提督「安価で何かする」 (20)


望月「なんでまたそんなことを」

提督「なんとなく、ノリで?」

望月「なんで疑問形なのさ?」


提督は頭が弱かった。


やること↓1


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提督「ほう、花見か。なかなかいいじゃないか」

望月「え、マジでやってんの司令官?」

提督「マジだ。んじゃあ早速行こうか」

望月「いや、私はここで寝てるよ……おやすみ」

提督「つれないこと言うなよもっち~」

望月「もっちー言うな。ってやめろ足を掴むな! あ゛あ゛あ゛ーー!!」

そう言って提督は布団で寝転ぶ望月の両足を掴み、そのまま引きずりながら執務室を出ていった。


提督「ところで花見って何すればいいの?」

望月「え? そりゃー……花見てなんか食べたり飲んだりするんじゃないの?」

提督「本当にそんなんでいいのか?」

望月「え……そこまで言われるとなんか自信無くなって来たんだけど」

提督「まあそれっぽいことすれば安価達成になるでしょ。適当適当」

望月「じゃあ聞くんじゃねーよ」

提督「スマセン」

1 他の人も誘う
2 もっちーと二人でだらける
3 その他なんか

↓1


提督「なんかすっごい電とか花見に誘いたくなってきた」

望月「急になにいってんのこの人怖い」

提督「いや別に電波受信した訳じゃないってほら」


そういうと提督は持っていた携帯端末を望月に渡す。


望月「んー? 成る程、そういう安価が来たわけね。じゃあ第六駆逐隊の皆を誘いに行くかー」

提督「ちょっと待ってくれ望月。このまま普通に第六駆逐隊を誘っても面白くないんじゃないか?」

望月「別に誰も面白さは求めてないと思うけど」

提督「ここは俺に任せて先に行け! 望月!」

望月「聞けよ」


そういうと提督はでんぐり返しで駆逐寮に向かっていった。

マジキチの所業である。


望月「……」スタスタ

提督「待ってもっちー突っ込んで」


数十分後。

望月は間宮さんの所で食べるものを貰い、座る為のシートを持って中庭までやってきていた。

気温は少し肌寒いくらいだったが、空は雲ひとつ無く、絶好の花見日和であった。


望月「あー……いい天気だねぇ」


眩しくないように顔から上だけを桜の影に入れ、シートの上に仰向けに寝転がる。

視界には何処までも澄みきった空に、時折花びらを舞わしながら咲き誇る桜。

実に風流であった。


ぶっちゃけ花見では無く昼寝になりそうだったが、別に望月には安価は関係無いので問題無かった。

そうだ。このまま寝て、起きたら弁当食べて、また寝て……


望月「もう提督とか必要ないじゃん。これでいいじゃん」

提督「呼んだ?」

望月「……」

提督「お ま た せ」

望月「待ってなかった」

望月「いや、まじで」


望月「んで、誰を呼んできたの?」

提督「ああ……我ながら完璧な布陣だ」

電「な……なのです!」

雷「雷よ!」

文月「文月で~す」

若葉「若葉だ」


提督「いけるやん!」

望月「喧嘩売ってるのはわかった」


提督がちょっとした遊び心(望月による処刑済み)を発揮した結果、似た顔が五人揃い一時期誰が誰だかわからなくならないかと危ぶまれたが、皆それぞれ個性的だったので特に危なげなく花見は進行した。


電「わー……桜の花びらが舞って綺麗なのです……」

提督「かわいい」

雷「司令官! この唐揚げおいしいわよ! はい、あーん」

提督「バブみを感じる。かくも素晴らしいと思いました」

文月「しれいかーん、膝の上にのせてー」

提督「ああ^~」

望月「……」


電「あれ? 望月ちゃん、どうしたのですか?」

望月「あ、電。うーんその、なんていうか……」

電「悩み事があるなら相談してほしいのです」

望月「いや、別に悩み事なんて大層なものじゃないよー。ただ……」

望月「今司令官すごい楽しそうにしてるじゃん? 雷とか文月とかに囲まれてさ」

望月「それで、なんでノリも悪い文句も悪い私なんか秘書官にしてんのかなーってふと思っちゃってさ。あははー……なんちゃって」

電「……ふふ。そういうことなら司令官さんに直接聞いてみればいいと思うのです」スタスタ

望月「あ、ちょ、電!?」


仰向けに寝転がり、腹に文月を乗せて遊んでいた提督に電が耳打ちすると、提督は幾分真面目な顔をして少し離れて座っていた望月の元にやって来て、隣に座った。


提督「どうした望月? 何か聞きたいことがあるんだって?」

望月「い、いや、別に何もないよ」

提督「ほんとかー? 素直になれよもっちー」


人指し指でふにふにと望月の頬をつつく提督。

それに大層イラッとした望月は半分やけになって自分の心情を吐露した。

それを聞き終えた提督はふむ、と腕を組み少し考えると、


提督「望月がいいから」


と一言だけ言った。


無論、望月もそれだけで納得する訳では無いので、無言で提督を少し睨む。

それを見て提督は慌てて弁解した。


提督「いや、こう雰囲気というか? 俺も自然体でいられるというか? こう言葉では表せない何かがあるんですよ。うん」

望月「ふーん、そうかい。へぇ」


なんとも不明瞭な答えだったが、それでも望月にとっては嬉しかったのか、その顔には笑顔が浮かんでいた。





提督「それに隣によくサボってる奴がいるとそれを反面教師に仕事が捗るしな!!」

望月(ん?)

提督「そしてなにより眼鏡っ子! これだけでご飯3杯はいけるね! うん!」

望月「……」

電(なぜ余計なことを言ってしまうのですか……)

望月「若葉、ちょっとこっちきて?」

若葉「? どうした?」


おもむろに望月は眼鏡を外すと、若葉にそれを掛けさせ、提督の方を向かせた。


提督「……」

望月「……」

若葉「眼鏡だ」

望月「……」

提督「……」

提督「ケッコンカッコカリを前提にしたお付き合いを……」

望月「ちょっと眠ってろお前!!」ドボォ

提督「モ゜ッ」


提督は死んだ。もういない。


一緒に行動する艦娘

1 望月
2 もっちー
3 睦月型11番艦
4 その他指定

↓1


やること↓2

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