人妻「今日は娘の家庭訪問があるのを忘れてたわ!」間男「え? (51)


間男「それまずくない?」

人妻「もうすぐ時間だから、早く服着て帰って!」

間男「えー! くそー、今日はたっぷりできると思ったのに」

人妻「いいから早く! 私は準備があるから!」バタバタ

間男「はいよ」



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間男「ったく、今日は珍しく旦那いないって言うから来たのによ」ゴソゴソ

間男「ま、3発やったしいいか」

間男「よし、さっさと帰りますか」

 <ガチャ

女教師「あ、どうも

 <ガチャ

間男「うわああああ!!」


間男「どうすんだよこれ!」

間男「もう先生来てんじゃねーかよ!」

間男「ていうか来たなら来たって教えてくれよあいつ!」

間男「でもこのまま隠れてると怪しまれるよな……」

間男「ここはもう、旦那のフリしてやり過ごすしかないな」

間男「よし!」

<ガチャ


女教師「あ、どうも、お邪魔しています! 娘さんの担任の者です!」

間男「あ、いえこちらこそ!」

女教師「はい?」

間男「ああ、いや! どうもはじめまして!」

人妻「すみません、今お茶入れますので……っ!?」

女教師「いえ、お構いなく」

間男「ああ、お構いなく」

女教師「え?」


間男「あ、いや、あの……オカマいないですね!」

女教師「オカマ……?」

間男「普段いるんですよ、オカマ!」

女教師「この家に!?」

間男「はい!」

女教師「オカマが!?」

間男「そうなんですよ~」

女教師「はぁ……」

女教師(なんかちょっと、複雑なご家庭なのかしら……)


人妻「ちょ、ちょっと失礼しますね!」グイグイ

間男「うわ、ちょっと引っ張るなよ!」

人妻「いいから向こうの部屋行くわよ!」

女教師「どうされました?」

人妻「すみません、少しお待ちくださいね!」グイグイ

間男「うわぁぁ!」

 <ガチャ

女教師「どうしたんだろう……」


人妻「ちょっと、何してるのよ!」

間男「何が?」

人妻「なんで普通に話してるのよ! 早く帰ってって言ったでしょ!?」

間男「仕方ないだろ、寝室出ようとしたらもういたんだよ!」

人妻「じゃあ部屋で隠れてなさいよ!」

間男「一回見られたのに隠れてるのもおかしいだろ!?」

人妻「そんなこと言ったって!」

 <コンコン

女教師「あの、大丈夫ですか?」

人妻「あっ! どうもすみません、すぐ戻りますので!」

女教師「は、はい」


人妻「とりあえず、こうなったらもう仕方ないから、なんとか誤魔化すわよ!」

間男「わかったよ」

 <ガチャ

人妻「すみません、お騒がせして」

女教師「いえいえ。早速ですが娘さんのお話を──

 <プルルルル

人妻「あら、電話が……すみません、失礼します」

女教師「はい」


女教師「では、娘さんのお話をさせていただきますね」

間男「あ、はい!」

間男(そういえば確かこの間──)

――――――――――――――――――――――――――――

人妻「最近ユミコが大きくなってきてねー、可愛いけど大変なのよねー」

――――――――――――――――――――――――――――

間男(娘の名前はユミコだな、よし)


間男「先生、ユミコは学校ではどうなんですか?」

女教師「……ユミコ?」

間男「はい」

女教師「……娘さんの、レイナちゃんのお話ですよね?」

間男「はい?」

女教師「はい?」

間男「……」

間男(やっべー! 違ったー!)

間男(あ、確か娘二人いるんだったな。もう一人の方か!)


間男「ああ、すみません、ユミコじゃなくてレイナの方でしたね!」

女教師「はい」

間男「いやー、二人いるとついつい間違えちゃって!」

女教師「……? レイナちゃんのお姉さんは二歳上のレイカちゃんですよね?」

間男「はい?」

女教師「はい?」

間男「……」

間男(ユミコって誰なんだよ!!)


人妻「すみません、お待たせしました」

女教師「いえ」

人妻「動物病院からの電話で、うちの犬が今日退院するので迎えに来いと……」

女教師「あ、犬飼ってるんですね!」

人妻「はい、ユミコって言うんです」

間男(ユミコって犬かよ! 紛らわしい名前つけるなよ!)


女教師「でしたら、どうぞそちらに行っていただいて、あとは私と旦那様で大丈夫ですよ」

間男「えっ!」

人妻「じゃあ、そうさせてもらいますね」

間男「ちょちょちょ!?」

人妻「あとお願いね、あなた?」

間男「えっ、えっ」

女教師「お気をつけて」

人妻「はい、失礼します」

間男「ええ……」


女教師「そういえば、確か小説家でいらっしゃるんですよね?」

間男「え、ええ」

間男(旦那小説家だからなかなか隙がないんだよなあ)

女教師「私、本を読むのが好きなんです! 作品、見せてもらえませんか?」

間男「えっ、いや、それは……あ、私、官能小説家なんですよ!」

女教師「えっ……」

間男「いやもうとんでもないもの書いてるんで! ちょっとおすすめできないかなって!」

女教師「そ、そうですね……」


女教師「ああ、脱線してしまってすみません。では、続きを……あれ、今度は私に電話が……」

間男「ああ、どうぞ出てください」

女教師「すみません、では向こうで……」

間男「どうぞどうぞ」

女教師「失礼します」

間男「はいー、ごゆっくりー」


間男「……しんどい」

間男「なんで俺がこんな目に……」

間男「……自業自得か」

 <ガチャ

夫「ただいまー」

間男「あっ」

夫「あれ?」

間男(うわああああ!! 旦那帰ってきたああああ!!)


夫「……どなたですか?」

間男「あ、えっと……その……」

夫「……?」

間男「……む、娘さんの担任の先生です!」

夫「……ああー! どうもはじめまして!」

間男「ああ、お邪魔していますー!」

間男(誤魔化せたー!)


夫「すみません気がつかなくて。そういえば今日は家庭訪問の日でしたね」

間男「そ、そうなんですよ~」

夫「いやー。仕事が仕事なもんで普段は家にいるんですが、今日は出版社の方で会議がありましてね」

間男「ああ、そうですか! お疲れ様ですぅ」

夫「あれ、妻は……?」

間男「あっ、えっと……動物病院に、ユミコさんを迎えに行きました!」

夫「えっ、どうもすみません。あいつ、先生をほったらかしにして……どうも自分勝手な所があるんですよね」

間男「ああ~、エッチの時とかもそうですよね~」

夫「はぁ!?」

間男「あっ! い、いや、女ってそういうところありますよねって! はは……」

夫「小学校の教師がなんてこと言うんですか!」

間男「すみません……」


夫「で、娘のレイカは学校ではどうなんですか?」

間男「はい……あれ、レイカ……?」

夫「ああ失礼、今日はレイナの方でしたね」

間男「あ、そうですよ!」

夫「いやいや、二人いるとどうしてもね。歳も名前も近いし」

間男「あー、そうですよねー」

間男(なんかデジャヴだぞ)


女教師「すみません、お待たせしました」

夫「えっ?」

間男「あっ」

女教師「あっ、えっ!」

夫「ああっ!」

間男「うわ、あの、あっ」

女教師「なっ!」

夫「なっ!」

間男「うわ、ちょ、うわ。うわうわうわ!」

間男(終わったああああ!!)


夫「どうして君がここに……?」

間男「……ん?」

女教師「こっちのセリフです!」

間男「……んん?」

夫「いや、先生、違うんですよこれは」

女教師「先生……?」

間男「あ、これは、その違くて!」

夫「この人は先生なんだよ」

間男「あわわわわ……」


女教師(ああ、小説家だから先生ってことかしら)

女教師(確かこの人、出版関係の仕事って言ってたし……官能小説の出版社とは思わなかったけど)

女教師「なるほど、あなたがここにいる理由はわかりました」

夫「はぁ?」

間男(なんか知らないけど勝手に納得してる!)

夫「君はなんでここにいるんだ!」

女教師「あなたには関係ないでしょう!」

夫「関係ある!」

女教師「散々私を弄んで捨てた癖に!」

夫「っ!」

間男(なんか大変なことになってきたぞ……!)


夫「あれは……昔の話だろう」

女教師「あなたにとってはそうでも、私には昨日のことのように思い出せるの!」

夫「くっ」

女教師「あんなことしておいて……昔の話だから許せって言うの!?」

夫「それは……」

間男「! あの、私はお邪魔……みたい、ですね?」

夫「ああ、すみません先生」

女教師「どうもすみません、お騒がせして」


間男「私は席を外しますので、あとはお二人で存分にやっていただいて!」

夫「気を遣っていただいてすみません……」

女教師「申し訳ありません……」

間男「いえいえ、では失礼しますー、はいー」

 <ガチャ

人妻「ただいまー!」

女教師「あっ」

夫「あっ」

間男「あっ」

人妻「あっ」


人妻「こ、これは、違うのよ!」

夫「いや、ち、違うんだこれは!」

間男「違うんです違うんですこれは!」

女教師「これは、ち、違うんですよ!」


人妻「ん?」

夫「ん?」

女教師「ん?」

間男「チガウンデスチガウンデス」


夫「……ちょっと状況を整理してみましょう」

人妻「……そうね」

間男「いやっ、いやそれは!」

女教師「まずあなたはなぜここに?」

夫「ここは俺の家だ!」

女教師「……あ」

女教師(さっきレイナちゃんのお父さんが言っていたオカマって、まさか!)

女教師「まさか、そんな人だったなんて!」

夫「はぁ!? 何言ってるんだ! そういう君はなんでここにいるんだ!」


女教師「それは──

人妻「私の客よ。そうですよね?」

女教師「まあ、そうですね」

夫「そ、そうか……」

夫(まさか、彼女が妻と知り合いだったなんて……なんてことだ……)

人妻「で、あなたたちはどういう関係なのよ」

夫「そ、それは」

女教師「……私の元カレですよ」

人妻「なんですって?」


夫「いや、違うんだ!」

女教師「違わないでしょう!」

人妻「どういうことなのか説明してちょうだい!」

女教師「この人は、私のことを弄ぶだけ弄んで、捨てたのよ!」

人妻「本当なの!?」

夫「貴様ぁ!」

女教師「きゃっ、ちょっ、やめてよ!」

間男(こいつらやべえ……)


人妻「やめなさいあなた!」

間男「ぼ、暴力は駄目ですよ!」

夫「くっ……」

女教師「……最低!」

夫「なんでこんなことに……」

人妻「とりあえず、ここは一度落ち着きましょう」

間男(なんとかうやむやにできそうだな……)


 <ガチャ

娘「ただいまー」

間男「あっ」

人妻「あら、おかえりなさい」

夫「……ああ、おかえりレイナ」

娘「あ、お父さんただいまー」

女教師「……お父さん?」

娘「あっ、先生だー! 家庭訪問終わってなかったんだ!」

女教師「ええ、ちょっとね」

夫「……先生?」

間男「あっ」


夫「ちょっと待ってくれレイナ、レイナの先生って……?」

娘「あの人だよー」

女教師「ええ」

夫「なに?」

女教師「レイナちゃん、お父さんは……?」

娘「これだよー」

お父さん「こ、これって言い方はないだろう……」

女教師「なんですって?」

間男「あっ、あっ」


夫「ということは……」

女教師「……あなたは?」

娘「おじさん誰ー?」

間男「あっ、あああっ」

間男「……」

間男「……ゆ、ユミコです」

夫「は?」

女教師「は?」


間男「飼い犬の、ユミコです!」

夫「な、なにを言っているんだ!?」

女教師「そ、そんなわけないでしょ!?」

間男「わんっ! わんわんっ!!」

夫「! ゆ、ユミコの鳴き声にそっくりだ……!」

女教師「ええ!?」

間男(ええええええ)


娘「おじさん、ユミコなの?」

間男「ユミコだよ、レイナちゃん! わんわん!」

娘「私の名前知ってるー! 本当にユミコだー!」

女教師「そんなことが……」

夫「いや、しかし、わからないぞ」

夫「小説のようなことが、現実に起きることもあるかもしれない……!」

女教師「た、たしかに……!」

間男(あ、こいつらバカだ)


夫「ユミコ!」

間男「わんわんっ!」

娘「ユミコ!」

間男「わんわんっ!」

女教師「ユミコ!」

間男「わんわんっ!」

人妻「ユミコ!」

間男「わ、わんわんっ!」

間男(お前は悪ノリすんなよ!!)


夫「しかし、ユミコはメスだったはずだが」

間男「わうっ!?」

娘「そうだったー」

間男「……」

間男「わ、私もなんでオスの姿になったのかわからないの! くぅーん……」

間男(死にてえ)

人妻「っ、ぷっ……くく……」

間男(笑ってんじゃねええええ!!)


間男「れ、レイナちゃん! 私、お外で遊びたいな! わん!」

レイナ「あれー? ユミコ、いつもお外行くの嫌がるのにー」

間男「たまにはお外で遊びたくなるわん! わんわんわんわん!! くぅーんくぅーん!」

娘「行って来ていい?」

夫「でも、もう夕方だぞ?」

間男「ぐるるるるるる……」

夫「わ、わかった、行って来なさい」

娘「はーい! ユミコ、行こ?」

間男「うおおおおおん!!」ダダダダダダ!!

娘「あっ、待ってよー!」


夫「げ、元気だな、ユミコは……」

人妻「退院して来たばかりなのにね」

女教師「なんか、言い争う気なくなっちゃいました」

夫「ああ、あの時は……すまなかったな」

女教師「……もういいです」

人妻「……」


娘「お父さんお母さん!」

夫「どうした?」

娘「あのね、ユミコが走っていっちゃったから追いかけていったら、犬に戻ってたのー」

犬「わんっ」

夫「なんだって!」

娘「お庭で寝てたー」

人妻「あっ」




人妻「そう、残念だったわね……」

夫「レイナがいい子にしてれば、きっとまた人間の姿になるよ」

娘「ほんと?」

女教師「ええ、先生もそう思うわ」

夫「……はは」

女教師「……ふふ」

人妻(大団円ね)


間男「わおおおおん!!」ダダダダダダ!!

警察「君、待ちなさい!」

間男「わぉん?」

警察「な、なんだね君は!」

間男「あ、いや、違うんですこれは」

警察「ちょっと署まで来てもらおうか」

間男「いや、あの、いや、ちょっ!」


間男「ちくしょー! 不倫はもうこりごりだあああああ!!」



   終劇

平和が一番ですね
お疲れ様でした

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