【モバマス】乃々「さて皆さんのチョコが完成したワケですが……」 (61)

キャラ崩壊注意



美玲「つ、疲れたー!」

幸子「でも立派なチョコが出来ましたよ!」

輝子「乃々のおかげ……フヒヒ」

小梅「ありがとう」ニコッ

乃々「まずは皆さん、お疲れさまです」

乃々「全員から同時に、しかもバレンタイン当日にチョコ作りを頼まれた時は、絶望のあまり、私のソウルジャム(※お菓子のジャムと宝石のジェムをかけた渾身のギャグ)が黒く濁るかと思いましたが……」

乃々「杞憂でした」

輝子「ご、ゴメンな……」

乃々「特に、小梅さんの希望した『飴細工によるゾンビの群れ』を作るために、本場の職人さんに頼み込み、飴細工職人として二週間修行をつむハメにもなりましたが……」

乃々「そのおかげで無事に終わりました」

幸子「出来るようになったんですか(驚愕)」

乃々「小梅さん、なかなか筋が良いですね」

小梅「そ、そうかな?」

乃々「はい。おかげでこれだけの大作を、二人がかりですが、時間内に作り終えることができました」

小梅「乃々ちゃんの教え方が上手だから……」

幸子「小梅さんも出来るようになったんですね(愕然)」

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乃々「さて――」









乃々「上っ面の友情はここまでにしましょうか」

輝子「フヒ?」

美玲「何の話だ?」

乃々「とぼけても無駄ですよ」

乃々「私は皆さんにチョコ作りを教えたんですから、手の内を全て知っている状態です」

乃々「一見たくさんの友チョコを作ったように見えますが……」

乃々「本命チョコ……隠し持ってますよね?」







幸子「……」
美玲「……」
小梅「……」
輝子「……」



乃々「良いですね、この空気」

乃々「ゾクゾクします」

乃々「今日くらい、隠し事は無しにしましょうよ」

乃々「どうせこの後、Pさんに渡しに行くんですよね?」

幸子「……そうですよ……」

輝子「……そこまでバレてるなら、仕方ないな……」

小梅「……みんなPさんのこと、狙ってたんだ……」

美玲「……やっぱり、出し抜くのは無理だったか……」

乃々「皆さんがPさんを狙うのは勝手ですけど……」

乃々「私は、このメンバーでいるのが好きなんですよ……」

美玲「まぁ……それはウチも同じだぞ」

輝子「みんなといると、すごく落ち着く……」

小梅「でも、Pさんと一緒にいたいのも、本当だから……」

幸子「やっぱり……友情と恋愛は同時に成立できませんよ」

乃々「私も、同意見です」

乃々「皆さんとはずっと友達でいたかったです」

乃々「でも皆さんが、同じ人を好きになった以上、争いは避けられません」

乃々「だからせめて、禍根を残さないようにしたいんです」

乃々「そこで考えました」

乃々「皆さんにあるゲームをしてもらいます」

乃々「そのゲームで高得点を出した人から順に、Pさんにチョコを私に行ってください」

美玲「悪くはないな」

美玲「でも、それはゲームの内容次第だぞ」

幸子「ボクたちは何をすれば良いんですか?」

乃々「簡単なことです」

乃々「今日はバレンタインデー。つまり――」









乃々「この場で、愛の告白をしてもらいます!!!!」



4人「「!?!?!?!?」」

乃々「愛の告白を、バレンタイン当日になっても用意していない乙女なんて、存在しません」

美玲「いないってことはないだろ……」

幸子「えっ美玲さんは用意してないんですか?」

美玲「用意してるに決まってるだろ!」

乃々「な?」

美玲「うぅ……」

乃々「審査員は、告白する人を除いた4人です」

乃々「私たちは告白を聞き、どれだけ萌えたかを10点満点で評価してもらいます」

乃々「それの合計が、得点となります」

輝子「フヒ、なるほど」

乃々「ちなみに、私は審査員長なので、持ち点は倍の20点満点です」

美玲「おい! それは横暴だろ!」

幸子「それじゃ乃々さんの番だけ、得点が10点も多いじゃないですか!」

乃々「落ち着いてください……逆です、このルールだと私は10点少なくなりますから」

美玲「……あ、ホントだ」

幸子「テヘペロ」

乃々「皆さん、ご安心を」

乃々「そもそも私……Pさんに告白するつもりはありませんから」

幸子「あれ?! そうなんですか?!」

乃々「そうですよ……」

乃々「え……なんで私が、そんなことするんですか……?」

小梅「乃々ちゃんも、私たちと同じだと……思ってた」

美玲「立派なハートのチョコ作ってたくせに!」

乃々「これがですか?」ス...

美玲「あぁ! よく見るとジグザグの切れ目が入ってる!!」

乃々「いつもお世話になっているお礼なので……それで十分なんですけど……」

輝子「つまり……乃々は告白しないんだ、な……?」

乃々「はい」

乃々「なので告白バトルは、四人でみっちり繰り広げてくださいね……」

小梅「うん……みっちる……!」

幸子「本当は、Pさんだけに聞いてもらうつもりだったんですが……仕方ありませんね」

乃々「少し言い忘れていましたが……」

乃々「審査の得点は公表しませんけど、集計は私がします」

乃々「つまり不正をしてもバレるので、しないでくださいよ?」

乃々「これは淑女協定ですので」

乃々「良いですか?」

小梅「う、うん……」

幸子「信用してください! ボクはカワイイには寛容なので!」

輝子「このメンバーに、ウソはつかない……」

美玲「約束する」

乃々「ありがとうございます」

乃々「あと、最後に一つだけ」









乃々「告白は、私をPさんにみたててお願いします」(`・ω・´)b



美玲「謀ったな乃々ォ!!」

三行で分かるあらすじ



ロリ四人がPさんに愛の告白をするよ!

その順番をゲームで決めよう!

さぁ、この森久保乃々に、貴様らの愛の告白を晒け出すのだァ!

乃々「では、どなたからいきますか?」

小梅「えっと……」

幸子「うぅ……」

輝子「どうしよう……」

美玲「うむむ……」

乃々「ですよねー」



乃々「仕方ありません」

乃々「森久保乃々、一肌脱がせていただきます……」

美玲「何をするんだ?」

乃々「デモンストレーションとして、私が告白します」

乃々「誰か一人がすれば、皆さんも自信がつくでしょうから」

美玲「オマエ、いいヤツだな……!」ウルウル

乃々「それに、早く皆さんからガチ告白をしてもらいたいので」ウズウズ

美玲「オマエ、やなヤツだな……!」ウワァン





乃々「では、さっそく」

乃々「森久保乃々、いきます……」

*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・



乃々「……あ、Pさん……///」

乃々「き、来てくれたんですね……」

乃々「その……P、さん……!」

乃々「いつも、プロデュースしてくれて……ありがとう、ございます」

乃々「お仕事は、イヤ、ですけど……」

乃々「私のために頑張ってくれるのは……嬉しいです」

乃々「そんな姿を見て、その……///」

乃々「Pさんのためなら……アイドル……続けても、良いんですけど……?」

乃々「だから、私の気持ち……受け取ってください……」チョコ

乃々「あ、ぁ、……愛して、ます……///」メソラシ

乃々「……も、もう二度と言わないんですけど……!!」マッカッカ



*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・

乃々「どうですか」

乃々「即興なので、クオリティには多少目をつぶってほしいんですけど……」

幸子「くっ……ま、まあまあじゃないですかね///」

幸子(乃々さんがカワイイ……!)[9.0]

小梅「乃々ちゃんらしくて、良かった……///」

小梅(敢えて直視しない告白……!)[9.0]

美玲「告白というか脅迫だな///」

美玲(乃々、やればできるじゃんか……)[8.0]

輝子「フ、フヒ、フヒヒ……///」

輝子(ギャップが良いな……!)[8.0]



※警告
アイドルたちのガチ告白による効果には個人差があります
用法・容量を守って、正しく告白されてください

乃々「今のはただのデモなんで、深く気にしないでください」

乃々「さぁさぁ皆さん! 早く私に愛の告白をしてくださいよ!」パンパン!

乃々「次の日になっても知りませんからね!」

輝子「う、やるしかないのか……」

小梅「誰からいく?」

美玲「まぁ、こういうのは大抵幸子からだろ」

幸子「言うと思いましたよ!」

幸子「なんでボクが率先して、ガチ告白を晒さなきゃいけないんですか?!」

幸子「イヤですよ! 絶対イヤです!」

小梅「それじゃ……私がする」ノ

幸子「えっ」

美玲「小梅?!」

小梅「誰もしないなら、私がする……」

輝子「いや、ここは年長の私が……!」ノ

幸子「えっ」

美玲「オマエらだけ苦しませるワケにはいかないぞ!」ノ

幸子「えっ」

幸子「え、あれ……?」

幸子「じゃあ、ボクも――」ノ







輝小美「「どうぞどうぞ」」

幸子「ちくしょう」

幸子「分かりましたよ、ボクが一番手になります」

乃々「あっ場所は、私の目の前でお願いします」

乃々「至近距離で味わいたいので」

幸子「分かりましたよ! そこでやりますから!」





幸子「……」乃々「……」

幸子「近い……」

乃々「至近距離ですから」

美玲「なぁ、もしかして、普通にするよりも恥ずかしくないか?」

幸子「すっごい恥ずかしいです……///」

美玲「これ、ウチらもするのかよ……///」

小梅「私、ちゃんと出来るかな……?」

輝子「乃々をじゃがいもだと思えば良い、フヒ」

乃々「ダメです! 私はPさんなんですから!」

乃々「Pさんにするのと同じガチ告白でお願いしますよ!!」

小梅「あぅ……///」

輝子「フヒー……///」





幸子「……」

幸子「はい、落ち着きました」

幸子「……では、いきます」

*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・



幸子「Pさん! お仕事、お疲れ様です」

幸子「……わ、もうこんなにチョコもらったんですか?」

幸子「本命は……今年もなかった? それは残念ですね」

幸子「そんなPさんに、ホラ! 本命チョコですよ!」チョコ

幸子「……あ、笑わないでください! 本当の本当に本命なんですからね!」

幸子「まったく……相変わらず女の子の扱いが下手なんですから……」ハァ

幸子「……」

幸子「もう……寂しくないですよ」ボソ...

幸子「……聞こえませんでしたか? なら、もう一度言います」

幸子「ボクが隣にいるうちは、Pさんを寂しがらせません」

幸子「これからはボクが、本命チョコを贈りますから……」

幸子「鈍感な誰かさんが、……ぼ、ボクの気持ちに、気付くまで……///」プイッ

幸子「……や、やめてください! 絶対言いませんから!」

幸子「Pさんが『愛してる』って言うまで、ボクは絶対に言いませんからね!」マッカッカ



*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・

幸子「ど……どうですか///」プシュー...

美玲「あ、敢えて言葉にしないのか……!」

美玲(普段とのギャップが凄いな……///)

輝子「行動で気持ちを伝え続ける……と///」

輝子(幸子、そこまで覚悟を……)

小梅「サラッと……添い遂げる宣言してる……」

小梅(負けられない……!)メラメラ

乃々「あぁ^~幸子の外ハネがピョンピョンするんじゃ~(^q^)」ビクンビクン

乃々「……」

乃々「ふぅ」

乃々「これは、前後で異なる役割をもった告白ですね。今回の場合では、前半では今までの関係によるやり取りで場を制圧し、後半で一気に想いを相手にぶつけています。一見すると後半がメインのようですけど、前半も結構攻めてますよね。なにせ何度も『本命チョコ』と言っているわけですから。でも、幸子さんが言っても効果が薄いんです。なにせ、相手はあのPさんですから『また幸子がなんか言ってるよハハハ』で済まされる可能性極大な訳です。だからこその後半ですよ。ここで今までの関係は終わりだと宣言することで、Pさんの態度を強制的に変化させています。こうすることで、前半のジャブが急にボディブローのように効いてくるんです。いやそれどころか、今までの幸子さんの言葉全てが、Pさんへの愛情であるという風に感じられるハズです。ここがポイントですね。ただ聞いただけでは『愛』や『恋』の一つも言わない、味気ない言葉にすぎません。しかし、幸子さんがPさんに言うことで、その意味合いは大きく変わります。今日この日の一瞬だけでなく、幸子さんとPさんという二人の歴史を味方につけた、破壊力抜群の告白となるでしょう」





幸子「うわ! ビックリした!」ビクゥ!!

小梅「すごく舌が、回ってる……!」

輝子「乃々は、やるときはやる女……フヒ」

美玲「そのトーク力を仕事に活かせよ乃々ォ!!」

集計中――



小梅[7.0]
さすが、Pさんと一番長い付き合いなだけあります
でも、大した事は言ってないので、こんなものだと思います

輝子[8.0]
内容は普通
だけど、幸せになるっていう覚悟が伝わった
その覚悟に免じて高めにしました

美玲[8.0]
よくも悪くも、普通といえば普通の告白だった
でも幸子の気持ちは、ウチにも伝わったぞ!
なので、おまけでちょっと加点します

乃々・内容[7.0]
奇をてらったものではありませんが、落ち度もありません
なので、このあたりが妥当でしょう

乃々・衝撃[9.0]
インパクトは強かったです
次の人のことも考えて、このあたりでいきます



結果
幸子[39.0]

乃々「合計が出ました」

乃々「もう一度言いますが、数値は絶対に皆さんには教えませんから」

乃々「後でたずねても、絶対に答えませんので」

幸子「気になる……」

乃々「あと、コメントありがとうございます」

乃々「一部厳しい点数の人がいますが……」

乃々「理由がハッキリしているので、作為的な減点扱いにはしません」

乃々「皆さん、淑女でお願いします」

乃々「ルールを守って楽しく生き恥晒し大会!」b

幸子「とうとう言いましたね!?」

乃々「さあ、お次は誰ですか?」

美玲「よし! ウチだ!」ノ

乃々「二人は、それで構いませんか?」

小梅「うん」

輝子「どうぞ」

美玲「……オマエの前じゃなきゃ、ダメなの?」

乃々「せやで」

幸子「気を付けてください! すっごい見てきますから!」

乃々「ためつすがめつ」ジロジロ

美玲「うぅ~……///」





美玲「……よし、いくぞ」

美玲「見てろよ!」

*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・



美玲「あ……来てくれた」パァ

美玲「……うん、オマエに大事な話があるんだ」

美玲「実は……ウチ、やめようと思って……」

美玲「……あ! ち、違うって! アイドルはやめないから!」

美玲「やめるってのは……その……///」

美玲「あの……これ、あげる……」チョコ

美玲「……ううん、本命……」

美玲「ウチ、こんな気持ちになるの初めてだから……」

美玲「だからその……心の整理するの、すごく時間かかった……」

美玲「……でも、でも! もうウチは、自分を誤魔化すのはやめるって決めたんだ!」バッ

美玲「ウチはオマエが好き! 大好き! 愛してる!」

美玲「クラスのどの男子よりも! どんなアイドルよりも! パパよりも、もっともっと!」

美玲「……そ、それでな! 一つ……どうしても分からないことがあって……!」

美玲「えっと……そのぉ……///」モジモジ

美玲「オマエ好みの女の子のなり方……教えてくれるか……?」ウワメヅカイ



*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・

美玲「……お、終わり!!」マッカッカ

幸子「そ、そこまで言いますか……!」アワアワ

幸子(最後の一言……本当に効きました……///)

輝子「ふ、フヒ、フヒ……///」

輝子(美玲……過激すぎじゃないか?)

小梅「Pさん好みに、なっちゃう……///」

小梅(私も……負けてない、よね……?)

乃々「あぁ^~美玲を腰の上でピョンピョンさせるんじゃ~(^q^)」ビクンビクン

乃々「……」

乃々「ふぅ」

乃々「相手を言葉で完全に仕留めに行くスタイルですね。告白としては実に王道です。それを間髪いれず畳みかけていくには、とても高い技術が必要なのですが、それを可能にしたのが美玲さんのアイドル力でしょう。また、自分の気持ちに手いっぱいにならず、Pさんも立てようとする姿勢が素晴らしいです。特に最後の一言にクラっときた人も多いでしょう。えぇ、男の憧れ、夢の極致、可愛い女の子の服従宣言です。これにはもりくぼもにっこりですよヒャッホウ!! とはいえ、その魔法の言葉も、ただ言うだけでは意味がありません。その言葉にどれだけ説得力を持たせるか――そこが鍵となるわけです。それを美玲さんは、愛の言葉のマシンガンと、普段の一匹狼キャラの脱却という、二段構えの猛攻によって見事に成立させました。あの一匹狼がこんなにアツアツに迫ってきて、しかも無防備なお腹を晒して服従のポーズを見せつけて、靡かない人間がいるでしょうか、いやいません! 嗚呼、我を忘れて獣のように体を重ね合わせ、抑えきれない愛を吐き出しあいたい! ちょっと気を抜くと人間の尊厳を忘れてしまいそうだけど愛があれば問題ないですよね! いやぁ、自分のキャラを十二分に理解し、そして上手に料理した美玲さんの、匠の技が光る告白でした」





美玲「や、やめろ! 解説しないでくれ!」カァー///

幸子「ダメですよ! ボクだって解説されたんですから!」

幸子「こうなったら、全員分聞かせてもらいますからね!」

集計中――



幸子[10.0]
ボクが男性だったら、イチコロでした
今も心臓がバクバクいっているので、この点数に悔いはありません

小梅[7.0]
言葉が心にぐいぐいきました
でも前半は他にもっと良い流れがあったと思います
あと、体で釣っているような気がするので、2点減点です

輝子[8.0]
まだ呼吸がフヒフヒいってる、美玲可愛すぎる
でもチョコの渡し方が雑なのが気になった
後半が良かったから、余計気になって仕方ない
それさえ直せばバッチリかな

乃々・内容[9.5]
内容はすごいですが、肝心のチョコを渡すシーンがおざなりに感じます
それだけ後半は必死に考えたのでしょう
健気な子ですよ、まったく

乃々・衝撃[9.0]
普段の自信満々な彼女とは打って変わった、ギャップに満ちた所作が可愛かった
特に上目遣いのタイミングは完璧でした
今年は美玲さんが熱いですよ!



結果
美玲[43.5]

乃々「美玲さんの集計も終わりました」

輝子「それじゃ……次は、私がいこう」

乃々「では、私の前へ」

輝子「うん……」スタスタ

小梅「輝子ちゃん……可愛い服」

幸子「今日は服装からして、気合入ってますよね」

輝子「いつも、ずぼらだけど……今日は、私の人生……かかってる、フヒ……」

美玲「それに比べて、乃々の普段通りっぷりときたら、まったく……」

乃々「私は、いつも通り過ごすだけなので……」

美玲「オマエ、自分がアイドルだっていう自覚を持てよ」





輝子「……うん、覚悟きめた……」

輝子「い、いくぞ……!」

*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・



輝子「や、やぁ親友……呼んですまない」

輝子「……これか? 親友のための、チョコレート……」

輝子「みんなで作ったんだ……お、美味しいぞ?」

輝子「……フフ、これには、キノコは入ってないんだ」

輝子「これは、私と親友……二人だけの話、だから……」

輝子「私が、親友にスカウトされて、だいぶ経つ……よな?」

輝子「親友と一緒のアイドル生活は、本当に楽しい……」

輝子「感謝してる……ありがとう」

輝子「でも……私、気付いたんだ……」

輝子「親友と、もっともっと一緒にいたい……」

輝子「親友に、もっともっと知ってほしい……」

輝子「親友を、もっともっと理解したい……」

輝子「……こ、こんなに未来を信じたくなったの……は、初めて……///」

輝子「そんな気持ちを、こめて……作った」

輝子「な、なぁ親友……///」ウワメヅカイ

輝子「私の……こ、恋人に……なって……くださぃ……///」ナミダメ



*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・

輝子「うぅぅ……ひ、ひゃっはあぁああぁぁ「うるさい」あぅ……す、すまん……」

幸子「これ! これですよ! 青春の甘酸っぱい告白!」

幸子(輝子さん……初々し過ぎですよ……///)ドキドキ

小梅「うん、こっちまでドキドキした///」

小梅(親友から恋人に……輝子ちゃん、本気なんだね……)

美玲「さすがパッションは情熱的だな///」

美玲(輝子がキノコに頼らないなんて……負けられない……!)

乃々「あぁ^~心がシャンピニオンするんじゃ~(^q^)」ビクンビクン

乃々「……」

乃々「ふぅ」

乃々「まさに王道の中の王道といった告白ですね。輝子さんといえば親友、友情に深いのが特徴ですが、それを捨ててでもPさんと一緒にいたい、という強い想いが伝わってきました。それは、告白の中で何度も、現在の親友を差し置くシーンがいくつもあるからです。『キノコは使っていない』発言に始まり、『みんなと一緒にチョコを作ったけど渡すのは自分一人だけ』なシチュエーション、『二人だけの話』で強まる特別感、そして『親友でなく恋人になりたい』という願い。この流れから、これまでのつながりを絶ってでもPさん一人と添い遂げたい、という気持ちに全てが注がれているのが分かりますね。『好き』とも『愛してる』とも言ってませんが、そんな安っぽい次元は、友愛に生きる彼女はすでに通過している! 安寧の場所である『親友』の枠を取り去ってでも、Pさんともっともっと深く知り合いたい! 失うかもしれないという受難を受け入れてでも、情熱を手に入れる、それがパッション! そう、この告白はパッションの縮図なんです。友情から愛情への昇華、苦痛と苦悩に自ら飛び込む苦行、全てはPさんと仲良くなるため。シンプルながら奥深い、ストレートながら罪深い……まさに、パッションの先頭集団をひた走る輝子さんらしい告白と言えましょう」





美玲「オマエも自ら仕事に飛び込んで来いよ乃々ォ!!」

集計中――



幸子[8.0]
甘酸っぱい青春の告白って感じで素敵です
でも、輝子さんにしては地味な印象を受けます

小梅[9.5]
どうして男の子に生まれなかったんだろうという気持ちでいっぱいです

美玲[8.5]
王道という意味では幸子とかぶってるな
でもウチは、直球勝負なこっちの方が好きだぞ

乃々・内容[8.0]
相手に簡潔に、かつ直球で伝わる言葉を厳選したのが分かります
幸子さんよりも高評価をあげちゃいます

乃々・衝撃[7.0]
普段のインパクトが強い分、確かにおとなしい気がします
でもこれは、動に対する静というギャップ、自信を持ってください



結果
輝子[41.0]

乃々「輝子さんの集計、終了です」

小梅「最後は、私……」

乃々「では、私の目の前へ」

小梅「うん」スタスタ

小梅「……」チョコン

乃々「……」

乃々「なんでしょうか……」

乃々「十三歳にガチ告白されるのって、なんだか犯罪的なんですけど……」

美玲「自分が言い出したことだからな?!」

輝子「頑張れ小梅……」

幸子「小梅さんの愛の告白ですか……」

幸子「どういう評価になるか……気になりますね」





小梅「大丈夫……自分を信じて……」ドキドキ

小梅「それじゃ、いくね……」

*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・



小梅「あ……お疲れ様、です」ペコリ

小梅「あのっ……渡したいものが、あるの……」ゴソゴソ

小梅「はい……ハッピーバレンタイン、です」ニコリ

小梅「……えっと、その……義理チョコ、なの」

小梅「あぅ、悲しまないで……」ナデナデ

小梅「……本当は、本命をあげたかったの」

小梅「でも私、まだ子供だから……Pさんを困らせたくないって思って……」

小梅「Pさんのこと……こんなに、大好き、なのに……」グスッ

小梅「……うん、大好き……大好きぃ……うぅ……」グスグス

小梅「ぐす……」ポフッ

小梅「……Pさん、お願い……」

小梅「私、諦めたくない……自分が間違ってるなんて、思いたくない……」ウルウル

小梅「だから……これからは、本命を義理としてプレゼントさせて……」

小梅「自信を持って『大好きです』って言わせて……」

小梅「そして、私が十六になった時は……」

小梅「……『愛してます』って、言わせてください……」マッカ

小梅「……ダメ?」ウワメヅカイ



*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・*:.。..。.: ・゚・

小梅「……以上、です……///」

幸子「だ、ダメですよ! こんなの、泣き落としじゃないですか!」

幸子「というか、内容が重いですよ!?」

幸子(でも、ドキドキが止まりません……///)バクバク

輝子「小梅はクール属性だからな……重いのは仕方ない……」

輝子(三年か……長いけど、待ってしまいそう……///)

美玲「こんなお願いされたら、最後まで待つしか無いじゃんかー///」

乃々「あぁ^~小梅の小さな手のひらの上でピョンピョンするんじゃ~(^q^)」ビクンビクン

乃々「……」

乃々「ふぅ」

乃々「小梅さんによる、まさかの泣き落としでした。実はこれ、防御型泣き落としと(主に私が)呼ぶ、少々珍しい手法なんです。普通は『私が困ってるのよ、何とかしなさい』という攻撃型泣き落としが一般的ですよね? ですが、ここに年齢というハンデを逆に利用し『あなたを困らせたくなかったの、ゴメンなさい』という究極のいじらしさを発揮することに成功しています。大きな声で相手を攻められない――これが、防御型泣き落としの最大の特徴です。あと、今までの告白と比べて、かなり動きが多かったですよね? 若く小柄な小梅さんは、こうした小動物的な魅力がありますから、こうした感情の現れる動作は目で私たちを和ませ、そして楽しませてくれます。それを前半に惜しみなく発揮し、途中ナデナデをはさみ、そして後半の軽い抱きつき、ここが最大のポイントですよ! 小動物が突然涙を浮かべ、Pさんを頼るように触れ合いを求めてくる……この瞬間、小梅さんは場の制圧に成功した訳です。そこで出てきた言葉はあの『待てますか?』です。ただでさえいじらしい小梅さんを泣かせてしまったという罪悪感を抱えたPさんが、この状況で約束を違えることができるでしょうか? できますか? できないでしょう? そう、できないんです! つまりこれは、今約束を取り付けるための告白ではなく、16歳というゴールラインまで安全圏に居座るための契約なんですね。この、いともたやすく行われるえげつない行為――森久保は大好物です」





乃々「ちなみに私も、ライブ直前ではいつも、安全圏になるのを待っています」

美玲「いくら机の下で泣いても結局ステージには立つんだぞ乃々ォ!!」

集計中――



幸子[7.5]
可愛いのは間違いないですが、なんだか可愛さに騙されてる気がします!
あと、あんなに重いと敬遠されちゃいますよ?

輝子[8.5]
そばで甘えさせたくなる可愛さ
気になるのは、本当にそれまで待ってくれるのか、という点
そこが心配だ

美玲[9.0]
気付いた時には、小梅の成長を待つ約束をしていた……
悔しいけど、小梅の気持ちは本物だ

乃々・内容[9.0]
あらためて見ると、数字を極力排除し、長い時間であることを悟らせないまま、しかし結婚を意識させていますね
何度も推敲したことをうかがわせる、素晴らしい文章です

乃々・衝撃[8.0]
動と静を使い分ける必要があるため、若干バタバタした感じがありました
そこをいかにスムーズに動けるかがポイントとなるでしょう



結果
小梅[42.0]

乃々「全ての結果が出ました……」

幸子「あぁ、ドキドキする……」

乃々「私は全部知ってますから、ドキドキしないんですけど……」

幸子「早く発表してくださいよ! お願いします!」

乃々「ん?」

幸子「『何でもします』とは言ってません!!」

美玲「おい乃々! 幸子をからかうのは程々にしろ!」

美玲「ウチら四人、ずっと待ってるんだからな!」

乃々「失礼しました……それでは、発表します」

乃々「まずは第四位から」

輝子「そのパターン……フヒ」

幸子「いきなり呼ばれちゃダメなんですよね?」

乃々「そういうことです」

乃々「まあ、幸子さんなんですけどね……」

幸子「あっさり!!!! 盛り上げ一切なし!!??」

乃々「ちなみに、第三位は輝子さんです」

幸子「だからあっさり!!!!」

輝子「フヒ……なかなか健闘した」

乃々「えー、現役JCアイドルガチ告白大会inバレンタインの栄えある優勝者は――」

幸子「変な名前をつけないでください!」

輝子「全部事実だけどな、フヒヒ……」

乃々「美玲さんなんですけど……」

幸子「テンション低!!!!」

美玲「う、ウチ?! マジか?!」

小梅「おめでとう」パチパチ

美玲「う……グス……ありがと……」グスグス

美玲「小梅に優勝取られたって……思ってたから……ホントにうれしくて……」ウレシナキ

乃々「ホラ、さっさと泣き止んで」

幸子「さっきから乃々さんが冷たい!!」

乃々「早くPさんに告白しに行ったらどうですか?」

乃々「まだこれから三人も予約があるんで」

美玲「……ぐす」グシグシ

美玲「お、オマエに言われなくても、分かってるぞ!」ガオー

美玲「見てろ! ウチがPのハートを射止めてくるから!」ダッ

乃々「車には気を付けるんですよ……」

美玲「社内だから!!!!」




乃々「どうも、森久保乃々です」

乃々「四人によるPさんへのガチ告白ラッシュは終わりました」

乃々「誰がPさんの心を射止めたのか、気になりますよね?」



乃々「結論から言いますと、全員粉砕玉砕大喝采でした」

乃々「誰もが『いやアイドルと付き合うわけにはいかないだろ』と言われたそうです」

乃々「まぁ、当然と言えば当然ですね」



乃々「しかし、そこで諦める四人ではありませんでした」

乃々「彼女たちは『今回もらった返事はあくまで仮のもの、正式な返事はホワイトデーにもらうものだ』と主張し、これから一か月の間、猛烈アタックを仕掛けていくそうです」

乃々「猛烈アタックで正しいのでしょうか? または色仕掛けと言うべきでしょうか?」

乃々「別に好きに表現して構いませんが、森久保的には『誘惑』を強く推します」

乃々「果たして、この四つ巴のPさん誘惑戦争を制するのは、一体誰でしょうか?」



乃々「結果は、一か月後に明らかになるでしょう」

乃々「では皆さん、その日までごきげんよう……」



乃々「……え? 森久保ですか?」

乃々「わ、私は、その……///」

乃々「四人の美少女たちから次々とガチ告白される、というハーレムを味わえたので……」ツヤツヤ

乃々「これで十分です」キリッ

終わり

おまけ



その日の夜――



ガララ...

P「……ん?」

P「なんだ、乃々か」

乃々「お、お疲れ様です」

乃々「これ、チョコですので」ス...

乃々「お納めください……」ペコリ

P「まるでお供え物の如き扱い」

乃々「私からすればチョコレートは、Pさんへの献上品なので」

乃々「どうかこれで、人目の少ない仕事を優先してください……」

P「お前の仕事嫌いは、なかなか治らないな」

P「まぁ、一時と比べたら、だいぶマシになったけどさ」

乃々「も、もっと褒めても良いんですよ……?」

P「考えとく」

P「今日、美玲たちが代わる代わる告白してきたんだけど……」

P「お前の入れ知恵か何かか?」

乃々「はい」

乃々「皆さんがPさんに告白しようとしていたのは、明らかだったので……」

乃々「順番に告白しよう、と提案しました……」

P「なるほどな」

P「……結果は知ってるだろ?」

乃々「皆さん、落ち込んでました」

乃々「でも……ホワイトデーまでの一ヶ月間は頑張ると言ってました」

P「マジかよ。俺、ハッキリ断ったんだぞ?」

乃々「逆に結束してたんですけど……」

P「マジかよー……仕事し辛くなるなー……」ガックリ

P「というか、その逞しい根性とガッツ……将来有望すぎるだろ、あいつら」

乃々「これから一か月の間、美少女達に誘惑されるとか……」

乃々「羨ましすぎるんですけど?!」クワッ

P「お前はお前で将来有望すぎるな……」

P「……で?」

乃々「?」

P「あれ?」

P「乃々はしてくれないのか?」

乃々「な……///」

乃々「す、する必要は特に無いですから……!」プイッ

P「確かに、乃々が俺に告白する必要はないよな」

乃々「そうですよ……」









乃々「もう婚約者になれたのに、今更……こ、こ、告白なんて――!!」///

乃々「――!!」パタパタ

P(可愛い)

P「しかし、今でも信じられないな」

P「あんなに人付き合いの悪かった乃々が、突然告白してきたんだから」

乃々「その気の一つでもなかったら、嫌な世界に身を置いたりしないんですけど……?」

P「ハハハ、それはそうかもな」

乃々「Pさんと一緒だから……こうやって頑張ってるんですよ……」ギュ

P「お、出たな! 情熱的乃々!」

乃々「今日はバレンタインなので……サービスです」フフン

昔――



乃々「Pさん……」

P「乃々じゃないか、どうした?」

乃々「今日は、バレンタインなので……これ」チョコ

P「義理チョコか? お前からもらえるとは考えてもみなかったから、嬉しいなぁ」ス...

乃々「……一つ、条件があります……」ヒョイ

P「え?」

乃々「私を……私を彼女にしてください!!」

P「はあぁ?!」

乃々「わ、わ、私、気付いたんです!」

乃々「Pさんと一緒にいるから、嫌なお仕事も頑張れるんです!」

乃々「Pさんと一緒にいるから、落ち着いて仕事ができるんです!」

乃々「Pさんと一緒にいるから、毎日が楽しく思えるんです!」

乃々「Pさんと一緒にいないときは、何も楽しくない! 何も感じない!」

乃々「……こんなの、私じゃないです……今までの自分と違って、恐いです……」

乃々「でも、でも!」

乃々「Pさんと一緒にいたいって気持ちは、どんどん強くなるんです!!」

P「乃々……」

乃々「……」グスッ

乃々「受け取ってくれなかったら私……アイドル辞めます」

P「え゛?! これ俺の選択肢なくね?!」

乃々「Pさんが! Pさんが私に勇気をくれたら……きっと、もっともっと羽ばたけると思うんです……!」

P「……」

乃々「こんなことになって、ゴメンなさい……」

乃々「でも、Pさんじゃなきゃ……ダメなんです」グスグス

乃々「Pさん……愛してます……」

P「……」

P「もう一回『愛してる』って言ってくれたら、付き合おう!!」ドンッ

乃々「ヴぇえぇ?!」

P「なあ乃々、良いだろ? 言ってくれたら全部解決するんだぞ? さあ早くホラ」ワクワク

乃々「ううぅぅ……Pさんが、いつもの悪ふざけモードにぃ……」

P「モリクボセイッ! アイラブユー?!」ヘーイ!!

乃々「む、む……」

乃々「むーりぃー……!!」

ムーリィー

ムーリィー

※エコー

今に至る――



P「俺は一生、あの告白を忘れないだろう」シミジミ

乃々「うぅぅ……あんなテンパリングガール、私じゃないです……」シクシク

乃々「話は支離滅裂、Pさんに脅迫、がむしゃらで玉砕覚悟、あげくに立場がリバースされて……」

乃々「しかも、話が重い……」ズーン

P「おかげで、あれ以上の衝撃に出会うことがなくなったよ」

乃々「恥ずかしすぎます……あんなの、私の告白ぢゃないです……」

P「でも、俺にとって最高の告白だったぞ」

乃々「そう、ですか……?」

P「だって、あの乃々が、声を荒げてまで愛を叫んだんだぞ?」

P「『俺、すげぇ愛されてるんだな』って、すぐに分かったよ」

P「だからこそ、お前に全力で応えたくなったんだ」

P「それが、最高の告白ってヤツじゃないか?」

乃々「……」

乃々「そう、かも知れませんね」クス

P「面白いのは、乃々の仕事嫌いの理由が、まるで変っちゃったことだよな」

P「俺と二人きりの時は、あんなに愛の言葉を囁けるクセに」

乃々「そ、それは! Pさんが相手だから、でして……」

P「でも俺と一緒にいるおかげで、人目には慣れたハズだろ?」

P「特に、男のギラギラした目は、平気になったじゃん?」

乃々「平気にはなりました、けど……」

乃々「いくらお仕事でも、皆さんに愛想を振りまいたら……」

乃々「Pさんのための愛まで、売り渡しちゃいそうで……///」

乃々「そう思うと、恐くて……」

乃々「うぅ~……やっぱり笑顔はむーりぃー……」ズーン

P「せっかく強くなれたのに、これじゃ意味ないな」

乃々「い――」ピク...

乃々「意味なくなんかないです!」バンッ

P「?!」

乃々「私の大切な……Pさんと、結ばれた、から……!!」

乃々「だから……その……えっと……」

乃々「あぅぅ……///」プシュー

P「可愛い(断言)」

P「よく分からないのはさ」

P「そんなお前がよく、幸子らの告白を許容できたよな?」

P「普段の乃々を見てる俺としては、信じられないくらいだよ」

P「あれか? いわゆる『正妻の余裕』ってやつか?」

乃々「そ、そんな肝の据わったことは、むーりぃー……」ブンブン

P「じゃあ、一体何なんだ?」

乃々「えっとですね……」

乃々「皆さんがPさんを、本気で愛していることは知っていたので……」

乃々「同じ経験をした者として、それを無碍にできず……」

乃々「あとは、万が一があっても、皆さんにならPさんをお願いできると思ったり……」

乃々「でも、後で奪い返す自信もあったり……」

乃々「ううぅ~……私の中でもグチャグチャしていて、よく分からないんです……」プシュー

乃々「やっぱり、おかしい……ですよね?」

P「なるほど、乃々も苦しかったんだな……」

P「んー……」

P「それはな、乃々……お前の視野が広くなった証拠だ」

乃々「視野?」

P「俺のことしか目に入らなかったあの時と比べて、心に余裕のある部分や、幸子らの人間性まで見えるようになったんだ」

P「俺を奪われたくない、でも幸子たちを応援したい、たとえ奪われても奪い返す自信がある、それでも幸子たちなら許せるくらい仲が良い――」

P「一見メチャクチャで筋が通っていないが、一つ一つをバラして見れば、確かに乃々の気持ちそのものだ」

P「それが一気に、しかも全部見えるようになったから、考えがまとまらなくなったんだよ」

乃々「でも、Pさんとの関係を黙って、皆さんをそそのかしてしまったことが、申し訳なくて……」グス

乃々「うぅ……私は本当は、おにちくぼののだったんですね……」グスグス

P「でもそれは、あいつらにも大きなチャンスを与えたかったからだろ?」

P「結局俺が全員断って、以前と同じ関係が続いた……それで良いじゃないか」

乃々「そう……ですか?」

P「そうだ。もしあいつらに聞かれたら、ちゃんと説明すればいい」

P「あいつらなら、きっと分かってくれるハズだ」

P「それは一緒にいるお前が、よく知ってるだろうけどな」

乃々「はい……」

P「それにしても、一時は俺にベッタリだった乃々が、よくぞここまで大胆になれたもんだ」

P「成長したな、乃々」ナデナデ

乃々「ぁ……」

乃々「えへへ……///」ポワポワ

P「……よし、今日の仕事は終わり!」

乃々「分かりました」ス...

P「寮まで送ろうか?」

乃々「今日は、Pさんの家に寄りたいんですけど……」

P「どうした、今日はいつもより積極的だな?」

乃々「バレンタインに好きな人と一緒にいたいと考えて、何が悪いんですか……?」ムス

P「悪い、からかいたくなったから、つい」

乃々「んもぅ」プンスカ

P「そうだ。せっかくだから、二人の将来のことを話し合わないか?」

乃々「……前に決めました、よね?」

P「それは、引退までの話だろ? 当分はトップアイドルを目標に頑張って、それまで関係は一切公表しない、っていう」

P「俺が言いたいのは、その後のことだ」

乃々「その後……」

乃々「そんなの……こ、寿退社に決まってる、んですけど……///」

P「それじゃ今日は、その具体的なプランをつめるか!」

P「俺と乃々の家族計画だー!」

乃々「家族計画……あの、乙女のロマンの……!」キラキラ

P「ちひろさん、お疲れ様ですー!」トコトコ

乃々「お疲れ様です……!」トコトコ



P「あんまりモタモタしていると、先にちひろさんが寿退社して、辞めにくくなるかもなー」ガチャリ

乃々「そ、そんな……!」

P「だからこそ、いろんなパターンを用意しておくぞ」

乃々「私も、頑張って案を出します……!」

P「おう、期待してるぞー」バタン

ちひろ「……」カタカタ

ちひろ「……」カタカタ

ちひろ「……」









ちひろ「当て付けかっ……!!」ガクッ

終わり




バレンタインデーという素敵な一日の出鼻を挫いてやりたい――

そんな想いをこめて書きました



読んでいただき、ありがとうございました


>美玲「用意してるに決まってるだろ!」
>乃々「な?」

ネットの口調がもれてんぞ!わらったじゃねえか

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