提督「……そんな言葉どこで知った」
時津風「ねー、パチンコってなんなのさー」
提督「……大淀、なにか知っているか」
大淀「あはは……。実は、この間の休みにお二人で歓楽街の方へ向かったようで……」
提督「あそこには小汚いおっさんがいっぱいいるから、行っちゃ駄目で言ったでしょ!」
時津風「小汚いって、司令みたいな人ー?」
提督「うぐ……」
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提督「それに、あそこはオトナしか入っちゃ駄目って規則を前に教えただろ」
雪風「雪風、もう20歳超えてます。勤続10年です」
時津風「時津風だって、オトナだよー」
※艦娘は加齢による老化がない
提督「うぐぐ……」
時津風「パチンコってなにー? なになに、なんなのー?」
雪風「雪風、気になります!」
大淀(こうなったお二人はテコでも動かないのでは……)
提督(たしかにそうなんだが。ああいうところに雪風を連れて行くのはなぁ)
大淀(なぜですか? 雪風さんの強運は提督も知るところでは――)
提督(強運故、だ)
時津風「あー、オトナが汚い話してるー。時津風も混ぜて混ぜてー」
雪風「雪風も混ざります!」
提督「分かった分かった! 連れて行く連れて行く! 雪風と時津風は明日の正午から半舷休息を申請しておくから、今日はもう帰んなさい」
雪風「はい、頑張ります!」
時津風「わーい、やったー!」
大淀(いいんですか。鎮守府から補償金なんて出せませんよ)
提督(まあ、限度を守れば大丈夫だろう。限度を守れば)
翌日
時津風「提督ー、来たよー」
提督「おお、時津風だけか。雪風は――って」
金剛「Hey! 提督ゥー! ジャパニーズトバへ向かうって時津風に聞きましたヨー!」
比叡「お姉さまとご一緒できるなら、どこへでも!」
夕張「午後から休息だったんだけどね。そこで声掛けられちゃって」
北上「パチンコかー。したことないなぁ。大井っちはしたことあるー?」
大井「いえ。わたしは一度も……。けど、北上さんがするなら、わたしも!」
夕立「みんなでどこ行くのー? 新しい遊びっぽいー」
提督「……えらく、大所帯になったな。これから行くのはピクニックじゃないだが。それより元凶の雪風は」
大淀「楽しみすぎて熱を出してしまったようで。40度を超える熱らしく、私の判断で医務室へ」
提督「まるで遠足前の子供じゃないか。まぁ、結果オーライということにしておこうか」
※雪風がいると当然の結果に終わるので、今回は欠席です
提督「で、お前らいまからどこへ行くのか知っててついてきたのか」
金剛「Of course! ジャパニーズトバ、パチンコネー!」
北上「パチンコって、実は前々から興味あったんだよねー」
夕立「パチンコってなになに? 提督さん」
提督「他はともかく夕立は帰んなさい。あそこは子供の行くところじゃないから」
夕立「夕立、もうオトナっぽいー! ここに来て、もう15年経つっぽい!」
提督(またこの問答か……)
提督「まぁ、あまり羽目を外しすぎないように。ここにいる連中は特に暴れまわるようなやつらじゃないけど、もしなにか揉め事を起こしたりしても、俺は責任持たんからな。金も各自で管理するように」
金剛「No problem! こんなこともあろうかと、Maney savingは欠かしてないネー!」
提督「お前の姉って、見かけによらずマメなところあるよな」
比叡「自慢の姉です!」
大淀「提督、そろそろバスが来るようです」
提督「ところで、大淀は打ったことあるのか?」
大淀「ええ、まぁ。若い時に少しだけ。私も長いですから、提督とは世代がズレているでしょうけど」
提督「俺の頃は5号機だったなー。6号機になったのと、深海棲海の侵攻が本格化したのも重なって、もう20年も打ってない」
※6号機移行から20年ほど経過している
時津風「ふむふむ、近くで見るとすごい綺麗ー」
提督「これが綺麗か? 俺には派手にしか見えんがなぁ」
ウイィィィ
ガチャガチャ パチパチパチ
時津風「うるさーい!! 耳がおかしくなっちゃいそうー」
大淀「店内の雰囲気は、昔から変わりませんね。昔よりも小綺麗といえばそうですけど」
提督「ま、そうだろうな。いくらパチンコ屋が喫煙自由とはいえ、最近は吸う人間も減ってきているしな」
夕立「でもでも、煙草臭いっぽいー! それから、変な臭いもするっぽい」
提督「そのへんのオバハンの香水の臭いだろ。いやぁ、パチンコ屋名物名物」
北上「ずいぶん染み染みというねぇ。そんなに昔は励んでたの?」
提督「まぁ、時にはチームを組んでたりしてな……。ま、今日は遊びに来たんだ。のびのびやろう」
北上「あ、提督、煙草頂戴」
提督「お前、禁煙してたんじゃないのか。大井が、臭いがダメだのなんだの」
北上「いやぁ、このにおい嗅いでるとさぁ。ま、大井っちも今日くらいは見逃してくれるでしょ」
提督「当の大井はどこへ――」
大淀「大井さんなら、臭いと音にやられたのか、先ほど気分が悪いとお手洗いへ」
北上「あー、たしかに大井っち、こういうとこ苦手そー。実はいいところのお嬢さんだしね」
提督「そういえば、そうだな。それがなんでこんな前線で兵隊やってんだか」
北上「なんでも、本人の意思らしいけどね」
提督「夕立と時津風はすぐに慣れたのか知らんが、いったいどこ行った」
時津風「ねーねー司令。これ、どうすんのー」
夕立「ここにお金を入れるっぽい!」
提督「おー、正解だ、夕立。そこにお金を入れる。そうすると玉が出てくる」
時津風「それでそれで?」
提督「そこに穴があるだろ。ヘソって言うんだが、そこに玉を頑張って入れる。入れると、抽選が行われる」
夕立「それで、当たると玉が出てくるっぽい!」
提督「そうだ。確率は……この台だと、1/199だな。まぁ、200回に1回は当たる計算だ」
時津風「なかなか入んないよー。あ、入った」
夕立「数字が回るっぽいー」
提督「ま、当たったら呼んでくれ」
金剛「Dangit! ぜんぜん、玉が入ってくれないネー!」
比叡「お姉さま、気合、気合です!」
提督「気合で玉がヘソに入ったら、パチンコ屋なんてとっくに淘汰されてるわ」
夕張「金剛、そろそろ止めとけば? 堅実家のあんたがギャンブルなんて、向いてないと思うの」
金剛「But! 提督と遊びにきたせっかくのChanceネ!」
夕張「しっかし、ほんとにこの台回らないわね――あっ」
提督「あぁ?」
夕張「ヒューヒューヒュヒュー」
提督「下手な口笛でごまかすな。いま、なんて言った、夕張?」
夕張「そういえばお昼まだだったのよねー。食堂でお蕎麦でも食べてこようかしらー」
提督「俺はここのパチンコ屋に食堂が併設されてるなんて口にした覚えはないぞ。ついでに言うと、普通の人間がパチンコ屋に食堂が併設されてるなんて思いつくはずもないと、主張するが」
夕張「打ってる人が、お腹減ったらどうすんのよ!」
提督「どこかへ食べにいけばいいだろう」
夕張「40分の休憩で、この辺に食べにいくところなんてないでしょ! あ……」
夕張「ヒューヒューヒュヒュー」
提督「ずいぶん大人しいと思ったら、そういうことか」
夕張「いろいろ試してみてもいいでしょ!」
提督「ドル箱を積んだら、さぞかし気持ちいいだろうなぁ」
夕張「もう20年も前の話ですぅ……」
提督「20年? お前、ウチの鎮守府が初めてで、今年で20年目だろう。ということは……」
提督「予科の寮抜け出して、遊んでたのか」
夕張「遊んでなんかいません! しっかり立ち回ってたんですから!」
提督「ほーう。20年前ってことは、俺がまだここいらで遊んでた時と時期は一緒だな。ということは、商売敵か」
夕張「商売敵なのはホールの方でしょ」
提督「まぁ、それもそうか」
パタパタパタ
時津風「しれー! 当たった、当たったよー!」
夕立「提督さーん、当たったっぽいー!」
提督「別に二人してこなくていいだろう。はやく台に戻れ戻れ」
提督「で、当たったのは夕立の方か」
夕張「さすが、鼻が利くというかなんというか。こんな釘じゃ、ロクに回らないでしょうに」
提督「なんだ、釘まで見れるのか」
夕張「だから、ちゃんと立ち回ってたって言ったじゃないですか。メインはスロットの方でしたけど」
時津風「ねーねー、これ、このあとどうするのー」
提督「右打ちしてください、って出てるだろ。ハンドルを右に捻るんだ」
夕立「こうっぽい?」
提督「そうそう。そうすると、アタッカーってところに玉が入って、そうすると、玉が増える」
夕張「あーあー、無駄玉が……」
提督「なんとなーく、なんだが」
提督「こうやって、無邪気な気持ちで打ってる人間の方が、勝つような気がするんだよなぁ」
夕張「それ、わかります。スペックとか、ボーダーとか一度調べちゃうと、勝てないような気がするんですよねぇ」
ギャイィィィィン
夕立「うるさいっぽいー!」
提督「お、ST入った」
時津風「なになにー?」
提督「スペシャルタイムって言ってな、決められた回数だけ当たる確率が上がるんだ」
夕立「入れ食いっぽいー」
提督「お、大井じゃないか。休憩所にいたのか」
夕張「あらら。さすがに、大井さんにはここの環境は厳しいのかしら」
提督「中に入ると、『北上さんをこんなところに連れ込んで!』とか言われそうだから、無視しよう」
夕張「もう、こっちガン見されてますけどね……」
提督「ところで北上を見ないな」
北上「ここだよー、提督ー」
提督「北上はスロットの方か。パチンコは経験ないと言っていたが、まさかスロットはあるのか?」
北上「いいや、ないない。でも、雑誌とかでちょっと知っててさ。なんとなくこっちの方がいいかなー、って」
提督「しっかり出してるな。強かなやつめ」
北上「いやー。それにしても、これわかりやすくていいね。光ったら当たる」
夕張「やっぱりジャグラーは日本の文化よねー」
北上「ところで、これいくらになるの? 千円でメダル50枚なんだよね」
提督「俺の頃は、7枚交換だから……」
夕張「ここ、6号機が入るくらいに交換良くなったのよ。5.6枚」
提督「だったら、五千くらいにはなるんじゃないのか」
北上「千円入れて、5分で五千円。いやぁ、これにハマっちゃう人の気持ちも分からなくもないかなぁ」
提督「現実は非常だぞ」
夕張「そうそう。シビアにいかないと」
夕張「チーム組んでた、って言ってたけど、歩合だったんですか?」
提督「いや、雇われじゃない。ノリだ。あの頃はパチンコも3玉交換だったから、みんなそれぞれのカードに貯玉して、それで煙草なんかに変えて、他の訓練生なんかに売って小遣いを稼いでたよ。まとめて30カートンくらい交換したりして、変な目で見られることもあったなぁ」
夕張「きっと提督のせいですね。ここの交換が変わったりしたのは」
提督「なにを根拠に」
夕張「いまここ、煙草は1人2カートンまでですよ、交換できるの。交換が良くなった代わりに、釘も悪くなったし、スロットも設定入れなくなったし」
提督「時流のせいじゃないのか」
夕張「いーえ、断固として提督のせいです。私まで被害被ったんだから!」
提督「なにおう」
夕張「私も、ここで煙草に交換して、同じ予科の子たちに安く売ってあげてたんです」
提督「同じ穴の狢じゃないか」
夕張「違います。あ、提督、せっかくですから――」
提督「煙草を一本ください、てか。今日はよく煙草を取られる日だ。それに、お前煙草吸ってたのか」
夕張「若い頃を思い出して、ですよ」
提督「艦娘は老化知らずだろう。よくもまぁ、そんなナリで煙草なんて吸えたもんだ」
夕張「ちゃんと二十歳からですよ、吸い始めたのは。予科に入って3年目。あー、なつかしー」
提督「それにしても、どれもほとんど出てねーなぁ」
夕張「あそこくらいですね、別積みしてるのは」
提督「毎度思うんだが……こんな風に箱積んでる状態でトイレに行って、その間に盗まれないか心配になるんだよな」
夕張「まぁ、パチンコ屋のカメラは高性能っていいますし」
提督「ちなみに、俺は現金をサンドに突っ込んだままトイレに行って、帰ってきたら抜かれていたことがある」
夕張「うわ……」
提督「ところで、これなんていう台なんだ。可愛い女の子が並んでるが」
夕張「ああ、ガルフリですね」
提督「ガルフリ?」
夕張「ガールズ&フリートの略で、ちょっと前に深夜アニメでやってましたね。とある高校の駆逐艦部の女子高生たちが、大会優勝を目指して頑張るスポ魂ものです」
提督「駆逐艦……部?」
夕張「……まぁ、そこはアニメということで納得していただけると。色んな国の駆逐艦が出てきて、結構面白かったですよ」
提督「駆逐艦部の大会は、相手を轟沈させれば勝ちになるのか……?」
夕張「内部は特殊なカーボンで保護されていて、怪我の心配はないそうです……」
提督「それでも沈んだらおしまいだろう」
夕張「アニメなので――そんな話してたら、この台の人帰ってきましたね。……って」
伊58「げっ」
夕張「ゴーヤちゃんじゃない」
伊58「面倒くさい人たちに見つかったでち……」
提督「ゴーヤ……お前、こないだも来てたろう」
伊58「べ、別にゴーヤは二十歳超えてるし、文句はないでち?」
提督「いや、お前たち潜水艦には過酷な労働を課している自覚もあるから、休暇と使う暇のない給料をなにに使おうと自由なんだが……」
伊58「だが?」
提督「ゆーが悲しんでたぞ。せっかく休みが重なったのに、でっちが一人でパチンコに行っちゃうって」
伊58「それを言われると耳が痛いでち……」
提督「それから臭いから煙草もやめろってさ。ということで、この煙草は俺がもらっていくぞ」
伊58「それはゴーヤの最後の煙草!」
提督「それだけ積んでるんだからケチケチするなよ。4000枚くらいか?」
夕張「6号機でこの時間に4000枚って、朝一からついてたんじゃないですか?」
提督「まぁ、ほどほどにしておけよ。ルームメイトが心を痛めてるぞ」
パタパタパタ
夕立「提督さーん、スペシャルタイム? 終わっちゃったっぽいー」
提督「そうか。それなら、玉流してもらえ。玉、こぼさなかったか?」
時津風「夕立、いっぱいこぼしてたよ。店員さんが新しい箱持ってくれくれるまで、面食らってた」
提督「ま、初めてならそんなもんか。玉を流すっていうのはな、店員さんを呼んで、玉を数えてもらうんだ」
時津風「一個、二個、三個? そんなの日が暮れちゃうよ!」
提督「馬鹿。そこの計測器に流してもらうんだよ」
ジャラララララ
夕立「なんかレシートっぽいものもらった」
時津風「これが玉の数? 4328個って、すごい?」
提督「おー、1万5千くらいにはなるな。上出来だ」
夕立「千円が1万五千円になったぽいー! 煙草3カートンも買えるっぽいー!」
提督「あそこのカウンターに行って、そのレシート渡して、煙草くださいっていうんだ」
時津風「あー! 夕立ばっかりずるいー! 時津風も、煙草ほしー!」
提督「しかし、あんな小学生とも見紛うばかりの女の子が、煙草吸いながらパチンコとは、世も末だな」
夕張「正体不明の深海棲艦に海上有利を制圧された今の世の中が、末じゃないならなんていうんですか」
提督「世紀末?」
夕張「同じじゃないですか」
提督「けれど、核の炎に包まれちゃいないぞ」
夕張「北斗は救世主伝説が好きだったなー」
提督「俺は転生の方が好きだったな。勝負玉がいくつあっても安心できないスリルと出玉の爽快感」
夕張「ぜんぶシンになっちゃえばいいのに」
時津風「しれー! 時津風も煙草ほしー!」
提督「今日はほんとよく煙草をねだられる日だな……。よし、時津風。時津風も夕立みたいにお金増やしてみるか」
夕張「純粋無垢な少女をスロットに誘うダメなオトナよね……」
提督「艦娘はみんな、もう自己判断できるオトナだから」
時津風「司令、これどうすんのー?」
提督「とりあえずさっきと同じようにお金を入れる。さっきとは反対側だから気をつけるように」
時津風「こっちー?」
提督「そう、右側。で、出てきたメダルを3枚入れる」
時津風「入れたー」
提督「そしてレバーを叩く。ドラムが回転する。ボタンを押して、回転を止める」
ブブブブブブブ
時津風「こうー? なんかブドウが揃った」
提督「ブドウが揃うと7枚もらえるんだ。とにかく、それを繰り返して、左側が光ったら教えてくれ」
時津風「えー、なんかつまんなーい」
夕張「3000回転の合算1/200。よくこんな台座らせましたね。ほんとに勝たせる気あるんですか、提督」
提督「ここのホールは昔、角台に設定を置く傾向があったんだ」
夕張「それ、20年前の話でしょう……。そんな考察で勝てるんなら――」
ガコッ
時津風「しれー、なんか光ったよー」
夕張「って、ほんとに当たってるし……」
提督「よくやった、時津風。そしたら、よく回転してるドラムを見るんだ」
時津風「うぅ……目が回る……」
提督「赤く光ってるのがあるだろう? それが止まるように、タイミングよく押すんだ」
時津風「こうー?」
提督「そうだそうだ、筋がいいぞ」
パッパパラパパッパパラパパッパパラパパー
時津風「これが当たり?」
提督「そうだ。しばらくブドウが揃い続けて、メダルが払い出され続ける」
時津風「つまんなーい」
提督「せっかく当たったんだ、もう少し続けてみろ」
夕張「しっかし、いつ聞いても、いつ見ても、あの音と光には癒されますね」
提督「まったくだ。けど、ジャグラーも最近になってからか、払い出し枚数減ったみたいだな」
夕張「BIG200枚のREG50枚って、RT台かっての。物足りないったら!」
大淀「わたしは、リプレイはずしのないのが物足りませんね」
提督「おお、大淀。見ないと思ったら」
夕張「大淀さんも昔慣らしたクチなのね……。ところで、リプレイはずしって?」
提督「なんだお前、知らんのか。まあ、俺も世代ではないが」
大淀「ボーナスの仕様が変更になってから、5号機からは使えなくなりましたからね」
提督「まぁ、なんだ。HANABIの突入リプレイ回避みたいなもんだ」
夕張「なるほど。そうやって割りを増やすんですね」
大淀「ボーナス1回あたり期待値10枚程度ですが、それでも丸一日打っていると大きな額になりますからね」
ガコッ
時津風「しれー、また当たったー」
提督「よし、いい子だ。200枚とはいえ、BIGの続く快感は健在だな」
時津風「なんか楽しくなってきたー」
15分後
時津風「また当たったー。もうメダル入んないよー」
夕張「15分間ジャグ連って、時津風って、そんな強運な子でしたっけ」
大淀「熱で寝込んでいる雪風さんの生霊が乗り移っているのかもしれませんね」
夕張「そんなオカルトな……」
提督「よーしよーし、提督がドル箱に積んであげよう。こうやってメダルを立ててだな……」
夕張「あー、いるわよね。あーやってカチ盛りにするやつ」
提督「ひとつの美学だろう。それに、平積みだと、流した時に、『あれこれだけ?』ってなるだろ」
夕張「女の細腕じゃ、ドル箱も結構の重さなんです。流す時に、店員さんにこぼされるのもヤですし」
提督「あー、すいません。これで煙草1箱ください」
夕張「あっ、この人、人の出したメダルで、なんてこと!」
提督「紹介料だよ。俺がこの台を座らせたおかげで、時津風は煙草2カートンを手にして帰れる。俺は新しい煙草を1箱受け取る。Win-Winというやつだよ」
夕張「自分は一切のリスクを負ってないじゃない……」
そんなこんなで帰りのバス
夕立「結局、煙草2カートンしか交換できかったっぽいー! 残りはぜんぶお菓子にしてもらったっぽい」
提督「それで両手にビニール袋抱えてるんだな……。まぁ、夕立らしいっちゃらしいが」
大井「ひどい目に遭ったわ! 煙草臭いし、うるさいし! もう北上さん、あんなところに行かないでくださいね」
北上「えー、どうしよっかなぁ。結構楽しんじゃったし、勝っちゃったしなぁ」
提督「結局いくら勝ったんだ?」
北上「2万とちょっと。提督、カレーおごったげよっか」
大井「それなら、私が作ります!」
夕張「結局、なにも打てなかったじゃない」
提督「俺もそうだが」
大淀「私もなにも打ってませんね」
夕張「あれ、そのわりには大淀さん、妙にツヤツヤしてません?」
大淀「もう来ることもないでしょうし、貯玉をすべて交換しただけですよ?」
提督「まさか、原因って大淀なんじゃ……」
時津風「楽しかったー! 煙草も増えたー!」
提督「いいことづくしだったな。けど、もう行くんじゃないぞ」
時津風「えー、なんでなんでー」
提督「今回はたまたま運が良かっただけだ。パチンコなんて、行けば行くほど負けるようになってるんだよ」
時津風「いやー。こんどは雪風と一緒に行きたいよー」
提督「……なおさらほどほどにしときなさい」
比叡「お姉さま、たくさん玉が出てきましたね!」
金剛「That's right! 結構、使っちゃったけどネー」
提督「そういえば、あのあと出たのか。いくら勝ったんだ?」
金剛「What? ところで提督――」
金剛「この、Plastic cace。たくさんもらったけど、何に使うんデース?」
提督・夕張・大淀(うわぁ……ベタだなぁ……)
○おまけ1
扶桑「山城、もう少しで天井よ……」
※現在回転数:1242G
山城「扶桑お姉さま、頑張ってください」
扶桑「あ、こんなところでスイカ」
山城「でも、スイカ程度じゃ……」
扶桑「ねぇ、山城、見て。液晶がレインボーよ……」
山城「カウンターがズレてるだけじゃないでしょうか……」
扶桑「だったら……いいわねぇ……」
○おまけ2
大鳳「なんと、こんなところに600ハマりの台が!」
※天井:999G
明石「これはエナるしかないですね!」
大鳳「600ハマりなら、充分ボーダーあるでしょう。途中で当たったとしても、それはそれで」
なんなく天井到達
明石「ま、まぁ、元々の狙い通りですから……」
ピチュン
明石「こ、これはまさか……フリーズ!? 運2の大鳳さんが!」
大鳳「違うわ。これは……」
明石「あれ、演出が始まらない……」
大鳳「ただの故障だわ。爆発引火しなかっただけマシかしら……」
明石「は、はは……。この修理は、わたしでも無理かなぁ」
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