佐天「特等並にクインケを扱える能力かあ」 (25)

佐天「やばっ……遅刻する!」たったったっ

佐天(どうしよう、このままいつもの道を走ったって絶対間に合わないよ)

佐天「はぁ……はぁ……」たったったっ

佐天(もう仕方ないよね。ちょっと暗くて危ないけど近道しちゃお)

佐天(そこの路地を通り抜ければ、学校までの距離が一気に近くなるんだよね)

佐天(まあ、普段はスキルアウトとかに絡まれると怖いから通らないけど……)

佐天「はぁ……はぁ……」たったったっ

佐天(よし、このまま真っ直ぐ突き進めばーーー)

ぐちゃり

佐天「……え?」

佐天(今の音は……)


不良「ぁがっ……ぁ……っ…」ふらっ

どさっ


佐天「…………!!」

佐天(なに、これーーー)

佐天「あの、大丈ーーーひッ!!!」

佐天(そ、んな、このひと死んで)









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佐天「な、何がーーー」

ひゅんっ!!

佐天「っぁ!」どさっ

佐天(い、痛っーーー)

佐天「ぁあえああああえああっっっっーーー!!!??」ごろごろっ

佐天(ーーー何が起きて……)


コツコツコツコツ

佐天「っっっ!!」ぴくっ

佐天(……足音。誰かが近付いて)

ぴたっ

佐天「ぅぐっ……だ、れ……?」




「なんだ、まだ息がある」


佐天「っ!!!!?」

佐天(このひと、あの赤く変色した目と尻尾のようなモノ……そんな)

佐天「ぐー、る……?」


喰種「まあ、いいか。たまには踊り食いというのもありだなぁ」にたあ


佐天「ひっ!」

佐天「いやっ!!」たっ

がしっ

佐天「ぐぁっ」どてっ

喰種「逃がさない」

佐天「や、やだ、やだ」ふるふる

佐天(このままじゃ私ーーーどうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう)

佐天(  ど  う  し  よ  う  )

喰種「それではーーー」




い  た  だ  き  ま  す



ザシュ

喰種「ーーーーほぇ」ふらっ

喰種(一体)

喰種(何が)

喰種(起きて)

ぽたぽた

喰種(これは……血?)

喰種(誰の?)

喰種(……彼女の?)

喰種(いや)


佐天「はぁ……はぁ……」チャキッ

喰種「俺のーー!!」

佐天「あっち、いってっ!!」げしっ

喰種「ぅぐっっ!!」ふらっ



佐天「っ!」ずきっ

佐天(あ、危なかった。咄嗟に落ちてた傘であのひとの目を刺して逃げなかったら今頃私はきっとーーー!)ぞくっ



喰種「て、めぇえええええーーーよくもやりやがったな!!」ゴッ

佐天「ひっ!」びくっ

佐天(もしかして、怒らせちゃったかも)

喰種「まずは、生きたまま、四肢をもいで、お前の、目の前で」ダッ

佐天(来ーーーっ!!)

喰種「喰!!!!!」ぶぉんっっっ!!

佐天「うわっと」ひょい

佐天(……あれ?)

喰種「ちぃっ!」

喰種(外し)

喰種(た)

喰種(かっっっ!!)ごっ

佐天「っっっ!!」

佐天(また、だ)ぐいっ


喰種「なにっっっ!!?」


佐天(また、避けれた)

喰種「糞っ!!」ぎりっ

佐天(何この感覚)

佐天(肩の痛みはまだあるし、出血の量も多い)ずきずき

佐天(でもそれなのに全て避けれる)

佐天(よくわからないけど、相手の動きが全て分かる)

喰種「さっさとーーー!!」


    死    ね    !!!!

佐天「っっっっ!」


グチャリ

喰種「ぁがっ……」どさっ

佐天「ハァ……ハァ……ハァ……」

佐天(やっ、た)

佐天(何とか、勝ーーー)


喰種「っぐぁ……」むくっ


佐天「なっ!?」びくっ

喰種「舐め、やがって、傘で目を潰しただけで、勝ったと」

喰種「思っ」

喰種「た」

喰種「か」

佐天「ぁ……ああ……」

佐天(も、う、無、理。ここで私は終わーーー)グッ

ひゅん、ザシュ

喰種「ぁ……ああ……な、にが」ふらっ

どさっ

佐天「……へ?」

すっ

有馬(16歳)「……大丈夫?」

佐天「……」ぽかーん

有馬「酷い怪我。すぐに手当てしないと」

佐天「あ、あの、誰ですか?」

有馬「……ああ、まだ名乗ってなかったね」

ぞろぞろ

『おい、こっちに怪我してる女の子がいるぞ!』

『ああ、この男の方はもう手遅れみたいだな』

『こいつはレートAの喰種に間違いないか?』『間違いないです!』


佐天「これは……」

有馬「俺は有馬貴将。ーーー喰種捜査官だ」



佐天「有馬、貴将。喰種捜査官」



今日はここまで

救急隊員『それでは肩を見せてください』

佐天『は、はい……っ』ずきっ

佐天『(い、今更だけど……スッゴク痛い。ちょっと泣きそう)』

救急隊員『止血と消毒をします。ちょっと痛いかもだけど我慢してね』

佐天『はいぃ……』


有馬「……」

丸手「よぉ、有馬」

有馬「丸手さん……」

丸手「アレが統括理事長が用意した協力者ってやつか?」

有馬「みたいですね」

丸手「はっ、まだガキじゃねえか」

有馬「ええ、それでも……」

有馬(中々、使えそうではあるけど)

丸手「あ?」

有馬「いえ、なんでもないです。それより今回のターゲットは」

丸手「レートAのあの喰種で間違いはないようだ。まあ、もう殺しちまったから情報は聞き出せないがな」

有馬「……すいません」

丸手「まあいい。次はきちんと生け捕りにしろよ」

有馬「ええ、分かってます」

病院

佐天「……ふう」

佐天(それにしても何だったんだろう。あの時の感じ)

佐天(喰種に襲われた時、本当は怖くて今にも背中を向けて逃げ出したかったのに、何故か不自然なくらいに落ち着いてた)

佐天(以前、都市伝説のサイトに喰種の皮膚は銃弾も通さないと書いてあったことを思い出したから咄嗟に傘で目を刺した。多分あれはあの場で出来る最善の抵抗だったと思う)

佐天「喰種、か」

有馬「気になる?」

佐天「少し……、ってうわっ!?」

有馬「ごめん、驚かせた?」

佐天「え、えっと、あなたは喰種捜査官の」

有馬「有馬でいい」

佐天「あ、有馬さん、その、さっきは助けていただきありがとうございました!」

有馬「仕事だから」

佐天「そ、そうですか」

有馬「それより肩、大丈夫?」

佐天「この通りピンピンしてます!」ぐるんぐるん

ずきっ

佐天「痛っ!!」

有馬「……」

佐天「あ、あはは、本当はまだちょっと痛いです……」

有馬「みたいだね」

佐天「そ、それで有馬さんは何しにここに? もしかして有馬さんもどこかお怪我を」

有馬「いや、ちょっと君に話があって」

佐天「私に? なんの話ですか?」




有馬「俺に協力してくれないか?」

有馬の一人称は私だったと思いますよ

佐天「協力? それってつまり私にも喰種と戦えってことですか?」

有馬「いや、ちょっと違うかな。俺たちCCGはまだこの学園都市に来たばかりで、勝手が分からない。だからどうしても毎回後手に回ることになる」

有馬「それだとこっち側も立ち回りが不利になるし、その為にこの学園都市に詳しいような現地人の協力を扇いでるんだ」

佐天「なるほど、でもそれなら風紀委員とか警備員とかのほうが」

有馬「いや、この学園都市で活動するにあたって統括理事との確約で、騒ぎを起こさず水面下で活動しなくちゃならないんだ」

佐天「……分かりました。それならお手伝いします!」

有馬「ありがとう」

>>18
これはジャック後の時間軸だから

とりあえずここまで

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