【安価】京太郎「必ず救ってみせる」 (307)

――大切な人を助ける事が出来るのなら俺はその身を粉にして捧げよう。


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※何番煎じかも分からない京太郎スレ
※ラブコメ
※タイムリープします
※キャラ崩壊があるかも

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1458330812


ドクンッドクンッドクンッドクンッ

心音が激しくなる。どうしてだろう、とても胸が苦しい。

海、とてもとても暗い海の底、呼吸も出来ない、身動きも取れない、そもそも触覚が無い。

最愛の手が光と共に差し込んで来た。愛しているのに誰の手かも分からない。ああ、とても美しい。

手が俺の頬に触れた瞬間、触覚、嗅覚、視覚、聴覚、味覚、五感が全て回復する、とても心地が良い、まるで夢のような――





ドサッ

京太郎「……」ポロッ

最高の夢はベッドから落ちた瞬間に終わったのだった。

京太郎「ちっ……」

京太郎「良い夢だったのにな、まぁ、それよりも早く会場に行くか」

俺は清澄の雑用として東京への帯同が許された。

全国、俺は全力で清澄の為にその身を捧げなければならない。

最初に京太郎が出会う学校の人物は?

清澄
鶴賀
龍門渕
風越
阿知賀
千里山
白糸台
新道寺
宮守
永水
姫松
臨海
有珠山

上記の中から安価下

先鋒
次鋒
中堅
副将
大将

安価下2

先鋒
次鋒
中堅
副将
大将

安価下

京太郎「あれ?」

ジャージを着たポニーテールの女の子が困っている、背は結構小さめだ。

中学生ぐらいだろうか?考えるよりも前に俺は彼女に声を掛けた。

穏乃「あ~憧に怒られちゃうなー」

京太郎「どうしたの?」

穏乃「あっ、ちょっと大事な物を無くしちゃって……」

京太郎「何を無くしたの?」

流石にグイグイと行き過ぎてしまったからか、少し驚いている。

穏乃「髪飾りです。友達がだいじにしている」




穏乃(好感度0/10)

0~50 見つからない(1上昇)
51~99 みつかる(3上昇)

下1

京太郎「……!」

まさかな、足下に落ちてるこれな訳無いよな。

まぁ、一応聞いてみるか。

京太郎「これ、違うの?」

穏乃「!」

穏乃「ありがとう!!これだよ!!!」

京太郎「良かったな、じゃあ俺はいくぜ」

穏乃「名前教えて!絶対お礼するから!」

京太郎「須賀京太郎!清澄の一年生雑用!」

穏乃「私は高鴨穏乃!阿知賀の一年生……って、清澄!?」

京太郎「急いでるから行くぞ!」ダッ

穏乃「あ!ちょっと!」



穏乃「和……」




穏乃(好感度3/10)

フラグが立ちました

京太郎「開会式も終わったな」

京太郎「空き時間も長いしどうすっかな」





最初に京太郎が出会う学校の人物は?
※フラグを立てられるのは後四人



清澄
鶴賀
龍門渕
風越
阿知賀
千里山
白糸台
新道寺
宮守
永水
姫松
臨海
有珠山

上記の中から安価下

先鋒
次鋒
中堅
副将
大将

安価下2

京太郎「……」

今日は変な人と沢山会うな……

白望「床……冷たい」

床で寝る人なんか初めて見たよ俺。

白望「……」ピクッ

白望「あ、おんぶして」

京太郎「えぇ……」

白望「大丈夫、それなりに軽い」

京太郎「そういう問題ではありませんよね」

さっき見たけど宮守の生徒だよな……



白望(好感度0/10)

0~50 おんぶする(3上昇)
51~99 おんぶしない(1上昇)

下1



京太郎「よいしょ」ググッ

ほんとに軽いけど胸が当たってますよこれ、こんな贅沢しちゃっていいの?俺?全盲とかになっちゃわない?大丈夫?

白望「あー楽……このままで居たい」

京太郎「どこに行けば良いですか?」

白望「Zzz……」スヤスヤ

京太郎「おい!」

白望(好感度3/10)

フラグが立ちました



京太郎「よいしょ」ググッ

ほんとに軽いけど胸が当たってますよこれ、こんな贅沢しちゃっていいの?俺?全盲とかになっちゃわない?大丈夫?

白望「あー楽……このままで居たい」

京太郎「どこに行けば良いですか?」

白望「Zzz……」スヤスヤ

京太郎「おい!」

白望「嘘」

そう言うと、変な人は俺の背中から降りた。

京太郎「……」

白望「私は小瀬川白望、宮守の3年生」

京太郎「俺は須賀京太郎、清澄の雑用です」

白望「……そう」

白望「覚えた」

白望「Zzz」

京太郎「寝るのかい!」

白望「仲間が来るまで……ダルい」スヤスヤ

京太郎「はぁ……空き時間も長いしどうすっかな」





京太郎が出会う学校の人物は?
※フラグを立てられるのは後三人



清澄
鶴賀
龍門渕
風越
阿知賀
千里山
白糸台
新道寺
宮守
永水
姫松
臨海
有珠山

上記の中から安価下

先鋒
次鋒
中堅
副将
大将

安価下2

京太郎「っと」パシッ

京太郎「……湯呑み?」

急に何かが落ちて来たからキャッチしたものの……これは危ないな。

尭深「あっ……」

虚を疲れたかのように声を漏らした胸の大きな眼鏡の女性が俺の目の前に立っていた。

京太郎「あなたの湯呑みですか?」

尭深「……うん」

尭深「……ます」

京太郎「?」

なんと言っているのか、よく聞こえない。

尭深「ありがとうございます……」






尭深(好感度0/10)

0~50 さよなら(1上昇)
51~99 良かったらお茶でも(3上昇)

下1

尭深(1/10)

フラグが立ちませんでした



尭深「じゃあ私はここで」

京太郎「あ、どうも」

尭深「さようなら……」

京太郎「さようならー」



京太郎が出会う学校の人物は?
※フラグを立てられるのは後三人



清澄
鶴賀
龍門渕
風越
阿知賀
千里山
白糸台
新道寺
宮守
永水
姫松
臨海
有珠山

上記の中から安価下

先鋒
次鋒
中堅
副将
大将

安価下2

ドンッ

京太郎「おっと」

揺杏「ってーってーいってーーー」

京太郎「うわ、大丈夫ですか?」

背の高い女性とぶつかってしまった。

しかし中々ひょうきんな人物なようで……

揺杏「こりゃ折れたわ、10万ちょうだい」

京太郎「……」

揺杏「なんてうっそ~!」ケラケラ



尭深(好感度0/10)

0~50 またね~(3上昇)
51~99 さよなら~(1上昇)

下1

揺杏(1/10)

フラグが立ちませんでした



揺杏「さよなら~」

京太郎「あっはい」

揺杏「また会えたら楽しいね~」

揺杏「またね!金髪!」

京太郎「あ!ちょっ!」



京太郎が出会う学校の人物は?
※フラグを立てられるのは後三人



清澄
鶴賀
龍門渕
風越
阿知賀
千里山
白糸台
新道寺
宮守
永水
姫松
臨海
有珠山

上記の中から安価下

先鋒
次鋒
中堅
副将
大将

安価下2

長身の人と別れた後は奇抜なファッションセンスの痴女?が寄って来た。

一「あれ?君は見た事あるような……」

どうやら俺の顔に見覚えがあるらしい、うん、この人の事を俺はしっかりと覚えている。

京太郎「清澄の雑用です……」

一「あっ……」

京太郎「あはは……」

一「あはは……」

かんっぜんに忘れてやがりましたねこりゃ、最近影薄いですけどね、酷いですよ。

一「……」

京太郎「……」グスッ

やべ、涙が……

一「ごめん……」

あ・や・ま・る・な!!!




一(好感度0/10)

0~50 さよなら(1上昇)
51~99 ……よしよし(3上昇)

下1

一(好感度3/10)

※フラグが立ちました


一「よしよし」

ギュッ

京太郎「」

乳首がほぼ丸出しな人の胸に抱き寄せられると、頭を丁寧に優しく撫でられる。

一「辛かったね……」

一「私も雑用が多いから気持ちが分かるよ……」ナデナデ

一「はい……すって~はいて~」

一「ここは何も無い空……あなたを苦しめる者も……蔑む者も……」

あぁ……トリップしそうだ……このまま……

京太郎「待て!」グイッ

一「あぁ、いいとこなのに」

京太郎「今のは明らかに危ない声でしたよ!!??」

一(催眠音声知らないんだ、そりゃそうだよね)







京太郎が出会う学校の人物は?
※フラグを立てられるのは後二人



清澄
鶴賀
龍門渕
風越
阿知賀
千里山
白糸台
新道寺
宮守
永水
姫松
臨海
有珠山

上記の中から安価下

先鋒
次鋒
中堅
副将
大将

安価下2

初美「昼間から凄いですねー」

更に露出狂が現れた。ここは痴女のカーニバル。

一「……こほんっ」

京太郎「違います。決してそんな事はありません」

一「ちょっと!酷くない!?」

京太郎「酷くない!」

初美「じゃあ私はここで失礼しますよー」ソソクサ

京太郎「待って!」ガシッ

初美「嫌ですよー」

一「この隙にまたね、太郎君」タッタッタッ

京太郎「京太郎じゃい!!」

初美「昼から盛んでも良いじゃないですかー!」

京太郎「だから違いますって!そもそもあの人俺の名前覚えてないし!面識あるのに!」

初美「……」ジッ

京太郎「うっ……」

この目は知っている目だ……さっきの一さんと同じ目……………哀れむ目。



初美(好感度0/10)

0~50 面白い人ですねー(3上昇)
51~99 あは……あはは……(1上昇)

初美(3/10)

※フラグが立ちました



初美「面白い人ですねー」ケラケラ

京太郎「な!」

初美「こんなに乳繰りあっているのに名前を忘れられているなんてギャグですよー!」ケラケラ

京太郎「乳繰りあってません!!」

初美「あはははは!」ケラケラケラ

京太郎「このやろ……!」

初美「ひー!ひー!」プルプル

初美「名前はなんですかー?」

小柄な巫女服は後ろ手を組んで限界まで顔を近づけて来た。

京太郎「須賀京太郎……」

初美「私は薄墨初美ですよー……」

初美「また会いましょう」ニコッ



京太郎「開会式も終わったな」

京太郎「空き時間も長いしどうすっかな」





最初に京太郎が出会う学校の人物は?
※フラグを立てられるのは後1人



清澄
鶴賀
龍門渕
風越
阿知賀
千里山
白糸台
新道寺
宮守
永水
姫松
臨海
有珠山

上記の中から安価下

先鋒
次鋒
中堅
副将
大将

安価下2

京太郎「はぁ……」

さっきから散々だな、忘れられるわ笑われるわ。

ネリー「あ、お金持ってる?」

京太郎「はいはい……もってますよ」

ネリー「じゃあこれ買って」

京太郎「はいはい……コーラね……」

ネリー「ありがとう」

京太郎「はいはい…………っておい!!」

ネリー「ちっ……」

京太郎「そもそも誰だよお前!?」


0~50 教えない(1上昇)
51~99 私ネリーさん(3上昇)

下1

ネリー(好感度3/10)

フラグが立ちました



ネリー「私ネリーさん」

京太郎「……?」

ネリー「今あなたの前にいるの」

京太郎「ははっ……」

メリーさんの真似事か?笑っちまうよ。

ネリー「私ネリーさん、喉乾いた……」

ギュッ

京太郎「分かった!分かった!わかったからしがみつくな!!」

ネリー「わーい♪」

ネリー「私は臨海一年のネリー・ヴィルサラーゼだよ」

京太郎「俺は清澄の雑用。ちなみに一年」




※恋人候補が決まりました

穏乃、白望、一、初美、ネリー

上記の中から好感度が10/10になったキャラのルートに突入します。

集中的に選択してすぐに攻略するも良し、満遍なく楽しんでから攻略するも良し、お好きに楽しんでください。







次に京太郎が会うキャラは?


穏乃、白望、一、初美、ネリー

上記の中から一人選んでください。

下1

ネリー「……」ゴクゴク

ネリー「ぷはぁ……」

ネリー「ねぇ、どうして雑用なんかやってるの?」

喉を潤したからかゴキゲンなネリーは俺に寄りかかって失礼な質問をした。

京太郎「うーん……」

ネリー「???」

京太郎「純粋な奴だなお前」

ネリー「え?なんで?」

京太郎「単純な利害関係しか分からないんだろ?」

ネリー「???」


※正解の選択肢を選べば好感度3上昇

1.応援してやりたい奴が居ることを教える
2.お前にはわからないよな
3.好きだから

下1

京太郎「おうえんしてやりたいやつがいるんだよ」

ネリー「どうして棒読みなの?」キョトン

京太郎「わかりやすいように」

ネリー「私は日本語出来るよ!!ひどい!!」プンプン

京太郎「違うって、応援してやりたい奴が居るって分かってもらいたいんだよ」

京太郎「そいつひたむきでさ、可愛いところもあるんだよ」

ネリー「……へー」ズキッ

ネリー「因みに、名前は?」

京太郎「名前は教えないって……そうだな、臨海と清澄が当たればわかる時が来るよ」

ネリー「……」イライラ

京太郎「うちの大将なんだ」

ネリー「ふーん、そうなんだ」ニコッ

ネリー(どうしてか分からないけど、清澄の大将を笑えなくなるまで叩き潰したくなった……よ)

京太郎「どうした?具合悪いのか?」

ネリー「ううん、なんでもない」

ネリー(どうしてだろう、胸の奥がとてもイライラする)





ネリー(好感度6/10)


次に京太郎が会うキャラは?


穏乃、白望、一、初美、ネリー

上記の中から一人選んでください。

下1

ネリーと別れた後、俺は高鴨穏乃と再開した。

穏乃「あ、和のとこ」

京太郎「また会ったな、和の事知ってんのか?」

穏乃「もちろん、友達だからね!」

京太郎「え?友達?」

穏乃「うん、和も阿知賀に居たんだよ」

衝撃の真実だ、本当に驚いた。

穏乃「和に会うためにここまで頑張ったんだ」

京太郎「そ、そうか……」

※正解の選択肢を選べば好感度3上昇

1.すごいな
2.俺はなんの為に……?
3.応援させてくれないか?

下1

京太郎「応援してもいいか?」

素直にそう思った。

穏乃「え?」ギョッ

穏乃「い、良いけどさ」モジモジ

京太郎「良かった、和と会えると良いな」

穏乃「どうして?」

京太郎「俺の幼なじみも会いたい人が居るんだよな」

京太郎「些細な事で会わなくなってから……」

京太郎「ずっと会いたいって思ってるんだ」

穏乃「……私と一緒だ」

京太郎「だろ?」

穏乃「……」

穏乃(私だけじゃ……ない)




穏乃(好感度6/10)


次に京太郎が会うキャラは?


穏乃、白望、一、初美、ネリー

上記の中から一人選んでください。

下1

ネリー「あはは、また会ったね」

京太郎「今日1日で俺達仲良くなったな」

ネリー「うん、かなり仲良くなったよね」

京太郎「……」

ネリー「……」モジモジ

京太郎「さっきよりもしおらしいな、どうした?」

ネリー「なんでもないよ」

京太郎「?」

ネリー「そうだ、ねぇ、ホテルはどんな部屋なの?」

京太郎「は?」


※正解の選択肢を選べば好感度3上昇

1.やんわりと断る
2.はっきりと断る
3.次回に期待を持たせて断る

下1

ネリー(好感度8/10)

京太郎「そうだなぁ、ホテルはちょっと離れた所にあるな、悪い」

ネリー「変な意味は無いよ、もっと近くに居たいなって思っただけ」

ネリーの瞳が熱を帯びる。これは危ない……潤んだ瞳は俺の心に訴えて来る、もっと近づきたい、もっと知りたいと。

俺もそうだ、確かにそうなのだ、俺だってネリーの事を知りたいと思ってしまった。

会場内、自動ドア付近の窓から日差しが差し込む。あぁ、夏の誘惑に溶かされてしまいそうだ。もっと近づいて触れ合いたい、話したい、好きなりたい。

この短期間で俺はネリー・ヴィルサラーゼに魅せられている、虜になっている。場内ではエアコンが効いている筈なのに、なのに暑い、熱い、汗が止まらない、鼓動が止まらない、この思いが止まらない。

ネリー「……私も」

ふとネリーから漏れた言葉はどういう意味だろうか、暑くて頭が回らない。でも答えは本能的に分かっている、きっと彼女は俺の気持ちを感じ取っているのだ、彼女から俺の事を好きになったのか俺から彼女の事を好きになったのか、今では些細な事である。

しかし、このまま誘惑に溶かされては……

ネリー「大丈夫、だから、イチャイチャしている所を見られたくないだけ、だから」ギュッ

こいつは俺の考えている事全てがお見通しなのか?誘惑に勝ちそうな時、絶妙な頃合いで俺を魅了する。俺との距離を詰めた彼女は白磁のような白い手で汗だらけのシャツの上から胸を撫でた。白磁と呼ぶには大袈裟だろうか?今の俺にとってそんな事はありえなかった。

ネリー「ほら、シャツもこんなに濡れてるよ?」

ネリー「はやく、ぬがないと……なつかぜになっちゃうよ?」

蕩けてしまいそうだ。


次に京太郎が会うキャラは?


穏乃、白望、一、初美、ネリー

上記の中から一人選んでください。

下1

一「ほらほら、かわいそうでしょ?」

ネリー「……」

ネリーの雰囲気が明らかに変わる、そうか、こいつはオンとオフが激しい人間なんだな、また一つネリーの事を知ることが出来た。

ネリー「誰だか知らないけど……かわいそうじゃないよね?そうだよね?」

一「彼はもう上の空だよ?」

ネリーは明らかに苛ついていた。間近に居る俺がそう言うのだから間違いない、俺と面識のある人間を見ると苛ついてしまうのだろう、女となれば尚更だ、取られるとかそういった事を考えるのだろうか?独占欲がかなり強いように見える。

ネリー「ううん、私に夢中なだけだよ」

一「はぁ……京太郎!」

京太郎「え?」ビクッ

一「ボーッとして大丈夫?夏バテ?」

京太郎「ちょっと考え事を……」

一「もう!しっかりしてよね」グイッ

ネリー「あ!やめてよ!」グイッ

ネリーと一さんは二人して俺の事を引っ張る、右手はネリー、左手は一さん。お互いそこまで力は強くないから痛くはない、むしろ何か優越感を感じている。


※正解の選択肢を選べば好感度3上昇

1.一の方へ傾く
2.止まる
3.何の用か聞く

下1

怜「なんやあいつら、面白い事やってるなぁ」

ピタッ

一「ちょっと!」ググッ

ネリー「京太郎!」ググッ

京太郎「……」

俺は停止し、無となったのだ。二人が全力で引っ張っても俺は動じない、俺は雑用でそれだけ鍛えられてしまっているのだ、ちょっと悲しい。

一「……」ジト-ッ

一さんの視線が刺さる、それでも俺はこの争いが終わるまで……

一「ここはぁ、ふかい森のなかぁ、あたたかい、あたたかい、あたたかい、心がぽかぽかー」

耳元で繰り返される暗示のような言葉、一さんはさっきも俺に似たような事をした。そう、心が楽になってポカポカして、蕩けて、身を委ねれば……

ネリー「駄目ー!」ギュッ

京太郎「はっ!」

一「ちっ」

ネリー「危ないよ!怖いよ!」ウルウル

京太郎「お、俺は何を……?」





一(好感度5/10)


次に京太郎が会うキャラは?


穏乃、白望、一、初美、ネリー

上記の中から一人選んでください。

下1

初美「なにしているんですかー?」

一「また面倒臭いのが来ちゃったよ」

初美「なんですかその言い草はー」

痴女二人がまたもや揃ってしまった。俺もう知らない、勝手にして、出来る事なら誰か110番してください、乳首見えるのに全然そそりません、痴女二人は乳首に謝ってください。何を無い胸張って向き合ってんだ、子供の喧嘩か?

ネリー「京太郎、機嫌悪い?」

京太郎「いや、ちょっと頭が痛くて……」

うん、嘘は言っていない、誰だってあの痴女二人を見たら頭が痛くなるだろう。あ、乳首見えた、やっぱり興奮するな。

ネリー「京太郎?」ジロッ

京太郎「~♪」

どうしてこいつは俺の事がお見通しなんだ?ちょっと怖い、読心術でも使えるのか?

初美「あ、鼻の下が膨らんでますよ~」



1.そんな事は無い
2.寝言は寝て言ってください
3.否定しない

下1

初美「私の身体で興奮しちゃったんですか~?」

一「僕の身体だよね?」

京太郎「……」

ぼくはしょうじきもの、うそはつけない。

ネリー「京太郎~?」グリグリ

京太郎「ちがう、ちがうんだ、生理現象なんだ」

俺の脇腹つつくネリーの拳はとても痛い、人を痛めつけるつつき方だ。

ぶっちゃけて言うと彼女は俺を殴ってる。

一「色気無い人はかわいそうだね」ニヤニヤ

初美「笑っちゃいますよー!」ニヤニヤ

ネリー「あるもん!色気あるもん!」




初美(好感度6/10)

次に京太郎が会うキャラは?


穏乃、白望、一、初美、ネリー

上記の中から一人選んでください。

下1

初美「しかし露出が激しい服ですねー」

一「あなたにだけは言われたくありません」

隙が出来るとこの二人は言い争いをする、いつの間にここまで仲良くなったのか、ロリコンが見たら発狂しそうだ。俺はロリコンではない。

ネリー「ねぇ、来て」グイグイ

京太郎「え、ど、ど、どひて?」

さっきからネリーにはどこか敵わないのだ、心を読まれているからなのか、頭が上がらない。きっと俺はこいつが好きになっているのだ、そう言えばラッパーにも彼女と同じ名前の人が居る、とても厳つい黒人だっけど……

ネリー「路線変更しちゃ駄目」

京太郎「……俺の考えてる事分かんの?」

ネリー「えへへ、全部分かるようになっちゃった」

ネリー「ネリーは色気あるよね?」

ネリーは階段の裏まで俺を引っ張ると胸元をはだけさせて俺に見せて来た。充分ございますとも、ですからはしたない事はしないでください、本当に熱くなるから。

ネリー「……どう?」

京太郎「とても、魅力的だよ」

思った事をそのまま口に出した、もう彼女には敵わないと思った。

ネリー「ホテル行かない?」

ネリー「休みたいな……」キュッ

ネリー「あ、私“は”変な事しないよ、約束する」

京太郎「……」

距離が近い、とても近い、こんなのもう逆らえる訳が……

1.ネリーのホテル
2.えっと…
3.京太郎のホテル

下1

ネリールート確定です。

一旦ここまで

京太郎「2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、43、47、53、59、61、67……」ブツブツ

落ち着け、落ち着くんだ……そう、素数を数えて落ち着けば良い。そうさネリーは何もしないと約束したじゃないか、うん。何か問題を一つでも起こしてみろ、清澄も臨海もまとめて処分だ、不戦敗じゃ済まないぞ……

雑用(笑)が不祥事!未成年同士の淫行、ストレスの捌け口を出会ったばかりの大会出場者にぶつける人間の屑、自分の事だけを考えて出場者の夢を潰した清澄の恥……駄目だ、皆不幸になる。

京太郎「その場の欲に流されるな……」ブツブツ

京太郎「咲には目標がある……俺は清澄の為に……」ブツブツ

ネリー「大丈夫?」

京太郎「ダイジョブ……ダイジョブ……」

ベッドに座る俺の顔をネリーは値踏みをするかのように凝視する。何も分かりませんと言った顔だ、純粋に異性の顔をここまで見続けるなんて俺には無理だ。

ネリー「??」

ポフッ

京太郎「!」

ネリー「……」クンクンッ

京太郎「くく、く、く、臭いからやめろって」

ネリー「臭くないよ、大丈夫」

ネリーは俺の胸に顔を埋めると、夢中になって匂いを嗅いできた。シャツに染み込んだ汗がネリーの鼻と口によってじんわりと滲んでいる。そんなに鼻と口を押し付けて、俺の汗は嫌じゃないのか?あぁ、緊張して更に汗が……ってあれ?

京太郎「あれ?エアコンは?」

ネリー「……京太郎って空気読めないの?」ジト-ッ

上目遣いで見つめてくると、何かを思い立ったかのように俺のシャツのボタンを外していく。駄目だ、淫行が始まってしまう……手は出さないと約束したのに。

ネリー「……」ニコッ

そして、すかさず俺のシャツを掴むと……

ネリーは洗面台に走り出す。

京太郎「ちょっ!」

ジャ-ッ

ネリー「汗はしっかりと落とさないとね」ニコッ

追いかけたが時既に遅し、洗面台の蛇口から出る水はただでさえ濡れている俺のシャツを更に濡らしたのだった。

ネリー「ボディーソープでも洗えるんだよ」ゴシゴシッ

京太郎「お前なぁ……」

ネリーはホテル備え付けのボディーソープでシャツを洗濯する。泡切れは悪いが、確かに汚れは落ちていた。

ネリー「くしゃくしゃだけど許してね」ギュ-ッ

ネリーはハンガーにシャツをかけると、天井付近の突起にハンガーをかけてシャツを干した。これが乾くまでは時間を必要とするだろう。これは……ネリーの部屋に泊まることになるのか……?  





1.「シャワー浴びようよ」
2.「シャワー浴びてくる」
3.「シャワー浴びてきて」
4.「エアコン、壊れてるよ」

下1

ジャ-ッ

京太郎「……え?」

ネリー「聞こえなかったの?」

京太郎「いや、お前……」

ネリーは俺の背中に手を回し、身体を寄り添わせて囁いた。

ネリー「シャワー、一緒に浴びようよ」ボソッ

京太郎「~!」ゾクゾクッ

気分が高揚する、また汗が溢れてしまう、心臓が耐えず鼓動を刻む。駄目だ、俺はこの女の虜になってしまっている。

ネリー「ほら、沢山イチャイチャしたいから、ね?」

ネリー「だって私……」

腰を落とした俺にネリーが寄りかかる、俺は堪らず壁にもたれかかった。

頬と頬が触れ、かなりの密着状態になる。

ネリー「京太郎の事が……」



0~50 コンコンッ
51~99 ドンドンッ

下1

ジャ-ッ

京太郎「どうしてこうなったんだよ!」コソコソ

ネリー「ごめんね!もっとネリーにくっ付いて!」コソコソ

エロハプニングがまさか自分の身に起きるとは思わなかった。

「ネリー、聞いてるか?」

ネリー「うん!大丈夫!」

浴槽のカーテンを閉め、シルエットで見つからないように端へ端へと身を屈めながら寄せ合う。

勿論お互いが全裸で。

「――――――」

京太郎「服は大丈夫なのか!?」コソコソ

ネリー「大丈夫!私の服隠れるように置いたよ!」コソコソ

かなり窮屈な体制、ネリーの小振りなお尻がとても良い所に当たっているためか、息子はウソをつけない。

ネリー「……生理現象だよね」コソコソ

京太郎「やめてくれ……」コソコソ

智葉「分かったな?」

まさか臨海の大将がそのまま部屋に入って来るとはネリーも予想外だろう、実際には鍵を開けっ放しにしたネリーに問題がある。しかし、どうして裸になる必要があったのか……

ネリー「うん、また後で」

ジャ-ッ

カーテン越しでなんとか誤魔化せている。

智葉「……」



0~50 開ける
51~99 監督も来る

下1

アレクサンドラ「騒がしいな」

京太郎「!」

このままでは大騒ぎになってしまう。もし俺が居るのをバレて見ろ、確実に終わってしまう、色々な意味で。

ネリーの身体も微かに震えている、その事からこいつも動揺はしていると分かった。全部ネリーが悪いけどな。

アレクサンドラ「よし、開けるぞ」

ネリー「サイテーだよ!ありえないよ!」

智葉「え……」

アレクサンドラ「大丈夫だろう、多分」

カーテン越しに不穏な会話が聞こえる。

『開けたら臨海も終わりだぞ?良いのか?』と、心の中で脅してみる、俺とてもカッコ悪い。

ネリー「……ごめんね」ボソッ

京太郎「え……」

急に視界が反転した。

ガシャアッ

ネリー「……サイテー」

アレクサンドラ「なんだ、男でも連れ込んでいると思ったが……」

ネリー「そんな訳ないよね?」

アレクサンドラ「風邪ひくなよ」

ガシャアッ




バタンッ

京太郎「~っ!」

ネリー「開けてきたのが少しだけで良かったね」

ジャアアアアア

ネリーが立っているのに対し、俺は浴槽の中で仰向けに屈んでいた。胸がはち切れそうな程高鳴っているのに加え、色々見えている。

ネリー「……そんなに見つめられても困るよ」

京太郎「ご、ごめん」

ネリー「ううん」

ガバッ

ネリーは覆い被さるように俺の上に乗り、紅潮した顔を限界まで近付けてこう言った。





1.「京太郎の事が好きだから構わないよ」
2.「いくらでも見て良いよ」

下1

京太郎「――!」

ネリー「どうしたの?」

そうか、そりゃそうだよな。

こいつは俺の事が好きなんだ。

ジャアア

シャワーはネリーにばかり当たり、俺に当たるのはネリーから滴り落ちるお湯ばかり。そのお湯すらもネリーの一部に感じられてとてもとても恋しい。

そうだ、俺も、俺だってこいつに夢中になっている。

京太郎「いや、先に言いたかったなって」

京太郎「俺も好きだよ」

なんとたった1日でこいつの事を好きになってしまった。

遠い過去から繋がりがあるかのように、出会う前から結ばれているかのように、巡り会った瞬間に恋をしてしまった。

それからのネリーはずっと俺から離れなかった。シャワーから出る時も身体を拭く時もベッドの上に座る時も。

ネリー「京太郎、京太郎」ギュ-ッ

京太郎「どうした?」

ネリー「なんでもない♡」ギュ-ッ

京太郎「……」

やけに顔を擦り付けてくる、猫でもそこまではしないだろう。愛おしそうに、愛らしく、ゆっくりと擦り付けてくる。

ネリー「これからはずっと一緒だからね」

京太郎「俺、長野だぜ?」

ネリー「東京に引っ越してくれば良いよ」

京太郎「あのなぁ……」

ふと気がかりな事が出来た。

京太郎「あっ……」

京太郎「そう言えばどうしてホテルなんだ?」

東京にある学校だからわざわざホテルなんかに住まなくても良いだろうとは思う。

ネリー「スポンサーがお金を出してくれるからね、勝つ為に」

ネリー「家の方が集中出来る人は家や寮に居るけど、ネリーはホテルの方が気楽なんだ」

京太郎「どうして?」

ネリー「寮だと雑音が多いから……」

一瞬、ほんの一瞬、ネリーの瞳に火が宿ったのを俺は見逃さなかった。

それから清澄と臨海は順調に勝ち進んだ。

準決勝当日。

大将戦でネリーは圧倒的な成績を叩きだして活躍をした。

清澄は危なかったものの、なんとか決勝進出を決めた。

咲「なんとか……」

京太郎「やったな!」

ネリー「あ、京太郎!」

和「知り合いですか?」

京太郎「え、まぁ……」

ネリー「私活躍したよ!」タタッ


奇数 キス
偶数 抱きつく

下1

ギュウッ

和「え」

咲「む」

京太郎「お、おい!」

ネリー「私凄かったよね!ね!?」

ネリーは飛びかかるように抱き着くと、上目遣いで見つめて褒めるように促した。

京太郎「ああ、凄いから……それよりも皆見てるって……」

ネリー「良いよ、見せつけるから」

この目はあの時と同じだった。火が宿った目、ギラギラとした強い目。私の男だと主張している、まるで獣だ。

ネリー「ミヤナガサキ……凄い顔だね、どうしたの?」

咲「……別に」 

エリカ様かお前は、俺まで気まずくなってしまうだろ。


一旦ここまで

そろそろ再開します。

義姉って何かあったんですか?

ネリたんイェイ~

そして決勝、4校が副将戦まで接戦を演じて来たが……

恒子「ネリー・ヴィルサラーゼ選手!!大乱調!!だーーー!!!」

健夜「乱調と言うよりも……これは……」

恒子「そして宮永咲!!ヴィルサラーゼ選手から和了!!試合終了ーー!!」

恒子「清澄の優勝です!!」

京太郎「ネリー……」

清澄が優勝して嬉しい気持ちもある反面、正直ネリーの事が心配だった。

久「彼女ちゃんが心配なの?」

京太郎「……」

まこ「行ってやりゃあ、祝勝会までにはもどってくりゃええ」

京太郎「ありがとうございます!!」ダッ

ネリーは臨海の控室に居なかった。

臨海の人間も探しているらしい。

敗戦のショックなのか電話にも出ない、このまま見つからないとなると大きな問題になってしまう。

京太郎「ホテルにも居なかったけど……」

京太郎「戻ってるかもしれない」

京太郎「もう一度行ってみるか……」

どうしてもっと早く気づいてやれなかったのか、俺は大きな過ちを犯していた。

もっと早くネリーの傍に居てやれば良かった……





ホテル内が静かなのは当然だが、本当の無音に感じられた。

京太郎「臨海の生徒が居ても不思議では無いのに……」

京太郎「ネリー?」コンコン

ギィィッ

京太郎「――あれ?」

開いてる?

無機質な音を立ててホテルの扉は開いた、違う、元々開いている。無気力な状態で戻り、ベッドの上で泣いていると思うと胸が痛むが、安全の為に入るしか無い。

京太郎「入るぞ」スタスタ







京太郎「~っ!」

声が出なかった。

ネリーは綺麗なまま宙吊りになっていた。

俺のシャツによって。

すぐにシャツを首から解き、脈を測ったが、死んでいた。完全に手遅れの状況、ネリーは自殺したのだ。

今になって涙が止まらない、好きな女が死んだとなると尚更胸が痛む……どうして、どうして、どうして、自殺なんか……

京太郎「うっ……うぅ……!」ポロポロ






涙を流しながら気が付いた。

京太郎「待てよ……」

どうして俺のシャツを使った……?

それは余りにも不自然だった、冷静に考えるとこのままでは俺が逮捕されるのは目に見えている、これは俺の犯行に見せかけた他殺だと確信した。

「ネリー!!居るか!!?入るぞ??」

京太郎「~!」

ダッ

ドンッ

智葉「お、おい!!待て!!!」

このままでは捕まると思った俺は全力で走り、智葉さんの制止を振り切って宛ても無くガムシャラに走り抜けた。

京太郎「はぁ!はぁ!」タッタッタッ

どれだけ走っただろう、もう手遅れだろうな。

俺が犯人として逮捕されるのは時間の問題だ、犯人じゃ無いけど……

京太郎「犯人を殺してやらないと気が済まねぇ……」

怜「あ、おもろい兄さんやん」

京太郎「っ!」

怜「泣いちゃってどうしたん?彼女さんにでもフられたんか?」

怜「なんてな~!普通は慰めるやろっ!て!」ケタケタ

確かこの人は千里山の園城寺怜、全力で照さんを止めていた人だ。

京太郎「……」

怜「……」

怜「どうしたん?話してみ」

どうやら何も知らないらしい、良いさ、このまま話してやろう。どうせこれから捕まる身だ。

俺は全部話した。

ネリーとの出会いから現在に至るまでの全てを、簡潔に精一杯感情のままに話した。

怜「ほぼ終わりやな、君の人生」

京太郎「……」

京太郎「ですよね」

怜「殺人から逃走……未成年で良かったな……ほな」

京太郎「殺してない!!」

怜「……ほんまか?」

京太郎「犯人は見つけ出してぶっ殺してやる……」

怜「それじゃあ……結局犯罪者やん」

京太郎「ぐっ……」

怜「捕まえて罪を償わせるのが普通やろ」

怜「……なぁ?」

京太郎「なんでしょう?」





     「全てを失う覚悟はあるか?」



京太郎「え?」

怜「私って実はな、少し未来を見る能力があるねん」

園城寺さんは理解の及ばない話を始めた。

怜「その能力を対価に私は“健康”を失った」

怜「私は対局終わった後倒れたやろ?」

京太郎「……はい」

怜「ちょっと未来を見ると倒れんねん」

怜「逆に過去を見るってのはそこまで疲れん、決まっている出来事やからな、過去に戻るのは莫大な対価が必要や」

怜「因果をめちゃくちゃにする行為やからな……」

京太郎「俺を過去に戻せるのか!?」

俺は焦って園城寺さんの肩を掴み、叫んだ。やむをえない状況なのだ、しのごも言ってられない。

怜「ちょっと待ちぃや、まだ話は終わってへん」

怜「過去に戻ってもどうやってネリーを助けんねん」

京太郎「そりゃ犯人を待ち伏せして……」

怜「すまん、それは無理や。死んでから数時間経っとるやん」

怜「君程度だと一時間とか二時間の細かい操作は無理やねん。ごっつぇ能力者ならいけるけどな」

怜「君が行けるとしたらかなりの過去か、一二分前ぐらいや。一二分前やと髪の毛が数本抜けるぐらいやけど」

京太郎「お願いします……!」

怜「対価凄いで、きっと」

京太郎「構わない」

怜「ほな決まりや、まぁ、私にとってはほんの一瞬で全部変わってるんやけどな」

怜「あ、過去で私に会ったらきっと私は協力するで~」

京太郎「頼みますよ」

怜「どれくらい戻るのかな、もしかしたら中学生だったりして。全盲になるかも知れんけどええか?」

怜「これは君を犠牲にした賭けやで?」

京太郎「構わない!!!」

「君!!!」

すると、警官が駆け付けて来た、もう時間は無い。

怜「男なら絶対に成し遂げろや」

京太郎「はい!!!」

怜「よし、良い返事や。ほな、頑張りや」

その瞬間、景色が暗転すふ。

深い深い海の底へ落ちて行く、どこまでもどこまでも深く深く落ちて行く、光は見えなくなり、残るのは感覚だけになり気が付けばとても苦しくなっていた。でも息は出来ない、ただただもがき苦しんでいた。

終わりの無い苦しみ、絶望、過去に起きた出来事全てがフラッシュバックしていく。あぁ色々な事があったな、親父とお袋……ごめん。でもネリーは俺なんかよりも生きていなければならない存在なんだ、不出来な息子でごめんなさい、俺は好きな人を助けたい。

そして、光が差した。

ズキンッ

「ぐぁっ!」

頭が痛い、ジンジンとする。

「……」

でも痛みはすぐに引き、真っ暗だった視界には色が戻っていく、失われたかに思われた全ての感覚が戻っていく。

「おい、何やってんだよ!!」

京太郎「――え?」

なんだこれ、視界が低い……俺は一体どこに居るって言うんだよ。

更に自身の身体を確認すると子供のソレとなり、周りは全員小学生、俺に対して叫んだのは……

高久田「大丈夫か?」

高久田……も小学生。

京太郎「あぁ……」

たまらず上を向くと太陽の陽射しがとても痛い、細目にして何が起きているのかを確認する。

京太郎「っ!」

清澄……小学校!?

俺は小学生まで戻ったのかぁぁぁぁ!?

今日の分はここまでです。ありがとうございました。

京太郎「……」

さて、どうした物か。

ちなみに言うと高久田は席に着いている俺の隣でスクワットをしている、もっと腰を落とせ腰を。

高久田「俺はよぉ、強い男目指してるからさぁ!」フンフンッ

喧嘩は身長高くなっても弱いんだよなこいつ、今でも身長はそれなりに高いけど。

どうやら俺は小学六年生の時までタイムスリップしたらしい、ヘチマに当たる日差しは本当に綺麗だと今になって気が付いた。

しかし現実逃避している場合ない、さっさと家へ帰ってネリーについて調べないと。

京太郎「俺もう帰るわ」ガタッ

高久田「え〜!?マジで!?」

高久田「遊ぼうぜ〜!暇だよ〜!」

京太郎「邪魔しない?」

高久田「しない!」

京太郎「ならよし」

京太郎「う〜ん」カチャカチャ

嫁田「なにしてんだよ〜」ユサユサ

パソコンでネリーの事に関して調べている俺の肩を嫁田は掴んで力強く揺らす。

とても鬱陶しいが、麻雀部に入ってからは遊んでいないと思い返すと強く拒絶は出来なかった。

京太郎「邪魔しないって言っただろ〜」グラグラ

嫁田「だって暇だし」

まぁこいつはそんな奴だったな、俺と一緒で。

京太郎「調べ物してんだよ」

嫁田「どんなん?」

京太郎「人」

嫁田「なんでさ」

京太郎「会いたいから」 

嫁田「へぇ〜!」

京太郎「……!」

ついにネリーの事に関して記述されたサイトが見つかった。

嫁田「おい、これって……」

嫁田の声色が変わる、そうだな、こいつは昔から心優しい男だった。



1.死んだ目で乞食をするネリー
2.死んだ目で麻雀を打つネリー
3.アングラサイト


下1

京太郎「これは――」

世界ジュニア、グルジア代表ネリー•ヴィルサラーゼ。

間違いなくネリーだ、歳相応の容姿にはなったものの確実にネリーだ。

しかし、俺の知っているネリーでは無かった。

彼女の瞳はかつて見た瞳と大きく異なり、生気はなく、虚ろで、一言で言うと死んでいた。

嫁田「な、なぁ……麻雀ってこんな辛そうに打つものなのか?」

嫁田は行き場の無い怒りに襲われたかのように声が震えていた。こいつは本当に優しい男だ、世界情勢のニュース放送で難民を見る時も怒りに打ち震えていた事を俺は忘れない。

京太郎「きっと違う、ネリーは打たされているんだ」

と言っても記事自体は三年前の物、今現在のネリーがどうなっているか俺には分からない。

痩せこけた身体、手首に生々しく残る手錠のような痕、ジョージア……いやグルジアでのネリーを取り巻く環境は劣悪だと分かる。

出来ることなら今すぐにでも会いたい、しかし……俺とネリーの間には国境以上の壁がそびえ立っていた。

問題は全国決勝の夜だ、アレさえ止められれば問題は無いが心許ない、原因から確実に探り出さなければならない。

ネリーに対して殺意を抱く人間を割出す事が最初の目標だが……どう見てもネリーは殺意を抱く側の人間であったのは言うまでもない。彼女の虚ろな瞳には絶望が色濃く反映されていた。

嫁田「なぁ、友達なのか?そいつ」

京太郎「……」




京太郎「大切な人だよ」






俺はネリーを守るためにどうするべきなんだろうか。





1,グルジアに行く
2,東京の学校に進学
3,そう言えば女装して女子校に通うゲームがあったよな……


下1

再開

京太郎「嫁田」

嫁田「あ?」

京太郎「俺、東京の学校に進学するよ」

嫁田「はぁ!?」

もう覚悟は出来ていた。どうせこの先俺は全てを失うのだ、こいつとの縁も今の内切っておいた方が支障は無い。こいつの事だ、俺の末路を知ったら酷く悲しむだろう。

京太郎「多分高校辺りになったらだけどな」

嫁田「……」

京太郎「だからさ、お前みたいな馬鹿とは付き合ってられないんだよ」

すまない嫁田、それでも俺にとってお前は親友なんだ、許してくれ。

嫁田「お、おまえ……!!」



1,馬鹿野郎!
2,じゃあ俺も賢くなる
3,何も言わずに去る

下1

嫁田「と、東京に馬鹿な学校は無いのか?」

京太郎「ほんとお前は馬鹿だな、馬鹿な学校如きで俺の親が東京に行かせてくれる訳が無いだろ?」

嫁田「……」ウーン

すると嫁田は下を向いて深く考え込んでいた。たった今縁を切ろうとしている男に対して随分とまぁ、余裕な態度を取っている。、

嫁田「じゃあ俺も賢くなる!」

京太郎「はぁ!?」

嫁田「そんで俺も東京の学校に行く!これでまだ友達だな!」

こいつは底抜けのどうしようもない馬鹿だった……俺も馬鹿だけど。

京太郎「嫁田……俺は文武両道だ、勉強だけじゃない。格闘技も麻雀もスポーツも全部やるぞ?」

嫁田「お前に出来るなら俺にも出来るって!大丈夫!!」グッ

堂々としたガッツポーズ、俺はこいつと縁を切れそうにない、呆れてしまったが……嬉しかった。

京太郎「じゃあ解散」

嫁田「は!?勉強は!?」

京太郎「ひ•と•り•で•や•れ•!」

嫁田「は、はい」

そして嫁田はすごすごと帰って行った。




京太郎「さて、これからどうやって自分を磨いていくかな……」

1,ハギヨシさんを頼るか
2,塾とか通うかな
3,全部自力だな

下1

京太郎「ハギヨシさんだな、うん」

あの人は今だと、大体16歳って事になるのか。

京太郎「よし……」

行ってみるか、門前払いされたとしても構わないぜ。

京太郎「行ってきまーす」バタンッタッタッタ

母「夕飯までには帰って来いよー!!」






1.「萩原さんなら外で何かしてるよ」
2.「私の敷地を跨ぐとは良い度胸ですわ!」
3.「はて、見覚えの無い少年ですね」

下1

ここが龍門渕邸、今も昔も未来も変わらない荘厳な場所だ。

「私の敷地を跨ぐとは良い度胸ですわ!!!」

京太郎「!?」ビクッ

俺を驚かせた大きな声の主は龍門渕透華、ハギヨシさんの主となる人だった。特徴的な金髪と癖毛がチャームポイントだ。

透華「あの愚か者の代わりに貴方を私の執事に致しますわ!!」

京太郎「愚か者……誰?」

透華「勿論ハギヨシですわ!!貴方は知らないでしょうけど、とても愚か極まりない!!」

透華「私の苦手な物を料理に混ぜるなど……!」

京太郎「……」

まともだよなぁ。

ブロロロロロ……

すると黒塗りの車が俺と透華さんの隣に停車する、龍門渕の人間だろうか?

ガチャッ

――扉が開いた瞬間、それは都合の良い勘違いだと理解した。

俺と透華さんは瞬く間に車へと押し込まれ誘拐されてしまった。

俺達二人はよくわからないビルまで連れ去られてしまった。

「へへへ……長野のガキは牌に愛された奴が多いからなぁ……しかも外人……こりゃ当たりだぜ!」

「お待ちください、彼女は龍門渕家の……」

「は!?」

「しかし好都合です。我等の進める事業の一環を有利に進める事が可能かと……」

攫った人間とは別の、悪くて偉そうな人が二人で話している。下卑た笑みを浮かべ、いやらしく俺と透華さんを凝視する。

「は~、あいつらは処分しとけ」

「はい」

あいつら、とは恐らく誘拐犯の事だろう。

「臨海グループの計画を優位に運べる日が来るとは……」

臨海グループ?まさか……いや、しかし、外人がどうとか言っている所を見ると……そのまさか、か。

透華「うっ……ひっく……ハギヨシィ……助けて……怖いですわ……」ポロポロ

透華さんは体育座りをして号泣している。無理もない、突然誘拐なんかされたら泣いてしまうだろう。

京太郎「ほら、泣かないでくださいよ、ね?」

俺は必死に透華さんを宥める、それは彼女の心のケアが第一に必要であると判断した為だ。

透華「あなただって足がとても震えている癖に……」

え?まじで?震えてるの顎だけじゃないの?

しかし奴等は金髪だから外人だと思ったのかな?だとするとかなりの馬鹿だよな、上から下まで。

京太郎「うーん……」

もし俺が突然龍門渕邸まで行かなければ透華さんが攫われていた事も無い可能性がある。門の付近に立つのと立たないのでは誘拐の実現率もかなり違いが出てしまう。

これは俺の責任……

な、な、な、なんとかしないと……

透華「あ、貴方のような屑はハギヨシがやっつけますわ!!!!」

京太郎「~っ!!」

なに言ってんだよ~~!!ここは黙っとけよお嬢様!!事故物件に手榴弾投げ込んでどうするんだよ!!

「へーそうかーお嬢様には痛い目見てもらった方が良いかもな」

「おい、龍門渕にビデオ通話を繋げろ」

「はい」ガチャッ

電話はあっさりと繋がり、パソコンの前には透華さんと俺が映っていた。

「もしもーし、株の20%をくれないとこの子が死にます。以上」

特に嫌らしい男は透華さんに拳銃を突きつけて、下卑た笑みを浮かべていた。

「え?嫌?仕方ないなぁ……じゃあ決裂って事で」

透華「え……?」

京太郎「っ!」

まずい、両手が縛られたままでは、止める事も……否、口と足があるではないか。

ガブゥッ

「いたたた!!!このクソガキィ!!!」

バキィッ

透華「!」

俺は思い切り嫌らしい男の手を噛み、射殺しようとする手を止める。多少は殴られてしまったが仕方がない、ここで止める事が出来なければまた俺のせいで人を殺してしまう。

こうやって時間を稼いでいるとついにやってきた。

ガチャッ

透華「!」パァァァッ

ハギヨシ「無事で良かった……」

「っ!」

ガシッ

ハギヨシさんは嫌らしい男の手を掴み、男が握っていた拳銃を強烈な握力で落とさせる。それだけの強い力の持ち主なのだ。

「ぶ、部下はどうした!?」

ハギヨシ「さぁ?寝ていると思いますよ」

京太郎「すげぇ……」

ハギヨシ「それでは警察に行きましょうか」

「ちっ……」

待てよ……外人……臨海グループ……

京太郎「ハギヨシさん!!」

ハギヨシ「おや?私の名前をご存知でしたか」

京太郎「違う!!!きっとここには誘拐された子供や無理矢理連れて来られて麻雀を打たされている子供が居る!!!」

「ばっ!んな訳……!」

ハギヨシ「どうやらそこも調べる必要がありますね……」

ハギヨシさんが鋭い眼光で一瞥すると男は全てを諦めたかのように黙りきってしまった。

京太郎「……」

ビルには警察が集まり、取り調べを行っていた。

どうやら東京まで連れ去られていたらしい。

ハギヨシさん先導だからこの人の凄さが伺える。

ハギヨシ「……」ガチャッ

厳重な扉をハギヨシさんが開けると、中には沢山の子供が居た、それも外国人ばかりだ。

ワラワラワラ

ハギヨシ「……」

ハギヨシ「身寄り無し、もしくは騙されて出稼ぎを強いられている子供ばかりですね」

京太郎「~っ!」

すると、一人見覚えのある人が立っていた。

まさか、本当に居るとは。

京太郎「ネリー!」

ネリー「……」

ネリー「………………………」

京太郎「ネリー!!」

ネリーは何もかもが無関心の様子で警察官に連れられて行った。

京太郎「おい!!」

俺も追いかけるがハギヨシさんに静止される。

ハギヨシ「京太郎君と言いましたね、彼女には然るべき措置が必要です」

ハギヨシ「時間はかかるかも知れない、それでも心を癒す必要がある。分かりますね?」

京太郎「っ!」

ハギヨシ「貴方はどうしたい?」

京太郎「~っ!あー!くそっ!くそっ!」ポロポロ

久しぶりに会えた事の安堵と、酷い目にあっていたであろうネリーへの理解が足りない事、力になれない事、自身の無力さが情けなくなり俺は涙が止まらなかった。

京太郎「救いたい……!救いたい……!」ポロポロ

ハギヨシ「茨の道ですね……」

透華「……」

透華「Zzz……」

今の出来事で確実に未来は変わったのだ。

これで臨海女子も無くなるだろう。

俺はもう何をする必要も無い、元通りの人生を歩んで終わりにしよう。

ハギヨシ「旦那様、臨海グループの買収にとりかかるのですか?」

ハギヨシ「はい、ありがとうございます」

しかし、ハギヨシさんの電話を聞いた俺はまだ安心が出来なかった。

長野へ帰る車の中、俺はまだ立ち止まれない事を悟る。

京太郎「ハギヨシさん」

ハギヨシ「どうしましたか?」

京太郎「俺を弟子にしてください」

ハギヨシ「……あの子の為ですか?」

京太郎「……」

ハギヨシ「私は厳しいですよ」

京太郎「……はい!」

そして三年後、俺は前回同様同じ中学へと進み咲と出会い、一つを除いて変わらない生活を送っていた。

嫁田「今日も家事手伝いかぁ……」

咲「京ちゃんと嫁田君はまた一緒に遊ぶの?」

京太郎「ああ、咲も呼びたいけど……悪いな」

嫁田と俺がハギヨシさんによって鍛えられた事が唯一の違いだった。

嫁田「夫婦仲良いなぁ」

京太郎「夫婦ちゃうわ」

咲「もう……怪我しないでね」

京太郎「おう」

京太郎「1113……!」

嫁田「1113」

トレーニングとして課される腕立て伏せ、背中の上に本が積み重ねられており、体制を崩す事は出来ない。

ハギヨシ「嫁田君は楽そうですね、三冊増やしましょう」

嫁田「マジかよ!?」

ズシンッ

嫁田「ぐえっ……」

あれから聞いた話によると龍門渕は臨海グループを買収し、東京に臨海女子を設立した。留学生を抱え込み、スポンサーにお金を払わせて日本の高校麻雀界を席巻するのが狙いらしい。

留学生が金を手に入れ、龍門渕の名は広まる。

来年、ネリーも臨海に入るそうだ。

あれから心身共に回復し、今ではお金を稼ぐ事に夢中だそうだ。

俺が今分かるのはそれまで。

ハギヨシ「考え事をしている暇はありませんよ、五冊追加」

京太郎「ひょえ~!!」

一「うわースパルタ」

透華「当然ですわ!ゆくゆくは龍門渕を……」ニコッ

数日後、進路相談が行われ、俺と嫁田は東京の学校へ進む事を先生に明かした。

咲「京ちゃんはどこの学校に行くの?」ソワソワ

京太郎「え?あ~……東京の学校で一番頭良い所だよ、進学校だな」

咲「え……」

京太郎「?」

咲の表情が強ばり、悲しげな表情へと変化する。

咲「……本当?」

京太郎「ああ、そうだよ」

そうだ、咲にまた麻雀を始めて貰わないと誤差が生じるかも知れない。

京太郎「向こうに行って会うとなると……咲が麻雀で全国に行った時だけだな」

京太郎「照さんも東京出身だし」

咲「麻雀……もうやらないよ」

京太郎「お前なら大丈夫だよ!待ってるぜ!」

これできっと清澄は全国に行く筈だ、こいつは少なからず俺に好意を抱いている。利用出来るものは何でも利用したい、そう決めているのだ。

俺は龍門渕グループの高校を受験した。私立でボンボンが通うような所だが、臨海女子のすぐ近くにある事から、俺にとっては完璧だった。

俺と嫁田は無事に合格し、同じ寮に入る事も決まった。決してホモでは無い。

そして合格した事を恩人達に報告しに行った。

透華「そ、そうですか……てっきり龍門渕に進むかと……私お手洗いに……」ウルウル

一「今まで頑張ったね、お疲れ様」ニコッ

純「頑張れよ!!」

智紀「おめでとう……」

衣「……居なくなるのか」

京太郎「また会えますよ、きっと!」

嫁田「みんなのおかげっす!」

ハギヨシ「京太郎君、嫁田君。」

京太郎・嫁田「「はい!」」

ハギヨシ「おめでとう……!」

京太郎・嫁田「「ありがとうございます!!」」

ハギヨシ「京太郎君、必ず助けてあげなさい……」

京太郎「はい!」

ハギヨシ「嫁田君、必ず成功してください」

嫁田「うっす!」

ハギヨシ「それと、何かあればお互い助け合うように」

京太郎・嫁田「「はい!!」」

無事に中学も卒業し、新たな住処で荷造りを始めていた。

京太郎「ちょっと外の空気を吸ってくる」スタスタ

嫁田「おう」

寮も臨海女子のすぐ近く、臨海女子の寮とは殆ど隣同士だ。

京太郎「また来たぜ東京……臨海……!」

桜も綺麗に咲き、満開となっている。桜が日差しに当たり、風景と交わりとても映えていた。

京太郎「寮の外は海が近くて少し涼しいな」

俺は必ずネリーを見つけ出して救ってみせ……








「桜綺麗だよねー」







京太郎「!」

ゴォォォォ

春特有の強い風が吹き、桜吹雪が舞い落ちるとその中には、見覚えのある服を着た見覚えのある顔のとても大切な人が両手をあげて舞っている。俺はその姿に見惚れると共に、懐かしさと情念が込み上げていた。

ポロッ

ポロッ

京太郎「ああ、そうだな」ポロポロ

お前の方がずっと綺麗だよ。

京太郎「綺麗だな」ニッ

ネリー「???どうして泣いてるの?お腹痛いの?お金無くしたの???」オロオロ

一旦ここまでです。小中は巻きでした。

ここからが本番です。

ありがとうございました。

京太郎「……」

良かった……本当にネリーが俺の目の前に立っている。

陽の光を浴びる彼女は俺が全てを賭けてでも思い続けたネリー・ヴィルサラーゼ本人だ。

京太郎「違うよ、花粉が少し強くてさ」

ネリー「そうなんだ」ホッ

咄嗟の嘘に対して彼女は露骨な安堵の表情を見せると畳みかけてきた。

ネリー「良かったよ、ネリーが泣かした訳じゃあ無いんだね」

ネリー「やめてよね、大の男が気持ち悪いし馴れ馴れしい」

京太郎「……」

誰だこいつ?

京太郎「あなたってこんな人でしたっけ?」

ネリー「何が?」

ネリー「君は私の事を知ってるの???」

しまった、つい敬語で尋ねてしまった。こいつは蜜月の日々を一切覚えていない。

京太郎「あはは!ジョークジョーク!ちょっと疲れててさ」

ネリー「キショ……」

京太郎「」グサッ

どういう事だ、精神的ケアを受ける内に攻撃的な性格を保つ事によって精神が安定する事を無意識に理解したのか?

俺が見たデレデレなネリーは多くを背負い過ぎた結果、俺に対して癒しを求めた結果か?

ネリー「?」ジッ

ふと目が合う、見つめ合う形になったが、綺麗な瞳が良く見える。

そうか、あの時よりも今の方が綺麗な目をしている。 今のネリーは素の自分を曝け出している姿なのか、少なくとも今は安心の出来る環境にいると言う事が分かった。




1.「学生?何処の学校に通ってんの?」
2.「この辺りに住んでるの?」
3.「外国の人?」

下1

京太郎「てか学生?」

ネリー「どうして教えないといけないの?」

こいつは一つ一つの言葉がとても重い、そして切れ味も恐ろしい。

京太郎「俺は今年から高校生でなおかつこの学生寮に住んでるからさ、もし学校が一緒だったら奇遇だと思ったんだ」

ネリー「女子校です、ちょっと気持ち悪いです」

京太郎「ごめん、敬語は辛い」

ネリー「うん、ごめんね」

京太郎「……て事は臨海女子か?」

ネリー「うん、脈絡が無いよね?ストーカーさん?」

ネリー「まぁ、正解だよ」

京太郎「やっぱりな、俺が通う学校のすぐ近くだ」

ネリー「寮も隣同士……これからは部屋干しだね」

京太郎「え?さっきから辛辣じゃない?」

まぁ、全部知っているんだけどな。ボロを出さないように、改めてネリーの口から情報を出してもらう事が大事だ。

ネリー「……」

1.「名前、教えてよ」
2.「君はこの国の人?」
3.「どこかで会った事ある?」

下1

すぐ再開します

ネリー「どこかで会った事がある?」

京太郎「……」

直近なら臨海グループのビルの中、本当に初めて会ったのは全国の会場だったな……冷房が効いている筈なのに暑かったよ。

しかし、ネリーはどれも覚えていない。

京太郎「さぁな」

ネリー「変なの」

ネリー「ずっと昔に会った事がある気がしたけど気のせいだね」

ネリー「そう言えば名前は何ていうの?」

京太郎「須賀京太郎」

ネリー「私はネリー・ヴィルサラーゼ」

京太郎「外国の人がわざわざ何しているんだ?」

答えなんか分かっている。

でも聞く。

ネリー「麻雀!!」

京太郎「やっぱりな、強いだろ?」

ネリー「当然だよ」

ネリー「あ、そうだ」

ネリー「もし良かったら」



1,「臨海のマネージャーやらない?」
2,「ネリーのマネージャーやってよ」


下1

ネリー「ネリーのマネージャーやってよ」

京太郎「……は?」

ネリー「大丈夫、お金は出るよ」

京太郎「麻雀やるのにマネージャーがいるのか?」

ネリー「うん、臨海のスタメンクラスなら許されるよ」

ネリー「主に身の回りの世話だね」

ネリー「ネリーは必要無いと思ってたけどさ」

京太郎「……」

めったに無いチャンス!これなら臨海の人間を探る事も出来る……

京太郎「ああ、是非やらせてくれ」

ネリー「じゃあ……」

1.部屋の荷物整理してね
2.部屋の掃除よろしく~
3.臨海まで運んで~

下1

ネリー「練習がこれからあるから臨海まで運んでね」

京太郎「……」

京太郎「何を?」

ネリー「?」

京太郎「?」

ネリー「ネリー」

あ、なるほどね、お安い御用です。

京太郎「おんぶ、だっこ、どっち?」

ネリー「うーん……おんぶ!」

京太郎「ここが臨海の麻雀部か……」

ネリー「うん」

智葉「……君が噂の新星か」

ネリー「よろしくね!」

智葉「そして君は……」ジロジロ

京太郎「……」

明らさまに俺の事を見てるよこの人、うわ、眼鏡から覗く眼光はえげつないですよ。

智葉「ここは女子校だが……」

ネリー「この人は私のマネージャーだよ」

智葉「本当にマネージャーを雇う人間は初めてだな」

ネリー「使える物は使わないと勿体無いよ」

京太郎「え」

マネージャー使うのこいつだけかよ!!!

ネリー「京太郎、椅子に座って」


1,喜んで
2,どうして?
3,やだ

下1

京太郎「喜んで」

間違いない、これは久し振りのご褒美、頑張ってきた俺に対する天からの授け物だ。

ネリー「うん、この雀卓でよろしく」

京太郎「はい」ガタッ

ネリー「ほら、座ってよ」

智葉「私か?」

ネリー「ううん、後ろの三人だよ」

ダヴァン「……」

ハオ「分かりました」

明華「お手柔らかに……」

京太郎「……」

これからこの五人はメンバーとして仲良くなっていくのだろう、ネリーを殺せる可能性はネリーを除いたあの四人が一番高い。

しかし、辻垣内智葉は俺がネリーの死体を見つけてすぐにネリーの部屋へと入室をした……わざわざ疑われる行動を取る必要も無いので可能性としては薄いが、犯人を仕立てる目的があった可能性も否めない。

全てが悪と思え、それが反倫理的思考だとしても構わない。

ガタッガタッ

留学生達、ネリーも卓に着く。

ネリー「変な事したらクビだよ?」

京太郎「俺は椅子……俺は椅子……」

ネリー「よいしょ」

ムニッ

京太郎「」

ああ……生きていてよかった。俺は太ももに全神経を集中させ、ネリーの控え気味な小尻の感触を味わい、全てに感謝をする。体が触れる事を気にしないネリーだからこそ今の俺が居ると言っても過言ではない。

智葉「変な奴……」

明華(男の人が入ってよろしいのでしょうか?)

ダヴァン(クレイジーですね)

ハオ(意味が分からない、白目を剥くとは)

ネリー「うん!座り心地良いね!」

ムニムニッ

京太郎「」

ネリーを含めた留学生四人はそれなりに良い勝負をしていたが、ハオの点数が沈み始めた。

ネリー「はい、おつかれ~」

ネリーが最後にアガり、首位。

ハオ以外の実力は均衡しているように見えた。

おかしいな、ハオも全国の時はもっと強い筈だったが……あっ、ネリーの髪からいい匂いがする。

智葉「なるほど、うん」

ハオ「やはり難しいですね」

智葉「普通の麻雀では初心者同然、気にすることはない」

ハオ「えぇ……」

ネリー「……」

京太郎「!」

あれで初心者!?そうか……これから強くなっていくのか……恐ろしいな。

京太郎「ん」ピクッ

ネリー「……」ゴゴゴ

ははは、ネリーの奴闘争心剥き出しにしちゃってるよ。




1.「もう帰るね」
2.京太郎、トイレ
3.容疑者四人に探りを入れる

下1

ネリーを含めた留学生四人はそれなりに良い勝負をしていたが、ハオの点数が沈み始めた。

ネリー「はい、おつかれ~」

ネリーが最後にアガり、首位。

ハオ以外の実力は均衡しているように見えた。

おかしいな、ハオも全国の時はもっと強い筈だったが……あっ、ネリーの髪からいい匂いがする。

智葉「なるほど、うん」

ハオ「やはり難しいですね」

智葉「普通の麻雀では初心者同然、気にすることはない」

ハオ「えぇ……」

ネリー「……」

京太郎「!」

あれで初心者!?そうか……これから強くなっていくのか……恐ろしいな。

京太郎「ん」ピクッ

ネリー「……」ゴゴゴ

ははは、ネリーの奴闘争心剥き出しにしちゃってるよ。




1.「もう帰るね」
2.京太郎、トイレ
3.容疑者四人に探りを入れる

下1

京太郎「!」

きたきたきた、きてしまいました。

これはそろそろ俺の熱いパトスを嶺上開花しないとまずい、ネリーにバレる前に行かなければ

ネリー「どうしたの?」

京太郎「あ、ちょっとトイレ」

ネリーを持ち上げ、椅子に座らせてそそくさと立ち上がる。俺の太郎も立ち上がっているのは言うまでもない。

ネリー「?どうして前屈みなの?お腹痛いの?」

京太郎「そうだ、ちょっと痛くなったんだ」ガララッ

俺は慌てて部室を後にした。恐らくバレてはいないだろう。

明華(masturbation……)

智葉(オナニーぐらい余所でやってくれ……)

タヴァン(エキサイトですね)

ハオ(自慰でしょうか?)

ネリー「????」

京太郎「……」ガララッ

何事も無かったかのように部室に戻る、完璧だ。

智葉(……5分)

明華(早い……)

ダヴァン(男って早いんデスカ?)

ハオ(触れないでおきましょう)

ネリー「早かったね!」

ネリーは純粋に俺を屈辱する、それは男にとって最も辛い部分だった。違うよ、ちょっと早いうんちなんだよ。

京太郎「グハァ!?」

智葉(帰ってもらった方がいい気がするな)

ネリー「はい、椅子」

京太郎「あ、はい」ガタッ

ネリーは椅子から立ち上がり、俺の椅子を催促する。愛いやつめ、すぐに座ってやる。

京太郎「……」

さて、座った状態でも良いから絶対に化けの皮を剥がしてやる。あれ?少し皆の視線が痛いなぁ、あははははは。




1.智葉を注視する
2.明華を注視する
3.ダヴァンを注視する
4.ハオを注視する

下1

京太郎「……」ジロッ

雀明華、フランスからの特待生かつ世界ランカー、風神と呼ばれている……

ぐらいだな、分かるのは。

麻雀の腕もかなりの物だ、理解出来ないが恐ろしく強い。

いつも手元に置いている傘には仕込み針が……飛躍しすぎたな。

うーん、全員がそうだけど悪い人には見えないな。



1.今日のストーキング対象にする
2.別の人間を注視する

下1

京太郎「……」

いや、郝慧宇にしよう。

アジア大会銀メダリスト、初心者同然でその成績は恐ろしい。

彼女に関しても分かるところは少ない。

さて、どうするか……



1.夜に寮へ忍び込む
2.話しかける
3.尾行する

下1

京太郎「麻雀、初心者なんですか?」

卓を囲む4人の内の一人である郝慧宇に話しかける事にした。

ハオ「はい、正確には中国麻将からの経験者ですね」

京太郎「なるほど」

ハオ「中国麻将と比べると麻雀は初心者という事です」

そう言えば同じ1年生だったな、タメ口でも構わないか。

京太郎「俺、麻雀とかからっきしだからさ、中国麻将を今度教えてよ」

ハオ「ええ、こっちでは興味のある人も少ないので是非」

うん、良い人にしか見えないな。

さて、どうするか。


1.さらに探りを入れる
2.盗聴器をつける

下1

京太郎「……」

龍門渕から貰ってきた二つの盗聴器の内の一つをここで使わせてもらう。

超小型である事から取り付けるのは難しいが、取り付けた後は信頼出来る。

しかし、その為には家に入る事が必要不可欠。

ネリーの為だな……

京太郎「……」チラッ

ネリー「?」

よし、頑張るか。



1.今夜決行
2.ネリーの部屋を通してもらってからの方が良いだろう
3.今、抜け出せば……

下1

そして練習を終えた夕方、嫁田には悪いが、俺にはひとまずやる事がある。

ネリー「荷物の整理も終わらせてくれたね、仕事が早くて助かるよ」

京太郎「ああ、お安い御用だ」

ネリー「ありがとう」

京太郎「この寮は男子の立ち入りが厳禁らしいけど、俺が入れるのは留学生特権って奴か?」

ネリー「うん!顔パスだよ、顔パス」

京太郎「そうか、じゃあ俺はそろそろ帰るかな」

ネリー「あ、シャワー浴びるから部屋で待ってて」

確かネリーはシャワーが長い方だったな、好都合。郝慧宇に盗聴器を取り付ける時が来た。

京太郎「ああ、勿論」


1.窓から侵入
2.ダクトから侵入
3.共用の廊下を隠れながら侵入

下1 

京太郎「ダクトからだな」

換気扇を取り外し、柔軟運動を行う。

スネー〇がやってたから大丈夫だろうな、よし。

京太郎「そりゃ!」ガッ

手を勢い良くダクトの中に張り付けるが、すぐさま鋭い痛みと寒気を感じる。

ツ-ッ

掌から一筋の血が垂れ落ちる。

傷口から察するに、中では釘が剥き出しになっているようだ、そりゃそうか。

京太郎「いかん、ネリーのシャワーが終わってしまう」


1.窓から侵入
2.共用の廊下を隠れながら侵入
3.ネリーと一緒に尋ねれば良くね?

下1

ネリー「次入るの?」

京太郎「俺には自分の部屋があるんだよ、ネリー」

ネリー「ふ~ん、ずっとここに居ても良いのに」

京太郎「出来たらな」

ネリー「ほんとに?」

こいつ……

少女的な言い回しになってしまうが、やはり俺とネリーは運命的な縁と相性が……

京太郎「ああ」

勿論だ、出来る事ならずっとこうしていた……
ネリー「春はベランダでも涼しいからね」ニコッ

京太郎「」

前言撤回。

京太郎「この部屋は今日入居したばかりなのか?」

ネリー「うん」

京太郎「それならほかの入居者に挨拶をしないとな」

ネリー「なんで?」

京太郎「日本で言う礼儀って奴さ」

ネリー「人間ってしがらみばかりだね」

京太郎「だからこそ生きていけるのさ」

ネリー「わかったよ」

ネリー「じゃあ紅茶でも持っていこっかな」

京太郎「よし、行くか」

ネリー「え?京太郎も?」

俺とネリーの麻雀部員への挨拶は大方片付いた。

途中、ダヴァンさんと明華さんが俺と目を合わせてくれなかった事だけは気がかりである。

さて、残るは郝慧宇だけだ。

ネリー「……」

ネリーは不機嫌だった。レギュラークラス以外の態度にお冠だ。

ネリー「これもしがらみ?」

京太郎「弱い人間の嫉妬だよ、気にしなければしがらみじゃあ無い」

ネリー「難しいね」

京太郎「よし、気を取り直して挨拶だ」

ネリー「……」コンコンッ

ハオ「はい」ガチャッ

さぁ、ここからが本番だ。

ハオ(……京太郎君の右手が私に触れるのは避けなければなりませんね)

ネリー「これ、ご挨拶」スッ

ハオ「紅茶ですか、ありがとうございます」ギィッ

京太郎「おっとぉ!」ガンッ

郝慧宇は間髪言わずに扉を締めようとするが、俺はすぐに足を挟み込み、阻止をした。

ハオ「どうしてですか、受け取って終わりでは?」ググッ

京太郎「なにかお礼を渡すのが筋じゃあありませんかねぇ~???」

足痛いって、どうして皆こんなにも冷たいんだよ~俺にばかり厳しいぜ~

ネリー(さっきまでこんな事してなかったのに……)

ハオ「わかりました、私も故郷のお茶を渡すのでお待ちください」タタッ

郝慧宇はドアを締める手を放し、リビングへと姿を消した……

――今だ。

京太郎「へ~!!ここがハオさんの部屋か~!」キョロキョロ

ハオ「きゃーー!!!!」

ネリー(誰だこいつ)

京太郎「おっと失礼、つい興味が出てしまいまして」

ハオ「そ、そうですか……」

ハオ(いけない、落ち着かなければ、彼だって人、人、人、ヒトモド……人……)

京太郎「うぃー」ガチャッ

やることをひとまず終えた俺は寮の部屋に戻り、盗聴の具合を確認する。

嫁田「もう盗聴器しかけたのかよ」

京太郎「さっそく俺の目標に近づけたからな、お前は関わるなよ」

嫁田「とか言いながら、何をしたのかは教えるのな」

京太郎「何かあった時に察することは出来るからな、お前は何も聞いていないし無関係だ」

嫁田「無茶言うぜ」

京太郎「……」

流れてくるのは生活音ばかり、怪しい所は無かった。

京太郎「まぁ、様子見だな」

しかしもう一つ盗聴器がある、これも使ってしまおうか。


1.智葉に仕掛ける
2.明華に仕掛ける
3.ダヴァンに仕掛ける 

下1

雀明華、こいつも怪しい。

さて、いつ仕掛けるか。


1.今仕掛けに行く 
2.明日にまわす


下1

京太郎「……」

京太郎「行ってくる」

嫁田「……ヘマすんなよ」

京太郎「缶ジュース買うだけだっつーの」

嫁田「じゃあ俺はドリアンの奴な」

京太郎「ここらじゃ売ってねーだろ、不味いし」

嫁田「さっさと買ってこいよ」

京太郎「……はいはい」



1.ネリーの部屋から
2.侵入
3.明華を尋ねる

下1

そんな事よりも雀明華だ、もしネリーに危害を加えようとしてみろ、首をへし折ってやる。

ゴソゴソ

京太郎「……」

よし、この通気口が一番雀明華の部屋と近い。後は監視カメラと謎の徘徊者……大丈夫だな。

スタッ

なるべく物音を立てぬように通気口から降りて、解錠を行う。

カチャッ

静かな音を立てながら鍵口が動く。簡単なピッキングだった。

中の様子を伺い、部屋に入る。

灯りもない、と言う事は雀明華も部屋で寝ていると言う事だ。

京太郎「……」

あとはリビングに盗聴器を仕掛けるだけで終わりだ。

京太郎「……」ガチャッ

嫁田「……」

京太郎「深刻な顔をしてどうした?」

嫁田「とりあえずこれを聞いてくれよ」

嫁田はノートPCを取り出すと音声データを再生した。

ガチャッ

京太郎「は……?」

トントントンッカチャカチャッ

ギギィッ

嫁田「この時間になって突然音がしたから驚いて保存したんだ」

京太郎「これは……」

俺には心当たりがあった、この音は間違いなく革靴の不審者だ。

郝慧宇の部屋に入るという事は合鍵も持っている事になるが、郝慧宇が起きて行動をしていた可能性がある。

嫁田「ちなみにな、もう一つの盗聴器もその後同じような音を出していた」

これにより不審者が立てた物音である事が俺の中ではほぼほぼ確定した。

京太郎「そうなると俺が奴の部屋を出た後になる……な」ボソッ

念のために雀明華の寝顔を見ておくべきだった。不審者が雀明華である可能性もあったんだ、焦ってミスをするなんてらしくない。

京太郎「起きろ~」

ネリー「ムニャッ……あと少し……」ウトウト

京太郎「はい、歯磨いて~」

寝惚けたネリーを洗面台の前に立たせ、歯を磨いてやる。かなりの過保護ではあるが、入学式初日から寝坊されちゃたまらない。

京太郎「クチュクチュして~飲むなよー」クイッ

ネリー「んっ」クチュクチュ

ネリー「ぺっ」

ピシャッ

水を口に含ませると、自分で口を濯いでからそれを吐き出した。ここまでやってやったんだ、目だって覚めただろう。

それにしてもなんだかムラムラしてきたな。

ネリー「んっ」

京太郎「どうした?」

ネリー「制服」



1.着せてやる
2.着せてやらない


下1

ドキドキ

汗が首筋を伝う。カーテンの間から差し込む陽の光が、白磁と見間違う程の白い肌を更に美しく照り渡らせる。

あの時と同じように、触れても良いのか?

寝汗により寝間着は少しくたびれているが、それがよりネリーを魅力的な女にした。

ネリー「んっ」

京太郎「今着せるぞ……」

上着の裾を持ち上げると、あの日、あの時に見た、遠い、甘い記憶が呼び起こされる。彼女は何も変わっていない。

蕩けてしまう、このままでは俺が俺では無くなってしまう。

一時間後

ザワザワ

嫁田「……」

モブ「鼻血が止まらなくて倒れた人って君の友達?大丈夫?頭悪いの?」

嫁田「いや……まぁ、それなりに……」

モブ2「僕、入学式隣だったけどほんと凄かったよ!」

モブ2「箱ティッシュ持って、鼻血止めてんの!だけど一向に止まらないから倒れちゃってさ!僕、あんな人初めて見たよ!興奮するね!」

嫁田「ああ、昨日勉強頑張ってたからな、あいつにとっては新しい環境だし、うちも偏差値高いから気を張り過ぎたんじゃないかな?」

モブ3「倒れるまで鼻血我慢するって面白い奴だな~~!!絶対地頭悪いって!」

嫁田「あはは……」

嫁田(恥ずかしい……)

京太郎「……」パチッ

京太郎「はぁ……」

目が覚めると自分の部屋、そして嫁田も居る。これは完全に全てが終わったあとだ。

京太郎「俺なんか言われてた?」

嫁田「頭悪いってさ、俺も恥かいたから殴らせろ」

京太郎「わりぃ」

所詮入学式。そうだ、ネリーの様子を見に行かなければ。

京太郎「まだ昼なんだな」

嫁田「入学式だからな」

京太郎「ちょっと行ってくるわ」

嫁田「俺は新しく出来た友達と勉強会」

京太郎「え」

嫁田「……俺が居るから」

〇垂るの墓を見ている時のような目を俺に向けていた、これが時代の犠牲者、悲しいけど運命なのよねって……やめろ、俺はぼっちじゃない。

京太郎「今度入れて……」

嫁田「…………」

京太郎「頷けや」 
 
さて、ネリーはどこに居るのかな。




1.麻雀部
2.ネリーの教室
3.ネリーの部屋
4.臨海女子寮周辺
5.臨海の職員室

下1

京太郎「こんな所に居るのか」

女子寮の裏、日陰の隅でネリーはこっそりと足を抱えて座り込んでいた。

ネリー「嫌な人ばかりだよ、この国って」

京太郎「嫉妬される立場は大変だな」

ネリー「京太郎はマネージャーだからネリーから離れちゃ駄目」

なんという無茶を抜かすのかこいつは、俺が学校に行けなくなるだろう。

まぁ、でも……

京太郎「はいはい、仰せのままに」

ネリー「もしかして京太郎って馬鹿でしょ?」

京太郎「おかげさまでな」

ネリー「へぇ……」


1.絶対守ってやるから安心しろよ
2.さぁ、行くか

下1

京太郎「絶対守ってやるからさ、安心しろよ」

ネリー「ホント?」

京太郎「おうよ」

ネリー「分かったよ」

京太郎「今日は麻雀するのか?」
ネリー「する」

京太郎「よし、いくか」

ネリー「肩車!」

京太郎「はいはい」クスッ

この瞬間がいつまでも続けば良い。

相変わらず臨海麻雀部に異変は無い。昨晩の不審な人間に誰も触れていない事を顧みると、部員だろう。

俺からすると警戒すべき人間だが、麻雀部員からすると警戒すべき人間ではないという事になる。

京太郎「あっ……」

とある事を思い出した。

ネリー「どうしたの?」

俺の膝に乗るネリーは俺の様子を上目遣いで伺う、声が漏れていたか。

園城寺怜さん、確か俺に協力するとか言っていた気が……




1.電話する
2.しない
3.千里山を尋ねる

下1

京太郎「あっ!いたたたたたたたたたたたたたたたたたたた……」

ネリー「?」

智葉(この性欲に塗れた男を注意するべきだろうか)

明華(またマスターベーションですか)

ハオ(ひっ……)

ダヴァン(HAHAHA!)

京太郎「体調悪いから帰ります!すまんネリー!また明日!」

ネリー「さっき言った事忘れたの?鳥なの?」

京太郎「わりぃ!お前の為だ!」

智葉(このままではネリーを犯してしまうから……)

智葉「は、はやく行け!」アセアセ

ハオ「むしろ明日も体調不良で休んでも……」

京太郎「あれ?ん?え?」

なんか勘違いされてないか?俺の気のせいなの?

ネリー「身体温めて寝ないとダメだよ?」

京太郎「ここが大阪の千里山か」

京太郎「しかし、どうするかな……」ポリポリ

京太郎「もう夜だしなぁ」



1.翌日尋ねる
2.今尋ねる
3.人心掌握術を用い、番号を手に入れる

下1

チュンチュン

京太郎「あー良く寝た」

京太郎「さて、行くかな」

ネリーと女子寮の事が気になるから早めに終わらせないとな。




1.千里山女子に行く
2.千里山女子の前に立つ
3.千里山女子周辺を虱潰しにまわる

下1

京太郎「……」カラカラ

清掃員に扮し、千里山女子へ侵入することに成功した。

「あの清掃員さんイケメンやん」

「お近づきになりたいわぁ」

京太郎「……」

出来るだけ早く怜さんに会いたいな。さて、俺はどうするべきかな。




1.拉致
2.話しかける

下1

京太郎「どうも」ペコッ

怜「ん?誰?」

京太郎「そうですね、俺は貴女の事を知っていますよ」

怜「うち、もう有名人なん?」

京太郎「ええ、一巡先が見えるとか」

怜「……誰?」

一瞬にして表情が強張る。当然だろう、見ず知らずの男が自分の能力を知っているのだから。

京太郎「そんな怖い顔をしないでくださいよ」

京太郎「あなたのおかげで今の俺が居るんですから」

さて、どう話すべきか

1,全てを対価にして過去に戻りました
2,健康を対価にした能力、ですよね
3,自由安価

下1

京太郎「ジャアアアアアアアアップwwwwww」

怜「は?」

京太郎「!?」

俺とした事が、今何を!?

怜「あんたも“““同士”””やったんやな!!!」

京太郎「え、あっ、えっと」

怜「やっぱりアーリア人と比べるとジャップってほんまクソやとおもうで」

怜「ユダヤの」

京太郎「ジャアアアアアアアアップwwwwww」

怜「は?」

京太郎「!?」

俺とした事が、今何を!?

怜「あんたも“““同士”””やったんやな!!!」

京太郎「え、あっ、えっと」

怜「やっぱりアーリア人と比べるとジャップってほんまクソやとおもうで」

京太郎「いや、そんなつもりは……」

怜「ジャップさぁ……」

怜「自分から乗っかっておいてそれは無いよねw偉大なるアーリア人の真似事しか出来ないんだから大人しく媚びへつらってなよw」

怜「また飯の上に肉乗っけて食べるのかい?汚いよほんとw」

京太郎「あんた誰だよ!?」



1,全てを対価にして過去に戻りました
2,健康を対価にした能力、ですよね

下1

京太郎「そんな事よりも……」

怜「そんな事ってなんやゴラァ!!!」

京太郎「ひっ……」

怜「決めた!!我が闘争読ましたるわ!!」

怜「あんたみたいなタワケもこれで総統の偉大なる意思が……」

京太郎「違う違う!怜さんの能力のこと!!」

怜「私の名前まで知っとるんか……それも総統の意思やな……」

京太郎「健康を対価にして得た能力」

怜「!」

京太郎「対価を支払う事で、未来視は勿論、過去に戻る事も出来る……」

怜「……なんの事や」

京太郎「とぼけても無駄ですよ、なぜなら……」


1,俺はあんたの力で過去に戻ったんだから
2,自由安価

下1

京太郎「俺はあんたの力で過去に戻ったんだからさ」

怜「……ほんまか?」

京太郎「勿論」

怜「対価にしたのはなんや?」

京太郎「よく分からないけど、全盲になるとか」

怜「……」

いたたまれないと言った表情だった。まぁ、はたから見たらそう見えるのも仕方が無いか。

怜「何があったのか教えてくれへんか?」

京太郎「――」

俺は今まで起きた事を全て話した。数少ない理解者だからか、いつもよりも流暢に、今まで押し込んだ物を解き放つかのように。

そして怜さんと連絡先の交換をした俺は、昼下がりにネリーの元へと戻った。

ネリー「どこいってたの?」

京太郎「大阪」

ネリー「?」

京太郎「あ、これお土産」

ネリー「た、たくさん買ってきたね」アセアセ

京太郎「あ、多すぎた?」

ネリー「ううん、むしろありがとう」ニヘラッ

京太郎「……」

抱きしめてしまいたい。それは許されるのか、ああ、神様。

夕方になるとこの部活の監督が顔を出した。それはまぁ、神妙な顔持ちだった。

アレクサンドラ「またこの男か」

智葉「練習にも支障はありません」 

アレクサンドラ「色恋沙汰は本番での牌を濁らせる」

京太郎「……」ピクッ

興味深い事を言ってるな、まさか、決勝での大乱調は俺の責任か?

智葉「牌は思いに応える。だからこそ……」

ネリー「……」

アレクサンドラ「本当の目的を見失わなければな」

ネリー「ねぇ、怒るよ」

アレクサンドラ「本当のだろう、その証拠に……」

ネリー「ちょ、ちょっ!やめて!」カァァ

顔を真っ赤にして慌てている。可愛いなぁ、必死に両手を振り回しているよ。

気が付けば俺はなんの手掛かりも掴めずにいた。もう、全国大会目前だ。

京太郎「優勝……出来るかな?」

ネリー「私に任せて、多分大丈夫」

京太郎「……」

最近のネリーは牌の調子が明らかに悪い。素人目から見てもそれは明らかだった。

アレクサンドラの言う事はあながち嘘でもなかったようだ、このままでは全国優勝どころでは無い。

ネリーには金が必要だ、だからこそ大会で活躍をして金を貰わなければならない。

京太郎「……」

犯人を見つけなければ――



1.智葉に問い詰める
2.郝に問い詰める
3.明華に問い詰める
4.ダヴァンに問い詰める

下1

京太郎「智葉さん」

智葉「どうした?」

京太郎「ネリーとは仲が良いですか?」

智葉「ふむ……いい後輩とは思っている」

京太郎「もし、このままネリーが全国で活躍を出来なかったらどうしますか?」

智葉「そうだな……」

智葉「まぁ、仕方ない。運が無かったのさ」

京太郎「……ネリー1人のせいで負けても?」

智葉「私達は5人で1人なのさ、仕方ない」

京太郎「……」

随分とお人好しだな。



1.郝に問い詰める
2.明華に問い詰める
3.ダヴァンに問い詰める


下1

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辻垣内智葉の次は部室の隅に立っている雀明華に声をかける。

何やら深く考え込んでいる様子だ。

京太郎「どうかしましたか?」

明華「……っ」ジロッ

明らかに不快な視線を向ける。どうやら考え込んでいる対象は俺みたいだな。

明華「いえ、大会の事を考えていまして……」

あぁ、ネリーの事だ、ネリーの事だな。

京太郎「本人も真剣にやっているんです。結果だって……」

明華「……違うんです……違うんです……」ブツブツ

盗聴器からは異変を感じられなかったのはこれか、こんな小言なら聞こえる筈が無い。

明華「私……わたし……」ブツブツ

京太郎「話を聞きたいので、少し外に出ましょう」

明華「……」コクッ

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二人で話す場所は誰も居ない屋上を選んだ。

京太郎「落ち着きましたか……」

明華「……ハイ」

京太郎「分かってますよ、俺が邪魔な事ぐらい」

この人には悪いが、本音を引き出す為だ。

明華「そんな、つもり、じゃ……」

京太郎「勝てなかったら終わりですから」

ポタッポタッ

明華「ネリーが原因で負けたらと思うと……」ポロポロ

雀明華の瞳から涙が溢れる。頬を伝って落ちる滴は彼女の行き場もない感情に感じられた。

明華「嫌なんです……母を悲しませるのが……!」

とても純粋な思いだった。

その純粋な心が彼女の心に歪みを生じさせたのだろう。きっと、彼女は悪くない。

しかし、まだ確認しなければならない事がある。



1.明華の部屋を探る 
2.明華の部屋にあげてもらう

下1

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なんだかんだで彼女の家にあげてもらう事になった。

明華「すみません、送ってもらって……」

京太郎「大丈夫っす、気にしないでください」



さて、どうするか。


1.積み重なった本について触れる
2.押し入れを見たい
3.明華の異常性に触れる

下1

京太郎「ネリーのせいで負けるのは許せない」

明華「っ」ピクッ

京太郎「更に、監督は男の存在が牌を鈍らせるとのたまう」

明華「……」

明華「優勝しないと、優勝しないと……母が悲しみます。ましてや学生の大会……私が負ける事は母の権威すら貶めると言う事」

明華「もし、ネリーのせいで負けると思うと……私はネリーを殺してしまいます」

焦点の定まらない瞳が俺を見据える。瞼はほんの少しだけ、赤く腫れていた。

明華「あは、あははは、あはははは、そうです。私が死んでしまえば良いと思いませんか?」

典型的なヒス、支離滅裂な言動、それだけ思いつめていたのか。

京太郎「それなら約束してください」



1.臨海が優勝したら自暴自棄にならないでください
2.ネリーには手を出さないと

下1

明華「……え?」

京太郎「貴女も死ぬ必要はありません」

部屋の中を見回す。
すると、心理学、自己啓発の本や鈍器、更には麻縄までもがあちらこちらに散乱している。

こんな事は終わりにしなければならない。

そう、俺で最後に。

京太郎「実は俺、もう実家に帰るんですよね」アハハ

明華「えっ?」

彼女はどういう事か理解出来ていない。
俺とネリーの仲を見ていたらそりゃあそうだろうな、俺がネリーの元を離れるなんて。

明華「ネリーは……?」

京太郎「それって、そんな気にする事ですか?」

心を押し殺して、とぼけてみせる。

明華「……」

明華「私の思い過しでしたか……」

思い過ごしでしたか、ってほんと都合が良いよなぁ、あの人はこれからもそうやって人を傷つけていくんだろう。

京太郎「……」

ガチャ

自分の部屋に戻ると、嫁田が胡座を掻いて盗聴器の前に座っていた。

嫁田「聴くつもりは無いんだけどさ、やっぱり聞こえちゃうのよ」

京太郎「悪いな、付き合わせておいて」

嫁田「何言ってんだよ、俺が勝手にやった事だっつーの」

京太郎「そうだな、そうだよな」

京太郎「荷物は明日実家に送ってもらうよ、東京に帰るのは全国が終わってからだ」

嫁田「お前さ、どこか遠くに行ったりしないよな?」

やっぱり分かるものなのか?
嫁田はこういう時に限って鋭いのだ。

京太郎「長野は遠いよなぁ」

嫁田「ばーか」

京太郎「ばーか」

さらば親友、お前との日々は一生忘れない。
もう会う事は……

嫁田「“またな”」

京太郎「!」

泣いてしまいそうになった。



何も答えず、黙って外に出た。

京太郎「さぁて」

京太郎「どうするかな」

ネリーに別れを言わないとならない。

できるだけキツイ言葉を吐いてから。


1.臨海の屋上に行く
2.ネリーの部屋に行く
3.ウロウロする

下1

ギィィ

ドアを開けると、目の前の玄関にネリーが立っていた。

ネリー「おかえり!」

京太郎「っ……」

ネリー「どうしたの?急に明華と何処かに行っちゃって」

京太郎「悩み事があるらしくてさ、聞いてたのよ」

ネリー「へー」ジ-ッ

じっと俺を見据える目は嫌疑に満ちていた。

別に浮気なんかしていないさ、むしろネリーの為だ。

ネリーは金が必要、男にかまけると命を落とす。

京太郎「じゃあな」

ネリー「どこ行くの?」

少しだけ心配そうな顔をしていた。
薄々勘づいていたのだろうか。

京太郎「実家」

あれから、何があったのかは覚えていない。

沢山の雑言を吐かれた気がするし、吐いた気もする。
俺とネリーの関係は終わったのだ。
そして、彼女は救われる。

京太郎「俺が原因で死んでたと思うと、やるせないなぁ……」

しかし、達成感と多幸感に包まれていた。

京太郎「じゃあな、ネリー」

夕暮れの東京、蝉の声が聞こえる中、隠れるかのように俺は姿を消した。

全国大会当日、俺は怜さんと出会った。

京太郎「今までお世話になりました」

怜「……話は全部聞かせてもらったで」

京太郎「メールになっちまってごめんなさい」

怜「ええんや、あんな内容を京太郎の口から聞いたら……泣いてまうわ」

京太郎「それにしてはあっけらかんとしてますね」

怜「それは気のせいやで~ホンマにかなしいで」

京太郎「うーん……酷い」

怜「せや、知ってるんやろ?」

京太郎「何を、ですか?」

怜「千里山が勝ち上がれるかどうかや」

京太郎「……」

これを答えても怜さんのためにはならないだろう。

怜「嘘やで……」

怜「――自分の青春くらい自分で見届けたるわ」

京太郎「そうだ」

怜「ん?」

京太郎「俺がどうにかなっちまうのは、いつですか?」

怜「恐らくは過去に行った時間やな」

京太郎「……」

なるほど、思ったより時間が残されている。

怜「最後ぐらいは見届けたるからな、決勝終わったら連絡してや」

京太郎「はい」


~~~~


咲「京ちゃん!」

京太郎「うぃーす、麻雀やってるじゃん」

咲「……うん」

京太郎「応援してるぜ、俺は客席から見てるよ」

咲「私……勝つから」

京太郎「おう、頑張ってくれ」

嫁田「京太郎じゃん!!」

京太郎「げっ」

嫁田「げっ は無いだろ」

京太郎「違う違う、一瞬スズメバチが飛んでたから驚いただけだって」

嫁田「俺は咲ちゃんに挨拶しに行ってたんだよな」

京太郎「話聞けや」

嫁田「またな!」

京太郎「……おう」

嫁田「あっ!明日メシ食いに行こうぜ!」

京太郎「金ないからパース」

決勝当日

京太郎「……」

「ネリーヴィルサラーゼ選手!!驚異の追い上げです!!!」

「止まりません!!!」

良かった……

これで心配する事はもう何も無い。

彼女の煌めく闘牌は運命を切り開いていた。

京太郎「お前は凄いよ……」

そんなお前が大好きだ。

「――臨海女子高校が全国の頂点に立ちました!!!」

京太郎「ありがとうございました」ペコッ

怜「ええよ、やめてや」

京太郎「あなたのおかげです。ほんとに……」

怜「対価の結果や、私は何もしてない」

京太郎「それでも、俺は感謝してます」

怜「……アホやで」

京太郎「よく言われます」アハハ

怜「元は他人なのになぁ、ホンマ」 

京太郎「ほんとですよね、どうしてあんなワガママな奴好きになっちゃったんだろ」

怜「どこ見て言っとんねん」

怜「わたしは隣りやし」

京太郎「あ ぁ、 も う 見    え  な   く  」

京太郎「   な   っ   」

呼吸も出来ない、身動きも取れない、そもそも触覚が無い。

ドサッ

怜「……」

怜「と言う訳や、ネリーちゃん」

ネリー「……え?」

変な人。

それがネリーの須賀京太郎に対しての第一印象。

京太郎「ネリー!」

かっこいいなとは思ってた……ちょっとだけだよ?

気が付いたら距離が縮まってたね。

気が付いたら心の隙間を埋めてくれた。

埋められた隙間は恋に変わった。

京太郎「元々好きでもなんでもない、ジョージア?だっけ?の人だからからかってやっただけだよww」

京太郎「勘違いすんなよチビ」

恋は憎しみに変わった。




~~~~


ネリー「どういう事、なの?」

怜「全部話したるわ」

教えてもらったのは現実味の無いことだけど、どうしてか信じてしまうぐらいの説得力があった。

あの子供が京太郎だったんだね……

どうして私なんかの為に……全部無駄にして……

ごめんね……ごめんね……

ネリー「うっ……うぅ……ごめんね、ごめんね……」ポロポロッ

涙が止まらないよ、どうしてこんなにも悲しいのかなぁ?ずっとずっと助けてもらっていたのに、ネリーは何もしてあげられなかったよ。

怜「あ、ちなみにな」

怜「ごっつぇ能力者の能力ならいくらでも自由自在に戻せんねん」

ネリー「――え?」

怜「で、なぁ」

怜「どうする、運命奏者」

ネリー「本当?」

ゴオォォォ

怜「最初からこうなるって私は分かってたんやろな、ごめんなネリーちゃん」

ネリー「ううん、ありがとう」

怜「限界を越えた巻き戻しやな、上書きされた事象の更に前に戻るんやから」

ネリー「お願い!」

怜「巻き戻し地点はアソコでええな?」

ネリー「うん!」

怜「頑張りや、ネリーちゃん」

ドクンッドクンッドクンッドクンッ

心音が激しくなる。どうしてだろう、とても胸が苦しい。

海、とてもとても暗い海の底、呼吸も出来ない、身動きも取れない、そもそも触覚が無い。

最愛の手が光と共に差し込んで来た。愛しているのに誰の手かも分からない。ああ、とても美しい。

手が俺の頬に触れた瞬間、触覚、嗅覚、視覚、聴覚、味覚、五感が全て回復する、とても心地が良い、まるで夢のような――




恒子「ネリー・ヴィルサラーゼ選手!!大乱調!!だーーー!!!」

健夜「乱調と言うよりも……これは……」

恒子「そして宮永咲!!ヴィルサラーゼ選手から和了!!試合終了ーー!!」

恒子「清澄の優勝です!!」

ネリー「ここまで戻って来たね……」 

ネリー「こっちだと負けたんだ……」

ネリー「能力も無くなってるよ……」

明華と距離を置かないと……

ネリー「強かったよ」

ネリー「ネリーの完敗だよ」

咲「え、臨海の控え室には……」

ネリー「ちょっと京太郎に挨拶したいから」ネリネリ

咲「そう、ですか」ムムッ

ネリー「あ、ここが清澄の控え室なんだね~」

咲「はい」

ネリー「……」

よしっ、これで全部……

ガシッ

台無しになった。

明華「ふふ、うふふふふ、どこに行くんですか?ネリー」

明華「皆に謝らないと、そう、謝らないと謝らないと謝らないと謝らないと謝らないと……」ブツブツ

ネリー「ちょっ!やめてよ!」ビクッ

咲「???」オロオロオロオロ

明華「いっその事、ここで殺し、殺し、殺して……」

まぁ、そんな事はもう2度とやらせないけどな。





京太郎「よっと」パシッ

ネリー「!」

明華「!」

京太郎「手を離せよ、明華さん」

ググッ

カラ-ンッカラ-ンッ

咲「きゃっ!」

咲が怖がってしまったか、おれが明華さんの動きを阻止した結果、刃物が落ちたんだからそりゃあ怖がるに決まってるよな。

あの時の時間軸よりは体も弱いが、女1人を抑え込むだけなら充分充分。

京太郎「と、まぁ」

主役の登場だ。

京太郎「ありがとうな、ネリー」

ネリー「え?え?」ワタワタ

京太郎「ネリーの能力が凄い余り、2人ぐらいなら時間を飛ばせたんだろうな」

ネリー「あ、なるほど」

京太郎「明華さん、ここで警察に差し出されるとあんたの親が泣くぜ?我慢しろよ、アパズレになるつもりか?」

明華「……」フラッフラッ

すると、明華さんは虚気な様子でその場から去っていった。

咲「えっと、控え室に戻るね」ギィィッ…

バタンッ

京太郎「……良いのか?能力使えなくなって」

ネリー「うん、京太郎と一緒なら麻雀が無くても生きていけるよ」

ネリー「京太郎が居ない人生の方が考えられないもん!」ポロポロッ

京太郎「……今度はもう離さない」

ネリー「うん……」

ネリー「ありがとう。大好き!」

俺はネリーの事を救った後に、ネリーに救われたのだった。

この運命はきっと劇的だ。






カンッ

完結まで期間が空いてしまい申し訳ありません。

これにて終了です、ありがとうございました。

近い内に新ジャンルスレを立て直すので、その時にはまたよろしくお願いします。

支援、ありがとうございました。

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