柚子「そんなルールがあるわりには前例を聞いたこともないけど……？」

みほ「１００年前に一度使われただけですから」

みほ「それに特殊カーボン製品はもの凄く高価ですから。ひとつ数千万はします」

杏「ほえ～、すっごいねえ」

桃「ウチじゃ買えんじゃないか！」

みほ「ええ、ですからⅣ号以外の戦車を全て売りましょう」

杏「試合じゃ絶対負けるね」ｱｯﾊｯﾊ

桃「ホントにこれで大丈夫なのか～！？」ｳﾜｰ

みほ「各チームに一つ武器を渡します」

沙織「これが戦車の代わりかあ」

優花里「トカレフコピーですか……。高価な割には動作が怪しいですね」

おりょう「おお！日本刀ぜよ」

カエサル「服装が相まって違和感ないな」

典子「手榴弾か。……それ、トース！」

あけび「レシーブ！って、危ないじゃないですか！」

梓「ミサイル？」

カリナ「特撮で見たことある～！撃たせて撃たせて！」

杏「ナイフかあ」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

桃「ちょ、やめっ。柚子ぢゃ～んだずげで～」

みほ「戦車道大会では４回勝ち抜けば優勝できるので、最低でも４人の隊長を殺す必要があります」

沙織「その言い方なんとかならないの！？」

麻子「４人とはいっても４回暗殺を成功させるのは難しいいだろ」

みほ「はい。ですから１５校全ての隊長を一度に殺します」

みほ「大会組み合わせの抽選会場で一網打尽にしましょう」

みほ「カバさんチームは確実に１回戦の相手を暗殺してください」

おりょう「気分は岡田以蔵ぜよ」

みほ「パニックになった会場を会長が上手く抑えて、みんなを誘導してください」

杏「はいよ～」

みほ「そして出口に待ち伏せして爆殺します」

華「そんなに上手くいくでしょうか？」

みほ「もちろん意図を見抜く隊長もいるはずです。その人は私が仕留めます」

抽選会場

ケイ「一回戦は大洗……？聞いたこと無いわね」

おりょう「…………」ｽｯ

ケイ「What？ぐえっ」ﾊﾞﾀﾘ

アリサ「ひえ～～～～～！しょえええええ！！！」

杏「暗殺だ！みんな逃げろ！」

「なに！？なに！？逃げろー！おい、ころドア開かないぞ！どこに行けば？」ｶﾞﾔｶﾞﾔ

杏「北側の非常口が開いてるぞ！」

アンチョビ「なんなんだ！？ともかく今は逃げるぞっ」

ペパロニ「ん？ねえさんの足元に何か……」

バゴオオオーーーーーーン

アンチョビ「…………」ﾁｰﾝ

オレンジペコ「ダージリン様っ！走ってください」

ダージリン「ふふっ。そんなに慌てては紅茶がこぼれてしまうわ」

ダージリン「こんな格言を知っている？おさない、かけない、しゃべらない、もどらない」

オレンジペコ「それ、格言でも何でもないです……」

杏「あーあ、なんで逃げないかな」ｻﾞｸｯ

ダージリン「…………」ﾁｰﾝ

ノンナ「同志カチューシャ！こちらです！」

カチューシャ「私が何したっていうのよ～！」

梓「これ、どうやって撃つんだっけ？」

あゆみ「たしかプローブ？伸ばしてから～～～」

ノンナ「あっ」

梓「あっ」


ｶﾁｯ


ドガアアアアアアアーーーーーーーン

カチューシャ「…………」ﾁｰﾝ

審判「１４校の隊長の死亡確認ッ！残るは大洗と黒森峰ッ！」

まほ「まさか、お前がまだ戦車道をやっているとはな」

まほ「それも、こんな……」

みほ「それでも私の勝ちだよ、お姉ちゃん」拳銃ｽｯ

まほ「どうかな？」拳銃ｽｯ

みほ「！？」

まほ「西住流にぬかりはないさ。例え１００年使われていないルールであろうと用心するにこしたことはない」

まほ「しかし、私たちでは相討ちになるのが分かりきっている」

まほ「大会そのものがノーゲームになるのはお互いおいしくないだろ。どうだ、戦車で決着させないか？」

ｷﾗｯ

みほ「っ！」

みほ「流石だね。１ｖｓ２０の勝負をしようって堂々言えるのはお姉ちゃんだけだと思うよ？」

まほ「負け惜しみか？」

みほ「ううん。冷静でいてくれてありがとう」

まほ「……なに？」

ｯﾊﾟｰﾝ

まほ「スッ、スナイパー……だと」ｶﾞﾌｯ

みほ「なんとか間に合った」

まほ「どうして……知っていたのか？……武器を持っていることを」

みほ「ううん。でも、ぬかりがないのが西住流……でしょ？」

まほ「ふっ、完敗だな」ｶﾞｸｯ


そど子「拳銃なんて校則違反よ！」スナイパーライフルﾁｬｷｯ

審判「西住まほの死亡確認ッ！勝者、大洗女学園ッッッッ！！！」

杏「やった。やったんだ」ｸﾞｽｯ

桃「うわあああーーん。嬉しいよ柚子ちゃあーん」ﾌﾞﾜｯ

柚子「桃ちゃん……私もだよっ」ｸﾞｽｯ



沙織「いやいや、おかしいでしょ！？」

沙織「帰ったらなにしよっか？」

優花里「一回ぐらいは戦車にのりましょう……」

華「そうですね……」

麻子「ああ……」

みほ「パンツァー・フォー！」