TERU月「……」
AKI月「……」
HATU月「……」
TERU月「今、なんて言ったの? 秋月姉」
AKI月「TERU、何度言ったらわかるの。スタジオでは私のことはAKIと呼んでと言ってるでしょう」
TERU月「ご、ごめん」
HATU月「いやTERUは悪くない。AKIが話を逸らしたのが悪い」
TERU月「HATU……」
HATU月「なあAKI。僕たち今まで言い争ったことなんてなかったじゃないか。それが一体どうしたっていうんだ」
AKI月「言ったでしょ。もうこのバンドグループは解散するの。AKI月達は艦MUSU。音楽じゃなくて戦闘に生きなければならない」
TERU月「そ、そんなこと言ったって……。戦いながらバンドを続けていけばいいじゃない! ね? HATU」
HATU月「TERU。何度言ったら分かるんだ。今は解散か解散じゃないかって真面目な話をしてるときだ。僕のことは艦娘名の初月と呼べばいい」
TERU月(どうすりゃいいのよこの姉妹)
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AKI月「もう、もううんざりなのっ!!」
TERU月「え……」
AKI月「こんな格好して、みんなの前に出て、大声で叫んで歌うことが!!」
HATU月「AKI。なんてことをいうんだ。今じゃ僕らは那珂の前座どころの人気ではない、那珂を超えてしまったバンドグループなんだぞ」
AKI月「そんなことAKIは求めてないもん! AKIは司令に見てもらいたかっただけ! 司令にAKIの姿だけを見て欲しかっただけなんだもん!」
TERU月「AKI月姉……そ、それって、提督のこと……」
AKI月「ええそうよ! 私は司令のことが好きだったの! 司令のために歌を歌い続けてたの!」
TERU月「……」
HATU月「ぼ、僕だって、提督のことが好きだったさ!」
AKI月「っ!」
HATU月「でも……でも、もう。もう提督には……」
TERU月(やべーマジかよ)LV125
AKI月「たった一人のケッコンカッコカリ……それを司令はTERUと」
HATU月「そ、そんなこと言ったって仕方ないさ。AKIだって今レベルは98だろ? もうすぐ提督もAKIとのケッコンを考えているはずさ」
TERU月「……」
HATU月「それにホラ、僕を見てみろよ。ははっ、つい先日艦隊に入ったんだ。まだレベルは71だぞ」
AKI月「私はTERUより早く艦隊にいたもん!!」
HATU月「っ!」
AKI月「ほら、分かるでしょ……? このことからも、AKIはもういらないんだよ。司令にとってAKIは、TERU月の下位互換にしかならないのよ……」
TERU月「あ、秋月姉、そんなことないってば! 照月はたまたま出撃が多くてケッコンしただけで」
AKI月「何回言ったらわかるの!! ここでは私のことはAKIって呼んでって言ってるでしょ!!!」
TERU月「あ、ああ、うん。ご、ごめん」
HATU月「AKI。まずは落ち着こう。そうは言っても、僕らバンドグループが活動を始めたのは、TERUがもうケッコンしている時じゃないか」
AKI月「……」
HATU月「だから、AKIが言っていることは矛盾しているよ。提督に自分の姿を見てもらいたかったって、それは不倫にも等しいことじゃないか」
TERU月(いや、別に私も好きでケッコンした訳じゃなくてね? レベルが99になったから指輪渡されただけなんだけど……)
AKI月「ねえ、HATU。こんな言葉を知ってる?」
HATU月「なんだい?」
AKI月「大丈夫、次もきっと、大丈夫です! って言葉」
HATU月「ああ。AKIがよく艦隊戦でMVPをとった時に言う言葉だな。それがどうした?」
AKI月「次も大丈夫、ってことは。2人目の奥さんもアリ、ってことだと思うの」
HATU月「なるほど! どうだいTERU? AKIのいうことは的を得ているな! アリか!?」
TERU月「アリ! ですね! とでも言うと思ったの?」
HATU月「えっ。うん」
AKI月「よく言ってるから、言ってくれるかなと思って」
TERU月「なんでいきなり二人共冷静になってるの。確かに私よく『アリですね』って言うけど、さすがに倫理的に間違ってる部分までアリとは言わないよ」
AKI月「ジュウコンって、素敵と思わない? TERU」
TERU月「ええ? いや、うーん。まあ、秋月姉にも幸せにはなってほしいけど……ジュウコンを素敵とは思わないか、な。はは」
AKI月「はい。このバンドグループ解散します」
TERU月「いやなんで!!?」
AKI月「TERUが司令を譲ってくれないから」
HATU月「あわよくば僕にも提督を譲ってくれないか、TERU月姉さん」
TERU月(うわぁ~。この姉妹めんどくせぇ)
TERU月「だ、大体ね? 今は提督のことは関係ないっていうか。そうだ、今はバンドを解散するかしないかって話でしょ? だからさ、もう一度話し合おうよ。きっとまた私たちならやり直せるよ!」
AKI月「無理よ。だって私司令が振り向いてくれないと嫌なんだもん」
TERU月「秋月姉そんな性格じゃないでしょ! どうしたのさ一体!」
AKI月「だからここではAKIって呼べって言ってんでしょーがああああああ!!!」
HATU月「うわあああああああああぁーーーっ!!!」
TERU月「ど、どうしたの初月まで!?」
HATU月「いや、中破した時の声を出してみた」
TERU月「なんで今!?」
AKI月「とにかくもう終わりよ……私たちのバンドグループ『GROY』は終わりなのよ……。TERUがいれば超人気グループG●AYになれると思ってたのが間違いだったのよ……」
TERU月「いやTERUさんに悪いからそれ。というかバンドグル名語呂悪すぎだよね。ぐろいって何?」
HATU月「ガチで(G)、ランバダ(R)、オリョール海(OY)って意味らしい」
TERU月「どういう意味それ」
AKI月「潜水艦さん達が、オリョールで、頑張ってくれるようにってつけたバンド名よ」
TERU月「もう何がなんだか分からなくなってきた……」
HATU月「……まあ二人共。そろそろ(青葉さんの)記者会見が始まるぞ。一世一代の発表だと言ってしまったのだから、中途半端なことは言えない」
AKI月「そうね。ねぇTERU。聞いてくれるかしら」
TERU月「えっ? う、うん。なに?」
AKI月「私、司令のことは滅茶苦茶好き。でもこのバンドグループのことも愛してる」
TERU月「AKI……」
AKI月「だからTERU。貴方が決めて。私たちと今後もバンドをやっていきたいのなら、解散宣言はしなくていい」
TERU月「そ、そりゃあ私だって! せっかく会えた姉妹だもん! なんだかんだ言って音楽活動も楽しいし、解散なんてしたくないよ!」
AKI月「……そうね。私もよ、TERU」
TERU月「あ、秋月ね――」
AKI月「だけど、バンドを続けるには条件があるの。司令に、私にもケッコン指輪を渡すように頼んでほしい」
TERU月「……」
HATU月「TERU。僕からもお願いする」
TERU月「え」
HATU月「ケッコン指輪をくれとは言わない。ただ、僕とだけ毎晩夜を過ごしてくれれば良いと……」
TERU月「……」
AKI月「頼んだわね」
HATU月「TERU」
TERU「……」
~記者会見会場~
青葉「ああっ! 大人気グループ『GROY』の皆様が現れました!!」
ワーーワーー キャーキャー オッソーイ!
TERU月「……」
AKI月「……」
HATU月「……」
青葉「艦隊のアイドルこと那珂ちゃんを超え、今やCDセールスの売上ナンバーワンバンドグループ『GROY』からの緊急記者会見!! 一体どんなことが発表されるのでしょうか!!? ああっ!! リーダーのAKIが立ち上がりました!!」
AKI月「皆さん。司令。本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございました」
AKI月「今日は私たち『GROY』から、ケッコンについての大切な発表があります」
青葉「ケ、ケッコンですってーーー!!? い、一体どういうことでしょうか!? 一部報道では解散報告などが流れていましたが、これはもしや」
AKI月「じゃあTERU。発表をお願いね」
HATU月「TERU。期待しているよ」
TERU月「ええ。任せておいて」
TERU月「音楽と姉妹としての方向性の違いがありましたので。本日を持って、このクソバンドグループを解散します」
艦!!
ご愛読ありがとうございました。
下記、オマケ
【青葉速報】あの超人気グループ「GROY」が解散!!?
この世紀の大ニュースが、歌と踊りで大爆発中のバンドグループへ衝撃を与えたのだった……!!
そう『エゴザイル』である!!
MAKIGUMO「あ、あのグロイが解散って……」
AKASHI「うちも気をつけないとね」
TAKANAMI「ふぁんふぁんうぃーひっざすてーすてー、かもです」
AKITUSIMA「やばいかも~! でもうちの仕事が増えるかも~!」
YUUDACHI「なんか、本格的に誰でもいいっぽい」
JYUNNYOU「だぁ~、名前ローマ字にすりゃいいってもんじゃねえんだよぉ!」
OI「なんで私二文字なのかしら」
KITAKAMI「いやー、最初の3人はなんとなくEXI●Eっぽくて判るんだけどね~」
SISYOU「ZUIUN」
ZUIHOU「KYUUUKYUUUKANNBAKUは、足がかわいいのよ、足が!」
TEITOKU「もう何が何やら」
これにて艦!!
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