安部菜々「狙われた家(うち)」 (39)
※アイマスシンデレラガールズとウルトラセブンのクロスです。
※舞台背景とかはわやくちゃ。
※お察しの事と思いますが、まあ気楽に見てやってください。
↓前作
城ヶ崎莉嘉「カブトムシいないなー…」ゼットン「ピポポポ…」
城ヶ崎莉嘉「カブトムシいないなー…」ゼットン「ピポポポ…」 - SSまとめ速報
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カツン…カツン…
菜々「よいしょ…よいしょ……はぁ…年々階段がキツくなって来ているような…」
菜々「いやいやいや!ナナは永遠の17歳!ナナは永遠の17歳!お家に帰るまでがアイドル!お家に帰るまでは永遠の17歳ですよ!」
菜々「こんな階段なんて…えーいっ!」ダンダンダン!
菜々「はぁ…はぁ…ウサミン星へとうちゃ~くっ…っと」
ガチャガチャ
ガチャリ
菜々「ただいまですよ~…誰もいないけど」
メトロン星人「おかえり、ウサミン星人。私は君が来るのを待っていたのだ」
菜々「………」
バタンッ
菜々「いやいやいや、見間違い、見間違いですよね。壁にかかってる洗濯物だとかそういったものがあんな風に見える事だってありますよね。うん、そうです!」
菜々「ただいま~」ガチャ
メトロン星人「おかえり、ウサミン星人。私は君が」
バタンッ
菜々「………疲れてる…そうっ!疲れてるんです!確かに最近、セブンのBD-BOXを買って光ちゃんに貸したい衝動を抑えていますけど、まさかお部屋にメトロン星人なんて…」
ガチャ
メトロン星人「おかえり、ウサミン星人。私は君が来るのを待っていたのだ」
菜々「ぎょえええええええええええええええええええええ!!!!!????」
メトロン星人「夜中にそんなに騒いでは近所迷惑だろう、早く入りたまえ」
菜々「なっ!何なんですかアナタ!?警察を呼びますよ!」
メトロン星人「はっはっは、そんなつれない事を言わないでくれ。それにホラ、君の夕食も用意してある」
菜々「え…?あ、ホントだ…」
メトロン星人「不躾かと思ったが、台所をお借りしたよ。なんなら川島瑞樹も呼んだらどうだ」
菜々「へぇ~そんな手でもお料理できるんですね~…じゃなくて!!不躾とかそういうレベルじゃないです!どこから入ったんですか!!」
メトロン星人「この星の衛星軌道上にある我々の宇宙船と、そこの押入れを繋げさせてもらったのさ」
菜々「え!?うわっ!まぶしっ!?」
メトロン星人「私は君のファンなんだ。もっとも、君らの業界では私のようなファンの事を『厄介』と呼ぶのだったかな」
菜々「ファ…ファン…?」
メトロン星人「そうとも。私は君のような『無理する年増アイドル』が大好きなのさ」
菜々「とっ…年増じゃないです!ナナは永遠の17歳ですよ!」
メトロン星人「はっはっは、そうだったね。まぁ何にしても座りたまえ、夕食が冷めてしまう」
菜々「………これ、赤い宇宙ケシの実とか入ってませんよね…?」
メトロン星人「ずいぶん古い事を知っているね」
菜々「当然ですよ~これでも特撮ファン歴にじゅ…う日目ナンデスカラー…」
メトロン星人「はっはっは、ではそういう事にしておこうか」
…………………
菜々「ふいー…ごちそうさまでした」
メトロン星人「うむ。いや、ここはお粗末さまでした、と言うのだったな」
菜々「あははは、メトロン星人さん地球の調査はバッチリですね」
メトロン星人「地球に馴染みきっている君もさすがだよ、ウサミン星人」
菜々「それほどでも~…でも、お家に着いたらウサミン星人はお休みです~」バタリ
メトロン星人「やれやれ、君もいい歳なんだ、食べた後すぐ横になったらウシミン星人なるぞ」
菜々「あ~それはいけませんねぇ…うちの事務所には既に爆乳性人がいるのに…キャラ被りはダメです~」
メトロン星人「仕方ない。私は洗い物をしてくるから、せいぜいウサミン星人でいられるように祈っているといい」
菜々「はぁ~い…」
………
菜々「…」ヒョコッ
菜々「(洗い物に集中してますね…今のうちに通報を…)」
菜々「(えっ…圏外…!?)」
メトロン星人「ウサミン星人」
菜々「ひゃいっ!!!??」
メトロン星人「念のため通信妨害をかけているが、通報したりはしていないだろうね?」
菜々「そっ…そんな訳ないじゃないですかー!ウサミン星人は一宿一飯の恩義に報いる義理堅ーい宇宙人なんですから!」
メトロン星人「そうか」
菜々「あははー…はは…」
………
菜々「あの…メトロンさんはどうして私のファンに…?」
メトロン星人「ん?簡単な話さ、私が幻覚宇宙人だからだよ」
菜々「はい?」
メトロン星人「君のファンになってから色々調べさせてもらったよ。生まれはこの国の千葉というところだ。正しい生年月日は…」
菜々「わー!わー!」
メトロン星人「何を慌てている。ここで君の生年月日を言ったところで問題はないだろう」
菜々「自分の年齢を意識すると老いが近づきます!ナナは17歳!ナナは17歳です!!」
メトロン星人「ならばいいだろう。ともかく君はファンに嘘をついている」
菜々「う゛っ…」
メトロン星人「なに、私は君を糾弾しようというのではない。むしろそこが好きなのだ」
菜々「はぁ…」
メトロン星人「我々は宇宙ケシのような物を使って幻覚を見せるが、ウサミン星人、君はその嘘を使ってファンに『夢』という幻覚を見せている。そこに私はシンパシーを感じているのさ」
菜々「そんな…詐欺みたいな…」
メトロン星人「アイドルとは詐欺師だよ。ただし被害者はいない。我々ファンはその詐欺に喜んで飛びつき、その幻覚を求め、幻覚の中で生きるのだから被害者なぞ存在しないのさ」
菜々「…」
メトロン星人「君が一番それを知っているはずだ。幼い頃からアイドルや声優に憧れ、裏も表も知った君ならね」
菜々「…」
メトロン星人「我々は幻覚によって地球を支配しようとしたが失敗した。しかし君はその幻覚で人々の心を掴んでいる。ふふふ、正直妬ましいよ」
菜々「……………」
メトロン星人「すまない、気分を害してしまったかな」
菜々「いえ、そんな…事は…」
メトロン星人「御託はともかく君のファンだという事に嘘は無い。その証拠をお見せしよう」スッ
菜々「………えっ…?」
メトロン星人「オホンッ……そのとき空から…不思議な光が降りて来たのです…それは…ナナでーっす☆」
菜々「えぇ…」
メトロン星人「ああーっ!ちょっと引かないでください!ん゛ん゛っ!ウサミンパワーでメルヘンチェーンジ!夢と希望を両耳にひっさげ!ナナ、がんばっちゃーます☆ぶいっ」
菜々「ぷふっ」
メトロン星人「ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミーン!ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミーン!」
菜々「あはははははっ!シュール!シュールですよ!」
メトロン星人「ウサウサウーサー、ウーサミーン!」
菜々「あははははは!中江真司さんボイスでウサミンって、ウーサミーンって!」
メトロン星人「電波でオッケー、受信でオッケー、ウサミンウサミングルコサミン」
菜々「はははっ、もーっそこは違いますよっ。そこはこうっ、こうです!」
メトロン星人「むっ、こうかね?」
菜々「ぷっ、あはははっ!ダメっ、絵がシュール過ぎて…もう…あはははっ!!」
メトロン星人「はっはっはっは」
菜々「あはははははは!」
ドンッ!!
菜々「きゃあっ!?」
メトロン星人「?」
隣人『うるせえぞ!!何時だと思ってんだ!!』
菜々「あ…あはは…怒られちゃいましたね…正調壁ドンされちゃいました…」
メトロン星人「壁ドン?ああ、それなら知っている。こうするのだろう」
ドゴオッ!
菜々「きゃっ!」
メトロン星人「結婚したのか…俺以外の奴と…」
菜々「……………くすっ、それ多分違います」
メトロン星人「そうなのかね?」
菜々「くすくす…でも、壁ドンなんて初めてされました…宇宙人に」
メトロン星人「私もさ」
菜々「メトロンさん…」
メトロン星人「ナナ…」
菜々「壁、直してくださいね」
メトロン星人「むっ、この星の建物は脆いな」
………
菜々「…」スヤスヤ
メトロン星人「…」
菜々「…」スヤスヤ
カツン…カツン…
メトロン星人「……………来てしまったか」
菜々「むにゃ!?」
モロボシ「貴様やはりっ…メトロン星人!」
メトロン星人「やれやれ、君はこの星の常識がなっちゃいないな。こんな早朝に、しかもドアを蹴破るなんて」
モロボシ「君たちの計画は全て暴露された。おとなしく降伏しろ!」
菜々「計画…?」
モロボシ「貴女は…!?……この宇宙人はユーザーがモバコインを買うたびにサブリミナルメッセージを流し、次の総選挙で貴女に投票するように洗脳していたのです!」
菜々「そんな…!?」
メトロン星人「ふふ、すまないウサミン星人。如何にファンとはいえ、越えてはいけない一線あることを忘れていたよ…これも君の…いや、君のせいでは無いな。ではウルトラセブン、表に出たまえ」
モロボシ「なにっ!?」
メトロン星人「君はこの部屋で私と戦って八つ裂きにする気かね?そんな事をしたら彼女にもご近所さまにも迷惑だろう」
モロボシ「いや、それは…そうだが…」
メトロン星人「だったら表で待っていろ、なに、先に変身していろなど言うつもりはない」
モロボシ「………いいだろう」
メトロン星人「ウルトラセブン」
モロボシ「何だ」
メトロン星人「ドアは直していけ」
モロボシ「…………そうだな」
………
メトロン星人「さて、ウサミン星人…その」
菜々「……………バカ…」
メトロン星人「…」
菜々「メトロンさんのバカッ!!そんなズルしてシンデレラガールになったって…私…私…ッ!」
メトロン星人「………私はダメな侵略者だな…君がそう言う事を予測できたはずなのだが……とにかく、すまない」
菜々「………私っ…許しません!」
メトロン星人「そうか………厄介なファンはスタッフに排除されねばならない。私にも排除の時が来たようだな」
菜々「…どこへ行くんですか?」
メトロン星人「言っただろう、排除の時だと」
菜々「!………だっだめです!メトロンさん達毎回真っ二つじゃないですか!ナナも一緒に謝ります!だからっ…」
メトロン星人「いまさら言うことでは無いが、アイドルに頭を下げさせてはファンの名折れ…自分のケジメは自分で付けてくる」
菜々「でもっ…!」
メトロン星人「だから、君には宇宙へ退避してもらう…………邪魔だからな」シュパッ
菜々「押入れが!?…メトロンさん!」
メトロン星人「君は我々の宇宙船に退避してもらうよ」ピュイー
菜々「え?なっ…何ですかこの昭和特撮にありがちなショボイSEの光線は!?」
メトロン星人「大丈夫、このアパートにもバリアはかけておく、君の帰る場所を壊したりしない」
菜々「そんなのはいいです!いいですから!」
メトロン星人「君は強い女性だ。奴らが3分程度しか活動できないのに、君は1時間だからな。だからこれからも頑張って欲しい」
菜々「メトロンさん!メトロンさん!」ズズズ…
メトロン星人「ウサミン星人……いいや、菜々。見ていてくれ、私のメルヘンチェンジ!」
メトロン星人「メトロンパワーでメルヘンチェーンジ☆」
菜々「メトロンさん!メ…」ピシャッ
…………
デュルルルルゥゥン!
メトロン星人「今度は朝焼けか…待たせてすまないな、ウルトラセブン」
セブン「…」
メトロン星人「セブン…セブンか………君にもう恨みはないが…今は少々妬ましい」
セブン「いやに潔いじゃないか、メトロン星人。君が死んだところで何の償いにもならないのだぞ」
メトロン星人「ケジメだよウルトラセブン。それに…私にも勝算があるのさ」
セブン「なにっ?」
メトロン星人「ハッハハハハ、では行くぞウルトラセブン…いいや、諸星P!!!」
セブン「ジュワッ!!!???」
メトロン星人「ハハハハハ、アイドルに自分を重ねてしまう事は別におかしくないぞ。ウルトラセブン」
セブン「ジュワッ!!!!!」ピィィー!!
メトロン星人「ハッハッハ、今のがきらりんビームか!なかなか怖いじゃないか」
セブン「……」ギリギリ…
メトロン星人「今度はこっちから行くぞ…ハートウェーブ、ピリピリーンッ!」
~衛星軌道上・メトロン星人の母艦~
菜々「キツい……そんなのキツいよ、メトロンさん…」
菜々「……………ううん!こうしちゃいられない…!どうにかこの宇宙船を…」
菜々「ああーもう!何書いてるか分からないー!ええーっとぉ……ええい、ままよ!」ポチポチポチッ
菜々「へっ、へへーん……さっすがナナ!昭和特撮特有のご都合展開パワーも操るなんて!さっすがウサミン星人!」
ピッピッ…ギュウウウウウン!!
菜々「あああああああああああああああ!?堕ちるううううううううううう!!!!」
……ゥゥゥゥウウン…
菜々「ハァ…ハァ……止まった…?」
菜々「はっ…メトロンさん!メトロンさん!!」ガバッ
セブン「ジュワアッ!」ヒュンッ
スパァンッ!!
菜々「メトロンさんッ…!?」
メトロン星人「ふふっ、きらりんアタックか…見事だ…ウルトラセ」
セブン「ジュワアッ!」スパァンッ!!
メトロン星人「おい何で2回切った…おい、おま」
チュドオオオオオオオオオンッッ!!!
菜々「メトロンさああああああああああああああああん!!!」
???「メトロン星人の総選挙侵略計画はこうして終わったのです。
ウェブマネーの信頼感を利用するとは恐るべき宇宙人です。
でもご安心下さい、このお話は遠い遠い未来の物語なのです…。
え?何故ですって?
我々人類は今、宇宙人に狙われるほど、課金してはいませんから…」
……………
~数日後・ウサミン星~
早苗「よしっ!それじゃあ本日7度目の~かんぱーい☆」
瑞樹「かんぱーい☆」
菜々「…」
メトロン星人「かんぱーい☆」
菜々「…」
早苗「しっかしアンタ気持ち悪いわねー、魚の出来損ないみたいな顔しちゃって」
メトロン星人「はっはっは、早苗さんは冗談がキツイね」
瑞樹「そうねえ、うちの七海ちゃんなら気に入ってくれるかも知れないわね。でも、私達のファンなんていい目してるわ~」
メトロン星人「お二人の若くてフレッシュな魅力を見破れなければ宇宙では生きていけませんよ」
瑞樹「んもうっ、宇宙人の癖にお世辞が上手ね☆」
早苗「良い子にはどんどんサービスしちゃうわよ~☆…あらっ?ナナちゃん、ビールおかわりー!」
菜々「………あの」
瑞樹「あら?どうしたの?」
早苗「どーしたのよー、もうおしまい?」
メトロン星人「お酒が切れたのかね?私が買出しに行こう」
瑞樹「アンタその見た目でいくんかーい」
み・さ・メ「「「あっはっはっはっは!!」」」
菜々「ウッ…ウサミン星が異星人に侵略されてますよー!助けてー!ウルトラセブーン!!!」
モロボシ「何っ!?K地区に『あんきら陵辱ものエロ同人』だと!?寄生怪獣ゴロドウジンめ…ジュワッ!」デュルルルゥゥン
おしまい。
血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ…(ガチャガチャ)
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