長門「あぁ、どうやら町の方で妙な輩が余計なことをしているらしい」
長門「なんでも奇妙なポンチ絵を印刷した紙をばら撒いているらしい」
提督「非国民どもめ! なんと愚かな!」
提督「長門よ、その現物は今持っているのか!?」
長門「あぁ、これがそれだ」スッ
提督「なんだこれはあぁぁぁぁぁっ!?」ワナワナ
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提督「この絵とウチの艦娘の何が関係があると言うのだ!」
長門「提督、この紙の下に書いてある文を読んでくれ」
提督「むむっ!」
『駆逐艦神風、春風らは実に海老茶式部にそっくりである。
かつての海老茶式部達というのは、卒業証書を手に入れた途端、
鼻高々になり、天狗式部になったものである。
数々の勝利を手にすることで進出が増加するに従い、
彼女らの鼻も伸びてゆくことであろう。』
提督「なんだとおぉぉぉぉぉぉっ!?」ビリビリッ
長門「許せん!」
提督「あの娘らが一体何をしたというのだ!」
提督「毎日命がけで国家の為、民衆の為に戦っているのは!」
提督「誰だと思っているのだ!」
長門「なんという愚行だ・・・!」
提督「それで・・・神風と春風はどうしている?」
長門「足柄と羽黒が慰めているが・・・」
長門「無理もない、相当落ち込んでいるようだ」
提督「私の可愛い可愛い神風と春風を虐めおって・・・!」ワナワナ
提督「長門! 今すぐ町に行くぞ!」
提督「直接行って、辻斬りをしてくれるわ!」
長門「了解した」
― 町 ―
爺1「民衆よ! 此の建設を念頭しつつ先ず風刺じゃ!」
爺2「凡ての現存する醜悪な艦娘美化像をブチ壊すんじゃ!」
一同「お・・・おぉーーーーーっ!!」
爺3「さぁ読んだ読んだ! 平安の紫は尊ばれたが、これはどうじゃ!」
爺3「この駆逐艦どもは女學生にそっくりじゃ!」
爺3「かつて高等女學校令がが公布され、女學生が増加され!」
爺3「華族女學校がいくつかの見本から、海老茶袴を選んでまとめて発注したとな!」
爺3「これをきっかけに爆発的に流行したとくる!」
爺3「いやぁ、これが煩わしいのなんの!」
爺3「海老茶袴を着ているこの艦娘も、所詮は『跳ね上がり』か『はすっぱ』ということじゃな!』
一同「ぎゃははははは!!」ゲラゲラ
提督「こらあぁぁぁぁぁっ!!」ドドドド
GGY's「ひっ!?」チョロ
提督「こんな愚行をしていたのは貴様らだったのか!」
爺1「だ、誰じゃおのれらは!?」
爺2「こ、こやつ、鎮守府の提督でねぇが!?」
爺3「なんじゃなんじゃ! 今盛り上がっているんじゃ!」
提督「黙れぇっ! 田舎爺どもめ!」
爺1「なんじゃと!?」
長門「おい貴様ら、その貧相な胸の中に、よく軍属に逆らう度胸があるな」
爺2「姉ちゃんよ、そんな怖い顔をせんでm」
長門「」ギロ
爺2「」ビクッ
爺3「ワ、ワシらは何も間違ったことはしとらん!」
爺3「昔から決まっていることは当たっているのじゃ!」
提督「えぇい! 封建主義の抜けない死に損ないどもめ!」
MOB's「おいおい、なんだか大変なことになってきたぞ」ガヤガヤ
爺2「はっ! この青二才め! ならば艦娘を崇めれば良いと申すか!?」
爺2「あ~、昭和の日本の大産物たる~神風型式部を後世に記念するため~」
爺2「葡萄茶大仏を建立して~・・・と、こんな感じかのぉ?」
一同「だーっはっはっはっは!!」ゲラゲラ
提督「この下郎! 控えろ!」
爺2「ワシは立派な百姓の出じゃ! 馬鹿者!」
提督「一体神風型の駆逐艦に何の罪があると言うのだ!」
爺3「いつ土壇場で牙を剥くかもわからぬ奴に信頼などおけぬ!」
爺1「そうじゃそうじゃ! 絶対にそうなるに決まっておる!」
長門「なんて頭の固い奴らなのだ・・・!」
爺1「そうこうしている暇があるのなら、帰って蝦茶どもの袱紗の中でも確認したらどうじゃ!」
提督「なに!?」
爺1「どうせ恋文とプロマイドだらけなのじゃろう? ひっひひ!」
一同「おいおい本当かよ・・・」
提督「根も葉もない嘘をつくのは止めないか! ラッキョウ頭め!」
爺1「お前さんも年を取れば辛さがわかる!」
爺2「まったく! 大の艦娘が自分の上司を寄越して何とかしようとは・・・!」
爺2「・・・ははぁ、お前さん、お荷物係みたいなものじゃな?」
爺2「大の男が情けないのwwwwww」
提督「何だと!?」
爺2「まぁまぁ、自由奔放そうな艦娘とて、美貌じゃからのぉ」
爺2「お前さんもついつい金十郎になっておるんじゃて」
長門「提督までをも侮辱するのか! ただでは済まさんぞ!」
爺2「ひひひ! 提督さんよ、こういうのはのぅ? 破綻と汚染というものがあるんじゃよ」
爺2「当世神風型の裏面を有形的に図したならば斯様なものであって」
爺2「世の父兄たる人の眼には此破綻や汚染が見えないのであろうとなwwwwww」
一同「き、汚ねぇなぁおい・・・!」ガヤガヤ
提督「黙れ! 薄汚いのは貴様らの方だ!」
提督「ウチの艦娘は毎日服を洗っているぞ!」
爺2「ぐぬぬ・・・!」
爺3「えぇい! ワシらは袴だけが気に食わんだけでない!」
爺3「あのリボンもリボンじゃ!」
長門「何が問題だと言うんだ!」
爺3「美しくありたいという女心を良い理由に、あのような堕落た物をつけるのは実に卑しい!」
長門「(・・・催してきたな)」
提督「何を言っているんだ!?」
長門「(仕方がない、立ったままするか・・・)」スッ
爺3「リボンとか称するものは、元来髪の上部に挿すべきものじゃ!」
爺3「然るに襟飾を逆にしたるが如き斯かる有様は、何たる醜悪の態であろうか!」
提督「そんな無茶苦茶なこきおろしがあるか! ハイカラというものを知らんのか!」
長門「(・・・ふむ、思ったよりも後方に飛んだな)」
長門「(提督の脚に大分かかってしまったが、黙っておこう)」
爺1「さらにさらに! リボンは年々育つと言うではないか!」
提督「何のことだ!」
爺1「長足の進歩を辿って傘のように大きくなり~」
爺1「益々大発展!」
爺1「リボンで蝶のように空を飛べるのでは!」
爺「こwwwwりゃwwww如何wwwwww」カタカタ
一同「あっはははははは!!」ゲラゲラ
提督「お・・・おのれぇ・・・! おのれぇ・・・!」プルプル
長門「いい加減にしないか!!!!」クワッ
提督「ひっ!?」ビクッ
GGY's「ひっ!?」ビクッ
犬走椛「ひっ!?」チョロ
長門「お前達は・・・! お前達は何もわかっていない!」
長門「お前達は人間も艦娘のことも、何もわかっていないのだ!」
長門「狂った獣どもめ!」
爺1「なんじゃと!?」
爺2「姉ちゃん少しばかり酷いんじゃねぇが!?」
爺3「だから艦娘は信用ならんのじゃ!」
爺3「艦娘は皆良くないに決まっておる! そうに違いないのじゃ!」
長門「黙れと言っている!!」
長門「良いか? お前達が馬鹿にしている駆逐艦はな・・・!」
長門「駆逐艦とはだな・・・!!」
長門「良い(おまん)子で可愛いければ、それで良いのだ」ニッコリ
提督「・・・・・・」
GGY's「・・・・・・」
一同「 ナ ァ ル ホ ド ! ! 」
愚連隊とも取れる老害達を、たったの一言で納得させた戦艦長門
彼女は忽ち英雄となり、艦娘(駆逐艦)を自由の道へと解放する第一人者となった
― 終わり ―
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