P「新たなレッスンを考えついた」 (33)
律子「どうせろくなもんじゃないんですよね?」
P「何をおっしゃるうさぎさん」
律子「うさぎ?」
P「……これがジェネレーションギャップか」
律子「それよりどんなレッスン内容なんですか? コストは? 計画書は?」
P「……プレゼンをしよう」
律子「考えてないんですね」
P「いや! 内容は考えてる! コストとかはこのレッスン内容が気に入ってからで……ね?」
律子「……分かりました。 ではどうぞ」
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P「まずレッスン名から……その名も『マジックミラー号!』」
律子「マジックミラーって片面からは見えるけど逆の面からは見えない鏡みたいなやつですよね?」
P「あぁ!(知らなくて良かった)」
律子「……で、それをどうするんですか? ってより“号”ってなんですか?」
P「マジックミラー号とはトラックの荷台にマジックミラーで囲まれたコンテナを積み、中からは見えるが外からは見えないという素晴らしい車だ!」
律子「ほう……で、それがレッスンと何の関係が?」
P「うちの事務所の娘達はまだ人前に立つことに慣れていないだろう?」
律子「そうですね……最近伸びてきてる最中ですからね」
P「そこで活躍するのがマジックミラー号です!」
律子「……話がよく分かりませんね」
P「つまり! 人から見られる事に慣れればいいんだ!」
律子「……は?」
P「え〜と……見られてはいないけど見られてる感覚だけでも慣れてもらうっていうか……ね?」
律子「自信が無いならプレゼンしないでください」
P「あ、あるもん! 自信あるもん!」
律子「はぁ……つまりアイドル達にそのマジックミラー号の中で何らかの活動をしてもらい、人前に立つ感覚だけでも身に付けてもらうレッスンだと?」
P「そう! 俺はそれが言いたかった!」
律子「……はぁ」
P「ダメ……ですか……?」
律子「なんで涙目で上目遣いなんですか。 ……けど面白いレッスン内容ですね。 珍しく実用的で結果が出やすい企画ですし……けどコストは掛かりそうですね」
P「そこは……社長に相談してくる!」
律子「……まぁ、私は賛成しますよ。 最終的な決断は社長にお任せしますが」
P「へへっ、やーりぃ!」
律子「……はぁ」
…
―――
―――――
――――――――
P「社長からOK出た!」
律子「ほぉ、じゃあ発注から全ての流れを……」
P「もう終わった!」
律子「……え?」
P「ねぇえらい? 俺えらい?」
律子「……」
P「……取り敢えず明日には納車だから早速レッスンだ! ひゃっほい!」
律子「……決算が怖い……」
P(ふふふ……念願のマジックミラー号……社長にはこの単語は隠して伝えた甲斐があった……むふふ……)
――――――――――
――――――
―――
――
…
春香・雪歩・やよい・真「マジックミラー号?」
P「そうだ! 今からこれに乗って……」
真「ちょ、ちょっと待ってください……なんですかそれ?」
春香「うんうん」
雪歩「詳しく聞きたいです!」
やよい「うー?」
P「あぁ……かくかくしかじかうまうまひひん」
春香「成程……面白そうなレッスンですね!」
雪歩「いくら向こうから見えないっていっても……うぅ……」
やよい「最近ステージの上で緊張しちゃうから丁度いいです~」
真「僕そんな緊張しないんだけど……」
P「真は俺の独断で参加させた」
真「何故……」
P「まぁいいじゃないか。 それでは……皆乗りこめー!」
春香「おー!」
雪歩「お~……」
やよい「うー!」
真「なんだかな~……」
―――マジックミラー号車内―――
P「うん! 原作通り!」
春香「原作?」
P「あ、いや気にするな」
雪歩「けど本当に向こうからは見えないんですよね……?」
P「じゃあ確かめてみるか? 皆一旦外に出なさーい」
―――マジックミラー号車外―――
春香「本当に鏡なんだ……」
雪歩「さっきまで蓋? みたいのがかかってたから分からなかったけど……本当に鏡なんだね……」
真「これなら安心出来るね」
やよい「ところでプロデューサーは何処です?」
春香「あれ? まだ車内なのかな?」
雪歩「ちょっと私見てくるね」
雪歩「きゃあああああああああああああああ!!!!!!」
P「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!????」
真・春香・やよい「!!?」
―――マジックミラー号車内―――
真「雪歩どうしたの!!!??」
春香「雪歩大丈夫!!!?」
やよい「プロデューサーの叫び声もしました!!」
雪歩「……」
P「違う……違うんだ……」
春香「……なんで上半身裸なんですかプロデューサー?」
P「いや……皆が見えてないだろうと思って……」
真「……なんで脱ぐ必要が?」
P「そのな……好奇心で……」
やよい「……」
P「やめて! 無言が一番傷つくの!」
P「え~……それではレッスンを開始する」
真「……雪歩大丈夫?」
春香「……無理しないでね?」
やよい「……辛かったら休みましょう」
雪歩「大丈夫だよ皆……ごめんね心配かけて……」
P「ごーめーんーなーさーいー! 俺が悪かったから!」
春香「……」
真「……」
やよい「……」
雪歩「……」
P「うぅ……それではこれから皆にはこのマジックミラー号内で普通に生活してもらう……」
春香「……普通に? レッスンは?」
P「普通に生活するのがレッスンだ」
真「それでレッスンになるんですか?」
P「人目に触れているかもしれない中で普通に生活してそれを当り前にする。 だが決してアイドルという事を忘れてはダメだ」
やよい「難しそうです……」
P「最初は疲れるかもしれないが、これに馴れるのがこのレッスンの本質だ」
雪歩「けど……それってここに寝泊まりするって事ですか?」
P「そうだ」
やよい「!!? それじゃ家族の皆が心配しちゃいます!」
P「皆の家には連絡済みだ。 やよい家には伊織が行って家族の面倒を見てる」
春香「……因みにいつまでこの生活を……?」
P「ざっと……一ヶ月かな」
真「!!?」
春香「!!?」
雪歩「!!?」
やよい「!!?」
春香「ちょっと待ってください! その間は一切出れないって事ですか!!!?」
真「そんな……トレーニング出来ないなんて……」
やよい「特売に行けない……」
雪歩「それって……お風呂もトイレもこの中でって事ですか……?」
春香「ちょ!!?」
真「えぇぇえ!!!!?」
やよい「えっ!!!!?」
P「あぁ、ちゃんと個室として設備されてるから気にするな」
春香「なんか不安……」
真「……学校あったら理由付けて抜け出せたのに……」
雪歩「夏休みだもんね……うぅ……」
やよい「特売……」
P「それじゃあ健闘を祈る!」
…
―――
―――――
――――――――
春香「……ねぇ」
真「ん? どうしたの春香?」
春香「いや……さっきからこの車動いてるみたいだけどどこに向かってるのかなって……」
雪歩「外の様子も蓋を閉められてて分からないし……本当にどこに向かってるんだろ……」
やよい「うー……」
春香「プロデューサーさんも降りちゃったし……うぅ……不安しかないよ……」
真「ほんとだね……あ! 車の動きが止まったよ!」
雪歩「どこまで連れてこられたんだろ……」
やよい「あ! 蓋が開きますよ!」
春香「ここって……駅前?」
真「みたいだね……」
雪歩「ひいぃ! 人がいっぱいですぅ!」
やよい「向こうの声は聞こえないみたいですね……」
春香「……向こうから見えてないとはいってもやっぱり怖いよね……」
真「だよね……あ! プロデューサーだ!」
雪歩「……すっごい笑顔だね……」
やよい「……そうですね……手を振りながら近付いてきてます……」
春香「殴りたいあの笑顔」
ガチャ
P「HAHAHAHAHA。 皆元気かい?」
春香「なんで陽気なんですかこの人は……」
真「元気もなにもないですよ! どうすればいいんですかボク達!」
P「ん? 言ったろ。 普通に生活していればいいんだ」
雪歩「普通って……駅前なんですかぁ……」
やよい「前を通る人皆が見てます……」
P「人通りが多い方がレッスンになるだろ? 大丈夫だ。 警察に届出は出してある」
春香「いや、そこの心配じゃなくて……」
真「春香、無駄だよこの人に何を言っても……」
雪歩「皆が……皆が見てますぅ……」
やよい「うぅ……」
P「HEYHEY! 楽しんで行こうZE! とっても貴重な体験なんだZE!」
春香「うるさいだまれ」
P「あ、はい」
真「……普通に生活するのは分かりましたけど……食料とかはどうするんですか?」
P「それは俺が毎回買ってくる」
雪歩「日用品もですか?」
P「任せろ! ナプキンからタンポンまで俺が買ってきてやろう!」
春香「真! このクズを殴って! 私が許す!」
真「任せて!」
P「まてまてまて! 冗談だ! ジョーク! ジョークアヴェニュー!」
雪歩「……」
やよい「……」
春香「……はぁ。 取り敢えず分かりました。 食料品の買い出しは任せます」
P「任せんかい!」
春香「日用品は……本当にどうするんですか?」
P「任せんかい! ……って言いたいけど食料品&日用品はスタッフが買ってきてくれるから。 女性だから安心してくれ」
雪歩「ほ、本当ですか……?」
P「WOW! 信用が薄いぜ!」
やよい「なんかもう信じれません……」
P「やよいから言われると本当にくるものがあるな……」
春香「……分かりました。 取り敢えず私達はここで生活します」
P「お! わかってくれたか!」
春香「はい。 そのかわりプロデューサーさんは入ってこないでください」
P「え?」
真「そうですね。 それがいいとボクも思います」
P「え? え?」
雪歩「わ、私もそれがいいです……」
P「えぇ……」
やよい「私もそうじゃなきゃ嫌です」
P「……」
春香「それじゃあまた一ヶ月後に会いましょうプロデューサーさん」
P「……はい……」
―――その後の車内―――
春香「……取り敢えずどうしよっか?」
真「そうだね……取り敢えずダンスレッスンする?」
雪歩「そ、その前にお茶飲まない? 一旦落ち着きたいし……」
やよい「そうですねぇ……あ、お菓子探してみます!」
春香「ふぅ……」
真「雪歩の淹れるお茶はやっぱり美味しいね」
雪歩「えへへ、ありがとう真ちゃん」
やよい「お菓子いっぱいありましたー!」
春香「一応車内色々見てみたけど、結構ものは揃ってるんだね」
真「シャワールームにトイレ、キッチン、テレビもあったね」
雪歩「寝るのはあそこに積まれてるお布団を使えばいいんだよね?」
やよい「うっうー! 家族以外の人と一緒に寝るの初めてだからワクワクしますー!」
春香「……すっごい和気藹々としてるけど……」
真「うん……目の前通る人達が全員こっち見てるね……」
雪歩「ひゃう! い、今目が合ったよぉ!」
やよい「なんか緊張しちゃいます……」
春香「……カーテンひいちゃう?」
真「あ、それいいね」
雪歩「そ、それです!」
やよい「名案です!」
春香「それじゃあ……あ、このシーツ貼り付けようか」
真「分かった。 それじゃあそっちの端をちょっと持って」
雪歩「わ、私も手伝うよ!」
やよい「私もやりますー!」
―――765プロ事務所―――
P「追い出された」
律子「追い出された? 何処からですか?」
P「いや、あのマジックミラー号あるじゃない。 あそこから皆に追い出された」
律子「またなにかしたんですか?」
P「またってなんだい! いつもそんな事してないやい!」
律子「……」
P「いや、してますねはい」
律子「はぁ……取り敢えず今は待っていていいんじゃないですか? なにかあったら連絡がくるでしょうし」
P「そうだけど……! もっと中から外を見てたい……!」
律子「マジックミラーの中からですか?」
P「そう! あれは男のロマン!」
律子「ロマン? なんでですか?」
P「い、いや……そんな事よりあいつらがレッスンをサボらないようにちゃんと見てなきゃ!」
律子「春香達はサボるような娘達じゃありませんよ。 貴方じゃあるまいし」
P「そうだった……って俺もサボらんわ!」
律子「はいはい、取り敢えず目の前にある書類片付けちゃってくださいね」
P「ぐぬぬ……」
―――マジックミラー号車内―――
春香「できたね!」
真「これで安心して生活できるね」
雪歩「これで緊張せずにすみますぅ」
やよい「少し動いたらお腹減っちゃいましたー!」
春香「それじゃご飯作ろうか。 えっと食材は……あれ? 冷蔵庫の中なんも入ってないや」
雪歩「ど、どうしよう……」
真「プロデューサーに連絡して買ってきてもらおうよ」
春香「そうだね。 ……来ないよね?」
真「あれだけ強く言ったんだから来ないと思うよ」
やよい「プロデューサー少し可哀想でしたぁ……」
春香「やよいは優しいね。 私も強く言い過ぎちゃったし反省しなきゃ」
P「そうだぞ。 俺のメンタルもうボロボロ」
雪歩「ひゃう! で、でました!!」
P「俺はお化けじゃないぞぅ」
春香「いつの間に……ちゃんと仕事してるんですか?」
P「してる! さっきまで書類まとめてたんだけど気が付いたらここにいた。 何を言ってるのかわからねぇと思うが俺も何を言ってるのかわからねぇ」
真「本当に何を言ってるんですか」
やよい「あ、あのプロデューサー……さっきはごめんなさい……」
P「やよいは優しいなぁ! 本当に天使だなぁ! 誰かさん達にも見習って欲しいなぁ!」チラッチラッ
春香「うわ、うざ」
P「さーせん」
真「そうだ。 冷蔵庫の中に食材が入ってないんですよ」
P「あー……入れるの忘れてたか。 メンゴ」
雪歩「お腹空きました……」
P「待ってろ! 今買ってくる!」ダッ
春香「うわっ、はやっ!」
真「……これで食材も揃うし、もう大丈夫d」
P「ただいまー!」
春香「うわっ、はやっ、きもっ!」
P「キモイは言い過ぎだ……心折れる……」
真「ところで何を買ってきたんですか?」
P「もやし(裏声)」
やよい「うっうー! 今日はもやし祭りですー!」
春香「あとは何を買ってきたんですか?」
P「バナナ(低音)」
真「あとは?」
P「練乳(恍惚)」
春香「……あとは?」
P「以上だ!」
雪歩「えぇ……」
春香「ほんと使えねーなこいつ」
P「春香ちゃんお口悪い。 ぼくこわい」
やよい「大丈夫ですよー! 調味料は色々あるんでもやし祭りができますー!」
P「そうだ! もやし祭りだ! ひゃっほう! ……ってなんじゃこりゃ!」
春香「忙しい人ですね……」
P「いや、おまっ、そと、みえん、え? なんで?」
真「あ、人目が気になるんでシーツを貼り付けました」
P「……これじゃ特訓の意味なかろうもん!」
雪歩「だ、だって……」
P「……あのな、これはお前達がステージの上や、人前に立つ時に緊張しないようにする為の特訓なんだぞ。 こんな事しちゃったら全く意味を成さないんだよ」
春香「そうですけど……」
P「急にこんな事になって混乱するのもわかる。 だけどこれはお前達の為なんだよ」
真「……」
P「こんなくだらない事に思えるかもしれないが、後々必ず結果として現れるんだ。 これは俺や律子、社長で話し合って出した案なんだ」
やよい「うぅ……」
P「……どうしてもって言うならこのレッスンは中止しよう。 無理矢理やらせてもよくないしな……」
春香「……いえ、やります。 やらせてください!」
真「ボク……またプロデューサーがふざけた事やってるくらいでしか考えてませんでした……」
雪歩「わ、私! 頑張ります!」
やよい「うっうー! 緊張しないよう頑張りますー!」
P「お、お前ら……!」
春香「少しはプロデューサーさんを信じてみようと思います。 少しは」
P「少しかい……」
真「取り敢えずやってみますよ! そして早く可愛い格好でテレビに出るんだ!」
P「おう、そうやな」
雪歩「ダメダメな私ですけど……頑張ってみますぅ!」
P「雪歩はやれば出来る子なんやで」
やよい「もやし祭りですー!」
P「もやし祭りじゃー! いま関係ねぇー!」
春香「取り敢えず私たちやってみます! だからプロデューサーさん任せてください!」
P「おう! やったれやったれ!」
春香「任せてください!」
P「おう!」
春香「任せてください!!」
P「お、おう?」
春香「任せろ」
P「あれ? 俺暗に帰れって言われてる?」
真「はい!」
P「いや、そない元気に言われても……」
雪歩「はいですぅ!」
P「いやあの……」
やよい「私達に任せてプロデューサーは帰ってお仕事してくださーい!」
P「お、おう……」
春香「それじゃあお疲れ様ですプロデューサーさん!」
P「あ、うん……なんかあったら連絡してね……」トボトボ
真「よし! それじゃあ外に向かってダンスレッスンだよ!」
雪歩「が、頑張ります!」
春香「笑顔を忘れちゃダメだからねー!」
やよい「うっうー! 頑張りますー!」
―――765プロ事務所―――
P「また追い出された……」
律子「さっきはいきなり消えましたね……」
P「なんか呼ばれた気がしたんだよ。 そして気が付いたらマジックミラー号の中にいた」
律子「怖っ」
P「俺の中に眠る能力が目覚めたのかもしれん」
律子「キモッ」
P「止めて!」
律子「取り敢えず仕事してください。 まだまだ書類片付かないんですから」
P「はいはい……暫くはマジックミラー号へは行けないしな……」
律子「さっきまで行きたい行きたいって駄々こねてたのにどうしたんですか?」
P「いやね……あいつらの本気の目をみたら邪魔するのは良くないなって思ってね……」
律子「……普段からそういった態度で皆に接してればいいのに……」
P「いやだい! ちょっち変な人ってのは俺のアイデンティティなんじゃい!」
律子「ちょっと? かなりの間違いでは?」
P「やだ……この娘ひどぅい……」
律子「さっさと片付けちゃいましょう。 小鳥さんも実家帰っていて人手が足りないんですからチャッチャと手早く」
P「うぅ……鳥の手羽先も借りたい気分だ……」
―――それから一週間後のマジックミラー号車内―――
春香「なんか人の目気にならなくなってきたね」
真「うん、時折写真撮ってる人いるけどボク達の事見えてなんだろうし緊張しないや」
春香「あれ? 今写真撮ってったの小鳥さんじゃなかった?」
雪歩「え? 私見てなかった……」
春香「なんか写真撮って直ぐに走り出しちゃった……ま、いいか」
真「そうだね、どうせ事務所に帰ったら会えるし。 そういや雪歩は緊張しなくなった?」
雪歩「まだ少しドキドキするけど私も平気になってきたよ」
やよい「私も平気ですー!」
春香「成長……してるんだよね、私達」
真「うん! これでオーディションやステージの上でも緊張しなくなるよ!」
雪歩「う、うん!」
やよい「これもプロデューサーさんのお陰ですー!」
春香「そうだね……ねぇ、終わったら皆でプロデューサーさんに謝ろうよ。 色々悪いこと言っちゃったし……」
真「そうだね……ボクも雑に扱いすぎちゃったしな……」
雪歩「わ、私も謝らないと……酷い事言っちゃったし……」
やよい「うぅ……私も謝りますー……」
春香「うん! それじゃ結果を出してプロデューサーさんに見せてあげよう! 765プロー!」
春香・真・雪歩・やよい「ファイトー!」
―――その頃の765プロ事務所―――
P「あぁ……地獄のような一週間だった……」
律子「これで粗方の事は片付きましたね。 そして小鳥さんがそろそろ帰ってくるはず……」
小鳥「プロデューサーさん! プロデューサーさーん!!」ダバダバ
P「あ、お帰りなさい音無さん。 久しぶりに見ましたよダバダバ走り」
律子「お帰りなさい。 あと、ホコリ立つんで走り回らないでください」
小鳥「す、すみません……じゃなかった! 聞いてくださいプロデューサーさん!」
P「なんです? いいお見合いの話でも転がり込んできましたか?」
小鳥「違わい! さっき駅から歩いてきたんですけど……なんと! あのマジックミラー号が駅前に停まってたんですよ!」
P「あ……」
小鳥「いやー! 私生で見るの初めてだったんでテンション上がって写真撮りまくっちゃいました!」
P「いや……あの、音無さん……」
律子「マジックミラー号って今春香達が乗ってるやつですよね……?」
小鳥「えぇっ!!? あんな如何わしいのに春香ちゃん達が乗ってるんですか!!? どういう事ですかプロデューサーさん!!!」
P「あ……あ……」
律子「如何わしい……? どういう事ですかプロデューサーさん……」
P「…………終わりだ……」
律子「え、え、え、え、ええええええええAVの企画!!!!????」
P「はい……」
律子「そ、そのマジックミラー号っていうのはその……ビデオの企画で使われたもの……なんですね……?」
P「ふぁい……」
小鳥「流石の私も何も言えません……」
律子「……小鳥さんは春香達を……救出してきてください! 私は社長に話がありますので」
P「ま、待って! ステイステイ! 落ち着けまだ慌てる時間じゃない!」
律子「私はいつだって落ち着いてますよ、プロデューサー殿♪」
P「アカンわ。 これガチ切れリっちゃんや」
律子「兎に角小鳥さんは早く!」
小鳥「ピ、ピヨー!」ダバダバ
P「……」
律子「……覚悟しておいてくださいね♪」
P「……」ガタガタガタ
それから春香達は無事救出された。
最初は何故マジックミラー号から出されたのか分かっていなかったようだが、私が説明すると怒りを露にし、プロデューサーに対する罵詈雑言を捲し立てた。
しかし、人前で緊張しなくなるという結果が現れたこのレッスンは成功と言っていいものだった。
社長は、やり口は汚いものであるが結果が生まれた事を配慮し、情状酌量の余地ありとし、プロデューサーに一つの罰を与えた。
それは……
P「さぁ! 今を輝け! イエス! 幾つものおもーいでーたーちー!」
ワイワイガヤガヤ
律子「これが罰ですか……」
社長「うむ。 彼が作り出したマジックミラー号を改造し、マジックミラー部分をガラス張りにしたステージだ」
小鳥「プ、プロデューサーさんが……」
春香「うわぁ……私達の衣装を着て熱唱してる……」
真「無駄にダンスのキレがあるね……」
雪歩「すっごい注目集めてますぅ……」
やよい「プロデューサー! 上手ですぅ!」
律子「……泣きながら歌って踊ってますね……」
社長「これで宣伝にもなり、彼の罰にもなる。 一石二鳥じゃないか」ハッハッハッ
小鳥「場所はお台場……これは……拷問ピヨ……」パシャパシャ
雪歩「そんなこと言いながら写真撮ってますね……」
春香「ははは……」
真「ま、取り敢えずこれで許してあげようか」
春香「そうだね……これで懲りてくれるでしょ」
雪歩「だといいけど……」
やよい「プロデューサー! 輝いてますよー!」
P「輝きのー向こう側へー! すーすめー! オールスター!!!! チクショオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
おわりおわり
くぅ疲れてない
勢いで書いたんや
誤字脱字あったらすまんの
マジックミラー号
いいね
じゃあの
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