ペットショップ『パンゲア』 (71)





「いらっしゃいませ……」

「ようこそ、ペットショップ『パンゲア』へ」


「当店では創業以来、数多くのお客様に」

「命ある生き物の販売を行って参りました」

「お客様とペットとのかけがえのない時間をお届けするため」

「私どもも日夜、励む毎日でございます……」






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「“アノマロカリス”ですか……」

「えぇ、もちろん取り揃えておりますよ」

「あまりにも巨大な恐竜たちのように、政府の許可が必要な生き物を除けば……」

「当店でご用意できない生き物はほぼ、ございません」








そう言って店主は、雑居ビルの一階に居ぬきで建てた店の奥へ、彼を案内した。

カツン

蛍光灯白く無機質な明かりが、現代に蘇りし命に溢れた広い室内を照らす。

その時、壁際に設けられた合金製のケージで元気な始祖鳥がバサバサと羽ばたき、
その下にあった無顎魚類用水槽の水面に、いくつかの黒い羽をふわりと落とした。

上から聞こえるけたたましい鳴き声と、静かに吹き上がるエアレーションの音。

それをよそに、店主はひときわ大きな水槽に横たわる長さ60cmほどの蛇腹状の生き物を手で指し示した。



「この子などは如何でしょう?」

「とても元気な、100%自家飼育のアノマロカリスですよ」



そう言って、店主は彼にはにかんでみせた。




さわりだけ書いたので、続きは夜10時以降に書かせていただきます。

よろしくお願いいたします。


(さっそく誤字が見つかったとは口が裂けても言えませんっ)

一瞬ジョジョの方かと

>>5
ちがいます!

言われてみれば、スレタイがそう見えてきました(白目)

本作は原作なしのオリジナルとなりますので、どうかよろしくお願いいたします



……
…………
………………


あのアノマロカリスがこの店を離れ、幾ばくかの時が流れた。

この店主は普段から、店を構えるビルの二階にある倉庫を寝床としていた。
ここは水道は通っているし、新聞もビルの一階に届く。

その日も店主は、ダンボールと猫用ペレットの散らばるこの部屋で、コーヒーを飲んでいた。
だが、この時の彼はそれを嗜むということができなかった。
なぜなら、彼が手に持っていた新聞のある見出しを目にした途端、コーヒーの味がなくなってしまったからだ。


―――○○海岸にて古代生物の死骸発見―――

―――カンブリア紀の生物と判明―――


近所では変わり者として知られる彼も、この時ばかりは涙を抑えられなかった。







店主は悔いた。
先日の売約時にその男と顔を合わせたはずなのに、なぜ分からなかったのか。
その男にあのアノマロカリスを飼うだけの準備も力も、モラルも無いことを……。

店主はその場でさめざめと泣き、天国へ旅立ったアノマロカリスに許しを請いた。



そんな彼にとっては最悪の朝でも、それを癒してくれる存在はすぐ近くにいた。

それは、この店で飼育販売している古代生物たちだった。




すみません、少し眠いので仮眠します

一時間ほどで起きます……





さあ、日課の餌やりの時間だ。

彼はひときわ愛情を注いでいる“オパビニア”の水槽に、ペレットをコンコンと砕いて散りばめた。
幅40㎝、奥行き30㎝の小さな海で、そのつがいは10㎝にも満たない小さな体をくゆらせていた。
アノマロカリスを思わせる蛇腹状の身体とたくさんの目がうごめき、その先にのびる象の鼻ような器官を、
スンスンと動かして欠片を吸う様子ははたから見ればとても奇怪な光景であった。
……が、彼にとってはこれこそが至福の時間だった。


続いて彼は、ケージの生き物たちの下へ歩み寄った。

大型ケージの“トリナクソドン”は猫のようなひげを持つ哺乳類のようだが、これはれっきとした爬虫類。
それはエサ用鼠をあっという間に平らげた。

その隣の“コンプソグナトゥス”は体長60cmほどの小さな恐竜だが、これでもれっきとした大人だ。
彼は人の手のひらより小さな頭に合わせて切り分けられた御馳走を投げると、それを器用に口でキャッチしてくれる。

卵のあるプラスチックでできた洞穴から、鼠のような哺乳類“アデロバシレウス”が顔を出す。
彼は地球上で確認されている最古の哺乳類。
今を生きる哺乳類、我々人類の大先輩も御馳走の前では形無し。美味しそうに餌を頬張る。








生き物がなにかを食べるとき、それが生きているということの実感に繋がる。
その様子を見て心の平穏を取り戻した店主は、開店準備に入った。

彼は羽毛や体毛で散らかる店内を――きわめて簡潔にだが――掃除し、生き物たちの健康管理表を記入する。

ほどなくして、表のシャッターが開く。それは午前10時のこと。


カタカタカタッ



自動ドアのすぐ上の「ペットショップ『パンゲア』」という文字が表われ、それを以て店の一日が始まった。








『パンゲア』という店の名は、昔の大陸の名前から来ている。

昔といっても、人の起こりよりもはるか昔のこと。
私達が今営んでいる日本列島も、かつてはパンゲアのひとつだった。
2億5000万年前に、地球上の大陸が次々と衝突して生まれたとても大きな大陸が『パンゲア』で、
それが再び分裂したことで、今に至るのだ。

ペットショップにはとても似つかわしくないが、店主は開業時に迷わずこの名を選んだ。


古代生物を取り扱うという触れ込みで開店当初は巷の話題をかっさらったこの店だったが、
それらの飼育の難しさが理解されると次第に客足が減ってゆき、今では閑古鳥が鳴いていた。

それでも、彼はおおむね満足だった。
子供の頃から大好きだった恐竜や不思議な生き物に囲まれ、それらを愛し、愛される生活。

店内飼育の生き物はなかなか売れないため、“売り物”というよりはもっぱら“家族”のようだった。








そんな有様のため、店の一日は基本的に暇な時間との戦いになる。

レジ近くの灰色の事務椅子をキーコキーコと回しながら、彼は未来の生き物を予想した著書に目を通していた。
それによると、5000万年後には鯨が絶滅していて、そのニッチにペンギンが食い込み巨大化するらしい。

科学的な点に関してはともかく、彼はそれをおもしろい本だと思った。



そんな矢先、自動ドアがキュルキュルと音を立てて開いた。
カランカランとベルが響き、彼は驚いて本を閉じた。


「大変失礼いたしました」

「いらっしゃいませ……」

「ようこそ、ペットショップ『パンゲア』へ」








やって来たのは、小さな女の子を連れた母親らしき女性だった。



「すみません……ここ、恐竜は取り扱っていますか」

「はい、種類にもよりますが取り揃えておりますよ」


彼は仕事となると、私情を挟むことはしない。
だから顔には出ないが、内心では「またか」と思っていた。

大方の予想はつく。隣に連れた子供が恐竜を欲しがっているのだろう。
母親が「この子の誕生日なんですけど」と口にした時、それは確信に変わった。

彼は子供は嫌いではないが、ここの生き物を渡すことに関してはいつも躊躇があった。
子供の頃に飼われる生き物は、彼女達の“道徳心”を育むための“犠牲”となることが多々あるからだ。
なにより先のアノマロカリスの件もある。








「この子、少し男の子みたいなところがあって……」

「私は猫ちゃんやわんちゃんにしたら?って言ったんですけど……」

「……やっ!」

「……この通りなんです」

「ははは、なるほど……」



とはいえ、彼にも昔はこんな時期があった。
この子は小学2年生くらいだろうか?
このくらいの年の頃に恐竜を飼う機会があったならば……。

自分自身も、迷わず親にそれをせがんだだろう。
彼はそう思い、次の希望を目を輝かせたその子に託すことにした。



「それでしたら……」








彼は二人を、店の壁際に案内した。
その時、女の子は目をキラキラと輝かせてケージの小さな恐竜たちを眺め、
その間にも母親は水槽内の奇妙なカンブリア生物たちを面白い顔で見ていた。


そんな中、店主があるひとつのケージを開くと、二足で歩くしなやかな体の恐竜が姿を現す。
大きさはさきほどの“コンプソグナトゥス”と同じくらいだが、こちらはまだ子供だ。


「この子などは、いかがでしょう?」

「……てんいんさん、このこはなんていうの?」

「この子は“トロオドン”と言うのですよ」

「“とろどん”……?」








その“トロオドン”状況がつかめないのか、小さな頭とやや細長い首をツイツイとせわしなく動かす。
それを見た女の子が手をおそるおそる伸ばしてトロオドンの頭に振れようとするが、すぐに母親が制した。



「このトロオドンは大昔、ティラノサウルスやトリケラトプスがいた頃と同じ時代に生きていました」

「……店員さん、この恐竜は肉食恐竜……確かそんな言い方だったと思うんですけど」

「とにかく、人を噛んでしまうのではないでしょうか?」


母親が不安に思うのも無理はない。
その姿は広く知られる肉食恐竜のそれで、ギョロリとした目に歯もギザギザ。
将来的には著名な映画にも登場した“ラプトル”に似た姿にも成長する。

だが、店主はこう続けた。


「しつけを誤らなければ、心配はございません」

「なぜならこの子は、とても賢いですから……」




一旦、ここまでです。

このお話はそこまで長くはなりませんが、書ける時間が限られるのとどうしてもながらとなるため、
更新は亀になってしまいます。
申し訳ありません。

過去作のURLを幾つかお貼りしますので、もしよろしければこちらも暇つぶしにお使いください。
ジャンルや形式を問わず無差別に書いてますが、ご了承ください……


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「そう……ですか」


母親は、それでもどこか腑に落ちない顔をした。


「この子は雑食性なので、普段は虫や木の実を食べさせています」


肉の味はまだ覚えていません――と続けようとしたが、それはやめた。
かえって不安をあおる気がしたからだ。

その間にも、女の子の方は自分の指をツイッツイッと動かして、
それに合わせて大きな目をキョロキョロとするトロオドンと遊んでいた。


「えへへ……」

「ママ、この子……あたしの“おとうと”になりたいって!」








「あなた、“弟”って……」

「……ふう、分かったわ」


母親は一瞬の間をおいて、それを承諾した。

店主はそれに頷いたが、まずはご説明がありますと言って、二人と一匹を簡易な商談スペースへ案内した。



「この子はご覧のように、恐竜です」

「今は、大昔とは環境がまるで違いますから」

「飼育する上で守っていただきたいことがいくつかございます」



詳しい内容は省くが、トロオドンの生息していた白亜紀にできるだけ近い環境で育てるよう、店主は二人に伝えた。
今より暖かい気候を保ち、与える木の実も白亜紀から存在したと言われるイチジクの実を与えること。
それから排泄のこと、散歩のこと、病気になった時の対応先のことなど。

大抵の子供はこの辺りでノックアウトされて、諦めてしまうことが多い。
だが、その女の子はひとつひとつの説明をしっかりと聞いて頷いた。








「お買い上げいただき、ありがとうございます」

「こちらこそ、今日はありがとうございました」

「ありがとーございましたっ」



“とろどん”に特注のリードをつけて、女の子は満面の笑みを浮かべていた。
それを見て、母親は微笑んだが、どこか寂しさも感じた。



「トロオドン、かわいがってあげてくださいね」


その一言は、店主が仕事で初めて挟んだ私情でもあった。


「うん!」


明朗な返事がかえってくる。
あとは、この子がトロオドンを幸せにしてやることを、ただただ祈るばかりだった。






………………
…………
……



翌日の昼下がり。この日はまた別の客がやってきた。

二日も続けてお客様が来るとは珍しい。
そう思ったが、売り上げは彼自身の生存にやはり必要なのでここは素直に応じる。


「いらっしゃいませ……」

「ようこそ、ペットショップ『パ」

「ここで買える“一番でかい奴”がほしい」


身なりのしっかりとした老齢の男性の、静かだがしっかりとした声が店主の言葉を遮った。


「“一番でかいやつ”……でございますか」

「そうだ」


過去の注文の中でも、とびきり珍しい注文を頂いた。店主は何事かと思った。
よく見ると、強面の付き人が二人ほど外で待機している。
どうやら只者ではないらしい……。ひとまず、店主は彼を商談スペースへ案内した。








「ここではなんでも揃えられるんだろう」

「取り扱える種類や大きさの限度とやらは、どうなっているんだ」

「大きさ……ですか」

「そうですね……」

「この国の法律では、体長が5mかつ1tを超える爬虫類、両生類を取り扱うことは許されていません」

「この大きさともなると、凶暴な生物は手が付けられなくなりますから」

「そうなのか」








「では……“ブラキオサウルス”とやらは、どうなんだ」

「残念ながら、あれは長さが25m、体重が80tにも達する生物です」

「いかなる住宅の庭に収めることはできませんし、この国で飼うことはまず不可能でしょう」

「…………そうか」


そのとき、老人ははじめて困った顔を見せた。


「実は……うちの孫がせがんでおるのだ」

「お孫様が……ですか」

「あぁ」


話によると、その孫がインドの旅行で象に乗った時の感動が忘れられず、
その感動が昇華して、それを更に越える大きさの生き物の背中に乗りたいと言ったらしい。

普通ならそれは不可能だと断るものだが、この老人はなんと日本の財政界のフィクサーとも言うべき人物だという。
そして、孫にそんな情けない答えを返すことができず、今に至るともいった。








とても馬鹿げた動機だった。だが、あろうことか彼はその孫の考え方に同調した。
馬鹿でかい生き物を目にしたいと思ったのは、小さい頃に自分も通った道だったから。
ましてや、その背中に跨りたいと言ったこと。
そして、自分の目の前にいる人物の財力なら、それも可能であること。

それらの要因が重なって、店主は困り果てた老人にある提案をした。



「ひとつ、考えがあります」

「ぬ、なんだ……?」

「お孫様の願い、叶えて差し上げられますよ」

「なに、本当か!」

「ただし、それは恐竜ではありませんが……」

「きっと、お孫様も満足されますよ」



その時の店主は、客の前でまるで子供のような笑みを浮かべた。
それは自身がこの店を開いてから、初めてのことだった。




朝の分はここまでです。
起きられれば、また夜に書きます。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

おつ

トロオドンって名前の感じからモササウルスみたいなの想像してたけど、
始祖鳥とラプトル組み合わせたみたいな姿なのな

>>34
ありがとうございます
作中のイメージでは羽毛は生やしていませんが、鳥類にだいぶ近い特徴があったそうですね。

ゾイドの人だったのか
宇宙人のも書いてなかったっけ?

少しだけ再開します

>>38
宇宙人の話は、今しばらくお待ちください!
なんでもしますから!



………………
…………
……


先日の契約は、開業以来のビッグオーダーとなった。

店主は飼育場を任せている古くからの友人と話をし、搬入のための段取りを取り決めた。
離島にある飼育場から“それ”を運び出すためにはまず大型船舶が必要で、
上陸後の積み替えや搬入時の道路使用許可の取り付けなど、ここ最近は大変忙しかった。

そんなある日……店主が届け出に必要な用紙を一通り記入し終え、一休みしていた時のこと。
思わぬ来客があった。


それは、先日やってきた女の子とトロオドンだった。








「こんにちは!」

「こんにちは、いらっしゃいませ……」

「ようこそ、ペットショップ『パ」

「アタシもうしってるよーおじさん!」

「おじっ……」


齢32のバツイチ独身。おじさんと呼ばれるには、いささかデリケートな年頃だった。
少し気が沈んだが、彼はすぐに冷静を取り繕った。

見たところ、隣のトロオドンの血色は良い。
今の段階では、うまくこの子の家でやっていけているようだ。








「今日はどうしたのですか?」

「とろどんがねー」

「お友達に会いたがってるみたいだったの」

「友達……」


きっとおそらく、この店で飼育している他の子達のことだろう。
女の子がリードを外してやると、“とろどん”はかつて自分がいたケージのあった場所へ駆けた。

ツツツっといった軽やかな足取り。
彼はその場をクルクル回って、しばらくするとコンプソグナトゥスのケージを小さな爪でカリカリしだした。

それを見ていた店主と女の子の顔に、自然と微笑みが零れた。




あかん、やっぱり眠いので寝ます……

皆さんも、風邪にはお気を付けください
おやすみなさい

乙、お大事に、ゆっくり治せ





「今日はお母様はご一緒では?」

「おかーさん、いつもはいないの」

「そうでしたか」


「とろどん、すごく賢いの」

「おトイレもすぐに覚えたし」

「お家の中でも、おとなしくしてるし」

「それはそれは……」

「だからアタシ、とろどんだいすき!」








店主も、内心では喜んでいた。

実際、トロオドンは中生代で最も賢い生き物と言われた恐竜だ。
かつては化石から脳の容量を推定してそう言われていたが、今ここにいる本物がその証明となっている。

店主はこの店を開いてまだ5年余り、あらゆる古代生物の成長に立ち会うには、まだまだ時間が足りていなかった。
そのため、こういった実物の成長がもたらす点に関しては、未だに不明瞭な点もあったの



「アタシにも“まだ”おとうとがいたら」

「こんな感じだったのかなぁ」

「…………」



だが店主は、その質問には答えられなかった。








店主も、内心では喜んでいた。

実際、トロオドンは中生代で最も賢い生き物と言われた恐竜だ。
かつては化石から脳の容量を推定してそう言われていたが、今ここにいる本物がその証明となっている。

店主はこの店を開いてまだ5年余り、あらゆる古代生物の成長に立ち会うには、まだまだ時間が足りていなかった。
そのため、こういった実物の成長がもたらす点に関しては、未だに不明瞭な点もあったのだ。



「アタシにも“まだ”おとうとがいたら」

「こんな感じだったのかなぁ」

「…………」



だが店主は、その質問には答えられなかった。




今からまた出ますので、一旦ここまでせす

毎度短くて申し訳ないです。>>44のお心遣い、感謝します……


この場を借りてお聞きしたいのですが……
ここまで出てきた古代生物の画像などは、あった方が良いですか?
もしご意見がございましたら、お書き込みいただけると幸いです。

あった方が助かるかな。想像しやすくなるし


あってくれると助かる。今まで知らないのはググってたから

>>49
>>50

ありがとうございます。
明日が休みになりましたので、その書くときはじめに貼りますね。

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira102649.jpg
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira102655.jpg

>>3のアノマロカリス、始祖鳥


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira102650.jpg
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira102651.jpg
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira102652.jpg
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira102653.jpg

>>17のオパビニア、トリナクソドン、コンプソグナトゥス、アデロバシレウス


ttp://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira102654.jpg

>>23のトロオドン


この先は、その都度貼っていきます









それからというもの、その女の子と“とろどん”は毎日のようにやってきた。
その子は今どき珍しいほど好奇心が旺盛らしく、とろどんのことや店で飼っている生き物のことをたくさん質問した。
店主は仕事の間を縫って、それらに答えてあげた。

迷惑とは感じない。
大事な顧客である上に、古代の生き物に興味を持つ仲間が増えるのは、むしろ喜ばしいことでもあったからだ。

店主が書類に追われているとき、彼女はとろどんに歌を教え、ケージの清掃や餌付けは手伝ってもくれた。

他の友達とは遊ばないのか、親が心配はしないのか。
店主はそれらを聞くことはしなかった。








だがある日、店主は店を休みにした。

ついに、例の“納品”の日がやってきたのだ。


先日の男性の邸宅は、ある名山のふもとにあった。
青々しい広葉樹の森に囲まれた広大な敷地を持ち、門から邸宅までは車で移動する。

欧州の近代建築をもとにしたモダンな豪邸。
その壮厳な装飾が施された玄関の先で、彼とその孫、数人の付き人が待っていた。








「お迎えいただき、ありがとうございます」

「こちらこそ、今日はよろしく頼むよ」

「しかし……本当にここに来るんだろうね」

「えぇ、もちろんです」



「おや、ちょうど……来たようです」








バッバババババ……

広大で優雅な芝の庭に似つかわしくない爆音が響き渡る。
大重量の“それ”を運搬してきた、仰々しい20tトレーラーのエンジン音だった。

男性と孫をはじめ、その場にいたほとんどの人間が何事かといった表情で狼狽えた。
それをよそに、店主は停止の合図をトレーラーにむかって出す。


トレーラーは彼らの立つ場所の近くに停車し、その後ろから来ていたバンから数人の警備員が降りてきた。
荷台に大きく張られた幕が手際よく外される。


バサッ








荷台にしっかりと固定されたそれは、まるで現代のサイやゾウのような肌をした哺乳類だった。

首が少し長く、明らかなオーバーサイズであることを除けば……。



http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira102670.jpg

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