【安価】ゲラルトが艦これを始めました【ウィッチャー3x艦これ】 (124)

ゲラルト「……なんだと?」

妖精さん「初めまして!艦これの世界にようこそ、私は」

ゲラルト「おい。待て。何だお前は」

妖精さん「私は妖精さんです!会話ができる提督さんなんて初めてかも!それにしてもおじさん、いたそーな顔してるね~」

ゲラルト「……」

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ゲラルト「……」

妖精さん「……どうしたの……?」

ゲラルト「いや……、いい。話してみろ」

妖精さん「えぇ?変なの。まあいいや!私は提督さんの日々の業務をサポートします妖精さんです!これから提督さんは様々な艦娘さんと出会い、様々な敵さんと戦い、鎮守府を守り抜いてくださーい!」

妖精さん「簡単に言うとこんな感じです」

ゲラルト「……」

妖精さん「喋れるのに静かだと、なんか変な感じね」

ゲラルト「そうか……おまえ、種族は何なんだ。怪物図鑑にはおまえのような分類は無かった」

妖精さん「妖精さんは妖精さんだよ!」

ゲラルト「妖精さん。一ついいか」

ゲラルト「俺はフィリパという女魔術師を追って地下に潜った。門を幾つも潜ってロットフィーンドとも仲良く一杯やれそうな気分の中、いきなりおまえが目の前に現れ視界が青一色だ。ここはどこだ?おまえは何だ?罠か。それにしては喋るな」

妖精さん「おじさんこそよく喋るよ」

ウィッチャー「……口の利き方に気をつけろ」ジャキッ

妖精さん「わーーー!やめて!剣なんか仕舞ってーーーー!」

ゲラルト「分かったらさっさと教えろ。急いでいるわけじゃないが、こんな妙な場所にいてはとてもじゃないが落ち着けない」チャキン

妖精さん「……うー。おじさんなんか情緒不安定さんだね。よくいるよー。そんな提督さんいっぱいいるもん」

ゲラルト「よし。とりあえずおまえを[ピーーー]。何か進展があるかもしれん」

妖精さん「ちょっとーーーーー!!」

……

ゲラルト「つまり、俺が艦娘てのを雇い、敵を殺し、この鎮守府を守り抜けば門が開くんだな」

妖精さん「門ってさっきからよくわかんないよ~。私はただの案内役の妖精さんでー……」

ゲラルト「以前ある魔術師に罠に嵌められたことがある。定められた道筋で進まないと出口に通ずる門が開かないようになっていた」

ゲラルト「出口を抜けると塔のてっぺんに繋がって、ネズミだらけの病室にただ一人……まぁ昔の話だ。つまりおまえが門の存在を知らずとも問題は無い」

ゲラルト「で?俺はその栄えある提督に任命されたんだろう。さっそく始めて早く終わらせよう」

妖精さん「おじさん、意外とペラペラ喋るんだね」

妖精さん「分かった分かった分かったよもぉ!しまって!ごめんなさい!」

妖精さん「じゃあ……まずは着替えと、相方の艦娘を選んで。で場所移動させますね~。はいこれ」

ゲラルト「なんだ。絵か?」

妖精さん「ええ。なんつって。……吹雪、叢雲、漣、電、五月雨。この5人の中から選んでね」

ゲラルト「どれ」

ゲラルト「はあん。見た感じ、少女に見える。盾か。いや鉄製の矢筒も付いている。似合わない重装備だな、鎧が正反対だが。しかし精巧な作りだ……どこかの能無しドワーフにも見せてやりたい」

ゲラルト「なぁこいつらが本当に噂の艦娘か。娼婦の面接に行くんじゃない。戦いの装備をしろ。こんなんじゃネッカーに蹂躙されるのが関の山だ」

妖精さん「そんなこと私に言われても」

ゲラルト「……この中でなら」

1.吹雪だ
2.叢雲だ
3.漣だ
4.電だ
5.五月雨だ

>ゲラルト「はあん。見た感じ、少女に見える。盾か。いや鉄製の矢筒も付いている。似合わない重装備だな、鎧が正反対だが。しかし精巧な作りだ……どこかの能無しドワーフにも見せてやりたい」

>ゲラルト「なぁこいつらが本当に噂の艦娘か。娼婦の面接に行くんじゃない。戦いの装備をしろ。こんなんじゃネッカーに蹂躙されるのが関の山だ」

>妖精さん「そんなこと私に言われても」

>ゲラルト「……この中でなら」

>1.吹雪だ
>2.叢雲だ
>3.漣だ
>4.電だ
>5.五月雨だ

安価下で番号指定お願いします

ゲラルト「叢雲だ」

妖精さん「きまった?んじゃ鎮守府に飛ばしちゃうぞ~。準備オッケー?」

ゲラルト「!」

ゲラルト「おい門が開くのか?」

妖精さん「うんうんそうだよー!艦これの世界へー……」

妖精さん「はいようこそーーーーー!」

……

とりあえず以上です。
明日また同じ時間に投稿予定です
お疲れ様でした

ゲラルト「……」

ゲラルト「!」ガバッ

叢雲「あ、……」ぺこり

ゲラルト「……叢雲だな」

叢雲「……ご存知、なんですね。動かない方がいいです……着任早々お疲れ様です」

ゲラルト「どれくらいだ?」

叢雲「え?」

ゲラルト「どのくらいの間俺はこうしていた」

叢雲「……2日……くらいでしょうか」

ゲラルト「そうか。看病してくれたんだな。感謝する」

叢雲「い、いえ。良かったです」

ゲラルト「……君一人か。どうして俺はここに?さっきの妖精さんはどうした」

叢雲「え、と、提督さんの乗せた船が難破してしまったという連絡が一週間前に……この鎮守府も残ってた艦娘が、別の鎮守府に異動になり、残りは私一人……のところに、ついさっき」

ゲラルト「ああ。そういう流れに……」

叢雲「妖精さん、は、えと、鎮守府の中に」

ゲラルト「そうか。俺は……提督だな?」

叢雲「え……な、は、はい」

ゲラルト「ハァー……そうか。俺はリヴィアのゲラルト。好きに呼んでくれ」

叢雲「はい……です」

ゲラルト「俺の服と剣は?それで、敵は一人か。そいつを倒せばいいんだろうか。いやまずは霊薬と爆薬の準備が先決だな」

叢雲「……」

ゲラルト「……おい」

叢雲「っ、あ、はい?」

ゲラルト「……おまえは本当に艦娘なのか。そのへんの少女と変わらない。それとも少女のふりをしているだけか」

叢雲「……えと」

ゲラルト「俺が金切り鳥を退治した時もそうだった。まあいい。君一人でも十分だ。敵は俺が全て片付ける」

ゲラルト「鎮守府の中を案内してくれ」

叢雲「……」

ゲラルト「おい!」

叢雲「あ、は、はい!!すみませ……」

ゲラルト「……」

ゲラルト(選択を誤ったな)

……

ゲラルト「深海棲艦。聞いたよ」

叢雲「はい。ここノヴィグラド鎮守府でも深海棲艦の恐怖に怯えて、迎撃、防衛一方で」

ゲラルト「前任者がいるようだな」

叢雲「はい。前提督様は……その、勇敢な方でした。中には、ご命令やご期待に添うことができず、結果轟沈してしまった子もいて、それで、皆が沈みたくないからと異動願いを出して」

叢雲「艦娘が初期の4分の1程に減ったくらいの……つい……一月前に……今よりもっと環境が良い場所へ行くとおっしゃり、栄転されました。それで、後任として、あなたがいらっしゃると通知が……」

ゲラルト「……」


1.前の提督とは?
2.轟沈した奴について教えろ

安価下

ゲラルト「轟沈。つまり死んだのか。どれくらい死んだ」

叢雲「…………」

ゲラルト「黙ってちゃわからん」

叢雲「は、はい……でも、たくさんたくさん、沈んでしまって、優しい人から怖い人まで」

叢雲「……最初は、大井さんです……次に、暁。う、そ、それで……」

ゲラルト「……」


1.もういい
2.さっさと話せ
3.(アクスィーの印を使い、自白させる)

ゲラルト「……もう充分だ。無理をさせたな」

ゲラルト「君だけは守り通そう。約束だ」

叢雲「……提督さん……」

ゲラルト(安堵した様子だ。口ではこうだが、目を見ると……やはり前任者の影響かかなり警戒しているな。目が乾ききっている)

ゲラルト「……」

ゲラルト「前の提督はどんな奴だったんだ」

叢雲「……男性でした」

ゲラルト「それだけか。それに役職は十中八九男が就くものだ。ボッチリングは醜いと言っている様なものだぞ」

叢雲「…………勇敢な、方で」

ゲラルト「……」


1.もういい
2.(アクスィーの印を使い、自白させる)
3.おまえは前の提督とどんな仲だったんだ

ゲラルト「黙ってちゃ埒が開かん。敵の敵はやはり敵だ」アクスィー

叢雲「~~~~」ぽわ

叢雲「………………………………」

ゲラルト「……」

叢雲「……。クソ[ピザ]の……女たらしよ……」

ゲラルト「……。随分と雰囲気が変わったな。自白作用がある印だが、なるほど」

叢雲「アンタ……アンタも……どうせ、ね」

ゲラルト「……」

ゲラルト「驚いたな。吸血鬼のような奴だ。衰弱しきった様子だったが、本当のおまえはどっちだ?」

叢雲「…………」

叢雲「どっちが本当か……もう分からない……何でこうなったの……最悪よ」

叢雲「私は……奴隷じゃない。奴隷じゃない……」

ゲラルト「分かった。もういい」

ゲラルト(クソ。闇が深い)

叢雲「~~~~~~」

叢雲「……ゥ、わ、私」

ゲラルト「大丈夫だ。問題ない」

叢雲「……」ぺこり

ゲラルト「……」クンクン

叢雲「……?」

ゲラルト(それに、やはりこのにおいは……汗と脂か。まともに風呂に入っていないな。服もほつれて……血痕?鼻にうっすらと血の跡がある)

ゲラルト(痣もある……袖に隠れてはいるが、隠しきれないものもあるな。呼吸も……等間隔ではない)

ゲラルト「どれくらい前からここに?」

叢雲「だいたい半年くらい。もっと長い子もいました」

ゲラルト「いた……君はよくいられたもんだな。そんな劣悪な環境に」

叢雲「い!?……あぇ……は、はい……」

ゲラルト「……」

ゲラルト「おい。飯はあるか」

叢雲「は、はい。前提督様のものであれば……たくさん」

ゲラルト「持ってきてくれ。必要あれば手伝う」

叢雲「そんな!だ、大丈夫です!持ってきます!」ドタッバタバタ

……

叢雲「こ、これで、全部です」

提督「山のような缶詰、スパム、チーズ、ドライフルーツ、生ハムに氷の巨人でも飲んだら目を覚まさない程の蒸留酒の山。前任者様は大金持ちのようだな」

ゲラルト「さぞ恰幅も良かったんだろう?なぁ」

叢雲「……凛々しいお方でした」

ゲラルト「ハァー……なるほどな。やはりあっちが本来の君か」

叢雲「……」じゅる

叢雲「エ、エフンエフン!!!ゴホッ!!……」

ゲラルト「……」

叢雲「す、申し訳ございません!!あの、え、虫が服の中に!もう大丈夫です!」バッ

ゲラルト(別の虫が現れたな。それも特段大きいものだ……心拍も……)


1.好きな食べ物は?
2.おい、耳を澄ませろ

ゲラルト「おい。何か聞こえたぞ」

叢雲「え゛」

ゲラルト「静かにしろ」

叢雲「い、いえ。鎮守府内には……」グキュ

叢雲「いまぜんけれどもっおかしいいいいい~~~~…………」キュゥゥ……

ゲラルト「……」

叢雲「……………………わね」

ゲラルト「……ああ」

叢雲「……」グゥゥ~~~~……

叢雲「っ………げ、ゲフンゲフン」

ゲラルト「……」

ゲラルト(ウィッチャーの聴覚は猟犬以上。おまえが必死に隠した腹の虫は洞窟の中の岩トロールが特大の屁をしたことと同じくらい虚しい努力だ)

叢雲「…………。」プルプル

ゲラルト(聞こえたからと言って何もないのだが……)

ゲラルト「まぁ前の提督の食生活は分かった。おまえは何を食ってたんだ」

叢雲「基本は自給自足です。海藻や……貝、魚を主に食べていました」

叢雲「しかし……」

ゲラルト「さっき窓の外から海を見た。ノヴィグラドでは何でも食う醜い化け物がわんさかいたがここにはいないようだ」

ゲラルト「誰かさんの食い残しというより、ほぼ原型の生ゴミがぎっしり浮いていた。化け物でもあんなものを食ったら腹を壊す。良い意味でな」

叢雲「……その影響か、満足に食料を確保することも出来なくなってしまいました」

ゲラルト(ゴミ掃除か。ウィッチャー向けではないが、フライパンを探すよりはマシだな)

ゲラルト「魚はともかく、藻を主として食うのは魚の仕事だ。おまえは艦娘だろう」

叢雲「……ですが、背に腹は代えられません」

ゲラルト「……」

1.食え
2.毒味しろ
3.(黙って食べる)

ゲラルト「食いたいか」

叢雲「え……?」

ゲラルト「一緒に食おうじゃないか」

叢雲「……な……!」

ゲラルト「ただ飯を食おうと言っているだけだ。驚く自分がいることに本来であれば気付くだろう」

ゲラルト「あるいは……もう気付いているはずだ」

叢雲「……」

ゲラルト「どれ。芋かこれは。これは鯖。何?柿の煮浸し?クソ」

ゲラルト「コンビーフ……牛だな。過度な脂のにおい、蒸留酒に合いそうだ」クンクン

ゲラルト「食えよ。ちょうど2つあった」コト

叢雲「………………い」

ゲラルト「魚がいいのか?お好みなら魚と藻もあるだろう」

叢雲「いいん、ですか……?」

ゲラルト「いいんだ。食わんなら爆薬に混ぜる」

叢雲「う」

ゲラルト「と言うより、さっきから煩くて気が散る。おまえの腹の寄生虫がな」

叢雲「…………………………」ゴクッ

ゲラルト「どう言えばいいんだ。許可する、か?」

叢雲「……い頂き、ます!あは!」

ゲラルト「……」

……

本日はここまでで。安価の参加ありがとうございました。明日はお昼頃投下予定です。


ゲラルト「叢雲。色々考えたのだが……いいか」

叢雲「ふぁい……」モグモグごくん


1.隠し事はなしだ
2.俺は前任者ではない

ゲラルト「良いか?俺は前提督様じゃあない。いきなり信頼しろというのも無理な話だ……おい。食ったままでいいから聞け」

ゲラルト「つまり……だ。おまえが化けの皮を被っていると必要な情報を逃す。多少のことは目を瞑ろう。おまえのその、浮いてる耳のようにオープンでいるといい」

叢雲「…………」モグモグ

ゲラルト「まだ許可が必要か?」

叢雲「……いえ、大丈夫。貴方は……提督様とは違う」

叢雲「リヴィアのゲラルト提督。さっきまでは、正直前提督様と同じようなひどい方だと思ってました。申し訳ありません」

ゲラルト「それより口元を拭いたらどうだ」

叢雲「し、失礼……前提督様は」

ゲラルト「いい。聞いた」

叢雲「え?話していません」

ゲラルト「……」


1.じゃあ言ってみろ
2.言わなくても分かっているんだが

ゲラルト「じゃあ言ってみろ。具体的には何を?」

叢雲「……そうですね。私は、主に提督の馬でした」

ゲラルト「ほう」

叢雲「執務室の隅でずっと小さくなっており、提督様の気が向いた時に椅子になるんです」

ゲラルト「!、……??」

叢雲「私のこの……提督様はよく謎耳と呼んでいたのですが。これを掴んで乗馬しているように上下に激しくお戯れに。気が向いたのか偶にくれる食べかけのチーズが私の唯一の嗜好品でした」

ゲラルト「まだ昼だぞ」

叢雲「バッ……。言うと思いました。でも決してそういう意味じゃありません!!だいいち、ポジションが逆!!」

ゲラルト「ほ~う」

叢雲「っ……もういいです!」


1.悪かった。続けてくれ
2.別の話題に変える
3.試したいのだが

ゲラルト「全身の痣も関係があるのか」

叢雲「はい。私は……これでも少ない方です。駆逐艦なので」

ゲラルト「と言うと?」

叢雲「何かあると、乱暴されるんです。でも私たちは小さいので、殴りがいがないと言って戦艦タイプの先輩方を踏んだり蹴ったりで……今思い出しても、恐ろしい光景でした」

ゲラルト「戦艦タイプ。妖精さんから聞いたよ。確か……」


1.金剛だったか
2.比叡……
3.榛名という艦娘はいたか
4.霧島か?

ゲラルト「金剛。情熱的な艦娘で大きな戦力になると聞いた」

叢雲「はい。ここノヴィグラド鎮守府にも居ました。何度も……私をかばってくれた、恩人です」

叢雲「でも、私は助けに行く事ができず……私達駆逐艦の小さい艦娘に矛先が向くと、先輩がかばってくれたり……うぅ」

叢雲「……ごめんなさい」

ゲラルト「……」


1.それは俺に言うことじゃない
2.そいつらも転属したのか
3.考えられないな

ゲラルト「それはもうここには居ない先輩とやらに言うべきだ。死んだか、逃げたかのな」

叢雲「わかっています。それこそ、声が枯れるほど……。でも、そんな言い方はしないでください」

ゲラルト「……すまない」

ゲラルト「しかし、おまえよりも嬲られていたのならとっくに死んでいてもおかしくはないだろ。先輩方とは岩だか鉄で出来ていたのか」

叢雲「……そんなことも知らないのですか?艦娘は入渠すれば傷は治るじゃないですか」

ゲラルト「あぁそんな説明もあったな。風呂だったか」

叢雲「そうです。あんな広いお風呂なのに、もう使うのは私一人……」

ゲラルト「……」


1.最後に入渠したのはいつだ
2.少し臭うぞ

ゲラルト「お前一人か……しっかりと使っているか?排水口の中にネッカーがびっしり詰まっているとか、ロットフィーンドの体液で身体を洗っているとかしてないか」

叢雲「?」

ゲラルト「……臭うぞ」

叢雲「………!!?」カァア

叢雲「アンタ……最っ悪!!わたっ、デリカシーがなさすぎるんじゃない!!?さっきから……」ハッ

叢雲「……別に、さっきは何もなかったけど!!気づいても言わないでよ!私だって入りたいのに、我慢してるのにっ!!」

叢雲「最低……」

ゲラルト「落ち着け。慰めにならんかもしれんが、俺たちウィッチャーは放浪の民だ。風呂に入れる方が稀の俺からすれば、おまえの体臭はひどいと言いたいわけじゃない」

ゲラルト「いやな血の匂いだ。おそらく鼻腔内で化膿している。蓄膿症かなにかだろう。朝起きた時鼻血とハナクソが詰まっているだろう」

叢雲「……」コク

ゲラルト(まあ、実際は体臭もひどいがな)

ゲラルト「清潔にできていればそんなことは起こらない。どうして風呂に入らないんだ」

叢雲「前提督様が栄転なされたひと月前……許可なしでは、私達艦娘は入渠してはいけない決まりになっています」

叢雲「全部が全部許可許可許可……たとえ中破や大破していても入渠することを許されず、出撃を命じられ、帰らぬ人になった人を大勢知っています」

叢雲「中破して、服もぼろぼろ。じろじろ見てきて……ほんと、最悪だった……!」

ゲラルト「……」


1.入渠してこい
2.わからないな

ゲラルト「清潔にできていればそんなことは起こらない。どうして風呂に入らないんだ」

叢雲「前提督様はひと月前に栄転されましたが……許可なしでは、私達艦娘は入渠してはいけない決まりになっています」

ゲラルト「もう栄転したんだろう」

叢雲「……全提督様が何らかでこちらにお越しになった際、決まりを破ったとして罰せられたくなかったからです」

叢雲「全部が全部許可許可許可……たとえ中破や大破していても入渠することを許されず、出撃を命じられ、帰らぬ人になった人を大勢知っています」

叢雲「中破して、服もぼろぼろ。じろじろ見てきて……ほんと、最悪だった……!」

ゲラルト「……」


1.入渠してこい
2.わからないな

ゲラルト「ウィッチャーは人間の感覚や感情を捨てた節がある。ズレてはいないと信じたいが、前任者の所業は筆舌尽くしがたい程の救いがたいゴミカスだ」

ゲラルト「俺たちは巧い言葉を紡げない。おまえたちの世界の理は知らないが俺はおまえが不憫で仕方ない。そう思う」

ゲラルト「敵は深海棲艦と言ったな。それを定めたのが大本の海軍で……察するにこの鎮守府は、戦艦が何隻もあった数えるほどの大きい鎮守府だ」

ゲラルト「大拠点の主がクズなら国王もクズというのは世の常だ。敵は2つ、鎮守府に攻め入る先の者と軍だ。おまえたちを真に開放するにはどちらも叩く必要がある」

叢雲「そ、早急では……」

ゲラルト「あくまでもウィッチャー流だ。相手とまずは対話する。邪魔となれば殺す。必要があれば見逃す。あくまでも自分の価値観が正義となるのが問題だが」

ゲラルト「それでも他に世界を救う方法がないなら、救わないほうがまだましだ」

ゲラルト「どうする」

叢雲「……提督さんは、どうしたいんですか」

ゲラルト「門を開く手段ではなく、俺はおまえたちを助けるために働こう」

叢雲「答えになってないです」

ゲラルト「おまえもな」

叢雲「……………考えさせてください」

ゲラルト「ああ」

ゲラルト「……よく、その小さな身体で耐え切った」

叢雲「……」ピク

ゲラルト「後は風呂で、ゆっくり考えろ」

叢雲「失礼、します」タタタ

……


叢雲『………グス……ウッグ』ジャバジャバ

ゲラルト「……耳が良い事も考えものだな」


……

本日はここまでで。安価参加ありがとうございました。次回の更新前日にまたレスします。

ゲラルト「……」ショリショリ

叢雲「……おはようございます、提督」

ゲラルト「おはよう。早いじゃないか」

叢雲「………」

ゲラルト「どうした」

叢雲「……お、おはよう、提督」

ゲラルト「ああ」

叢雲「……」

叢雲「提督が起きるのが早すぎるのよ!」パタパタ

叢雲「……隣、座るわよ」ちょこん

ゲラルト「ああ」

ゲラルト「……眠ったらずいぶん雰囲気が変わったな。昨日のお前はどこに隠れてるんだ?」

叢雲「うるさいわね。これが本当の私よ。……幻滅した?」

ゲラルト「何をだ」

叢雲「……ほら、昨日みたいに。丁寧というかしゃんとしてないでしょ」

ゲラルト「ハ、ほう。いや。あれでしゃんとしてると言えるとはな。まだ頭に寵愛の傷跡が見える」

ゲラルト「風呂に入れば頭も治ると思ってたんだが……失敗だな」

叢雲「う、うっさい!」

ゲラルト「まぁ元気そうでなによりだ」

叢雲「……これからよろしく、提督」

ゲラルト「ああ。よろしく頼む」

叢雲「……」

ゲラルト「……」

叢雲「何か喋りなさいよ」

ゲラルト「情緒不安定だぞ。落ち着いたらどうだ」

叢雲「こっこれがいつもの私なの!!」

ゲラルト「……」

叢雲「……」

叢雲「なにやってるの?」

ゲラルト「霊薬を作っている。それは爆薬だ」

叢雲「ふぅん」

ゲラルト「触るな」

叢雲「わ、分かったわ。そんなに怒る?」

ゲラルト「エンドレガの巣に手を出す子供を諌めない親はいない」

叢雲「私はアンタの子供じゃないけどね。それにしても子供扱いなんてどういう了見?」

ゲラルト「……」

叢雲「……」

ゲラルト「何か気に障ったか」

叢雲「……ううん」

叢雲「人がいるのが久しぶりだから、つい嬉し」

叢雲「……やかましかったの!耳触りなのよシャリシャリと!」

ゲラルト「……」

叢雲「……」

ゲラルト「……とてもいいにおいだ。頭の洗い方は忘れてなかったようだな」

叢雲「ええ。もうくさいなんて言わせないわ」

ゲラルト「おい髪をかきあげるな。埃が火薬に混ざる」

叢雲「い……いいじゃない。綺麗になったんだから!見なさいよ!」グイッ

ゲラルト(ずっと一人でいた反動か、急に話し相手ができて上機嫌だな。昨日のこいつは本当にドップラーだったんじゃないかと疑わしい。しかし……)

叢雲「私に構ってもらえるなんて光栄の極みよ?もっと喜びなさい!」

叢雲「……ちょっと!」グイグイ

叢雲「あれ?ねえ!」

ゲラルト「黙れ」

叢雲「……」

ゲラルト「……飯でも食ってこい」

叢雲「分かったわ……」トボトボ

叢雲「かちゃかちゃ」(缶詰を物色中)

ゲラルト「……」

ゲラルト「……」

ゲラルト「……?」

叢雲「いただきます」かぱっ

ゲラルト「おい。まさかここで食うのか」

叢雲「え。どこで食べようと私の勝手でしょ!仕方ないわね!」パァッ!

ゲラルト「クソ」

…………

……

~鎮守府正面海域~


叢雲「……提督。これ以上ないってくらい異常なし。敵影なんて全く見られないわ」ザ……

ゲラルト「よし。探索を続けろ」

叢雲「……」

叢雲「……ねぇ、大丈夫?」

ゲラルト「なにがだ」

叢雲「だって……」

ゲラルト「お前が心配するのはこの海域を仕切っている深海の生物だ。必ずいる」

叢雲「いないって言ってるじゃない!」

ゲラルト「いいから探せ」

叢雲「……もぉ~~~…」

ゲラルト(メダルが震えている。いないなんてある訳がない)

ゲラルト(しかし変だ。メダルが震えるということは……)

叢雲「ていうか!なんで提督が!」

叢雲「なんで一緒に出撃してるのよーーーーーーーーーーーーーーー!?」

ザッパーン!!

ゲラルト「……ん?船があれば海は渡れる。それよりもっと先行して索敵しろ。俺に合わせずともいい」

叢雲「そういう問題じゃないわ!」

叢雲「ありえない……ありえないわ……」プルプル

ゲラルト「!」

叢雲「え……て、敵影発見!数3!真正面!う、うそ……!?」

ゲラルト(どんな奴だ。さて)

ゲラルト「ウワサの酸素魚雷はどうした。撃て!先制しろ」

叢雲「も、き、今日は持ってないの!」

ゲラルト「笑えないな」

叢雲「敵機確認!……いっ!?」

軽巡ホ級、駆逐イ級、戦艦ル級「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

ゲラルト(怪物。一体は人の形)

叢雲「せっ戦艦ル級!!?鎮守府のこんなに近くに!?ありえないわ!」

ゲラルト「落ち着きがないな……大丈夫か?」

叢雲「私のセリフよ!提督こそ!?」

ゲラルト「ああわかった。早く右手のそいつで撃ちまくれ」

叢雲「分かってる……わよ!」ドンッ!

軽巡ホ級「ーーーーーーーーーー?!?!?」轟沈

叢雲「よし。悪くないわ!」

ゲラルト「戻れ!」

叢雲「え?」

戦艦ル級「ーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」ドドドンッ!

叢雲「あ……ぐっ!?(調子に乗った……!)」目を瞑る

叢雲「…………ぐ」

叢雲「………………」

叢雲「…………」

叢雲「……当たらなかった……?」

ゲラルト「「「うおおおおおお!!」」┣¨┣¨┣¨┣¨ドド……

叢雲「て、提督!大丈夫!?くっ!」

ゲラルト(あいつ。どう考えてもあの位置からなら叢雲を狙うべきだった。それを……)ゲホゲホ

ゲラルト「……ふっ」ポイッ

駆逐イ級「ーーーーー!!!」ドゴオオオオン!!!

ゲラルト(なんてあっけない。散弾1つで沈むのか?問題は人型だ)

叢雲「提督!!」

ゲラルト「大丈夫だ。すべて外れた」

叢雲「!」ほっ

叢雲「……あれ?もうあの戦艦一機……もう一機は撤退したの?」チラチラ

叢雲「これは僥倖ね、提督」

ゲラルト「ああ」

戦艦ル級「ーーーーー!!!」

ゲラルト(いくつか……あいつの挙動から感じる。怒り、悲しみ、喪失感、絶望、そして知性)

ゲラルト(クソ。風がうなっている)

ゲラルト「叢雲。俺と奴の間に入るようにして出来るだけ早く前進しろ」ギッ

叢雲「提督は?私が離れると提督は生身よ!?」

ゲラルト「ああ。ほらいけ」

叢雲「ちょっと!……もぉ~!」ザァッ

ゲラルト(奴の狙いは俺か。なぜだ?艦娘を攻撃しない敵?あの妖精が言っていたことは間違いだったのか)

ゲラルト「!」

ゲラルト(なんだ?あの特徴的な髪留めは。無骨な外見には不釣り合いな金色が光っている)

ゲラルト(……こいつは訳ありか?艦娘を攻撃せず俺を。人を見分ける力があり、意図的に俺を。だとするとこいつは)

戦艦ル級「「ーーーーーーーーーーーー!!!」」┣¨┣¨┣¨┣¨ドドッッ!

叢雲「あ!」

ゲラルト「ああ」ヒュルルルルル……

ゲラルト「「「…………!!」」┣¨┣¨┣¨┣¨ドド……

叢雲「提督ーー!大丈夫ーーーー!?」

叢雲「……」

叢雲「て、提督……?!」

…………

……


ーーーーーーバチッ!!

叢雲「!?」

戦艦ル級「「「!?」」

…………シー……ン……。

戦艦ル級「………………??」

戦艦ル級「…………」

戦艦ル級「…………?!」グラッ

叢雲(紫の電撃?紫の電撃が、煙の中を突っ切って)

ーーーーーーバチィッ!!

戦艦ル級「「ギッ……」」

ーーーーーーバチチチチチィッッ!!!!!!!

戦艦ル級「「「イギギャャああああ!!」」」」

叢雲「…………」

叢雲「なん……!?」

ゲラルト「飛ぶ砲弾。避ける練習はウォーターハグと死ぬほどしたよ」

ゲラルト「終わりだ怪物」ヌッ……

ゲラルト「!」ピタ

戦艦ル級「ーーーーーーーー」

ゲラルト「……お前は」

…………

……

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年06月15日 (水) 14:23:36   ID: ITFmCV_a

期待続きが楽しみ

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