エリカ「ミホプラス?」 (40)


 ミホプラス
みぽりんに萌える恋愛AVG
CERO:C(15歳以上対応)
プレイ人数:1人
キャラクター名設定:主人公のみ
対応機種:Windows 7,8,10,XP 他

※西住みほ総受けSS
 キャラ崩壊注意、謎時間軸注意


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1457519158


エリカ「……なんですか、それ」

まほ「唯一無二のヒロインみほと恋愛するゲームだ」

エリカ「…は?」

まほ「まだ試作段階でな、出来れば多くのテスターが欲しい」

エリカ「いや、ちょっと待ってください」

まほ「?」

エリカ「みほって、副た…元副隊長のことですよね?」

まほ「そうだが」

エリカ「元副隊長と恋愛するゲームですか?」

まほ「なにか問題でも?」

エリカ「…試作ということは、隊長が作ったんですか?」

まほ「正確には西住流制作だ。私は監修」

エリカ「ご自分の妹さんと恋愛するゲームを作ったと?」

まほ「あぁ」

エリカ「…家元も関わっているんですよね?」

まほ「というかお母様が企画担当だな」

エリカ「………そうですか」


まほ「それで話を戻すが、一応形にはなったのでテストプレイをしてもらいたいんだ」

エリカ「私が!?」

まほ「あぁ、バイトとして謝礼は出す」

エリカ「い、いえ…隊長からの頼み事というなら謝礼なんて要りませんが…」

まほ「まぁとにかくプレイしてみてくれ。終わったら良かった点と改善点を教えてくれれば良いから」スタスタ

エリカ「は、はぁ」


~エリカの部屋~

エリカ「………正直気乗りしないけど、隊長に言われたからにはやらない訳にはいかないわね」

エリカ「というかケースがもろにオタク系なんだけど、これ隊長がデザインしたのかしら。それとも家元?」

エリカ「…やめましょう。これから先西住流をマトモな目で見られなくなる」

エリカ「えーっと、ディスクをドライブに入れて起動…インストールに結構時間かかりそうね」

エリカ「コーヒー淹れて待ってましょう」


~少しして~

エリカ「やっとインストール終わったわ…試作段階っていう割には容量半端ないわね」カチッ

エリカ「…グラフィックのクオリティ凄過ぎない?外注かしら…」

エリカ「最初に主人公の名前を決めるっと。本名推奨って書いてあるけど……」

エリカ「………まぁ、いいわ。考えるのも面倒だし『エリカ』のままで」

エリカ「これで開始ね」

『朝、登校の道中で、私の視界に一人の女の子が映った。
気弱そうに垂れた眉尻が、小動物のような愛らしさを際立たせている少女だった。』

エリカ「…まぁ定番の出会いという感じかしら」

『私と同じ制服を着こんでいるものの見慣れない顔に、私の目はつい彼女を追ってしまう。
ぼうっと彼女の横顔を見詰めていると、彼女は目の前の電柱に頭をぶつけた。』

エリカ「ふっ、相変わらず抜けてるわね」


『彼女はその痛みに頭を抱え、手にしていた鞄を地面に落とした。
その衝撃でチャックの閉め切っていない鞄の口からは筆箱や財布やらが零れ出る』

エリカ「…いや、流石に抜けすぎじゃない?隊長も家元もどういうイメージ持ってるのかしら…」

『落ちた物を拾い上げようとしながらも痛みに悶絶する少女を見ていられなくて、私は駆け寄る。
彼女の筆箱を渡して、大丈夫かと声を掛ければ彼女は花の咲くような笑顔を見せた。』

エリカ「ここで一枚絵ね。本当にクオリティ高いわ」


~一時間後~

エリカ「………」カチカチ

  『あれは…みほだ!ゲームセンターでなにしてるんだろう』

みほ『あ、エリカさん、こんにちは』

  『こんにちは、こんな所でなにしてるの?あまり貴方がゲームセンターにいる想像は出来ないけど』

みほ『このUFOキャッチャーをしに来たんだ。期間限定だから』

  『……なに、この熊のぬいぐるみ』

みほ『ボコられ熊のボコって言うんだよ!どうしても取りたいんだけど、難しくって…』

エリカ「相変わらず意味分かんない趣味ね」


  『みほは狙ったぬいぐるみを取れずに苦戦しているようだ。…どうしようか?』

 →『そういうのは中々取れないものだから、諦めた方がいいよ?』
  『…ちょっと貸してみて』
  『そっか。大変だね。それじゃあ』

エリカ「……ふむ」

エリカ(…私なら良くて一番上。大体あんな物、万懸けても取れないことだってある)

エリカ(それでもまぁ、普通に考えたら真ん中よね。一応隊長に言われてやってるわけだし、真面目にやらないと)カチッ

  『そういうのは中々取れないものだから、諦めた方がいいよ?』
 →『…ちょっと貸してみて』
  『そっか。大変だね。それじゃあ』

  『…ちょっと貸してみて』

みほ『え?でも…』

  『いいから、小銭あったかなー…』

みほ『そんな!せめてお金は私が出すから!』

  『まぁまぁ、これぐらいなら簡単に取ってあげるって』

みほ『ほ、本当?』

  『任せて!』

エリカ「ちょっと、なに勝手な約束してんのよ!あんな大きいのそう簡単に取れるわけないでしょうが!」


  『ぐぬぬ、中々取れない…結構やるわね』

みほ『も、もういいよ!お金も返すから…』

  『そういう訳にもいかないから!言ったからには絶対取ってやる!』

みほ『エリカさん…』

エリカ「だから言ったのに…あーあ、完全にムキになってるわね、私」

エリカ「は!?い、いや違う!この主人公はあくまで私の名前を付けただけで、感情移入なんかしてないから!」

エリカ「…誰に言い訳してるんだか」カチッ

  『け、結構な額散財したけどやっと取れた…はい、あげる』

みほ『ご、ごめんね。使ってもらったお金は返すよ』

  『いいよ、プレゼントってことで。欲しかったんでしょう?』

みほ『……うん』

  『私だと思って、大切にしてくれればそれで充分』

エリカ「うわっ、寒っ」ゾワッ

みほ『エリカさん、ありがとう!』ニコッ

  『…可愛い』

エリカ「…可愛い」


~3時間後~

エリカ「…ホント、試作にしてはボリュームあり過ぎじゃないの?」

エリカ「はっ、今何時よ!?も、もうこんな時間!?」

エリカ「寝なきゃ…いや、今日の授業の復習しないと!」

エリカ「……もう今日はいいや、寝ましょう」

エリカ「あーもう!なんでこんな物に時間掛けてたのよ私!」

エリカ「…ハマってたからよね、悔しいことに」

エリカ「…なんか明日マトモに隊長に感想言える気がしないわ」

エリカ「はぁ、さっさと寝ましょう……」ギシッ

エリカ「…………」スウッ

~翌日~

小梅「…あの、副隊長?」

エリカ「なに?」

小梅「隈酷いけど、大丈夫ですか?」

エリカ「…別に、平気よ」

小梅「そ、そうですか」

まほ「エリカ」

エリカ「はい」

まほ「ちょっと良いか、話がある」

エリカ「分かりました、今行きます」

小梅「あっ…行っちゃった」


まほ「クリアはまだだろうが、どれぐらい進んだんだ?」

エリカ「結構進みましたね。中盤までは行ったかと」

まほ「どうだった?」

エリカ「…………グラフィックもシナリオも非常にクオリティが高いと思いました」

まほ「そうか、ならこのまま販売まで行っても大丈夫そうだな」

エリカ「ですが」

まほ「ん?」

エリカ「だからこそ、ボイスがないのが惜しまれます」

まほ「ボイス…ヒロインみほのか」

エリカ「えぇ」

まほ「それは確かにそうなんだが、まさか本人に協力を頼む訳にもいかなくてな…」


エリカ「問題ありません」

まほ「…どういうことだ?」

エリカ「元副隊長と声質が似ている声優をリストアップしました」バサッ

まほ「おお」

エリカ「更に、気弱だけれどいざという時は頼りになるキャラに慣れていてより安いギャラでオファーを頼める人も出しました」

まほ「おお!」

エリカ「この渕下舞という方が適任かと」スッ

まほ「…エリカ」

エリカ「はい」

まほ「いつの間に、これを?」

エリカ「今日の授業中です」

まほ「そうか」

エリカ「はい」

まほ「………エリカ」

エリカ「はい」

まほ「ハマったな?」

エリカ「………はい」


 ミホプラス
みぽりんに萌える恋愛AVG
CERO:C(15歳以上対応)
プレイ人数:1人
キャラクター名設定:主人公のみ
対応機種:Windows 7,8,10,XP 他
ボイスが実装されて販売中!


  『みほは、戦車道好き?』

みほ『うーん、どうだろう…子どもの頃からやってて当たり前って感じだったからなぁ』

みほ『好きとか嫌いとかは思ったことないかな』

  『…そっか』

みほ『あ、でもね』

  『ん?』

みほ『この学校で、皆と一緒にやる戦車道は…すっごく楽しいよ』

みほ『私と一緒に戦車道、やってくれて…本当にありがとう』ニコッ

  『みほ…!』


杏「うぅ、西住ちゃん…」グスッ

杏「こんな強引に誘ったあたしにそんなこと言ってくれて…うっ、うう…ごべ、ごめんねぇ…」グズグスッ

桃「か、会長感情移入し過ぎです…うぅ…」グスッ

柚子「そういう、うっ、桃ちゃんだっ、ひっ、て…」グズ

桃「桃ちゃんって言うな"ぁ"あ"あ"」グズ

柚子「そ、それにしてもこのゲーム凄いですね…うぅ…クオリティも高いし、声も西住さんソックリ…」

杏「あ"ー落ち着いた…黒森峰から送られてきてさ…ウイルスとかじゃないからやってみろって」ズビッ


桃「黒森峰…西住姉ですか?」

杏「そう。なんでも西住流で作ったらしいよ」

柚子「……凄いですね、西住流」

杏「ね。んで、これの普及を手伝ってほしいんだってさ」

桃「普及、ですか」

杏「ノルマ達成したら特典くれるって」

柚子「特典?」

杏「プレミアもののドラマCD」

桃「……普及するんですか?」

杏「やー、これはやんなきゃ損っしょ」ニヤッ


ダージリン「ミホプラス…?」

ケイ「ミホに萌える…?」

カチューシャ「恋愛アドベンチャーゲーム…?」

絹代「これは一体…?」

ミカ「どういうことかな…?」ポロン


~そもそもの発端~

しほ「まほ」

まほ「はい」

しほ「貴方はこうしてたまに帰って来るわね」

まほ「はい」

しほ「けれど、みほは帰って来ません」

まほ「大洗ですから。熊本に寄港することもあまりないでしょう」

しほ「みほが大洗に転校してから、私は家であの子の顔を見たことがないわ」

まほ「顔を出しずらいのもあるのでは?」

しほ「まほ」

まほ「はい」

しほ「正直に言いましょう」

まほ「はい」

しほ「みほ成分が足りません」

まほ「私もです」

しほ「貴方は試合で会ったり握手したりしてたでしょう」

まほ「お母様こそ、大洗廃校の件でみほが帰ってきた時に会えば良かったではありませんか。意地張らずに」

しほ「あのタイミングで顔出したら完全に怖がらせちゃうじゃない!大体、私にバレないようにって雰囲気にしてたのは貴方でしょう!?」バンッ

まほ「みほはお母様に苦手意識を持っているので」シレッ

しほ「貴方はいつもそう!私が泣く泣く、厳しくみほを叱った時は必ず励まして自分の株だけあげるんだから!」

まほ「でしたらもっと上手く伝えれば良いのでは?」

しほ「それが出来たら苦労しないわ!西住の女はコミュニケーション能力に難ありだと知ってる癖に!」

まほ「私は少なくともみほとのコミュニケーションに関しては問題ありませんが」ドヤ


しほ「ぐっ…ま、まぁいいわ、今は置いておきましょう。とにかく、私は今、みほが足りないわ」

まほ「はい」

しほ「けれど、距離が距離だしそう簡単にはみほと会うことは出来ない」

まほ「確かにそうです」

しほ「つまり、みほ本人の代わりにみほ成分を供給してくれる何かが要るわけです」

まほ「その通りですね」

しほ「だから」

まほ「はい」

しほ「みほをモデルにしたヒロインと恋愛するゲームを作りましょう」

まほ「流石ですお母様!」


みほ『ダージリンさん!あの、マカロン作ってきたんですけど、食べてくれませんか?』モジモジ

みほ『あの…どうですか?あんまり普段お菓子作りってしないから…一応、味見はしたんですけど』

みほ『ほ、本当ですか!良かったぁ…また、作ってきますから、ぜひ食べてください!』

ダージリン「………」カチカチッ

オレンジペコ「あの…アッサム様?」

アッサム「どうかした?」

オレンジペコ「ダージリン様は先程から何をしていらっしゃるんでしょうか…」

ローズヒップ「ずっとパソコンと向き合っていらっしゃいますのね」


アッサム「あぁ…なんでも大洗からゲームが送られてきたらしいわ」

ローズヒップ「ゲーム?」

オレンジペコ「ダージリン様がですか?」

アッサム「昨日送られて来たらしいけど…一晩まるまる使ったのかしら」

ダージリン「………ふぅ」

オレンジペコ「終わったようですね」

ローズヒップ「ダージリン様!今やっていらしてるゲーム、そんなに面白いんでいらっしゃいますの?」

ダージリン「あら…いたのね、貴方たち」

アッサム「さっきからずっといました。…面白いんですか?」

ダージリン「………ねぇ、貴方たち。こんな格言を知ってる?」

オレンジペコ「はい?」

ダージリン「ミホプラスはね…人生なのよ」

アッサム「…はぁ?」

ダージリン「ふふ、まぁティータイムを楽しみながらゆっくりと話してあげるわ」


こうしてみぽりんの人気は爆発的に広がって行き…

ケイ「Wonderful!面白いゲームね、これ!」

カチューシャ「ちょっとノンナ!一日一時間ってどういうことよ!カチューシャを子ども扱いしないでったら!」

最終的には、戦車道を嗜む女子専用の会員制SNS『戦車道大戦』にスレッドが立つまでになった。

絹代「こ、これは…!西住流はこんなことまで出来るのでありますか…!」

ミカ「ミホプラス、ね…プレイすることに意味があるとは思えないな」ポロン

アキ「そんなこと言ってCG全部埋めてるくせに」


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まほ「エリカ」

エリカ「はい」

まほ「…皆の応援のおかげで、ミホプラスは大人気だ」

エリカ「ネットでも大反響ですね」

まほ「そこでだな」

エリカ「はい」

まほ「続編を作ろうと思う」

エリカ「なんですって!?」

まほ「R-18版ミホプラスか、みほを妹として愛でるシスター版ミホプラスかで揉めているんだが…」

エリカ「…隊長」

まほ「なんだ」

エリカ「両方作りましょう」

まほ「そういうと思っていた」グッ


~一か月後~

杏「んー……販売されて大分時間経ったからか、あんまり話題性なくなってきちゃったか」カチカチ

杏「そろそろ西住ちゃんグッズとか販売されても良い頃だと思うけど…ん?」カチカチ

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