日経記者「安倍さん、それではインタビューを開始させていただきます」
菜々「はーい!ナナ、日経新聞読者のみなさんにも笑顔をお届けしちゃいます♪」
日経新聞「どうぞよろしくお願いいたします」
菜々「あ、はい、よろしくお願いいたします」
日経新聞「まずは自己紹介をお願いしてもよろしいですか?」
菜々「はーい!安部菜々でーす!ウサミン星からやって来た17歳でーす♪ウサミンパワーでキュンキュンきらめいちゃいますよぉ♪キャハ☆」
日経記者「なるほど」
菜々「あ、はい」
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日経記者「ご出身はウサミン星とのことですが」
菜々「はい」
日経記者「どのような文字を書くのでしょうか?」
菜々「あ、そうですね、えっと…カタカナでお願いします」
日経記者「カタカナで」
菜々「はい、カタカナでウサミン星」
日経記者「なるほど」
菜々「すみません」
日経記者「ウサミン星とはどの辺りにあるのでしょう?」
菜々「そう…ですね、遠くに」
日経記者「どれくらい遠いですか?」
菜々「あ、えっと…すごく遠くに。すごく」
日経記者「分かりました」
菜々「すみませんお願いします」
日経記者「17歳とのことですが、現在高校生でいらっしゃいますか?」
菜々「高校…生…ですかね、ええ、それに近いものです、ええ」
日経記者「なるほど。ウサミン星の高校に通っていらっしゃるのですか?」
菜々「そういうわけでは…ないんですけど…えっと…電車で1時間?」
日経記者「都内からですか?」
菜々「そう…ですね、そうなります」
日経記者「分かりました」
菜々「お願いします」
日経記者「高校ではどんな学生生活を?」
菜々「割りと普通な感じの…あっ!ナナ、ウサミン星から来たってバレないように、毎日大変なんですー♪」
日経記者「なるほど」
菜々「はい。はい」
日経記者「高校のお友達もいらっしゃると思うのですが」
菜々「あ、はい、えっと…毎日プリクラでーす☆」
日経記者「毎日プリクラ」
菜々「あ、毎日…えっと…週2回…あー…うーん…そうですね……」
菜々「毎日で」
日経記者「毎日ですね」
菜々「はい。そうです。毎日」
日経記者「なるほど」
菜々「すみません」
日経記者「ご趣味は『ウサミン星との交信』とありますが」
菜々「そ、そうです!そうなんです!校舎の屋上で定期的にウサミン星と交信してるんです!キャハ☆」
日経記者「交信には端末などを用いるのでしょうか?」
菜々「あ、いえ、そういうのではなくてですね、あの……」
菜々「ね?」
日経記者「精神的な?」
菜々「そう!それです!メンタルな!スピリチュアルな!!!ブイッ♪」
日経記者「そうですか」
菜々「はい」
日経記者「交信についてもう少し伺ってもよろしいでしょうか?」
菜々「あ、えっと…重要な機密に触れない程度ならば」
日経記者「分かりました」
菜々「よろしくお願いします」
日経記者「交信にはウサミン星の言語を用いるのでしょうか?」
菜々「そう…ですね。そうですそうです!」
日経記者「なるほど。ウサミン星の言葉で読者の方々にご挨拶して頂くことは可能でしょうか?」
菜々「あっ…そう…ですか…えっと…そう…ですね、少しなら」
日経記者「よろしくお願い致します」
菜々「ゴホン…ウ、ウサウサー!ウッサミーン!キュキューン!キュン?ウサミーン!!!」
日経記者「ありがとうございます」
菜々「どういたしまして」
日経記者「ウサミン星から地球にいらしたということですが」
菜々「はい。やって来ました」
日経記者「生活様式の違いなどで驚かれたことはありますか?」
菜々「あ、そうですね…それは…数々」
日経記者「例えば?」
菜々「例えば…うーん…そうですね…いろいろと…えっと……」
菜々「ウサギが喋らない?」
日経記者「ウサミン星の兎は喋るのですか。それはやはりウサミン星語を?」
菜々「割りと喋りますね、ええ。割りとね。ウサミン星語をね、こう…割りと」
日経記者「なるほど」
菜々「すみません」
日経記者「兎がお好きなんですか?」
菜々「好き…ですね。やっぱり可愛いですよね、こう、ピョコンって」
日経記者「犬や猫はいかがでしょう?」
菜々「好きですよ、ええ。好きです好きです。でもやっぱりウサギ…ですね。わかりますよね?」
菜々「ね?」
日経記者「はい」
菜々「ありがとうございます」
日経記者「ウサギを飼ったりはしないのですか?」
菜々「あー…そうですね…うーん…じっさいに飼うとなるとですね、こう…いろいろと…わかりますよね?」
菜々「ね?」
日経記者「そうですね」
菜々「ね」
日経記者「そろそろインタビューの終了時間も迫って来ましたが」
菜々「あ、そうなんですね、はい」
日経記者「安部さんにとってアイドルとは?」
菜々「アイドルとは…うーん…難しいですね…アイドル……」
日経記者「難しい質問かもしれませんね」
菜々「そうですね…うーん……」
菜々「……」
菜々「人生を懸けるに値するもの?」
日経記者「ほう」
菜々「あ、いまのは可愛くないですね…えっと…なんだろ……」
日経記者「ゆっくり考えて頂いて結構ですよ」
菜々「ありがとうございます。うーん…アイドルとは……」
菜々「アイドル…ナナは…私は……」
日経記者「私事で恐縮ですが」
菜々「……あ、はい、なんでしょう?自分の世界に入ってした」
日経記者「いまの表情が一番素敵だと思いました」
菜々「え、あの……」
日経記者「忘れて下さい」
菜々「……」
菜々「ナナは」
菜々「ナナは、ずっとアイドルになりたかったんです」
菜々「テレビの向こうでキラキラしてる人たちをずっと観てて」
菜々「でもなんにも持ってない私が…ナナがいて」
菜々「それでも…ナナもあんなふうになれたらって、テレビの向こうに行きたいって、そう思うようになって……」
菜々「いつの間にかその想いは止まらなくなって…諦めきれなくて……」
ウサミン「私は…歌も上手くなくて…ダンスもダメで…私よりも可愛い人はいっぱいいて……」
ウサミン「なのにやっぱり諦めきれなくて…やっぱり…憧れて……」
ウサミン「だけど…いつの間にか応援してくれるファンの人たちがいて…嬉しくて……」
ウサミン「私…私、こんななのに…こんな私なのに……」
ウサミン「初めてのライブに来てくれた23人の人の顔、ちゃんと覚えてます!一生忘れないです!」
ウサミン「だから…えっと…だから……」
ウサミン「だから……」
ウサミン「…ダメだなぁ、私…ちゃんと伝えられない……」
ウサミン「すぐに…胸がいっぱいで…すみません…ごめんなさい……」
日経記者「大丈夫ですよ」
ウサミン「…私は…ナナは……」
日経記者「ウサミンパワーで?」
ウサミン「…ウサミンパワーでキュンキュンきらめいちゃいます♪キャハ☆」
日経記者「たくさん届くといいですね」
ウサミン「…はい!だって私は……」
ウサミン「ラブリー17歳ですから♪ブイッ☆」
………
……
…
まこのインタビューが掲載された日本経済新聞は、予想外の売上げを記録した
それが彼女の力なのか、それとも某自動車会社のリコールのせいなのかは分からない
それでもひとつだけ、言い切れることがある
ウサミンは今日も、どこかのステージに立っているだろう
「キャハ☆ラブリー17歳♪」
永遠に鳴り響く、ウサミン星人からのメッセージを携えて
お し ま い
終わりです
さようなら
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