裕子「ミラクルクッキング!」 (178)

少し長めのモバマスSSです
ちょっとした独自設定がありますのでご注意してください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455092053

【女子寮一室】

裕子「さぁやってまいりましたサイキッククッキングのお時間です!」

裕子「本日はラーメンを作っていきたいと思います!」

裕子「調理方法は簡単!お湯を注ぐだけ!」

裕子「でもそれだけじゃないんです!」

裕子「なんとさいきっくぱわーを注ぐと3分でできあがるところが1分で出来上がるのです!」

裕子「ではさっそくやっていきましょー!まずはお湯を入れて……」

裕子「むむむー!」

裕子「むー……」

裕子「……1分って長いな」ボソッ

裕子「よし!10倍さいきっくぱわー!むーん!!」

裕子「……ふふーん、こうやって自由に時間を調整できるのもサイキッククッキングのいい所ですね!」

裕子「では!いただきまーす!」





裕子「かった!麺硬いっ!?なんで!?」

モバP「あっち!!なんで!?」

モバP「えー…普通にあっためただけなのになんでこんな熱いんだ?時間間違えた?」

モバP「…500Wで3分…何も間違えてないぞ…故障か?」

モバP「うわぁ…蓋のプラ容器融けておかずにくっついてるし…」

モバP「さすがに…これは食いたくない…」

モバP「……昼飯どうすんだよ…」

ちひろ「戻りましたー。どうしましたプロデューサーさん?」

モバP「おかえりなさいちひろさん。なんか電子レンジの調子がおかしいみたいで」

モバP「設定値より高い温度であっためるんですよ」

ちひろ「えー…修理ですか?」

モバP「多分そうなりますね…」

ちひろ「とりあえず後でメーカーさんに電話しておきましょう。それでお昼はどうされたんですか?」

モバP「このせいで弁当がおじゃんになりまして」

ちひろ「あらー…そんなプロデューサーさんに朗報です。じゃーん!おにぎりを買ってきました。お昼にどうですか?」

モバP「さすがちひろさん!でもいいんですか食べちゃって」

ちひろ「今日のお夜食用に買ってきたやつなので大丈夫ですよ」ガサゴソ

モバP「んー天使!」

ちひろ「お上手なんですから」

モバP「蛍光色の天使!」

ちひろ「褒めてるんですかそれ」

モバP「今日も残業ですかねー…」

ちひろ「残業ですねー…」

モバP「そろそろしっかりした飯が食いたい」

ちひろ「この近くって飲食店殆どないですもんねー。おにぎりだけで足りますか?追加で買ってきましょうか?」

モバP「いえ、お腹一杯になると眠くなるのでこれくらいで十分です」

ちひろ「あまり強くは言えませんがご無理だけはしないでくださいね」

モバP「合間合間に食べてるんでへっちゃらですよ。それじゃあいただきまs」

電話<ピロピロピロピロ

ちひろ「……出ましょうか?」

モバP「……いえ、大丈夫です」

仁奈「プロデューサー!」バタン!

ちひろ「しーっ」

<イツモオセワニナッテオリマス…

仁奈「…電話中でごぜーます?」ヒソヒソ

ちひろ「はい。お疲れ様です仁奈ちゃん」ヒソヒソ

<ハイ!…ハイ!アリガトウゴザイマス!

仁奈「プロデューサー電話すると声が高くなりやがるです。ママみたいでごぜーます」ヒソヒソ

仁奈「……ママの気持ちになってるでごぜーますか?」ヒソヒソ

ちひろ「それは…ちょっと違うかな…」ヒソヒソ

モバP「はい、ありがとうございます。すぐ伺いますので…はいよろしくお願いいたします。失礼します」

仁奈「プロデューサー!」

モバP「ん、仁奈お疲れ様。すいませんちひろさん、ちょっと出版社までいってきます」

ちひろ「今からですか?お昼ぐらいゆっくり食べていかれたら…」

モバP「カツカツのスケジュールにさらにねじこむ形になったのでちょっと時間が…おにぎりは車の中で頂きますね」

仁奈「プロデューサーのお昼ご飯っておにぎりでごぜーますか!仁奈と一緒でごぜーます!」

モバP「一緒か…一緒?」

仁奈「はい今日も昨日も食べたでごぜーます!白い袋に入ってるおにぎりはうめーでごぜーますよ!」

モバP「…おにぎりだけか?」

仁奈「いっつもママが買ってきてくれるですよ」

モバP「……そうか」

ちひろ「他の物も食べたいなーって思わない?」

仁奈「思うでごぜーますよ!…でもママが買ってくれるからこれがいいでごぜーます」





仁奈「………これでいいでごぜーます」

モバP「……」

ちひろ「……」

モバP「……仁奈、今日も5時のお迎えか?」

仁奈「今日は遅くなるかもしれねーって言ってたですよ」

モバP「そっか。戻るのが6時ぐらいになりそうだからお迎えが来るまでちひろさんと一緒に留守番しててくれるかな?」

仁奈「わかったでごぜーます!」

モバP「ちひろさん、お願いします」

ちひろ「はーい。プロデューサーさんもお気をつけて」

モバP「えぇ、いってきます」

仁奈「いってらっしゃいですよ!」

仁奈「プロデューサー最近大忙しでごぜーますな」

ちひろ「…寂しい?」

仁奈「へーきでごぜーますよ!みんながいるから寂しくねーです!でも今日は誰もこねーですな」

ちひろ「みんなお昼が終わってレッスンやお仕事で席を外してますからね」

仁奈「レッスン室に行ったら誰かいやがるですか?」

ちひろ「午後一のコマだとゆっこちゃんがいますね」

仁奈「じゃあ仁奈もゆっこおねーさんとレッスンするでごぜーますよ!」

ちひろ「はーい。いってらっしゃい」

仁奈「いってきますですよー!」



ちひろ「……いっつもおにぎり…か」


―――
――――――
―――――――――
―――――――――――



モバP「戻りましたー」

ちひろ「おかえりなさい。仁奈ちゃんのお母さんから連絡がありましたよ。8時頃のお迎えになるんですって」

モバP「いつもより大分遅いですね」

ちひろ「はい。それともう一つ、仁奈ちゃんの夕飯ですがこちらで用意するかどうか聞いた所お願いします、と」

モバP「なるほど。ちなみに仁奈は?」

ちひろ「レッスンから戻ってきてからそこのソファでぐっすりです」

モバP「そうですか…」



ちひろ「……」

モバP「……」

モバP「……ところでちひろさんは今日の夕飯、どうされる予定ですか?」

ちひろ「久しぶりに作ろうかなー、と」

モバP「実は自分も自炊しようと思ったんですよ」

ちひろ「あら奇遇」

モバP「ほんとです」


ちひろ「……3人分ですね」

モバP「えぇ。同じこと考えてましたか」

ちひろ「仁奈ちゃんの食生活については耳に入ってきてますしお昼のこともありますから…。だからといって根本的な解決にはなりませんけど…」

モバP「せめて家では美味しい手料理が出るって信じたいところですけどね」

ちひろ「そうですねー…。あっご飯は炊いてあるので」

モバP「おっ、さすがですね」

【給湯室】

ちひろ「ところでプロデューサーさんはお料理できるんですか?」

モバP「できますけど男の一人飯って感じですかね」

ちひろ(ダメな予感しかしない」

モバP「心の声が漏れてますよ」

裕子「心の声ですって!?」バーン

モバP「うわぁびっくりした!!」

ちひろ「お疲れ様ですゆっこちゃん」

裕子「サイキックお疲れ様です!ユッコです!」

モバP「うん、お疲れ様」

ちひろ「今日は午後1のレッスンだけだと思ってたのですが随分遅かったですね」

裕子「居残りになりました!」

ちひろ「あらら…」

モバP「……でももう終わりだろ、忘れ物でもとりにきたのか?」

裕子「いえ!仁奈ちゃんが今日は遅くなるかもしれねーですって言ってたので
    お迎えがくるまで遊ぼうとサイキックリターンしてきました!」

ちひろ「仁奈ちゃんならソファで寝てますよ」

裕子「なんと!一緒に遊んでたら寂しくないかなーと思ってたんですが!
    寝てるなら大丈夫みたいですね!」

モバP「…いろいろと気にかけてくれてありがとな」ポンポン

裕子「えへへー」

裕子「ところでキッチンに集まって何が始まるんです?」

モバP「えっとな、ちひろさんt」

裕子「あ、待ってください、エスパーで読み取って見せます!」

裕子「むむむむ~!!!むん!…来ました!」


裕子「料理を!」

モバP「料理を?」

裕子「ちひろさんと!」

モバP「ちひろさんと?」

裕子「作る!」

モバP「正解!」

モバP・裕子「「いえーい!」」ハイターッチ



裕子「それでご飯を作るなんてどうしたんですか?外食すれば早いのに」

モバP「いきなり根本を否定しやがった」

ちひろ「仁奈ちゃんに美味しいものを食べさせてあげようって」

裕子「あー!なるほど!」


裕子「………美味しいものならなおさら外食の方がいいんですよね?」

モバP「うん…そうだな…プロが作った料理の方がうまいよな…」

裕子「あ!別にそういう意味で言ったわけではないです!別にプロデューサーが作る料理がまずいって意味では!」

裕子「エスパーに誓ってもいいです!私の心を読めば分かるはずです!さぁ!どうぞ!」

モバP「どうぞといわれても困る」

裕子「遠慮はいりませんよ?」

モバP「いや遠慮ではなく」

ちひろ「えっとね、ゆっこちゃん。仁奈ちゃんの為に美味しい"手料理"を作ってあげたいんです」

裕子「手料理…」

ちひろ「手料理ってところだけじゃなくて、"仁奈ちゃんの為に"というところも大事なんです」

裕子「仁奈ちゃんの為に…なるほど隠し味は愛情ってやつですね!」

モバP「真顔でこっ恥ずかしいこというな君は」

裕子「違うんですか?」

モバP「まぁ間違いではないけども」

裕子「愛情こもった手料理で笑顔に…素敵ですね!んー!やりたい!私も料理してみたいです!」

モバP「おっやる気まんまんだな」

裕子「美味しい料理で仁奈ちゃんに笑ってもらいたいですから!私にもできますか?」

ちひろ「もちろんです。私やプロデューサーと一緒に作っていきましょうね」

裕子「はーい!」

ちひろ「ちなみにゆっこちゃん、お料理の経験は?」

裕子「ありますよ!サイキッククッキングユッコは伊達じゃありません!」

モバP「あー…いや…あれはお菓子作りだったしなぁ」

裕子「いえいえ!お菓子作りだけじゃなくてお料理だってばっちりです!お見せしましょう!」

モバP「…えっ、すぐできるもんなの?」

裕子「もちろんです!まずはこの冷凍庫に入ってる焼きおにぎりを…」ガチャ

ちひろ「まさか」

裕子「さいきっく~加熱!」

モバP「レンチンじゃねーか!」

ちひろ「あー…サイキックってそういう…」

モバP「ゆっこ、それは料理とはいえない」

裕子「そんなバカな!」

モバP「更に言うと電子レンジは故障してるみたいだから使えない」

裕子「そんな…私のサイキッククッキングが封じられ…あれっ壊れてたんですか?」

モバP「うん、なんか設定より高めに温めるんだよ」

裕子「でもレッスンの休憩中に使ったら普通に動いてましたよ?」

モバP「あれ?」

ちひろ「私も確認したんですけど特に問題はなかったみたいです」

モバP「あれー?」

モバP「……まぁいいか。それよりもだゆっこ、それは料理といえば料理だが」

ちひろ「うーん、作ってるかどうかといわれれば怪しいところですね」

裕子「他にもサイキックオーブンとかサイキックレトルトパウチとか!」

モバP「サイキックという名の文明の利器はなしだ」

ちひろ「包丁を握ってのお料理です」

裕子「それはありませんね!」ドヤッ

モバP「ドヤ顔で言われても反応に困るな…」

モバP「それじゃあ女子寮じゃいつも何食べてるんだ?」

裕子「勿論サイキッククッキングを駆使した料理の数々です!今日はラーメンでした!」

モバP「……カップ麺か」

裕子「はい!何故か失敗してバリカタ麺になってしまいましたが!」

モバP「年頃の女の子がそんなもんばっか食わないでくれ…」

裕子「でも美味しいですよ?」

モバP「そういう問題じゃないんだよなぁ」

ちひろ「ひょっとして毎日…?」

裕子「いえ、たまに外食したりします!あ!まゆさんが作ったお料理を持ってきてくれる時もありますね!」

ちひろ「まゆちゃんが?」

モバP「意外だな」

裕子「いっつもこんなの食べてばっかじゃダメですよーって!」

モバP「いい子だよなぁまゆ」

裕子「はい!たまにちょっと怖い時がありますけど!」

ちひろ(それは…)

モバP「まぁレトルト食うなとは言わんが今日でちょっとぐらいは料理ができるようになるといいかもな」

ちひろ「それじゃあゆっこちゃんのサイキックお料理教室ですね」

裕子「サイキックお料理教室!」

モバP「なんか全部レンチンで済ましそうな教室なんですが…」

ちひろ「そんなことないです。それにほら、ゆっこちゃんも女の子ですしいつかそんな日が来るかもしれませんよ」

モバP「ゆっこがなぁ…」

裕子「そんなーちひろさん。今はサイキックの修行に励む日々でそんな余裕はー」テレテレ

モバP「どっちかというとレッスンやお仕事に励んで欲しいんだが…」

モバP「ならお料理教室らしく基本を押えた簡単なメニューにしていこうか」

裕子「基本は大事ですからね!」

ちひろ「それでプロデューサーさん、今冷蔵庫には何が入ってますか?」

モバP「ちょっとまってくださいね」ガチャ


【冷蔵庫】
卵・鯛・ウィンナー
ほうれん草・ネギ・レタス・トマト・箱
生姜・にんにく・塩蔵わかめ
調味料いろいろ
レトルトパウチ食品・はちみつ
野菜ジュース

【野菜ストッカー】
じゃがいも・にんじん・玉ねぎ



ちひろ「反応に困る食材達ですね…」

モバP「ですねー…。そういえば女子寮できる前はみんなよくここで料理してたな」

裕子「今でもたまーにしますよね!」

モバP「そのせいか知らず知らずのうちに増えたり減ったりする不思議な冷蔵庫になってるな」

ちひろ「たまーにへんなの入ってますよね」

モバP「現在進行形で今まさに入ってますが」

ちひろ「鯛って…七海ちゃんですか?この時期に珍しいですね」

モバP「なんでも冬場は大物がかかりやすいってことらしいです」

裕子「そういえば今日はオフなのに事務所で寝てましたね!」

モバP「夜明けぐらいから釣り始めてたみたいだからな」

裕子「夜明け!?早いですねー…」

モバP「海釣りって朝方が多いらしいしな」

モバP「出勤して冷蔵庫開けたら鯛があるわ七海は寝てるわでびっくりした。できるなら新鮮なうちに食べたかったんだけど捌いたことないんだよなぁ…」

ちひろ「私もないですねぇ…一人暮らしだとあまり機会がありませんよね」

モバP「そうなんですよ。切り身で十分ですしスーパーで捌いて貰えますしね」

裕子「それじゃあどうするんです?」

モバP「うーん…とりあえず後で冷凍庫にいれておいて暇があったら自分でやってみようかな」

裕子「おぉ!チャレンジャーですね!」

モバP「今は動画とか見ながら卸せるしな」

ちひろ「この見るからに高そうなはちみつはー…」

裕子「あっそれ!よく食パンにつけて食べてます!桃華ちゃんのおすすめらしくて滅茶苦茶美味しいんです!」

モバP「うん、是非食べてくれって。前ちらっとネットで同じの見かけたんですけど1万超えてましたね」

裕子「1万!??!こんなちっちゃいのに!?」

ちひろ「さすがというかなんというか…使うの怖くなっちゃいますねー…」

モバP「ですねー」

裕子「さ…さいきっく格付けチェックを使うべきでした…あんな…あんなに使っちゃった…」

モバP(やけに減りが早いと思ったら原因はゆっこか)

モバP「それで…この異様な存在感を放ってる箱は…」

裕子「食材ですらないですね!」

ちひろ「ヘレンさんが持ってこられたんです。世界レベルな冷蔵庫にしてあげるって」

モバP「世界レベルの冷蔵庫ってなんなんですかね…」

裕子「開けてみましょう!」

ちひろ「あー…開けない方が…」

裕子「?」

裕子「……あ!なるほど透視しろということですか!わっかりました!」

モバP「多分フリじゃないと思うぞ」

箱<カサ

モバP「?」

箱<カサカサカサカサカサガタガタガタガタ

モバP「……食材って動きましたっけ」

裕子「普通動きませよね!ね!?」

ちひろ「ねー…一体なんでしょうかねー…」



モバP・裕子・ちひろ「「「………」」」

裕子「…や、やっぱり透視するのはやめておきましょうか…」

モバP「いや、ちらっと透視して何が入ってるか確認してみて欲しい。という訳で頼んだゆっこ」

裕子「うええええええ!!?いやいや!無理です!無理無理無理!見るの怖い!」

モバP「こんな時こそのサイキックパワーだろ!」

裕子「サイキックパワーってアレですよ!直接脳内にイメージが届いちゃうんですよ!おぞましい物だったらどうすればいいんですか!廃人になっちゃいます!ちひろさんは!?」

ちひろ「ふえ!?私ですか!?」

モバP「そういえば前何食わぬ顔でゴキブリぶっ叩いてましたよね!いけますよ!」

ちひろ「いけませんよ!見えてるのと見えてないのじゃ大違いですよ!プロデューサーさんこそ男性なら虫とかへっちゃらじゃないんですか!?」

モバP「箱開けた瞬間に虫かどうか分からない得体の知れない何かが飛び出してくるって時点で関係ないですよ!」

ちひろ「ゆ…ゆっこちゃあん!」

裕子「戻ってきた!無理です!サイキック拒否!」

モバP「サイキックパワーいつ使うの?」

モバP・裕子「「今でしょ!」」

裕子「いやいやのっちゃいましたけど!のっちゃいましたけど無理です!無理無理無理!むーりぃ!」

裕子「はー…はー…」

モバP「ゼー…ゼー…」

ちひろ「………」


ちひろ「ヘレンさんに聞きましょうか」

モバP「そうですね、それが手っ取り早そうです」

裕子「い…今までのは一体…」

ちひろ「それで、メニューはどうしましょうか」

モバP「簡単なメニュー…じゃがいも、にんじん、たまねぎ…」

裕子「カレーですね!」

モバP「並ぶとそういきたいけどルゥもなければカレー粉もないから無理だな」

裕子「むー残念…」

ちひろ「じゃがいもとにんじんにネギ…わかめがあるからお味噌を入れて…。んーお豆腐がないのが残念ですけど」

モバP「あーなるほど。それならネギじゃなくて玉ねぎにしましょうか」

ちひろ「あっいいですね。そっちの方が甘くて美味しいかも」

裕子「?決まったんですか?」

モバP「何ができると思う?」

裕子「えっと…じゃがいも、にんじんに玉ねぎにわかめとお味噌…ですよね」

ちひろ「はい」

裕子「このエスパーユッコの力を持ってしても皆目見当がつきませんね!」

モバP「せめてフリはしようよ」

ちひろ「定番の和食メニューです」

裕子「定番…和食…お味噌……あっお味噌汁!」

モバP「正解!お味噌汁」

裕子「あ、待ってください今のなし!」

モバP・ちひろ「「?」」

裕子「では改めて…コホン」

裕子「むむむ~むん!…お味噌汁、ですね。これぞエスパーユッコの力です!」ドヤァ

モバP「ズルがあったので不正解」

裕子「そんなー!」

裕子「でもお味噌汁にじゃがいもや玉ねぎって意外ですね!」

モバP「世間ではじゃがいもや玉ねぎ入りの味噌汁は不評らしいがな…」

裕子「そうなんですか?」

モバP「うん。味噌汁に合わない具はないって言われるぐらい万能なはずなんだけどなぁ…」

ちひろ「結局は個人の嗜好ですよね。私もカボチャ入りのお味噌汁好きなんですけど苦手な方もいるみたいですし」

裕子「かぼちゃ!そういうのもあるんですねー…。んー!でも美味しそうです!」

裕子「お味噌汁だけですか?」

モバP「さすがにそれだけじゃ味気ないし、ほうれん草があるからお手軽副菜のおひたしでもう一品」

ちひろ「あら、とっても簡単ですしいいですね」

裕子「お味噌汁とおひたし…後はメインですね!」

モバP「肉はほしいな」

裕子「ほしいですね!」

ちひろ「でもお肉らしいお肉はウィンナーくらいしかありませんよ?」

裕子「卵はどうですか?」

モバP「まぁ悪くないが卵だけだとメインには難しいな…」



一同「「「うーん…」」」

裕子「むむむ…食材の…食材の声をテレパシーで…」

モバP「グルメ漫画みたいなことやってるな」

ちひろ「聞こえますかゆっこちゃん?」

裕子「大丈夫です!食材に合わせた適度な力のさいきっくぱわーを送っていますので…」

ちひろ「…調整しないとどうなるんですか?」

裕子「爆発四散してはじけ飛びます!」

モバP「爆発て」

ちひろ「サイキックこわい」

裕子「むむむー…きてますきてます…!」

モバP「どうだ?」

裕子「むん!」



裕子「来ました!目玉焼きです!」

モバP「お、おう」

裕子「うぅ…そ、そんな顔で見ないでくださいよプロデューサー!」

モバP「いや悪くはないんだが…うん?」ピキーン

裕子「?」

モバP「いや…いい案だゆっこ…!そうかそういうことか…」

ちひろ「で、どういうことなんですか?」

モバP「目玉焼きを!」

ちひろ「目玉焼きを?」

モバP「ご飯に!」

ちひろ「ご飯に?」

モバP「のせる!」



ちひろ「のせる。のせるだけ?」

裕子「プ…プロデューサー…」

モバP「いやまだだ!」

モバP「ねぎは弱火でじっくり焼いて甘みを出す!」

裕子「おぉ!」

モバP「次にウィンナーをボイルして旨みを閉じ込めた後パリッと表面を焼き上げる!」

裕子「ジューシーですね!」

モバP「この二つを目玉焼きご飯に乗せて醤油を垂らす!」

裕子「黄身と醤油のハーモニー!」

モバP「最後に彩りで一口大のレタスをのせて完成だ!」

裕子「やったああああ!!!」

ちひろ「いいですね、美味しそうです」

モバP「名づけて!」

裕子「サイキック丼!!」

ちひろ「いきなり危ない感じの食べ物になっちゃいましたけど!」

裕子「では今晩のメニューは…」

モバP「味噌汁、サイキック丼におひたしだ」

ちひろ(その名前でいくんだ…)

モバP「少ないかな」

ちひろ「そんなことありませんよ。味で勝負です」

裕子「はい!このエスパーユッコのサイキック隠し味で仁奈ちゃんを笑顔にしちゃいましょうとも!」

モバP「何を入れるつもりだ」

裕子「そりゃもうサイキックですよ」

モバP「答えになってないぞ」

裕子「まぁまぁ。それではエスパーユッコの!」チラッ

ちひろ「お料理教室!」チラッ

モバP「スタート!」

裕子「あれ?サイキックは!?」

仁奈(………)スゥスゥ

仁奈(ん……)スゥ

<オツカレサマデスユッコデス!

仁奈(……ゆっこおねーさん…帰ってきたでごぜーます…)

仁奈(レッスン…終わったでごぜーますか…)

仁奈(…今日は…みんなといっぱいレッスンしたですよ…)

仁奈(みんな…)スゥ

仁奈(ん……)スゥスゥ

――
――――
………………
……………………

仁奈「魚の気持に!」

七海(なるれすよ~)

七海(立派な鯛れすね~。大物れす~)

仁奈(鯛の気持はばっちりでごぜーますよ!)

七海(どんな気持ちれすか~?)

仁奈「あぁ…食べられちゃうんだなぁ…って気持でごぜーます!」

七海(まな板の鯛れすね~。泳いでる鯛の気持になってほしかったかな~)

仁奈「鯛仁奈も食べられるでごぜーますか?」

七海(それじゃあキャッチアンドリリース~)

仁奈「七海おねーさんもリリースされて一緒に泳ぐでごぜーますよ!」

七海(七海は泳げないのね~)

仁奈「じゃあ泳いでる鯛の気持ちに?」

七海(なれないのれすよ~。だから一緒にまな板の鯛の気持になるれすよ~)ビチンビチン

仁奈「ヒィッ!動きがキモイでごぜーます!」

……


……

ヘレン(ヘーイ!仁奈!貴方にピッタリな世界レベルを見つけてきたわ!)バターン

仁奈「…?」

ヘレン(これよ)ファサー

仁奈「………?」

ヘレン(キグルミよ)

仁奈「キグルミ…キグルミ?」

ヘレン(何故疑問系なのかしら)

仁奈「だってそれタイツにしかみえねーですよ…」

仁奈(……何のキグルミでごぜーますか?)

ヘレン(黒いキグルミに煌煌と輝く星々…そう、宇宙よ。そしてここ。心臓の位置に地球がある。どういう意味か分かるかしら?)

仁奈「わかんねーですよ」

ヘレン(心臓に地球…つまり貴方の心は地球になるの。わかる?ハートアースよ)

仁奈「……なにいってるかさっぱりですよ」

ヘレン(そう…貴方にはまだ早かったということね。いいわ。早くこのキグルミにふさわしい舞台へと上ってこれるよう昇進なさい)

仁奈「とにかくがんばれってことでごぜーますな!」

ヘレン「Exactly!それまでこのキグルミは封印ね。楽しみにしているわ」クルッ

仁奈(……でもあのタイツは着たくねーですよ)


……………………
………………
――――
――


仁奈(んー…七海おねーさん…ヘレンおねーさん)スゥスゥ

モバP「よしじゃあゆっこ、まずは野菜を洗ってじゃがいもの土を落とそう」

裕子「はーい」ジャブジャブ

裕子「うー…手がかじかみますねー」ジャブ

モバP「お湯使ってもいいぞー」

裕子「お湯で洗っても大丈夫なんですか?」

ちひろ「50度くらいのお湯でささっと洗うとしゃきっとしていいんです」

モバP「ヒートショックでしたっけ」

ちひろ「はい。詳しい説明は割愛しますが鮮度も上がって美味しくなるんですよ」

裕子「おー!ではそっちでやりましょう!」

モバP「ん、じゃあちょっとボールにお湯はるからちょっと待ってな。あ、洗うついでに玉ねぎの皮も剥いてワカメは戻しておこうか」

裕子「はーい!」

――――
――

裕子「ふー!洗い終わりました!」

モバP「よし。次は皮剥きだな。じゃがいもはゆっこに任せて…ちひろさんにはにんじんを頼んでもいいですか?」

ちひろ「はい、頼まれましょう」

モバP「お願いします。それじゃあゆっこじゃがいもだけどな、まずはこう皮を剥いて」スルスル

裕子「皮を剥いて…」ズル…

裕子「むむむむ…」ボトン…ズル…ボトン…ズル…

裕子「おぉ…」ボトン…

モバP「うん、いい感じ。その調子その調子」

裕子「でもちひろさんみたいに綺麗にできてないですよ?」

ちひろ「はい?」スルスルスルスル

モバP「包丁捌きが綺麗だとかは二の次だ。ちゃんとうすーく剥いてるしそんなもんでいいんだよ」

裕子「ほー…」

裕子「むむむー早くちひろさんみたいにスルスル剥けるようになりたいですねー」

モバP「あぁいうのは慣れてからでいいの」

ちひろ「でも私皮むきは苦手なんですよ」

裕子「そうなんですか!?」

ちひろ「えぇ。子どもの頃お手伝いで皮を剥いてたらこう…親指の皮をベロンと」

裕子「ベロン」

モバP「あー痛い奴ですねそれ…」

ちひろ「はいもうびっくりしちゃって。血まみれになった食材のおかげでちょっとしたトラウマでした」

裕子「ひー…」

ちひろ「ゆっこちゃんも気をつけてくださいね」

裕子「はい…」

モバP「苦手意識持っちゃうとダメですよねー」

ちひろ「一時期包丁持てませんでした」

裕子「あ、苦手で思い出しました!」

ちひろ「?」

裕子「好き嫌いの苦手なんですけど、仁奈ちゃんってにんじんあまり好きじゃなかったかなーって」

モバP「マジか」

裕子「はい!お弁当についてるにんじん毎回残してました!」

モバP「あー弁当のやつって当たり外れが大きいからな…」

ちひろ「それで苦手になっちゃったのかな?」

裕子「前に自然公園のお仕事があったじゃないですか!子馬ににんじんあげながら、にんじんは嫌いだから馬の気持ちは難しいでごぜーますよって」

モバP「それは…ヘヴィーだな」

ちひろ「いっつもうさぎのキグルミ着てるのに…」



ちひろ(仁奈ちゃんにんじん苦手なんだ……あ、そうだ)トン…トン


――――
――


裕子「プロデューサー!この窪んでる所の皮むきがうまいことできないです!」

モバP「おっ、それじゃあいよいよ芽取りの出番だな」

裕子「芽取り?」

モバP「芽取り」

モバP「さっき言ってたこの窪んでる所があるだろ」

裕子「ありますね!」

モバP「じゃがいもは放っておくとそこから芽が出る」

裕子「ほう」

モバP「そして芽にはソラニンって言われる物質が含まれてて食べると下痢や頭痛の中毒症状を起こす」

裕子「!?」

モバP「そして摂取しすぎると最悪死ぬ」

裕子「!!??」

モバP「そうならないよう芽の根元ごととるのが芽とりという訳だ」

裕子「せ…せせせ責任重大なさささささ作業なんでででですね!」

モバP「大丈夫か?」

裕子「だだだだだ大丈夫です!」

モバP「そんな気負いせずともこうやって思いっきり抉り取れば大丈夫だ」グリッ

モバP「小さくなってもいいから安全なものを食べられるのが一番だからな。あ、手は切らないように気をつけろよ」

裕子「思いっきり!わっかりました!むん!むむん」グリッグリッ

モバP「おっいいぞー。芽取りできたやつは俺がどんどん切っていくからなー」

裕子「はーい!」

――――
――――――


モバP「うん、これぐらいでいいだろ」

裕子「じゃがいもは終了ですね!お次は!」

モバP「にんじんだけど…ちひろさん、どんな感じです?」

ちひろ「こんな感じです。じゃーん」

裕子「おぉ!ハートに星型、花びら!にんじんが可愛くなってる!」

モバP「あーいいアイディアですねこれ」

ちひろ「はい。これなら苦手な仁奈ちゃんも食べるのが楽しくなるかなーって」

裕子「なるほど!」

モバP「しっかし型抜きも使わずにやるなんて器用ですねー」

裕子「よし!私のさいきっくカットも負けていられません!」

ちひろ「ゆっこちゃんもやってみますか?」

裕子「もっちろんです!」

モバP「それじゃあ俺も挑戦してみようかな」

裕子「……」トン

ちひろ「……」トン

モバP「……」トン…トン…

裕子「むむ…」トントン

モバP「…おぉ」トン…トン…

ちひろ「……」トントン…トン



裕子・ちひろ・モバP「「「…………」」」トン…トン…

モバP「………そういえばさ、ゆっこ」

裕子「はい」

モバP「最近どんな感じだ?ちょっと忙しくて中々様子も見れないから」

裕子「そういえば今までお迎えきてくれてたのに最近来てくれないですよねプロデュサー」

モバP「ごめんな。ちひろさんから近況自体は聞いてたりするけどこうやって話す時間も中々ないから…」

裕子「んー…そうですね」

裕子「あっ!お仕事のことじゃないんですけど!この前仁奈ちゃんと一緒にレッスン用のキグルミ買いにいったんですよ!」

モバP「ほう」

ちひろ「いつも私が行ってる所?」

裕子「はい!この前教えてくれたところですね!いろんなコスプレ衣装があって面白かったです!」

モバP「そういう専門店みたいなところで買ってたんですね…パーティ用品店みたいな所で買ってるかと思ってました」

ちひろ「それでもいいんですけど、もっとこう…ふかーいニーズに応えてくれるお店がよくて」

裕子「あーなんかそういう見たこともないマニアックなコスプレ衣装ばっかりでした!」

モバP「普段どんなコスプレしてるんですか…」

モバP「キグルミ買いにってことはキグルミも売ってるのか」

裕子「はい!仁奈ちゃんがもう目をキラキラさせてですねーいろんな衣装試着してて…」

裕子「なんかゴリラのキグルミが気に入ったみたいで!」

モバP「何故ゴリラ…」

裕子「試着してこう…眉間にしわ寄せてひくーい声で『ゴリラのきもちになるですよー』って言ってたんですよ!」

ちひろ「かわいい」

裕子「あ、写真撮ったんです!」

ちひろ「あーみたいです!」

モバP「俺も見たいなそれ」

裕子「あとで送りますね!」

裕子「それでですねー私もどれ買おうかなーって」

モバP「寝巻き用か?」

裕子「いえレッスン用です!今度仁奈ちゃんのキグルミ舞台のゲスト参加があるのでその練習用に!」

モバP「まだ企画中のやつか」

ちひろ「モールのミニイベントですね」

裕子「はい!いつも身軽な衣装が多いのでトレーナーさんも慣れておいたほうが言いかもって!」

モバP「あーなるほど」

モバP「それで何にしたんだ?」

裕子「私的にはこうサイキック的なやつがよかったんですけど見つからなくて…」

モバP「まぁサイキック的なキグルミって宇宙人みたいなのしか思いつかないな…」

ちひろ「……ボストンバッグ?」

モバP「なにもかもが違います、ちひろさん」

裕子「サイキック…宇宙人…チュパカブラ!」

モバP「なんでそのチョイスにした?」

裕子「ゴリラとチュパカブラのサイキックキグミショー!」

モバP「どんなショーにする気だ」

裕子「筋肉ムキムキマッチョマンなゴリラがチュパカブラと戦ったり?」

ちひろ「子どもが泣いちゃう…」

ちひろ「えっと、それでゆっこちゃんは何を買ったんですか?」

裕子「ネコです!ペロみたいな真っ黒なにゃんこ!」

モバP「雪美が喜びそうだな」

裕子「プロデューサーはもし私が着るとしたらどんなキグルミがいいと思いますか?」

モバP「ん?うーん…キグルミか…コスプレなら割と出るけどキグルミって難しいな…」

ちひろ「…ちなみにコスプレだと?」

モバP「……セーラー服?」

ちひろ「女子学生にセーラー服着せてどうするんですか…」

ちひろ「ネコかぁ…あっそうだ!…んー…っと。じゃーん!どうですか?」

裕子「おぉ!ネコちゃん!」

モバP「なかなか可愛いですね」

ちひろ「えへへーさっきゆっこちゃんのキグルミの話を聞いてピーンと」

裕子「むむむ!」ピキーン

裕子「きましたよ!エスパー感にびんびんにきました!プロデュ-サー!ネコといえば?」

モバP「ネコといえば…犬?」

裕子「そうです!犬!いざ…」

裕子「……あれ…犬ってどんな…?」

モバP「そういえばこれだって言える犬のシルエットってないよな」

<コレナラドウデス!?ゴリラ!
<イヌヨリムズカシイノエランデドウスンダ
<チュパカブラ!
<キルミショーカラハナレマショウ?ネッユッコチャン


仁奈(……)スゥスゥ

仁奈(……なんか…にぎやか…仁奈も…一緒に)スゥ

仁奈(おはなし…)

仁奈(ん…)スゥ

仁奈(……)スゥスゥ

―――
―――――
………………
……………………

仁奈「桃華!何飲んでやがりますか?」

桃華(ジンジャーティですわ)

仁奈「…神社?」

桃華(ジ・ン・ジ・ャ・ーティー。生姜の紅茶ですの)

仁奈「しょうが…正月?」

桃華(……とりあえず飲んでみては?)

仁奈「おぉ!いただきますですよ!」

桃華(……お口には合いましたか?)

仁奈「ほー…あったまるでごぜーます…」ホワァ

仁奈「おしいでごぜーます!」

桃華(気に入ったようでなによりですわ。冬にぴったりの紅茶ですの)ホッ

仁奈「桃華、よく紅茶飲んでやがります。仁奈もご一緒したいでごぜーますよ!」

桃華(あら、それでは他の皆様も呼んでお茶会もいいですわね)

仁奈「他のおねーさんも呼ぶでごぜーますか!」

桃華(えぇ。穏やかな時間を過ごすのもいいですが皆で賑やかに飲むのもまた趣があっていいものですわ)

仁奈「紅茶の気持になるですよ!」

桃華(紅茶のキグルミは遠慮したいですわね…)


……………
………

………
……………

仁奈「まゆおねーさん!何してやがりますか?」

まゆ(あら仁奈ちゃん…今プロデューサーさんの為にマフラーを編んでるんです)

仁奈「マフラー!あったかいやつですな」

まゆ(はい…最近は寒かったり暖かかったりするからプロデューサーさんが体調崩さないように…)

仁奈「ほー…見ててもいいですか?」

まゆ(はい、しっかり見ててくださいね…まゆがプロデューサーの為に編んでるところ…)

仁奈「目に焼き付けるでごぜーますよ!」

仁奈「…」

まゆ(…)アミアミ

仁奈「……」

まゆ(……)アミアミアミアミ

仁奈「…おー」

まゆ(…ふふっ面白いですか?)

仁奈「はい!なんかこう編み編みしてくとにょきにょき増えていっておもしれーです」

まゆ(にょきにょき…)

仁奈「まゆおねーさんはキグルミも編めるでごぜーますか?」

まゆ(まゆにキグルミは難しいですねぇ…)

仁奈「キグルミ編めるとキグルミの気持ちがわかるですか?」

まゆ(うーん…どうかな…でも…使ってくれる人の気持ちはわかるかも…)

仁奈「じゃあまゆおねーさんもプロデューサーの気持ちがわかるでごぜーますな!」

まゆ(うふ…まゆはいつだってプロデューサーさんの気持ちが分かるんですよ)

仁奈「スゲェですな!」

まゆ(はい…いつも見てるから…いつも…いつだって…まゆが…まゆだけの…)アミアミアミアミアミアミアミアミ

仁奈「………なんかまゆおねーさんちょっとこえーですよ…」


……………………
………………
――――
――



仁奈(…桃華…まゆおねーさん…)スゥスゥ

ちひろ「たくさん切っちゃいましたね」

モバP「ですね」

裕子「でもいろんな形があって宝探しみたいにわくわくしながら食べれそうです!」

モバP「宝探し…うん、いいな。そうやって楽しんで食べてくれるといいな」

ちひろ「これだけあればもう十分かな?」

モバP「4人分にしても多すぎるくらいですからね。それじゃあ水に浸してアク抜きしておこう」

裕子「次は…ほうれん草ですね!」

モバP「いや、ほうれん草は湯がいた後に切るから今は切らなくてもいいぞ」

裕子「こんな大きいのにですか?」

ちひろ「切っちゃうとそこから栄養が流れちゃうんです」

裕子「なるほど!ということは次に切るのは!」

モバP「うん、玉ねぎだな」

裕子「強敵ですね!」スッ

モバP「スプーンを2本も取り出して何をしようと…」

裕子「こうするのです!」バァーン

モバP「両目に当てたァー!」

裕子「こうして目を完全防備して…しまった!両手と目が塞がって…はっ!ここでサイキックパワーでスプーンを浮かして透視すれば!」

モバP「どこから突っ込めばいい」

ちひろ「ゆっこちゃん、目にしみる成分は鼻から入ってくるので目を防備したてもダメなんです」

裕子「なんと!」

ちひろ「包丁を濡らしてから切ると目にしみなくていいんですよ」

モバP「割と新しい玉ねぎだしそんなことしなくてもあんま目にしみないと思うけどな」

ちひろ「あれ、そういうの関係ありましたっけ」

モバP「どうなんでしょう。まぁ体感ですね」

ちひろ「体感ですか」









裕子「プロデューサー!ほんとに目にしみません!これならじゃんじゃん切れそうです!」ダンダンダンダン

モバP「それはよかったが今作ってるのは味噌汁だぞ!みじん切りにするのはやめろォ!」

裕子「ふー…すっきりしました!料理って楽しいですね!」

モバP「もっと別の楽しさも知ってほしかったな…」

裕子「切り方ってやっぱり大事なんです?」

モバP「そうだなぁ大きさ揃えたりして味の仕込み方を均一にしたり……」

ちひろ「後は美味しく見せたりする為に、ですね。いろんな切り方があるんです」

裕子「ほう!どんなのがあるんですか?」

ちひろ「短冊イチョウに色紙に半月、拍子木にくし形さいの目切り、とか」

裕子「!?」

モバP「ぶつ切り乱切り小口にみじん切りとかもありますよね」

裕子「!!???」

モバP「まぁ料理してる奴が全部網羅してるかって言われたら大多数がノーって言うだろうしそんな気にしなくていいぞ」

裕子「ほっ」

モバP「オーソドックスな切り方だけ知っておけば問題ないかな」

裕子「よかったー…。こんな呪文を覚えるのかとひやひやしました!」

モバP「サイキッカーなら呪文の一つや二つ平気そうな気もするがな」

裕子「それもそれでかっこいいですが!心で念じるのがサイキッカーなのです!語らぬ美こそがサイキッカーの証!」

モバP(いつも声に出てるんだけどそれは突っ込まないほうがいいのだろうか)

ちひろ「うーん…。それにしても具材切っていくとちょっと手狭になりますね」

モバP「えぇ。ネギ切るのにちょっと邪魔だから切り終わったやつは後ろに捌けて置きましょうか」

ちひろ「はい。こっちのフライパン、コンロに置いておきますね」

裕子「フライパン…」

モバP「どうした?」

裕子「ちひろさん、プロデューサー…サイキッカーといえば?」

ちひろ「スプーン…?」

モバP「まぁスプーンですよね」

裕子「ですよね!そんなサイキッカーがフライパン曲げをしたら?」

モバP「サイキッカーでなくともびっくりする」

裕子「そんなサイキックパワーも申し分ないサイキックアイドルがいたら?」

モバP「えっと…突っ込んだ方がいいのかな?」

ちひろ「ゆっこちゃん、フライパン曲げって言われたら別の方を想像しちゃいます」

モバP「根元じゃなくて鍋型になってる部分ですよね」

裕子「なるほど…つまりここを曲げればいいんですね!」

モバP「んん!?」

裕子「いきますよーサイキック…フライパン曲げ!」

裕子「調整なしのさいきっくふるぱわーを…」

裕子「むむむー…」

裕子「むむむむむむー……」

ちひろ「まがり…そう?」

モバP「いやー…無理でしょう」

<バボン!

モバP(なんだ今の音)

裕子「ッハー!やっぱり私にはまだまだでしたね!」

モバP「そもそも曲げられたら料理できなくなるだろ」

裕子「は!しまったそうでした!結果オーライですね!」

モバP「オーライなのか…?」

ちひろ「えっと…とりあえずネギ出しちゃいますね」













ちひろ(………ネギが爆発四散してる…)

モバP「さて、皆さんに重要なお知らせがあります」

ちひろ・裕子「「はい」」

モバP「ネギが爆発しておりました。どうしましょうか」

裕子「はい!ネギなしのサイキック丼にする!」

モバP「んーやっぱそれしかないかなぁ…」

ちひろ「そこですか!?」

モバP「それ以外何があるんですか?」

ちひろ「いえいえいえいえ!もっと他に疑問を持つ所があると思うんですが!」

裕子・モバP「「……?」」

ちひろ「爆発してたことに関してはスルーですか…」

モバP「まぁそんな危ないネギなんて形が残ってても使いませんし」

ちひろ「爆発したこと自体に疑問を持ちましょうよ…」

裕子「それでどうします?」

モバP「うーん…あ、そうだ」

モバP「ゆっこが粉みじんにした玉ねぎを使ってサイキック丼のソースを作ろう」

裕子「おぉ!ソースってなんかいろいろ入ってそうで難しそうなイメージですが!」

モバP「まぁものによるけどな」

ちひろ「いいですね。お味噌汁はちょっと寂しくなっちゃいますが」

モバP「まぁ仕方無しです

モバP「んー何がいいかな…甘辛玉ねぎソース…中華風ソース…」

裕子「はいはい!玉ねぎたっぷりの焼肉ソース!」

モバP「おーがっつり系。ご飯との相性も抜群だな」

ちひろ「トマトがあるからトマトソースもいいかも…」

裕子「それもいいですね!トマトの甘みと黄身の甘みでダブルハーモニー!」

モバP「どれにしようか迷うなー…」

ちひろ「どれも捨てがたいですねー」

裕子「ふっふっふー…こんなときこそエスパーユッコの出番ですよ!」

モバP・ちひろ「「?」」

裕子「夢の中で仁奈ちゃんにどれがいいか聞いてきましょう!」

モバP「ほう」

裕子「名づけて!さいきっくドリーム!むむむ~…」

裕子「む~…」

裕子「…」

モバP「……」

裕子「……」

ちひろ「……」

裕子「……」


モバP「……そういえば夢って寝なきゃ見れませんよね」

ちひろ「……そうでしたね」

モバP・ちひろ「「………」」

裕子「……」

裕子「……っは!おはようございます!」

モバP「おはよう。仁奈はどうだった?」

裕子「寝てました!」

モバP「いやそこでなく」

裕子「なんか夢の中でも寝てました!ここ最近毎日レッスンばかりでお疲れだったからかなー」

モバP「あれ?そんな毎日入れてなかったはずなんだけど」

ちひろ「レッスンとかでアイドル達が誰も事務所にいない時についいっちゃうみたいです」

モバP「あーなるほど…まぁ麗さん達の事だからオーバーワークしないように調整してくれてるとは思うけど…」

ちひろ「限界なんて当人でも分からなかったりしますからねー」

モバP「ですねー…」

モバP「そうか…疲れ…酸っぱいもの…んー冷蔵庫の中の調味料になんかあったっけ」カパ

モバP「……レモン汁…塩…鶏がらスープの素もあるな…よし」

裕子「決まったんです?」

モバP「うん、塩ダレレモンソースってどうかな」

ちひろ「おっ、ちょっとひねってきましたね」

モバP「疲れてる時には酸っぱいものをと思って」

裕子「おぉ!いいですね!」

ちひろ「うん、私もいいと思います。それでいきましょう」

モバP「いよし、ソースも決まったことだしいよいよ調理に入っていこうか」

裕子「おー!」

仁奈(……)スゥスゥ

仁奈(ん…)スゥ


<ジャンジャンキレソーデス!
      ダンダンダンダンダン


仁奈(……なんのおとでごぜーますか…)

仁奈(静かに…)

仁奈(しず…か…)スゥ

仁奈(…)スゥスゥ

――――――
――――
……

仁奈「机の下で何やってやがりますか?」

乃々(ひっ!)ビクッ

乃々(あっ…仁奈ちゃん…プロデューサーさんかと思ったんですけど…)

仁奈「プロデューサーから逃げてるでごぜーます?」

乃々(特に逃げる用事はないですけど…ここが一番安心するから…)

仁奈(……でもそこってプロデューサーの机でごぜーますよ)

乃々(もりくぼは…貝に…貝になりたい)

仁奈「貝の気持ちになるでごぜーますか!でも貝のキグルミは持ってねーですな」

乃々(貝は…静かに海底で暮らすんです…もりくぼは平穏な暮らしを望みます…)

仁奈「貝ってしんじゅ?があるやつでごぜーますな!硬い殻の中にキラキラしたものがあるなんてびっくりでごぜーます!」

乃々(………真珠……きらきら…)

仁奈「すっごい綺麗でピカピカしてやがりました!」

乃々(……ぴかぴか)

仁奈「昔の人は真珠が欲しいからいろんな貝をあけまくってたってテレビで見たでごぜーますよ」

乃々(…貝にとっては迷惑な話なんですけど)

仁奈「あと貝は美味しいって言ってたでごぜーます!」

乃々(ひぃっ…食べないでぇ…)

………
……

……
………

仁奈「雪美!何してやがるですか?」

雪美(……ペロと……おはなし……)

仁奈「ネコの気持ちがわかるでごぜーますか!」

雪美(猫は……わからない…ペロのことだけ……)

仁奈「ペロの気持ちになってるです?」

雪美(お話……できて……心も…繋がってるから……)

仁奈「キグルミ着なくてもわかるなんて雪美はすげーでごぜーますな!」

仁奈「ペロがこっちきたです!」

雪美(ペロ……仁奈の…ヒツジのキグルミ……あったかいって……)

仁奈「嬉しいでごぜーますよ!雪美ももふもふするでやがります?」

雪美(……うん。もふもふ……)

仁奈「あったけーですか?」

雪美(……あったかい…ふふふ……)

仁奈「仁奈ヒツジの魅力にいちころでごぜーますよ!あったかくてー…ねむくなるです…」

仁奈「眠く…ねむ…」

仁奈「……」スゥスゥ

………
……

……
………

???(……ん!)

仁奈「んー…」スゥスゥ

???(…ちゃーん!)

仁奈「……誰でやがりますか…?」

裕子(仁奈ちゃーん!)

仁奈「……ゆっこおねーさん?」

裕子(サイキックおはようございます!ユッコです!)

仁奈「ふわぁ…どうしたでやがりますか?」

裕子(いえちょっと聞きたいことがあったんですが眠そうですね!)

仁奈「ねみーでごぜーますよ…」ウトウト

裕子(みたいですね!ごめんね邪魔しちゃって!では!)スゥ

仁奈「……なにしにきたですか…」



……
――――
――――――


仁奈(んー…乃々おねーさん…雪美…ゆっこおねーさん…)

モバP「さて、今回は3人いるし分担してやっていこうか」

ちひろ「そうですね。ではゆっこちゃんは私と一緒におひたしを作っていきましょう」

裕子「お願いします」ビシッ

モバP「それじゃあ自分は洗い物やりますね」カチャカチャ

ちひろ「はーい。それでねゆっこちゃん、まずはお鍋にお水を張りましょう」

裕子「了解しました!プロデューサーちょっとサイキックしますよ!」

モバP「え、なにそれこわい」

モバP「あぁ、水か」サッ

裕子「ありがとうございます!」ジャー

ちひろ「はい。じゃあ沸騰するまで蓋をしてちょっと待ちましょう」

裕子「お水からは茹でないんですね」

ちひろ「上の物はお湯から、下の物は水からって言ってね」

ちひろ「葉物野菜は水から茹でるの」

ちひろ「お水につける時間が短縮できるから色が悪くなったり栄養が外に逃げ出すのを防ぐことができるんです」

裕子「下の物は…じゃがいもとかですか?」

ちひろ「はい。根菜類、つまり土の下でできる野菜ですね」

ちひろ「お湯から茹でると表面だけに火が入って煮崩れしやすくなるんです。お水だとそれを防ぐことが出来るんですよ」

裕子「ほー…」

ちひろ「さて、株本からほうれん草を入れてしなっとしたら葉っぱまでお湯につけちゃいましょう」

ちひろ「塩も入れて…綺麗な緑色になったら引き上げて大丈夫です。そしたら冷水で冷やしてしっかり水切りしてくださいね」




モバP(綺麗な緑…)カチャカチャ

モバP(あ、ちひろさんは蛍光色か)カチャ

ちひろ「プロデューサーさん?」

モバP「いひゃい!?ごめんなさい!すいませんでした!」

ちひろ「…どうしたんですか?」

モバP「あ、いえ…な、なんですか?」

ちひろ「まな板と包丁洗い終わったなら借りますね」

モバP「あーはい、どうぞ」

ちひろ「はい、ありがとうございます。それじゃゆっこちゃん水気を絞りましょう」

裕子「これぐらい…ですか?」ギュゥ

ちひろ「うん、いい感じです。それでは一口大に切って、白ゴマとお醤油をかけて冷蔵庫に入れましょう」

ちひろ「小鉢は…どれがいいかな」

モバP「あーこの前買ったその小鉢使いましょうか」

裕子「あっこの綺麗な青色の柄が入ってるやつですね!」

モバP「そう、それ。いい感じの蒼色で気に入ってるんだ」

ちひろ「……何かが食い違っているような」

――――
――

裕子「これで…完成!」

ちひろ「はい。綺麗に盛り付けれましたね」

裕子「んー!1品だけですがこうやって出来上がるとなんか嬉しいですね!」

ちひろ「それじゃあその調子でお味噌汁も作っちゃいましょうかゆっこちゃん」

裕子「おー!」

ちひろ「では洗い物が終わってるプロデューサーさんにバトンタッチしましょう」

モバP「よしバトンタッチされましょう!さて、じゃがいもとにんじんを入れるわけだが」

裕子「下の物は水からですね!つまりこのまま入れてもOK!」

モバP「うん。そしたら中火にかけよう」

裕子「味噌はいつ入れるんですか?」

モバP「具材に火が通り終わったら入れる。今回はだし入り味噌を使うからこれで完成だ」

裕子「意外と簡単なんですね!」

ちひろ「出汁をとったりすると一手間増えますけど今は顆粒だしとか今回みたいにだし入り味噌を使うことも多いですしねー」

裕子「ほー。もっとこう煮込んでー隠し味を入れてーサイキックパワーを使ってーって感じだと思ってました」

モバP「普通の調理にサイキックは使わんしなぁ」

ちひろ「普通でなくとも使いませんってば」

モバP「それじゃあ具材に火が通るまでぱぱっとサイキック丼のソースを作っていこう」

裕子「おー!どうやって作るんです?」

モバP「まずこの小鍋にごま油を張ってすりおろしたにんにくを入れる」

裕子「ふむふむ」ジュー

モバP「そしたら玉ねぎを入れて透明になるまで炒めよう」

裕子「んー…」ジュワァ…

裕子「プロデューサー!この匂いヤバイですね!お腹すきます!」

ちひろ「ほんといい匂いですよねー…」

モバP「香ばしい匂いは食欲そそるからなー…。俺も腹減ってきた」

モバP「そしたらちょっと水を加えて鶏がらスープの素を入れてひと煮立ちさせる」

裕子「ひと煮立ち…?」

ちひろ「沸騰したら一呼吸おいて火を止めることです」

裕子「ずっとグツグツしないんですねー」

モバP「風味や香りが飛ばないようにするんだ」

裕子「なるほど…ということは…」

鍋<グツグツ

モバP「うん、止めてもオッケー。そしたら別の容器に移してちょっと荒熱を取ろう」

裕子「荒熱…触れるぐらいの熱さにするんですね!」

モバP「そうそう。あ、ついでに味噌汁の火も弱火にしておいてくれ」

裕子「はーい!」

裕子「ふー…アイドルバラエティの時にも思ってたんですけど!料理用語って難しいんですよね!」

モバP「ひたひたとかとろ火とか結構アバウトな表現も多いしなぁ…」

裕子「プロデューサーはどうやって覚えたんです?」

モバP「俺はその都度調べて、かな。ちひろさんは?」

ちひろ「私はお手伝いしてる時に母から教えてもらいました」

モバP「あーそっか一緒にお料理してるとそういう機会も多そうですね」

ちひろ「はじめちょろちょろなかぱっぱ、とか」

モバP「赤子泣いても蓋取るな。ですね」

裕子「?なんですそれ」

ちひろ「お米を土鍋で炊いた時の火加減を指してるんです」

裕子「土鍋!ちょっと難しそうですね!」

モバP「だからこんな歌ができたりしたのかもな」

裕子「どんな意味なんですか?」

ちひろ「はじめちょろちょろは弱火でじっくり火にかけるんです」

モバP「それでなかぱっぱは中火で沸騰している状態を保つ」

モバP「最後の蓋取るなはまぁそのまんまだな」

裕子「赤子…赤ちゃんですね。これは…」

モバP「赤ん坊がはよ飯よこせって泣いても蓋を取らずに待てってこと」

裕子「根比べというやつですね」

ちひろ「ちなみに江戸時代くらいにできた言葉らしいですよ」

モバP「そんな昔っからあったんですか」

裕子「なんかすごいですね!大昔から受け継がれてきた言葉…んーミラクル!4000年の歴史!」

モバP「それは中国」

裕子「でもずっと昔の言葉が今でも残ってるってことはそれだけお母さんから教えてもらい続けてきたってことですね!」

ちひろ「はい。私の母もおばあちゃんから教えてもらったそうです」

モバP「自分もおばあちゃんでしたね」

裕子「私はプロデューサーとちひろさんから教えてもらいましたけどね!」フフン

モバP(ちょっと鼻高々そうなのが嬉しいかわいい)

―――――
―――

モバP「うん。荒熱も取れたし大体いいかな。あとはレモン汁と塩を入れて味を整える」

裕子「ふむ…」シャッシャ

モバP「もっと振っていいぞ」

裕子「むむむ!」シャッシャッシャ

モバP「もっとだ!」

裕子「サイキックフルパワー!」ブンブンブンブン

ちひろ「ストッ…ちょっと二人ともストップ!ストップですってば!」

裕子「ふー、もういいですかね」

モバP「うん、十分だな」

ちひろ「十分すぎますよ。どこまでいれるのかとヒヤヒヤしました」

裕子「次は…塩を入れるんですよね」

モバP「そうそう。ちょっとずつ入れて味を見ながら調整していこう」

裕子「ふむ」サッサッサ

裕子「うーん…」ペロッ

裕子「うん?」

裕子「むー…」サッサッサ

ちひろ「苦戦してますねー」

モバP「自分の舌だけが便りって存外不安なんですよねー」

ちひろ「ひょっとして何かが足らないんじゃ…でもそれが何か分からない!とかですね」

モバP「そうそう」

裕子「むー…プロデューサー!ちひろさん!ヘルプ!ヘルプです!」

モバP「よしきた」

モバP「うーん」ペロッ

ちひろ「んー」ペロッ

ちひろ「あら…思ったより酸っぱくないですね。美味しいですよゆっこちゃん」

モバP「うん、いいじゃないか。これならばっちりだぞ」

裕子「でも薄味すぎるような…」

モバP「黄身の味が濃いからな。これぐらいの薄味で十分」

ちひろ「はい、ちゃんとレモンの酸っぱさが後味で出てくるので大丈夫です」

裕子「なるほど…黄身とのハーモニー…あんまり主張してすぎてもダメということですね!」

モバP「そうそう。ちなみにここではちみつを入れるとマイルドになってまた美味しいんだ」

裕子「おぉ!隠し味!」

モバP「うん。ただこれぐらいの酸っぱさなら入れなくても大丈夫かな」

裕子「ということは今回は入れないんですね…」シュン

モバP「そんなに入れたかったのか…」

裕子「だって隠し味ってこう…お料理してるって感じが!」

モバP「そういうのは基本ができてからだ」

裕子「むー…ではほんの少しのサイキック隠し味を入れておきましょう!」

裕子「むむむむ~…むん!これできっと美味しくなるはずです!」

裕子「プロデューサーもサイキック隠し味を入れてみてはどうですか?」

モバP「俺にサイキックは使えんしなぁ…。ちひろさんに任せよう」

ちひろ「ふえ!?」

裕子「なんと!ちひろさんも使えるんですか!?」

モバP「もちろん。なんてたってうちの有能事務員だからな」

ちひろ「無茶振りやめてください!」

モバP「では愛情をたっぷり入れていただきましょうか」

ちひろ「えぇっ!」

裕子「おぉ!こう…美味しくなーれって唱えながら愛情を入れるわけですね!」

ちひろ「こ…この年でそんな乙女チックなことは…」

ちひろ「う…うぅ…」カー

モバP(ここまで恥ずかしがるとは思わなかった)

裕子「顔真っ赤ですね!」

ちひろ「ね…念じるだけが愛情じゃないということで勘弁してください…」

モバP「ほう」ニヤニヤ

ちひろ「にやけるのやめてくださいよもう」バシバシッ

モバP「いった、痛いでですってちひろさん。すいません」





裕子「……念じるだけが愛情じゃない…?むむむ…」

モバP「よーし、それじゃあソースもできたことだし味噌汁に戻ろうか」

裕子「むー…?」

モバP「…ゆっこ?」

裕子「むん?あっはい!」

ちひろ「どうしました?」

裕子「いえ!なんでもないです!」

モバP「?それじゃあ味噌を入れていこうか」カチン

裕子「はーい!」

―――
―――――

裕子「このぐらい…ですかね?」カシャカシャ

モバP「味見をしながらちょっとずつ増やしていこう」

裕子「味見…むむー…できますかね?」

モバP「だしいり味噌だしさっきのソースみたいにはならないから大丈夫だよ」

ちひろ「ゆっこちゃんの好きな濃さにすればいいんです」

裕子「濃さ!なるほど!うーん」ズズッ

裕子「んー…もうちょっと?」カシャカシャ

裕子「むー…」ズズッ

裕子「どれくらいかなー……」カシャカシャ

裕子(そういえばお母さんも…いっつもこうやってお味噌汁作ってたっけ…)カシャカシャ

裕子(お母さんのお味噌汁…)カシャ

裕子「……」ズズッ

裕子「うん!こんな感じかな!」

ちひろ「できましたか?」

裕子「はい!二人とも味見してください!」

モバP「よーし」ズズッ

ちひろ「どれどれー」ズズッ

モバP「うん丁度いいかな」

ちひろ「濃すぎず薄すぎず、ですね」

裕子「よかったー!」

裕子「なんかお味噌といてたらお母さんのお味噌汁思い出しちゃって!」

ちひろ「お母さんもこんな味付けでしたか?」

裕子「はい!同じ白味噌だったのでバッチリです!」

モバP「ゆっこの実家は白味噌だったか」

裕子「プロデューサーとちひろさんはどんなお味噌でしたか?」

ちひろ「実家が赤味噌でしたけど白味噌も甘くて好きですよ」

モバP「俺はいいとこどりの合わせだったな」

裕子「お味噌汁ってお家によっていろいろ違いますよね!」

モバP「そうそう作る前もちょっと話したけど入れる具材や味噌の種類も全然違ったりしてな」

ちひろ「うちは割りとオーソドックスなお味噌汁だったと思いますね」

ちひろ「あ、でも緑黄色野菜が多かったかも」

モバP「緑…スーツ…あーなるほど…」

ちひろ「ちょっと失礼なこと考えてませんか」

ちひろ「プロデューサーさんはどうでした?」

モバP「俺も割と普通でしたね。たまーに冒険した具材が入ってくるけど」

ちひろ「冒険?」

モバP「チーズが残ったからって言って味噌汁の中ぶち込まれた時はビビりました」

ちひろ「えぇ…」

裕子「チーズ!?美味しいんですかそれ!?」

モバP「意外にいけたぞ」

裕子「お味噌汁すごい…」

裕子「私は油揚げが入ってました!」

モバP「あー…食パンみたいにバカでかいあれか」

裕子「こっち来てから油揚げで通じなくてちょっと驚きました」

モバP「まー厚揚げだしなあれ」

ちひろ「ちょっと重そうなお味噌汁ですね」

裕子「でもすっごい美味しいんですよ!お味噌のだしが油揚げにしみて食べるとこう…じゅーって!」

ちひろ「あー美味しそう…」

裕子「お味噌汁って面白いですねー」

モバP「まぁ何を入れても合うってことは何を入れるかってことだからな」

ちひろ「そのお家のお母さんが何を考えて入れてるのかよくわかりますよね」

モバP「残りもんぶちこんだり」

ちひろ「栄養のことを考えたり、ですね」



裕子「何を考えて、かぁ…」

<アツアゲカー…イレテミマス?
<ソレガナインデスヨネー


裕子(……そういえば厚揚げ以外にも何か入ってたような)

裕子(んー?)

――
―――
…………
………………

裕子「なんかほっこりするー」

裕子母「そう?」

裕子「うん!こういのがのみたかった!」

裕子母「それはよかった。今日はねちょっと隠し味を入れてみたの!なんだと思う?」

裕子「んーっとねー…はっ!ちょっとまって!」

裕子「むむむ~…むんっ!」

裕子「……おかしい…エスパーユッコのちからでもわからないなんて…」

裕子母「まだまだ修行不足ねー。正解はこれ!お母さんのサイキック隠し味!生姜でしたー」

裕子「しょうが!はー…だからあったまる?」

裕子母「そ、生姜は風邪にもいいのよ。裕子、ちょっと風邪気味でしょ?」

裕子「んー…?」ズビッ

裕子母「気づいてないのねこの子…」

裕子母「風邪は引き始めが肝心なの。今日は寒いし、お薬飲んであったかい格好して寝なさいね」

裕子「はーい!えへへこれすきー。あしたものみたいー」

裕子母「ん、それじゃあ明日も作ってあげるね」

裕子「お母さんエスパーみたいだね!わたしがかぜ引いてるの知ってるしたべたいもの知ってるし!」

裕子母「そりゃなんてたってエスパーユッコのお母さんですから!」

裕子「おーそれはたしかにそうだ!」

………………
…………
――

裕子(……そういえば、この時からたまーに生姜入れるようになったんだっけ)

裕子(サイキック隠し味かー…)


ちひろ『念じるだけが愛情じゃないということで…』


裕子(…あっ)



裕子母『風邪引いてるでしょ?』

ちひろ『これなら仁奈ちゃんも食べるのが楽しくなるかなって』

モバP『疲れてる時には酸っぱいものがいいんだ』



裕子「……そっか」

裕子「プロデューサー!生姜ってありましたっけ?」

モバP「んー…確かさっき見たような…」ゴソゴソ

モバP「あーあったあった。ほい、どうするんだ?」

裕子「お味噌汁に生姜を入れようと思って!」

ちひろ「吸い口ですね」

裕子「吸い口?」

ちひろ「汁物に添える香の物です」

裕子「そんな名前があるんですね!実はうちのお味噌汁、油揚げ以外に生姜が入ってることがあったんですよ!」

モバP「おふくろの味ってわけだな」

裕子「はい!」

モバP「生姜入りかー、悪くないな」

ちひろ「ほっこりしそうですね」

裕子「そうなんですよ!」

裕子「よく寒い日とかちょっと風邪気味の時に出してくれたりして…」

モバP「うん」

ちひろ「いいお母さんですね」

裕子「はい、サイキック隠し味~なんて言ってて…それで…気づいたんです!」

裕子「隠し味って…自分だけの味なんですね!」

裕子「作る人が食べてくれる人の事を考えていれてくれた、大切な味付けなんだって」

裕子「それが愛情で、だから隠し味は愛情になるんですね!」

ちひろ「……ゆっこちゃん…」

モバP「うん、とっても素敵な答えだと思う」

裕子「えへへ」

―――
―――――

裕子「では摩り下ろしたこの生姜を入れて…」カシャカシャ

裕子「よし!プロデューサーちひろさん!味見!してみてください!」

モバP「うん」ズズッ

ちひろ「では」ズズッ

裕子「どきどき…」


モバP「いいな。体の芯まで温まる感覚」

ちひろ「はい、生姜の風味が効いてとっても美味しい」

裕子「よかったー」ホッ

裕子「……えへへ。こうやって自分で味を決めて作るのっていいですね!」

ちひろ「嬉しい?」

裕子「はい!私の…私の好きな味が好きって言われるのがこんなに嬉しいとは思いませんでした!」

裕子「私にとって思い出の味だったので…尚更嬉しいです!」

裕子「……仁奈ちゃんも美味しいって、言ってくれるかな」

ちひろ「言ってくれますよ。きっと」

モバP「うん、大丈夫だ。それじゃあ味噌汁に戻したわかめを入れて、パパッとサイキック丼を作っていくかー」

裕子「はーい!」

仁奈「んー…」スゥスゥ


<ウィンナー!ヤイチャイマスネ!
<マッテユッコチャン!オユヲキラナイトアブラガハネテ!
<アツゥイ!


仁奈「んー…みんなどこにいやがりますか…」スゥ

仁奈「……今日のレッスン楽しくて…プロデューサーにも…お話…」

仁奈「お話…みんな…」スゥ

仁奈「……」スゥスゥ

――――――
――――
……

モバP(仁奈ーおーい仁奈ー)

仁奈「ふあ…?」

モバP(授業終わったぞー)

仁奈「じゅぎょう…あれ…?ここは学校じゃなくて事務所ですよ?」キョロキョロ

モバP(んー寝ぼけてるのか?)

仁奈「あれ…学校?」

ヘレン(グッモーニンエブリワン!次は英語の授業よ!今日は地球、そして宇宙!世界レベルを超えた授業よ!)

モバP(次は休み時間です)

ヘレン(……なるほど、つまりそういうことね)グッ

モバP(どういうことですか)

仁奈「…ヘレンおねーさん?」

ヘレン(ノンノン仁奈、ヘレンティチャーよ)

モバP(何故英語)

ヘレン(世界へ羽ばたく為よ)

仁奈「先生でごぜーますか?」

モバP(そうだぞ。まだ寝ぼけてるのか?)

仁奈「んー…?」

裕子(おーい!仁奈ちゃーん!)

仁奈「ゆっこおねーさんもいやがりました」

裕子(いつでも貴方のお傍に!エスパーユッコの登場です!飼育小屋に行きましょう!)

モバP(そういえば今日の当番は仁奈だっけ)

仁奈「当番…仁奈がご飯上げる係りでごぜーますか?」

裕子(そうです!一緒に行きましょう!)

仁奈「……行く。行きたいでごぜーますよ!」

裕子(よーしそうと決まれば…さいきっく~テレポート!)ダッ

モバP「廊下は走らない」

裕子(…さいきっくウォーク!)

仁奈「うぉーく!」

仁奈「飼育小屋には動物がいっぱいいるでごぜーますか?」

裕子(いるよー!うさぎとかニワトリとか!ハムスターも!)

仁奈「ハムスター!ちっちゃくてかわいいやつですな!」

裕子(そうそう!)

七海(~♪)

仁奈「あっ七海おねーさん!」タッタッタッタ

裕子(仁奈ちゃんちょっと待って~!)

仁奈「七海おねーさん!なにしてやがりますか?」

七海(あー仁奈ちゃんに裕子さん。今水槽の水替え中れすよ~)

裕子(その間お魚はどこにいるんです?)

七海(そこのバケツれすよ~)

仁奈「どんなお魚が泳いでるですか?」ヒョイ

裕子(この魚は…むむむ~…むん!アジですね!)

七海(鯛れすよ~)

仁奈「鯛…食べちゃうですか?」

裕子(食べちゃったりはしないよー。ねっ七海ちゃん?)

七海(お刺身とかなめろうとかいいれすねー)

裕子(……いいんだ)

仁奈「あっ飼育小屋!」

裕子(そうでしたね!それじゃあ七海ちゃん!また授業で!)

七海(ばいばいれすよ~)

桃華(よいしょっ…と)

仁奈「今度は桃華です!」

裕子(掲示板に何か貼ってますねー)

桃華(あらお二人ともごきげんようですわ)

仁奈「ごきげんよーでごぜーますよ!」

裕子(何を貼ってたんですか?んー…お茶会?)

桃華(皆さんを誘って今度開いてみようかと思いますの)

仁奈「お茶会!いろんな紅茶が飲めるですか?」

桃華(えぇ。タージリンにアッサム、アールグレイやオレンジペコ…。いろんな紅茶をご用意いたしますわ。勿論スコーンも)

裕子(おぉ!サイキックパワーがどんどん上がりそうですね!)

桃華(紅茶をなんだとお思いですの?)

仁奈「仁奈達も参加できるですか?」

桃華(勿論ですわ。楽しみに待っていますの)

仁奈「やったー!ゆっこおねーさんも一緒に行くですよ!」

裕子(勿論ですよ仁奈ちゃん!私も選りすぐりのサイキックアイテムを持ってきますね!)

桃華(そんなもの持ってきてどんなお茶会にする気ですの…)

仁奈「ばいばーい桃華!」

桃華(ばいばいですわ)フリフリ


仁奈「お茶会…楽しみですなー」

裕子(ねー。あっまゆさん!)

まゆ(あら二人とも…)

仁奈「まゆおねーさん!ごきげんよーでごぜーますよ!」

まゆ(はい、ごきげんよう)ニコッ

まゆ(プロデューサーさんを探してるんですけど…)

仁奈「プロデューサーなら教室にいたですよ!」

まゆ(お一人でしてかぁ?)

裕子(ヘレンさんがいました!)

まゆ(そうですかぁ……やっぱり渡すのは放課後…一人の時…職員室で?…いっそのこと呼び出して…)ブツブツ

裕子(…大丈夫ですか?私がさいきっくカムバックプロデューサーを使いましょうか?)

まゆ(いえ…大丈夫ですよ。裕子ちゃんのサイキック能力は便利そうで羨ましいです)

裕子(一緒に特訓すればいつでもどこでもプロデューサーを呼べるようになるかもしれませんよ!)

まゆ(プロデューサーさんを…いつでもどこでも…。素敵ですねぇ…)

仁奈「まゆおねーさんが持ってるその紙袋ってマフラーですか?」

まゆ(あら…よくわかりましたね)

裕子(おーすごいです!仁奈ちゃんにもエスパーの素質が!)

仁奈「プロデューサーへのプレゼントですな!」

まゆ(ばれちゃった。二人とも、内緒にしてくださいね。……絶対に…絶対に、ですよ?)ニコォ

仁奈「わ…わかったですよ」

裕子(な…なんか凄みというか怖いというか…)

まゆ(……うふふ)

仁奈「それじゃあ仁奈たちは飼育小屋に行ってくるですよ!」

まゆ(はぁい、いってらっしゃい)

仁奈「いってきますですよ!」


仁奈「いろんな人に会えて楽しいですよ!」

裕子(そうだねー!おっ今度は雪美ちゃん!)

仁奈「ペロと一緒ですよ!」

雪美(仁奈…裕子…)

仁奈「何してやがりましたか」

雪美(ペロの…いつもの場所で…日向ぼっこ………)

裕子(あのヒツジのキグルミが置いてある教室ですね!)

雪美(うん……もふもふしながら…二人で寝るの……)

仁奈「キグルミ!いつもなら仁奈をもふもふすればいいですが今はキグルミ着てないですよ…」

雪美(残念……ペロと一緒に…また…もふもふしたい……)

仁奈「とっておきのキグルミで一緒にもふもふするですよ!」

裕子(サイキック早着替えを習得できれば仁奈ちゃんをキグルミにぱぱっと着替えられちゃうんですが…)

仁奈「ゆっこおねーさんそんなこともできるですか!すげーですな!」

裕子(ま、まだ練習中ですけどね!)

雪美(……裕子…さいきっく…ペロの心が…わかる……?)

裕子(もちろん!動物との念話は既に習得済みですから!でも心が読めない時もあって難しいですねー)

雪美(そう…さいきっくでも…心は……難しい……)

裕子(やはり大事な事はサイキックじゃなくて言葉で伝えることですからね!)

仁奈「ペロとおしゃべりできる雪美ならばっちりですな!」

雪美(……言葉…大事…うん…そうかも……)

仁奈「雪美!ばいばーい!」

雪美(…ばいばい………)


裕子(雪美ちゃんってペロとお話できるなんて不思議ですねー。サイキッカーもびっくりです)

仁奈「そうでごぜーますなー…」

裕子(飼育小屋見えてきましたよ!んー…誰かいますね…あれは…)

仁奈「乃々おねーさんですよ!」

乃々(あ…仁奈ちゃん…裕子さん…)

裕子(乃々ちゃんそんな所でじっとしてて何してたの?)

乃々(もりくぼは…安寧を求めて…日々生きています)

裕子(つまり飼育小屋が安寧の場所?)

乃々(うさぎは…もりくぼに癒しを与えてくれるんですけど…)

仁奈「うさぎはもふもふして暖かいからですなー!」

乃々(もふもふして…いつももりくぼがお世話になってます…)

仁奈(乃々おねーさんがお世話されてるでごぜーますか?)

裕子(では今日はいつもお世話になってるうさぎにお世話して恩返ししちゃいましょう!)

乃々(お世話…今日の当番は裕子さんと仁奈ちゃんですか?)

裕子(当番は仁奈ちゃん!私は付き添いですね!)

乃々(そうでしたか…)

仁奈「乃々おねーさんもにんじんあげてみるですか?」

乃々(にんじん…)

裕子(えっと…確かいっつもここに…あったあった!)

ウサギ<スンスン…スンスン…

乃々(……おいし?)

仁奈「うめーって言ってるですよ!」

乃々(まだ食べてないんですけど…)

仁奈「いっつもうさぎの気持ちになってるからわかるですよ!仁奈はにんじん嫌いだけど…」

乃々(そうなんですか…もりくぼにうさぎの気持ちは難しいみたいですけど…)

ちひろ(あーいたいた)

仁奈「ちひろおねーさん!……なんでセーラー服着てやがりますか?」

ちひろ(?どうしたの仁奈ちゃん)

裕子(ちひろさん!どうしたんです?)

ちひろ(いえとちょっと乃々ちゃんに用事が)

乃々(……もりくぼは貝になってるのでお構いなく)

ちひろ(プロデューサーさんが今日の提出物の事で呼んでましたよ)

乃々(貝なので…何も聞こえてません…貝なので)

モバP(ちひろさーん、乃々いました?)

乃々(プロデューサーに見つかるわけにはいかないんですけど!)ダッ

モバP(あっ乃々こんなとk)

乃々(むーりぃ!)

モバP(えっ!ちょっ何が!?ちょっと待って!)

モバP(あんな猛ダッシュで逃げられるとさすがに傷つくわー…)

裕子(脱兎の如くというやつですね!)

仁奈「立派にうさぎの気持ちになってるでごぜーますな!」

モバP「まぁ授業終わった後でもいいか。二人とも当番はどうだ?)

仁奈「今からご飯あげるですよー!」

モバP(よーし。それじゃあ俺も手伝おうか)

ちひろ(あっ、でしたら餌の補充をお願いしてもいいですか?)

モバP(任せてくださいー)

裕子(仁奈ちゃーん。餌箱汚れてるか洗っちゃましょう!)

仁奈「はーい!」


仁奈「えへへ-。みんな一緒で楽しいですよ」

仁奈「ウサギさんお腹すいたですかー?今ご飯あげるでごぜーますよ!」


………………
…………
――



仁奈「……みんな一緒…」スゥ


―――
――――――
―――――――――


裕子「ウィンナーも焼いて目玉焼きもOK!」

モバP「ご飯もよそって準備万端」

裕子「では!このほかほかご飯に!」ドン

モバP「一口大のレタスを彩りに乗せて」

裕子「しゃっきり綺麗に!」ドサッ

モバP「そして目玉焼きとウィンナーを乗せる」

裕子「そーっとそーっと!」スッ

モバP「仕上げに特性塩ダレレモンをかけて…」

裕子「豪快に!満遍なく!」タラ-


裕子「これで…?」

モバP「完成!」

ちひろ「いえーい!」パチパチパチ

裕子「んー!感無量です!すっごい嬉しい!」

モバP「うんうん。ちゃんと立派に料理になってるし、よく頑張ったなゆっこ」ナデナデ

裕子「えへへー」

ちひろ「綺麗に盛り付けもできました。百点満点です」

裕子「食器にこだわるなんて目からうろこでした!」

ちひろ「人が着るお洋服と一緒ですからね。綺麗な食器はより美味しく見せるんです」

モバP「クロスなんかも置くと華やかになっていいぞ」

ちひろ「小さな観葉植物を置いて癒しを足してみたり…」

裕子「おーいいですね!キッチンクロスってありましたか?」

モバP「確か…あーあった…うん。まゆが綺麗に洗濯してくれたみたいだな」

裕子「よーし!それじゃあ華やかな食卓にしましょう!」

モバP「うん、品数も少ないしどんどん彩ろう」

ちひろ「それでじゃ準備していきましょうか」

裕子「はーい!」

モバP「おひたしも冷蔵庫から出して…」

ちひろ「えっと…お茶を…」バタバタ

裕子「プロデューサー!これ可愛いです!置きましょう!」カチャカチャ

モバP「あースパイスホルダー…中身は…まだ入ってるな…うん。真ん中に置いといてくれー」

裕子「はーい!」

ちひろ「えっと…お箸と…スプーンもいるかな」カチャカチャ

裕子「あっ!仁奈ちゃん起こしてきますね!」

モバP「あいよー」

仁奈(ご飯…うさぎさんに…)スゥスゥ

仁奈(みんな一緒に…ご飯)スゥ

仁奈(……お腹…すいたでごぜーますよ…)

仁奈(んー…ママとパパと…一緒に…)

仁奈(いっしょ…)スゥ

仁奈(……)スゥスゥ

――――――
――――
……

仁奈「パパー!」

仁奈父(どうしたんだ仁奈?)

仁奈「あのね今日ね!学校でね!」

仁奈父(わかったから、落ち着きなさい。ほらもうすぐご飯できるから)

仁奈「今日のご飯はなにー?」

仁奈母(仁奈の大好きなハンバーグよー)

仁奈父(おっうまそーだなー)

仁奈「お腹空いたー!」

仁奈母(それじゃあママと一緒にご飯の支度ができるかなー?できる人!」

仁奈「はーい!」

仁奈父(よーしそれじゃパパも手伝おうかな)

仁奈母(あら、珍しい。いつもはふんぞり返ってるのに)

仁奈父(仁奈がお手伝いしてるんだからパパも頑張らないと、なー?)

仁奈「なー!」

仁奈母(調子いいんだから)

仁奈母(はーい、仁奈ありがとう。パパもね)

仁奈「どういたしましてー!」

仁奈父(あー腹減った、それじゃあ一緒に…)


三人「「「いただきまーす!」」」


仁奈「ママの作るハンバーグは世界一ですな!」

仁奈母(ありがとう。にんじんのグラッセ、美味しくできたと思うからちゃんと食べてね?)

仁奈「にんじんは苦手ー…あっそうだ!今日学校の休み時間にね!みんなで飼育小屋のうさぎさんと遊んだの!)

仁奈母「楽しかったー?」

仁奈(うん!そひへねー)モグモグ

仁奈父「食べたまま喋らない。お行儀が悪いだろ」

仁奈(はーい)モゴグモゴグ

仁奈(ゴクン)

仁奈「えっとねそれでねヘレン先生が休み時間なのに授業と思って勘違いしてたの!」

仁奈「英語の授業だったけどなんかよくむずかしいこといっててわけわかんなかった!」

仁奈「その後ゆっこおねーさんがきてー一緒に飼育小屋に行こうって!あっ今日仁奈が飼育当番の係りだったの!」

仁奈「それでねー途中でねー…七海おねーさんが水槽の水替えしててー」

仁奈「ゆっこおねーさんが泳いでる魚をアジだ!って言ってたけどタイだったからさいきっかーも万能じゃないんだなーって!」

仁奈「桃華にも会ってね、今度みんなでお茶会しようって!どんな紅茶が飲めるか楽しみだなー」

仁奈「その後まゆおねーさんにも会ってね、プロデューサーにマフラー渡そうとしてたけど一人じゃなかったから残念そうだった」

仁奈「乙女心は複雑?なのかなー。ちょっと怖かった!」

仁奈「あっそれとね!雪美がね!仁奈のキグルミをまたペロと一緒にもふもふしたいって!」

仁奈「仁奈うさぎのもふもふの魅力にいちころだった!」

仁奈「あー…乃々おねーさんはずっとうさぎと一緒にじっとしてて、一緒にご飯上げたけど楽しかったの!」

仁奈「それでねープロデューサーが来たら逃げちゃってねー」

仁奈「その後ちひろおねーさんとプロデューサーとゆっこおねーさんと一緒にご飯上げてお世話して…すっごい楽しかった!」

仁奈「えへへー…みんな一緒でにぎやかで一人じゃないから学校楽しい!」

仁奈「お家に帰ってもママとパパがいるからぜんぜん寂しくないや!」

仁奈父(仁奈?)

仁奈「んー?」

仁奈母(にーな?)

仁奈「なーに?えへへー」









仁奈父・母「「誰だその子は」」







仁奈(えっ)

仁奈(誰って…その…まゆおねーさんとは一緒にレッスンしてて…)

仁奈父「レッスンってなんだ」

仁奈(レッスンは…一緒にアイドルの練習して…ユニットとか…)

仁奈(あの!桃華ともユニット組んで!……組んだで…ごぜーますよ)

仁奈母「ユニットってなに?」

仁奈(ユニットは…お仕事…)

仁奈父「仕事ってなんだ」

仁奈(お仕事…ゆっこおねーさんと一緒に自然公園で…その…)

仁奈母「今日はこれでおにぎり買ってきて食べてね」

仁奈(きゅ…急になんでごぜーますか!今日はハンバーグだって…)

仁奈父(ハンバーグなんてどこにもないじゃないか)

仁奈(あれ?あれ?)

仁奈母(何おかしなこといってるの?)

仁奈(なんで?なんでないんでごぜーますか!)ポロポロ

仁奈母「じゃあママお仕事言ってくるからね」

仁奈(やだぁ…いかないで…)

仁奈(パパ…パパは…)

仁奈母(パパはお仕事でいつもいないでしょ?もう、わがまま言う子は嫌いです)

仁奈(いや…きらいなのいやぁ…)グズグズ




仁奈(一人は…いやぁ…)ポロポロ

仁奈「はっ」ガバッ

仁奈「………ゆめ…」

仁奈「うぅ…」グスッ

仁奈「ちひろおねーさん…どこぉ…」

仁奈「プロデューサー…」

仁奈「ゆっこおねーさぁん…」








裕子「はい!呼ばれて飛び出てエスパーユッコです!」

仁奈「うあ…」

裕子「どうしました仁奈ちゃん?」

仁奈「うぅ…」グスッ

裕子「あれ?ちょ、仁奈ちゃん大丈夫ですか?」

仁奈「大丈夫じゃねーですよ」グスグス

裕子「あー…怖い夢でも見ちゃったかな?」ポンポン

仁奈「…抱っこ…抱っこしてほしーです」

裕子「甘えん坊ですね!おいで仁奈ちゃん」ダキッ

仁奈「うー」グスグス

裕子(は!もしや私の使ったサイキックドリームのせい…?)

ちひろ「ゆっこちゃーん?仁奈ちゃーん?」

モバP「どしたー?」

裕子「あ、いえなんか怖い夢を見ちゃったらしくて…」

仁奈「うー…」

モバP「あーそっか…。ちょっと水飲んで落ち着こうか」ジャー

仁奈「お水…」

ちひろ「大丈夫?飲めますか?」

仁奈「うん…飲めるですよ」

裕子「じゃあ今おろしてあげるからねー」

仁奈「ふー…」

ちひろ「…落ち着いたかな?」

仁奈「……あの…」

モバP「うん」

仁奈「なんか…よく覚えてねーですけど。みんないなくなっちまう夢を見たです」

裕子「ホラーですね!でも安心してください!エスパーユッコはここにいますよ!」

仁奈「ゆっこおねーさん…」

裕子「勿論私だけじゃないですよ!プロデューサーやちひろさんも!みーんな一緒にいます!」

仁奈「…消えないでごぜーますか?」

裕子「みんなを笑顔にするのがサイキッカーのお役目!泣いちゃうぐらいなら消えたりしませんよ!」

仁奈「うー」グスグス

裕子「今日の仁奈ちゃんは甘えん坊ですね!」ナデナデ

モバP「……ゆっこてこんなに面倒見がよかったんですね」

ちひろ「はい。しっかりみんなのおねーさんをしてますよ。意外でした?」

モバP「ここ最近は特に忙しくて一緒にいれないのもあって特に」

モバP「……もうちょっとスケジュールとか見直してみます」

ちひろ「はい。お仕事ってとっても大事なことですけど…アイドルと一緒にいる事も同じくらい大事なことだと思います」

モバP「…そうですね」

裕子「プロデューサー!ちひろさん!」

ちひろ「どうしました?」

裕子「仁奈ちゃんご飯食べたいって!」

モバP「うん、気分悪いとかはないか?」

仁奈「大丈夫ですよ!怖かったけど…いい匂いもしてて…お腹空いたです」

モバP「よし、それなら…」

ちひろ「こっちは準備万端ですよ。じゃーん」

仁奈「うわー!すげーです!いろんなものがあって綺麗ですよ!うまそーですよ!プロデューサーとちひろさんが作りやがりましたか?」

裕子「私!私も作ったんですよ!」

仁奈「ゆっこおねーさんも作ったですか!すげーですな!」

仁奈「……食べてもいいんでごぜーますか?」

モバP「もちろん。その為に作ったんだ」

仁奈「…!」パァ

ちひろ「よーしじゃあ席に着きましょうね」

仁奈「はーい!」

裕子「では!」

一同「「「「いただきまーす」」」でごぜーますよ!」




裕子「このタレ!黄身とすっごいマッチして美味しいー!」

ちひろ「んー…黄身の味に負けずしっかり後味の酸っぱさが残ってていいですねー」

裕子「これがハーモニーというやつですね!」

モバP「よかったよかった」

ちひろ「お味噌汁との相性もいいですねー」

モバP「米と味噌は最高の組み合わせですね。あー生姜のいい香り…」

裕子「おひたし!ちひろさん!しっかりできてます!」

ちひろ「はい。しゃっきりしっとりでうまくできましたね!さっぱりしてていい箸休めです」



仁奈「んめーですよこれ!!」

前回の劇場はニナチャーンの闇が更に深まっちゃってなんともはやって感じでしたね……

裕子「仁奈ちゃん、美味しい?」

仁奈「うめーですよ!こうにんじんがかわいくて!それでごはんすっぱくて!でもおいしくて!」

仁奈「それでね!ウィンナーがパリッとしてて!」

仁奈「にんじん…お星様やお花いろんな形があるでごぜーます」はむっ

裕子「おぉ!」

仁奈「仁奈、にんじんあんまり好きじゃねーでごぜーますよ」モグモグ

仁奈「でもこれなら食べるの楽しいでごぜーます!」ゴクン

裕子「うーん仁奈ちゃん!ちゃんと食べられるなんて偉いっ!サイキックよしよし!」

仁奈「んー仁奈偉いでごぜーますか?」

裕子「もっちろん!苦手なもの食べられるなんて凄い!」

仁奈「ほんとでごぜーますか!」パァ

裕子「……お味噌汁はどう?」

仁奈「美味しいでごぜーますよ!不思議な味がするでごぜーますよ!体がぽかぽかしてあったけーです!」

仁奈「仁奈、こんなお味噌汁なら毎日食べたいでごぜーますな!」

裕子「えへへーそっかー……えへへー」ニヘラァ

モバP「やったな」ヒソヒソ

ちひろ「太鼓判ですよゆっこちゃん」ヒソヒソ

裕子「えへへー嬉しいですー」ヒソヒソ

裕子「実はねー仁奈ちゃん、なんと生姜が入ってるんです!」

仁奈「生姜!あったかくなるやつですな!」

裕子「おぉ!よく知ってるね!」

仁奈「桃華に教えて貰ったですよ!」

仁奈「桃華にジンジャーティーを!…ジンジャーティー…お茶会…」

仁奈「……みんなで…学校…」

裕子「?」

ちひろ「どうしたの仁奈ちゃん?」

仁奈「……」

モバP「……大丈夫か?」

仁奈「あの!」

モバP「うん」

仁奈「えっと…」

ちひろ「はい」

仁奈「……えっと…ね…」

裕子「仁奈ちゃん!」

仁奈「……ゆっこおねーさん?」

裕子「大丈夫!大丈夫ですよ仁奈ちゃん!ちゃーんと聞いてますからね!」

仁奈「…うん!」パァ

仁奈「えっと…みんなが…学校にいる夢を見たでごぜーますよ!」

モバP「学校かぁ。俺とちひろさんはいた?」

仁奈「いたですよ!えっと先生だったでごぜーます」

モバP「先生か、ちょっと残念」

仁奈「でもでも!ちひろおねーさんはセーラー服着てたでごぜーますよ!」

ちひろ「あらっ嬉しいですねー」

裕子「ちひろさんが学生!うーん確かに全然可愛いから似合いそうですけどなんでですかね!」

ちひろ「やだもうーゆっこちゃんったらお上手なんですから」

モバP(……それは多分…いつかのセーラー服のコスプレが印象に残ってるからじゃ…)

仁奈「それで…えっと…ヘレンおねーさんが英語の先生だったですよ!でもなんか言ってる事難しかったでごぜーますよ!」

ちひろ「英語は仁奈ちゃんにはまだちょっと難しいかな?」

仁奈「そうでごぜーますなー…なんかハートアースで世界レベルみたいなこと言ってたです。ちひろおねーさんわかりますか?」

モバP「英語以前の問題でしたね」

ちひろ「ですね…。ちょっとわからないかな…」

裕子「このエスパーユッコの力を超越してますね…」

仁奈「それでー…七海おねーさんが鯛の水槽の水替えしてたですよ。あと!桃華がお茶会の張り紙してやがりました!」

裕子「いっつも紅茶飲んでますよね!サイキックパワーに効く紅茶もあるんですかね?」

仁奈「ゆっこおねーさん夢とおんなじこと言ってるでごぜーますな!」

モバP「ゆっこは夢でも平常運転か…」

裕子「プロデューサーったら!褒めても何も出ないですよ?」

モバP「いや褒めてはいない」

仁奈「あとはーまゆおねーさんもいてー雪美や乃々おねーさんもそれからえっと…」

裕子「仁奈ちゃんの夢はみーんないてすっごい賑やかなんですね!」

仁奈「そうでごぜーますよ!みんないて…一緒にいて…全然寂しくなかったですよ!」

仁奈「でも…でもね?」

裕子「はい!」

仁奈「こうやって…みんなでお料理食べてる今も好きですよ!ちゃんと…ちゃんとお話聞いてくれるでごぜーます」

仁奈「こんなうめー料理食いながらみんなとお話して…仁奈!とってもうれしーですよ!」

ちひろ「……よかった」ホッ

モバP「当初の目的達成、ですね」ヒソヒソ

ちひろ「はい。仁奈ちゃんの笑顔が見れて良かったです」ヒソヒソ

仁奈「えっとあのね!それでお話の続きでごぜーますが今日レッスン室行ったらね!」

ちひろ「あっごめんね仁奈ちゃん、髪の毛入っちゃうから結ばないと」

<ンモーチヒロオネーサンマダデゴゼーマスカ?
<ハーイモウチョットマッテネー


裕子「……プロデューサー」

モバP「うん?」

裕子「こんな風にご飯のこととかいろいろ話してくれる仁奈ちゃんはじめてです!」

モバP「…うん」

裕子「私…プロデューサーとちひろさんと一緒に作ったんですよね!……すごく嬉しいです!」

モバP「……そうだな。自分が作ったものを美味しい、って言って食べてくれるのが一番嬉しい」

裕子「はい!でも!…でもそれだけじゃないんです」

モバP「?」

裕子「お料理の時にちひろさんやプロデューサーと喋ったりするのとかだって楽しかったんです」

モバP「いっつも喋ってるじゃないか」

裕子「あ、いえその…お仕事の事以外でこんなにたくさん喋ったのは久しぶりだなーって」

裕子「この前あった事とかいろんな事話してーいろんな事教えてもらって…」

裕子「あ、もちろんテレパシーとか使ってますがね!なかなかこう届かなくて!」

モバP「…なんかごめんな」

裕子「いえいえ私の修行不足ですから!」

裕子「サイキッククッキングだと一瞬なのでこういうのは初めてでした。一瞬なので!」

モバP「そこは…強調しなくてもいいかな」

裕子「ぶー…。でもプロデューサーやちひろさんのお家の話なんて聞けたりして!」

モバP「うん」

裕子「自分の事も話したりして!なんでもかんでもサイキックで済ましちゃうとこんな風に話したりすることないのかなーって、思っちゃったり…」

裕子「お料理って…お料理ってこんなにも嬉しくて楽しいんですね!」

モバP「そう思ってくれるとこっちも嬉しい、かな」

裕子「えへへ」

ちひろ「はい、結び終わりましたよ」

仁奈「ありがとーごぜーます!」

裕子「おぉその髪型可愛いですね仁奈ちゃん!」

仁奈「えへへー。二人とも何のお話してやがりましたか?」

裕子「お料理って楽しくて嬉しいねーってお話だよ」

仁奈「嬉しい!そうでごぜーます!みんなとこんな風に食べるのとっても嬉しいでごぜーます!」

裕子「えへへ」

裕子「プロデューサー!また今度もやってみたいです!」

モバP「うん。仕事の都合がつけばいつだって手伝うよ」

ちひろ「私も微力ながらお手伝いしますね」

裕子「んーなんだかわくわくしてきました!」

モバP「サイキック料理教室は大成功だな」

裕子「はい!これぞまさしく、エスパーユッコの!」

ちひろ「サイキック!」

モバP「クッキング!だな」

裕子「いえいえ!」

モバP・ちひろ「「?」」






裕子「みんなを笑顔に!ミラクルクッキングです!」

終わりです
初SSですがありがとうございました

>>157
登場するたびに微妙に闇が拡大してますね…


後でhtml化依頼出してきます
ちなみにまだ仁奈ちゃんお迎えできてません助けてちひろさん

乙!
面白かったよ!

こういうホッコリするような話大好きだ
後ユッコが良い感じにアホの子だった
乙乙

乙!
ユッコええ子やな
裏表のない明るい感じがほっこりする
泣いてる仁奈ちゃんを慰めてるのは新しい一面を見た気がする

平和だな~
仁奈ちゃんはどうしてああなってしまったんでしょうね・・・


いい話だった、掛け値無しに

乙ムムムーンサイド
今日の夕食のメニューは決まったな(そっと買い物袋を持ちつつ)

オツカーレ
になゆっこと暮らしたい

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