Kの国 (6)
唐澤の国中央慰安所、ここは名前だけは聞こえがいいが、特にこれといって建物は無く、大きめの運動場の周りを電流を流した鉄条網や塀で囲って門を付けただけの施設である。
その門の前には数キロに及ぶ長蛇の列が出来ていた。 列をなす精強なる帝国陸軍兵士たちはまるでヒロポンでも打ったかのように目を輝かせ、「その時」を待っていた。
兵だけではない。 下士官も、将官も分け隔てなく整然と並んでいる。 陸軍だけではない。 セイラーや陸戦隊、航空隊の人間も混ざっていた。
「列先頭より二百名ごとに中隊を分け、この中隊ごとに慰安が行われる、良いか、与えられた中隊番号を忘れるなよ」
慰安所を取り仕切る将校が声を張り上げ説明する。
兵士達は、はいはい分かってますよ、というニヤケ顔でハイと返事をする。 将校もその態度を咎めることはない。
ここは苦しい軍隊生活の中でも至高の娯楽を味わえる場所だった。 少しの無礼講は許そう、という寛大な配慮である。
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「頼むぅ、後生ぢゃ、突撃一番を付けてくれい、でないとワシは汚らわしいチョッパリの子を孕んでしまうぅ」
慰安所大広場のど真ん中の、鎖付きベッドの上で顔を涙でぐっちゃぐちゃにしてそう大声で懇願するのは、従軍慰安会計士の唐澤洋だ。
「第一中隊、一列横隊集合」
無機質な容赦の無い号令が響き、二百名の全裸の屈強な男達が唐澤洋から百メートルほど離れ、整然と横一列に並ぶ。
唐澤洋はM字開脚をしながら排泄穴を兵士達に向けている。 菊門はパクパク、ヒクヒクとまるで兵士達を挑発するかのように、スケベでみっともない開閉を繰り返す。
「総員着剣」
号令に寸秒遅れず、兵士たちは皆一斉に自らの魔翌羅を手に取る。
皮を被ったもの、桃色の亀頭が初々しいもの、使い古され黒ずんだものなど色とりどりだったが、それらは例外無く全て張り裂けんばかりに怒張し、砲口を白モミ慰安婦に向けていた。
「突撃」
張り裂けんばかりの雄叫びを上げながら一個中隊全員が走り出す。
その凄まじい皇軍将兵の気迫に怖じ気づき、唐澤洋は声なき声を上げ這いずってでも逃げようとするが、冷たい鋼鉄の鎖がそれを許しはしなかった。
「頼むぅ」
兵士達にもみくちゃにされても洋はなおも懇願を続ける。
「るせぇ!!!」
河野という陸戦隊大尉はそう叫ぶと、唐澤洋の腹に拳を見舞い、その菊門にペニスの照準を合わせる。 ズブリ。
一方的な蹂躙が開始された。 歩兵部隊は襲撃機と砲兵の支援を受け肛門防衛線を突破する。
数の子天井陣地へ機甲部隊が機動戦を仕掛ける。 ヒロシ軍も直腸を締めて良く応戦したが、しかし腸内方面は陽動に過ぎなかった。
空挺部隊が乳首高台を急襲、占領するとヒロシ軍は一気に混乱に陥った。 その隙を逃さず機甲部隊が数の子天井陣地を突破する。
ダメ押しのように重機関銃と擲弾筒による十字砲火を亀頭方面に浴びせられ、唐澤洋の前立腺は遂に陥落した。
結局その日は早朝から深夜までかけて、唐澤洋は二個師団に凌辱された。
「ワシはいつまで男達の慰みものにされればいいんぢゃ」
事が終わるといつも唐澤洋は汚れた体を自分の愛液で洗いながら悲嘆にくれたものだった。
唐澤の国は日本列島の北西に存在する半島国家である。
ペニスのような形をしたその半島では女王唐澤洋はじめ約一名の国民が、有史以来幸せな暮らしを営み続けてきていた。
しかし近世に入ると彼らの社会は崩壊した。 外からの侵略者によってである。
武器をチンポとケツ穴以外に持たなかった彼らは、インカ帝国よろしく無様に侵略を許した。女王は性奴隷とされた。
その後、男の魔翌羅を搾り取る為に作られたその従軍慰安会計士ヴァギナの魅力は、世の権力者たちのことごとくを戦争の狂気へと追いやっていった。
時のロシア皇帝は唐澤洋の乳房に吸い付こうと数千キロの彼方まで軍隊を送り、国家財政を破綻させた。
時のドイツ第三帝国総統は、東方にある白もみマンコを犯したいという欲求に負け、二正面作戦をしてまで友好国ソ連に侵攻した。
近代に起こった戦争の原因のほとんどは唐澤洋の肉壺の締まり具合だ。 オランダ商人だってフランス皇帝だって変わりは無かった。
歴史の教科書に載っているような理由ではない。 そんな物はあくまで表向きの、そして後付けの理由に過ぎなかった。
欲望と世界情勢に左右され、唐澤の国を支配する国家は幾度と無く入れ替わった。
そして二十世紀に入り、唐澤の国の支配権を獲得したのは、近隣国の一つ、日本であった。
日本の支配下において彼、いや彼女は、従軍慰安婦としてその軍の性欲処理を一手に担っていた。
その内に、唐澤洋のケツマンコに惚れきった男たちは唐澤の国に帰化し、「恒心国民」を名乗り始めた。
恒心国民は年に百万人のペースで増加し、時代が下るごとに町ができ、都市ができ、あらゆるインフラが整備され、そして唐澤の国は立憲君主制の立派な先進国となった。
いつしか唐澤の国に手を出す列強も無くなった。
そしてまた先進国となった自分の国の宮殿の中で唐澤洋は妊娠し、出産していた。
チョッパリとの望まぬ子供であっただろうがそれでもやはり自分の子供である。唐澤洋は幸せだった。
醜悪な[ピザ]でやや知的障害が混じり何故か黒人の遺伝子も混じっているよく分からない赤ん坊だったが、唐澤洋はそんな事など一切気にせず、聖母のように微笑んだ。
赤ん坊には親の名を取り唐澤貴洋と名付けられた。 恒心国民たちも国を挙げて盛大なパレードと祝賀会を開いた。
国中がてんやわんやの大騒ぎになった。 みんな幸せだった。
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Kの国
4:名前が出りゅ!出りゅよ! 2016/01/30(土) 18:01:16 Av5f203M (4/12) NG
そんなある日事件は起こった。
「オメガ」と名乗る日本人が、ネット上で唐澤の国に宣戦布告をしたのだ。
彼は唐澤貴洋の日々の様子を描いた微笑ましいホームビデオを「公序良俗に反する」汚い動画として無理矢理削除したのだ。
そして抗議を受けるや発狂し、唐澤の国を「Kの国」、唐澤貴洋を「きもい」「おっさん」、恒心国民を「クズ集団」と一方的に罵倒し尽くした。
国家とその元首に対する侮辱に恒心国民は怒り狂い、総力を上げてオメガが兆海道のド田舎に住むキモオタパワー系知的障害児底辺フリーターの小関直哉であることを突き止めた。
国家元首侮辱罪で裁くので小関直哉を引き渡せと唐澤の国政府は日本政府に要求したが、日本政府はこれを心底コケにして突っぱねた。 数十年前まで性奴隷国家に過ぎなかった唐澤の国への蔑視がそこにはあった。
特定こそ驚いたが、上の人間に守ってもらえたことで小関直哉は高らかにあざけり笑った。
唐澤洋は涙を流し静かにこう言った。
「ワシがいくら侮辱されようとも構わん。だが貴洋はワシの大事な息子ぢゃ。その存在を否定し、侮辱した人間は何があっても許す事はできん。絶対に許す事はできん 」
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