ゆんゆん「ドキッ?女だらけの水着大会!?」ウィズ「ポロリもありますよ?」 (13)

 

※この素晴らしい世界に祝福を!のSSです。
 アニメに登場していないキャラの登場+原作8巻までのネタバレあり。
















 

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「フハハハハハハハハハハ、女だらけの水着大会だと思ったか? 残念、ウィズ魔道具店のバイトでした! おお、ポロリを期待していた読み手の悪感情! 美味である! 美味である!!」

「バニルの旦那! それじゃポロリを期待した奴らが可愛そうじゃねーか! 脱ごうぜ!」

「フハハハハハハ。ダスト、貴様が全裸になるとはな! こうなったら我輩も全裸に!」

「ヒャハハハハハハ! さすが旦那だ! いい体しているぜ!」

「ちょっとやめてください!!!」
 高笑いする頭がおかしい二人を私は止めに入った----

「ん? どうした? 先ほどからチラチラ見ながら顔を真っ赤にしている色ボケ娘よ」
 い、色ボケ娘!? た、たしかにめぐみんにもそう呼ばれた事あるけど!

「俺たちの体はクソガキには早すぎたか!? ん? ん?」
「って、二人とも別に脱いでないじゃないですか! SSだからって適当な事言わないでください! それにクソガキじゃありません! ちゃんと名前で呼んでください!」
「え?名前なんだっけ?」
「えぇ!?」

 うぅ……絶対にわざとだ。わざとやってる。
 でも、自己紹介にはちょうどいいかも。
「我が名はゆんゆん。アークウィザードにして、上級魔法を操る者。紅魔族随一の魔法の使い手にして、やがては長となるべき者!」
 そう私は自己紹介をした。


「ピヨッ!」
 ここにいるひよこに。

 私の視線の先に気付いたのか、ダストさんとバニルさんが。
「お、おい。ま、まさか……」
「……」
 二人がドン引きしているが、私にとってはとても重要な事のだ。

「ゼル帝。ねえ、よかったら私と友達になってくれないかな?」
「ピヨッ!」
 やったぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
 肯定だよね!YESだよね!うんだよね!友達でいいんだよね!

「やったー。ようやく私に! 四人目の友達ができたーーーーー!!」
「ピヨッピヨッ♪」

「汝よ。友達の最低ラインは『人外の場合は言葉が通じる相手』じゃなかったのか?」
 この人は何を言っているのだろう?

「え? 言葉通じますよ? ね? ゼル帝?」
 私が微笑んで言うと。
「ピヨッ♪」
 この友達も微笑んでくれた。
「ほら見てください! 言葉通じてるじゃないですか! やっぱり友達ですよ!」

 バニルさんは腑に落ちないようで。
「そもそもその鳥類はキールとやらの生まれ変わ「ちょっと待ってください! それ予想なんでしょう!? 公式じゃない! 完全な予想!」
 私は声を大にして言う。この人はたまにとても変な事をいうのだ。

 なぜか悲しそうな目で見てくるダストさんが。
「クソガキの友達もこれで四人か……。えーと、俺に旦那にひよこに植物……。な、なぁ、やっぱりその辺の女捕まえてこようか?」
「何を言ってるんですか? 私の友達はウィズさん、バニルさん、ゼル帝、植物です」
「ったく、じゃあ、俺が五人目の友達に」
「結構です!」
「おい! ひよこは良くて、俺はダメなのかよ!?」

 そんな話をしていると、めぐみんの使い魔のちょむすけがやってきた。
「ごめんね。そうだよね! ちょむすけも私の友達だよね!」
 やったーこれで五人に! すごい! 私!
 そうだよね! 人気投票だって5位だったし!
 ついに私にもモテ期が来たのかも!!


「……」
「……」
「ん? どうかしたんですか?」
 喜ばしい事なのに、二人が可愛そうな人を見る目で見てくる……。なんでだろう?


「汝の友達とやらは、人外ばかりだな」
「それを言わないでください! というか私にだって人間の友達もいますよ!」
 た、たぶん……

 
  *  *  *



「友達が増える薬ですか? ありますよ」
「そうですよね。やっぱりないですよね」
 私は友人であるウィズさんの店に来ていた。
 友人だから毎日通っている。やっぱり友人だから毎日遊びに来てもいいよね。
 あ、あれ?でも、通いすぎて迷惑に思われたらどうしよう?

 それにしても友達が増える薬なんてやっぱりな…………
 って、ある!? 今、ウィズさん! あるって言った!?
 もしかして、友達なりの冗談? え、えーと、ここはクールに冷静に返事しよう。
 あまりがっつき過ぎると嫌われるかもしれないし。
「あるんですか!!!!!? そんな夢みたいな薬が!!!!??!!?」
「はい。みんなの人気者になれる薬です。ただし、寿命が1日になっちゃうんですが……」
「なるほど」
 1日か。でも1日、友達がいっぱいに増えるなら----

「って、さすがの私でもそんな薬は…………で、でも、人気者……か」
「やめておけ。病的に友達を欲する娘よ。それは汝が思っているような薬じゃないぞ」
「おかえりなさい。バニルさん」
「え? 人気者になれる薬じゃないんですか?」
「それを汝が飲めば、街の男どもが裸で襲ってくる。だから1日で寿命が尽きるのだろう」
「えぇ!? そんな薬売る事ができないじゃないですか!」
 ウィズさんがガッカリしたように言う。
 あ、あれ? もし、あの薬を飲んでいたら……あ、危なかった。

「そもそも寿命が1日になる薬なんて、売れるはずなかろうが!」
「うぅ……。リッチー相手に売れるかなーって。寿命がないので、1日になりませんし」
「そんな色ボケなリッチーがいてたまるか!!」
 二人とも仲がよさそうだなー。
 いいなー。私ももっと仲良くなりたい。

「あ、あの。こちらの商品はどんな効果が?」
 ウィズさんとお話がしたくて、対して興味がない商品の説明を聞いてみる。
「そちらのステッキは降ると上級魔法の『ライト・オブ・セイバー』が誰にでも使える凄い物なんですよ」
「す、すごい! それは本当にすごい!」
「ちなみに爆裂魔法なみの魔力を消費するので、高レベルの冒険者にしか使えないのが難点ですが」
 あっ、バニルさんがステッキをゴミ箱に捨てた。

「あ、あのスキルアップポーションとかは取り扱ってないんですか?」
 あのポーションなら、そうそう問題は起こらないはず。
「もちろんありますよ。このスキルアップポーションは特別製でなんと1000エリスなんです」
「え!? それ、すごく安いじゃないですか!!」
「どうせ難点か何かあるんだろう?」
 不機嫌そうにバニルさんが聞いてくる。
 しかし、ウィズさんは陽気に。
「もうっ、それではまるで私が不良品ばかり取り扱っているみたいじゃありませんか! ちなみに難点なんてありません。スキル取得のポイントが1.5倍になりますが、その分スキルポイントが2ポイント増えるから何の問題もありません!」


 バニルさんがゴミを捨てようとして、慌ててウィズさんが止めてる。
 いいなー。仲良さそうで……。

「幸薄そうな紅魔の娘よ。そんなに我輩とこの不良品店主が仲良さそうに見えるのか?」
「はい! とっても」
「えへへへ~」
「……ウィズよ。なぜ喜んでいるのだ? 我輩は漫才をするためにここに来たわけじゃないんだぞ?」
「もちろん、漫才なんてしているつもりはありません! このお店を世界一にする為にここにいるんです! そして、バニルさんの願いを叶えるために! って、今私の事を『ウィズ』って呼びました!?」
「いや、ポンコツ店主が旅行にでも言ってくれれば、我輩一人でアクセル一どころか世界一にする自信もあるんだがな……」
「大丈夫ですよ! 私たちが組めば怖い物なんてありません!」
「あぁ、金もないがな」


 二人がイチャイチャしていたから、お店を出ることにした。
 ああー。恋人かー。いいなー。
「何を勘違いしている? 我輩と店主はそういう関係ではないと言うだろうに」
 バニルさんが後ろから声をかけてきた。
 あぁ……声をかけてもらえるなんて、やっぱり友達っていいなぁー。

「こんなことで感動するな。ちなみに恋人がほしければ、あの小金稼ぎが得意な小僧に声を掛ければ、すぐにでもなってくれるぞ」
 小金稼ぎ……小金稼ぎ……あっ!
「カズマさんの事ですか!? ダメです! そんな事したらめぐみんに嫌われちゃう!」
「ちなみに我輩が見たところ、勇気を出せば爆裂大好き娘と恋人になることも」
 こ、この人、なにを言ってるの!?
 ゆ、勇気を出せばって……た、確かにめぐみん押しに弱そうなところあるけど……
 でも恋人かー。恋人って親友より上の存在だよね……

「盛り上がってる所すまんが冗談だ。あまり本気にするではないぞ」
「本気になんかしてません!!!」
 し、してないもん。


「ところで一つ頼みがあるんだが------」
 と、珍しくバニルさんが頼みごとをしてきた。

 
  *  *  *



「ありがとう。ずっと入荷を待っていたんだ」
「い、いえ。その……い、いいつもご利用していただいてありがとうございます!」
「こちらこそありがとう」
 目の前にいる冒険者のクリスさん。ウィズさんの魔道具店に品物を注文していたらしい。
「実を言うと、我輩と相性が悪くてな……。いや、汝ならきっと良い友達になってくれるだろう。バイト代を出すので少し頼まれてくれ」
 とバニルさんはわけのわからないことを言っていた。
 で、でも、これは友達のバニルさんがくれたチャンスなのかも! もっと友達を作るために頑張らなきゃ!


「えーと、たしかゆんゆんだっけ?」
「は、はひっ!?」
 へ、変な返事でちゃった!?
「え、えーと」
「な、なんで私の事を知っているんですか!?」

「上から見ていて……じゃなくて、カズマから聞いたことがあって……その……友達が少ない娘って」
 か、カズマさん!? セクハラ以外はまともな人って信じていたのに!?

「それで、もし会うことがあったら友達になって欲しいって」
「え?」
 さすがカズマさん! 私、あなたの事を信じてました!


「えーと、どうかな? たまに一緒にクエストに行ったり、ごはん食べたりぐらいしかできないけど……」
「じゅ、十分です!ふ、不束者ですが、よろしくお願いします!
「うん。こちらこそよろしくね」
 夕日をバックに、私たちは握手をした。



----あぁ……。理想のシチュエーション----



  *  *  *



「ウィズさん! バニルさん! 聞いてください!私に友達が! 友達ができたんですよ!」
「よかったですね。ゆんゆんさん」
「1人友達が増えただけでそんなに大喜びしていたのでは……。いや、今回は褒めてやるとしよう。よく頑張った」
 え?今日だけで3人も友達が増えたのに…………
 1人じゃなく3人と訂正しようかと思ったが、どうしても、私は伝えたいことがあって----



「はい。二人のおかげです。本当にありがとうございます!」




 私は二人の友達……親友に最高の笑顔でお礼を言った。



 親友……いや、友達かな?
 そうだよね。勝手に親友認定するのは厚かましいよね。
 で、でも----




「親友で構わんからさっさと終われ!!!!」








       終わり

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