○ 長野
カナカナカナカナカナカナカナ…
ブロロロロー
咲「……」
和「……」
咲「来週の今頃は東京にいるんだよね……」
和「そうですね」
咲「……」
和「……」
咲「原村さんは……」
和「……和」
咲「え?」
和「あ、そ、その……良かったら、和と……名前で呼んでくれませんか?」
咲「……うん、いいよ」
和「ほ、本当ですか!?」
咲「原村さんも、私のことを名前で読んでくれるなら」
和「えっ!?」
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咲「……」ジー
和「わ、わかりました……さ……咲、さん……」
咲「うん、はら……」
和「咲さん?」ジトー
咲「ご、ごめんね、の、和さん……ううん、和ちゃん……かな」
和「どちらでも構いませんよ」
咲「……」
和「……」
ウフフアハハ
和「なんだか変な感じです」
咲「酷いよ、和ちゃんが言いだしっぺなのに」
和「ごめんなさい」
和「あ、話を遮ってしまいましたね」
和「先ほど何か言おうとしていませんでしたか?」
咲「あ……うん」
咲「あのね……」
○ インターハイ 第二回戦 清澄高校 vs 晩成高校 会場
咲「……」つ
少女「しまった!」
咲「カン」
○ 宮守女子 控え室
豊音「この宮永咲って人ちょー凄いでしょー」
胡桃「うん、豊音が言ってたとおりだね」
カタカタ
塞「ん……?」
胡桃「どうしたの塞」
塞「なんかモノクルが……」
咲『カン』
バギャアッ
塞「ぎゃあああああああああああああっ!?」
塞「目ッ……目えええええええええええええええええええっっっ!!!」
胡桃「うわー、モニター越しに塞のモノクル粉砕するとかホントに化け物だねこの人」
豊音「近くにいないのにこのプレッシャーとかちょー怖いんだけどー」
エイスリン「……」カキカキ つ キャンパス
胡桃「うん、これもう完全に女の子の姿した魔王だよ」
白望「変な威圧感で思わず背筋が伸びてダルい……」
胡桃「へー、この人がウチにいたらシロの怠け癖矯正出来たかもね」
豊音「わあー」
白望「勘弁して」
塞「ちょ、ちょっとあんたたちね……! 色々言いたいことあるけど、まず誰か目薬くらい頂戴よ!」
胡桃「私の鞄に入ってるから勝手に取っていいよー」
豊音「あー! 出るよ出るよー! 宮永選手の必殺技――!」
塞「この人たち信じらんない……」つ 鞄ゴソゴソ
塞「お、あったあった」
塞「へー、いいの使ってるんだね」
胡桃「うん。高かったんだから大事に使ってよね」
塞「わかってるって」つ 目薬ピチョン
塞「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ」
○ インターハイ 第二回戦 会場
ドゴオッ!
少女「あぐうっ!?」
恒子『あーーーーっとぉおおおお!!』
恒子『ここで宮永選手のカンが決まったあああああああああ!!!』
健夜『やはり強力ですね。これほどの麻雀力を持つ者に対しても完全に拘束が決まっています』
恒子『しかし今回はカンを使うのがやや遅めだった印象ですが、宮永選手にとってそれだけ晩成の大将は手強いということでしょうか』
健夜『彼女は宮永選手のカンを警戒して、鳴きを活用した上手い立ち回りをしていましたからね』
健夜『ただ、カンを意識し過ぎて、攻め時に攻勢に転じられなかったのが痛かったと思います』
少女「くっ!」ガキンッガキンッ
咲「……ッ」ダッ
少女「!」
恒子『宮永選手、ここで一気に距離を詰める!!!』
恒子『長野予選を制し、インターハイ本選でも数多の強豪を沈めて来た宮永選手の必殺技が決まってしまうのかー!!!』
健夜『これ本選の第二回戦だよ』
健夜『それにまだ……彼女は諦めていない』
少女「う……ううううううぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
・
・
・
??「インターミドルチャンピオンは――――」
??「” ”――――!!!」
?「全国目指すのはいいけど、学校はどうするの?」
?「私晩成行くから敵になるよ?」
?「私……あれからずっと待ってたんだよ……?」
?「そりゃ最初の半年くらいは、やっと来たんだ! ってあの部屋で迎え入れるシミュレーションしてたよ……でもさ……」
?「今日まで二年以上も放置プレイしておいて、今更……今更……」
?「……だから私…………」
?「…………ごめんね」
?「私と晩成に行こうよ」
?「あんたが本気なら、私も付きっきりで勉強見てあげる」
?「だから二人で” ”の前に立って、三人でもう一度遊ぼう!」
??「にわかはレギュラーになれんよ」
?「こないだ” ”に、私たちが夏までに強くなるためにどうしたらいいかって相談したんだけど」
?「そしたらこのペンダントが届いてきたの。うん。ちゃんと本人からの郵送物ってことは確認済み」
?「いい? このペンダントをね――――――――」
・
・
・
少女「……!」カッ!
少女「こんなもんで……ッ!!」
少女「諦める……わけがない!!!!!」
健夜『……』ピクッ
健夜(ここに来てこの試合で一番の気迫……)
健夜『音声さん、会場の音拾うマイクの感度下げてください。完全に切っちゃってもいいです、早く』
恒子『え?』
少女「すぅぅぅぅぅぅぅぅっ」ピタッ
咲「?」
恒子『おおっと? 新鴨選手大きく息を吸って……!!! ……ってこれまさか……』
健夜『……』つ 耳
新鴨「……ッッッヤッッッッッッッホオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
咲「……つぅッッッ!!!??」つ 耳
ッッッヤッッッッッッッホオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
ヤッッッホオオオオオオオオオオ!!!
ヤッホーーー!!
ヤッホー!
ー!
恒子『あーっと!! ここで新鴨選手の雄たけびだあああああっ!!!』
恒子『何という音の暴力!! 地面がめくれ上がって吹き飛んでいく――――!!!』
恒子『宮永選手も足が止まった! たまらず耳を塞ぐ――!!!』
恒子『っていうか小鍛治プロファインプレーーーー!!!!』
健夜『えへへ』テレテレ
恒子『……と、小鍛治プロがマニア垂涎のアラフォーハニカミを見せてる間にも――』
健夜『アラサーだよ!!』
恒子『宮永選手が手をかざした!! おーっとこれはまさかまさかの――!?』
咲「もいっこ、カン!」つ
ドゴオッ!
新鴨「ぐぶっ!」
恒子『あーっとおおおおお!! これはカンの重ねがけ!? カンの重ねがけです!!! すこやんプロ解説!』
健夜『えっと、カンを得意とする選手がプロはもちろんこのIHの場にも何人かいるのは、ご存知の方も多いかと思います』
恒子『初耳ー』
健夜『…………し、しかし彼女のカン能力は、他の選手とは一線を画している。私の知るプロと比べても、です』
健夜『通常一度使うだけでも至難の業であるカンを毎試合のように使うばかりか、重ねがけまで行うなど正気の沙汰ではありません』
健夜『本来カンはデジタルの技ですが、彼女のそれはもはやオカルトと言ってもいいでしょう』
恒子『カンを容易に使えるオカルトということですか?』
健夜『あるいは、カンをすることで誘発可能な何かを引き起こすオカルトでしょうか』
新鴨「グ……ぐ……」ガギッガギッ
咲「――!」ダッ
恒子『っとー新鴨選手、懸命にもがくがやはり宮永選手のカンを解くことが出来ない!!』
恒子『もはや完全に抵抗出来ない新鴨選手に、宮永選手が急接近――!!』
健夜『相手にもう打つ手がないとわかっていても、万が一を警戒し確実に仕留めにかかる』
健夜『宮永選手の本気度が伺えます』
咲「ツモ」つ ドズブウッッッ
新鴨「がっ」ビビクンッ
グッ…
ブチブチイィィッ
咲「嶺上開花」つ はぁと
ブシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ
新鴨「――――ぁ」
フッ
ドサアッ
恒子『――――――――きっ……』
恒子『決ィィィまッッッたああああああああああああああっ!!!!!!!!』
恒子『ついに、ついに宮永選手の嶺上開花が炸裂――――ッッッッッ!!!』
恒子『咲き誇る血しぶきは、勝者を祝う花束か――』
恒子『はたまた勝者を呪う血の烙印か――――!!!』
恒子『なんにせよこれは文句なしでしょう!!!』
恒子『第二回戦の勝者は、清澄高校大将・宮永咲だァ――――――!!!』
健夜『新鴨選手痛そうですね』
恒子『なお、宮永選手が抉り取ったはぁとは、後でIHが誇る優秀なスタッフが責任を持って持ち主に返しておきますのでご心配なくー』
恒子『それではこの戦いの実況は、ふくよかじゃない福与恒子と――――って、え?』
○ 清澄高校 控え室
久「決まったわね」
まこ「そうじゃのぉ」
和(流石です、咲さん)
優希「みんなで迎えてやろうじぇー」
久「そうね」
恒子『あーっとぉー!? これは一体どうしたことだー!?』
和「?」
久「どうしたのかしら」
○ インターハイ 第二回戦 会場
咲「な、何……?」
恒子『あーっとぉー!? これは一体どうしたことだー!?』
健夜『……なるほど』
新鴨「……」ビクッビビクンッ
パアアアアアアッ
穏乃「…………ぅ……」ビクビクッ
憧「あ……ぐぅっ……」
咲「えっ!?」
憧「……し、シズ……」
穏乃「……ぁ、ぁ……こ……ごぼっ」
憧「シズッ……!」つ 穏乃ダキッ
穏乃「わっ……私……ごめ…………」
穏乃「…………せ、せっか……」
憧「喋んなくていい!」ゲホッゲホッ
穏乃「ぁ……こ…………ひど……け…………」
憧「ば……馬鹿ッ!」ポロポロ
憧「はぁと抉り取られたあんたに比べたら、こんなの怪我のうちにも入らないわよっ!!」
穏乃「……そ――――――」ガクッ
憧「……シ……ズ…………!?」つ ユサユサ
憧「シ……」
のどっち「穏乃――――――――!!!」
○ 清澄高校 控え室
久「あららー、あの二人融合して試合に臨んでたんだ」
優希「あれってありなのかー部長?」
久「まぁ禁止はされてないわ。過去にもそれでIH出場してた例が何度かあるし」
まこ「今回もどこぞの高校にいるって噂はあったのぅ。ここのことじゃあなかったと思ったが」
和「…………」ワナワナ
優希「のどちゃん?」
和「……しず……の……」
久「え?」
和「穏乃――――――――っっっ!!!」
久「和!?」
まこ「わりゃあ一体どうし……」
カッ
久「!? まこ、優希、伏せて!」
ドオオンッ!
○ インターハイ 第二回戦 会場
のどっち「穏乃――――――――!!!」
咲「和ちゃん……!?」
憧「の、ノド……カ……?」
恒子『来たああああああああああああああああああああっっっ!!!』
恒子『のどっち本日二度目の光臨(おめざめ)だ――――ッ!!!!!』
健夜『やはり驚異的な胸囲(バストサイズ)ですね……』
恒子『それにしてもこののどっちの乱入はどうしたことでしょうか解説の小鍛治プロ?』
健夜『いやこれ完全にプライベートな話っぽいし、流石に解説するのは無理だよ……』
恒子『ええー? 解説してくれないんじゃすこや……小鍛治プロの今日のおやつ抜きだよ?』
健夜『きびし……くない!? おやつってなんでよ!? 出演料なしって言われたかと思ったよ!』
恒子『えー、だって出演料なしじゃ可哀想じゃん』
健夜『え……あ、ありがと……』
恒子『どういたしまして』
のどっち「宮永さん、これはどういうことですか」
咲「どうって……今日の対戦相手の晩成の大将を倒したんだよ」
のどっち「穏乃は晩成の大将じゃありません!」
咲「??? で、でも……」
のどっち「でももオカルトもありえません!!!」
のどっち「穏乃は……穏乃は……」
のどっち「私の親友です!!!」
咲「そ、そんな……」
のどっち「ゆるさない……」
咲「の、和ちゃん……待って……」
のどっち「絶対に許さない!!!!!」つ 槍
憧「ちょ、ちょっとノドカ……」
タッタッタッ
久「待ちなさいのど――――」
のどっち「さよなら、宮永さん」
咲「…………」
ドッ
咲「かっ……」
ビチャビチャビチャッ……
久「咲――――!!!」
まこ「なんてことを……!」
優希「咲ちゃぁん! のどちゃぁぁああん!」ブワッ
咲「…………うっ」
のどっち「…………」
のどっち「何故ですか……」
のどっち「何故……避けようとも……防ごうともしなかったのですか……ッ!」
咲「…………」つ 和ダキッ
のどっち「……なんの……?」
ポウッ
のどっち「な、何……?」
のどっち「力が、溢れて……いえ、そんなオカルト……」
咲「私の……力……」ゲホッゲホッ
のどっち「え……」
咲「ありったけの……力……」ゲホッケホ
咲「受け取って……欲、ぃ……」ヒューヒュー
のどっち「…………力の受け渡しなんて……」
のどっち「そんなオカルトありえません」
のどっち「……それに」
のどっち「もし万が一何かの間違いでそんなオカルトがありえたとして……何故私に力を……」
咲「優勝……する、でしょ……?」
のどっち「!!!!!!」
・
・
・
咲「あのね……」
咲「和ちゃんは、なんのために全国を目指してるのかな、って」
和「なんのため?」
咲「うん」
咲「……あ、何も目的がなきゃ駄目って言いたいんじゃないし、」
咲「目的があっても言いたくないなら別に無理には訊かないよ?」
咲「ただ、麻雀に打ち込む和ちゃんの姿が時々……何て言うのかな」
咲「何か追い詰められているような……そう見えるときがあって、気になっただけだから」
和「………………」
和「……まぁ、目的は……あります……」
和(もし今年のIHで優勝出来なかったら、来年の今頃、私は咲さんとこうしていることは……)
咲「……」
和「……」
咲「うん、言いたくな――」
和「私は……」
和「私は、IHで優勝したら……好きな人に告白しようと思っていま…………って!!!!!」
和(わ、わた、私、今なんて!!!???)
咲「ふーん、そうなんだ」
和「な、なんでもありませんっなんでもっ」
和「今のは口を滑らせたって言うか……じゃなくて!! とにかく今のはなしで!!! なし!!!」
咲「なんかいいね、そういうの」
和「だだだ、だから違いますってば!!!」
咲「顔真っ赤だよ、和ちゃん」クスクス
和「ここっ、これは夕陽の仕業です! 聞いてますか宮永さん!? 宮永さん!!!」
咲「咲」
和「え?」
咲「咲、だよ。和ちゃん」
・
・
・
のどっち「あ……あぁあ…………」
シュウウウウッ
和「あああああ……」
咲「ごほっ、ごほっ」
ズルッ
和「さ……咲さん……咲さん!!!」つ 咲ダキッ
咲「あな……親友に……酷……こと……許してとは、言わ……い……」ゴホッゴホッ
和「……」フルフル
咲「筋が……ジタル……の、かちゃんに……」ゲホゲホ
咲「オ……ルト……信じ……言……い……」ゲホッ
和「……うっ……ううっ……」ポロポロポロ
咲「ただ……」ゲホッゲホッ
和「も……もう」
咲「……」つ ガシッ
和「……!」
咲「私の……力……受け入れ……」
咲「絶対……ぜった、役に……立つから……」
咲「だ、ら……ね……?」
咲「おね……が……の……」ガクッ
和「……咲……さん……?」
咲「」
和「咲さん……! 咲さん!」つ ユサユサ
咲「」
和「咲さああああああああああああああああああああん!!!!!!!!」
その後。
咲という大きな戦力を欠いた清澄だったが、第三回戦の宮守女子、準決勝の有珠山高校を倒し、決勝に進出する。
相対するは、下馬評通りの圧倒的な強さで他者を蹂躙するが如く勝ち進んだ、王者・白糸台高校。
戦いは大将戦までもつれこむ大接戦となったが、
高校生の頂点、IH個人戦二連覇の白糸台の大将、宮永照を、咲から与えられた力を解放した和が一蹴。
白糸台の前人未到の団体戦三連覇を阻み、清澄高校がIHを制覇した。
――そして、少女たちが駆け抜けたもの悲しくもこの上なく熱かった夏が終わり、秋がやってきた。
○ エピローグ
和「咲さん、大丈夫ですか?」
咲「もう大丈夫だって。和ちゃんって本当に心配性なんだから」
和「だって……私があのとき取り乱したせいであんなことに……」
和「本当なら、今こうして咲さんの傍にいるわけにはいかな…」
咲「ていっ!」つ ポカッ
和「痛っ」
咲「それは、私が和ちゃんの友達に酷いことしちゃったこととでおあいこだってば」
和「そんな……! 咲さんがしたことはルールに則って対戦相手を……」
咲「もう……またそうやって……」ハッ
和「咲さん?」
咲「……和ちゃん、本当は私と一緒にいたくないの?」
和「ええっ!? そ、そんなオカルトありえません!!!」
咲「あ、なんかその台詞久しぶりに聞いたかも」
咲「IHが終わった辺りからかな。すっかり聞かなくなったような気がするよ」
咲「なんでかな?」
和「し、知りません、そんなこと……」フイッ
咲「そういえば、高鴨さんと新子さんは元気?」
和「あ、報告していませんでしたね」
和「実はこの前会って来たんです。二人ともとても元気でしたよ」
和「穏乃なんてきっと今頃野山を駆け回ってるんじゃないかと」
咲「よかった……」
咲「それにしても、生粋のアウトドア派なんだね、高鴨さんって」
和「ええ。本当に私とは正反対で……正直、最初は苦手でした」
和「でも、穏乃たちは何故かしつこく私を遊びに誘ってきて……」
和「私も、読みたい本が一杯あったのに、何故か穏乃たちの誘いを断りきれずに毎日のように遊んで……」
和「気が付いたら、親友と呼べる間柄になっていました」フフッ
咲「ふーん……」
咲「……」
和「……咲さん?」
咲「ねぇ和ちゃん」
和「は、はい?」
咲「IH、優勝したよね」
和「はい。咲さんの――」
咲「告白したの?」
和「――――――え?」
咲「告白だよ、こ・く・は・く」
咲「和ちゃん、好きな人に告白するって言ってたよね」
和「…………」
和「……私には」
和「私には、その人に告白する資格はありませんよ」
咲「……ふーん……」
咲「事情はよく知らないけど、告白もしないで諦めちゃったんだ?」
和「…………ぅ」
咲「……そっかぁ」
和「うぅ……」ジワ…
咲「でも諦めたってことはさ」
和「は、はい?」
咲「つまり今の和ちゃんは、好きな人がいないも同然、ってことでいいの?」
和「え…………えええっ!?」
和「ど、どうなんでしょう」
和「私は、まだその人のことが……その……」
咲「……」ジー
和「だ、大好き……ですし……」ウツムキ
咲「じゃあ告白しちゃえばいいのに」
和「で、出来ません……」
咲「じゃあやっぱり、好きな人がいないも同然ってことでいい?」
和「あ、あの……さっきから質問の意味がよく……」
咲「……」
タッタッ
和「あ、咲さん!?」
咲「……」フー
和「……?」
咲「ねぇ、和ちゃん」クルッ
和「は、はい」ドキッ
――聞いて欲しいことがあるんだ。
カン!
ドゴオッ!!
終わったのか?
>>24
終わりです。
新鴨……?
>>31
穏乃と憧がフュージョンしてたんでしょ
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