裕子「サイキック降霊です!」 (26)

裕子「プロデューサー、プロデューサー!」

P「あー、はいはい、超能力な、わかったわかった」

裕子「ちょっとおざなりすぎませんか!?」

P「大丈夫大丈夫、俺はお前の超能力を信じてるよー」

裕子「すごい棒読みなんですけど、こっちも向いてくれないんですけど!?」

P「……すごいな、裕子は、超能力を使えるなんて」

裕子「なんでそんな哀れむような目でこちらを見るんですか!?」

P「はっはっは、そんな目をしているように見えるか?」

裕子「思いっきりしてます! 私のサイキック嘘検知なら全部お見通しなんですからね!」

裕子「もう、プロデューサー! いくらなんでも話を聞かずにそういう態度をとるのはどうかと思います!」

P「ジョークだよジョーク」

裕子「冗談にしてもひどすぎます!」

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裕子「ひどいです、プロデューサーったら本当にひどいです!」ムスー

P「ははは、ごめんごめん」

裕子「ごめんで許されると思ってるんですか!」

裕子「私は今すーっごく怒ってるんですよ!」

P「悪かったって」

P「ほら、裕子ってからかいがいがあるからさ」

裕子「そう言われてうれしいと思いますか?」ムスー

裕子「むー……」

P「すまんすまん」

裕子「つーん!」プイッ

P「……」

裕子「つーん!」プイッ

P「……で、結局何の用だったんだ?」

裕子「……別に」

裕子「新しい超能力を身につけたからプロデューサーに見せようとおもったっだけです」

裕子「まあ、プロデューサーは興味ないから関係ないですけど」

P「そんなことない」

裕子「……どの口が言いますか」

P「いや、本当にさ」

P「裕子をからかいたくてああいったけど……裕子の超能力はいつも気になってる」

裕子「……」

裕子「……」チラッ

P「……で、今回はどんな超能力なんだ?」

裕子「……し、仕方ないから教えてあげますよ」

裕子「仕方ないからですからね! 私が優しいから許してあげるだけですからね!」

裕子「……むむっ!」

P「どうした、裕子」

裕子「プロデューサー……また私のことをからかうつもりですね?」

P「いや、反省してるって」

裕子「私のサイキック嘘検知には思い切り反応が出ています!」

P「……は?」

裕子「また私をからかって、うやむやにさせようとするつもりですね!」

裕子「ふっふっふ、このエスパーユッコを騙そうったってそうはいかないんですよ!」

P「いや、そんなつもりはないんだけど」

裕子「問答無用です、えいっ!」ギュッ

裕子「ふふふ……私のこのサイキック接着でもうこの右手は私がいいって言うまで離れません!」

P「……」

裕子「離してほしかったらちゃんと私の話を――」

P「よ……っと」グッ

裕子「あっ、ま、まって、普通に離そうとしないで!」ビクッ

裕子「あれですよ、離したら、あの、えっと、サイキックお仕置きですよ!」

P「……」

裕子「離さないで、ちゃんと話を聞いてくれませんか……?」ウルウル

P「……からかっただけだ」

裕子「あ、そっか……」ホッ

裕子「……じゃなくて、もう、からかわないでっていったじゃないですか!」

P「はは、悪い悪い」

裕子「まったく……やっぱりこの右手は離せません」

裕子「ちゃんと、最後まで話を聞いてもらいますからね」

裕子「それで、今回私が身につけた能力なんですが、なんと……」

P「……なんと?」

裕子「なんと、降霊です!」

P「待て」

裕子「……なんですか、まだ不満があるんですか?」ムス

P「いや、そうじゃなくてさ」

P「……降霊?」

裕子「はい……それが何か?」

P「いや……なんというか超能力っぽくないなぁって」

裕子「超すごい能力だから超能力です」

P「あ、はい」

P「で……見せてくれるんだよな?」

裕子「……見たいですか?」チラッ

裕子「見たいんですか?」チラッチラッ

P「……」

裕子「……」チラッチラッチラッ

P「……見たい」

裕子「!」パァ

裕子「もちろん、見せてあげます!」

裕子「このエスパーユッコのサイキック降霊、とくとご覧あれ!」

裕子「それじゃいきますよ!」

裕子「むむむ……」

P「……」

裕子「むむむむむ……」

P(……降霊ってそんな唸るようなもんだったか?)

裕子「……」

P「……」

裕子「……」

P「……」

裕子「……zz」スー

P「おい、裕子」

裕子「はっ!」

裕子「寝てません、別に寝てませんよ!」

裕子「サイキックパワーを高めるために精神統一してただけです!」

P「ああ、いや、それはいいんだけどさ」

P「降霊までどのくらいかかるのか気になって」

裕子「……」

P「……」

裕子「ふ、ふふ」

裕子「さすがプロデューサー、良くぞ見破りましたね」

裕子「私が……裕子ではないと……!」

P(すごい無理やりだな……考えてなかったのか)

P「まあいいや」

P「それじゃあ、お前は誰なんだ?」

裕子「……」

P「……」

裕子「……ふふふ、賢いプロデューサーならもうわかっているんじゃ――」アセアセ

P「これっぽっちもわからないからヒントが欲しいな」

裕子「……」アセアセ

P「……」

裕子「えっとぉ……」

P(楽しい)


裕子「……」

P「……」

裕子「し……仕方ないですね!」

裕子「そこまで気になるのなら教えてあげます……あげる……あげましょう……?」

P「口調くらい統一しろよ」

裕子「実は私はですね……」

P「ああ」

裕子「……」

P「……」

裕子「……ロ……じょ」

P「?」

裕子「ぷ、プロデューサーの……彼女……だ……ですよ?」

P「」

P(……落ち着け、俺)

P(まずあれだ、俺に彼女なんていないから、その時点でアレなんだが)

裕子「もしかして……わからない、の?」

P(わからない以前にいないんだが)

P(……まあ、そんなわけで、超能力についてはいつもの裕子だったってことだが)

裕子「……?」

P「……」

裕子「も、もう、わからないなんてひどい……すぎます、わ?」

P(見てて面白いなあ)

裕子「……」オロオロ

P「……あ」

裕子「……」ビクゥッ!

P「なんだ、お前か」

裕子「……おっ……お前じゃわからない……ぜ?」

P「はっはっは、なんだそのしゃべり方は、お前らしくないな」

裕子「あ……うん、イメチェン……みたいな?」

P「おいおい、いつものお前らしくしゃべってみろよ」

裕子「え、っとぉ……」

P「なぁ、まゆ」

裕子「うえぇぇぇぁあああっ!?」

P「どうした、まゆ」

裕子「え……あ……う……」

P「いきなり、声を大きく上げて……びっくりしたじゃないか」

裕子「あ……えと……その……」

裕子「ま、まゆちゃ……まゆですか?」

P「ああ、まゆだろ?」

裕子「え……あ、はい……まゆです」

裕子「えっと、さっきは……ご、ごめんなさい……うふ」

P「……っ」

裕子「えっ、プロっ……ぴ、Pさん、どうしました?」

P「いや、なんでも……」

裕子「うふ……不思議な人ですねぇ」

裕子「そんなPさんも……す……す、す……」

裕子「………………すき」

裕子「ですけど……うふ」

P(なにこれかわいい)

裕子「うふ……ぴ……Pさん。そっちに座ってもいいですか……?」

P「悪いがこれ、一人用のソファーなんだ」

裕子「そんなひどいことい言って……めっですよ……?」

P「だけど……まゆなら別にいいかな」

P「お前と俺はいつも二人でひとつだもんな」

裕子「」

P「……まゆ?」

裕子「あ、いえ、なんでもないですよ……うふ」

裕子「それじゃ、失礼しますね……」ストン

P「……」

裕子「……」

P「……いつもより離れてないか?」

裕子「そ、そんなことないですっ!」

P「いや、ほら、いつもだったらもっと俺にひっつくだろ?」

P「こう……腕に抱きつくような感じで……」

裕子「」

P「……まゆ?」

裕子「……や、やりますよぉ!」

裕子「やったらいいんですよね!」

P(素が出てきたな)

裕子「……」ソー

裕子「……う」

P「どうした?」

裕子「……な、なんでもないです」

P「別に、無理しなくてもいいぞ」

裕子「無理なんかしてません!」

裕子「してません……けど……」

裕子「……」

P「……」

裕子「今日は……これくらいで勘弁してあげます」ピト

P「よっかかるだけか」

裕子「いーんです、これで」

P「らしくないな」

P「いつもなら、もっと積極的なのに」

裕子「……だって、今はわ……ゆ、裕子ちゃんの体借りてますから」

P「そうか」

裕子「そーです」

P「……」

裕子「……」

P「顔、真っ赤だな。まゆらしくもない」

裕子「さ、サイキックじぶん紅葉です」

P「……まゆも超能力を使うようになったのか」

裕子「あっ」

P「……」

裕子「……」

裕子「……ふう、どうやら降霊時間が過ぎたようですね」

P(そう繋げるんだな)


裕子「どうでした、プロデューサー」

裕子「私のこのサイキック降霊……完璧だったでしょう?」

P「まあ……物真似としては――」

裕子「物真似じゃないです!」

P「駄目だな」

裕子「しかも酷評ですね!?」

裕子「もう、やっぱり信じてくれないじゃないですか!」

裕子「ちゃんと超能力なんですから!」

裕子「私の中にはまゆちゃんがいたんですよ!」

P「あー、はいはい」

P「……で」

P「いつまでひっついてるつもりなんだ?」

裕子「……離れないと駄目ですか?」

P「いや、別にいいんだけどさ」

裕子「……です」

P「ん?」

裕子「サイキック接着です!」

裕子「私がいいって言うまでこの手と同じように離れませんから!」

P「……そうか」

裕子「そーです」

裕子「……えへっ」

P「……なぁ」

裕子「どうしました?」

P「今だから言うけどさ」

裕子「はい」

P「俺、実は彼女いな――」

まゆ「――Pさん」ガチャ

裕子「あ、まゆちゃん」

まゆ「まゆ……すごくうれしいです……!」ウルウル

P「!?」

P「え……っと、いきなり来てどうした?」

まゆ「まゆのことを彼女と思ってくれているなんて……!」

P「」

P「……おい、ちょっと待て、どこから聞いていた?」

まゆ「……変なこといいますね、Pさん」

まゆ「まゆはPさんと話してたじゃないですか」

裕子「!」

まゆ「Pさんがいっぱい話してくれたんじゃないですか……うふ、うふふ」

P「」

裕子「きっ、聞きましたPさん!」

P「お、おう、そうだ、裕子!」

P「お前からもさっきのは違うって――」

裕子「ほら、やっぱり超能力は成功していたんです、私はちゃんとまゆちゃんを降霊できたんです!」

裕子「ふ、ふふふ!」

裕子「さすがは私、エスパーユッコですね!」

P「」


P「なぁ、二人とも聞いてくれ、別にまゆは彼女じゃない」

まゆ「そうですよねぇ……」

裕子「そうなんですか!」

P「ああ、そうだとも!」

P「だから、ほら、まゆ、悪乗りはやめて――」

まゆ「二人で一つの一心同体……ですよね?」

裕子「……じゃあ、まだ私にもチャンスが……」ボソボソ

まゆ「うふっ」ピト

裕子「えへっ!」ピト

P(あ、これダメだ)

まゆ「ああ、Pさんの腕……あったかい」グッ

裕子「ねぇ、Pさん、見直しましたか?」

まゆ「もっと積極的に……でもいいんですよねぇ?」グイッ

裕子「今まで馬鹿にしてましたけど、これでちゃんと証明できましたからね!」グイ

まゆ「えっともっと積極的に……というと……ほっぺにキス、とか?」

裕子「む……あの、プロデューサー、今まで馬鹿にしてきたお詫び、とか必要だと思いませんか?」

まゆ「……恥ずかしいけど……でも、Pさんがそうしてこいって言うんですから……ね?」

裕子「その……ほっぺに……き、キスとか……」

まゆ「……んっ」チュッ

裕子「あ……わ、私もっ……んーっ」チュッ

P「……」ポー

まゆ「うふ……しちゃいました……♪」

P「……」ポー

裕子「……えへへ、プロデューサー……♪」

P(……どうしようこれ)




おしまい

ユッコとまゆって同い年なんですね、少しびっくりしました


誤字脱字、コレジャナイ感などはすいません
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。

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