モバP「えっ?ベテさんに届け物を?」マス「届けてくれ」 (52)

モバP「えっ?トレさん達の部屋に?」マス「招待しよう」
モバP「えっ?トレさん達の部屋に?」マス「招待しよう」 - SSまとめ速報
(http://www.logsoku.com/r/news4vip/1360170858/)

モバP「え?トレさんを休日に?」マス「誘いたまえ」
モバP「え?トレさんを休日に?」マス「誘いたまえ」 - SSまとめ速報
(http://www.logsoku.com/r/news4vip/1361895281/)

モバP「えっ?ルキちゃんと一緒に?」マス「留守番するんだ」
モバP「えっ?ルキちゃんと一緒に?」マス「留守番するんだ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1369842804/)


番外編
モバP「えっ?振り付けをトレさん達で?」マス「担当しよう」
モバP「えっ?振り付けをトレさん達で?」マス「担当しよう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370020465/)


※前回のルキの話のエンディングで行き過ぎた表現があったため不快な思いをされた方がいたと思います
 申し訳ありませんでした。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370716285

P「嫌です」

マス「随分、きっぱりと言い切ったな? どうした?」

P「前回の仕打ち忘れたんですか? もう嫌です」

マス「あのことは散々謝ったではないか」

P「いつも僕、小間使いみたいになってるじゃないですか。僕にも拒否権はあります」

マス「ならば、仕方ないな……」

P「な、なんですか?! 脅しには屈しませんよ!」

マス「脅しなどしない。たまには君にもアメをあげなければならないな」

P「アメ?」

マス「うむ。それではな……」

————————————トレーナー姉妹の家

ベテ「ふわぁぁ……よく寝た……久々のオフはいいものだな」

ベテ「とはいえ、やることがなくて暇だ……」

ベテ「姉さんとルキはレッスン、トレは……どうやらジムに出かけてるようだな」


ぴんぽーん


ベテ「ん? 誰だ?」

P『こんにちはPです』

ベテ「Pか……どうした?」

P『ベテさん、いらしてたんですね。マスさんから言われて届け物もってきました』

ベテ「届け物?」

P『はい。あ、あとトレさんいますか?』

ベテ「トレがどうかしたのか?」

P『ちょっとお話したいことがありまして……』

ベテ「なんだ? 私には言えないのか?」

P『え? ええ……まあ……』

ベテ「ふんっ……だが、トレは………………!!!」

P『どうしました?』

ベテ「P、悪いがあと10分ほど時間を潰してきてくれないか?」

P『え? どうしてですか?』

ベテ「悪いが今、トレはシャワーを浴びている最中だ。この状況で君を家に上げるとトレが怒るのでな」

P『そうですか……わかりました。それではジュースでも買ってきますね』

ベテ「すまないな」



ベテ「ふふふ……」

————————————トレの部屋

ベテ「相変わらず何もない部屋だな……さて、悪く思うなよ、我が妹」

ベテ「服は……これがいいな」

ベテ「メイクは薄めに……髪の分け目は……こんな感じか?」

ベテ「うむっ、我ながら完璧な再現度だ」

ベテ「後は声だな………んんっ……あーあー……」


トレ『こんにちは、Pさん。ふふっ』


ベテ「これならいいだろう……ふっ、Pよ。いつでも来るがいい」

ぴんぽーん


P『こんにちは、Pです』

 ベテ(来たな……)

トレ『まあ、よくいらっしゃいましたPさん。今、開けましたので上がってください』

P『はい。ありがとうございます。トレさん』

 ベテ(よし、声では気づかれてないな)

ぴんぽーん


トレ『はーい』


がちゃ


P「こんにちは、Pです」

トレ『いらっしゃいませPさん、どうぞ上がってください』

P「……」

 ベテ(ん? なんだ?)

P「トレさん……」

 ベテ(しまった……バレたか?)

P「今日はなんだか雰囲気違いますね? すごくいいと思います」

トレ『や、やだ! Pさんたらお世辞ばっかり……』

P「いえ。その服、とても素敵ですよ」

 ベテ(ほっ……バレなかったか……とはいえ)


 ベテ(……なんか腹が立つ)

————————————居間

P「これ、近くのコンビニで買って来ました。どうぞ」

トレ『まあ! こんなにたくさん……ありがとうございます!』

P「いえいえ」

トレ『それで? ご用件とは?』

P「ああ、そうだ……これ、マスさんが」

トレ『これは?』

P「なんでもベテさんに渡すように言われまして。何かの資料のようです」

 ベテ(ああ、先週のトレーニング日報か。メールでくれればいいものを)

P「そうだ、ベテさんはどうしました? 先ほどいらっしゃったようですが?」

 ベテ(しまった! 自分のことを忘れていた……)

トレ『ね、姉さんは……えっと……あ、シャワー浴びてます!』

P「あー、それは残念ですね」

トレ『わ、私から渡しておきますね』

P「そう言えば、トレさん?」

トレ『は、はい?……何でしょう?』

P「先ほどシャワー浴びてらしたんですよね?」

トレ『ええ、まあ……』

P「髪、乾くの早いですね?」

 ベテ(ちっ、意外に鋭いな)

トレ『Pさんがおいでになるというので、急いで乾かしたんですよ』

P「それはすいません。急かしたみたいになりまして……」

トレ『い、いいんですよ』

 ベテ(なんとか切り抜けたな……)

トレ『そうだ。姉さんから聞きましたが、私に用事とは?』

P「実はですね。マスさんからトレさんのお休みの許可を頂いたんですよ」

トレ『え? 私の?』

P「それで、もしよろしければ一緒にどこかに行きませんか?」

トレ『そ、そうですね……考えておきます』

 ベテ(つまらん……)

P「日にちは今度お互い合わせましょうか?」

トレ『それにしても、マス姉さんがよく許してくれましたね?』

P「実は今回のおつかいの報酬に頂いたんですよ。トレさんとデートできる権利を」

トレ『そうだったんですか……』

 ベテ(おのれ、姉さん。妹を売ったな……)

P「スペシャルテクニック1回とどちらか選べと言われて、こっちを選んじゃいました。あははは」


ベテ「何を考えているんだ! そちらを優先させるべきだろ!!」


P「えっ?」

 ベテ(しまった! つい本音が……)

トレ『え、え……えっと……Pさんたら……恥ずかしい』

P「あ、す、すいません」

 ベテ(危ない……難は逃れたようだな……)

P「じゃあ……僕はこれで」

トレ『あっ! 待ってください!』

P「? 何か?」

トレ『え、えっと……』

 ベテ(思わず呼び止めてしまった……ええい!)

トレ『Pさん……この後、用事ありますか?』

P「特にないですね。今日は早上がりなんで……強いて言えば、明日から拓海と涼がロケに出るので、付添の準備くらいです」

トレ『Pさん……よかったら、今からデートしませんか?』

P「えっ? 今から?」

トレ『私、Pさんとデートしたいです!』

P「え、ええ……トレさんがよければ」

トレ『では、行きましょう!』

P「ああっ! トレさん、そんなに引っ張らないで!!」


 ベテ(……ふんっ)

http://i.imgur.com/2kVOARo.jpg
http://i.imgur.com/ArZsYoc.jpg
マスタートレーナー(28)

http://i.imgur.com/ZGIOow7.jpg
http://i.imgur.com/mHK33N6.jpg
ベテラントレーナー(26)

http://i.imgur.com/URSfa04.jpg
http://i.imgur.com/hcW2fi8.jpg
トレーナー(23)

http://i.imgur.com/zjQKgem.jpg
ルーキートレーナー(19)

今日はここまでです。

続きは夕方か夜にでも書きます。

ベテとトレの会話が混在する形になりますが、読みにくかったら言ってください

>>10
画像先輩、いつもありがとうございます

————————————市街地

トレ『それではPさん、どこに行きましょうか?』

P「え、えっと……」

トレ『どうかなさいました? Pさん?』

P「そ、その……腕に抱きつかれると、その……ドキドキしてしまって」

トレ『ふふふ、Pさんって純情なんですね』

 ベテ(まったく……この程度でデレデレしおって……)

P「……じゃ、じゃあ、こうしましょうか?」

トレ『え?』

 ベテ(……?)

きゅっ


ベテ「ひゃあああっ!!!」

P「だ、大丈夫ですか?」

ベテ「いきなり手を握る奴がいるか! 馬鹿者!!」

P「す、すいません」

ベテ「大体、君は…」

P「……??」

 ベテ(しまった! 今はトレだった!!)

トレ『す、すいません……突然だったもので……その……』

P「い、いえ。いいんです。前回は手を繋げたので、いいのかと思ってました」

 ベテ(なんだと……破廉恥な奴め)

P「この後なんですが、食事に行きませんか? もうお済みになられました?」

トレ『いいえ、まだです。行きましょうか?』

P「はい、いいお店見つけたので気に入って頂けますよ」

トレ『ふふふ、楽しみです』

 ベテ(面白い。こちらも腹が減ったところだ。食い尽くしてやる!)

————————————日本料理屋

P「どうです? 美味しそうでしょ?」

トレ『……』

 ベテ(……)

P「トレさん、前に食事にもヘルシーさが必要と言っておられたので薬膳料理を探していたんですよ」

トレ『……そ、そうですね』

 ベテ(確かにトレならそう言うだろうが……私にこれを食えと?)

P「見てください、この豆ご飯。よく炊けてて美味しそうですよね」

 ベテ(豆などいらん! 肉をよこせ!!)

P「これなんだろ? ああ、大根の葉のサラダか……こういうのも摂ったほうがいいんですよね?」

トレ『も、もちろんですよ……』

 ベテ(肉! 寿司! 天ぷらあああぁ!!!)

————————————市街地

P「どうです? お気に召しましたか?」

トレ『も、もちろんです。大満足ですよ』

 ベテ(するか!!)

P「この後ですが、どうします?」

トレ『そうですね……えっと……』

 ベテ(このまま、Pに任せていてはダメだ……考えろ)

P「あっ、ちょっとお待ちください」

トレ『どうしました?』

P「靴紐がほどけてしまいました。ちょっとだけお待ちください」

トレ『はい』

 ベテ(今のうちにどこか……ん? 道路の向こう……あれは)



トレ「今日は何にしようかしら?……最近、肉が多いから……」ブツブツ



 ベテ(ぎええええええっ! よりによって本人が来るとは!!)

 ベテ(向かってくる!! どこか! 何処かに隠れないと!!)

P「お待たせしました、トレさん。それでh」

トレ『Pさん! こっちへ!!』

P「? どうしました?」

トレ『いいから!! 早く!!』

P「わ、わ、わちょっと」

 ベテ(しめた! あのビルの隙間なら!!)

————————————ビルの隙間

 ベテ(……)ゴクリ

P「??……あの……」

トレ『しーっ!』

 ベテ(行ったか?)

P「あ、あの……トレさん……」

トレ『静かにっ!!』


トレ「最近、姉さんもルキも好き嫌いしてるのよね……なにか考えないと」ブツブツ


 ベテ(よしっ! どうやら気づかれなかったな……)

P「あ、あの……トレ」

ベテ「うるさいっ! なんだっ?!」

P「そ、その……か、体が……胸がその……当たって」

ベテ「ん?」


ふにょん


ベテ「ふにゃああああっ!!」

P「ご、ごめんなさい! そういう意味じゃなくて」

ベテ「かかか体を密着させるとは!! 変態かっ、君は!?」

P「??……トレさん??」

 ベテ(まずいっ!)

トレ『ご、ごめんなさいっ!!……つい……』

P「い、いいんですよ。その……僕も嬉しかったですし……」

 ベテ(つ、疲れる……)

————————————市街地

 ベテ(このままPのペースでは体が持たない……どこか……!)

トレ『Pさん! あれを見てください!』

P「ん? ああ、家電量販店ですね。ああいうお店好きなんですか?」

 ベテ(新しいタブレットが出てるではないか!! チェックせねば!!)

トレ『もちろんですっ!! 行きましょう!!』

P「え? あ、は、はい……」

————————————家電量販店

 ベテ(なんというパラダイス!! 新製品ばかりではないか!!)

 ベテ(これでデイトレが捗るな……これはNY用にして、これはロンドン市況用に)

P「トレさん、こういうのお好きなんですね? 意外でした」

トレ『え? ええ、まあ……』

 ベテ(うるさい奴だ。黙って見せてくれ)

P「僕もそろそろ新しいノートを買おうと思うんですけど」

トレ『あら? そうなんですか?』

P「ちょっと見繕ってもいいですかね?」

トレ『どうぞどうぞ』

 ベテ(やっと、落ち着ける)

P「えっと……ああ、これカッコイイな。オシャレだし」

 ベテ(……)

P「これってあの女優さんがCMしてるやつだな。便利そうだ」

 ベテ(…………)

P「おおっと、結構値段するんだな……でも、まあ新しいから仕方ないか」

 ベテ(………………)

P「このマークなんだろ? いんてる? サッカーのチームの親会社??」


ベテ「だああああああああああああっ!!!」


P「???」

ベテ「さっきから聞いていたらなんだ? その基準は!」

P「えっ?……えと……」

ベテ「いいか? PCを選ぶ基準はまずは性能だ! その次が価格!!」

P「あ、はい……」

ベテ「CMなどに騙されるな! 新しければ高いというものではない」

P「……」

ベテ「そのPCは去年発売されたもののマイナーチェンジだ。アクセサリと新OSで高く見せてるにすぎん」

P「そ、そうなんですね?」

ベテ「逆にこの海外メーカーは信頼出来る。昨年、台湾に工場を作りコストを下げている」

P「な、なるほど」

ベテ「待ってろ、今スマホで調べてやる」

P「……」

ベテ「あった。これを見ろ。今ならネット通販で10%引きだ。これを元に値引き交渉をしろ」

P「……ふむ」

ベテ「それとintelは搭載されている半導体を作った会社だ。サッカーはinter。LとRで違う」

P「べ、勉強になります」

ベテ「わかればいい」

P「あの……」

ベテ「まだ、何かあるのか?」

P「いえ。トレさん、スマホ使えるんですね。驚きました」

ベテ「あっ」

 ベテ(しまった! あいつはガラケーだった!! しかも5年前の!!)

トレ『え、え、え、えっと……べ、ベテ姉さんに教えてもらったんですよ』

 ベテ(さすがにバレたか?)

P「そうなんですか? すごく上手でびっくりしました」

 ベテ(何とかごまかせたか……)

今日はここまでです

本日中に投下を済ませたかったんですが
この後に欠陥を見つけたので書き直しています

明日にはすべて終わらせます

————————————市街地

 ベテ(余計に疲れてしまった……おのれ、Pめ)

P「トレさん」

トレ『は、はいっ』

P「最後にちょっと寄り道してもいいですか?」

トレ『え? ええ……』

 ベテ(そろそろ帰りたくなってきた……)

————————————テーマパーク

トレ『ここは?』

P「次にイベントが行われる予定のテーマパークです。ちょっと下見をしておきたいと思いまして」

トレ『そうだったんですね』

P「よかったら入ってみませんか? トレさんにも気に入ってもらえると思います」

トレ『は、はい……』

 ベテ(やれやれ、これを最後にするか……)



トレ『け、けっこう混雑してますね……』

 ベテ(私は人混みは苦手なのだが……)

P「大丈夫ですか?」


きゅっ


トレ『あっ』

P「これなら迷子になりませんよ。手を離さないでください」

トレ『は、はい……』

 ベテ(……)

————————————野外ステージ前

P「あった。ここだ」

トレ『ここ……ですか?』

P「そうです」

 ベテ(これは驚いた。ステージは図面でおおよそを把握していたが……)

 ベテ(実際は違った印象を受けるな)

P「えっと、客席は……なるほど、比較的段差は低いな。後列は見づらくなりそうだ」

トレ『……』

P「ステージは……あっ! ここめくれてるな。気をつけないとダメだな」

P「一応、写真をとっておくか……あとは上手側に」

トレ『Pさん』

P「あっ、はい?」

トレ『イベントの時はいつもこのようなことを?』

P「そうですね。可能な限り下見はします」

トレ『どうしてですか? 設営にはちゃんと別の会社にお任せしてるのに』

P「もちろん、設営会社にお任せはしています。ただ、自分の目で見ておきたいんです」

トレ『……』

P「それに……」

トレ『それに?』

P「ここであいつらが歌ったり、踊ったりするのを想像するのが楽しいんです」

トレ『……熱心なんですね』

P「あはは。勤務外時間に行くんでちひろさんに怒られますけどね」

トレ『……』


 ベテ(いいプロデューサーしてるじゃないか。ふふっ)

————————————テーマパーク内

 ベテ(いつまで確認しているんだ? デートの相手を放置とは考えられん)

 ベテ(ん? あれは?……)

P「すいません、お待たせしました。トレさん、この後は……」

トレ『……』

P「ん? どうかしましたか?」

トレ『……』

P「トレさんの視線の先……ゲームコーナー?……ああ、なるほど」

トレ『……』

P「トレさん」

トレ『わっ!……Pさん、ごめんなさい……ぼーっとしちゃって』

P「いえ、こちらこそお待たせしてすいません」

トレ『では……』

P「あ、その前に……あれ、気になります?」

トレ『えっ?』

 ベテ(なんだ?)

————————————ゲームコーナー

P「よし……これでどうだ……」

トレ『……』

P「もうちょい、もうちょい……そのままそのまま……あっ!」

トレ『……』

P「くっそおお、もう少しだったのに……もう一回だ!!」

トレ『Pさん……なにをしてらっしゃるんですか?』

P「ん? このペンギンのぬいぐるみが欲しかったんですよね? もう少し待っててください」

トレ『……』

 ベテ(……私は、その奥のレトロゲームを見ていただけだ)

店員女「お客様?」

P「あっ、はい?」

店員女「よろしかったら、取りやすい位置まで移動させましょうか?」

P「えっ? 本当ですか? そんなことできるんですか?」

トレ『いえ、どうぞお構いなく』

P「え? あ? ちょっと、トレさん!!」

 ベテ(……付き合いきれん)

————————————自販機コーナー


P「えっと……何か乗り物とか乗ります?」

トレ『いえ。今日は大丈夫です。少し疲れたので』

P「そうですね。少しゆっくりしましょうか」

 ベテ(やれやれ、まだ遊ぶ気だったのか。困った奴だ)

 ベテ(…………ん?)


がしゃーん!!


P「ん? 何の音だ?」

トレ『…………』

 ベテ(…………)

清掃のおばさん「いたたた……」

DQN1「いってええな、ババア!! どこ目つけてんだよ!!」

DQN2「ぎゃははは! おめー、ジュースこぼれてっぞ」

DQN1「あっ! てめえ……客に何してくれてんだ? 弁償しろよ、コラぁ!!」

おばさん「す、すいません……」

DQN2「ゴミ拾いの分際でふらついてんじゃねーっつうの」

おばさん「すいません、すいません」



P「あいつら……なんてことを」

 ベテ(……)

P「あっ! トレさん! どちらへ??」

DQN1「謝るより先に弁償だろ? クリーニング代も払えよ」

おばさん「え……」

DQN2「え、じゃねーよ? きこえてねーの?」


ベテ「おい。貴様ら」


DQN1「あん? なんだ、てめー?」

ベテ「終始見せてもらった。今のはお前たちがよそ見をしていたからだろう」

DQN2「なに? このネーチャン?」

ベテ「今すぐ、この婦人に謝れ。そして、先ほどの暴言を取り消せ」

DQN1「ばっかじゃね? 俺たち客だぞ?」

ベテ「だから、どうした? 礼をわきまえないものなど客でもない」

DQN1「んだと? コラぁ!?」

DQN2「オネーサン、可愛いねえ。俺らと遊んでくれたら許してあげるよ。な?」


ぱんっ


DQN2「ってえ……」

ベテ「汚い手で触るな。バイキンが感染る」

DQN1「てんめええええ!!!」


がしっ


DQN1「いたたたたたたたた!!!!」

ベテ「女に手を挙げるとは……どこまでも見下げ果てた奴らだな」

DQN1「わ、わかった! 謝るから!! 離せ!! 腕が折れる!!」

ベテ「きちんと膝をついて謝るのだぞ」


どんっ


ベテ「いたっ!」

DQN1「誰がするかよ!! ばああああか!!!」

DQN2「おいっ!! 逃げるぞ!!」ダダダダ

ベテ「貴様ら……待てっ!!!」

P「あ! ちょっと!! トレさん!!!」

————————————テーマパーク内

ベテ「ちっ! 逃げ足の早い連中だ……」

ベテ「スカートとサンダルでなければ捕まえられたものを……」

P「ま、待ってください……はぁ……トレさん……はぁ」

ベテ「Pか……君は一体何をしていた?」

P「え? あ……その……」

ベテ「あれがもし、自分のアイドルだったらどうするつもりだ?」

P「え?……えっと……」

ベテ「ライブに来るものは必ずしも好意的であるとは限らない。アンチと呼ばれる奴らもいる」

ベテ「先程の輩のようなものが絡んできた時に、君はどう守るつもりなのだ?」

ベテ「手早く捕縛し関係機関に引き渡さないと、また同じようなことが起きるぞ」

P「それは……」

ベテ「もういい。少しは君のことを認めた私が愚かだった」

P「……」

店員女「あっ!! いたいた!!! すみませーん!!」


P「はい?」

ベテ「あれはゲームコーナーの店員?」

店員女「先ほどは、母をありがとうございました」

P「え? 母?」

店員女「清掃をしている途中に怪我をしたと聞いたので」

ベテ「先程のご婦人の娘さんだったのか……」

店員女「救護室で母に聞いたら男性が背負って運んでくれたようで、名前も告げずに去っていかれたと」

ベテ「……」

P「いえ、当然のことをしたまでです。お母さんの容態はどうです?」

店員女「大丈夫です。少し挫いたようですが大した怪我ではありません」

P「そうですか。よかった」

店員女「お礼になるかわかりませんが……もし、よかったらこれどうぞ」

P「これは、あのペンギンのぬいぐるみ?」

店員女「こんな事しか出来ずに申し訳ないですが……」

P「いえ、別にお礼が欲しくて助けたわけではないので」

店員女「それでは、そちらの彼女さんにお渡しということで」

ベテ「えっ?」

P「わざわざすいません……」

店員女「いいえ、本当にありがとうございました」

ベテ「……」

————————————テーマパーク内

P「さて、帰りましょうか? トレさん」

ベテ「……」

 ベテ(あの時……私は完全に頭に血が上っていた)

 ベテ(あの連中を捕まえることも必要であったかもしれん)

 ベテ(だが、最優先すべきはご婦人の怪我の具合だった……)

 ベテ(怪我をしているのならば、救護室に運ぶのが最優先だ)

 ベテ(……愚かなのは私の方だ)

ベテ「すまない……色々言って……この通りだ」

P「あ、謝らないでください、ベテさん。おっしゃってることも正しいので」

ベテ「……そうか…………ん? 今?」

P「あっ……」

ベテ「気づいていたのか?」

P「すいません……騙すつもりはなかったんですが、その……ベテさんなりの意図があると思って」

ベテ「どこで気づいた?」

P「最初に見た時に雰囲気が違うのでもしやと思いましたが、ビルの隙間で髪の匂いが違うので確信しました」

ベテ「髪の匂いだけでとは……君は本当に変態だな」

P「仕事柄、女性の多い職場ですので……」

ベテ「そうか……気づいたか……ふふっ」

P「??」

ベテ「なんでもない。帰るぞ」

————————————テーマパーク内

DQN1「なんなんだよ、あの怪力女は。うぜー」

DQN2「おい、見ろ。さっきの女だ」

DQN1「本当だ……ムカつく」

DQN2「もうやめとこうぜ。また追っかけられるぞ」

DQN1「最後にこの缶をぶつけてやるだけだ……よっと!」


かぁん


???「いたっ!!」

DQN1「ありゃ?」

DQN2「ばーか、外れてんじゃん」

???「今、ぶつけたんはワレか? こたえー」

DQN1「なんだ? このチビ?」

???「こたえー言うとるじゃろ」

DQN1「なんて言ってるのかわかりませーん。日本語でどうぞ」

???「げに東京モンはシツケがなっとらんのう」

黒服「巴お嬢! 言われてたミントアイス買ってきやしたぜ!!」

DQN1「えっ」

黒服「ん? お嬢? どうかされたとですけえ?」

巴「この男がワシに缶をぶつけたんじゃが、謝ろうとせんでの」

黒服「ほぅ……」ギロッ

DQN2「おい……マジモンじゃねえか」

DQN1「本職かよ……」

黒服「兄さん、ヤンチャがすぎるんじゃねえかのう?」

DQN1「……」

巴「派手に暴れたら迷惑じゃ。シツケだけしとけ」

黒服「へい、お嬢……いこうか? 兄さんたち」

DQN1・2「ひいいいいいい」


巴「東京は怖いところじゃ……」

————————————トレ姉妹宅

ベテ「……ただいま」

トレ「おかえり姉さ……って! 私の服!!」

ベテ「ああ……少しだけ借りた」

トレ「もうっ! 一言言ってくれればいいのに!!」

ベテ「すまん……これは土産だ」

トレ「えっ?……これって……」

ルキ「すごーい!! 新しいトレーニングウェアに最新のシューズじゃない!!」

トレ「ど、どうしたの?」

ベテ「……なんでもない」

マス「……ふむ」

ルキ「あのケチなベテお姉ちゃんが、プレゼントなんて……ん? これはぬいぐるみ?」

ベテ「ああ、それは私のだ……すまん」

ルキ「えっ! あの……『栃木の狂犬』と呼ばれたベテお姉ちゃんがぬいぐるみ……」

ベテ「私は少し疲れた……部屋に戻る。服は後でクリーニングして返す」

トレ「え?……あ、はい……」

ベテ「ねえ、マスお姉ちゃん? 何かあったのかな?」

マス「ん?……さあな」



from ベテ

sub 休みについて

次の私の休みをトレに渡しておいてくれ




マス「何かあったんだろうな……ふふ」

トレ・ルキ「……」

————————————ベテの部屋

ベテ「彼はちゃんと私に気づいてくれていたのか……浅はかなことをしてしまったな」

ベテ「ぬいぐるみか……私らしくもない」

ベテ「それにしても……このぬいぐるみ……Pに似ているな」

ベテ「ならば、今日からお前はPだ。ペンギンだからちょうどよかろう」

むにっ

ベテ「ふふふ、可愛いやつだ」



ベテ「今度はきちんと私として……正面から申し込んでみるか」

ベテ「おやすみ……P」



おわり

http://i.imgur.com/rWhZIno.jpg
http://i.imgur.com/fEXl9jb.jpg
村上巴(13)

これで終わりです

鯖が落ちるというので駆け足での投下になりました
申し訳ない

残る最後のマスの話は少し先になりそうです
読んでくださってありがとうございました

>>46
画像先輩最後までありがとうございます

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