苗木「久しぶりだね、霧切さん」(改) (44)
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改変前→ 苗木「久しぶりだね、霧切さん」 - SSまとめ速報
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苗木「まさかこんな所で会うなんて思いもしなかったよ。北欧に出向いてるって聞いてたからさ」
霧切「…久しぶりね苗木くん。よく知っているわね。私の配属や任務について知る人間はほとんどいないのよ?」
苗木「未来機関の人たちが色々教えてくれたんだよ。霧切さんのお手柄でスウェーデンを平定できたそうじゃないか。もうそっちのほうは大丈夫なの?」
霧切「悪いけど、質問をするのは私の方よ?私も貴方とこんな形で会うなんて思いもしなかったわ」
苗木「生きてて驚いた?」にこっ
霧切「…」
コロシアイ学園生活においての最後の学級裁判で、私たちは外の世界に絶望し、学園生活を続けることを選んだ。…苗木くんの命と引き換えに。
苗木くんは崩壊した外の世界へと追放された。追放されて早々に江ノ島盾子の息の掛かった集団と、大量のモノクマに囲まれ、やがて見えなくなってしまった苗木君の姿を、私たちはモニターで見せられた。
外の世界でなすすべもなく絶望しながら命を落とすことが、江ノ島盾子が苗木に与えた「超高校級の絶望的おしおき」だった。
けれど生き残った78期生の監禁生活も、長くは続かなかった。遂に未来機関が占拠された希望が峰学園を制圧し、私たちは未来機関に保護されたのだ。江ノ島盾子は乱戦の最中に行方不明となった。
苗木くんも江ノ島も、私たちはその絶命する瞬間を目撃したわけではないけれど、苗木くんについてはほとんど諦めていた。一方で行方知れずとなった江ノ島の捜索は今日に至るまで続けられている。苗木くんを、未来機関の上層部は本気で捜索しようとはしなかった。
絶望に占拠された大阪・神戸の制圧中に、武装勢力が蜂起し、未来機関との共闘を望んできた。彼らは日本における絶望との戦いに大いに貢献してくれた。武装勢力の構成員の大部分は西日本各地の住民だったけれど、彼らの最高指導者がいかなる人間かはほとんど分からなかった。
本州のほぼ全域と四国・九州が平定されたのち、未来機関の上層部は「彼ら」の首領との本格的な会談を望んだ。彼らは要望に応じ、首領とその護衛の部隊をよこしてきた。
武装勢力の指導者が苗木くんであることを東京支部から知らされた時の衝撃を、私は未だに忘れることが出来ない。
霧切「長いこと貴方をとどめてしまって申し訳ないわ。私がここにやってきたのは北欧での任務が終了したこともあるけれど、今回の件について色々と聞きたいことが出てきたからよ」
苗木「聞きたいことって?」
霧切「そうね…いくつもあるのだけれど、まずは武装勢力の結成までの貴方やメンバーの経歴についておしえてくれるかしら?」
苗木「それはいいけど、頭から話すとすごく長くなるからな…霧切さんとしては何から話して欲しい?」
霧切「学園を追放されてからあなた自身は外の世界でどんな生活をしていたの?」
苗木「ずっと江ノ島盾子の手下から逃げ回ってたよ。あちこちに暴徒がいて、暫くはろくに眠らなかったんだ」
苗木「最初は未来機関の人に見つかって他の避難民と一緒に安全地帯まで車で護送されてたんだけど、それも襲撃されてね」
霧切「未来機関に護送されたの?」
苗木「あれ、知らなかった?」
霧切「…それも気になるけれど、その後のことについてもう少し教えてくれるかしら?」
苗木「その後は西に逃げ続けて、関西に入ったんだ。九州には未来機関の支部があるらしいから、瀬戸内海を抜けようと思ったんだけれど」
苗木「大阪湾は江ノ島盾子の手下たちが完全に封鎖していて、その上海賊が瀬戸内海を蹂躙していたから、和歌山に隠れた」
苗木「それからはずっと武装勢力の結集に専念してたんだ」
未来機関が苗木君を保護した…?なぜ車が襲撃された後で捜索しなかったの?
いや、彼が護衛として連れてきた77期生について訊いておかないと。
霧切「貴方が護衛に連れてきた弐大猫丸とはどんな経緯があって出会って、どう接してきたの?」
苗木「弐大君とは僕が未来機関から離れてから偶然出会ってさ。そこからは二人で関西に向かったんだ。他の77期生のメンバーとも関西で会って、ずっと一緒だった」
和歌山に入るまでの経緯は把握できた。他の武装勢力のメンバーの証言とも一致する。
…ここからが本題だ。
霧切「次の質問だけれど、
どうしてあなたは江ノ島盾子のかつての配下である77期生と行動を共にし、武装勢力に加えたの?」
霧切「あなたたちのことについて調べていくうちに、未来機関は77期生が「超高校級の絶望」として破壊活動に暗躍したことを突き止めた。…わかっているでしょうけど、
『知らなかった』とか、『そんなはずが無い』なんて言い訳は無しよ?」
苗木「彼らが江ノ島から離反して、この国の復興を望んだからだよ」
霧切「悪いけど信じられないわ。望むも何も、彼ら自身が元凶じゃない」
苗木「彼らは江ノ島のような根っからの天然サイコパスキチガイじゃなくて、絶望がきっかけで狂っていった人間だ。彼らの選択肢のみならず、置かれた状況や他者との関係によって襲い掛かる絶望がきっかけでね。例えば僕のお守り役の弐大君は…」
霧切「彼らの心の変化や境遇を訊くために東京に戻って来たわけじゃ無いわ。苗木君、未来機関はね、世界を破滅させたうえ私たちの友人や家族を殺した彼らを仲間にして、絶望の打倒の戦力として期待し、挙句かばい立てる貴方の心が理解できないのよ」
冷徹に尋問しなければならないのに、いつの間にか熱くなって苗木くんを責める状態になってしまった。私自身の感情を未来機関の意思として話していることに話しながら気づきつつも、止められなかった。
霧切「希望ヶ峰に見出された彼らの才能に期待するのは理屈の上では分かるわ。でも貴方は、家族や友人を殺した相手を、才能や中身の見えない反省さえあれば簡単に許して配下にしてしまうの?」
苗木「絶望と戦う覚悟ならこれまでに散々見せてきたはずだよ。弐大君のモノクマたちとの奮戦を知っているだろう?面従腹背の人間にあんな戦いが出来ると思う?」
苗木「綺麗ごとに聞こえるだろうけどさ、彼らは僕の配下じゃなくて、死地を潜り抜けてきた戦友だよ」
霧切「…戦友?」
苗木「外の世界でのサバイバルと弐大君の的確なトレーニングの指導で僕は学園から逃げた頃に比べれば随分強靭な身体を手に入れた。長年鍛えてきた肉体があったからこそ、絶望と戦い続けることが出来たんだ。
政治や外交については散々ソニアさんのお世話になってしまったよ。政治の知識のある人間は絶望化するか殺されるかで殆どいなくなってしまったからね。
左右田くんはメカニックの才能をフル活用して武装組織に高性能の装備をもたらした。江ノ島にとっても、モノクマやオシオキ用の仕掛けをつくった彼の離反は痛かっただろうね。
豚神くんは総首領の影武者として何度も危険な目に遭ったよ。九頭竜くんは生き残った舎弟を引き連れて常に先陣をきってくれる。
学園を追放されて一度は絶望しかけたけれど、僕は、彼らや未来機関と協力して、もう一度希望をもたらしたいんだ!」
それは、一瞬だった。
窓ガラスが割れ、肩と首の皮に痛いくらいの熱がこすり付けられた。
後編は明日書き込みます。
書き直した理由は、オリジナルキャラクターを出しすぎて、話をまとめるのが困難になってしまったからです。
このスレではオリジナルキャラは本当に背景でしかありません。
お恥ずかしながら私は12リロードしかやっておりませんので、絶望少女のネタバレは全くございませんので、ご安心ください。
>>1のGoogleurlからアカウントバレててそっから本名漏れてるが…いいの?
>>16
どうすればばれないようにできるでしょうか?
>>16
どうすればばれないようにできるでしょうか?
苗木「…」ひょこ
苗木くんは割れた窓から外に出てしまい、私も後を追った。瞬時にテーブルに隠れて、彼は飛び散った窓ガラスから身を守った。私も伏せたけれど、飛んできた弾が肩と首をかすって血が出ている。
苗木「あれは…弐大君!?」
外の大フロアは爆発物で煙が昇っており、あちこちで未来機関の職員が倒れ、手当てを受けている。
人だかりの中に、武装した職員に押さえ込まれた弐大猫丸と罪木蜜柑の姿があった。
弐大「よ…よお苗木…久しいのお」
苗木くんが駆け寄ろうとすると、
十神「近寄るなっ!」
苗木「邪魔っ」ドン
職員「十神さん!?おまえ、おとなしくしろ」ジャキ
朝日奈「まって、撃たないで、お願い…!」
勢いよく十神君を突き飛ばした苗木くんに銃を向けた職員を朝日奈さんが制止する。
苗木「…!」
苗木くんが息を呑んだのがわかる。弐大と罪木の破けた服の下から、あざだらけの腹部や腰部がさらされたからだ。
霧切「…十神くん、何の正当性があって、弐大猫丸に拷問を加えたの?何か熱いものを押し当てたような痕まであるわよ」
十神「貴様にいちいち教える義務は無い。お前の仕事は苗木の尋問だろう?」
苗木「弐大君、何があったか教えてくれる?」
弐大「ここに収容されていた絶望の残党たちが反乱を起こしてのお、安全なところまで移動させられる途中で罪木を見つけたんじゃ」
苗木「罪木さんを助けるために、暴れたんだね?」
弐大「罪木が揉み合いにまきこまれているのを見つけたんじゃ。割って入ったら、ワシが奴らを扇動したと攻撃してきたんじゃ。
職員や残党が銃器のみならず、手榴弾を投げつけてきてのお…この有様じゃ」
苗木「昔馴染みを見つけたからってむやみに暴れちゃダメだよ、そんなことするから疑われるんだ。ただでさえ拷問で傷だらけだったんだろ?下手すりゃ死ぬよ?」
弐大「すまん…。ところで、相当な騒ぎじゃッたのに、気づかんかったのか」
霧切「苗木君がいた尋問部屋は強力な防音が施されていたわ。それにしても窓ガラスが簡単に割れてしまったけれど」
十神「なるべくこの施設で行っていることを外部の人間に知られたくないのでな。それにしてもたかが銃弾で簡単に割れるようなガラスを売りつけるとは、業者に請求しなければならん」
苗木くんは静かに立ち上がった。
苗木「…十神君、弐大君に謝ってよ。罪木さんにも拷問は加えないで。二人を治療してあげて」
十神「お前は本当に頭がおかしくなったようだな。それに俺は部外者の要望の受付係ではない」
霧切「…二人を医務室に連れて行きましょう」
朝日奈「う、うん」
ジェノサイダー翔「ああん?あんたたち白夜様にさからうの~いっひっひひ~」
…厄介なのが出てきたわね。
職員「まずいっ、腐川さんを捕まえなきゃ」
十神「その必要は無い。ジェノサイダー、苗木と弐大をとりおさえろ」
ジェノ「らーじゃ、だーr
バキッ!!
ジェノ「」
朝日奈「え…」
十神「貴様…」
づぶり。
十神「ぬなあああああ!?」ジタバタ
苗木「…」
苗木くんが横蹴りを腐川さんの鳩尾に叩き込み、十神くんの鼻の穴に人差し指と中指を差し込んで宙ぶらりんの状態にした。
十神「おほへひはま~っ(下せ貴様)」
苗木「『落とせ』?」
呟いた瞬間、苗木くんは鼻に指を突っ込んだまま十神くんを背負い投げの要領で床に頭から叩き付けた。
葉隠「銀魂かよ…!?」
職員「十神支部長!?貴様、なんてことを…」
苗木「あ゛?」
職員「ひっ…!?」ゾクッ
苗木君が恐ろしい形相で周囲を睨み回した。そこには学園にいた頃の彼の面影が感じられない。青筋を立てて睨み返す十神君に対して少しも動じてはいない。
苗木「十神君の事はこれで許してあげるよ」
霧切「『許す』?」
十神「貴様…何様のつもりだ」
苗木「客を長時間狭い部屋に閉じ込めた上、暴力を振るったことについて不問にしてやるってことだよ」
十神「…戦争に横槍を入れたぐらいで自惚れるな愚民め。貴様が何をさえずろうと俺は関知しない」
霧切「十神君、そこまでよ。二人は医務室に連れて行くわね?」
十神「待て、勝手なことをするな…!」
霧切「いい加減苗木くんを帰さないと彼の配下が暴発するんじゃない?残党も関東のあちこちに潜伏しているようだし、貴方も彼らを敵に回したくは無いでしょう?」
朝日奈「もう、苗木も腐川ちゃんを蹴っ飛ばすこと無いじゃん!」
苗木「殺人鬼相手に手加減したら僕のほうが殺されるよ」
朝日奈「だとしてもさ~!腐川ちゃんだって華奢なんだから」
がらら
苗木「あっ、霧切さん。霧切さんの怪我の手当ては終わった?」
霧切「ええ、銃弾とはいえかすり傷だし、もう平気よ」
朝日奈「…弐大猫丸と罪木蜜柑はどう?」
霧切「二人についても手当ては済んで寝ているわ。今夜は泊まることになるでしょうね」
苗木「今夜『も』、でしょ?」
朝日奈「ねえ苗木…」
苗木「なあに、朝日奈さん?」
私のほうを向いたまま、苗木くんは返事をする。
朝日奈「苗木の身体の傷なんだけどさ…」
苗木「うん」
苗木君が拘束された際の身体検査で、朝日奈さんは苗木君の全身が古傷だらけになっていることに気づいたという。
朝日奈「もしも苗木がここに残ってくれるなら、その傷もちゃんとなおしてあげられると思うんだ…」
苗木「ずっと室内なんていやだよ。僕の仲間が待ってるし」
朝日奈「そうじゃなくて!…その、そういう意味じゃなくてさ、
苗木に未来機関に入って欲しいの」
苗木「悪いけど、それもいやだよ」
朝日奈「…で、でもさ、苗木は未来機関と協力したいんでしょ?だったら、正式にメンバーになってもらったっておんなじだし、お給料だって貰えるよ?」
苗木「未来機関は才能基準で仕事を与えてるんでしょ?僕は抽選で選ばれただけだし。未来機関がまじめに探そうとしなかったのも、僕に才能が無かったからだと思うよ?」
朝日奈「十神が上層部とこの数日間、ずっと苗木を加えてくれって要請してたんだよ?」
霧切「それはほんとのこと?」
朝日奈「うん!…ちゃんとした返事は来てないけど」
苗木「ほら、やっぱり」
朝日奈「だけどさ、苗木がどれだけ活躍したか皆知ってることなんだし、きっと良い返事が返ってくるよ!だからさ…だから…
弐大を庇ったりするのはもう…やめて欲しいっていうか…」
苗木君がげんなりした。結局そういう話かよ、とでも言いたげな表情だ。
苗木「彼らがいなかったら、僕は身体の傷どころか、五体満足で君たちに会えたかどうか分からないよ」
朝日奈「あいつらがいなかったら、苗木はこんな目に遭ってないよ」
苗木「そのときは、江ノ島は別の人間を洗脳してただろうね。結局世界は滅亡する」
苗木「いらないのは江ノ…いや、ほんとにこの世にいないほうがよかったのは、希望ヶ峰学園だったのかもね?」
朝日奈「え?」
苗木「いやだってさあ、そもそも希望ヶ峰学園が江ノ島盾子を入学させたりなんかするからこんな事件に発展しちゃったと思うんだよね。才能にあふれた人間だからって生かしておかないで、あんなサイコパス女さっさと殺しておくべきだったんだよ。
学園はどうしようもない馬鹿だよね、カムクライズルプロジェクトなんてやってさ、自分たちで計画しておいて、結局天才たちを飼いならせないで自滅したようなもんじゃないか」
苗木「いや、せめて、せめて僕ら78期生の誰かが、江ノ島盾子と特に関わっていた僕らの誰かが、彼女の本性に気づいていれば、78期生は誰一人欠けることは無かったかも知れないのに」
霧切「…苗木君」
苗木「…なに?」
霧切「…貴方を切り捨てた私たちのこと、今でも恨んでる?」
苗木「…今でも恨めしく思うことは散々あるよ。江ノ島に対しても、77期生に対しても、希望ヶ峰学園に対しても、…君たちに対しても。
だけどさ、そうやって誰かを恨み続けたってきりが無いんだよ。次から次に憎むべき対象が広がっていくんだ。だけれど、もう時計を巻き戻すことなんて出来ないしね。僕は誰かのせいにして攻撃し続けるのは飽きたんだ」
朝日奈「苗木…」
苗木「いまならはっきりわかる。僕が学園の外に追い出されたのは江ノ島や君たちのせいじゃない、僕自身が弱かったせいなんだと。あの時の僕が皆を説得して外に連れ出すなんて、無理な話だったんだ。
僕は強くなった。皆と肩を並べて、外の世界を生きぬくために必要なだけの強さを手に入れたんだ。それは僕一人では絶対になしえない。彼らとこれからも共に戦い続けたいし、君たちとも仲間としてやりなおして、再び絶望と戦いたい。彼ら77期生と君たちの力が、どうしても江ノ島を倒すのに必要なんだ!」
朝日奈「苗木…そんなに力まないでよ。もう江ノ島は死んじゃったし、日本は殆ど復興しかけてるし、あとは残党狩りだけだからさ。あと少しで落ち着けるようになるよ」
苗木「…どうして死んだなんてわかるんだよ。彼女の死体は発見されて無いじゃないか。現に未来機関はずっと血眼になって探し続けている」
朝日奈「事故とか災害とか戦争の行方不明者って言うのはさ、大抵死んでるもんなんだって!血眼になっても見つからないってことはさ、やっぱり江ノ島は死んだんだよ」
苗木「死んでなんかいない!僕はね、彼女が今でも世界のどこかであの薄気味悪い笑い声を出して僕らの様子を伺っている気がしてならないんだ」
朝日奈「…もう寝ようよ、苗木。今日は疲れたでしょう?」
苗木「…そうだね、明日もあるし、僕は部屋に戻るよ。
おやすみなさい」
苗木くんはドアに手をかける寸前で止まった。
苗木「いろいろ思うこともあるし、散々ごちゃごちゃいったけどさ、要するにぼくは君たちと仲直りして、江ノ島と戦いたいんだ。だけど、77期生の皆を殺すのは、やめて欲しいな。君たちも、彼らも、僕の仲間なんだから」
霧切「…苗木くん」
苗木「なに?」
私も貴方と同じ。裏切っておいて今更だけれど、私も、貴方と一緒に戦いたい。だから、ここから離れないで。私たちの仲間になって。お願い。
けれど、77期生と肩を並べて戦うのは、やっぱり受け容れられない。何とかして苗木君と彼らを引き離さなくては、
さもなければ上層部は、苗木君を―――――
いや、その前に、彼に言わなければならない事があったわね。今更思い出すなんて、どうかしていたわ。
霧切「貴方を見捨ててごめんなさい。皆の敵に養われる道を選んで、ごめんなさい」
ちょっと休憩
九時頃戻って来てエピローグ書きます
罪木「…」
弐大「…早く寝たらどうじゃ。おぬしも睡眠を禁止されていたじゃろう」
罪木「あの人が姿を消してから、熟睡できたことは無いんです。だから睡眠を禁止されても、ぶったたかれても、水を大量に飲まされて胃の中のものをすべて吐き出しても、私の心にあの人がいる限り、辛くなんかありません」
弐大「江ノ島は死んだんじゃ。おぬしもわしらの仲間になれ」
罪木「あの人を見限るあなた方にそんなこと言われたってちっとも嬉しくないですう。むしろ絶望的ですね~。
それにね、私、分かるんですよ。あの人は間違いなく生きているんだって。今にこの反吐の出るような世界を絶望させて、私を迎えに来てくれますよ~。私、それまでは絶対に絶望しません。
うぷぷぷぷぷぷぷ…!!」
終わり
とりあえずこれでおしまいです。
最初に立てたやつに比べて舞台が狭くなってしまいましたが、本来このくらいの短いssを書こうとしたら長ったらしくなってしまいそうになったので、コンパクトにまとめなおしました。
思いついたらこのssの続編を新しいスレッドとして投稿したいと思っております。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません