【咲】京太郎「大将は俺に任せろ」【安価】 (671)


京太郎「ドリームバトル……? 確かテレビの企画ですよね?」

久「そう。毎年冬にやってる奴ね」

高校生全国ドリームバトル。

その名のとおり、全国の高校生を主役とした大会だ。

従来のインターハイ等とは違い、高校による縛りはない。

色々な高校のあらゆる選手を起用することで、普段は見ることの出来ない同校同士での対決もありえるという、野球で言うオールスターのようなもの、らしい。

京太郎「で、それがどうかしたんですか? 確かそれ、オーダーを決めるのはプロの人たちですよね?」

プロがその年のインターハイの結果などを見て、自分だったらこういうオーダーを組む、といった、半ばお遊びのような企画だ。

そしてこの企画のすごいところは、実際にその対戦を実現させることである。

希望する選手を被らないように決め、本当に選手をスタジオに呼び、団体戦を行ってしまうという、なんとも大胆な番組。

これまでも毎年行われてきた番組で、俺も一度か二度ほどちらと見た記憶がある。

尤も当時はそこまで麻雀に興味がなかったので、真剣には見ていなかったけれど。

とはいえ、プロの目で選ばれるのだから、名前を呼ばれた生徒はさぞ嬉しいだろう。

高校を卒業して、プロや実業団を目指す人からすれば、ある意味では内定報告のようなものかもしれない。


久「そうだけど、あの番組はプロに加えて、高校生代表で一人オーダーを決める役が出来るのよ」

京太郎「へぇ」

それは知らなかった。

久「で、その高校生代表なんだけどね」

京太郎「はい」

久「須賀君になったから」

京太郎「そうなんですか」

久「えぇ」

京太郎「……」

久「……」

京太郎「……」

京太郎「……」

京太郎「……はぁ!?」


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京太郎「何馬鹿なこと言ってるんですか!?」

久「まぁ、落ち着いて」

京太郎「いやいや」

久「あれって抽選らしくてね。応募して受かったのは良いんだけど、よくよく考えたら選手側として声かけられるほうが嬉しいじゃない」

京太郎「いやいや」

久「だから須賀君に譲ってあげる」

京太郎「いやいや」

久「ちなみに、もう番組には須賀君の名前で通してあるから」

京太郎「いやいやいや!」

久「大丈夫、なんとかなるわよ。分の悪い賭けって燃えるでしょ?」

京太郎「分が悪いって言っちゃってるよ!」

久「大丈夫! 成せば成る!」

京太郎「横暴だー!?」

……という、強引な幕開け。

※このスレは京太郎が主人公の安価スレです。

※原作咲に登場する全キャラクターがヒロインです。

※ほのぼの。

<01.基本情報>
・主人公は京太郎。
・安価あり、地の文あり。
・作中日付1月に行われる「高校生ドリームバトル」において、高校生代表チームを率いる。


<02.高校生ドリームバトルとは>
・原作咲に登場する全キャラクターのうち、高校生のキャラを四人スカウトし、京太郎自身を含めた五人一組のチームを作る。
・そのチームで同じくプロが選んだチームと団体戦を行う。
・今回監督として参加するプロは、小鍛冶健夜・三尋木咏・戒能良子。
・プロの三人は、ゲーム開始時で既に「自分の組みたいオーダー」が決まっているので、それに伴い自動で行動している。
・選手を獲得する際に、その選手がプロの獲得したい選手と被った場合、麻雀バトルで勝った方が獲得できる。


<03.日程>
・スタート地点は2013年8月30日土曜日。
・便宜上実際のカレンダーを用いて進める。
・一日単位でターン消費。

[当日までの主な目安]
・8/30~11/28 自由期間(選手への接触は可能)
・11/29・30  オーダー発表・選手獲得バトル
・12/27・28  第二次オーダー発表・選手獲得バトル
・1/4・5    高校生ドリームバトル


<04.基本ステータス>
・総合力、攻撃力、加速力、守備力、幸運力、特殊能力、好感度、テンションゲージの8つの項目がある。
・総合力、攻撃力、加速力、守備力、幸運力、好感度の6つは、以下の表を用いる。
Sランク 100
Aランク 91~99
Bランク 76~90
Cランク 56~75
Dランク 30~55
Eランク 20~29
Fランク 11~19
Gランク 00~10
※総合力は攻撃力・加速力・守備力・幸運力の平均値

・テンションゲージは、対局中に用いるステータスで、0~100でありランクはない。


<05.オカルト及び特性>
・各ヒロインが原作で持つオカルトだったりそれに似たものだったり。
・京太郎がこれを他人から教えてもらうには、自分の特殊能力と対象のオカルトまたは特性が同じランク以上、かつ好感度がCランク以上でないといけない。
・同じランクでも確実に教えてもらえるわけではなく、ある程度の確率に左右される。
・オカルト及び特性を習得できる確率は、
(京太郎と対象のキャラのオカルトランクの差+1)×好感度
※例:京太郎・松実玄のオカルトランクが共にA、好感度が50なら習得確率は50%。

[オカルトと特性の違い]
・【】で括られているものがオカルトで、≪≫で括られているものが特性。
・オカルトの習得数に制限はないが、対局中に使用できるオカルトの数には制限があり、特殊能力のランクに依存する。
・使用できる数より多くオカルトを所持している場合、対局前に「使うオカルト」を安価で選択する必要がある。
・使用できるオカルトの数は以下の通り。


Sランク:6つ Aランク:5つ Bランク:4つ Cランク:3つ
Dランク:2つ Eランク以下:1つ


・特性はオカルトと違い、1つしか所持できない。
・既に特性を所持していて、違う特性を習得した場合、前の特性を失い、新しく得た特性が上書き保存される。
・ランクにアルファベットが記されていない(─になっている)オカルト及び特性は習得できない。
・一度失った特性を再度習得する際には、再び習得イベントを発生させなければいけない。


<06.好感度>
・上がったり下がったりする。
・オカルトや特性を教えてもらうための数値でもあり、ルートに入るための数値でもある。
・複数を上げてもなんら問題はない。
・Sランクになったところで勝手に告白はされない。
・特定のキャラのルートに入るためには、好感度B以上で特殊イベントを起こす必要がある。


<07.麻雀>
・対局は以下の判定表を用いる。
・キャラの能力によって変化する場合がある。
・テンションゲージによっても変化する場合がある。

[テンションゲージ]
・対局中にのみ存在するステータス。
・MAX100、MIN0で、対局開始時の数値はキャラによって異なる。
・基本的な増減は以下の通り。

+12 親で和了
+10 南場入局時に順位が1位

+8  子で和了
-6  ツモられて点数減少
-8  南場入局時に順位が4位
-10 放銃して点数減少 



[聴牌判定]
・コンマが100-<(加速力+幸運力)÷2>以上で聴牌。
・ただし京太郎以外は反転。
・テンションゲージが80~99で補正判定0を取り消す。
・テンションゲージが100で補正判定0と1を取り消す。
・テンションゲージが1~20で補正判定9が取り消される。
・テンションゲージが0で補正判定8と9が取り消される。

[補正判定]
・聴牌判定時に使用したコンマを再使用。
・「一の位と十の位を合計した数値の数字」の下一桁で判定。
(例:コンマが99なら9+9=18で下一桁の8が補正判定の対象になる)

0 大失敗。和了出来ない(ただし流局時に聴牌宣言は出来る)。
1 失敗。和了判定及び放銃判定において不利になる。
2~7 何も無し。
8 成功。点数判定において計算式にさらに×2。
9 大成功。和了確定。
(二人以上和了確定が出た場合は、オカルトによる和了確定>テンションゲージ補正>元のコンマ数値>上家)

[和了判定]
・聴牌した人でコンマを等分。ただし総合力の差だけ補正修正。
・補正判定で不利判定を出したキャラは、その局だけ総合力が半分になる。
・一の位が1・3・5・7はツモ、0・2・4・6・8・9はロン

[点数判定]
・(攻撃力+幸運力)×下つめのコンマ<反転> ※00は100扱い
・子はそのまま、親なら×1.5
・計算してでた数値に一番近く低い点数が打点になる。
・テンションゲージが80~99の場合は1.2倍する。
・テンションゲージが100の場合は1.5倍する。
・テンションゲージが1~20の場合は0.8倍する。
・テンションゲージが0の場合は0.5倍する。
(例:親の攻撃力・幸運力・コンマが全て100で、テンションゲージがそれぞれ100または0だった場合は、前者は45,000で最も近い36,000点になり、逆に後者なら15,000で12,000点になる。)


[放銃判定]
・和了した人以外でコンマを等分。ただし守備力だけ補正修正。
・補正判定で不利判定を出したキャラはその局だけ守備力が半分になる。
・テンションゲージが80~99の場合は守備力が1.2倍される。
・テンションゲージが100の場合は守備力が1.5倍される。
・テンションゲージが1~20の場合は守備力が0.8倍される。
・テンションゲージが0の場合は守備力が半減される。
・不利判定による能力値修正とテンションゲージによる能力値修正は重複する。

テンプレはここまで。

要は、

・京太郎を育成して
・好きなキャラを集めて
・プロと戦おう


というお話です。

期待やで
趣味パに走っても勝てる余地あるよね?

競合&獲得バトルを覚悟で有名所をとるか、それともドラ2クラスを狡猾にとるか、単純に可愛い子を選ぶかは皆さん次第。

>>9
この企画に対してプロがどういうスタンスで挑んでるを窺うのもありですよ



【8/30(土) 8:00 東京】

京太郎「マジかよ……」

部長の強引な命令で、再び俺は東京に来ていた。

再び、というのは、ついこの間まで我々清澄高校麻雀部はこの東京で全国インターハイに出場していたからである。

……まぁ、俺は応援だけだったんだけど。

それでも、自分の仲間が全国大会に出場して、しかも初出場で優勝だなんて、十分に幸せだ。

そりゃあちょっとは悔しかったり羨ましかったりと言うのはあるけれど、もとより個人戦で早々と地区大会で敗退した自分が悪いのだし。こればっかりは仕方ない。

それに、今年ここでああいう戦いを観られたのは、来年再来年の自分にとって必ずプラスになる、とおもう。

来年こそは、俺も全国に出るんだ。

最初は遊び程度で始めて、半ば和という綺麗所で入部したような麻雀部だけれど、今ではすっかり夢中になっていた。

雑用が多いのは偶にキズだけれど、それも部の楽しみの一つと割り切る。

自分の今の実力が、他の皆より劣っていることは、自分が一番分かっているんだから。


京太郎「……にしても」

部長からのメールを改めて読み返す。

強引に任された監督のような仕事だけれど、良く見るとやるべきことはたくさんある。

選手の勧誘もそうだし、なにより困ったのが、俺自身も選手として参加しないといけないことだ。

四人の選手を選ぶ、までは良いとしよう。

強そうな人に片っ端からお願いすれば、四人くらいは承諾してくれるかもしれない。

最悪の場合は、それこそ咲達に頼めば良い話だ。

ベストオーダーになるかどうかは分からないけれど、集められませんでした、というよりははるかにマシだ。

しかし、問題は最後の一人。

何故よりにもよって、俺がプロと打たなければいけないのか。

そりゃあ本来なら部長や咲が務める監督という事を考えると、そういう趣向も番組としては取り入れたいだろうけれど。

それがよもや俺となると……。

京太郎「番組の尺、もつかな……」

三分持てば良いほうな気がする……。


京太郎「……っと、いかんいかん。マイナス思考をしても何も生まれない」

咲達だって、初出場でインハイ優勝したんだ。

四ヶ月あれば選手の勧誘は勿論、最低限打てるくらいの実力をつける事も出来る。はず。

何事も前向きに考えなければ。


京太郎「まずはテレビ局に行かないとな」

打ち合わせやらなんやらがあるらしい。

わざわざその為に長野の俺を、移動費を出してまで呼んでくれるのはありがたい話ではあるが、身の詰まる思いでもある。

責任重大と言うかなんというか。

人見知りの咲が監督を固辞するわけだ。

というより、多分あいつ一人では東京までこれない。


京太郎「腹減ったな……」

そういえば、朝から何も食べていない。

まだ朝八時だし、空いているところといったらファーストフードかコンビニか。

駅前の立ち食い系列でも良いし、それかいっそのことテレビ局の食堂とやらを利用してみるのもありかもしれない。

京太郎「今日の俺は、何腹なんだ……」


どこにいく? 下3つめ。

1.ファーストフードでさっと済ませよう

2.コンビニで買って行きながら食べよう

3.テレビ局の食堂とか俺マジリッチ

4.やっぱりカレーうどんは最高だな!


京太郎「やっぱりカレーうどんだよな、うん」

朝の気だるい体をしゃきっと引き締めるのは、カレーうどん以外にありえない。

八月最後の連休である。今日も太陽は燦々と降り注ぎ、待ち行く人の体力や英気を奪っていく。

だけれど、そんなときにこそこのカレーうどんで力を入れなおすのだ。

鼻から胃に掛けて、食欲を取り戻させる香辛料の香り。

汗を流して貪ることで、冷房に頼らずとも外気に適応できる新陳代謝能力。

なによりとろりとした麺の食感、噛み応えのある安い豚肉、溶けてなくなりそうなタマネギ。

これらが合わさったカレーうどんは、まさしく食の神秘といえよう。

京太郎「カレーうどん大盛り、あとネギと生卵追加」

流れるような注文を済ませ、セルフサービスの水をぐっと喉に流し込む。

サラリーマンがせわしなくざるそばをかきこんでいく光景は、恐らく長野ではあまり見られないだろう。

東京は忙しい街だ。

まぁ、のんびりとした立ち食いそばなんて、あんまりないか。


注文を済ませたことで少し心に余裕が出来たのか、俺は辺りを見回すことにした。

先ほど挙げたサラリーマンは、もう既に居ない。

そのほかの客といえば、どれもこれも似たような男性ばかりで、土曜日だというのに大人は大変なんだなと改めて思わせてくれる。

京太郎「ん……」

と、その中に、珍しい客を見た。

L字型のカウンターで、互いに両端にいるため、斜めながら顔が見える。

京太郎「へぇ……」

こんな所に、女性もくるんだな。

偏見、というわけではないけれど、やはりこういう所は男が来るイメージのほうが強い。


そこに居た人を自由安価。下3つめ。
咲に登場するキャラ限定。


華菜「……んぐ」

京太郎「……」

っていうか。

知ってる顔じゃねぇか。

京太郎「なんで東京で会うかね……」

長野県民が東京で鉢合わせる確率ってどれくらいだろう。

しかしまぁ、珍しい所で会うもんだ。

……、いや、かえってこの人らしいかもしれないけど。

さっぱりしてるというか、物怖じしない性格だし、サラリーマンに紛れていても違和感はあんまりない。

京太郎「しかしなんで東京にいるんだろ」

インターハイ、そして個人戦は先週で終わった。

夏休みとはいえ、あれから一週間も追加で滞在する理由は良く分からない。

もしかしたら俺と同じように、テレビ局か何かに呼ばれたのだろうか。


京太郎「ふむ……」


知ってる顔で、さっぱりしている人とはいえ、仮にも相手は年上(にはあまり見えないけど)の女子だ。

ここは見なかったふりをすると言うのもないわけではない。

向こうはこちらに気づいていない上に、もうすぐ食べ終わりそうだ。放っておけばそのまま俺の横を通り過ぎて帰るだろう。

とはいえ、もしテレビ局に用があるのだとすれば、道中の話し相手くらいにはなってくれそうでもある。

……いざという時はタクシー代を折半してもらうこともできるし、というのは内緒だとして。

やってきたカレーうどんをすすりながら、少し考える。


京太郎(どうしようかねぇ……)


選択安価。下3つめ。

1.そんな事よりカレーうどんだ!

2.海老天でもくれてやろう

3.むしろカレーうどんを食べさせる

4.普通に接する


京太郎「へいそこのキャットガール」

華菜「ん?」

京太郎「僕のカレーうどんを食べないか?」

華菜「えっ……」

滅茶苦茶どんびきしてる。

華菜「……誰かと思えば、清澄のか」

京太郎「覚えててくれてどうもです」

直接会話をしたことはあまりなく、挨拶程度だったはずだけれど、覚えていてくれたようだ。

どうやら池田先輩は普通の天ぷらそばを食べていたようだ。

華菜「朝からカレーうどんって……しかも大盛りって」

京太郎「男の子ですから」

華菜「シャツにカレーはねたらみっともないじゃん」

意外と普通のことを言う。

華菜「あたしを何だと思ってるのさ」

足を踏まないで下さい。


京太郎「それで、なんで先輩は東京に?」

華菜「んー」

食べ終わった丼を返し、水を一気飲み。

華菜「実は、お土産買ってなくてね」

京太郎「は?」

予想していなかった答えに、思わずきょとんとしてしまう。

華菜「いやぁ、先週家に帰ったらさぁ。妹たちに“お土産は?”って開口一番言われてさ」

京太郎「あっ……ふーん」

華菜「買い忘れた、って言ったら、買ってこいって言われてさ……」

京太郎「それは……お疲れ様です」

そのためだけに東京に来たのか。

随分と手厳しい妹たちだ。

というか、通販でよかったんじゃなかろうか。

華菜「……あっ」

今気付いたようだ。

しっかりもののイメージだったけれど、意外とそうではないのかもしれない。

華菜「うるさいな、たまたまだよ。それに東京観光もしたかったし!」

今思いついたようなことを言う。

すいません、夕飯食べてきます。しばしお待ちを。


華菜「そういうそっちはなんで東京に居るのさ」

京太郎「それはですね……」

カレーうどんを啜りながら、部長に押し付けられた仕事のことを話す。

池田先輩もあの番組を観ていた様で、すぐに理解してくれた。

あの番組は、意外……でもないかもしれないけれど、やはり人気なようだ。

華菜「年末年始なんてどこも下らない特番ばっかりだからね。まだ麻雀観てた方が楽しいよ」

俺は別段バラエティでも構わないのだけれど。

華菜「あたしだってバラエティは好きだけどさ。そればっかじゃ飽きるじゃん」

くそ、この店醤油置いてないのか。カレーうどんといったら卵と醤油だろうに。

華菜「それにしても、そうかぁ。あの番組今年もやるのかぁ」

京太郎「?」

あらかた麺を啜り終え、卵をカレーとかき混ぜる。

華菜「いやね。ほら、あの番組で選ばれるのって四チームと四人で十六人じゃん?」

京太郎「えぇ、そうですね」

指名は重なっても、最終的には十六人バラバラの選手が選ばれる。

華菜「だとしたらさぁ、うちのキャプテンが選ばれるかもしれないじゃん!」

京太郎「なるほど」

確かに。

個人戦で長野代表として選ばれたほどの人だ。可能性は十分にありえる。


京太郎「……」

というか。

自分が選ばれるかもしれないと言う発想はないのか。

華菜「あるよ、あるある。なんだったらあんたのチームに私とキャプテン入れてもいいんだよ」

京太郎「自分から入ってくるのか……」

華菜「お前が弱くてもあたしとキャプテンがいれば何とかなるし。地区予選ではちょっとあれだったけど、次はやり返すし」

京太郎「そうっすね」

華菜「聞けこらぁ!」

京太郎「あっ、脛は! 脛はやめてください!」

華菜「まーったく、もう良いや。あたしは行くし」

京太郎「ごちそうさまでした、っと」

丁度俺も食べ終わり、店を出る。

テレビ局とは反対の方を指差し池田先輩が再び口を開く。

華菜「お前はテレビ局だろー」

京太郎「はい」

どうしよう。池田先輩、誘っても良いかもしれない。

地区大会では確かに負けたけれど、数え役満を和了したりしていて、俺よりもはるかに強い。

……いや、まぁ、俺より弱い人なんて正直いるのかどうか分からないけど。


京太郎「ふぅむ」

とりあえず幸先良く一人目、でも良いかもしれない。

あくまで現時点では声を掛けるだけで、実際にオーダー発表(という名の争奪戦)をするのは十一月だ。

あるいは、池田先輩を通じて他の風越の人にも声を掛けられるかもしれない。

声を掛けずにぶっつけ本番で指名をしても良いけれど、人によっては断られるかもしれないし。

京太郎「……」


選択安価です。下3つめ。

1.連絡先だけでも聞いておく。

2.指名してもいいか聞く。

3.何も聞かずに別れる。


京太郎「あの、池田先輩」

華菜「ん?」

京太郎「ここで会ったのも縁ですし。本番で指名しても良いですか?」

華菜「おおう……」

ちょっと驚いた表情を浮かべる先輩である。

京太郎「まずかったですか?」

華菜「ん、いや、全然」

こほん、と一つ咳払い。

そして腰に手をやり、にんまりと笑う。

華菜「むしろ良い選択だし。あたしがいればなんとかなるし」

大した自信だ。

京太郎「はは……」

華菜「じゃーあたしは行くから。これ、あたしの携帯」

京太郎「あ、どうも」

……、なんか、拍子抜けするくらいあっさり一人目を勧誘できたな。

池田先輩が当日に他のプロに指名されない限りは、これで残り三人だ。

初日で一人埋まったのは幸先が良いぞ。


【池田華菜にメンバー要請をしました】
【池田華菜の連絡先を手に入れました】

△華菜の好感度が10上がりました(20/100)


京太郎「ええと、テレビ局は……こっちか」

インハイの会場もだけれど、テレビ局もまた独特の緊張感がある。

忙しなく人が行き来していて、入りづらい。

と言っても、呼ばれて来たのだから、堂々としなければ。

京太郎「頼もーう……」

こそこそ。

京太郎「受付に居る、って言ってたんだけどな……」

さすがにテレビ局なんて初めて来る。どこに何のスタジオがあるなんて分からないので、案内してもらわないと。


コンマ判定。下3つめ。

00-24 小鍛冶健夜
25-49 三尋木咏
50-74 戒能良子
75-99 野依理沙


ナチュラルに忘れてた、すまんなカツ丼さん


良子「須賀君ですね?」

京太郎「あ、はい」

受付の隣で待っていたのは、戒能プロだった。

いつもテレビで見るとおり、びしっとスーツが決まっている。

なんというか、キャリアウーマンという感じだ。

良子「サンキューです。それじゃ早速行きましょうか」

踵を返して、ヒールを鳴らしながら歩き始めた。

うーん、大人だ。

正直、テレビで見たプロの中では一番大人な気がする。

……。

……いやまぁ。

他意はないです。


京太郎「戒能プロは、もうオーダーは決まってるんですか?」

折角なので、世間話程度に聞いてみることにする。

まさか誰を指名するかは教えてもらえないだろうけれど、少しでも情報がもらえるなら悪くないかもしれない。

良子「イエス、もうオーダー決まってます」

京太郎「おおう、早い」

俺なんてようやく一人目に声を掛けた段階だと言うのに。

良子「まぁ、私たちはこの企画を把握してましたから。大会中にリサーチしてました」

京太郎「あぁ、なるほど」

スタート地点がそもそも違ったわけか。

今日からメンバー選定を始めた俺と、すでに先週の大会で全選手をチェックしていたプロとでは差があったわけだ。

……ただでさえプロと戦わなくちゃいけないのに、この差はやばい様な気がしないでもない。

良子「私だけじゃなく、他の人ももう決まってると思いますよ」

京太郎「マジすか」

良子「マジです」

京太郎「……ちなみにメンバーとか教えてもらったりは」

良子「ノーウェイ」

ですよね。


京太郎「えー、そこを何とか」

良子「だめです」

京太郎「皆さんは大会中に決められましたけど、俺はつい昨日いわれたんですよー」

良子「ですが」

京太郎「ただでさえプロと打たなくちゃいけないのに、フェアじゃないですよー」

良子「むぅ……」

京太郎「大人の余裕が見たいなぁ」

良子「うぅ」

京太郎「お願いしますよぉ」

良子「んー……」



コンマ判定です。下3つめ。

00-59 駄目なものはだめ
60-89 じゃあ一人だけ
90-99 他の人のをおしえます


良子「……やっぱり駄目なものはだめです」

もしかしたらいけるかもと思ったけれど、そんな事はなかった。

ガードが固い。

京太郎「ちぇー。一人くらい教えてくれても良いのに」

良子「トップシークレットですよ」

まぁ事前に聞いたら盛り上がりや駆け引きに欠けるだろうし、仕方ないか。

プロが一同に会して、指名で被った選手を獲り合う対局も番組としては売りらしいし。

そこに俺が混じってしまうのがなんともアレだけれど。

京太郎「まぁ、しょうがないですね」

ここで駄々をこねても仕方ないので、引き下がることにしよう。

美人の前で格好悪いところは見せないのだ。

……と思ったら。意外な答えが返ってきた。


良子「メンバーは教えられませんが、代わりに電話番号を教えましょう」

京太郎「えっ」

良子「またテレビ局に来る事もあるでしょうから」

京太郎「あぁ……」

確かに。

実は今日こうして東京に来たのも、連絡は全て部長を通してだった。

直接やり取りが出来るのであれば、その方がはるかに効率的だ。

良子「悪用はしないように」

京太郎「そりゃ当たり前ですよ。俺がそんな事するように見えますか?」

良子「割と」

京太郎「おおう……」

金髪か。金髪がいけないのか。


京太郎「じゃあ、番組の連絡はこれから戒能プロが?」

良子「イエスです」

京太郎「ほほぉ」

池田先輩に続き、戒能プロの連絡先を頂いた。

一日に二人も女性の連絡を貰うとか奇跡ではなかろうか。

良子「あ、ちょっと呼ばれたので失礼します。スタジオはそこです」

京太郎「あ、はい」

いやまぁ、ただの偶然なんだけど。


【戒能良子の連絡先を手に入れました】
△良子の好感度が5上がりました。


ちなみに、現時点でのちょっとした情報。

<好感度>
E(20)華菜
F(15)咲、優希
F(10)久、まこ
F(5)和
F(5)良子

<メンバー要請>
・華菜

<連絡先>
・清澄の五人
・ハギヨシ
・華菜
・良子

<能力表>
須賀京太郎
総合力:G(5/100)
攻撃力:G(5/100)
加速力:G(5/100)
守備力:G(5/100)
幸運力:G(5/100)


京太郎「あー、終わった終わった」

打ち合わせを終え、ようやくテレビ局から解放される。

時間は昼を少し過ぎた辺りで、暑さのピークだ。

今日は土曜日なので、明日までは東京にいられるが、その次の日からは平日──というより、学校だ。

さすがに学校を休んでまで勧誘は出来ない。

なので、出来る限り今日と明日で連絡先を増やしたいのだけれど、そもそも東京を闇雲に歩いて麻雀をやってる女子に会う確率なんて高が知れている。

池田先輩は本当に運が良かっただけだろう。

それに、勧誘も大事だけれど、自分の麻雀を何とかしないと元も子もないしな……。


京太郎「さぁて、どうするか……」


選択安価です。下3つめ。

1.偶然に掛けて東京を彷徨う

2.長野に帰る

3.むしろどこか違う場所へ行く

池田いたし東京に東京勢しかいないとは限らない?

>>103
あれは最初のサービスや


京太郎「いや待て、ここはチャンスだ」

朝いきなり池田先輩に出会い、さらには戒能プロの連絡先をもらえた今の俺には、流れがある。

この流れを逃すのは勿体ない。ここはメンバーの候補を一人でも増やすことが先決だ。

自分の実力を上げるのは、それからでも良いだろう。

京太郎「どこかにいないかな、都合よく麻雀やってる人」

それも全国大会に出る程度の実力があって、勧誘したら乗ってくれそうな人……。


コンマ判定です。下3つめ。

00-59 現実は非情である。
60-79 1人発見
80-99 2人発見

60-99だった場合に現れるキャラのコンマ判定。下4つめ。

00-09 宮永照
10-19 弘世菫
20-29 渋谷尭深
30-39 亦野誠子
40-49 大星淡
50-59 辻垣内智葉
60-69 ハオ・ホェイユー
70-79 雀明華
80-89 メガン・ダヴァン
90-99 ネリー・ヴィルサラーゼ


京太郎「お……あれは」

大会で見た制服だ。それに、決勝卓でも見た人である。

よくよく考えたら、休みの日に制服を着ているというのも珍しいし、そんな絵図らしい人を探していた俺もやっぱりおかしい。

普通は私服だよなぁ。

京太郎「あのー。ちょいといいですか?」

誠子「ん?」

振り返ったその人の顔は、確かに覚えている。

京太郎「ええと、確か、白糸台の副将の方ですよね?」

誠子「そうだけど……」

和と同卓していた記憶がある。

京太郎「俺、須賀京太郎って言います。清澄の……決勝で一緒になった」

今更ながら、麻雀と言う単語を全く出していなかった。

傍から聞いたら、何の部活の会話なんだろうと思われそうだ。

誠子「……、あぁ、あのスーパー一年生の」

それが果たしてこの人から点を毟り取った和なのか、それとも大将の咲なのかは、たずねないでおこう。

……優希の可能性も、まぁなくはないのかもしれないし。

ほのぼのだから(憤怒)


京太郎「今、時間良いですか?」

誠子「別に良いよ。部活が終わってぶらぶらしてただけだし」

なるほど、道理で制服なわけだ。

でも、部活にしては終わるのが早いような。

誠子「今日は三年生を見送ったり何だりで、打ってたわけじゃないからね」

京太郎「あぁ……」

三年生にとっては、先週まで行われていた夏のインターハイが最後の大会だったわけか。

誠子「そ。だから出来れば三連覇で送り出したかったんだけどねぇ」

京太郎「それは……なんかすいません」

誠子「いやいや。全然そっちのせいじゃないから」

むしろこっぴどく指導されたよ、と苦笑気味に話す。


少し歩こう、と言われたので、従うことにする。

アスファルトから伝わる熱気がまた一段と増した様な気がした。夏の昼間に立ち止まって歩いていても汗をかくだけだ。


自動販売機でジュースを買い、見つけたベンチに座って、企画のことを話す。

誠子「あぁ、あの企画ねぇ」

番組の企画とはいえ、プロ同士が打つのだから強豪校が見ていないはずがなかった。

誠子「ただまぁ、勉強しろって言われたって、小鍛冶プロとか三尋木プロ見て即座に技術飲み込めてたら苦労しないよ」

それもそうだ。

京太郎「リーグ戦とか順位戦でもないから、皆本気じゃないかもしれませんしね」

誠子「んー、いや、それはないと思うけどね」

三尋木プロとかは遊んで打ってそうなきがするけど、そうでもないのだろうか。

……あの人はいつもはしゃいでる気がするというのは、おいといて。

誠子「まず小鍛治プロが、あれで負けず嫌いらしいから」

例えテレビの企画でも手を抜かないと。

誠子「そ。で、三尋木プロも、日本代表にまでなって何かと小鍛治プロと比べられるじゃん」

小鍛治プロが表立った大会から退いて、その代わりと言うわけではないけれど、今のプロの中で一番と言われているのが三尋木プロだ。

三尋木プロからすれば、小鍛治プロと勝負したい気持ちも、全くないとは言えないだろう。

誠子「野心ってわけじゃないけどね。比べられるのは本意じゃないだろうし」

それで番組の企画とはいえ、ある程度は真面目なわけか。

……。

……それ、ますます俺の立場がないんじゃなかろうか。


京太郎「まぁ、それはともかく。色々あって、こうして選手を探してるんですよ」

誠子「大変だな。というか、その部長もなかなか酷いな……」

もっといってやってください。

獅子の群れの中に放り込まれる兎の気分だ。

誠子「それであてもなく東京を歩いてるお前さんも中々変わってると思うけどな」

京太郎「まぁ、そうなんですけど」

とはいえ、おかげでこうして無駄骨にならずにすんだあたり、やはり今日は運が良いのかもしれない。

誠子「その運は本番までとっておいたほうがいい気もするけどね」

京太郎「はは、確かに」

誠子「それで、何人に声かけられたんだ?」

京太郎「ええとですね」


選択安価です。下3つめ。

1.実はまだ一人だけで……

2.ある程度は揃いました

3.何の問題もありません。とっかえひっかえしてるくらいですよ


京太郎「実はまだ一人だけで……」

誠子「前途多難じゃないか……」

呆れ顔を浮かべられてしまった。

京太郎「昨日言われて今日東京きたんですよ。既に一人候補に入れられただけ凄いと思いますよ」

誠子「まぁ、それもそうだけどさ」

京太郎「そういうわけでして」



選択安価です。下3つめ。

1.連絡先だけ聞く。

2.指名しても良いか聞く。

3.何も聞かないで別れる。

4.そんな事より麻雀しようぜ!


京太郎「指名させていただいてもいいですか?」

誠子「私を?」

京太郎「えぇ、まぁ」

誠子「まぁ、良いけどさ」

京太郎「ありがとうございます」

まずはメンバーを揃えないことにはどうしようもない。

初日で二人も確保できたのは大きいぞ。これで後二人でいいんだから。

二人が被っていない前提での話ではあるけれど。

誠子「私が被るとは思えないけどね……。まぁ、折角だし出来る限りやるよ」

京太郎「よろしくおねがいします。出来れば俺まで回さずに終わらせてくれると大助かりです」

誠子「無茶言うなぁ。間違いなく宮永先輩とかはいるんだろうチーム相手だぞ?」

京太郎「むしろそうしないと負けます」

誠子「……ちなみに、どれくらい打てるの?」

京太郎「男子個人戦、長野県予選初日で敗退しました!」

誠子「えっ」

京太郎「トータル20戦で-472でした!」

誠子「えっ」


頭を抱える亦野先輩の連絡先を教えてもらい、別れることにする。

京太郎「あっ、やべぇ、宿とってねぇ」

まぁ、ネットカフェでも良いか。むしろネットカフェが良い。

大会の間は部費でホテルに泊まれたけれど、折角の一人旅だ。普段お世話にならないネットカフェを使おう。

……別に長野が田舎というわけではない。たまたま俺の地元にないだけだ。

京太郎「しかし、後二人かぁ」

それに指名が重なって取れなかったときのことを考えると、何人か多めに連絡先を教えてもらっておいたほうが良いかもしれない。

京太郎「んー。頑張るか」

一回伸びをして、息を吐いた。

京太郎「とりあえず明日は明日でまた考えよう」

【亦野誠子にメンバー要請をしました】
【亦野誠子の連絡先を手に入れました】
△誠子の好感度が10上がりました。

今日はお話はここで終わりです。何か質問がありましたらどうぞ。


あと、一度デモンストレーションや能力チェックのために麻雀バトルをやりたいのですが構わないですかね?

>>171
これからはスカウトに地方へ向かう→その地方でコンマで出会う人物判定ってことでいいですかね?
運でメンバー決まるのも面白そう

114514

相手はスーパーA子さんと万全B子さんと照で能力は最後のがいいです

4人内定とってからのスカウトって控えとしてスカウトって形でいいの?

安価する時間帯は今日くらい?

>>173 
概ねその通りです。
あと、今回二人に声を掛けて指名する旨を伝えましたが、だからといって必ず指名しなければいけないという事ではないです。
この先何人に声を掛けるかは分かりませんが、展開次第では「指名すると約束したな、あれは嘘だ」となる事もありえます。

>>176
イメージとしては、「指名リスト」といった形で、指名したい(指名すると本人に言った)キャラだけが当日指名できます。
6人に指名約束したら、当日その中から4人選ぶ、といった感じですね。
なので極論を言えば、全ヒロインに指名させてくれと言って、当日膨大なリストから選ぶという事もできます。
「指名してくれるって言ったのに……」みたいな感じで泣かすのもありだと思います!

>>177
今日は偶々休日だったので夕方でしたけれど、普段は23時あたりになります。


>>175
能力は最後ってのは、京太郎のことですかね……?

対局者希望がなければ>>175で行こうと思いますけどどうでしょう?

スレチで無粋かもしれんが
白糸台スレは再開しないので?

>>184
再開するつもりはありますので、しばしお待ちしていただければ……。すみません。

京太郎能力多すぎて改行規制に引っかかった、なんやこいつ


京太郎
総合力:C(61/100)
攻撃力:D(49/100)
加速力:C(62/100)
守備力:C(60/100)
幸運力:C(72/100)
【照魔鏡】ランク:S
・東1局に任意で発動。
・その局の和了を放棄する代わりに、相手の特性及びオカルトを確認・対応できる。
・一度【照魔鏡】を使った相手の能力は以降常に確認・対応できる。
・一部の特性及びオカルトは対応できない(確認は出来る)。

【連続和了】ランク:S
・和了判定前に任意で発動。
・打点計算が指定の数値になる。
・この能力で和了した場合、次局の聴牌判定でこのキャラの聴牌が確定する。更に他人の聴牌を妨害する。
・この能力が発動している間は全ての補正判定を無視する。
・どの程度妨害するかは、前局での和了点数によって異なる。
・跳満以降はこの能力による対局相手への妨害は起こらない。

【シャープシュート】ランク:B
・このキャラの和了時に発動するかどうか選択できる。
・発動する場合、ツモ和了かロン和了か選択できる。
・ロン和了の場合、直撃する相手を選べる。
・一部のオカルトには効かない。

【ハーベストタイム】ランク:A
・オーラス時に発動。
・このキャラの攻撃力・加速力・幸運力・テンションゲージに(オーラスまでの局数×5)を足す。
・このオカルトによる能力値修正は100を超えてもよい。
・打点計算式が(攻撃力+幸運力+オーラスまでの局数×5)×(指定した安価のコンマ<反転>+オーラスまでの局数×5)になる。

【フィッシャー】ランク:C
・このキャラの加速力に+15する。
・補正判定にて7を出した場合も、補正判定9として扱う。

【絶対安全圏】ランク:A
・常時発動。
・自身の聴牌判定に必要な数値を20下降させる(0以下にはならない)。
・他人の聴牌判定に必要な数値を20上昇させる(90以上にはならない)。
・一部のオカルトには効かない。
・この効果は重複しない。

【ダブルリーチ】ランク:A
・このキャラの順位が2位以下の聴牌判定時に任意で発動。
・このキャラの聴牌が確定し、打点が跳満で固定される。
・このオカルトによる和了は全てロンになる。
・一部のオカルトには効かない。

【Whirl Wind】ランク:B
・常時発動。
・他のキャラの持つオカルトによってこのキャラの加速力は低下しない。

【Reversal Queen】
・南場各局開始時に発動。
・このキャラの順位が2位の場合、このキャラに攻撃力・加速力・幸運力+10する。
・このキャラの順位が3位の場合、このキャラに攻撃力・加速力・幸運力+20する。
・このキャラの順位が4位の場合、このキャラに攻撃力・加速力・幸運力+30する。

A子さん(すーぱー)
総合力:C(74/100)
攻撃力:A(99/100)
加速力:A(99/100)
守備力:G(0/100)
幸運力:A(99/100)
【壊れた信号機】ランク:C
・補正判定が奇数なら不利判定、偶数なら打点倍増。

≪天真爛漫≫ランク:E
・テンションゲージが20以下にならない。
・各局終了時、このキャラのテンションゲージが70以下の場合、+4する。

B子さん(体調万全)
総合力:C(74/100)
攻撃力:A(99/100)
加速力:A(99/100)
守備力:A(99/100)
幸運力:G(0/100)
【不幸症候群】B
・このキャラの和了時に発動。
・この局に立直棒を除く失点をしたキャラは、次局の補正判定において1を引く。

宮永照
総合力:A(92/100)
攻撃力:B(84/100)
加速力:A(91/100)
守備力:A(91/100)
幸運力:S(100/100)
【牌に愛された子】ランク:─
・常時発動。特性及びオカルトによる幸運力の減少がなくなる。

【照魔鏡】ランク:S
【連続和了】ランク:S
京太郎と同じなので省略。

【シャープシュート】を一部訂正。
・発動する場合、ロン和了が確定し、直撃する相手を選べる。



12巻で初めて気付いたのですが、東場でも聴牌流れずなんですね。
なので、今回からはそれに則り、東場流れずにしようと思います。


東1局
起親:A子さん [テンションゲージ:60/100]
南家:B子さん [テンションゲージ:40/100]
西家:照    [テンションゲージ:50/100]
北家:京太郎  [テンションゲージ:50/100]

(【照魔鏡】で京太郎が防げるオカルトがないので省略)

京太郎
【フィッシャー】または【シャープシュート】を使用しますか? 下2つめ。

1.【フィッシャー】を使う。(和了がツモ専用になる)

2.【シャープシュート】を使う。(和了がロン専用になる)

3.どちらも使わない。


[聴牌判定]
・コンマが100-<(加速力+幸運力)÷2>以上で聴牌。
・ただし京太郎以外は反転。
・テンションゲージが80~99で補正判定0を取り消す。
・テンションゲージが100で補正判定0と1を取り消す。
・テンションゲージが1~20で補正判定9が取り消される。
・テンションゲージが0で補正判定8と9が取り消される。

京太郎
【フィッシャー】発動! ステータスを一部変更! 補正判定を一部変更!
【絶対安全圏】発動! 他人の聴牌を妨害!

京太郎:下1つめのコンマが4以上で聴牌
A子さん:下2つめのコンマ(反転)が21以上で聴牌
B子さん:下3つめのコンマ(反転)が70以上で聴牌
照:下4つめのコンマ(反転)が24以上で聴牌


[補正判定]
・聴牌判定時に使用したコンマを再使用。
・「一の位と十の位を合計した数値の数字」の下一桁で判定。
(例:コンマが99なら9+9=18で下一桁の8が補正判定の対象になる)

0 大失敗。和了出来ない(ただし流局時に聴牌宣言は出来る)。
1 失敗。和了判定及び放銃判定において不利になる。
2~7 何も無し。
8 成功。点数判定において計算式にさらに×2。
9 大成功。和了確定。
(二人以上和了確定が出た場合は、オカルトによる和了確定>テンションゲージ補正>元のコンマ数値>上家)


判定結果
京太郎:聴牌/補正9
A子さん:聴牌/補正0→8
B子さん:聴牌/補正8
照:聴牌/補正なし

よって京太郎の和了が確定。
【フィッシャー】の効果でツモが確定!


[点数判定]
・(攻撃力+幸運力)×下2つめのコンマ<反転> ※00は100扱い

・子はそのまま、親なら×1.5
・計算してでた数値に一番近く低い点数が打点になる。
・テンションゲージが80~99の場合は1.2倍する。
・テンションゲージが100の場合は1.5倍する。
・テンションゲージが1~20の場合は0.8倍する。
・テンションゲージが0の場合は0.5倍する。
(例:親の攻撃力・幸運力・コンマが全て100で、テンションゲージがそれぞれ100または0だった場合は、前者は45,000で最も近い36,000点になり、逆に後者なら15,000で12,000点になる。)


結果

(攻撃力49+幸運力72)×コンマ80=9,680.
よってもっとも近い8,000のツモ和了。

今回はデモストなので、会話はなしにさせてください。

東1局終了
A子さん:100,000→96,000(-4,000) テンションゲージ-6
B子さん:100,000→98,000(-2,000) テンションゲージ-6
照:100,000→98,000(-2,000)    テンションゲージ-6
京太郎:100,000→108,000(+8,000) テンションゲージ+8


東2局
起親:A子さん [テンションゲージ:54/100]
南家:B子さん [テンションゲージ:34/100]
西家:照    [テンションゲージ:44/100]
北家:京太郎  [テンションゲージ:58/100]


京太郎
【フィッシャー】または【シャープシュート】を使用しますか? 下1つめ。

1.【フィッシャー】を使う。(和了がツモ専用になる)

2.【シャープシュート】を使う。(和了がロン専用になる)

3.どちらも使わない。

すみません、連続和了の存在忘れてました。

東1局の和了を【フィッシャー】で8,000にするか、【連続和了】で1,000にするかお願いします、下1つめです。


[聴牌判定]
・コンマが100-<(加速力+幸運力)÷2>以上で聴牌。
・ただし京太郎以外は反転。
・テンションゲージが80~99で補正判定0を取り消す。
・テンションゲージが100で補正判定0と1を取り消す。
・テンションゲージが1~20で補正判定9が取り消される。
・テンションゲージが0で補正判定8と9が取り消される。

京太郎
【連続和了】発動! 自身の聴牌が確定! 更に他人の聴牌を妨害!
【フィッシャー】発動! ステータスを一部変更! 補正判定を一部変更!
【絶対安全圏】発動! 他人の聴牌を妨害!

A子さん
【壊れた信号機】発動! 補正判定を一部変更!

京太郎:聴牌確定
A子さん:下1つめのコンマ(反転)が71以上で聴牌
B子さん:下2つめのコンマ(反転)が90以上で聴牌
照:下3つめのコンマ(反転)が74以上で聴牌


[補正判定]
・聴牌判定時に使用したコンマを再使用。
・「一の位と十の位を合計した数値の数字」の下一桁で判定。
(例:コンマが99なら9+9=18で下一桁の8が補正判定の対象になる)

0 大失敗。和了出来ない(ただし流局時に聴牌宣言は出来る)。
1 失敗。和了判定及び放銃判定において不利になる。
2~7 何も無し。
8 成功。点数判定において計算式にさらに×2。
9 大成功。和了確定。
(二人以上和了確定が出た場合は、オカルトによる和了確定>テンションゲージ補正>元のコンマ数値>上家)


判定結果
京太郎:聴牌/補正なし
A子さん:ノーテン
B子さん:ノーテン
照:ノーテン


京太郎
【連続和了】を使いますか? 下1つめ。

1.使う。

2.使わない。

[和了判定]
・聴牌した人でコンマを等分。ただし総合力の差だけ補正修正。
・補正判定で不利判定を出したキャラは、その局だけ総合力が半分になる。
・一の位が1・3・5・7はツモ、0・2・4・6・8・9はロン

下2つめのコンマ、ただし反転。

00-65 和了
66-99 流局



【フィッシャー】を選択した場合
[点数判定]
・(攻撃力+幸運力)×下3つめのコンマ<反転> ※00は100扱い
・子はそのまま、親なら×1.5
・計算してでた数値に一番近く低い点数が打点になる。
・テンションゲージが80~99の場合は1.2倍する。
・テンションゲージが100の場合は1.5倍する。
・テンションゲージが1~20の場合は0.8倍する。
・テンションゲージが0の場合は0.5倍する。
(例:親の攻撃力・幸運力・コンマが全て100で、テンションゲージがそれぞれ100または0だった場合は、前者は45,000で最も近い36,000点になり、逆に後者なら15,000で12,000点になる。)


【連続和了】を選択した場合
[点数判定]
・下3つめのコンマが奇数なら1,300点、偶数なら2,000点。


結果

【連続和了】の効果で2,000のツモ和了。


東2局終了
A子さん:99,500→99,000(-500) テンションゲージ54→48(-6)
B子さん:99,700→98,700(-1,000) テンションゲージ34→28(-6)
照:99,700→99,200(-500)    テンションゲージ44→38(-6)
京太郎:101,100→103,100(+2,000) テンションゲージ58→66(+8)

途中で申し訳ないのですがめちゃくちゃ眠いので区切らせてください、すいません。
明日は出来たら23時からです。

今帰宅しました(半ギレ)
23:30に始めます


東3局
西家:A子さん [テンションゲージ:48/100]
北家:B子さん [テンションゲージ:28/100]
親番:照    [テンションゲージ:38/100]
南家:京太郎  [テンションゲージ:66/100]


京太郎
【フィッシャー】または【シャープシュート】を使用しますか? 下1つめ。

1.【フィッシャー】を使う。(和了がツモ専用になる)

2.【シャープシュート】を使う。(和了がロン専用になる)

3.どちらも使わない。


[聴牌判定]
・コンマが100-<(加速力+幸運力)÷2>以上で聴牌。
・ただし京太郎以外は反転。
・テンションゲージが80~99で補正判定0を取り消す。
・テンションゲージが100で補正判定0と1を取り消す。
・テンションゲージが1~20で補正判定9が取り消される。
・テンションゲージが0で補正判定8と9が取り消される。

京太郎
【連続和了】発動! 自身の聴牌が確定! 更に他人の聴牌を妨害!
【フィッシャー】発動! ステータスを一部変更! 補正判定を一部変更!
【絶対安全圏】発動! 他人の聴牌を妨害!

A子さん
【壊れた信号機】発動! 補正判定を一部変更!

京太郎:聴牌確定
A子さん:下1つめのコンマ(反転)が64以上で聴牌
B子さん:下2つめのコンマ(反転)が86以上で聴牌
照:下3つめのコンマ(反転)が67以上で聴牌


[補正判定]
・聴牌判定時に使用したコンマを再使用。
・「一の位と十の位を合計した数値の数字」の下一桁で判定。
(例:コンマが99なら9+9=18で下一桁の8が補正判定の対象になる)

0 大失敗。和了出来ない(ただし流局時に聴牌宣言は出来る)。
1 失敗。和了判定及び放銃判定において不利になる。
2~7 何も無し。
8 成功。点数判定において計算式にさらに×2。
9 大成功。和了確定。
(二人以上和了確定が出た場合は、オカルトによる和了確定>テンションゲージ補正>元のコンマ数値>上家)


判定結果
京太郎:聴牌/補正なし
A子さん:ノーテン
B子さん:ノーテン
照:聴牌/補正なし


京太郎
【フィッシャー】または【連続和了】を使いますか? 下1つめ。

1.【フィッシャー】を使う。(打点が本来の計算になります)

2.【連続和了】を使う。(打点が独自の計算になります)

3.どちらも使わない。

[和了判定]
・聴牌した人でコンマを等分。ただし総合力の差だけ補正修正。
・補正判定で不利判定を出したキャラは、その局だけ総合力が半分になる。
・一の位が1・3・5・7はツモ、0・2・4・6・8・9はロン

下2つめのコンマ、ただし反転。
→京太郎(65)、照(92)

00-29 京太郎の和了
30-85 照の和了
86-99 流局


結果

流局。

東3局終了
A子さん:99,500→97,500(-1,500) テンションゲージ48
B子さん:99,700→97,200(-1,500) テンションゲージ28
照:99,700→100,700(+1,500)    テンションゲージ38
京太郎:101,100→104,600(+1,500) テンションゲージ66


東3局1本場
西家:A子さん [テンションゲージ:48/100]
北家:B子さん [テンションゲージ:28/100]
親番:照    [テンションゲージ:38/100]
南家:京太郎  [テンションゲージ:66/100]


京太郎
【フィッシャー】または【シャープシュート】を使用しますか? 下1つめ。

1.【フィッシャー】を使う。(和了がツモ専用になる)

2.【シャープシュート】を使う。(和了がロン専用になる)

3.どちらも使わない。


[聴牌判定]
・コンマが100-<(加速力+幸運力)÷2>以上で聴牌。
・ただし京太郎以外は反転。
・テンションゲージが80~99で補正判定0を取り消す。
・テンションゲージが100で補正判定0と1を取り消す。
・テンションゲージが1~20で補正判定9が取り消される。
・テンションゲージが0で補正判定8と9が取り消される。

京太郎
【フィッシャー】発動! ステータスを一部変更! 補正判定を一部変更!
【絶対安全圏】発動! 他人の聴牌を妨害!

A子さん
【壊れた信号機】発動! 補正判定を一部変更!

京太郎:下1つめのコンマが5以上で聴牌
A子さん:下2つめのコンマ(反転)が21以上で聴牌
B子さん:下3つめのコンマ(反転)が70以上で聴牌
照:下4つめのコンマ(反転)が24以上で聴牌


[補正判定]
・聴牌判定時に使用したコンマを再使用。
・「一の位と十の位を合計した数値の数字」の下一桁で判定。
(例:コンマが99なら9+9=18で下一桁の8が補正判定の対象になる)

0 大失敗。和了出来ない(ただし流局時に聴牌宣言は出来る)。
1 失敗。和了判定及び放銃判定において不利になる。
2~7 何も無し。
8 成功。点数判定において計算式にさらに×2。
9 大成功。和了確定。
(二人以上和了確定が出た場合は、オカルトによる和了確定>テンションゲージ補正>元のコンマ数値>上家)


判定結果
京太郎:聴牌/補正9
A子さん:聴牌/補正1
B子さん:ノーテン
照:聴牌/補正0

補正判定9なので、京太郎の和了が確定。

京太郎
【フィッシャー】または【連続和了】を使いますか? 下1つめ。

1.【フィッシャー】を使う。(打点が本来の計算になります)

2.【連続和了】を使う。(打点が独自の計算になります)

3.どちらも使わない。

[点数判定]
・(攻撃力+幸運力)×下1つめのコンマ<反転> ※00は100扱い
・子はそのまま、親なら×1.5
・計算してでた数値に一番近く低い点数が打点になる。
・テンションゲージが80~99の場合は1.2倍する。
・テンションゲージが100の場合は1.5倍する。
・テンションゲージが1~20の場合は0.8倍する。
・テンションゲージが0の場合は0.5倍する。
(例:親の攻撃力・幸運力・コンマが全て100で、テンションゲージがそれぞれ100または0だった場合は、前者は45,000で最も近い36,000点になり、逆に後者なら15,000で12,000点になる。)


結果

(攻撃力49+幸運力72)×コンマ73=8,833.
よって8,000の1本場8,300。

東3局1本場終了
A子さん:97,500→95,400(-2,100) テンションゲージ48→42
B子さん:97,200→95,100(-2,100) テンションゲージ28→22
照:100,700→96,600(-4,100)    テンションゲージ38→32
京太郎:104,600→112,900(+8,300) テンションゲージ66→74


東4局 親:京太郎

京太郎
【フィッシャー】または【シャープシュート】を使用しますか? 下1つめ。

1.【フィッシャー】を使う。(和了がツモ専用になる)

2.【シャープシュート】を使う。(和了がロン専用になる)

3.どちらも使わない。

もうだいたいルールわかったでよ

>>252
東風戦で終わりにしますね。


[聴牌判定]
・コンマが100-<(加速力+幸運力)÷2>以上で聴牌。
・ただし京太郎以外は反転。
・テンションゲージが80~99で補正判定0を取り消す。
・テンションゲージが100で補正判定0と1を取り消す。
・テンションゲージが1~20で補正判定9が取り消される。
・テンションゲージが0で補正判定8と9が取り消される。

京太郎
【フィッシャー】発動! ステータスを一部変更! 補正判定を一部変更!
【絶対安全圏】発動! 他人の聴牌を妨害!

A子さん
【壊れた信号機】発動! 補正判定を一部変更!

京太郎:下1つめのコンマが5以上で聴牌
A子さん:下2つめのコンマ(反転)が21以上で聴牌
B子さん:下3つめのコンマ(反転)が70以上で聴牌
照:下4つめのコンマ(反転)が24以上で聴牌


[補正判定]
・聴牌判定時に使用したコンマを再使用。
・「一の位と十の位を合計した数値の数字」の下一桁で判定。
(例:コンマが99なら9+9=18で下一桁の8が補正判定の対象になる)

0 大失敗。和了出来ない(ただし流局時に聴牌宣言は出来る)。
1 失敗。和了判定及び放銃判定において不利になる。
2~7 何も無し。
8 成功。点数判定において計算式にさらに×2。
9 大成功。和了確定。
(二人以上和了確定が出た場合は、オカルトによる和了確定>テンションゲージ補正>元のコンマ数値>上家)


判定結果
京太郎:聴牌/補正1
A子さん:聴牌/補正0→8
B子さん:ノーテン
照:聴牌/補正9

補正判定9なので、照の和了が確定。


折角なので、検証でテションゲージ100で打点計算させちゃいます。
[点数判定]
・(攻撃力+幸運力)×下1つめのコンマ<反転> ※00は100扱い
・テンションゲージ100なので1.5倍。


結果

(攻撃力84+幸運力100)×コンマ60×テンション補正1.5=16,560.
よって倍満。
テンション大事。

デモストに長いことお付き合いありがとうございました。

すみません、体調不良で寝てました。今日はお休みさせてください。

こんばんは、人がいればはじめますね


【8/31(日) 東京】

京太郎「あぁ、やっぱり東京のネカフェは最高だな」

思わず夜更かしして漫画を読んでしまった。

京太郎「しかし何度見ても剣道小町編あたりは良く分からないな……」

全国編やらなんやらで大きく話を広げたものの、方向性が上手く定まらなくなってしまったと言う漫画は時折見受けられる。

火澄編とか。フルスイングする野球とか。

京太郎「あー、太陽が眩しい」

明日からはまた学校が始まるので、今日のうちには長野に帰らなければならない。

さて、今日はどうしようか?



選択安価です。下3つめ。

1.偶然に掛けて東京を彷徨う

2.長野に帰る

3.むしろどこか違う場所へ行く
(行く場所を併記)


京太郎「いやいや、昨日の事を考えろ」

昨日ここで二人に遭遇できた運は、まだきっと残っているはずだ。

入れ食い状態、きっと誰かがいる。はず。



コンマ判定です。下3つめ。

00-59 現実は非情である。
60-99 やったぜ。

60-99だった場合に現れるキャラのコンマ判定。下4つめ。

00-09 宮永照
10-19 弘世菫
20-29 渋谷尭深
30-39 亦野誠子
40-49 大星淡
50-59 辻垣内智葉
60-69 ハオ・ホェイユー
70-79 雀明華
80-89 メガン・ダヴァン
90-99 ネリー・ヴィルサラーゼ

おまかせあれ!!

>>284
やっぱ玄ちゃんてクソだわ


京太郎「ううむ、誰も居ない……」

駅にでも行けば、今日帰る地方の打ち手にでもすれ違えるかと思ったけれど、そう甘くはないようだ。

あまり遅くまで居ても、次の日に疲れが残ってしまうし、今日は帰るか……。


▼誰とも会えませんでした。


【9/1(月) 長野】

京太郎「眠い……」

夏休みで生活リズムがやや乱れていた上、一昨日は徹夜で昨日長野に帰宅。

さすがに体が重い。

とはいえ、今日は始業式だけなのでそれが救いか。

久「勿論午後からは部活よー。私は引退だけど、受験勉強なんてガラじゃないし入り浸るわー」

今朝たまたま下駄箱で会った際に、笑顔でそう言い切った部長が却ってすがすがしい。

京太郎「しかし、どうするかな」

始業式だけならば、サボってしまうと言うのもないわけではないけれど……。

ただ、まぁ、練習をしたいと言う気持ちもあるが。


選択安価です。下3つめ。

1.部で麻雀を打とう

2.学校をサボって県内旅行だ

3.誰かに連絡を取ってみよう

4.いっそ県外まで羽を伸ばそう


菜々さん欲しいんや! ハイテンションしたいんや!


京太郎「まぁ、折角だし始業式くらいはサボっても良いか」

いや、良くはないんだけど。

ただ、長野の地区予選で見た人たちは、決して全国に負けずとも劣らない人達だったと思う。

その人たちにも麻雀を教えてもらい、かつ指名の話を持ちかけておきたい。

京太郎「とはいえ、全部の高校にはいけないよな……」

今手元にある連絡先と言えば、ハギヨシさんと池田先輩。

なので、この二校については電話をすることで無駄足になることは避けられる。

まぁ、時間の都合上二校にはいけないけど。

京太郎「鶴賀は……どうしようかな」

直接足を運ぶんでもいいけれど、入れ違いになったら怖いな。


選択安価です。下3つめ。

1.池田先輩に連絡する。

2.ハギヨシさんに連絡する。

3.鶴賀に直接足を運ぶ。


京太郎「ハギヨシさんに連絡しよう」

もしかしたら池田先輩を通じて、風越では指名の話はある程度広がっているかもしれない。

だったらここは、ハギヨシさんを通じて龍門渕の人たちにその話をしてみよう。

そう考え、早速ハギヨシさんに電話をする。

……一コールするかしないくらいの早さでハギヨシさんが電話に出た。

京太郎「あ、もしもし」

ハギヨシ「おや、須賀君ですか。テレビの話ですか?」

京太郎「さすがに察しが良いですね」

執事ですから、という返答の意味はあまり分からなかったが、説得力の塊であるのでなにも言い返す言葉はない

というか、何故俺が監督をしていることまで知っているのだろう。

しつじの ちからって すげー。


京太郎「まぁ、そういうわけで。そちらにお邪魔したいんですけど、良いですか?」

ハギヨシ「勿論構いません。……、が」

京太郎「が?」

ハギヨシ「例え授業でなくとも、学校を理由なく早退してはいけませんよ」

京太郎「……おおう」

何もかも筒抜けというのは一体なんなんだろうか。

すいません夜桜観るので30分ほど空きます

ヒメのさぁ、マフラーあるじゃないですか。首の傷隠す。
あれほんと良いですよね。コンプレックス隠して精一杯頑張る子って良いですよね。
「妖怪なんだからそんなんじゃ死なないでしょ」「町長なんだからそんなんじゃ格好つかないでしょ」
って言ってマフラーを回収してあげたいなぁ、ヒメのことだから頑張って前向きに務めるんだろうと思うと


再開します


最寄り駅から立派な車で送迎していただくこと十分ほど。

ものすごく立派な門を抜け、ものすごく立派な敷地内を抜け、そしてものすごく立派な敷地へと足を踏み入れた。

確かこの学園は、麻雀部の龍門渕さんのそのまま丸ごと持ち物なんだっけか。

つまり学園であり私有地である。

ハギヨシ「こちらです、どうぞ」

赤い絨毯という、お金持ち定番の廊下を恐々と歩きつつ、ハギヨシさんについていく。

学校の生徒と会わないということは、麻雀部の部室は学校というより、かなり龍門渕さんの私室に近いのだろう。

少しだけ聞いた話では、麻雀部自体が、龍門渕さんや天江さんやらのために作られたものだったようだし。

だから風越と違い、他の麻雀部……いわゆる控えは居ないとか。

そういう意味ではうちや鶴賀と同じではある。

まぁ、だからなんだと言う話だけれど。

というか、よくよく考えたら、控えがいないほうが珍しいはずなのに、あの長野の地区大会決勝では、四校中三校が人数ギリギリだったのか。

それでうちも去年の龍門渕も全国の決勝までいってしまったのだから、改めて一人ひとりの力が大事なんだと思わされる。

歩「紅茶でいいですか?」

京太郎「あ、どうも」

どうしてお金持ちはメイドを雇うのだろう。

そんな事を考えながら、紅茶を頂く。


ハギヨシ「お嬢様方は今昼食を摂っていますので、しばしお待ちください」

京太郎「分かりました」

突然当日に連絡して訪れた上、始業式をサボっているので従う以外の選択肢はない。

そういえば、俺も昼飯食べてないな……。

ハギヨシ「よろしければ、何かお作りしましょうか?」

京太郎「ええと……、じゃあ、すいません。お願いしても良いですか?」

断ろうと思ったけれど、ハギヨシさんの料理の腕前は一度目の前で見せてもらったので知っている。

空腹も手伝い、ついお願いしてしまった。

ハギヨシ「では、少々お待ちを」

歩「私もお手伝いしますね」

京太郎「……なん、だと」

可愛いメイドさんにまで手料理を作ってもらうとは。

龍門渕に来て正解だったな。

もう、今日はこれでここにきた目的を大分果たせたのはないであろうか。


ハギヨシさんに作ってもらったサンドイッチは、言うまでもなく美味でした。

ハギヨシさんの名前だけを挙げたのは、別段メイドさんの手料理が下手だったとかそういうわけでもない。

なにしろメイドさんという言葉の魔力は凄く、美味どころか、感動のあまり味が記憶から抜け落ちてしまっているのだ。

以前優希がメイド服を着たことがあったが、今考えるとあれは偽物も偽物だったといわざるを得ない。

やはりメイドさんは慎ましくなければ。

……などという、どうでもいい話は置いておいて。

龍門渕さんのほうも食事などが終わったらしく、ようやく揃ったようだ。


京太郎「今日は突然すいません」

透華「いいえ、構いませんわ。それより本題に入りましょう」

早速ですか。

一「透華はこれでせっかちなんだ」

それはなんとなく分かってました。


透華「あなたがいらした理由は当然あれですわよね?」

京太郎「あ、あれ、ですか」

透華「ええ、そうです。あれです」

京太郎「は、はぁ」

透華「まず最初に私の所にいらしたのは、正解でしてよ。いい判断ですわ」

京太郎「そ、そうですか」

透華「ええ。さぁ、私はどこで打てば良いのか決めなさい。大将? 副将? それとも先鋒?」

京太郎「あ、やっぱその話だったんですね」

透華「えっ」

京太郎「えっ」

透華「何を当たり前のことを」

京太郎「いやだって、主語も何もなかったじゃないですか」

透華「そんなもの必要ありませんわ」

京太郎「えっ」

透華「そんなものなくとも、大体で察しなさいな」

京太郎「えっ」

透華「というか、あの企画でもない限り、でなければあなたと話す理由はありませんもの」

京太郎「まぁ、そうですけどね……」

なんか、凄い人だな……。


というか、まだ何も話していないのに、既に指名されたことになってるのは何故なんだろう。

そんなにテレビ出演したいのだろうか。

お金持ちならそれくらい何とか出来そうな気もするけれど……。

透華「確かに私がその気になれば、テレビ出演どころか、テレビ局自体購入する事も出来なくはありませんが」

できるのかよ。

透華「それでは美しくありませんわ」

京太郎「はぁ」

透華「私に高校生代表をさせないことには激しく疑問を抱きますが、しかし決まってしまった以上は仕方ありません」

透華「むしろここは監督ではなく、選手としてプロ全員とあなたに指名された方が視聴者に注目されるというもの!」

透華「私が全員に指名されて、原村和が指名されない。それはつまり私の方が名実共に目立っているという事!」

透華「地区大会では遅れをとりましたけれど、今度こそリベンジですわよ!」

京太郎「……」

あぁ。分かった。

この人、目立ちたがり屋なんだ……。


透華「そういうわけですから。あなた、指名しなさい」

まさかの逆指名だ。

透華「私と衣がいれば後はなんとかなりますわ。残りの二人もここから選んでしまいなさいな」

京太郎「あ、いや。それは出来ないんですよ」

透華「?」

京太郎「同一校から選べる選手は二人までなんです」

透華「えっ」

京太郎「なんで、全員は指名できないですね。すいません」

透華「そ、そうなら先に仰いなさいな」

少し顔を赤くしてぷいと逸らされてしまった。

まくし立てられて言えるタイミングがなかったのだけれど、まぁ言わないでおこう。




※一つの高校から選べる選手は二人までです。でないと、「清澄四人」とかで終わってしまう可能性があるので。
※したがって自動的に清澄だけは選べるメンバーが一人だけです(京太郎も一応とはいえ清澄なので)。


透華「話を戻しますわ。それで、どうなさいますの?」

京太郎「どう、と言いますと?」

透華「ですから、指名ですわ」

京太郎「あ、あぁ、そうですね……」

京太郎(この人ガンガン来るなぁ……)



選択安価です。下3つめ。

1.是非指名させてください

2.他の人にも話を聞いて良いですか?

3.そんなことより麻雀しようぜ!


京太郎「折角ですし、他の方にも話聞いて良いですか?」

透華「……、……まぁ、良いですわ」

かなり不服そうだったけれど、なし崩し的に指名を約束してしまうのも勿体ないしな。

まだ当日まで二ヶ月あるんだし、焦りすぎてもよくない。

今日ここで話が纏まらなくても、同じ長野の龍門渕さんならまた連絡を取って訪れる事もしやすいし、今ここで指名しなくても、この人なら待ってくれそうな気がしないでもない。

……年上相手に失礼なことを考えている気がしないでもないけれど。

どういう原理かは分からないものの、髪の毛のてっぺんをぴょこぴょこさせながら、透華が他のメンバーに眼を向ける。

純「透華の相手は大変だろう」

そう笑いながら、確か先鋒で優希と打っていた人が近くの椅子に座る。

純「二人指名なら、分かりやすく透華と衣を指名しとくのが無難で妥当だろうな」

一「もっとも、衣が出るかと言われたら分からないけどね」

そういえば、咲と一緒に大将戦を打っていた人の姿が見受けられない。

純「昼寝でもしてるんじゃないか?」

京太郎「そうですか……」

確か天江さんだったか。あの人がいれば確かに、相当の戦力になるに違いないとは思う。

というか、俺の実力じゃ誰が強くて誰がそれより強いかなんて分からない。

俺からすればここにいる四人を含めて、全ての打ち手が格上にしか見えない。

少なくとも長野の個人戦予選でマイナス427を叩いた奴より下のやつは、多分この辺にはそうは居ないだろう。

純「どう打ったらそんなにマイナスになるんだよ……」


京太郎「天江さんが出るかどうか分からないっていうのは、どういう?」

純「あぁ……」

透華「本人のやる気の問題ですわ」

京太郎「……、つまり、あんまりテレビに出る気がない、と?」

一「テレビというより、対戦相手だね」

京太郎「?」

対戦相手は、十一月のオーダー発表までは分からない。

なので、この時点では仮に自分が指名されると確信していても、それが誰と当たるのかは分からないはずだ。

純「それがつまんねぇんだと」

ますます分からない。

透華「衣は、あの原村和と、それと宮永咲と打ちたいのですわ」

京太郎「なるほど」

合点がいった。

一「だから、その二人が出るならでる、出ないなら出ない、って言ってるんだよ」

京太郎「……」

それはつまり、天江さんは既にプロに声を掛けられてその返答をしたという事にも捕らえられるけれど、それは憶測なのでなんとも言えない。

確かに天江さんは十分に強い。それは俺でも分かる。

とはいえ、プロと競合となると対戦せざるを得ない。ましてや本人にあまり出る気がないとなると尚更考える必要がありそうだ。


純「それで、お前はどうする?」

京太郎「そうですね……」


選択安価です。下3つ。

1.やっぱり天江さんは必要だ

2.ここは他の誰かにしよう
(人物併記、衣以外の龍門渕メンバー限定)

3.一旦冷静に考え直そう


京太郎「いや、やっぱり天江さんは必要です」

純「衣が乗ってくれるかは分からないぞ?」

別段、断られた所で何かペナルティがあるわけじゃない。別の人を指名すれば良いだけだ。

透華「……、……」

むすっとした表情の龍門渕さんである。

まぁ、それはそうか。一番最初に手を挙げたのは自分なのに、この場に居ない人を指名したいなんていわれたら、楽しくはない。

京太郎「……えぇと。その」

透華「……なんですの」

京太郎「……、なんかすいません」

透華「ふん」

そっぽを向かれてしまった。ううむ、女性の心は難しい。

いや、まぁ、そんな大層なことではないのだけれど。

透華「……衣に話はしておきますわ」

京太郎「え?」

透華「え、じゃありません。そういう話でしょう」

それはそうなんだけれど。なんというか、その。

透華「? なんですの。まさかやっぱり辞めますなどとは仰らないですわよね?」

じとっと半眼で睨まれる。

透華「別に私はなんとも思っていませんわ」

お嬢様というのは、分かりづらい種族のなかでも最上位に当たるかもしれない。


その後。何のつもりか麻雀を打つことになったわけだけれど、当然俺なんかが相手になるはずもなく。

全五回戦のうち、東三局まで持ったのが最高で、後は全てその前に飛ばされてしまった。

龍門渕の四人はおろか、メイドの人にも負けたと言うのは、もう何も言うまい。

あまりの俺の弱さに唖然としたのが龍門渕さんで、井上さんと国広さんは、最初こそ笑っていたものの段々哀れんだのか、妙に二人に励まされてしまった。

沢村さんは俺のあまりに滅茶苦茶な河に、何か嫌な思い出でも思い出したのだろうか、終始「ビギナースラック……」と呟いていた。

結局天江さんには直接会えなかったものの、まぁ、また機会を見て訪れれば良いか。


そして行きと同じく、再び駅まで車で送ってもらう最中、折角なので今日の話を池田先輩にしてみると、

華菜「あ、天江かぁ。そっかぁ……」

と、珍しく最初は歯切れが悪かったものの、すぐにいつもの元気に戻ったようだ。

……思えば、二人は長野決勝で対戦してたっけ。

あの時池田先輩は天江さんに大分てこずってたんだった。

余計な話をしてしまったかもしれないが、まぁ、良いか。


京太郎「ん……電話だ」

ハギヨシさんに駅まで送ってもらったところで、携帯が鳴る。

京太郎「……げ」

相手は……部長だ。

そういえば、今日は学校サボったからな。必然的に部活もでなかったわけだけれど。

京太郎「……もしもし」

出ないわけにはいかないので、通話ボタンを押す。

久「いけないわねぇ、学校サボっちゃ」

京太郎「いやぁ、サボったわけではないんですよ。どうしてもお腹が痛くなってしまいましてね?」

久「そうなの?」

京太郎「えぇ。本当にどうしようもなく、腹痛でお腹が痛くなってしまったんです。みんなと麻雀を打ちたかったんですが、医者に止められまして、やむなく泣く泣く早退したんです」

久「ふぅん」

京太郎「えぇ、もしかしたらこれは急性胃腸炎、いやもしかしたら盲腸かもと思いまして。然るべき機関に診察をしてもらわなければいけなかったんです」

久「須賀君」

京太郎「はい」

久「この私に嘘が通用するとでも?」

京太郎「すいませんでした」


久「私、学生議長なんだけどなぁ」

京太郎「はい」

久「これは重要な案件ねぇ。明日にでも議会に報告すべき内容だわ」

京太郎「何卒ご勘弁を」

久「須賀君は我が麻雀部の大事な部員だし、かばってあげたい気持ちも一杯あるんだけど」

京太郎「平にご容赦を」

久「何しろ私、悪を見逃せない体質なの」

京太郎「ははは、ご冗談を」

久「うん?」

京太郎「滅相もございません」

久「どうしようかしら」

京太郎「神様仏様部長様、お許しください」

久「んー」

京太郎「この通りです」

久「仕方ないわねぇ」

京太郎「さすが部長!」

久「私、明日、甘いものが食べたい気分になりそうだわ」

京太郎「鬼、悪魔」

久「はい案件追加ね」

京太郎「あぁ、つい本音がっ!」


──翌日、部員全員分のケーキを買わされたことは言うまでもない。

というか、何故部長以外の分もなんだろう。


そんなわけで今日はここまでです。
忘れ物。

【衣に指名の話をしました】
△衣の好感度が5上がりました
△透華の好感度が5上がりました


清澄以外のヒロインの麻雀のステータスは、一度卓を囲んだ際に確認できます。
清澄は卓を囲まなくても、現時点で確認できます。

それじゃ始めますね。


【9/1(月) 清澄】

久「須賀君、メンバー集めは順調?」

朝の登校時に、部長と出くわす。

京太郎「えぇ、まぁ」

久「そうよねぇ。学校サボってまで探したんだからねぇ」

くすくすと笑う部長である。どうやらしばらくはこのネタでからかうつもりのようだ。

京太郎「部長命令とはいえ、一応引き受けましたからね。出来ることはやりますよ」

久「そうねぇ。まぁ、頑張ってね」

京太郎「えぇ……」

そういえば、部長が俺にこの仕事を託した(というか、押し付けた)のは、面倒だと言う建前を除けば、やはり自身も選手として声を掛けられたいという理由だった。

清澄からは一人しか選手は選べないと言う規定はあるものの、それは逆を言えば、一人は選べると言うわけで。

まだ誰にも声を掛けていないんだよな……。

久「今日は部活来るわよね?」

京太郎「あ、はい。おそらくは」

久「そこは必ずって言ってくれないと困るんだけど」

京太郎「ははは……」


選択安価です。下3つめ。

1.今日は部活に出よう

2.それよりどこか別の場所に行こう
(場所併記)

※場所によっては日帰りできません。


京太郎「そんなわけで、帰り道にある部室へとやってきたのだ」

まこ「誰に説明しとるんじゃ」

京太郎「いや、何でもありません」

部室では早くも部長以外の四人で対局をしていた。

部長はパソコンでなにやらデータを弄っており、俺の顔を見るなりコーヒーを要求する。

以前の言葉どおり、本当に部室に変わらず入り浸ってはいるものの、それでも夏の大会前に比べたら、自身で卓に着く回数は減ったと思う。

やはり本人は言わないか、或いは意識さえしていないのかもしれないけれど、どことなく自分がもう引退をしていると言うことは感じているのだろう。

来年再来年とまだ大会がある後輩のために身を引くなんてこと、この人らしくはないと思うけれど、意外に変なところで遠慮したり緊張したりする人なのだ。

普段は余裕を装って、そういうところを見せないようにしているだけで。

久「コーヒーまだー?」

京太郎「今やりますよ」

昼休みに買ってきたケーキをとりあえず冷蔵庫に入れ、お湯を沸かす。

優希「私にもなんかくれー」

京太郎「要求が雑だなおい」


咲「うーん」

優希「ろーん、にせんてん!」

咲「あっ」

優希「トップだじぇ!」

相変わらずの優希とは反対に、咲は少しお疲れのようで。

和「咲さん、疲れてます?」

咲「うーん……少し」

まぁ、無理もない。

初出場で全国大会優勝と言う功績は、言うまでもなく反響があった。

昨日の始業式で、全校生徒の前で表彰されたというのは、先ほど和から聞いた話だ。

それもあってか、今日も朝からクラスメイトや新聞部などに色々と聞かれていたっけ。

元々人見知りする方な咲にとっては、全国大会より緊張したかもしれないな。

京太郎「……と、いうことは」

和「?」

京太郎「今なら先に勝てるかも知れないということか」

咲「えっ」

京太郎「ようし咲、勝負だ!」

まこ「姑息じゃのぉ……」

京太郎「勝てば良いんですよ勝てば!」


京太郎「てぇい!」

咲「あ、ロン」

京太郎「そぉい!」

優希「ろーん、親っぱね!」

京太郎「あちょー!」

和「ロンです」



京太郎「飛びました……」

久「この五ヶ月何をしてたのかしら須賀君は」

京太郎「主に雑用の方を……」

まこ「情けないのぉ……」

ちょっとは手加減してくれよ。

優希「手加減したぞ」

和「分かりやすく立直したのですけど」

咲「あはは……」

京太郎「ちっくしょう、覚えてやがれ!」

久「典型的な負けセリフね」


二回連続で飛ばされたところで、一旦部長とかわり抜けることにする。

京太郎「闇雲に打っててもやっぱり駄目か」

とはいえ、練習あるのみである。

指名の事も頭に入れつつ、さて次はどうするかを考えよう。


選択安価です。下3つめ。

1.指名の話をする。
(人物併記)

2.麻雀の練習をする。
(麻雀バトル。順位に応じてステータスが上がる)

3.麻雀の特訓をする。
(人物併記。指定した人物によって上がるステータスが異なる)


地味に練習安価初めてだからね、しょうがないね。
安価下拾って咲にしときますね。

ここで言う特訓は、ステータス上がるだけです。
オカルトや特性を教えてもらうには、条件を満たしたキャラが一人でもいたら選択肢として出ます。なので今は選択肢に出ません。仕方ないね。


京太郎「咲さん咲さん」

咲「なんで和ちゃんみたいな言い方」

京太郎「思ったんだけど、このまま東場で飛ばされ続けても俺上手くならない気がするんだよね」

咲「うん……もっと早く気付いても良いくらいだよ」

意外と手厳しい。

京太郎「だから対局じゃない形で教えて欲しいんだけど」

咲「そうは言っても、結局は打ったほうが手っ取り早いよ?」

京太郎「まぁ、そうなんだけど」

咲「うーん……」

少し考えた後、ぽんと咲が手を叩いた。

咲「じゃあ、京ちゃんが打って、私が後ろから見てあげるよ」

咲「それでおかしなところがあったら聞いたり教えたりするから」

京太郎「おぉ、それは助かる」

咲「じゃあ、どうぞ座って」


咲「とはいっても、牌効率とかそういう理論は私よりも和ちゃんの方が得意分野だから」

そのあたりの基本については、そもそもとして本を読むなりして自分で何とかするしかあるまい。

咲「だから私が言えるのは、うーん、なんというか。割と感覚に近いものかな」

京太郎「感覚?」

咲「うん。例えば今京ちゃんの手牌にある暗刻の二萬だけど」

京太郎「お、おう」

咲「それの四枚目は優希ちゃんが持ってるから、出たらとりあえずポンして」

京太郎「……おう」

咲「あ、待って。そこは六筒切って」

京太郎「え? 六七九なのに六切るのか?」

咲「うん。その筒子の両面ターツは崩して、嵌張に受けて」

京太郎「……なんで?」

咲「まぁいいから。張ったら二萬を加槓して、八筒で嶺上ね」

京太郎「……」

咲「ほらツモった」

京太郎「……」

咲「なんで嵌張に受けるのかだけど、それで符が丁度切りあがるから。ちょっとお得でしょ?」

京太郎「……」

咲「? どうしたの?」

京太郎「……参考にならーん!」

咲「えっ!?」

京太郎「えっ、じゃねーよ!」


京太郎「なんで優希が四枚目の二萬持ってるのが分かるんだとか嶺上がなんで八筒だって分かるんだとかツッコミ所が多すぎるわ!」

咲「そういわれても……感覚でなんとなく分かるんだもん」

もんじゃねーよ。

京太郎「和いつもの!」

和「はい?」

京太郎「そんなオカルト、ってやつ!」

和「……、……」

京太郎「ちょっと自信なくなってる!?」

全国でアレだけ訳の分からない相手を見てきたせいか。

咲「もー、わがままだよ。最初に言ったでしょ、私が教えられるのは感覚的なものだって」

京太郎「感覚の域を超えてんぞ、もう霊感じゃねぇか……」

咲「とにかく、そういうものなの」

京太郎「分かったよ……」

正直に言って全くさっぱりだが、教えてくれと言った手前、逆らい続けるわけにもいかない。

ひとまずは大人しく咲のいう事を聞くか……。


咲「それ鳴いて良いよ」

京太郎「えっ、鳴いたら役ないんだけど」

咲「良いから、次に槓して中が重なって後付けになるから」

京太郎「マジすか」

咲「ほら重なった、後はここを落としちゃおう」

京太郎「えー……」


咲「ここいらない」

京太郎「いやいや三面張だぜ」

咲「でも引かないんだからいらないよ」

京太郎「そうすか」


咲「それ切っちゃだめ」

京太郎「二枚切れの字牌なんていらないだろ」

咲「要るよ、嶺上にあるからそこ単騎で良いよ」

京太郎「あ、はい……」


……。

……。

……。


コンマ判定です。下3つめ。

00-29 なるほど、わからん。
(幸運力+1、咲好感度+2)

30-59 少しは分かったかもしれない。
(幸運力+2、咲好感度+3)

60-89 結構分かったかもしれない。
(幸運力+3、咲好感度+4)

90-99 実に馴染む指導だ……。
(幸運力+4、咲好感度+5)


あれは……阿知賀のドラゴンロード松実玄!?


京太郎「……ん」スチャッ


京太郎手牌:八八八八 ③③③④⑤⑤ 89 発 ツモ:発


ちらりと咲を見る。

咲「……」ジー

咲「……」ソワソワ

京太郎(うわぁ、凄い何か言いたそう)

京太郎(発切り……? いやでも発はまだ出てないか)

京太郎(じゃあ辺張払い? それか槓?)

咲「……」ウンウン

京太郎「えーと、暗槓」

京太郎(うわ。本当に発引いてきた)

京太郎(ええと。筒子切れば聴牌だけど、辺張払っても良いよなぁ)

咲「……」グッ

京太郎(おお、合ってたのか!)

京太郎「……お」

京太郎(五筒引いてきた)


京太郎「立直」


京太郎手牌:③③③④⑤⑤⑤ 発発発 暗槓:八八八八


咲(いい形)

久(あら、最高の五面張じゃない)

咲(……)

久(……)

咲(……あれ)

久(……あら)


咲・久(五面張……?)


咲(京ちゃん、)

久(須賀君、)

咲(これが五面張って分かってるのかな……)

久(これが五面張って分かってるかしら……)


京太郎(……よし、四暗刻単騎だな!)

京太郎「あ。三筒か……」

京太郎「もういっこ槓!」


咲「京ちゃん……」ホロリ

久「須賀君……」ガクー

京太郎「?」


咲「あのね京ちゃん……」

京太郎「えっ、ここは槓じゃなかったのか?」

京太郎「任せろ、ここで嶺上でツモるから」

咲「そうじゃなくて……。しかもその嶺上牌、和ちゃんに当たるよ……」

京太郎「えっ」

和「ロンですね」

京太郎「あっ」

優希「槓ドラが乗って跳満になってるじぇ」

京太郎「Oh...」

咲「途中までは良かったんだけどね……」

和(それもどちらかというと、咲さんのリードでは……)

京太郎「あー、はじめて役満張ったのに!」

咲「……京ちゃん、まずは多面張を覚えよう?」

京太郎「なんでそんな優しい表情なんですか?」

咲「私が悪かったよ、ごめんね京ちゃん」

京太郎「やめろよ!? なんか俺すげー惨めじゃん!?」

久「いや、惨めそのものなのよね……」

京太郎「酷い!?」


△幸運力が4上がりました。
△咲の好感度が5上がりました。


【9/3(火) 清澄】

京太郎「えぇと、この形が三面張で……」

結局昨日はあれから大した成果はなく、こうして部長に渡された麻雀講座の本を読みながら登校しているわけだけれど。

京太郎「えっ、あれって三筒でも和了れてたのか……なんだよちくしょう」

京太郎「五面張だの六面張だの、いちいち覚えらんねーよ……」

ぶつくさと本に文句を言っても仕方ないとは分かっているものの、ついつい口に出てしまう。

ある程度上手くなるまではホンイツだのチンイツだのは作らない方が良さそうだなこれは。

フリテンになるだけならまだしも、昨日みたいなチョンボをしたら罰符だし。

京太郎「牌効率にしても多面張にしても、覚えるの大変だなぁ……」

とても自分がデジタル風に打てるとは思えない。

が、何か突出しているものがない以上、基礎は積まないといけないわけで。

今更ながら、監督と平行して出来るのか不安になってきたな……。



選択安価です。下3つめ。

1.部室で練習をする。

2.それよりどこか別の場所に行こう。
(場所併記)

※場所によっては日帰りできません。

行き場所はコンマにしようと思った。(小学生並の感想)


京太郎「そういや、天江さんの件がまだ中途半端だったな」

折角だし龍門渕に行ってみようか。

勿論、学校が終わってからだ。前回ハギヨシさんに言われたし、俺だけ学校をサボっても、向こうが授業を受けていたら結局待つことになる。

京太郎「そういうわけでハギヨシさんに連絡しよう」

さしたる問題もなく、放課後に龍門渕へと訪れる許可を貰った。

そうなると、部長に一言断ってから行くべきだな。

またからかわれる材料を増やしても面倒だし。

さすがに事前に言えばケーキをたかられたりはしないだろう。多分。きっと。

それに、以前は多かった雑用も最近では減っていているし。

京太郎「……」

……、それについては、思うところもあるし、今はおいておこう。

京太郎「じゃあまずは、今日の授業を乗り切りますかね」

今日はここまでです。おやすみなさい。


淡「年越し麻雀打とう。牌持ってきた、はいもこちゃん」

もこ「? 見えない」

淡「あ、ごめん」

怜「ほんま唐突やな」

明華「良いんじゃないですかぁ」

もこ「賛成」

怜「まぁ、うちも構へんけどな」

淡「怜先輩体力持ちます?」

怜「大丈夫や、どうせあと一年なんやし」

もこ「余命聞いてきたの?」

怜「まぁなぁ。一応なぁ」

明華「私の寿命あげましょうかぁ?」

怜「いや要らんわ」

淡「明華の寿命はどんな感じなの?」

明華「さぁ。それはインプットされてないので分かりません」

淡「へー」

明華「でも別に寿命を知らなくても困りませんよ。それより早く感情プログラムを搭載して欲しいです」

もこ「明華、結構笑ってるよ?」

怜「笑うしかまだ覚えてへんのや」

明華「そうなんですよぉ。まだその辺が不十分で」

淡「麻雀は出来るのにね!」

もこ「プログラムの優先順位、おかしいね」

怜「でも、うちらも似た様なもんやからな」

淡「まぁね!」

もこ「淡が起親」

怜「そんじゃ、ちょい早いけど。来年もよろしゅうな」

明華「それを言うからには来年いっぱいはもってくださいね」

怜「善処はするわ」

淡「はいダブリー!」

怜「ちょい空気読んでやもー」



みたいな、幼少期の虐待で閉所暗所孤独などに対して恐怖症になった淡と通り魔に乱暴されて左目が見えなくなったもこちゃんと病院を盥回しにされた挙句間違った治療をされて余命宣告された怜とそもそも人間ではなく人工物で感情がおいついてない明華ちゃんの4人が仲睦まじくこたつで年越し麻雀してたらいいなぁと思いました。

初夢は延々と汚れた包帯に油をしみこませる夢でした。
22:00に始めますね。


衣「お前が清澄のか」

京太郎「あ、はい。そうです」

今日は天江さんもいたようだ。

腰に両手をあて、何故か誇らしげな態度である。

……、六十センチの身長差なので、ものすごく頑張って見上げているのだけれど。

京太郎「突然すいません、先日はいなかったみたいなのでまた来ました」

衣「気にしなくて良い」

とはいえ、見た目の身長こそ確かに低いけれど、麻雀の実力で言ったら俺なんかよりはるかに強い。

観戦室で見ているだけで正直びびってしまったのだから、同卓したらまともに持つとは思えない。

衣「……。それで」

京太郎「?」

きょろきょろとどこかを見る天江さん。

どこかと言うより、俺の後ろだ。

思わず誰かがいるのかと振り返ったけれど、誰もいない。

衣「……そうだな。誰もいない」

衣「ノノカが来てるわけではないのか」

むすっと膨れてしまった。

透華「言ったでしょうに……」

京太郎「……、なんか、すいません」


電源の入っていない卓に顎を乗せ、やる気なくサイコロだけを回す。

よほど和と打ちたかったのだろうか。

京太郎「なんかすいません」

同じ事を二度言ってしまったが、龍門渕さんは気にしなくて良いと言ったジェスチャー。

透華「私は原村和は来ないといって、衣も頷いていたはずですわ。だから貴方が気にしなくてもいいです」

京太郎「そうなんですか」

衣「寝起きで明瞭でない所にまくし立てるトーカが悪いんだぞ!」

なんだその可愛い理由。

透華「いつまでも寝てる衣が悪いのですわ」

衣「むー……」

ものすごくどうでも良いところで争いが勃発したな。

京太郎「あのー……」

衣「なんだ!」

京太郎「いえ、なんかすいません」

謝ってばっかりだな俺。


京太郎「あのー、龍門渕さん。テレビの話、しても良いですか?」

透華「好きにしてくださいまし」

この不機嫌な状態の天江さんにテレビの話をして乗ってもらえるかどうか分からないけれど、しないことには始まらない。

衣「前もどこぞの誰かに聞かれたが、衣はそういう娯楽には興味ない」

回答は変わらず。まぁそうだろう。

衣「ノノカ達が出るなら考えるがな」

京太郎「ふむ……」

透華「……」

ぴこぴこと髪の毛が動いている─どういう原理なのかは、考えても無駄なので考えない─

天江さんは和と仲がいいらしい。

そして龍門渕さんは和に対してライバル心を持っている。

……、なんだかパズルみたいだな。

京太郎「……ん?」

透華「なんですの?」

京太郎「いえ。ちょっと思ったんですけど。もし龍門渕さんと和が指名されたとして。やっぱり違うチームで対戦したいですか?」

透華「もちろんですわ」

即答。

京太郎「天江さんは、どうです?」

衣「同会では対せないぞ?」

京太郎「まぁ、そうですけど」


衣「娯楽の話は良い、それよりお前」

京太郎「え?」

衣「来たんだから打っていけ」

京太郎「え゛」

衣「打てるだろう?」

京太郎「い、一応は……」

衣「ならば良し」

いや良くないです。困ります。

衣「何が困るんだ?」

京太郎「いやぁ……」

色々と困る。

衣「早く席に着け」


選択安価です。下3つめ。

1.俺が勝ったら指名させてもらおうか

2.ここは戦略的撤退だ

3.それより麻雀を教えてください


京太郎「あの。対局も良いんですけど、それより麻雀教えて欲しいんです」

衣「?」

京太郎「まだ俺麻雀始めたばかりでとても相手にならないんですよ」

衣「そうなのか」

京太郎「部でも全く勝てなくて悔しいので、ここはどうか一つ俺に麻雀を教えてもらえませんか?」

衣「衣は人に麻雀を教示したことはないぞ」

京太郎「天江さんならこの時こう打つとか、そういうのでもかまわないんです」

衣「それくらいなら、まぁ、出来なくもない」

京太郎「お願いします」

衣「だが……」

京太郎「?」

衣「衣は割と感覚で打っているぞ。だから具体的に聞かれても困る」

あれ、つい最近どこかで聞いた言葉だな。

気のせいかなぁ。

衣「まぁそれでも良いと言うなら教えよう」

京太郎「お、お願いしまーす……」


衣「まずは聴牌をする」

京太郎「はい」

衣「次は海底牌が自分のツモでないなら鳴く。元から自分ならそのまま」

京太郎「……はい」

衣「面前でいけたら、一巡前で立直する」

京太郎「……」

衣「海底でツモる。以上だ」

京太郎「……」

衣「どうした?」

京太郎「なんでもありません……」

予想してたけどね。まぁそうだよね。

京太郎「自分が聴牌する前に他の人に立直されたりは……」

衣「ない」

言い切れるんですね。

衣「この手牌なら、ここを鳴け」

京太郎「客風ですよ?」

衣「そうしないと海底にならないだろう」

京太郎「いやでも役が……」

衣「海底があるだろう」

嶺上といい海底といい、なんでこの人たちは役を後からくっつけるんだろう。


コンマ判定です。下3つめ。

00-29 なるほど、わからん。
(幸運力+1、衣好感度+2)

30-59 少しは分かったかもしれない。
(幸運力+2、衣好感度+3)

60-89 結構分かったかもしれない。
(幸運力+3、衣好感度+4)

90-99 実に馴染む指導だ……。
(幸運力+4、衣好感度+5)


京太郎「天江さんも咲も、まるで引く牌が分かってるみたいですね」

衣「不思議な事を言う」

京太郎「はは、そうですね。すいません」

衣「分かっているに決まってるじゃないか」

京太郎「ですよね……えっ」

透華「普通はありえない話ですわ。でも衣はそうなのです」

京太郎「そうですね……」

龍門渕さんは、和に対するライバル心と目立ちたがりな所を除けば、概ねはデジタルなのである。

牌が見えるだの場の支配だの、正直素人の俺から言わせてもらえれば反則としか言いようがない。

しかし、それらがあるのももう否定しきれないのだ。

あの夏のインハイでの数々の対局を、全て偶然の和了で済ませてしまえるほど、俺だって冷めた人間じゃない。

超能力とは言わないまでも、目に見えない何かがきっとそこにはある。

透華「……、私はあくまで麻雀はデジタルなものだと思っていますわ」

透華「でも。それだけで表せないのも事実ですし、デジタルに寄れば寄るほど、衣や宮永咲のような感覚で打つことは難しくなります」

京太郎「……」

透華「まだ麻雀が下手なうちだけですわよ。どちらか悩めるのは」

京太郎「そういうもんですかね」

透華「そういうものですわ」


京太郎「今日はありがとうございました」

結局指名の話もせず、ただ単純に麻雀の勉強をさせてもらっただけだったな。

まぁ、普段教えてもらえないような内容だったし、決して無駄にはならないからいいのだけれど。

感覚にしろデジタルにしろ、まず基本を覚えないことには始まらない。

明日は水曜日か……。


△幸運度が3上がりました。
△衣の好感度が4上がりました。


【9/4(水) 清澄】

京太郎「さて、今日はどうしようかな」


選択安価です。下3つめ。
※2,3の場所は別途コンマ判定にしときます

1.部室で練習をする

2.県内でスカウト

3.県外でスカウト


今日は部室で練習をしよう。

京太郎「こんちはー」

久「紅茶ね」

京太郎「人の顔見るなり飲み物要求するのやめませんかね……」

久「丁度良い所にくるんだもの」

京太郎「はいはい、っと」

久「どう、上手くいってる?」

おそらくはメンバー集めのことを言ってるんだろう。

まぁ、とはいえ、まだ四日目かそこいらである。

焦る必要はまるでない。

久「そうねぇ。むしろ問題は須賀君の麻雀かしらねぇ」

京太郎「言われなければ意識しなかったのに」

久「龍門渕に色々お世話になってるみたいだけど?」

京太郎「まぁ、なんとなく。メンバー集めもかねてですよ」

久「ふぅん」

こういう時の部長は大抵悪い事を考えているので注意が必要だ。

久「失礼ねぇ」

そう言いながらも否定しないあたりがなんとも言えない。

京太郎「はいどうぞ」

久「ありがと」

出来た紅茶を部長に渡して、さて今日はどうしようか考えることにする。


選択安価です。下3つめ。

1.指名の話をする。
(人物併記)

2.麻雀の練習をする。
(麻雀バトル。順位に応じてステータスが上がる)

3.麻雀の特訓をする。
(人物併記。指定した人物によって上がるステータスが異なる)


優希「ろーん、三倍満!」

京太郎「うぎゃあああ!」

和「飛びましたね」

京太郎「残り3,000点の人間から取りすぎだぞ畜生め!」

優希「弱いやつは刈られる……それがこの世界の掟」ドヤァ

咲「誰の物まねなんだろう……」

和「大方テレビか何かの影響でしょう」

優希「昨日やってたドラマのセリフだじぇ」

咲「物騒なドラマだね……」

まこ「おぬしはもう少し守備を何とかした方がええのぉ」

京太郎「まこ先輩」

まこ「さすがに何でもかんでも切りすぎじゃーて。ツモならまだしも、放銃で削られるのを減らせば少しは持つじゃろ」

京太郎「それはそうですけど。でも、相手の待ち牌なんて中々分からないですよ」

まこ「そりゃあぴったり当てるのはそうかもしれんけぇのぉ。じゃが、ある程度の分類は出来よお」

京太郎「うーん……」

まこ「しょうがない。少し教えたる」

京太郎「本当ですか?」

まこ「このまま一人だけハコ続きなのもつまらんじゃろ」

京太郎「わーい」


まこ「さすがに間四軒くらいは分かるじゃろうな」

京太郎「それくらいはまぁ」

まこ「それが分かればもう半分はオーケーじゃ」

京太郎「そんなもんですか」

まこ「そんなもんじゃ。待ち牌をぴったり読もうとするからこんがらがるんじゃ」

まこ「待ち牌なんぞそれこそ三十四種に何十枚もあるんじゃからな」

京太郎「じゃあ、どうすれば?」

まこ「まず、聴牌形を種類分けしてみぃ」

京太郎「聴牌形……っていうと、両面待ちとか、そういう?」

まこ「そうじゃ。多面張は抜きにして」

京太郎「それだったら、両面待ち、単騎待ち、嵌張待ち、辺張待ち、あとはシャンポンですね」

まこ「そうじゃ。三十四種類よりよっぽど少ないじゃろ?」

京太郎「それはまぁ、そうですけど」

まこ「多面張にしても変則待ちにしても、大抵の聴牌は両面待ち……間四軒じゃ。じゃからそれが分かれば残りは後半分ってことになるんよ」

京太郎「へぇ……」


まこ「じゃあ両面待ちのメリットとはなんじゃ?」

京太郎「それは……、待ち牌の数が多いこと?」

まこ「正解。両面待ちは最大八枚まで待ちがあるんに対して、単騎は三枚、嵌張辺張シャンポンは四枚」

京太郎「同じ聴牌でも和了れる確率が二倍やそれ以上になりますね」

まこ「そうじゃ。それに点数にも影響するけぇのう。平和は必ず両面待ちが必要になるじゃろ。逆に辺張はタンヤオがつかんかったりするしの」

京太郎「普通にいい手を作ろうと思ったら、両面待ちにするってことですね」

まこ「そうじゃ。幸先良う聴牌したんはいいものの、待ちが悪いから両面になるまで待ったりもするじゃろ?」

京太郎「確かに。嵌張辺張で立直して、待ち牌を槓された時の絶望感と言ったら……」

咲「なんで私を見るの」

まこ「じゃから聴牌の半分は両面待ちになるんじゃ」

京太郎「なるほど、それについては分かりました」

まこ「両面待ちに対しては、一番手っ取り早いのは無筋は切らんことじゃの。慣れれば色や上下も絞れるんじゃが、それは今のおんしじゃ無理じゃろて」

京太郎「コツみたいなのはないんですか?」

まこ「あるにはあるが、自分で覚えたほうがええじゃろ」

京太郎「えー」

まこ「何でも教えるとはいっとらんけぇのぉ」


まこ「それに、打つ人や場によることもあるからの。確実な回答はない」

まこ「ある程度手なりで打つ人や局の時もあれば、決め打ちする場合もある。それに関しては自分で気づくしかないからのぉ」

京太郎「なるほど」

まこ「で、次は残りじゃが。まず嵌張じゃが、両嵌が残っての筋切りが一番分かりやすいかの」

京太郎「一三五、みたいな形ですね」

まこ「そうじゃの。逆の五七九でもそうなんじゃが、五切り立直は特に両嵌には気をつけると良い」

京太郎「さっきそれで優希に一発で振りました」

まこ「さよけ……」

まこ「他は三五五六七七などの一盃口系じゃのぉ。七を切っても聴牌じゃが、六が枯れてない限りは三切りじゃな」

京太郎「これで河に九も出てたら六出しちゃいますね」

まこ「その場合は、河と自分の手牌を良う見るんじゃ。聴牌形に五七が二枚あるんじゃから残りは最大四枚。更に自分がその四枚のうち一枚でも持っとったらどうなる?」

京太郎「どう、って……」

まこ「河に五七は殆んど出ないという事じゃ」

京太郎「……?」

まこ「河に出ないいうことは、誰かが持っとる言うことじゃ。その上で立直時に三が出てきたとしたら、大抵はそこに近い牌を持っとるけぇのぉ。その色は少し危ないいうことじゃ」

京太郎「はぇ~」

まこ「単騎とシャンポンについては、捨牌に加えて打つ人の目を見ることじゃ」

京太郎「目、ですか?」


まこ「例えばおんしが七対子を聴牌したとしよう。三萬か南、どっちかを切れば聴牌じゃ」

京太郎「ふんふむ」

まこ「じゃが三萬は生牌なんに対し、南は三枚切れ。おんしならどうする?」

京太郎「そりゃあ勿論南切りですよ。もう純カラなんですから」

まこ「そうじゃろ。そんでその“三萬が生牌で南が純カラ”言う情報は、どこから得るもんじゃ?」

京太郎「それは当然、河です」

まこ「そういうことじゃ。単騎待ちは両面待ちと違って、その牌がまだ山にあるか、或いはどこかから出やすそうな牌かを考えて変えることが出来るけぇのぉ」

京太郎「だから必然的に探る様な打牌になるってことですか」

まこ「そうじゃ。まぁ、相手が上手ければ上手いほどその仕草は些細なものになるけん、注意して見んといかんがの」

京太郎「シャンポンも同じなんですか?」

まこ「基本はの。最大で四枚言うが、厳密に言えば二枚待ちが二種類じゃ。片方がもう二枚河に出ていて実質二枚しか待ちがありません、なんていう聴牌で立直はあんまりしないじゃろ」

京太郎「確かに」

まこ「じゃから単騎とシャンポンは、河をチェックする動作を見抜くことじゃ」

京太郎「ふんふむ。なるほどなるほど」

まこ「本当にわかったんけ?」



コンマ判定です。下3つめ。

00-29 なるほど、わからん。
(守備力+1、まこ好感度+2)

30-59 少しは分かったかもしれない。
(守備力+2、まこ好感度+3)

60-89 結構分かったかもしれない。
(守備力+3、まこ好感度+4)

90-99 実に馴染む指導だ……。
(守備力+4、まこ好感度+5)


京太郎「少しは、なんとか」

まこ「まーいきなり全部覚えろとは言わん。それに、そんなにすぐ覚えとったらおんしだって個人戦もうちょい頑張れたやろうしの」

京太郎「ぐぬぬ……」

まこ「結局は打って覚えるしかないけぇのぉ。わしじゃってそうじゃし」

京太郎「記憶能力でしたっけ」

まこ「まぁのう。要は数打って覚えるしかないってことじゃな」

京太郎「はい」


優希「りーっち!」

京太郎「むむ……、こうか」

優希「一発ツモー!」

京太郎「うげぇ」


京太郎(今度は立直もないし、聴牌できそうだ)

和「ロンです」

京太郎「ダマかよ!?」


咲「立直」

京太郎(咲が立直か……。でも俺もなんとか聴牌したぞ)

京太郎(七対子。一萬か九萬どっちかを切れば聴牌だ)

京太郎(どっちも無筋だけど……二分の一だし、ここは勝負だ!)

京太郎「追っかけ立直だぜ!」

咲「あ、それロン」

京太郎「うげぇ!」

咲「あ、裏乗って18,000。京ちゃんの飛びだね」

京太郎「……咲、それ、何待ち?」

咲「1-4-7 3-6-9だよ」

京太郎「六面張……だと……」

京太郎「どっち切っても当たるんじゃねぇか……」

まこ「さすがに相手が悪かったのぉ……」


△守備力が2上がりました。
△まこの好感度が3上がりました。


【9/5(木) 清澄】

京太郎「さて、今日はどうしようかな」


選択安価です。下3つめ。
※2,3の場所は別途コンマ判定にしときます

1.部室で練習をする

2.県内でスカウト

3.県外でスカウト

今日はここで終わりです。おやすみなさい。

二日続けてですみませんが、体調がアレなのでお休みさせて下さい。本当ごめんなさい

風邪ひいてるのに明華ちゃん見たさにヤンガン買いに行ったら悪化しました(逆ギレ)
すみませんが今日までお休みさせて下さい。

話は変わってその明華ちゃんですけどやべー可愛いですね。

・回想で「おやぁ? 遅刻してきてみれば」
・対局室に現れたのも最後
・開会式の列も最後

これを考えるに明華ちゃんは割と遅刻魔なのかもしれない。
いやまぁ最後のは単純に智葉辺りに「お前傘邪魔だから後ろに並べ」って言われたかも知れませんけど。
明華ちゃんには是非とも冷やし中華を食べて欲しいですね。

体調不良だったり他の書いたりで長らく休み失礼しました。
23時から始めます。


京太郎「なんだか部室に来るのも久し振りな気がするなあ」


選択安価です。下2つめ。
1.指名の話をする。
(人物併記)

2.麻雀の練習をする。
(麻雀バトル。順位に応じてステータスが上がる)

3.麻雀の特訓をする。
(人物併記。指定した人物によって上がるステータスが異なる)


京太郎「和さんちょっといいですか」

和「何でしょう……というか何故敬語」

京太郎「いやぁ……なんというかさ。咲に教わろうと思ったんだけど、何言ってるか分かんねぇしさ」

優希は優希で、「東場で稼いで逃げろ」としか言わないし、部長もあれで感覚派なのか、肝心な待ち選択が意味不明だし。

比較的丁寧に教えてくれる染谷先輩に連日聞くのも申し訳ない。

京太郎「だからここは理系の和に聞こうかなと」

和「まぁ、分からなくはないです」

理系と言うよりデジタルです、と訂正された。

俺からすれば似たようなものだ。

牌効率だのなんだのは、言ってみれば数学なんだから。

和「まず須賀君は、自分の手を気にしすぎて周りをあまり見ていないと思います」

京太郎「ああ……」

それはたまに自分でも思う。

和「牌効率と言っても、例え三面張でも河に待ち牌が全て出ていたら意味がありません」

京太郎「まぁ、そうだな」


和「いざ聴牌してから牌効率を考えても、あまり効果はありません。大事なのは聴牌よりも前の段階です」

和「デジタルというのは突き詰めて言えばいかに相手より早く聴牌するかが一番大事です。聴牌しなければ勝てません」

和「例えばターツオーバーをしている場合、どちらのターツならばより早く聴牌ができるのか、或いは点数も考慮して、どちらを選ぶべきなのか」

和「そのターツ選択で大事になるのが河ですね。辺張と両面、普通に考えれば両面ターツのほうが優先されるべきなのは須賀君も分かると思います」

和「ですが河に両面ターツに必要な待ち牌八枚が出てしまっていれば、先ほど言った通り意味のないターツになります」

和「逆に辺張ターツでも、場に一枚も出ていなければ両面ターツ最大待ち数の半分の期待値はあるわけです」

和「河は大事な情報です。河を注意深く見れば、相手の手牌もある程度仮説が立てられます」

和「そして牌効率には、相手の手牌予想も判断に組み込まれます」

和「例えば自分に辺七索のターツがあるとしましょう。河に七索が一枚も出ていないので最大四枚待ちがあります」

和「ですが河に出ていないからと言って、安心は出来ません」

和「誰かが四索か六索を切っている場合、七索はその人の手牌にある可能性があります」

和「何故なら手牌に七索を含んだターツがあり、四索が浮いている場合、河に出るのは四索だからです」

和「ちなみに今のこの話にはドラは考えないこととします」

和「次に六索ですが、七索が対子以上で、尚且つ他の索子が手牌にない場合、面子または頭として七索を固定する場合がありえるからです」

和「反対に、八、九と辺張落としをしている場合、その人の手牌に七索がない可能性があります」

和「次に……」

京太郎「……」

和「……聞いてますか?」

京太郎「あ、はい。聞いておりますとも」


京太郎「……」

和「……と、言うわけです。どうですか?」

京太郎「うん……」


コンマ判定です。下2つめ。

00-29 なるほど、わからん。
(加速力+1、好感度+2)

30-59 少しは分かったかもしれない。
(加速力+2、好感度+3)

60-89 結構分かったかもしれない。
(加速力+3、好感度+4)

90-99 すごく分かりやすかった。
(加速力+4、好感度+5)


京太郎「結構分かったと思う、うん」

和「そうですか」

京太郎「……」

和「……」

京太郎「……」

和「……」

京太郎「……あのさ」

和「……なんでしょう」

京太郎「結構教えてるときテンション高かったな」

和「……」

京太郎「人に教えるの好きだったりするのか?」

和「なんのことでしょう」

京太郎「いや、だから」

和「なんのことでしょう」

京太郎「いや、だから」

和「なんのことでしょう」

京太郎「……」

和「……」

京太郎「……なんか、ごめんなさい」

和「……いえ」


ちょっと照れてる。


△加速力が3あがりました。
△和の好感度が4上がりました。

メンバーに誘った人と特訓はできないのかな

>>516
出来ますよん、ってそうか選択肢用意してなかった! 申し訳ないでやんす
声をかけた人と会うには、電話する必要があります


【9/6(金) 清澄】

京太郎「金曜日か……」

今日を乗り切れば明日は土日で休みだ。

いや、いっそのこと今日学校をサボれば三連休になるけど、休み癖って一度つくとなかなか消えないんだよな……。

選択安価です。下2つめ。
※2,3の場所は別途コンマ判定にしときます

1.部室で練習をする

2.県内でスカウト

3.県外でスカウト

4.誰かに連絡する


コンマ判定です。下2つめ。

00-09 北海道
10-19 岩手
20-29 東京
30-39 大阪
40-49 奈良
50-59 鹿児島
60-69 福岡
70-79 兵庫
80-89 埼玉
90-99 その他
※ぞろ目でプロ出現


京太郎「取り出したるは、日本列島の地図」

京太郎「それを壁に貼りまして……」

京太郎「次に目隠しをします」

京太郎「そして……このダーツを……」

京太郎「そぉい!」スターン

京太郎「日本列島、ダーツの旅。結果は?」

京太郎「岩手かぁ……寒そうだなぁ。まだ九月だけど」

京太郎「ん? 岩手?」

京太郎「そういえば、確かうちらが全国で戦った相手じゃないか、岩手」

うちらというか、咲達だけど。

京太郎「どうせなら会って麻雀とか出来たらいいな」

そうと決まれば準備しないとな。

金曜だから……、ついでに土日も向こうで過ごしてもいいかもしれない。

夏休みが終わったばかりでまた旅行、しかも今度は北国。

我ながら自由奔放な生活してるな。

まぁ、いいか。


京太郎「こんなもんでいいかなぁ、と」

とりあえず防寒着を余分に用意して、キャリーケースに詰め込む。

長野は意外……でもないかもしれないが、冷え込むことが多い。

なので寒さには慣れていると思うけれど、北国の本格的な冷えを甘く見ないほうがいいだろう。

とはいえ、まぁ、九月なので吹雪に遭遇したりすることはないとは思う。多分。

むしろ良い避暑旅行になるのではなかろうか。

京太郎「……お土産、買った方が良いかな、うん」

部長と優希がうるさそうだし。

京太郎「じゃあ駅にでも……ん?」

と、携帯が鳴る。

見ると相手は戒能プロ。

はて、またテレビの話だろうか。

……って、なんだか随分偉そうな言い方だ。

売れっ子アイドルじゃあるまいし。


京太郎「もしもし」

良子「グッドモーニングです」

京太郎「え、あ、はい」

良子「どうですか、上手くいってますか」

京太郎「まぁ、ぼちぼちですかね」

良子「なるほど。岩手ですか」

京太郎「へっ!?」

良子「丁度いいですね」

京太郎「な、何がですか」

良子「いや、ノープロブレム。どうぞ良い旅を」

京太郎「ちょ、ちょちょちょ!」

良子「シーユー」

切れた。

京太郎「な、何で俺が岩手に行くことを……」

京太郎「盗聴か? 盗撮か?」

京太郎「……」

あの人は一体何者なんだろう……。


謎の電話に怯えながらも、駅までやってきた。

岩手に行くにはどうしたらいいのだろうか。

京太郎「うーん……」

予め駅まで歩く途中に携帯で調べたところ、片道で一万円かかるそうで。

改めて自由なことしてるなぁ、俺。

京太郎「経費で落ちないかなこれ……」

そんなことをぼやきながら、まずは長野駅へ向かう。

ローカル線を何駅か乗り、そこから新幹線あさまへ。

一時間と少しの間を仮眠して、ついで次の新幹線。

新幹線の乗り継ぎなんて中々に面倒なことをしている。

京太郎「……、げ、二時間半もかかるのか」

まぁ、当然といえば当然か。

長野駅から埼玉大宮駅、そしてそこから新幹線はやてで新花巻。

一旦駅構内で何か食べるか、それとも折角だから駅弁でもいいかもしれないな。

京太郎「まぁ、まずはトイレにでも行くか……」


京太郎「ええと、トイレはどっちだ?」

きょろきょろと周りを見渡す。

良子「真っ直ぐいってターンライトですよ」

京太郎「!?」

耳元で囁かれてつい飛び上がってしまった。

一歩二歩下がり、相手を凝視。

京太郎「な、なんで戒能プロがココに!?」

てっぺんからつま先まで見るものの、やっぱり本物だ。

いや、偽者だったらそれはそれでより複雑な状況になってしまうけど。

というか、何故背後から声をかけるんだろうこの人。

からかわれているんだろうか。

良子「まぁ、それはともかく」

京太郎「それは俺のセリフなんすけど!?」

つかみどころがなさ過ぎる。

いや、というか言うべき事が多すぎて何から言っていいのか分からない。

京太郎「あの、なんで俺が岩手に行くって」

良子「霊に聞きました」

京太郎「え?」

良子「ジョークです」

京太郎「……」

良子「あまり霊は好きではない?」

京太郎「いや、そういう話ではなくてですね……」


良子「霊は嫌いではないと」

京太郎「いやメモしなくていいです、ていうか仮に霊が好きだとしたら俺どうなるんですかね」

良子「それは……」

京太郎「それは?」

良子「……」

京太郎「……」

良子「……ふっ」

京太郎「なんで笑った!」

良子「いや、ソーリー。思い出し笑いです」

京太郎「後でやってくださいよ紛らわしい!」

良子「いやぁ、今朝役満和了ったんですよ」

京太郎「しかも超どうでもいい思い出し笑いですね!」

何なんだこの人!

良子「話を元に戻しましょうか」

京太郎「俺が逸らしたみたいな言い方やめてくださいよ……」

良子「トイレは真っ直ぐ行って……」

京太郎「あ、そこまで戻ります? そこまで戻っちゃいます?」

なんならこのまま立ち去ってしまいたい。


京太郎「あの、俺新幹線の時間があるんで、これで失礼しても良いですかね」

良子「遠慮しなくていいですよ」

京太郎「むしろ遠慮してくださいよ」

良子「……お。着ましたね」

京太郎「え?」

戒能プロの目線に釣られて、振り返る。

……が、そこにはただ人が行きかっているだけで、特別誰か知っている顔があるわけでもない。

良子「どうしたんですか急に振り返って」

京太郎「いや、あなたが俺の後ろを見るからですね」

良子「いや、私は背後霊を見てただけですよ」

京太郎「霊の話はもういいですって」

良子「と言うのはジョークで。来ましたよ」

京太郎「釣られませんよ、もう……」

良子「グーテンモルゲン、皆さん」

京太郎「騙されませんからね……」

咏「騙す? 何の話だい?」

京太郎「だから、そんな……うぇっ?」


振り返る。誰もいな……あ、いた。

咏「おーい、今一瞬マジで見落とそうとしただろぅ」

京太郎「いやそんな、滅相もありません」

いや、まぁ。

……五十センチ差あるから。つい。

咏「まぁ別に良いけどねぃ」

ぺしぺしと閉じた扇子で背中を突かれる。

どうやらあまり気にしていないようだ。良かった。

京太郎「……、いや、ていうか、いや。いやいや」

良子「どうしました?」

京太郎「どういう状況ですかこれ? なんで三尋木プロがいるんですか? ていうかそもそもなんで戒能プロもいるんですか? 何がどうなってるんですか?」

咏「確かに、なーんで清澄の兄ちゃんがいるんかねぃ」

京太郎「え? 何? どういうこと?」

良子「イージーな話ですよ。偶然です」

京太郎「偶然……」

良子「イエス。偶然です」

京太郎「そっかぁ、偶然かぁ。良かった良かった」

……。

……。

京太郎「ってそんなわけあるかぁ!」

咏「おおぅ」


京太郎「そもそもなんで俺が岩手に行こうとしてるのが分かったんですか!?」

今朝たまたまダーツで決めただけで、俺自身でさえどこに行くか分からなかったのに。

良子「いやぁ……偶然です」

京太郎「で、なんで三尋木プロまでいるんですか!?」

咏「あたしは単に旅行だぜぃ」

京太郎「旅行ぅ~?」

咏「そそ。インハイ終わったじゃん? 実況とか一杯あったかんねぇ。温泉入って酒飲むんだよ」

京太郎「ほんとですかぁ~?」

良子「めっちゃ疑ってますね」

京太郎「そりゃあ疑いますよ……」

咏「ていうか、あたしだけじゃないしねぃ」

京太郎「?」


はやり「遅れてごめんね☆」

健夜「あぁ、眠い……帰りたい……」

咏「ひひっ」

京太郎「えっ……なに、これは……」

良子「いやぁ。偶然って怖えーですね」


京太郎「……」

良子「どーしました、須賀少年」

京太郎「いや、なんていうか。何ていえばいいのか」

とりあえず最初に思った一言。

京太郎「服装バラバラすぎません、皆」


健夜「……」
はやり「……」
良子「……」
咏「そうだねぃ」


ぱっと見何の集団かまるで分からない。

いや、まぁ、ぱっと見で分かるほどのプロの方々だけども。

それにしても、これはひどい。


健夜「……」

健夜「……はい」

小鍛治プロが、謎の挙手。

良子「どーしました?」

健夜「ちょっと全員集合。そこの男の子以外集合」

はやり「どうしたのかな?」

良子「トイレは真っ直ぐいって……」

健夜「いいから! 集合!」


健夜(なんで!? なんでここに若い男の子がいるの!?)

咏(落ち着こうぜぃ、どうしたのさ)

健夜(いやだって見てよ、私のこの格好! おしゃれ要素皆無だよ!?)

良子(髪はねてますよ)

健夜(でしょ!? いやでしょじゃないやそれほんと!?)

はやり(ていうか、お酒の臭い抜け切ってないよん☆)

良子(あ、ほんとですね。日本酒の臭いが)

健夜(がっでむ! なんでいってくれないの! 言ってくれればもうちょっと準備したのに!)

咏(普段からあんまり化粧してないんだし良いんじゃないかねぇ)

健夜(よ゛く゛な゛い゛よ゛!? もうナチュラルメイクで誤魔化すのもギリギリなんだよ!)

良子(ギリギリセーフなんですね、自分の中では)

はやり(それははやりの傷も抉るからやめてね)

健夜(んもおおおおおおんどうしよおおおおおおおん!)

良子(いやもう駄目でしょう、ここまで来たら。運よく気付かれないことを祈りましょう)

健夜(恨むからね! ばれたら恨むからね!)

咏(あー面白い)


咏(っていうかさぁ、仮にも旅行なのになんでそんな簡素な服なのさ)

良子(ビックリするぐらい簡素な服ですね)

健夜(二人して簡素簡素っていうのやめて!)

はやり(日付が今日になるまで飲んで、そこから“あ、旅行の準備してないや”だったんだよ)

健夜(やめてよぉ)

はやり(そのせいでタンスから適当に鞄に着替え突っ込んだだけだから、下手したら下着足りないんじゃないかな)

健夜(やめてよぉ……)

良子(化粧以前の問題じゃないですか)

咏(くっ……くくっ……やばいツボに入った)

はやり(それで鞄につまみの袋ぶちまけてたから、多分着替えからピーナッツ出てくるよ☆)

良子(……ふっ)

咏(くっ、くひっ、苦しい……)

健夜(やめてよぉ……)


健夜(っていうか、なんで一緒に飲んでたはやりちゃんはケロっとしてるの!)

はやり(若さだよ☆)

健夜(私と変わらないでしょ!)

良子(そういえばそうでしたね。言われれば言われるほど不思議です)

咏(ふ、ふふっ、ふひっ)

健夜(そこぉ! いつまで笑ってるの!)

良子(やはり格好の問題ではないでしょうか)

健夜(私にこんなファンシーメルヘンな服着ろって言うの? 公開処刑だよそれ)

咏(ぶふっ)

健夜(うおい)

良子(そんな格好した日には間違いなく恒子嬢がはしゃぎますね)

健夜(安易に想像つくなぁ……)

はやり(気持ちが若くないと着れないからね☆)

健夜(若いっていうかもう痛いよ。色彩も目に痛いよ)

はやり(やめてね)


京太郎「あのぉ……」

健夜「なに!」

京太郎「ひぃっ」

健夜「あ゛」

そろそろ新幹線の切符を買いたいのに……なんで俺が怒鳴られないといけないんだろう。

小鍛治プロはなんか落ち込んだりまくしたてたり忙しそうにしているし、三尋木プロはなんだかずっと笑いを殺しすぎて泣いてるし。

瑞原プロは時折真顔になる以外は概ねテレビで見る通りか。

戒能プロは……もうあの人は良く分からない。

京太郎(しかし、改めて凄い絵だ)

小鍛治プロは、なんかえらく簡素な服装だけど、三尋木プロは着物だか和服だし、戒能プロはスーツだし、瑞原プロは、なんていうか、なんか、凄いし。



健夜(そういえば、理沙ちゃんは?)

良子(誘う前に実家に帰ってました)

咏(福岡だっけ)

はやり(っていうか、多分健夜ちゃんがいるから来ないよ)

健夜(えっ。なにそれ)

はやり(前に散々理沙ちゃんに絡み酒して潰したの覚えてないの?)

健夜(……)

咏(あ、それ覚えてる。酷かったねぃ)

良子(泣いてましたよ)

健夜(お、覚えてない……。というかあの子いつも怒るか泣くかだからなぁ)

良子(酷い)

はやり(ひどい)

咏(くくっ)


良子「そろそろ新幹線の時間ですし、行きましょうか」

咏「そうだねぃ」

良子「と、いう事でどうぞこれを」

京太郎「へ?」

ようやく話が終わったらしい。手持ち無沙汰だった俺に、戒能プロが何かを差し出した。

これは……切符、だ。

京太郎「ええと」

良子「まだ切符を買っていないでしょう。貰ってください」

京太郎「え、良いんですか?」

良子「長野から岩手までは費用がかさむでしょう。まぁ、経費のようなものです」

京太郎「ありがとうございます。……、じゃあ、お言葉に甘えて」

健夜「……!」

健夜(もし隣になったらどうしようやばいやばいやばい)



コンマ判定です。下2つめ。

00-19 健夜の隣
20-39 良子の隣
40-59 咏の隣
60-79 はやりの隣
80-99 ???


健夜「助かった……」

安堵する小鍛治プロ。

もしかして俺、嫌われてるのだろうか。

或いは良く知らない異性にいきなり隣に座られても、嫌なのかもしれない。

健夜「いや、そういうわけじゃ……」

咏「ちぇー、一人席かぃ」

はやり「じゃあはやりが健夜ちゃんの隣だね☆」

京太郎「……という事は」

良子「そういう事ですね」

京太郎「……」

良子「……」

京太郎「……」

良子「……」

京太郎「三尋木プロ、席を交換しませんか」

咏「んー?」

良子「失礼ですね、須賀少年。私が不満と?」

不満と言うか不安なんです。

何言ってくるか分からないんだものこの人。

今日はここまでです。おやすみなさい。

それじゃ始めますね。


京太郎「あ」

良子「どうしました」

プロの人達との遭遇ですっかり食事を忘れていた。

大宮駅から新花巻駅まで、新幹線で二時間半。

その間空腹をもてあますわけにもいかないので、新幹線の車内販売でも利用しようか。

良子「こういう旅行での駅弁は、風情がありますね」

旅行か……。

傍から見たら、俺も旅行者に見えるのだろうか。

プロに拉致されたように見えてくれるなら、いっそ助けてもらえるのかもしれないけど。

良子「何か不満でも?」

だから不満と言うか不安なんですよ。

はやり「綺麗どころ捕まえてなかなかつれない子だね☆」

ずいと頭の上から声が降ってくる。

後ろの席に瑞原プロと小鍛治プロ。

通路を挟んで反対側の廊下側に三尋木プロ。

ちなみに、三尋木プロの隣は空席で、荷物が置かれている。


良子「まぁ、それはともかく」

はやり「ひどいっ」

良子「車内販売が来ましたよ。何か買うんですか?」

京太郎「あぁ、はい。そうですね……」



選択安価です。下2つめ。

1.無難に駅弁

2.スイートでメルヘンなスペシャルケーキ

3.昼間から飲む酒は最高だぜ!

4.カレーうどんを食べよう


アルバイト「よろしければどうぞぉ」

舌足らずなアルバイトの押す台車を呼び止めて物色する。

単に買うだけでなく、何があるのか見るのも楽しみのひとつなのだ。

京太郎「へぇ、駅弁だけじゃなく色々あるんだなぁ」

京太郎「……ん?」

三段に分かれた台車の一番上と真ん中には、所狭しと色々な商品が詰められている。

駅弁は勿論、飲み物やお菓子、或いは新聞だったり酔い止め薬だったり、まるで駅のホームにある売店をそのまま凝縮したかのよう、なの、だが。

何故か一番下の段だけ、隙間がある。

いや、隙間と言うと語弊があるか。

一応そこには商品と思しき紙製の箱がある。

だが、それしかない。

上二段と違い、その箱以外には何もない。段の殆んどを占拠してしまっている。

縦横六十センチ四方、高さは三十センチほどの大きな直方体の箱だ。

良子「でけーですね」

京太郎「そうっすね……」

京太郎「あの、これも商品なんですか?」

アルバイト「そうですよぉ」


アルバイト「こちらに目をつけるとはさすがですよぉ。朝から丹精こめて作った自信作なのです」

京太郎「そ、そっすか……」

という事は、一応分類上は食べ物と言う扱いになるらしい。

ものすごく失礼な表現をしているかもしれないとは思うが、なんとなくいい予感はしない。

良子「ユー、買っちゃいなよ」

京太郎「何キャラですか」

アルバイト「ゆー、買っちゃいなよ」

乗るのかよ。

まぁ、よほど不味いものでなければいいんだけれども。

京太郎「えー……ちなみにお値段は」

アルバイト「いちまんえんです」

京太郎「たっけぇ!」

予想以上に高かった!

良子「良いじゃないですか、私が新幹線の切符を買ってあげたでしょう」

京太郎「これかったら往復買えますから」

片道五千三百三十円である。

ちなみにこれはあくまで戒能プロに買ってもらった分、つまり大宮から新花巻までの料金だ。

現実にはその前の長野大宮間の新幹線で二千円以上使っている。

俺の自宅から目的地までの移動費より若干高い食べ物ってなんだろうか。


良子「ここで女子の気持ちに応えないでどうするんですか」

京太郎「意味わかんない事言わないで下さいよ肘でつつくのやめてくださいよ」

同級生のノリじゃないんですから。

京太郎「うーん……」

高い。

あまりに高い……が。

気になるのもまた事実。

恐らく今を逃したらもうお目にかかることはないだろう。多分。

京太郎「まぁ、折角ですし、じゃあ……」

アルバイト「ありがとぉございまぁす」

京太郎「はい」

一万円と引き換えに、バカでかい箱を貰った。

すでにこの時点で一万四千円の出費か……。

多めに持ってきて正解だったかもしれない。

いや、正解だ。

アルバイト「それではお客様、良い旅をぉ」

ぺこりとお辞儀をして、アルバイトらしき女性は去っていった。

後に残されたのは、謎の紙製の箱。

このままこれを膝の上においていても仕方ないし、まぁ、食べ物なんだし、食べるしかないだろう。

良子「さて中身は」

京太郎「よいしょ、っと……」

京太郎「……」

良子「……ふむ」

京太郎「……なんじゃあこりゃあ」

ケーキだ。

馬鹿でかいケーキだ。


京太郎「うわぁすげぇ、サンタにトナカイに妖精までいるー」

京太郎「氷の上でお姫様が踊ってるぞぉ、綺麗だなぁ」

京太郎「チョコレートの河に、お星様が流れてるぅ」

京太郎「食べるのが勿体ないなぁ……」

京太郎「……」

京太郎「……じゃねぇよ! なんじゃこりゃあ!」

今何月だと思ってるんだよ!

九月だぞ!

良子「うわぁ、ノリツッコミ下手ですね」

京太郎「そこ反応します!?」

良子「一体何時間かかって作ったんですかね」

京太郎「いやそれもどうでもいい!」

良子「ていうかすげー似合わねー組み合わせですね」

京太郎「いやそこも違……いや間違ってはいないけど!」

確かにこう言うのは俺じゃなくて、どちらかというと瑞原プロのジャンルだけど。

と言うかそれ以前に、こんな馬鹿でかいケーキ食べきれるわけがない。

いくら朝から食べていないとは言え、新幹線の中でこれを食べきるのは絶対に無理だ。

はやり「わぁ可愛い☆」

京太郎「良かったらどうぞ、差し上げます」

はやり「……」

はやり「……」

はやり「……いや、ちょっと、全部は」

京太郎「汗出てますよ」


はやり「皆で食べよ☆ 幸せは分け合うものですっ」

良子「あ、私寝るので」アイマスクー

京太郎「自由だなぁこの人!」

はやり「う、咏ちゃん」

咏「え?」グビー

京太郎「酒飲んでる!」

はやり「こうなったらすこ……」

健夜「……」フシュー

はやり「……」

京太郎「……」

健夜「……うぅ」フシュー

はやり「……なに、やっとるや」

健夜「シューマイ弁当……美味しそうだったから……」グスッ

京太郎「車内でジェットしないで下さいよ……」

健夜「だって……お腹すいてたんだもん……」

はやり「シューマイとケーキの匂いが混ざってやばか……」


健夜「だって朝ご飯食べてなかったんだもん……」

はやり「とにかく、それを早く食べちゃって」

京太郎「そうですね……」

匂いの素だし。

健夜「親子丼にすればよかった……」

どちらにしても対して変わらない。

半べそをかきながら焼売を食べる人なんて初めて見た。

というか多分、最初で最後の光景だろう。

こんな光景何度もあってたまるものか。たとえ場所がどこであろうとも。


健夜「あーでも美味しい」

はやり「良かったね……」

京太郎「はい……」

それは良かったですね。

こっちは全く箸が進まない。

戒能プロは本気で寝てるし。

いっそ口につめてみようかとも思ったけれど、さすがにそれはしない。


健夜「ごちそうさまー」

健夜「……」

健夜「……」チラッ

健夜「……」チラッチラッ

咏「飲む?」

健夜「ど、どうしようかなぁ。迷うなぁ」

全然表情が悩んでいない。

緩やかというか、嬉しそう。

咏「缶ビールだけどねぃ」

健夜「あー」

健夜「……じゃあちょっとだけ」

結局飲むのか。

健夜「はいちょっと前ごめんね、はやりちゃん」

はやり「酔っても介抱しないゾ☆」

健夜「大丈夫ですよーだ」

はやり「昨日それで乾電池かじってのた打ち回ってたのは誰かな?」

健夜「うぐっ」

京太郎「……」

もはや何も言うまい。


はやり「……隣、来る?」

京太郎「……はい」

ケーキを取り分けて、もくもくと二人で食べる。


はやり「……」モクモク

京太郎「……」モクモク

はやり「……」モクモク

京太郎「……」モクモク

良子「Zzz...」

咏「岩手ってあれだねぃ、美味しいビールあるじゃん」

健夜「えっほんと。やった」

咏「あとはー、國華大吟醸とか國華本醸造みたいだねぃ」

健夜「大吟醸遠野河童の盗み酒っていうのも聞いたんだけど、本当にあるのかな。飲んでみたい」

京太郎「……」モクモク

はやり「……」モクモク

京太郎「……」モクモク

はやり「……」モクモク

京太郎「……」モクモク

はやり(あ、これダメ吐きそう)


良子「着きましたね、宮守」

健夜「ビール! ビール!」

咏「まずはどうすっかねぃ。かさばる荷物は予め宿に送ってあるから、動けるけど」

良子「そうですね……」

良子「……ん?」

はやり「……」

良子「どうしました、はやり嬢」


はやり「寒い気持ち悪いお腹痛い」ガクガク


良子「うわぁ……」

健夜「だから言ったのに、九月だけど長袖くらい着たほうがいいって」

咏「ノースリーブは頑張りすぎでしょ」

はやり「まだ若いから大丈夫だと思っただけです」ブルブル

健夜「今なんて?」

良子「ここぞとばかりに反撃してますね」

咏「くひひ」


京太郎「あ」

そういえば、防寒着一着余分に持ってきてたな。

まさかこんな形で役に立つとは思ってなかったけど、どうしよう。

貸すとなると、必然的に誰かを選ぶことになるけど……。


選択安価です。下2つめ。

1.はやりに渡す

2.咏に渡す

3.健夜に渡す

4.良子に渡す

5.渡さない

6.いっそ通りすがりの誰かに渡す


まぁ……うん。

ここで別の人に渡すと言うのも面白そうだけど、まかりなりにも女性相手だしやめておこう。

女性には紳士なのである。

あと、一緒にケーキの牙城を崩すのに頑張ってくれたし。

食べ切れなかったけど。

京太郎「あぁ、これ、よかったらどうぞ」

咏「お。気がきくねぃ」

良子「良かったですね、はやり嬢」

はやり「……」ジーン

はやり「だんだ……、ありがとねっ☆」

健夜「なるほど……」


(朝~ここまで)
△はやりの好感度が8上がりました(ケーキ&コート)
△良子の好感度が4上がりました(隣席)

全然進んでないですけど、今日はここでおわりにさせてください。

遅くなりました、始めますねー


【9/6(金) 岩手】

咏「よくよく考えたらさ。今、昼じゃん?」

京太郎「えぇ、まぁ」

咏「そんで今日は金曜」

良子「それが何か?」

咏「いやぁ」

閉じた扇子で空で円を描く。

口癖ならぬ手癖なのだろう。

咏「宮守の子達、まだ学校なんじゃないのかねぃ」

京太郎「確かにそうですね」

良子「というか、何故須賀少年は今日ここにいるんでしょう」

京太郎「今それ聞きます?」

まぁサボリなんですけれども。

良いじゃないたまには。

咏「真面目すぎるより良いんじゃないかい」

知らんけど、と続けて、からっと笑った。

さっぱりしている人である。


京太郎「というか、宮守高校にいくのなら、新幹線でお酒飲まないほうが良かったんじゃないですか?」

咏「少しくらい大丈夫だよ。後ろは知らんけど」

京太郎「えぇ、まぁ……」

後ろと言うのは、文字通り俺たちの数メートル後ろを歩く二人のことである。

瑞原プロと小鍛治プロ。

瑞原プロについては、何も言うまい。

三尋木プロと同じく缶ビールを飲んでいた小鍛治プロは、ややふらふらと足元が心許ない。

同じ量を飲んでいたと思うのだけれど、この差はなんだろう。

京太郎「三尋木プロの方が、お酒に弱そうなイメージだったんですけど」

咏「そうかい?」

というより、小鍛治プロがザルなイメージ。

咏「最終的に強いのは向こうだけどねぃ」

京太郎「と、いうと?」

良子「小鍛治プロは終始あんな感じなんですよ」

なので、缶数本だろうが、一升瓶数本だろうが、あんな感じらしい。

京太郎「なるほど」

反対に三尋木プロはあまり顔に出ないんだそうだ。

咏「良く言われるねい」

京太郎「へぇ」


京太郎「確かに、全然変わらないですね」

きっちり防寒着を着てきた俺と違い、いつもテレビで見るような和服である。

和服でも生地の厚さの違いはあるだろうけれど、見ている分には俺よりは寒そうだ。

加えてアルコールが入っている事を考えたら、多少なりとも顔に出ても良さそうなものだけれど。

良子「出ませんね、確かに」

じっと三尋木プロの顔を見るも、特に変化はない。

……、二人して三尋木プロをじっと見ているこの光景、傍から見ると不思議だろうな。

咏「二人して見なくてもいいんじゃないかねぃ」

やや小さめに扇子で円を描く。

そしてぱっと扇子を開き、顔を隠されてしまった。

京太郎「あ、すいません」

良子「女性の顔を覗き込むのは良くありませんよ」

京太郎「いや戒能プロもですよねそれ」

良子「私は同性だから良いんです」

そういうものなのだろうか。

そういうものかもしれない。

京太郎「すいません」

再び扇子を閉じた。

猫のような笑い方をする人である。


授業が終わるタイミングを見計らい、宮守高校へと足を運ぶ。

しかし、今朝戒能プロと会った際には、旅行だと言う話だったけれど。

こうして高校に来ている以上、やはり誰かが誰かに目をつけているのかもしれない。

プロの誰かが、宮守高校の誰かに。

良子「さぁ、どうでしょう」

咏「唯の暇つぶしかもしれないぜぃ」

どうにもこの二人の裏をかくのは難しい。

表情や言葉から、その内面を推し量るのが難しい二人だ。

瑞原プロはテレビの企画には参加していないので、或いは小鍛治プロであれば多少は分かるのかもしれないけれど。

ただ、小鍛治プロにしたって、自分が指名したい選手を堂々と言うわけもないし。

結局のところは想像の域を出ない。


清澄高校よりは築年季が古そうな廊下を進み、麻雀部へと向かう。

鉄筋コンクリートでピカピカの廊下より、木造の方が落ち着くのは、やはり自分が田舎者だからだろうか。

そんな事を考えつつ、ようやく宮守高校の麻雀部の部室へとたどり着く。


扉を開けた瞬間、暖かい空気が流れ込んできた。

入り口付近のストーブに目をやり、ついで部室全体を見渡す。

そしてこちらを見やる部員の人たちと目線が合わさった。


咏「突然悪いねぃ」

先陣を切って口を開いたのは、三尋木プロである。

塞「いえ、こちらこそ、わざわざ遠いところまで足を運んでくださり……」

真っ先に対応したのは、明るい茶系統の髪をショートにした女子生徒。

確か、インターハイの抽選会で、くじを引いていた人だ。

であれば、ここの部長なのだろう。

落ち着いていて、しっかりしていそうだ。

ある意味では代表者同士の会話から一旦目を離し、再度他の部員を見てみる。

最初に目がいったのは、背が高い女子生徒。

俺と同じくらいの身長でさえ、今まで会った中では龍門渕の井上さんだけだったのに、それより十センチ以上高いように見える。

当然俺よりも十センチ以上背が高く、思わず目が行ってしまった。

その本人は、反対に背が高くないショートカットの生徒と何かを話している。

彼女の背が高いのか、それとももう一人の背が高くないのか、或いはその両方なのか。

目の錯覚でも起こしているような気分になりつつ、軽く頭を振った。


残りの二人のうち片方は、麻雀卓に顔を突っ伏しており、表情は見えない。

その突っ伏した生徒の隣で何やら絵を書いているのがこの部の最後の一人である金髪の子だ。

清澄高校もそうだけれど、この宮守もまた、部員数はギリギリなようで。

鶴賀や龍門渕も人数としては下限に近く、近年麻雀人口が増加傾向にあると言うニュースは本当なのかどうかどうにも疑問になってしまう。

多いところと少ない所の差が激しいのだろうか。

風越や姫松、或いは白糸台などは部員数が相当に多いと聞いた事があるし。

野球などと同じで、強豪校が中学の頃から選手を青田買いしていたり、また逆に、今は生徒のほうから進んで強豪を選ぶ時代なのだろう。

全国に行くために部活を自分で作る人など、まさかいるはずもあるまいし。



京太郎「さて、どうしようかな」


選択安価です。下2つめ。

1.三尋木プロと部長(?)の話に混ざる

2.背の高い生徒に話しかける

3.背の低い生徒に話しかける

4.寝ている生徒に話しかける

5.絵を書いている生徒に話しかける

6.それよりプロに話しかける


京太郎「あの、大丈夫ですか」

やはり気になったのは、突っ伏している人である。

体調でも悪いのかもしれない。

白望「ん? んー……」

もぞもぞと突っ伏したままの顔を左右に振りながら、緩慢とした動作でもって顔を上げる。

白望「……、……。あれ」

死んだ魚──といったら失礼なのでやめよう。

打ち上げられた魚のような瞳……も失礼か。

ともかく、なんというか、なんだろう。

面倒な二者択一をさせられているような表情だ。

やはり体調でも悪いのかもしれないけれど、よくよく振り返ってみれば、インハイでもこんな感じだった様な気がしないでもない。

さすがに対局中に卓に突っ伏してはいなかったものの、それ以外は概ね同じだ。

白望「エイスリン、髪切った?」

エイスリン「シロ!?」

隣の女子生徒が良いリアクションで驚いている。

あぁ、同じ金髪だからかなぁ。

……。

……いや間違いないだろ普通。


事情を説明しながら、近くの椅子に座らせてもらう。

あー、へー、と気だるそうな相槌を打ちながら話を聞く小瀬川さんはどうやらテレビの企画は知らないようで。

白望「それでわざわざここに?」

京太郎「えぇ、まぁ」

白望「大変だね」

面倒そうな口調で、実際面倒なのだろう。

白望「そういうのは、私より、豊音に聞いたほうがいいと思うよ」

私はあまりテレビは見ない、と付け足された。

その豊音──姉帯さんは、どこからか取り出した色紙を持ち、小鍛治プロと瑞原プロに突撃している。

物凄く困った表情を浮かべた小鍛治プロと、慣れているのかあっさりと承諾した瑞原プロの差は一体なんなのだろう。

京太郎「まぁ、単純に何で寝ているんだろうと思いまして」

白望「あぁ……」

体調が悪いのでなく、唯単に気だるいのだそうだ。

エイスリン「ナマケモノ!」

……どうやら、いつもこうらしい。


白望「……、……。そっか、清澄か」

しばしの間考え込んでいた小瀬川さんが、再び口を開いた。

白望「二回戦で当たったっけ」

京太郎「えぇ、まぁ。俺は男子なので、直接対戦したわけではないですけど」

エイスリン「キヨスミ」

さらさらとペンを走らせるエイスリンさん。

トロフィーの絵という事は、優勝のことを言っているんだろう。

俺がどうこう頑張ったわけではないけれど、どれでも自分の学校の優勝は嬉しいものだ。

京太郎「あ、どうも」

エイスリン「チョットクヤシイ」

白望「……」

エイスリン「オメデトウ!」

白望「……、おめでと」

京太郎「……、ありがとうございます」

白望「それで」

京太郎「?」

白望「わざわざ来たってことは、誰かに声かけようとしてたんじゃないの」

京太郎「あぁ、それはですね……」

それもそうだ。

わざわざここまで来てただ話して終わりと言うのも味気ない。


選択安価です。下2つめ。

1.指名の話をする
(人物名併記)

2.白望と連絡先を交換する

3.そんなことより麻雀しようぜ


京太郎「……麻雀をしにきました」

白望「……、……」

白望「……、……なんで?」

京太郎「なんででしょうねぇ」

エイスリン「マージャンスル?」

京太郎「まぁ、折角なので」

自分の高校以外で、全国に出場した人たちと打てる機会なんてそうはない。

龍門渕の人たちもある意味ではそうだけれど、俺が直接インハイの会場で観戦した相手なので、やはり一度くらいはお手合わせして見たいと思うのだ。

白望「だるい……」

京太郎「そんな事言わないで下さいよ……」


選択安価とコンマ判定です。
選択安価は下2つめ。

1.対戦する

2.白望に麻雀を教えてもらう


1を選んだ場合の対戦相手のコンマ判定は下3つめ以降2人埋まるまで。

00-24 エイスリン・ウィッシュアート
25-49 鹿倉胡桃
50-74 臼沢塞
75-99 姉帯豊音


「焼却炉で燃えていた遺体だけど」
「うん」

 話を聞く限りでは、その日は休日で、全員が学校に登校していたわけではなかった。
 恐らく部活のために登校していた生徒のうちの誰かだろう。

 とはいえ、文化部だって休日に部活はする。

 そういう意味では、平日だろうが休日だろうが、対してそこに差は感じられない。

「むしろなんでそれで、被害者が麻雀部の誰かだって限定できたんだ?」
「んと。遺体が鍵、持っとったんよ」
「部室の?」
「うん」

 それなら合点がいく。
 確かにそれなら、遺体が麻雀部の誰かだと思うだろう。
 尤も、だからと言って確実にそれが麻雀部の誰かだと言う保証にはならないとも思うが。
 遺体の身元が分かっていない以上、断定しすぎるのも良くない。

 “顔の無い遺体”以上に疑うべきものは、そうはないのだから。

「……、遺体から身元は分からないのか?」
「持ってたものが何もないし、顔は勿論指紋も分からんのや」

 時間を掛ければ分かるやろうけど、と荒川憩が続ける。

「確率だけで言えば、五分の一、か……」

 阿知賀女子の麻雀部部員は五人だけ。
 あくまで遺体が麻雀部の部員であると言う仮説を前提としているものの、その前提で言うならば、顔のない遺体はその内の誰かという事になる。

「指紋まで焼かれてるとは、随分丁寧な仕事だな」
「感心せんといてや、もう……」

 はぁ、と溜息を吐く荒川憩。

 阿知賀女子麻雀部。

「もこちゃんやって、一緒に打ったの覚えてるやろ?」
「まぁな」

 ついこの間の出来事だ。

「……、……」

 リボンをくゆる。

 何故、身元を隠すような焼き方をしたのに、部室の鍵を持たせたのだろうか。
 それが焦点になりそうだ。

間違えましたすいません



京太郎「……って、いっても、俺自身は個人戦で地区大会で負けたレベルなんで、相手にならないとは思います」

白望「そうなの?」

京太郎「えぇ、まぁ。なので、ここは麻雀を教えていただけたらな、と」

白望「……、面倒だなぁ」

どう転んでも面倒らしい。

京太郎「一局対戦するよりは楽だと思いますよ、多分」

白望「そうかな」

いや、まぁ。

東数局で飛ばされればそっちの方が早く終わるだろうけど。

それはあまりにみっともないし、そんな奴に指名されても複雑だろうし。

プロの前であまり恥を見せるのもな……。

京太郎「教えるだけなら、多分他の人も混ざってくれそうですしね」

白望「……、……」

少し視線を宙に浮かせて、考える小瀬川さん。

白望「……、エイスリンは?」

エイスリン「イイヨ!」

白望「……、じゃあ、そういうことなら」

渋々と言うわけではないが、のんびりとそう答えた。

京太郎「じゃあお願いします」


京太郎「そういえば、インハイで観てましたけど、小瀬川さんって時々悩むじゃないですか」

というより、部長がしていた話を思い出しているに近い。

それを先に聞いていなかったら、多分自分だとあまり気にしていなかったかもしれない。

白望「あぁ……」

京太郎「あれは、何を考えてるんですか?」

白望「……、……」

白望「……、……」

京太郎「あ、説明が難しいなら無理にしなくても大丈夫ですよ」

なんだかここ最近、教わる人教わる人が悉く俺に合っていない気がする。

咲や天江さんはまだしも、和までああなるとは思っていなかった。

いや、和はまだ理論的だったけど。

あれはどちらかというと性格というか、スタンスの問題か。

理論派過ぎるのも中々に問題なようだ。



コンマ判定です。下2つめ。

00-29 なるほど、わからん。
(攻撃力+1、好感度+2)

30-59 少しは分かったかもしれない。
(攻撃力+2、好感度+3)

60-89 結構分かったかもしれない。
(攻撃力+3、好感度+4)

90-99 すごく分かりやすかった。
(攻撃力+4、好感度+5)


あかんまた誤送信しそうになった。
明日また更新しますので睡眠させてください。

ちなみに今の京太郎君のスペック。

京太郎
総合力:F(10/100) あと10でランクアップ
攻撃力:G(9/100) あと1でランクアップ
加速力:G(9/100) あと1でランクアップ
守備力:G(8/100) あと2でランクアップ
幸運力:F(14/100) あと6でランクアップ

このスレでは誰も死なないですから!

始めますねー


白望「ところで」

京太郎「なんでしょう?」

白望「それ、なに?」

小瀬川さんが指差したのは、ケーキの箱である。

……、瑞原プロと二人がかりでは、食べ切れなかったのだ。

かといって捨てるのも勿体ないし。

そういうわけで、一応持ってきたのだけれど。

一段落ついたところで、箱を手元に置く。

京太郎「ええと。ケーキです」

エイスリン「ケーキ!」

ぱっと表情が明るくなった。

京太郎「ケーキ好きですか?」

エイスリン「スキ!」

ケーキが嫌いな人はあまりいないだろう。特に女性は。

新幹線でまるで手伝ってくれなかったプロの方々については、一旦考えないとして。

京太郎「ちょっとワケアリケーキなんですけど……」

塞「訳あり?」

と、ここで他の部員の方もこちらにやってきた。

京太郎「えぇ、まぁ」


エイスリン「ケーキ、ケーキ♪」

エイスリンさんが、箱を開けた。

エイスリン「……」

エイスリン「……?」

エイスリン「???」

物凄く困惑した表情を浮かべている。

それもそうだろう。半分しかないんだし。

塞「えっ、どういうこと」

胡桃「食べかけって」

京太郎「だからわけありなんですよ」

付属のフォークで切り分けたので、衛生的に問題はない。

ちなみに半分のうちのほとんどは瑞原プロが食べた。

塞「えっ、凄っ」

はやり「美味しかったです☆」

後半物凄くきつそうな顔してたけれど、それは言わない方が良さそうだ。

エイスリン「シロ、タベル?」

白望「んー……」

白望「……食べさせて」

どこまで面倒臭がりなんだろう。


塞「それじゃあ切り分けるね」

エイスリン「シロ、ハイ」

白望「んー……」

胡桃「塞、自分の少し大きくない?」

塞「気のせいでしょ」

豊音「美味しいよー。皆は良いのー?」

俺はもう十分です。

はやり「皆で食べてねっ」

健夜「良いの、はやりちゃん甘いの大好きじゃないの?」

はやり「いやほんと、うん」

胡桃「ねぇやっぱり均一じゃないよねこれ」

塞「気のせいだって」

エイスリン「シロ、クリーム」

白望「拭いて」

まぁ、満足してもらえたならいいか。

一万円も払った甲斐があったよ、うん。


咏「さぁて。そろそろお暇しようかねぃ」

京太郎「えっ、もうですか?」

咏「大体話せたからねぃ」

俺が麻雀教えてもらっている間に何を話していたんだろう。

咏「元々私らは旅行がメインだから。宿行って温泉入って熱燗きゅーってやりたいんさ」

京太郎「まだ飲むんですか……」

咏「これからが本番だよ」

酒に関しては別段なんとも思わないけれど、温泉は少し羨ましい。

猛烈に寒いと言うわけではないとはいえ、これから夜になって冷えるかと思うと、中々に辛い。

というか。

俺、そもそも宿を決めていないんだよな。

現地で見つかるだろうと思い、何も調べていなかったのだけれど、甘かったかもしれない。


良子「さすがにそこまで手筈してませんよ」

京太郎「何も言ってません」

どうしてこの人は、勝手に人の心を読むのだろうか。

とはいえ、新幹線の切符の件もあったし、ほんのちょっとだけ期待していたのも事実だ。

京太郎「宿……、宿かぁ」


京太郎「あの、戒能プロ。そちらの宿ってお値段的にはいかほどでしょう?」

岩手の地理など全く詳しくない俺からしたら、出来る限り一人にはなりたくないものだ。

なので、同じ宿が空いていればそこに泊まるのが妥当で無難だろう。

とはいえ。何せプロたちが泊まるのだから、もしかしたら結構高い宿なのかもしれない。

ケーキの件を抜きにしても、あまり散財は出来ないので、多少は考えた方がいいだろう。

良子「困ります、一緒の部屋だなんて」

京太郎「そんな事一言も言ってないですよね?」

良子「でも、もし少年がそうしたいのであれば」

京太郎「やめてくださいよ!」

あらぬ誤解を受けてしまう!

胡桃「そーゆーのいいから!」

ほらぁ。

良子「ジョークですよ」

京太郎「そりゃそうでしょう」

しかし真顔でからかうのはやめていただきたい。

良子「まぁ、少年がそういうだろうと思いまして、パンフレットを持ってきました」

京太郎「ほんと何者なんですかあなた」

良子「さぁ?」

うーん……。


と、言うわけで。

結局改めて自分一人で宿を探す手間よりも、お値段の分かった宿に泊まる方が賢いと考え、戒能プロたちと同じ宿に泊まることにした。

幸いにしてまだ宿に空きはあるらしく、おかげでこうして畳に身を投げているわけだけれど。

京太郎「食事はさすがに外だな」

宿泊だけならまだしも、食事までつけるとやはり結構な額になってしまうわけで。

泣く泣くながら宿での食事は諦めることにする。

まぁ、外でもご当地ならではの美味しいものは食べられるだろう。

それに、テレビなどでよく見る、やたらたくさん種類がある宿のコース料理だかなんだかはどうしても酒のイメージがあるし。

京太郎「……、酒っていえば、もう皆飲んでるのかな」

新幹線で既にほろ酔いだった二人は、恐らくもう飲んでそうだ。

温泉に盆を浮かべて飲んでるのか部屋で飲んでいるのかは分からないけれど、まぁ、どちらにしてもあまり変わりはないだろう。

京太郎「温泉……。温泉かぁ」

折角だし入りたいな。

先に食事にするべきか、それとも温泉が先か。

京太郎「……」

戒能プロに貰ったパンフレットを再び開く。

京太郎「……」

京太郎「……」

どうしようかなぁ。


行動の自由安価です。下3つめ。

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