渋谷凛「花屋をもっと」本田未央「繁盛させたい?」 (34)



前作

渋谷凛「後輩と」本田未央「仲良くしたい?」




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―――――事務所―――――

ガチャ
本田未央「おっはろー!」

渋谷凛「あ、未央、ふふっ、なにその挨拶。まるで“おはようとハローがかかっていることが面白いと言わんばかりであり本人もそう信じて疑わんばかりの挨拶”だね」

未央「その明確すぎる敵意はどうしたの?」



凛「そんなことより、ちょっと相談に乗ってほしいんだけど」

未央「そんなことって」

凛「実は、ウチの花屋についてなんだ」

未央「しぶりんの家の花屋?なにかあったの?」

凛「ううん、特別なにがあった、ってわけじゃないんだけどさ。ほら、私たちも少しは有名になったでしょ?」

未央「まあ、そうだね」

凛「それを、上手く花屋の人気に結び付けられないかな……って。親孝行って程でもないんだけど、もっと売り上げが伸びればなって」

未央「おお~、いいことだね!そういうことなら協力するよ!」

凛「ありがと。目指せ全国チェーン!」

未央「目標が不相応」



未央「でも、しぶりんの実家ってことでファンがけっこう訪れてるって聞いたよ?」

凛「うん、確かに来る人は増えてるんだけど、結局、花を目当てに来てるわけじゃないから、そこまでの売り上げにはならないんだよね」

未央「あー、シビアだけどまあしょうがないね……」

凛「しかも、割と1度行ったら満足する人も多くて、継続的な収入は見込めないし」

未央「難しいね……」

凛「10000円以上買い物しないと外に出れないシステムとかどうかな?」

未央「悪質ってレベルじゃないよ」

凛「9500円!」

未央「金額じゃなくて!あと下げ幅せこい!!」



未央「じゃあ、花だけじゃなくてしぶりんのグッズとかも売ればいいんじゃないかな?」

凛「それは邪道だね」

未央「さっきまで犯罪まがいのプレゼンをしてた人とは思えないね」

凛「花屋はね!売ってる花だけで勝負しなきゃダメなんだよ!」

未央「じゃあこの会話の意味ないよ!現状の戦力でこの先も頑張ってよ!!!」



凛「さすがに冗談なんだけどさ」

未央「適当なこと言って冗談でしたの一言で投げ捨てるのやめない?」

凛「そこで、全国で儲かってる花屋について調べてみたんだ」

未央「そこはちゃんと調べたんだね、成功例に学ぶのはいいかも」

凛「まず、どこかと提携しているパターンだね」

未央「提携?」

凛「うん、例えば、結婚式場とか」

未央「あー、なるほど!結婚式場ならたくさんお花も使うもんね」

凛「うん、人の幸せにつけこんでなんか派手な花を売りつけるぼろい商売だね」

未央「発想が鬱屈してない?同業他者はみんな親の仇に見えてるの?」



凛「あとはお寺とか」

未央「うんうん、そっちも花は必要だね」

凛「人の死という、ある種の人生の区切りの際に花で彩りをし、故人の穏やかな死後と子孫の繁栄を祈る素敵な商売だね」

未央「もうしぶりんの価値観が理解できないや」



凛「でもやっぱり、そういうところは既にどこかと提携してるから、新規参入は難しいんだよね」

未央「そうでなきゃ、みんなお花屋さんになっちゃうもんねー」

凛「だから、もうアイドルに売りつけようかなって」

未央「急に戦略もクソもなくなったね!?」

凛「まずほたるにスズラン100鉢」

未央「もはやそれは販売じゃなくて卸売りだよ!!」



凛「じゃあどうすればいいのさ!!」

未央「情緒が安定しなさすぎだよ……」

凛「どうせ花屋なんて必要ないって思ってるんでしょ!」

未央「しぶりんの中で私は花屋業界の敵なの?なんで?」

凛「未央のフラスタだけ断ってもいいんだよ」

未央「もはや売り上げを下げにいってるじゃん!」



凛「やっぱり、普通に宣伝するのがいいのかな……」

未央「うーん……、あとは、“1000円以上お買い物でしぶりんと握手!”みたいなのは?あまり褒められた作戦じゃないかもだけど……」

凛「ノーベル賞モノだね。今日からなんでも命令していいよ」

未央「自分で言っといてなんだけどしぶりんの自由を奪えるほどの画期的さは微塵もないよ?」

凛「どうする?靴を舐める?」

未央「権力者は誰しも靴を舐めさせたいみたいな偏見やめなよ」

凛「わかった、脱ごう」

未央「鼓膜がないの?大丈夫?」



未央「ってか、しぶりんがお店にいないとダメだね、この作戦」

凛「ホントだ、ゴミだね。靴舐めて?」

未央「おおっとまさかの下剋上」

凛「まったく、未央を信用した私がオダマキだったよ」

未央「……え?」

凛「あれ?わからない?」

未央「う、うん。よく意味が……」

凛「オダマキの花言葉は『愚か』なんだよ」ドヤァ

未央「自虐を変化球にするのやめてよ!!ツッコミにくいよ!!」



凛「もう私たちだけじゃアイデアも頭打ちだね」

未央「よしんばあと1名が来ても好転するようには思えないんだけど……」


ガチャ
島村卯月「こんにちは!フラワーデザイナー1級とガーデンコーディネーターの資格を持っている私に何か相談ですか?」

未央「すでに概要を理解しているうえにスペックの自慢から入ってきた!!??」



凛「ちょうどよかった」

未央「ちょうどよすぎるんだよ」

凛「億万長者になりたいんだけど……」

未央「趣旨が私利私欲に傾きすぎてるよ!?」

卯月「FXですね!」

未央「ニュージェネとしまむーはどこに向かうの!?」


凛「詳しく聞かせて」

未央「しぶりん絶対有り金全部溶かすタイプの人間だよ……」

卯月「私にお金を渡せば2倍にして返しますよ!」

未央「詐欺の常套句みたいなこと言い出した!?」

凛「詳しく聞かせて」

未央「ちょっとは疑おう!?」


未央「ちょっと!話が脱線してるよ!」

凛「ああ、そうだったね」

凛「じゃあ改めて、今後の国際情勢についてだけど」

未央「トピックが初耳なんだけど!?」

卯月「アメリカの大統領選挙ですね!」

未央「アイドルの守備範囲を軽く超えてるよ……」

凛「スーパーチューズデー!」

卯月「ク○ントンさんなら初の女性大統領!トラ○プさんならアメリカ最後の大統領!どっちも歴史的ですね!」

未央「うわあジョークの切れ味がクレイジーだ」

凛「スーパーチューズデー!」

未央「語彙力!」



卯月「と言うわけで、選挙にはお花がたくさん必要だと思うんです!」

未央「えげつない角度から話題が戻ってきたね」

凛「なるほど、アイドルを議員にして、そのなんやかんやの需要をモノにすれば……!」

未央「議員なめてるでしょ」

卯月「きっと、議員さんになった元芸能人の方々は相当な時間を費やして政治について学んだから議員になれたんでしょうね!」

未央「今日のしまむーのキレはどうなってるの?」

凛「あ、もしもし?志乃さん?」

未央「なぜ真っ先にそこにオファーを!?」



卯月「タレント議員が当選しやすい非拘束名簿式を採用している参議院の被選挙権が30歳以上だからですよね?凛ちゃん?」

未央「ええ……」チラッ

凛「……も、ももももちろんでごぜーますよ」

未央「9歳のキャラを喰うほどの動揺が見えるけど?」

凛「は、話がズレてるんじゃないかな?」

未央「うわズルいな!」



凛「例えばさ、卯月がなにかお店を出したいとするじゃん?」

卯月「さおだけ屋とかですね」

未央「よくその世界に殴りこもうと思うね」

凛「その時に、アイドルとしてどんなアプローチができるかって話なんだよね」

未央「やっぱり、宣伝とか、コラボ商品とかでしょ?現実的にさ」

卯月「あ!700円のお買い上げごとに、レジのくじ引きで商品をプレゼントというのはどうでしょう?」

未央「金額に既視感があるけど」

凛「なるほど……。でも、700円は高くない?」

卯月「そうですか?じゃあ、最初は50円にしましょう!」

未央「え?」

卯月「次は200円、300円、750円、1500円、3000円と上がっていく、名付けてステップアップガt」

未央「はいアウト―!!!!!」



未央「ダメだよ!消費者庁から睨まれちゃうよ!」

卯月「天井を作ればいいんです!」

未央「発想がもう搾り取るサイドのそれだもん!!!」

凛「『スーパーしぶりんレア(通称SSR)』は1.5%くらいでいいかな?」

卯月「いいですね!たまに3%にすれば、みんな食いつきますよ!」

未央「なんなのこの不特定多数から文句が来そうな会話は!!!」



凛「2人とも、いろいろありがとね」

未央「まって、ここで会話を切り上げるのは不安でしかないんだけど」

卯月「頑張ってください!」

未央「今は背中を押してあげる流れじゃないからね!?」

凛「とりあえずは、ちひろさんに相談してみるね」

未央「それは絶対やめて!!!」



おわり




過去作


橘ありす「勇者フレデリカ?」

島村卯月「水曜日の346プロ!」

朋「DJ智絵里の」ほたる「お悩み相談ラジオ?」


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