴隷「...っ」
男「お前さー、自分が蔑まれて当たり前って思ってるだろ」
男「俺嫌いなんだよねー、おまえみたいな根性無し」
男「お前なんなの?一生私は奴隷でーすって手ぇあげて生きてくつもりなの?」
奴隷「...そんな...事...」
男「妹はお前に優しくしてるつもりだけど、お前、見下されてるよ」
奴隷「...っ」
男「魔力が使えない奴は、奴隷とする」
男「それがこの国の法律だよな」
男「だったら、魔法がステータスであり生きる術である限り、お前は一生最底辺ってわけだ」
男「ざまぁないね、そりゃそうだろ」
男「お前みたいなヤツ、たとえ魔法が使えてても、変わんないよ」
男「負け犬」
奴隷「...っ...!!!!」ポロポロ
男「ほら、またそうやって泣く」
男「一生やってろ、バーカ」
妹「お兄ちゃんっ!!」
男「んー?何?」
妹「また奴隷ちゃんにひどい事言ったでしょ!」
男「言ってねーよ」
妹「さっきから泣き止まないんだから!」
男「車椅子蹴り飛ばせよ」
妹「ホント最低!!」
妹「...何で...そんなに奴隷に強く当たるの?」
男「何でだろうねー」
妹「...お姉ちゃんは、もう居ないのに」
男「...」
妹「...もう居ない人のことずっと引きずってるなら...お兄ちゃんの方がよっぽど弱虫だよ」
男「...うるせーよ」
父「ははは!今日は奴隷が来て初めての食事だ!」
母「お腹いっぱい食べていいのよ!奴隷ちゃん!」
奴隷「...え...あの...その...?」
奴隷「...わ、私、何もしてません...」
奴隷「...どう、して...」
父「何を言ってるんだ、私たちはもう家族だろう!」
母「さあさあ、沢山食べてね」
妹「ふふふ、奴隷ちゃん!」
男「...止めろよ、鬱陶しい」
男「家族ごっこすんなよ」
父「...お前は...そんな口しか聞けないのか?」
男「見たまんま言ってるだけだよ、クソ親父」
男「赤の他人を家族扱いなんて反吐が出るね」
奴隷「...」
母「あんた!言っていいことと悪いことが...!」
男「本心じゃ思ってないだろ、お袋」
男「楽しい雰囲気のところ水指すなんて悪いんだけどさ、俺、お前のこと嫌いだから」
奴隷「...っ」
男「何が奴隷だよ、今まで辛いことがあったから優しくしてーって考えが透けて見えるぞ」
奴隷「...わ、私...私は...!」
妹「いい加減にしてよっ!!!!」バン!!!
妹「奴隷ちゃんの気持ちも分からないくせに...!」
妹「何がいけないの!?今まで辛かった分、今度は優しくされたい!その思いの何がいけないの!?」
男「...」
奴隷「...いっ...良いんです...良いんで...」
妹「良くないっ!!」
奴隷「...」ビクッ!
妹「そうやって...誰でも彼でも...お姉ちゃんと重ねて...!」
妹「奴隷ちゃんは...お姉ちゃんじゃないんだよ...?」
妹「...お姉ちゃんは...もう、居ないんだよ...?」
男「...」
男「じゃあ何でお前は奴隷のことを認めてるんだよ?」
妹「...はぁ?」
男「魔法が使えないやつは、役立たずのゴミ扱いされる」
男「それを知ってて、なんでお前は平然と生きてんだよ?」
妹「...そ、れは...!」
男「俺はこの法律も、奴隷も大嫌いだね」
男「お前が...そんな顔してる奴が生きてる、それだけで、姉ちゃんの死を侮辱してるのと同じだ」
男「奴隷が奴隷ってだけで、蔑まれるこの国も、それを甘んじて、あろう事か仕方ないって思ってるお前も」
男「皆、無くなっちまえばいいと思う」
妹「...っ」
奴隷「...っ!」
奴隷「...ごめっ...なさい...!」
男「ほらね、また泣く」
男「もう飯要らねーや」
妹「ちょっと...お兄...!」
バタン
妹「...」
奴隷「...」
父「...気にしなくて、いいんだよ」
母「...えぇ、あの子、ちょっと昔嫌なことがあってね...」
奴隷「...」
奴隷(...嫌な、事...)
友「それで、うちに来たのか」
男「おう、説教かましてやったぜ」
友「お前みたいな奴を生んで親もさぞ不幸だろうな」
男「冗談言うなよ」
男「...あの親を持った、俺が不幸、そうだろ?」
友「...」
男「...」
友「何する?」
男「お、良いね、色町にでも行くか」
男「めちゃくちゃ可愛い子見つけたんだよ」
友「...行くか」
「すると、お客さん家出してきたってわけぇ?」
男「ま、そんな所かな」
「ふふふ、サービスは出来ないけど、満足させてあげるよ」
男「...」
男「...なぁ」
「ん?」
男「あんた、何でこんな仕事してるんだ?」
「...それ聞くのかい?」
男「...あ、悪いな...」
男「ただ、あんたは、こんな事...辛くないかなと思ってさ」
「そうだねぇ」
「でも、仕事って辛いもんだろう?」
男「...」
「確かにわたし達は人に馬鹿にされる」
「人から見れば、奴隷みたいなもんだろうね」
「でも、私達はこの仕事を選んだのさ、お金のために」
男「...」
「結局ねぇ、どんな状況でも自分の気持ち次第で乗り越えられるってもんだよ」
「人生って案外、上手く出来てるねぇ」
男「...」
「借金のかたで売りに出される子も少なくないけれど、私に言わせれば甘えるなって話しさ」
「世界には、どう足掻いても、解決方法がないこともある」
「...それこそ、本物の奴隷みたいにねぇ」
男「...」
「...どうする?」
男「3回」
「元気だねぇ」クスクス
友「...どうだった?」
男「サイコーだった、まさかあんな風に電撃魔法を使うなんてな」
友「はぁ!?なんだよそれ!俺のところはそんなの無かったぞ!」
男「ふふふ、やくなやくな」
友「...くっそー...羨ましいな」
男「...あれ?」
友「...ん?」
男「...そういや今日、建国記念日だっけか」
友「...お、そうだな、もうすぐ花火の時間か」
男「...ふん、もっと金使うべきところあんだろ」
このSSまとめへのコメント
つまんな
びっくりするほどおもしろくない
つまんな
厨二病かな?