女「動悸がドゥキドゥキ」(171)

女「どうですか、この圧倒的な言語センスは」
男「……」
女「成る程、あまりにも素敵な言語センスに言葉が出ませんか」
男「……あまりの寒さに死にかけてたんだよ」
女「ほう寒気がする程素敵だと」
男「ポジティブだな、おい」

男「というかなんでいきなりそんなくだらない駄洒落を」
女「くだらないとはツンデレな」
男「……そこは失礼な、じゃないのか」
女「いえ、あなたの事です。面白いのを認めたく無いからあえてくだらないと言った、私はそう見ました」ビシッ
男「指差すな」

女「……!」ピカーン
男「どうした」
女「ひらめきました。聞きますか?」
男「嫌な予感がするから聞かない」
女「残念ながら強制イベントです」
男「ちくしょう」

男「で? なんだ」
女「ええ、言いましょう」ゴゴゴゴゴゴ
女「ストーンが、スットン!」
男「……」
女「……さあ、感想を」
男「お前と幼なじみだと言う現実を消し去りたくなった」

これ書くたびにid変わってるのか?

女「残念ながらタイムマシンはあなたと私が生きてる間は出来そうに無いのであきらめてください」
男「……って言うか、なんでこんな糞寒い駄洒落をいきなり言いやがった」
女「……デカルトが無いですね」
男「この前、自分の部屋で漫画読んでたら、ノックも無しにいきなり入ってきたお前が言う台詞とは思えないんだが。あとデリカシーな」
女「……デカルトでカルト」
男「意味わかんねえよ」

>>5なんでだろうね。とりあえず最初のidを名前に書いとく。まあすぐオチなのだけど。
男「……と言うか話逸らすな」
女「ばれましたか」
男「ばればれだ」
女「ばればれバレンタイン」
男「もう突っ込まねえよ」
女「突っ込むなんて卑猥」
男「卑猥なのはお前の脳内だ」

女「うら若き乙女になんて事を」
男「残念ながらこの場所にうら若き乙女など居ない。居るのは目の前に居る腐れ縁のお前だけだ」
女「うちの父さん曰わく納豆は最初から腐ってるから賞味期間が切れても大丈夫だそうだが」
男「知るか。そろそろ帰るぞ」
女「ああ。……と、帰る前に一つ」
男「なんだ」

女「……付き合ってくれ」
男「? 別にいいぞ。どこに行くんだ?」
女「いや、その付き合うじゃなくて、関係としての付き合うだ」
男「……ああ。だからお前、俺をここに呼んだんだな」
女「ああ。体育館裏なんてベタベタにベタだろう?」
男「確かにテンプレートだな。まあ俺はお前に言われるまでまったく気付かなかったが」
女「まあお前は鈍いからな。で? 返答は」
男「ああ。断る」

女「……」
男「が、その代わりに提案だ。俺と同じ墓に入れ」
女「……ふっ。はは、ははは……」
男「……なんだよ」
女「いや、周りくどいと思ってね。やはり君は――」
男「ツンデレだな、ってか。うるせぇよ」

女「さて、快い返事も貰えたし、帰るか?」
男「おう。と、その前に一つ。聞きたい事がある」
女「なんだ? スリーサイズなら上からはち――」
男「ちげえよ。なんで最初は敬語だったって事だよ。ギャグかと思って突っ込まなかったが」
女「ああ、それか? 簡単な話だよ。私も父も緊張すると何故か敬語になってしまってね」
男「初めて知ったんだが」
女「お前の前ではほとんど緊張しなかったからな。……そこまでお前に告白するのに緊張してたって事を深読みしてくれると嬉しいね」
男「そうかよ」

idどうなってんだこれwww

男「……ああ、そうだもう一つ聞きたい事がある」
女「一つっていわなかったか?」
男「おまけだよ。で、聞くが、なんなんだったんだ? あのくだらない駄洒落は」
女「ああ。簡単な話だよ。ただの――」


女「――照れ隠しさ」
 終わり

  敬語が男口調になったのはよくわからないミスです。無理やり意味ある物にしましたが。
>>12わかりません。何故でしょうか。

せっかく立てたのでもうちょっと書いて見る。

女友「わたしに足りないのってなんだと思う?」
女「……なんだいきなり」
女友「いいから答えてよー」
女「ふむ。女友に足りない物か。……胸?」
女友「うっさいわ」

女「足りない物がなんだと聞いたのは女友だろう」
女友「まー、確かにそうだけどさー。せめて理由も一緒に言ってよ」
女「理由か。……そうだな。とりあえず良い所を上げてみよう」
女友「どんとこい」
女「まず女友は背が高い」
女友「毎日欠かさず牛乳飲んだらこうなったのよね。わたしは背より胸が欲しいのに」
女「成るようにならない物だよ。特に今は言いたい事も言えないこんな世の中だしな」
女友「ポイズンかよ」

女「さて。他に良い所は……腰が細い、か?」
女友「まあテニス部ですから」
女「羨ましいな。交換してくれ」
女友「テニス部に入れば細くなるよー。入る?」
女「私はノーコンだから無理だ。この前公園に行った時、足元にソフトボールが転がって来てな。遠くから子供達が投げてと叫ぶので投げたんだ。そしたらな」
女友「明後日の方向に飛んでった?」
女「いや、横を歩いていた通りすがりのお爺ちゃんの後頭部に見事当たった。謝ってもう一回投げたら今度は犬の散歩に来てた少年に当たってな。三度目の正直で投げたら私の後頭部に当たった。仕方ないので手渡したよ」
女友「……あんたが投げる球にはホーミング機能でも付いてるの?」

女「最後に女友は顔が良い。かけてる眼鏡のおかげか理知的に見える。まあ中身はこれだが」
女友「文句あるのかー」
女「いや、無い。そう言えば何度か同性に告白されたようだな」
女友「まあわたしは健全に男が好きだから断ったけど」
女「まあそうだろうな」
女友「で? わたしの良い所を挙げた結果?」
女「顔が良く、長身でウエストキュッ」
女友「ふふん」
女「だが胸が無い」
女友「うるさいわー!」

女「……と、こんな会話をこの前した」
男「……そうか。それで?」
女「さて、私の足りない物はなんだと思う?」
男「身長」
女「そうだな、身長だ。だから、棚の上に物を置かないでくれ。下手をすれば大怪我になっていたぞ」
男「それについては反省している。次からは手の届く場所に置くよ」
女「反省で済むなら反省文は要らない。罰として私の言う通りにしろ」
男「言う通りに?」
女「ああ。と言ってもそんな大変な事じゃない」

女「……私を抱っこしろ」
男「……」
女「早くしろ」
男「はいはい」
終わりー。

 今さらながら>>23を補足すると、
 女、棚の上にあるのを取りたい→踏み台になるものが無いのでぴょんぴょんジャンプ→すっころぶ→どんがらがっしゃーん。
 とこんな感じです。

再び参上。
女「……ふむ」
男「どうした、まったく似合わない考える人のポーズとって」
女「いや、お前の彼女になれたから、これを期に今まであまり見なかった雑誌に手を出してみたんだが」
男「……クロスワードか。確かにお前はこう言うのあまりやらないよな」
女「どうだ、殊勝だろう?」
男「自分で言うか。あとスカートで考える人のポーズとんな」

女「聞きたい事がある」
男「なんだ」
女「1185年に起きた事とはなんだ」
男「鎌倉幕府の成立だ」
女「……あれは1192年じゃなかったか」
男「ニュース見ろよ。前々から違うって言われてつい最近公式に変更されたんだよ」
女「お前も知っての通り私は何時も遅刻ギリギリだからニュースを見る習慣は無い」
男「いやニュース見なくてもこの前歴史の授業で先生が言ってたぞ」
女「私はあの先生嫌いなんだ。だからあの先生の授業になると、起きている振りしていつも寝てる。授業の内容は女友にプッチンプリン一個と引き換えに書くの頼んであるから問題ない」
男「……そういやお前何時も歴史の授業だけ微動だにしないな。寝てたのかよ、あれ」
女「どうだ、完璧だっただろう。……にしても歴史って変わるのか。これでは何のために暗記するかわからないな」
男「まあ、それについては同意する」

ピンポーン
男「……ん。お隣さんが回覧板届けに来たのかね。少し行ってくる」
女「おー。行ってらっしゃーい」

 数分後。

女「……ふむ、わからん。というか遅いな、男」
妹「……」コソッ
女「……お、妹ちゃん。お邪魔してるぞ」
妹「……茶」
女「残念ながら今日の私のパンツは白だ」

妹「……」フルフル
妹「お茶」スッ
女「……ああ。ありがとう」
妹「うん」
女「そうだ、妹ちゃん。この問題解るか? 卵を電子レンジで温めるとどうなるか、なんだが」
妹「……」フルフル
女「まあ、わからないか」
妹「ごめん、なさい」
女「いやいや別に良いよ」ナデナデ
妹「……ん」コクン
男「……まったく、お隣さんは話長いよなー。母さんなら歓迎するだろうけど、俺は無理だ。……と、妹。帰ってたのか」
妹「うん。ただい、ま」
男「おう。おかえり。冷蔵庫に昨日作ったケーキあるけど食べるか?」
妹「うん!」

男「じゃあちょっと待ってろ。用意するから――」
女「と、その前に聞きたい事がある」
男「……またかよ」
女「まただ」
男「……まあいいか。で、なんだ」
女「電子レンジに生卵入れるとどうなるんだ?」
男「爆発する」
女「そうなのか!? よし、早速――」
男「試すな。ケーキ持ってくるから大人しくしてくれ」
女「……解った」

~数週間後~
女「そんな訳で泊めてくれ」
男「省略するな。いきなり来てそんな訳と言われて解らん。ちゃんと話せ」
女「ああ。この前クロスワードをやってただろう。なんとか完成したので応募したら、」
男「見事当たったんだっけな。それは3日ぐらい前から、お前の母さんが俺の母さんに電話で自慢してたから知ってる。確か、3日間の休みを快適素敵に過ごす旅行……だったか? で、今日出発するんだっけ?」

女「いや、それがな……飛行機で行くんだ」
男「……ああ、成る程。お前飛行機苦手だっけな」
女「……そう言う事だ。まさか当たるとは思わなかったからな」
男「運が良いのか悪いのか……まあいいや。とりあえず母さんに言っとくよ」
女「ああ、頼む。それと一つ訂正したい」
男「? なにをだ」
女「お前さっき、運が良いか悪いか、と言ったな。私は良いと思っている」
男「? せっかく当たったのに行けないんだから悪いだろ」

女「確かに旅行に行けないが、その代わり3日もお前と生活出来るんだ、私はだから運が良いと思う」
男「……はあ。一つ、提案がある」
女「む? なんだ」
男「明日辺り一緒に何処か行こうか? 遊園地……とか、な」
女「……ああ! 行こう。一緒にな」
 もしかしたら続く?

翌日
女「来たぞ遊園地!」
男「母さんから軍資金頂いたから、遠慮しなくていいぞ」
女「ああ。後でお義母さんにはお礼を言うとして、今は存分に楽しもう! ……しかし、人が多いな」
男「まあ日曜だからな」
女「だがこのままだとはぐれてしまうぞ」
男「ならこうすればいいだろ」ギュッ
女「む……。……少し、恥ずかしいぞ」
男「手を握っただけで恥ずかしいならこの前の抱っこはより恥ずかしいぞ?」
女「あ、あれは、お前と二人きりだったから……」
男「はいはい。で、まず何に乗ろうか?」
女「ん……。ジェットコースター」
男「背が届くと良いな」
女「む……! 私はそこまで小さく無い!」

 こっからはのんびり書くので遅くなります。ご容赦を

男「ギリギリだったな」
女「ここの身長のハードルが高いんだ! 私が低い訳じゃない!」
男「解った、解った。……と、動くぞ」
女「あ、ああ」
男「なんだ? 怖くなってきたのか?」
女「そ、そんな訳無いだろう!」

女「……」
男「大丈夫か? ほらオレンジジュース」
女「ああ、ありがとう……。次からは、ジェットコースターには、乗らない」
男「そうか。で、どこに行く?」
女「んー。コーヒーカップかな。飲み物飲めるし、座れるし」
男「じゃあ、行くか」

男「……お前、な、全力で回すなよ……」ウプッ
女「す、すまん。ついやりたくなって」
男「子供かよ、まったく。……ジュースもこぼれたし……」
女「せめて服にかからなかったのが救いだな」
男「ああ、そうだな。……次行く所は俺が決めていいか?」
女「ああ、いいぞ。……ってなんだその悪魔のような笑みは?」

男「……」ズンズン
女「ま、待て!」
男「……」ズンズン
女「わ、私が悪かった! 私が悪かったからそれだけは止めてくれ!」

男「……すいません、いくらですか?」
お化け屋敷の従業員「500円でーす」
男「さあ行こうか」
女「嫌だぁぁー!」

女「……」ゼーハー、ゼーハー
男「……」
女「……」ゼー、ゼー
男「正直すまんかった」
女「……おい」
男「ハイ、ナンデショウカ」
女「何か甘い物買ってきてくれ」
男「ワカリマシタ」

女「……」
男「機嫌、直った?」
女「……ん、まあ」
男「じゃあ次はどこに行く?」
女「あそこ」ビシッ
男「……ミラーハウスか」

男「おでこ、大丈夫か?」
女「ん、まあ、大丈夫だ」サスサス
男「そうか。で、次はどこへ行く?」
女「……その前に、今何時だ?」
男「んーと、12時20分だ」
女「じゃあ昼ご飯にしよう」
男「それもそうだな」

女「ふう……。美味しかったな」
男「ああ。それに勉強になった。デザートのあれにはびっくりしたな。今度参考にしよう。……で、どこ行く?」
女「んー。土産屋に行くか? 少し早いがじっくり選べるだろう」
男「確かにな。母さんはクッキーで良いとして妹には何を買うか……」
女「いや、妹ちゃんのは私が買う。お前は私の姉と弟に何か買ってくれ」
男「解った。2千円でいいか?」
女「ああ」
男「とりあえず単独行動で行こう。その方が自由に選べるだろうし。集合時間は2時半で場所はこの辺りで」
女「解った」
男「じゃ、解散」

女「すまん、少し遅れた」
男「いや、俺も今来たばっかりだから気にする事は無い。……しかしたくさん買ったな」
女「妹ちゃんの喜ぶ顔が見たくてな。少し奮発した。あ、それと……これ」
男「キーホルダー?」
女「ああ。気に入ると思ってな」
男「おう、気に入ったよ。ありがとう。で、これはお返しだ」
女「……髪留め、か」
男「気に入らなかったか?」
女「いや。気に入った」
男「そうか。よかった」

女「で? 次はどこに行くか」
男「そうだな……ん?」グイグイ
子供「……」
女「……なんだ、その子供は」
男「俺も解らん」
女「見た所、5歳くらいか」
子供「……パ」
女「……ん?」
子供「パパ?」
女「……さあ、これはどういう事か説明してもらおうか」
男「待て待て待て落ち着け。間違えてるんだよ」
女「……迷子か?」
男「多分、な。……どうする?」
女「決まっているだろう。親を探す」


「本当に、ありがとうございます!」
男「いえいえ」
子供「あー」

女「……無事に見つかって良かったな」
男「ああ。だが探している間に閉園時間までもう少しになったな。乗れるのも後一つぐらいだろう。何にする?」
女「決まっているだろ? 最後に乗るのは――」

男「……観覧車、か」
女「見ろ、人がゴミのようだぞ?」
男「お前、飛行機は苦手なのに観覧車は平気なんだな」
女「ん? 私が飛行機やジェットコースターが苦手なのはびゅーんてくるからだ。こう、ゆっくりと上がるのなら大丈夫」
男「ははあ。成る程ね」

女「あ、ほら、多分あれだ、私達の家の屋根!」
男「んー? よっ、と。どれだ?」
女「ほらあれ、私が指差している所」
男「んー……。あの青い屋根か?」
女「うん」
男「……もしかしたら違う家かもしれないぞ」
女「……夢をぶち壊すなよー」

女「そろそろ頂上にさしかかったな」
男「ああ。こっからは下りに下る転落人生だな」
女「だから夢を壊す事を言うなー!」
男「はいはい。……あ、反対側の窓に……」
女「? 何かあるのか?」クルッ
男「……」チュッ

女「……」
男「……」
女「お、おおお、お前……!」
男「なんだ」
女「ゆ、ゆ、ゆゆ」
男「……許さないぞ、か?」
女「夢が無いな!」
男「その言葉は予想外だ」

女「まだ、頂上にさしかかったばかりだぞ!? キ、キスするならもっと頂上まで行って、甘い雰囲気になってだな!」
男「いや、残念ながらお前と甘い雰囲気になるには少なくとも数分の時間が必要だっただろ」
女「酷いな!? しかし否定出来ない!」
男「否定出来ないのかよ」

女「……」プクー
男「……反対側の窓に――」
女「……騙されないぞ」
男「サンタクロースが」
女「何!?」バッ
男「嘘だ」
女「……」
男「……」
女「……」プイ
男「……」
女「……」プクー
男「……」
男「……(ふむ。割と楽しい)」

男(……そろそろ下りか)
女「……」プクー
男「……女、」
女「……」プクー
男「……愛してる」
女「……!」バッ
男「本当だ」チュッ
女「……~~~!」

女「……」ゼーハー、ゼーハー
男「……」
女「お、お前な……」
男「なんだ」
女「し、し、し、舌まで、い、入れ……!」
男「二回嘘を吐いた詫びだ。問題でもあるか?」
女「……も、問題……」
男「何ならもう一回するか」
女「……ナイデス」
男「なら、いいだろ。と、そろそろ地上だな」

男「さて、そろそろ帰るとするか……。今日は楽しかったか?」
女「ああ、楽しかったよ」
男「そうか」
女「……」
男「……」
女「……また、」
男「ん?」
女「また、いつか来よう。今度は、二人じゃなくて――」
女「――三人で」

 ちょっと書き溜めてから投下しようとしたら寝落ちした。今回は女友のターンです。

女「ただいま」
女友「……お邪魔しまーす」
女母「お帰り女。……あら? その子は……女友ちゃんかしら」
女友「……は、はい、お久しぶりです、女の母さん」
女母「ええ本当、久しぶり……。今日はどうしたのかしら」
女友「今日はちょっと女と勉強会で……。夕食前には帰る予定です」
女母「あら、泊まっていけば良いのに」
女友「さ、流石にそこまでは……悪いかな、と」
女母「あら……遠慮しなくてもいいのよ? 私は大歓迎。ね? 女」
女「私に振るな。私としては男にこの前の二泊を返したい」
女母「やだもう。この子ったらのろけちゃって……」
女「のろけではない。あとで何か飲み物を持って来てくれ」
女母「はいはい、わかりましたよ」

バタン
女友「はふぅ~」ヘナヘナ
女「人の部屋に来ていきなりへたり込むとは」
女友「いやさ、あんたの母さんと会ったの二、三回程度でその上最後に会ってからもう一年以上なのに思い出すって……。記憶力良すぎでしょ」
女「ああ。記憶力が良すぎて困る。にしても女友母さんへの口調がやけに丁寧だったな?」
女友「……うん、最初に会った時、ババア呼ばわりしちゃってね……」ガクガク
女「……ごしゅうしゅう、御愁傷だな」
女友「今あんた噛まなかった?」

女「気のせいだ。さて勉強を始めるか」
女友「ういっしゅ。まずどこを勉強する?」
女「苦手な科目をやろう」
女友「んー。苦手な科目かー。英語かな?」
女「私は社会だ」
女友「いつもわたしに写させてるもんねー。というかあんたとわたしじゃ解らないとこ多すぎない?」
女「大丈夫だ。助っ人を頼んである」
女友「助っ人?」
女「ああ。今はまだ来てないから、解らないところは跳ばそう」
女友「おっけー」

女友「ところでさー」カキカキ
女「なんだ」
女友「この前男と一緒に遊園地行ったんだって?」
女「ああ」
女友「キスされたんだってー?」
女「そ、それは誰からの情報だ!? 答えろ! いや答えなくてもいい、解った! 男め会ったら蹴飛ばす!」
女友「いや、落ち着きなさいってー。わたしは男からじゃなくて男友君から聞いたんだよ」
女「……男友か。成る程、なら蹴るのは止めとこう。あいつもよかれと思って話したのだろうからな」
女友「? なんの話ー?」
女「こっちの話だ」

女友「しっつもーん」カキカキ
女「何だ、何が解らない」
女友「いやさ、ピカチューって尻尾どうなってたかなーって」
女「落書きしてないで勉強をしろ」

女友「いやだって跳ばし跳ばしやってたらさ、やってないところまで行っちゃって」
女「……せめて少し考えるくらいはしろ」
女友「考える、ねー。……んー」
女姉「……そこはまず複数形に直します」
女友「わっ。……えと、複数形?」
女姉「はい。次にこうしてこうします」

女友「ええーっと、……こう?」
女姉「ええ。それが正解です」
女友「ありがとうございます。……ところででどちら様でしょうか」
女「私の姉だ」
女姉「姉です。いつも女がお世話になっています」
女友「いえいえこちらこそ、いつも女のお世話になってます」

女友「えーっと、もしかしてこの人が助っ人?」
女「ああ。今は大学に通っている」
女友「ふーん」ジー
女姉「……?」ボイーン
女友「……」チラッ
女「……小腹が空いたな」プルン
女友「……」チラッ
女友「」ペターン
女姉「どうしたのですか、女友さん。机に突っ伏して」
女友「この部屋の貧富の差を味わってるんですよ」
女「ドンマイ」
女友「うっせーこんちくしょう」

女友「……」カキカキ
女「……」カキカキ
女姉「……」ペラッ
女友「……」カキカキ
女「……」カキカキ
女姉「……ふむふむ」
女友「……」カキカキ
女「……」カキカキ
女姉「……」ペラッ
女姉「……誰かボケろよー!」
女姉「!?」ビクッ
女「いや、何故ボケねばならないんだ」

女友「……ん」パタン
女「どうした女友」
女友「いや、そろそろ暗くなってきたし帰ろうかなと思って」
女「そうか。玄関まで見送ろうか」
女友「ん。……あ、そういえば一つ聞きたい事があるんだけど」
女「なんだ」
女友「お兄さん居るんだよね? 会えるならちょっと会ってみたいな、と思って」
女「ほう。兄と胸を比べたいのか」
女友「違うわ! それはいくらなんでもわたしが勝つわ!」
女「いや、負ける!」
女友「断言すんなー! それじゃあわたしの胸が抉れてるみたいじゃん!」

女「冗談はさておき会えないぞ。私もしばらく会ってないからな」
女友「どうして? あ……まさか」
女「ああ。五年ぐらい前に大学の友人と一緒に山に行って……」
女友「そっか……」
女「その帰りに乗せたヒッチハイカーに旅の素晴らしさを教わって、大学卒業後しばらく働いて金溜めて、二年ぐらい前から単車で旅に出てる」
女友「ごめ……ってええ!? 生きてるの!?」
女「……? 何を言ってるんだ? 生きてるに決まってるだろう。ちなみにこの前手紙が届いて北の方に居ると解った。あと結婚したらしい。相手は旅の素晴らしさを教えて貰ったあのヒッチハイカーだそうだ」
女友「ワー、ロマンチックー」
女「ちなみに手紙にはどっかの雪山で件のヒッチハイカーと一緒に居る写真が同封されていた。ヒッチハイカーが真っ白な毛むくじゃらの男に蹴りをかましている写真とかがあったがあれはなんなんだろうな」
女友「カオス過ぎない? その写真」

女友「じゃ、また明日ねー」
女「ああ、また明日な」
女姉「……帰った?」
女「ああ、帰ったぞ」
女姉「……どうしたら良い?」
女「とりあえず物陰から出て母さんの手伝いでもすれば良いと思う」
女姉「……うん、解った」トコトコ
女「……にしてもあれだな。普段は静かというか控えめと言うか、まあそんな感じなのに、緊張すると何できびきび動くんだろうな」

 今回はこれで終わりです。ではまた会えたら。


男友「……はあ」
男「ため息を吐くな。俺の幸せが逃げる」
男友「少しはいたわってよ」
男「何故俺が女と両親、妹以外にそんな事をせねばならん。というかそろそろコクれ。見てるこっちがまどろっこしい」
男友「石橋を叩いて渡るが僕の座右の銘なんだよ」
男「お前の場合必要以上に叩いてるだろ」
男友「まあ、否定出来ない」

男「大体、俺はそのことわざは好きじゃないな。叩きに叩いて、さあ渡ろうと足を踏み入れた途端に崩れ落ちたら意味が無いじゃないか」
男友「うん。確かにそうなんだけど」
男「それにもしお前がじっくり石橋を叩いて渡り、意中の女友に告白したとしよう。多分、こんな返答が待っているだろうな。「このストーカー!」、と。それにお前が石橋叩いている間に女友に恋人が出来てゴールインする場合もあり得る」
男友「……うん。あり得るね」
男「まあその事にお前が切れてひゃっはーした結果、紆余曲折あって恋人と別れてお前と結婚、と言う可能性がツチノコが見つかる確率ぐらいである」
男友「……ごめん。今の日本語?」
男「日本語に決まっているだろう、馬鹿め。お前がそううじうじしている間に、日本語はあけおめどころがあだけで通じる言葉になる」
男友「それはいくらなんでもありえない。というか確率低っ」
男「お前がそう言う事をする確率も入っているからな。と言うか、そう言う事が出来るならまず俺の隣でグチグチ愚痴っているお前は居ない訳だが」
男友「まあ、確かにね」

男「そうそう、たった今出たお前の座右の銘に俺達の性格を反映すると、だ。石橋をしっこいぐらい叩いて渡るのがお前。石橋を叩かないのが俺。石橋を思いっきり叩いてぶっ壊し、仕方ないので泳いで渡るのが女……と言う具合だ」
男友「わあ、合ってるのか合ってないのか判断がつかないや。ちなみに女友さんは?」
男「知らん」
男友「ええー」
男「いや当然だろう。俺は女友って奴と直に話したのは数回程度なんだ。むしろ女友についてはお前の方が詳しい筈だろ」
男友「んー。認めるとなんかストーカーっぽくなるけど、うん」
男「まあ、俺の言いたい事は、だ……。うん。解ったよな」
男友「説明するのが面倒くさくなったからって丸投げしないでよ。本当、自分と自分の家族と女さんの事以外はものぐさなんだから……」
男「それだけいれば、生きていけるからな」

男友「さあ、どうだろうね? ……ていうか何が言いたいのさ」
男「もう少し積極性を持てって事だ。女みたいになれと言わない。そうだな……。「キュウリは英語でcucumber。さっぱりとした良い響きだ! まるでキュウリそのものを食べているようなさっぱり感を感じさせる言葉! だから僕はキューカンバーと言う言葉を愛してる!」みたいな心意気で」

男友「流石にそんな風にはなりたく無いけど、うん。頑張るよ」
男「ああ、頑張れ。玉砕しても安心しろ。笑ってやるから」
男友「酷くない?」
男「まあ、笑う云々の40%は冗談だ」
男友「あとの60%は?」
男「……」
男友「なんで目を逸らすのさ」
男「……うん。気にするな」
男友「いや、気になるんだけど。……まあ、いいや。じゃ、別れだね」
男「ああ。ここでお別れだな。また明日」
男友「うん」

ここでお題を募るとは無謀な

>>91 お題はおまけのような物です。こんな作品を読んでくれている物好きは多分三人ぐらいだろうですから。

男「……暇だな」
女「そうだな」
男「……せっかくの休日なのに暇とは悲しいと思わないか?」
女「ああ。……なにか案があるのか、男?」
男「勿論」

女友「――暇だったからー」
男友「僕と女友さんを呼んだ、と」
男「ああ。それと俺の妹。」
男友「久しぶり、妹ちゃん」
妹「……こんに、ちは」
女友「よろしく妹ちゃん!」
妹「よろし、く」
男「あんまり近づくな女友」
女友「なんでさ。人見知りだから?」
男「それともう一つ。阿呆が移る」
女友「むきゃー!」


男友「で、なにをするの?」
男「ああ。トランプでもやろうかと思ってる」
女友「じゃあババ抜きやろう! やって一番に上がった人は一番遅く上がった人に命令! これぞ王様抜き!」
男(……と言う事でババ抜きを始め、言い出しっぺの女友がまさかの一位。二位が男友、三位が妹で、残るは手札一枚の俺と手札二枚の女)
女「……」
男(……ふむ。真剣な表情の女も可愛い。……と、確定事項な事はさて置いて、今は俺が女から一枚カードを取る番だ。女が持ってる二枚のカードのどちらかにジョーカーが入っているだろう。さて、この勝負に勝つ事自体は簡単だ。何故なら、――俺が右を取ろうとすると、)
女「……♪」
男(女はニコニコ笑みを浮かべる。逆の左を取ろうとすると、)
女「……」
男(悲しそうな表情になる。……当然本人は気づいてない)
女「……?」
男(さて、どうするか。俺が勝てば女は最下位で、女友から罰ゲームを受ける。が、流石に友人にそんな酷い事はさせないだろう。俺が負ければ俺が最下位で女友から罰ゲームを受ける。俺は女友とそんなに親しくないからどんな罰ゲームを受けるか解らない。どうした物か……)
女「どうした、男? 早く選んでくれ」
男「ああ。今選ぶよ」
男(ここはやはり――)

女「お、おおおおお……勝ったー!」
男「わーまけたー」
妹「……」パチパチ
男友(……わざと負けたな、男)
女友「そんな訳でビリーな男に命令ー!」ビシッ
男「俺に指を差していいのは女だけだ」
女友「さっそくのろけてくれやがるコンチクショウは女とラブラブちゅっちゅっだー!」
女「は、はあっ!?」
男「……ふむ。罰ゲームなら仕方ないな」ニヤリ
女「ちょっ、男、言葉と裏腹に笑っているのはなんだ!? だ、大体、妹ちゃんの教育に悪いぞ?」
女友「妹ちゃん。悪いけどお外で待っててねー」
妹「……ん」トテトテ
女友「妹ちゃんがどうしたのかなー?」
男「問題ないだろう。さあやるか」
女「いや、どう見ても問題だら……んっ……」

~数分後~
女「ゼーハー、ゼーハー」
女友「……やー、人が見てるの清々しいくらい無視してディープだったね?」
男「いや、当初はすぐ終わらせようと思ったんだが、恥ずかしそうにする女を見てたらついハッスルしてしまってな」
女「……穴に埋まりたい……」
男友「……えーと。妹ちゃーん、終わったよー」
妹「ん」トテトテ
女友「さーて。二回戦と行きますかー!」
男「あ、その前に女」
女「胎児に戻りた……なんだ、男」

男「これ着けろ」
男友「……なに、そのお面」
男「この前女と行った遊園地のマスコットキャクター、ネアンデルタール君のお面。売店で寂しく売れ残ってたのを店員に無理やり持たされてな。こんな事になるだろうと思ってさっき家から取ってきたんだ」
女「で、何故これを着けるんだ……?」
男「いいから着けろ」
女「……? ああ」カポッ
男「よし。始めていいぞ、女友」

男「さて、二回戦の結果は」
妹「私、一番」
男友「僕二位」
男「俺が三位で――」
女「私が、四位だー!」
女友「で、わたしビリー……。ううっ、男め、女に余計な物着けさせやがってー。男にとってはさっきのは役得だっただろー」
男「確かに役得だったが、またさっきのような罰ゲームを要求したら、いずれ女がぶっ倒れるだろうからな。――さて、妹。女友への罰ゲームを頼んだ。なるべくきっついのな」
女友「な、なるべく優しくしてー!」
妹「えっ、と……? じゃあ、……罰、ゲーム。後で、一緒に、おやつ……食べよ?」
女友「……うーん? 罰ゲーム、なのかな?」
男「そう言うな。妹なりに優しくしたんだろ。なんならお前のおやつだけ辛いのにしてやるが?」
女友「それはかなり罰ゲームらしいけど勘弁して!」

男「さて。女友がリベンジとかほざいた三回戦目の結果は、」
男友「僕が一位で、」
妹「私、二番」
女「私が三位で」
男「俺が四位」
女友「で、またわたしがビリだコンチクショウ」
男友「……え、えっと……僕が女友さんに罰ゲーム言うの?」
男「ああ」
男友「……ど、どうしよう?」ボソボソ
男「ふむ。付き合えとでも言えばいいんじゃないか?」ボソボソ
男友「む、無理だよ……!」ボソボソ
男「じゃあ今度一緒に出かけるとか」ボソボソ
男友「それが言えたら苦労しないよ……」ボソボソ
男「じゃあどうするんだ?」ボソボソ
男友「……うーん」
女友「早くしてよー? わたし何されるか超ドキドキだぜー?」
男友「……うん、じゃあ、女友さんの電話番号を知りたい……かな」
女友「そう言えばわたしも男友くんの電話番号知らないや。じゃあ交換しようぜー。ピポパっと。届いた届いた、これでよし――ってこれ罰ゲームじゃないじゃん!」

男「飽きてきた、もしくは負け続けで嫌になったのかは解らないが、最後と女友が宣言した四回戦。その結果は、」
女「私が一位だー!」
妹「私、二番」
男友「僕が三位で」
女友「わたしが、四位じゃああああー! ざまあみろ、男ー!」
男「……ていうか四回やってビリになったのが俺と女友って少し偏りすぎないか?」
男友「そうだね」
女「確かに。まあいいか。さて、男への罰ゲームは……」
女友「きっついの頼むよー!」
男「さあ、どんと来い。お前のおしっこを飲むぐらいならご褒美だ。それ以上のゲロとかは流石に無理だが」
女「いや、私に排泄物を飲ませて喜ぶ趣味は無い。……さて、罰ゲームか……。そうだな、この前私は男の家に泊まっただろ? だから今度はお返しに男が私の家に泊まってくれ」
男「……ふむ。解った、泊まろう。後で母さんに連絡しとかないとな」
女友「泊まる宣言一つ入りましたー! ってかやっぱり罰ゲームじゃねー!」

男「……そろそろ3時だな」
女友「たしかにあと数分で3時だけど、それがどうしたの?」
男「罰ゲームの準備だ」
女友「……ああ、妹ちゃんの」
妹「……」コクリ
女友「でー? 準備ってなに?」
男「昨日作ったケーキの余りをおやつにするんだ女友の分だけ唐辛子を注入する」
女友「ちょ、さっき言ったの本当に実行する気!?」
男「ああ。何か問題でもあるか? お前が辛さに苦しむ以外に」
「くっ……。いいもんね、もし出たら女のケーキと変えてやるー!」
男「……ふむ。辛さに悶える女……。有りだな。よし、入れてくる」
女「ま、待て男ー!」

女「今日は楽しかったぞ。ありがとう」
女友「うむうむ、くるしゅうない。けど辛子を入れたのは余計だったかな、男! 冗談かと思ってたから警戒してなかったよ!」
男「お祖父ちゃんからの教えなんだ。有言実行。大体謝礼にもう一個ケーキやったからいいだろ」
女友「今度はわさびを入れた奴だったけどね!?」
男「いや、辛いカレーを食べてあまりの辛さにジュースを求める人に、タバスコをたっぷり入れたトマトジュースを差し出すのが夢だったんだ。形は違えど夢が叶って満足だ」
女友「わたしの舌は甘いをの満足に食べれなくてぐずついてるがな」
妹「飴、あげる」
女友「ありがと、妹ちゃん」
男友「で、僕が男の家まで妹ちゃんを送るんだね?」
男「最近物騒だからな。頼んだぞ」
男友「うん。解った。じゃ、行こうか」
妹「うん」コクリ
女友「待って待ってー。妹ちゃんとお話したいからわたしもついてくー。後男ー! 次はちゃんとしたあまーいケーキを出してよね!」
男「ああ、解ったよ」
女友「じゃ!」タッタッタッタッ
男「……多分、妹を送った後、男友はかくかくしながら女友を送るんだろうな」
女「少しは縮まるといいな、彼らの距離が」
男「ああ」

>>102ミスった。
×甘いをの
○甘いのを

男「で、さっき楽しかったと言ったがどのくらいだ?」
女「ん……。お前と過ごしている時間の……次、くらいかな?」
男「そうか」グシャグシャ
女「む……。髪が乱れる」
男「あとで風呂に入るんだから少しくらい良いだろ」
女「それもそうだが」
男「そうだ、昔みたいに一緒に入ろうか?」
女「そ、それは……」
男「駄目か」
女「……水着、着用なら……、良い」
男「それじゃ風呂の意味が無いだろ……。まあ、いつか一緒に入れるのを楽しみにしてるよ」
女「……ああ、私も、だ」

女「男ー」
男「どうした、女」
女「いや、ちょっとしたクイズを思いついてな」
男「どんなのだ?」
女「割と自信があるぞ。アンパンマン、しょくぱんまん、カレーパンマン。この中で仲間外れなのはだれだ? 理由を合わせて答えてくれ」
男「ふむ……。カレーパンマンか?」
女「理由は?」
男「アンパンと食パンは甘いがカレーパンは辛いから。……どうだ?」
女「ぶっぶー。違う」
男「違うのか」
女「ヒント。単純に考える」
男「単純に、か……。しょくぱんまんか?」
女「理由は?」
男「ひらがなだから」
女「少し惜しいが違う。」
男「ふむ……? 解らん」
女「正解はしょくぱんまんだ」
男「なんでだ?」
女「アンパンマン、しょくぱんまん、カレーパンマン。この三……人? の名前の中にあるパンを取ると、」
男「アンマン、しょくまん、カレーマンになるな」
女「そしてしょくまんと言う物は存在しない。だからしょくぱんまんが仲間外れだ」
男「なるほど、な」

女「男ー! 起きろー!」
男「ぐはっ!」
女「起きたか?」
男「」
女「お、男!? 息をしろ男ー!」

男「死ぬかと思った」
女「すまない……大丈夫か?」
男「……ああ。だいぶ回復してきた。で、なんだ女。いきなりのしかかってきて」
女「いや、この前見た漫画にこうして寝ている主人公にダイブするシーンがあって、それを真似して見たんだが……重かったか?」
男「いや、軽かった。……が、いくら軽くても全体重がかかった膝はヤバい」
女「す、すまん」
男「別に謝らなくてもいいぞ。死にかけたのと引き換えに女の顔をどんな物より最初に見れたからな」
女「そ、そうか」
男(ついでにまだのしかかった状態なので胸もよく見える)

女「男、しりとりしよう!」
男「しりとり?」
女「ああ、しりとりだ! 今日こそどちらが如何に語彙が豆腐か見せてやる!」
女友「ごめん、女。その台詞から勝てる未来が微塵も見えないんだけど」
女「ええい、やかましー! 微笑ましい物を見るような眼差しをするな男ー! 覚悟しろよー! まずはしりとりのり、りんご!」
男「五体投地」
女「……え? ご、ごたいとう……ち?」
女友(あ、こりゃ負けるな)

女「くっ……ごたいとうちの意味は後で調べるとして、チだな! チョコレート!」
男「トースト」
女「トマト!」
男「トリートメント」
女「また、トだと……。くっ、とんかつ!」
男「筒」
女「えーっと、つくし!」
男「醤油」
女「湯豆腐!」
男「付和雷同」
女「……ふ、ふわらいどう? ど、どういう意味だ、おと……いや、女友」
女友「わたしに聞かれても困るんだけど」

女「く、ふわらいどう、か。これも後で調べるか……! えっと、ウクライナ!」
男「ナース」
女「スープ!」
男「プラナリア」
女「アップルジュース!」
男「煤」
女「その手があったか……酢!」
男「スーツケース」
女「返しただと……!? す、すすす……スシ!」
男「今度一緒に食べに行くか? しめじ」
女「ああ! ジュース!」
男「スイス」
女「またスだと……。す、スイカ!」
男「かぶと焼き」
女「きゅうり!」
男「リード」
女「ドーナッツ!」
男「ツミキ」
女「きんつば!」
男「バックファイア」

女「あ、アンパン! ……あ」
男「……ンジャメナ」
女「……え? お、男」
男「どうした、女? ナ、だぞ」
女「……ああ! ナス!」
男「スルメ」
女「目玉焼き!」
女友「……やれやれ。この二人は変わらずラブラブですねぇ、そう思いませんか、男友くん?」
男友「……や、僕に言われても」

女「男。ふと思ったんだが」
男「なにをだ女」
女「もし、男がツンデレじゃなくて、素直な性格だったら、どう言う風になってたと思う?」
男「あー。そう言う自分はあまり想像したく無いが、もし俺が最初から素直だったら……こうなってただろうな」

男(幼)「女ー! 俺だ、結婚してくれー!」
女(幼)「は、はあ!? な、何を言い出すんだお前は!」

女「……男」
男「なんだ」
女「ツンデレでありがとう!」
男「日本語喋れ」

女「……しかしこういう仮定を考えてみるのってなかなか面白いな」
男「まあ、有り得ない故に楽しいんだろうな」
女「うむ。じゃあ、今度は女友にもし胸があったら」

女友「あら、ごめんなさいね。ワタクシの胸があなたの顔にぶつかってしまって」プルン

女「……誰だ!?」
男「と言うかお前にとっての女友は貧しい乳なのか」

男「じゃあ次。もし俺の妹が人見知りじゃなく、普通に積極的だったら」

妹「おはよう、お兄! 今日は友達の家で夕ご飯食べに行くから、お母さんにそう言っといて! じゃ、ばびゅーんと行ってきまーす!」

男「……今のままでいいな」
女「このシスコンめ」

女「じゃあ、次。もし私の姉が熱血だったら」

女姉「女ー! 今日は一緒に寝よう! そして好きな男について語り明かそうじゃないか!」

男「……とてもうるさそうだな」
女「ああ」

男「次。もし男友が女友に積極的だったら」

男友「やあ、女友さん! 今日も素敵に貧しいね! ちょっと揉んでいいかい?」

男「……何故か変態になったな」
女「ああ。なんでだろうな」

男「何通りか考えてみた結果、どうだ女」
女「うむ。……今のままでいいな!」
男「確かにな」
女「ところで最後に一つ。もし、私が――」
男「――女」グイッ
女「え? ……ん」チュッ
男「お前にもし、は無い。俺は今のお前が好きなんだ」
女「ああ。……男」
男「なんだ」
チュッ
女「お返し、だ」
男「……はは」
男友「こんな朝っぱらから何しているのさ……」
女「あ、おはよう変態」
男「ああ。おはよう変態」
男友「……僕、何かしたかなあ?」
男「気にするな」

女「肝試しをしよう、男」
男「いきなりだな。ぜ肝試し?」
女「ああ。最近、とある廃病院に幽霊が出ると言う噂が切り餅でな」
男「……聞いた事あるな。あと持ちきりな」
女「言い間違えただけだ。で、一緒に行ってみようと女友が言って、私も面白いと思って承諾したのだが……」
男「? 少し待て。女、お前幽霊苦手だろ」
女「に、苦手じゃない。嫌いなだけだ」
男「はいはい」
女「なんだその返答はっ。大体、幽霊なんていう居もしない物にいつまでも怯えては居られないからな。今夜、私は幽霊を克服する!」
男「そうか。じゃあ今度お化け屋敷に行こう」
女「あ、ああ」
男「……まあ、理由は解った。女二人じゃあれだし、俺も付き合うよ。……男友も誘うか?」
女「ああ。そうしてくれ」

女友「そんな訳でやってきました、廃病院!」
男「ふむ。不気味だな」
女友「組み合わせはまあ男と女の所為で決まっているからいいとして、順番はどうするー?」
女「……好きにしろ」
女友「ん。じゃ、わたしと男友くんが一番乗りー!」

女友「……うーん。噂に聞いてたけどやっぱり薄気味悪いねー」
男友「そ、そうだね」
女友「気を紛らわすためにマジカルバナナしようぜ! バナナと言ったら黄色!」
男友「黄色と言ったらレモン?」
女友「レモンと言ったら酸っぱい!」
男友「酸っぱいと言ったら梅干し」
??「……梅干しと言ったら、赤い」
女友「赤いと言ったら――っ!?」

男「……む。悲鳴だ」
女「声からして女友だな。大きい蜘蛛でも居たのだろうか?」
男「そう思うなら俺の腕にしがみつかないでくれ」
女「こ、これは違う。ただ単にイチャイチャしたくなっただけだ」
男「そうか」
女「そうだ!」

男「……この辺りから聞こえたな」
女「……ん?」ツンツン
女「お、男。肩を叩いて脅かそうとしても無駄だぞ」
男「ん? 何を言ってるんだ、女。俺は右手に懐中電灯で俺の左腕にはお前がしがみついてるから肩を叩く事は不可能だぞ」
女「じゃ、じゃあ今肩を叩いたのは――」クルリ
??「うーらーめーしーやー」
女「」
男「……表は?」
??「お化け屋敷ー」
女「――――っ!」

??「……いいのー? 彼女行っちゃったけどー」
男「いいんだよ。あいつはお化けが苦手だからな」
??「ふーん」
男「ところでお前はだれだ。透けてる所を見ると幽霊っぽいが」
??「んー? そうだねー。泣く子もトキメク美少女、ロジカル☆ケミカルゴーストガールちゃん……ってどう?」
男「長い。泣く子も年取る微少女、ロリカル(笑)コミカルゴーストガール?」
??「最初しかあってなーい。て言うか何、途中の括弧の中身ー」

男「……ふむ。面倒だな。いっそ一週して幽霊でいいか」
幽霊「わー。シンプルー」
男「お前に名付ける義理は殆ど無いからな。で、なんの用だ。成仏したいなら十字を切ってやるが?」
幽霊「ワタシ、無宗教ー」
男「そうか。じゃああとで塩を撒いてやる」
幽霊「伯方の塩でお願いー」
男「断る」

男「さて、そろそろ真面目にやろうと思うのでさっさと要件を言え」
幽霊「いきなりだねー」
男「女友と女が絶対混乱してるだろうからな。男友だけで治められるとは思えん」
幽霊「んー。信用してないねー」
男「信用しているから無理だと判断したんだ」
幽霊「ふーん。じゃあ用件言うねー」
男「ああ」
幽霊「ワタシ、人間になりたいー」
男「ベムか」

幽霊「まー。冗談なんだけどー」
男「そうか。で、用件は」
幽霊「忘れ物を取りに」
男「……忘れ物?」
幽霊「うん」
男「それがこの病院に無かったらどうする? 町のどこかにあるとか言うなら帰るぞ」
幽霊「多分、大丈夫だよー。ワタシもそう思って何回が病院出ようとしたもの。けど、どうやっても出れない。だからこの病院にあると思うの」
男「……気が乗らないな」
幽霊「? どうして」
男「ここの病院に幽霊が出ると噂されたのは少なくとも1ヶ月前からだ。その間に見つからなかった忘れ物を探すのは無理だろう」
幽霊「心配ご無用ー。ワタシは、視覚自体は生きてる頃と変わらないの。その上、物を動かす事も出来ない。だからロッカーとか引き出しとかの中は見てないの」
男「……」
幽霊「お願いー。今夜だけでいいから」
男「……仕方ない」
幽霊「……探してくれるのー?」
男「今夜だけだ」
幽霊「それでも。ありがとう」
男「じゃあまずは女の所に行く」
幽霊「うん」

女「お、男! 逃げ出してすまない!」
男「別にいいさ。ところで少し野暮用を頼まれたんだが、手伝うか?」
女「ああ」
女友「……頼まれたって誰に?」
幽霊「ワタシにー」
女「」
女友「」
男友「え? 今なにか声が……」
幽霊「ヤッホー」
女「――っ!」
女友「わ、わわわわわわわ!」
男友「ど、どうしたの二人共!?」
男「……幽霊。人の腹から顔を出すな」
幽霊「めんごめんご」

男「ところでなにか男友と女友で反応が違うんだが?」
幽霊「持ってるレーカンみたいな物の差だろうねー。男友って人はワタシの声は聞こえるけど姿は見えない。キミと女友って人は声が聞こえて姿も見れるけどワタシに触れられないし、ワタシも触れられない。女って人は姿が見えて、声も聞こえて、少しだけだけどワタシに触れられる。だからさっき肩を叩けたんだよ」
男「なるほど」
女友「お、男? えっと、その透けてる人、誰?」
男「幽霊。探し物をしているそうでな」
幽霊「どうも幽霊でーす」
女「お、男。少しそこ動くなよ」
男「……女、なんだその塩が入ったプラスチックのビンは」
女「べ、別に幽霊が怖くて持ってきたんじゃないんだからな!? しょっぱい物が無性に食べたくなる時があるから持ってきたんだけたなんだからな!?」
男「喜べ幽霊。あのビン、ラベルが伯方の塩だ」
幽霊「ごめん。ワタシ実は伯方の塩より赤穂の天塩の方が好きなの」
女「あ、赤穂の天塩だな! 解った、持ってきてやる!」
男「落ち着け女。幽霊が好きな塩を振りかける意味は全く無い」
男友「男は落ち着きすぎだけどね。と言うかなにがなんだかさっぱり解らないや」

女「ふう……」
男「落ち着いたか」
女「ああ」
男友「で、僕には見えないけどその幽霊さんの探し物を見つけろ、と?」
幽霊「うん。それがあれば成仏出来ると思うよ」
女「ふむ。どんなのだ」
幽霊「んーと、青いペンダント」
女友「ペンダントねー。どこにあるか解る?」
幽霊「ん」フルフル
女「解らない、か」
男「まああれだ。開けてなさそうな引き出しとかを重心点に探すローラー作戦だな」

女友「とりあえずさっきのように別れて探そうぜ!」

男「……と言っていたが、あれは単に幽霊のボケに突っ込める俺と一緒になりたくないだけだな。この幽霊、何故か俺につきまとうし」
女「うう……女友め……今度コンビニのゴールデンプリンを奢らせてやる……いや、デラックスプリンも良いか……?」
男「……そういや幽霊、お前いつ死んだんだ。さっきは1ヶ月前と推測したが、よく考えるとお前、この病院に居たんじゃないか?」
幽霊「うん。この病院がまだ病院だったころだよー。病気で入院してて、ある日病が悪化してぽっくり、と」
男「擬音で自分の死を表現するなよ……。この病院が廃墟になったのは一年程前。と言う事は軽く見積もっても一年前からここに居たって事か」
幽霊「うん」
男「なんでだ? 前々からこの場所は肝試しなどに使われていた。なのに何故、一年前ではなく、1ヶ月前からなんだ?」

幽霊「んー。言うと人の手を借りたかったからかな。さっき言ったけど、ワタシは視覚は人間と変わらないし、どれだけ気合いいれても物に触れられない。だから、人の手を借りなきゃ、と遅まきながらに思って、わざと目撃される様にしたの」
男「なるほど。それで噂が広まったのか」

男「……にしても無いな」ガサゴソ
女「ああ。……本当にあるのか?」
幽霊「多分」
女「多分、か。……ん」
男「どうした、女」
女「いや、この引き出し、中の物がつっかえているのか、開かなくてな。……んー、んー、……んうっ!」スポーン
幽霊「おおー。引き出しが軽やかに宙へ」
女「と、と、とっ……わわわっ」ドシン
男「大丈夫か、女」
女「ああ、大丈――ぶっ!?」ゴッ
男「……まるでコントみたいに、引き出しが頭に直撃したな。大丈夫じゃないだろう、立てるか、女」
女「あ、ああ……ん?」

男「どうした? 頭を打ったせいで俺の顔がプリンに見えるようになったか」
女「そうなったら少し困る……っていやそうじゃない! 今はそれどころじゃない! 足元!」
男「……足元? ――これは」ヒョイ
幽霊「――ペンダントだね。ワタシの」
男「……幽霊。お前、消えて……」
幽霊「どうやら、これで成仏っぽい。やっぱりこれがワタシの未練だったんだね」
女「幽霊……」
幽霊「……短い間だったけどお世話になった。ありがとう、男、女」
男「……ああ」
女「……」
幽霊「……それじゃあ、さようなら。また、いつか会えたら――」

男「……消えた、か」
女「最後、彼女笑ってたな」
男「ああ」
女「……無事に行けただろうか」
男「どこに?」
女「天国に」
男「行けただろうさ、きっと」
女「……そう、だな」

女「男ー! 女友に奢らせた新作、ゴールドdeデラックスビックプリン、一緒に食べよう!」
男「ああ。……しかし名称長い上に本体でかいな、おい」
女「~♪」
男(――その夜以来、女は幽霊を怖がらなくなった。多分、あいつを見て何か変わったのかもしれない。……少し残念に思ってるの秘密だ)
女「男ー! 早く早く!」
男(……それと女の幽霊嫌いのほか、もう一つ変わった事がある。それは、)

幽霊「美味しそうだねー」
男「……なんでお前居るんだよ」
幽霊「天国らしきところにはたどり着いたんだけど門番っぽい人に追い返されたの。多分ワタシのラヴパワーがミラクルを引き起こしたんだよ」
男「起こさなくてもいいのにな、こんないらないミラクル」
幽霊「ま、今度は行動範囲かなり広がったし、もうしばらくは楽しませてもらうよ?」
男「……やれやれ」

 お題募集中なのでお気軽にどうぞ。

男「そう言えば明日は女友の誕生日だそうだ」
男友「そ、そうなの!?」
男「俺が嘘を言うか?」
男友「たまに」
男「……まあ、そんな訳でがんばれ、男友」
男友「手伝ってくれないの?」
男「今日は妹にケーキを作る予定でな。そんなめんど……暇ではない」
男友「今面倒くさいって言いかけなかった?」
男「気のせいだ。まあ、悶々と悩みながら決めるがいい」

男友「……さて、どうしようかなあ。……あ、女さん」
女「おお。男友か。木耳だな」
男友「うん、奇遇だね。買い物?」
女「うむ。明日、女友の誕生日でな。プレゼントを買いにきた」
男友「僕も同じ理由で。どんなのにするかはまだ決めて選んでないけど」
女「そうか。一緒に選ぶか?」
男友「いや、絶対男が嫉妬するから……。あ、でも参考にはしたいな。何を買うの?」
女「本だ」
男友「本、かあ。どんな?」
女「『マッサージ三ツ星ノ極(きわみ)~これで貴女もグラマスに~』と言う本だ。女友は時々自分の胸を見てため息を吐いてるからな。これでため息も吐かなくなるだろう」
男友「……喜ぶといいね」
女「? 喜ぶに決まってるだろう」

男友「んー。なかなか良いアクセサリー見つからないなあ」
幽霊「ヤッホー」
男友「? ……あ、幽霊さんかあ」
幽霊「せいかーい。何してるのー?」
男友「アクセサリーを探してるんだ」
幽霊「……アクサソリーを? まさか女装ー?」
男友「しないよ!?」
幽霊「しないの? ……ちょっと残念。ま、いいや。ところでアクサソリーって、なんか悪の幹部の名前っぽいね?」
男友「うん。確かに悪の幹部の名前っぽいね」

幽霊「あ、そうだ。アクサソリーなら良い店知ってるよ」
男友「本当ですか?」
幽霊「うん。所謂隠れた名店でねー。客数は少ないけど、いーのがいっぱいあるよ? 良かったら案内するけど」
男友「お願いします」
幽霊「じゃ、まずは右をまっすぐー」
男友「行ったらガラスにぶつかります」

幽霊「……あ、あれ? 確かにここにあった筈なんだけど……。……そっか、潰れちゃったんだ。ごめんね、男友くん」
男友「いえ、普通に目の前にありますけど……」
幽霊「や、こういうシーン漫画とかであるよね?」
男友「確かにありますけど今やる必要ありますか?」
幽霊「ない!」

男友「……まあ、とりあえずありがとう」
幽霊「さあもっと褒め称えろー」
男友「ええ、と……可愛い、ね?」
幽霊「わー褒められた気がしないー。ほら、もっと、グラマラスだね、とか色っぽいね、とかー」
男友「さ、流石に誇張表現をしてまで褒めるのは……」
幽霊「ぶー」


~翌日~
女「誕生日おめでとう、女友。プレゼントだ」
女友「ありがとー。……なにこれ」
女「いつも胸の小ささに悩んでいるだろう? だからそれを参考にして、大きくなるが良い!」
女友「……ほほう。女、少し後ろを向いてくれない?」ワキワキ
女「む? なんでだ」
女友「いいから」
女「……?」クルリ
女友「そんな上から目線の言葉を吐く原因はこの胸かー!」モミュモミュ
女「な、なにを、なにをする女友……!」

女「フー、フー」ビクンビクン
女友「悪は滅びた!」
男「おいおい、あまり女をいじめるなよ。まあいじめられてる女も可愛いが」
女友「後半の惚気は無視して、すべてはキョニューが悪いのだ! 滅ぶべしキョニュー!」
幽霊「どうかんー」スー
女友「うわぁ!?」

幽霊「……人の顔を見るなり悲鳴をあげるとは失礼なー」
男友「誰だって天井からいきなり現れたら驚くと思うよ?」
男「あとお前人じゃないだろ」
女友「」

女友「――はっ!」
男「……気がついたか女友」
女友「わたしは何故倒れてるんだろう」
幽霊「ワタシが原因でーす」
女友「」
男「だからいきなり現れるな。せっかく起きたのにまた気絶させてどうする」
幽霊「めんごめんご」
女友「――っはぁ!」バッ
男「お、耐えた」

女友「……ふー。あやうく1日で二回気絶するという、人生初の快挙を成し遂げるところだった……」モグモグ
男友「快挙と言うよりは記録のような……?」
女友「ところで幽霊ちゃん。プレゼント無いー?」
幽霊「残念ながら無いー。強いて言うならさっきのびっくりがプレゼント?」
女友「いらねー!」
幽霊「ちなみに起きた時のびっくりはサービスです」
女友「わあ、こんな嬉しくないサービス初めて!」

男「まあ、幽霊にプレゼントを期待するお前が悪いと思うんだが」
女友「そう言う男のプレゼントは?」モグモグ
男「今お前が食べてるケーキ」
女友「え、これ男が作ったの!?」
男「悪いか?」
女友「や、なんでテーブルに隙間無く並ぶほどケーキ買ってきたのかなあ、と思ってたんだけど……そうか、これ全部男が作ったのか……」モグモグ
男「、少しばかり自分の限界に挑戦してみた」
女友「つまりこの量があんたの限界?」モグモグ
男「いや。材料の限界」

女「……さて、男友」コソコソ
男友「なに、女さん……」コソコソ
女「プレゼント、あるんだろう?」コソコソ
男友「ありますけど……」コソコソ
女「よし、行ってこい!」コソコソ
男友「ええ!? ま、まだ心の準備が……」コソコソ
女「それはプレゼントを買った時にしてくれ」コソコソ モニュモニュ
男友「いや、買った時にしましたけど、やっぱりいざ目の前にいると……」コソコソ
女「がんばれファイト」コソコソ モムモム
男友「はあ……。わかりました、行ってきます」
女「……ところで何故さっきから私の胸を揉んでいる、幽霊」
幽霊「や、このおっぱいには何が入ってるのかなあ、と」

男「そうそう、ちょっとした悪戯心でこのケーキの一切れに辛子を入れてある」
女友「……女に当たったらどうするの?」
男「まず悶えるだろうから堪能して、そのあと顔を真っ赤にして可愛く怒るだろうからそれも堪能して、お詫びに誠意と愛を込めたケーキを出して笑顔の女を堪能する」
女友「その時はわたしにも頂戴?」
男「何故お前に出さねばならんのだ」
女友「……まあ、あんたの愛なんていらないんだけどね」

男「そうか。……ん? どうした、男友」
男友「え、えっと、女友さん」
女友「なあにー?」
男友「プレゼント、です」
女友「ありがとー。アクセサリーかな? 開けていい?」ガサガサ
男友「うん」
女友「わあ、可愛いー。ありがと。大切に使わせてもらうよー」
男友「いや、こちらこそ。喜んでもらえて嬉しいよ」

男「良かったな、男友」
女友「? なにがー?」
男「こちらの話だ。気にせず食ってろ」
女友「モグモグ」
女「私もいただこうかな」サクッ パクリ
男「男友もどうだ?」
男友「僕はいいや」
女「」
女友「……ど、どうしたの女。いきなり変な表情になって」
女「……ら」
女友「……ら?」
女「辛いー!」ボオッ
女友「わー! 女が口から火を吹いたー!」
男「ふむ。当たりを引いたな」
男友「当たり?」
男「ああ。一つだけ辛子をたっぷり入れたんだ」
男友「……薄々感じてたんだけどさ」
男「何をだ」
男友「男ってエスだよね」
幽霊「砂泥州渡ー」
男「ノーコメントと言っておこう」


~数十分後~
女「……」プクー
男「……お詫びにケーキを作るから、機嫌を直してくれ、女」
女「……いやだ」
女友「おっと、女選手、男の申し出を拒否ったー! さあどうする、男選手!」
男友「なんで実況してるんだろう、僕ら」
幽霊「見てて楽しいからじゃないー?」
男「……はあ、仕方ない」サクッ、パクッ
女友「おおっと、男、おもむろにケーキを口に入れたー! 一体何をするつもりだー!?」
幽霊「ちなみに男が使ったフォークは女さんが使った奴だよー」
男友「意外と見てるね、幽霊さん」
男「女」グイッ
女「……、おとっ……?」
男「」チュー
女「」
男「……ふう。……どうだ? 口直しになっただろ」
女「……っ、お、おと、男、い、いきなり……」
女友「……デジャビュだよねー。この光景」
男友「うん」
幽霊「ワタシは初めてだけどねー」

女「……っ、こ、今回は今ので許してやる……。だ、だが次は無いからな!?」
男「肝に銘じておく」
女「な、なら良い……」
女友「……今日はわたしが主催なんだけどなー」
幽霊「えーと。どんまい」

女友「果たして、幽霊ちゃんに塩は聞くのか」
女「試してみよう幽霊調査団」
男友「い、いきなり何を言い出すの、女友さん、女さん」
女「いや、せっかく幽霊が居るのだから」
女友「いろいろ試してみようと思ってねー」

女友「そんな訳で塩、スタンバイ!」バッ
女「幽霊、発見!」
女友「食らえ、これが母なる海の排泄物だー! ソルトー!」バサア
幽霊「わー」
女友「どう、幽霊ちゃん、塩の感想は!?」
幽霊「んー。やっぱり赤穂の天塩だよねー」
女友「伯方の塩効きませーん!」
女「くっ……」

ぐだってね?

>>162確かに。と言う訳でそろそろ終わりにしよう、と思っています。

女「……男」
男「なんだ?」
女「チョコだ」
男「……ああ。そう言えば今日は2月14日だったな」
女「……珍しいな、お前が忘れているとは」
男「俺も驚いた。しかしいつもと逆だな?」
女「確かにな。いつもは男が私にチョコを作って渡し、私は3月14日に何かで返す。確か、小学生の頃からだったか」
男「……結構不思議な関係だったな」
女「何でだ?」
男「そんな事をしているのに付き合ってなかったんだぜ、俺とお前」
女「……ああ。それは確かに不思議だな」

男「さて、それじゃあ3月14日にお返ししとくよ。何にしようかな……。はは。こんな事を考えるのも小学生の頃以来だ」
女「私もだ。お前にあげるの、少し緊張したぞ」
男「そうか。来年から女がチョコを渡すか?」
女「……普通はそれが当たり前なんだがな?」
男「そう、だな」
女「……さて、男。男友は無事女友からチョコを貰えたのかな? 緊張のあまり挙動不審になったか、それとも嬉しさのあまりよくわからない事を言ったか。どうだ、男。一つ賭けてみよう」
男「……」
女「――男?」
男「……」スー、スー
女「……寝ているのか」

男「……」スー、スー
女「……今更だけど、男。私は小学生の頃からお前が好きだった」
女「けれど告白はしなかった。して、もし拒否されれば私はお前に会わせる顔が無いし、お前も気を使って私に会わないようにするだろう。だから、しなかった。お前との関係を壊したくなかった。だから、この恋心はずっと奥に押し込んでようと、そう思っていた」
女「けれど。ある日、お前は同級生に告白された」
男「……」
女「最初にそれを聞いた時、私は息が出来なくなる程に衝撃を受けた。お前と同級生が付き合っていたら、少なくとも、私は倒れただろう。……けれどお前はその同級生の告白を断った」
女「私はほっとすると同時に決意した。お前との関係を終わらせようと。この恋を諦めようと」
男「……」
女「だから、あの日、お前に告白したんだ」
男「……」

女「けれどなんでかな。なんでかお前は私の告白を拒否しなかった」
男「……」
女「嬉しかった。けれど。もしこの先、お前と別れる事になったら私の心はどうなるのか、それが解らなくて――少し、怖い」
男「……女」
女「……男?」
男「泣くなよ。……一つ、くだらない話を聞かせてやるからさ」
女「……」コクリ
男「昔、ある所に一人のひねくれた馬鹿が居た」
男「その馬鹿には好きな人が居た。けれどひねくれた馬鹿はその人に告白する事をしなかった」
男「馬鹿が好きだと言えないまま、月日は流れ、ある日馬鹿はよく話す同級生に告白された」
女「……」
男「けれど彼女の告白を馬鹿は好きな人が居るから、と断った。同級生はがんばれ、と言った。馬鹿はその言葉と共に好きな人に告白しよう、とそう思った。が、その矢先、好きな人がその馬鹿に告白した」
男「馬鹿は付き合おうと一瞬思い、それから断った」
男「何故なら自分で告白したい、とそう思ったから」
女「……男」
男「……つまり、だ。女、お前が小学生の頃から俺を好きだったっていうんなら、俺は生まれた時からお前の事が好きだったんだ。そしてそれを15年以上、くすぶらせた。先手は取られたが――このくすぶり続けた15年以上と引き換えに、あと50年は離れないでいてやるよ」
女「……それは、こっちの台詞だ」

男「……そうか」
女「――男」
男「なんだ?」
女「愛してる」
男「……俺もだよ」




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