憧「愛しの貴女へ恋文を」 (120)


咲-Saki-阿知賀編の新子憧ちゃんが高鴨穏乃ちゃんにラブレターを書く純愛百合ssです。
松実玄ちゃん暴走気味です。苦手なお方は閲覧をご遠慮ください。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454742700


宥「第82回!」

灼「新子憧ちゃんの!」

玄「しずちゃん攻略会議~~!!」

憧「///」


宥「この会議ももう82回目だね~」

灼「もうちょっとで87回だよほんと…」

憧「いや、87って別にキリ番でもないよね…?」

玄「それで?進展はありましたか?憧ちゃん」

憧「…ふふ」

灼「どうしたの…?」


憧「よくぞ聞いてくれました…なんと…」

憧「なんとこの新子憧!しずに告白することを決意いたしました!」

宥「へ~。灼ちゃんアイカツの映画見てきたんだ~」

灼「ええ。とっても面白かったです。ファッションの勉強にもなるし…」

玄「おねーちゃん!私も映画行きたいのです!プリパラ!」

宥「ん~。いい子にしてたら連れて行ってあげるね」

玄「やったのです!」

憧「…」


憧「ちょっと…人が一世一代の決意表明をしたってのに、その反応ひどくない?」

灼「いや…一世一代ってww」

宥「憧ちゃん、先週も同じこと言ってたよ…?」

玄「憧ちゃん…さすがの私も聞き飽きたよ。これじゃあ耳にタコができるんじゃなくて、イカができちゃうよ!」

灼(…??)

玄「あははは!わ、我ながら面白いのです…!」

憧「ぐ…っ。た、確かに言ったけど、今回こそは本気なの!」

玄「あはっ…ひひひ…ふーふーっ!お笑い芸人さん目指そうかな…」

灼「…どう本気なの?」

玄「うぷぷぷぷぷぷっ!フヒヒ!ひーひーひーっ!」


憧「ふふ。聞いて驚きなさい。今回はラブレターを書いてきたのよ!」

玄「はーっはーっ。今年一番笑いました…自分の才能が怖いです…」

灼「ラブレター?」

憧「そうよ。そんで、今日はこのラブレターでしずに気持ちがちゃんと伝わるかどうか、みんなに見てほしいの!」

灼「それはいいけど、ちゃんと渡せるの?」

憧「…そ、それは」

宥「いくら書いてもちゃんと渡せないと意味が…」

玄「ふ~むなるほどなるほど。しかしですね、これまで全く行動を起こせなかった憧ちゃんがラブレターを書いてきたのです。それは間違いなく進歩。そこは褒めてあげなくちゃ」

憧「ありがと…玄。でも、急に真面目になるのやめてびっくりするから」


宥「憧ちゃん…さっそくだけど、そのなんだっけ?ラ、ラ、ラブレ…なんだっけ?」

灼「ラブレウイッシュファミングシンボルカントリーです」

宥「そうそれ。ラブレウイッシュファミングシンボルカントリーを見せてほしいの」

憧「…ラブレまで出て思い出せない宥姉が1割。ふざけた灼さんが9割悪いってとこかな」

玄「ぷぷーーっ!憧ちゃん!それじゃあ全部で10割になっちゃうのです!」

憧「全部で10割で合ってるのよ…」

玄「??」


憧「で、ここに書いてきたものがあるってわけ」

灼「かわいい封筒…黒鬼?」

憧「黒猫のシルエット」

灼「視覚トリック…」

玄「はい!注目注目!!」

憧「な、なによ急に…」

玄「松実玄!超おもしろハイパーギャグ言います!」

憧「へ?え?」


玄「黒鬼さんは苦労人!!!!!!」

憧「…」

宥「…」

灼「え?どういうこと?ちょっとわかんないから説明ほし…」

玄「え?灼ちゃんわかんない?あのね、黒鬼さんと苦労人をかけて…」

灼「黒鬼?苦労人をかける…?え、どこがギャグなの?全然わかんない」

玄「だ、だからね。えっとダジャレでね…」ウルウル

灼「鬼が苦労するわけないじゃん。え?大丈夫?」

玄「うぅぅ…」


宥「灼ちゃん…あんまり玄ちゃんをいじめちゃ…わかってるよね?」

灼「ひっ!宥さん…!!」

玄「お、おねーちゃん?」

宥「ゴムのヤツ…してもいいのかな?」

灼「ゴ、ゴムのヤツだけは勘弁してください!なんでもします!ゴムだけはやめてください!!!」

憧「え?え?ゴムのヤツって何!?」

宥「う~ん。どうしよっかな~」

灼「せめて靴下のヤツにしてください!反省してます!」

宥「灼ちゃん…靴下のヤツじゃご褒美になっちゃうでしょう?」


憧「ちょっと!さっきから何の話!?」

玄「おねーちゃん。私べつに灼ちゃんのこと怒ってないから大丈夫だよ。許してあげてよ」

宥「そうお?なら、許してあげる」

灼「あ、ありがとうございます…!」

憧「これ一件落着でいいの?あたしの話続けていいの??」

玄「どうぞなのです!」


憧「えっと、とにかくラブレター書いてきたから、みんなに意見もらいたいの!」

宥「じゃあ、とりあえずみんなで見せてもらおっか。ね?」

灼「宥さんの意見に異議なんてあるはずがありません」

玄「うん!憧ちゃんの告白、絶対成功させようね!」

憧「…ん。ありがと。これなんだけど」


しずへ。

私ね、いつも寝る前に後悔するの。
それは、小学生のときの私の選択。
しずとは別の中学に行くと決めたこと。
あの時、しずと同じ道を選んでいたら…とか、いつも考えちゃうんだ。
でも、こんな後悔は二度としたくない。
だから、しずと私の時間を永遠にするために、伝えるよ。
しずのことが大好きです。




玄「うんうん!わかりやすくていいと思うよ!」

憧「そ、そうかな///」

宥「…」

灼「…」

憧「宥姉はどう?」

宥「…うん。悪くはないんだけど」


憧「修正するとこがあったらどんどん言って!」

宥「うん。あのね。ちょっと思ったんだけど、この手紙は少しつかみが弱いなって」

憧「つかみ?」

宥「うん。最初にちょっとインパクトのある一文を入れることで、この手紙にぐっと興味を持たせるの」

憧「あーなるほど。いいかもね。たとえばどうしたらいいかな?」

宥「たとえば…」


宥「最初に一文『私ね、いつも寝る前に後悔するの』のところを…」

宥「『私ね、いつも寝る前にシズニーするの♪』に変えただけで刺激が加わると思うの」

憧「いや事実だけど!それインパクトというより嫌悪感持たれちゃうわよ!」

玄「シズニーってなに?」

灼「いや。確かに下ネタはあれだけど案外いいかもしれな…」

憧「灼さんまで!」


灼「考えてもみて。シズニーってのは、穏乃への愛情から行うものでしょ?」

憧「そ、そうよ…」

灼「なら、これを読んだ穏乃はきっと『え…憧って私でそういうことするんだ…ステキ!抱いて!』ってなるよ」

憧「た、確かに言われてみれば説得力あるわね…!」

宥「そうでしょ?」

玄「ねぇねぇシズニーってなに?」


宥「じゃあ、一文目はいいとして、二文目だね」

憧「『それは、小学生のときの私の選択』って部分ね」

灼「これさ…一文目からのつながりがないよね」

宥「うん…一文目を変えたことで、ちょっと意味がつながらなくなってるね」

玄「う~ん。それならいっそ全部書き直しちゃうとか?」

憧「そ、それはだめ!ちょっとの修正ならいいけど、あくまでこの手紙はあたしからしずへの告白なんだから!」


灼「うーん。どれくらいの手直しならOKなの?」

宥「最悪この部分は残してほしいとか…」

憧「そ、そうねぇ。『小学生のときの選択』ってのが一番大事な部分だし、そこらへんのニュアンスは残しといてもらえるとありがたいわね」

宥「う~ん。難しい…」

灼「わかった!!」

玄「灼ちゃん、ニンジンを生れてはじめて食べたウサギみたいな顔してどうしたの?」

憧「すごい限定的な表情ね」

灼「思いついたんだよ!原文のニュアンスを損なわず、一文目からちゃんとつながる文が!」

憧「ほんと!?」

灼「うん…」


『私ね、いつも寝る前にシズニーするの♪』
『小学生のとき盗んだ洗濯してないしずのジャージでするんだ。』

灼「これなら完璧のはず…!」

宥「…」

憧「…」

玄「…」


玄「…す、すごい」

宥「うん。『小学生のとき』というキーワードをしっかり残してるし、いちばんやっかいな『選択』の部分を『洗濯』にすることで意味が通ってる…!」

灼「どう?憧」

憧「…」


憧「…完璧!灼さん!あなた天才ですか!?」

灼「そ、それほどでもな…///」

憧「きっとこれを読んだしずは、『うわぁ。小学生のときに盗んだジャージをいまでも使ってるなんて物持ちいいな。これは結婚したらいい奥さんになるな』って思うに決まってるわ!!」

宥「うん。この文章を読むと、5人中4.5人はそう思うよ。きっと」

憧「なんで10人中9人と言わないのか」

玄「あ、あれ…?4.5人って人間を切断するってこと…?」


憧「三文目『しずとは別の中学に行くと決めたこと。』のところはどうかな」

灼「うん。悪くないけどね、一文目、二文目が下ネタだから、そろそろあれが欲しくなってくるよね?」

憧「あ、あれってなによ?」

宥「ロマンス要素…ね」

灼「そう」

憧「え?なんでそこの二人通じ合ってるの??」

玄「ロマンスですか!いいですね!そういうの好きだよ!」


憧「ロマンスはあたしも好きだけど…どうやってこの平凡な文にロマンス要素を入れるの?」

宥「ロマンスといえば…」

灼「英語…だよね?」

憧「宥姉と灼さんの連携が謎だけど、確かに英語でラブレター書くとか憧れるわよね」

灼「でしょ?」

憧「じゃあ、これを英訳したらいいのかな?」

宥「だめ」

憧「え、な、なんでよ!?」

灼「相手は穏乃だよ?英語で書いて読み取れると思う?」


憧「あ、確かに厳しいかも…でも、それならどうすんの?」

灼「玄が書けばいい」

玄「え…?」

宥「なるほど。玄ちゃんならだいじょうぶそう」

玄「で、でも私英語には自信がなくて…」

灼「玄って旅館の手伝いとかよくしてるでしょ?」

玄「してるけど…」

灼「旅館の仕事ってお客さん一人一人に合わせて気配りをして、おもてなしをするんだよね」

宥「英語も旅館も人を思いやる心がだいじ。玄ちゃんはそれをここにいる誰よりも持ってるから」

玄「…なるほど!犬も歩けば棒に当たる、ですね!」

憧(え…?)

灼「そういうこと」

憧(え…?)


玄「よ~っし!頑張って英訳しちゃうよ~」

玄「『しずとは別の中学に行くと決めたこと。』か…」

玄「う~ん。こうかな…あれ?三単現と大三元ってどう違うんだっけ?」

玄「ビー動詞の次ってシー動詞だよね…?」

憧「だ、大丈夫かな…」


玄「な、なんとか…できたかな?」

灼「おつかれ」

憧「どれどれ」

Sizu other junior high school go decide!

玄「ど、どうかな…文法は大丈夫だと思うんだけど…」


憧「これのどこが大丈夫なのよ!玄ほんとに高二なの!?」

憧「文法めちゃくちゃっていうか…なにもかもめちゃくちゃじゃない!」

宥「ちょっと待って憧ちゃん」

憧「な、なによ宥姉」

宥「かの有名なジョンレノンは言いました」

宥「『文法という鎖は、愛を制限する』…と」

灼「つまり、文法にこだわってては愛は伝わらないってこと」

憧「た、確かに、洋楽とかって結構言葉の響き重視で文法無視してるのよね…」

宥(本当はジョンレノンそんなこと言ってないけど)

玄「ジョンレノンってドラ○もんの人?」

灼「それはジャンレノ」


憧「まぁ…玄が頑張ってくれたのを無碍にしたくないし…これで行くか」

灼「じゃあ、次の文だね」

宥「『あの時、しずと同じ道を選んでいたら…とか、いつも考えちゃうんだ。』って部分だね」

灼「この文は他の文と比べて少し異質なんだけど、それが何かわかる?」

憧「異質?そ、そうかな…全然わかんない…」

玄「はいはい!わかったのです!」

宥「はい玄ちゃんどうぞ」

玄「全部の中でこの文が一番長い文!」

憧「いやいや…確かに一番長いけど、それじゃないでしょ」


灼「玄。正解」

憧「え」

玄「やったのです!憧ちゃん憧ちゃん!やったのです!!」

憧「くっ…」

玄「憧ちゃんに勝った!偏差値100の憧ちゃんに勝った!」

灼「すごいよ、玄。憧に勝つなんて。祝勝会する?」

宥「お寿司…とろっか」

玄「うん!わさび抜きでね!」


憧「…」

灼「うん。やっぱり数の子は最高…」モグモグ

宥「サーモンも美味しい」モグモグ

玄「たまごさん甘くて美味しいのです!」モグモグ

憧(さて、祝勝会が終わるまでここまでの文章を見返しておくかな)

私ね、いつも寝る前にシズニーするの♪
小学生のとき盗んだ洗濯してないしずのジャージでするんだ。
Sizu other junior high school go decide!


宥「祝勝会も終わったところで…憧ちゃんのラ、ラブレ…ラブレター?の話に戻ろうか」

灼「そう言えば話の途中だったね。『あの時、しずと同じ道を選んでいたら…とか、いつも考えちゃうんだ。』の文が一番長い文だっていう」

憧「要するに短い文にしろってことでしょ?でもどーするの?」

宥「阿吽の呼吸って言葉…知ってる?」

憧「ん?知ってるけど?」

玄「あうんのこきゅう??」

灼「『あ』と言うだけで『うん』と理解するくらいぴったりな仲の人たちのことだよ」

玄「ほえ~」


憧「で、その阿吽の呼吸がどうかしたの?」

宥「おもしろいデータがあってね。初めての恋人とゴールインできる人の数って5%以下なんだって」

憧「ちょっと宥姉。不吉なこと言わないでよ!」

灼「大事なのはそこじゃない。95%の人間がなぜ別れたか」

憧「なぜって…なんでだろ」

宥「それはね、価値観の違いからだよ」

憧「なるほど。確かにそういう理由は多そうね。でも、あたしとしずには関係ないわ!」

灼「本当にそうと言い切れる?」

憧「あ、当たり前でしょ!?あたしたちこそ阿吽の呼吸よ!」

宥「愛というのは、時に試練が付きまとう。だから、この文にもあえて試練を作る」

灼「つまり、『あの時、しずと同じ道を選んでいたら…とか、いつも考えちゃうんだ。』の文を短く略しに略し『あ』だけにする」

宥「本当に愛し合う二人なら、この試練を乗り越えるわ。『あ』だけですべてが伝わる…そう。これこそが本当の阿吽の呼吸」


憧「そ、そんな!『あ』だけじゃなんにも…!」

灼「『あ』だけで伝わらないなら、穏乃と憧はどのみち長くは続かないよ」

憧「で、でもいくらなんでも…」

宥「憧ちゃん。怖いかもしれないけど、穏乃ちゃんと積み重ねた絆…信じてみたら?」

憧「…」

玄「な、なんか難しくてよくわからなかったけど…憧ちゃんなら大丈夫だよ!」

憧「…うん。みんなありがと。しずとの絆、信じてみるよ」


憧「さて、次の文ね。『でも、こんな後悔は二度としたくない。』ってとこだけど…ここはどうかな?」

宥「…」

灼「…」

玄「…」

憧「な、なによ黙って。ダメだしするならさっさとしてよね!」

宥「ぐすん」ウルウル

灼「ひっく…」ウルウル

玄「うえーん」ウルウル

憧「え…?」


憧「ちょっと、どうして泣いてるの!?」

宥「だ、だって…この文があまりにも感動的で」

灼「うん。切なくて暖かくて…まるで木漏れ日のよう」

玄「ただの文字列が人の心をここまで動かせるんだね…」

憧(え…この文そんなにいい?別にふつうじゃないかな…この人たち感性大丈夫なのかしら)

憧「え、ええーっと、修正するところはないってことでいいのかな?」


灼「修正なんてありえない!」

宥「もはや神への冒涜」

玄「うん。ぼーとく」

憧「そ、そっか。じゃあこの文はこのままで…」


憧「次だけど、『だから、しずと私の時間を永遠にするために、伝えるよ。』だね。どうかな?やっぱりこの文も感動的かな??」

宥「はぁ…温かくない」フルフル

灼「センスを疑うね。さっきの文が良かっただけに、この文のナンセンスさが際立つよ…」

玄「うん。ちょっと…なんて言うか、下品っていうか…」

憧「げ、下品!?さっきからアンタたちの感性ちょっとおかしくない!?」

灼「決して下品ではないよ…ただ、ちょっと古めかしい感じかな」

玄「そうだね。下品じゃないけどね。ちょっと古くて色あせてるよね!」

憧「色あせてるかなぁ…」


宥「玄ちゃん。別に色あせてはないでしょ?これは色あせてるというより、回りくどい感じかな」

玄「そうだよねぇ。さすがおねーちゃん。色あせてるってより、回りくどい。そして、なんか主張が激しいよね」

憧「そ、そうかしら…?」

灼「いや。主張が激しいってより、むしろ奥ゆかしいくらい――」

玄「そ、そうだよね!主張激しくないよね!奥ゆかしいよね!!!」ウルウル

憧「…玄。あとでアイスおごってあげるから」

玄「ほんとですか!?」

憧「うん。ハー○ンダッツ」

玄「!!!!!!!!」


宥「ってことで、この文はナンセンスで古めかしくて奥ゆかしい…」

灼「どうかな。前の文が素晴らしいから、この際いっそ前の文の引き立て役にしてしまうのは」

宥「…うん。妙案だよ。灼ちゃん」

憧「そーは言っても、引き立って役ってどんな文?」

灼「まずはこれまでの文のつながりを見てみようか」


私ね、いつも寝る前にシズニーするの♪
小学生のとき盗んだ洗濯してないしずのジャージでするんだ。
Sizu other junior high school go decide!
あ。
でも、こんな後悔は二度としたくない。
『だから、しずと私の時間を永遠にするために、伝えるよ。』

玄「引き立て役…要するに、『でも、こんな後悔は二度としたくない。』の文を目立たせればいいんだよね!ならさ!こんな文はどうかな!」


玄「こう!」カキカキ

私ね、いつも寝る前にシズニーするの♪
小学生のとき盗んだ洗濯してないしずのジャージでするんだ。
Sizu other junior high school go decide!
あ。
でも、こんな後悔は二度としたくない。
『↑の文、すっごい自信あるよ!!』

玄「どうかな??」

宥「…」

灼「…」

憧(あちゃー…)


宥「玄ちゃん。お姉ちゃんは誇らしいよ」

玄「おねーちゃん?」

宥「玄ちゃんがこんなに作文の才能があったなんて」

灼「うん。悔しいけど一本とられた。まさか自信あるとそのまま書いてしまうなんて、逆転の発想だよ…」

玄「!!」

憧(え…まじ!?)

憧「ちょ、ちょっと待って!流石にこれは――」

玄「うぅぅ…ぐすっ」


憧「え!?」

玄「私ね、さっきいっぱい失敗しちゃったでしょ?憧ちゃんのためにいっぱいがんばりたかったのに役に立てないのかなーって思って、とっても悔しかったんだ。でも、今やっと役に立てて、とっても嬉しいです!」

宥「うん…!うん…!」

灼「自分のことのようにうれし…」

憧「あー…、そ、そうね。考えてみればこれ凄いセンスある気がする!」

玄「憧ちゃん…!」

憧「玄。ありがとっ」

玄「うんっ!」


灼「さて、最後の一文だね」

宥「『しずのことが大好きです。』」

玄「うん。結局これが一番大切なことだよね」

灼「確かに一番大切なんだけど、それだけでいいのかな…」

憧「ど、どういう意味よ…?」

灼「憧は穏乃に大好きだって伝えるだけでいいの?」

憧「伝えるだけでって…?」

宥「たとえばね。大好きですって伝えたとすると…」


……
………


憧『しずのことが大好きです!』

穏乃『わーい!私もー!』

憧『いえーい!』

穏乃『いえーい…!』

憧『…』

穏乃『…』

憧穏乃(え、この空気なに…?)


………
……


宥「っていうふうになるよね?」

憧「そ、そうかな…」

灼「何が言いたいかと言うと、目的を明確にしとくべきってこと」

憧「ああ!しっかり付き合って下さいって書いた方がいいってことね!」

灼「うん。それもそうだけど」

宥「付き合ってくださいだけだとね…」


……
………


憧『大好きです!付き合ってください!』

穏乃『う、うん///これからよろしくね』

憧『…うん///』

穏乃『はい付き合った。言われた通り付き合ったからもう別れよっか』

憧『ガガガガーン!』

………
……


宥「こうなる可能性があるよね」

憧「イヤよ!すぐ別れるとか絶対イヤ!」

灼「憧は最終的には穏乃とどうなりたいの?」

憧「そりゃ結婚よ!iPS細胞で子供も欲しいし!」

宥「それだけでいいの?この際、やりたいこと全部書いておかないと、あとあと大変だよ?」

憧「そうね!ええーっと、あれもしたいこれもしたい…」

灼「ふんふむ。これらをまとめると…」


私ね、いつも寝る前にシズニーするの♪
小学生のとき盗んだ洗濯してないしずのジャージでするんだ。
Sizu other junior high school go decide!
あ。
でも、こんな後悔は二度としたくない。
↑の文、すっごい自信あるよ!!
しず(以下「甲」)と私(以下「乙」)は以下にのっとりお付き合いします。
第一条 甲は乙と交際開始後三日以内に結婚する。
第二条 甲、乙共にいかなる理由があろうとも離婚は認められない。
第三条 iPS細胞を用い、子供を二人(姉妹百合)作る。
第四条 甲と乙は一日三回はえっちぃことを(罵倒、ロウソク、ムチ、踏みつけ等を甲から乙へ)行う。
第五条  甲は乙に無償でジャージ(三年以上着用済み)を提供する。
第六条  甲、乙共に結婚後もたまには松実玄と遊んであげる。
第七条  甲、乙共に鷺森灼と赤土晴絵の交際を応援する。
以上



宥「これで穏乃ちゃんも言い逃れできないね」

灼「ん。完璧」

憧「宥姉が契約書の書き方知っててよかったー」

玄「私のお願いまで書いてくれてありがとうね~」

憧「こんなの書かなくても玄とはいつだって遊んであげるわよ!」

宥「うん。みんな仲良し阿知賀女子麻雀部はあったかあったか」

灼「100年後もみんな一緒…」


灼「さてさて、これでラブレターは完成だね」

宥「あとは憧ちゃんが勇気を見せるだけだねぇ」

玄「憧ちゃん!ぜったいだいじょうぶ!」

憧「みんな…!」

憧「これまで、本当に本当にありがとう…あたし、幸せになるっ!」

灼「ふふ。気が早…」

憧「あはっ。ちょっと気が早いけど、このみんなで考えたラブレターなら失敗するはずないじゃん?」

宥「そうだね」

憧「最初のデートはどこにしようかな~」

玄「お泊りするなら是非うちの旅館へ!!」

憧「きゃー!お泊り!!」

ワイワイガヤガヤ


翌日

穏乃「なんだよ憧、急にこんなトコ呼び出してさ」

憧「あ、はは。ごめんね急に。でも、どうしても渡したいものがあってさ」

穏乃「ラーメンか!?」

憧「違うわよ…」

穏乃「なーんだ」

憧「…」

穏乃「…えっと、私に渡したいものって」

憧「あ、あのね…手紙、なんだけど」


穏乃「手紙?直接は言えないこと?」

憧「…うん。ちょっと勇気が足りなくて。だから手紙にしたんだ」

穏乃(勇気…?)

穏乃「うん。いいよ。今読んでいい?」

憧「だ、だめ!家で読んで!!」

穏乃「なんだよー、気になるじゃんかよ」

憧「…」

穏乃「…わ、わかったよ。家で読む」

憧「…ありがと」


夜 高鴨家

穏乃「憧が手紙なんてくれるのなんて小学校以来だなー」

穏乃「妙に深刻な雰囲気あったから、開けるのちょっと緊張する…」ドキドキ

穏乃「よしっ。開けるぞ!」

私ね、いつも寝る前にシズニーするの♪
小学生のとき盗んだ洗濯してないしずのジャージでするんだ。
Sizu other junior high school go decide!
あ。
でも、こんな後悔は二度としたくない。
↑の文、すっごい自信あるよ!!
しず(以下「甲」)と私(以下「乙」)は以下にのっとりお付き合いします。
第一条 甲は乙と交際開始後三日以内に結婚する。
第二条 甲、乙共にいかなる理由があろうとも離婚は認められない。
第三条 iPS細胞を用い、子供を二人(姉妹百合)作る。
第四条 甲と乙は一日三回はえっちぃことを(罵倒、ロウソク、ムチ、踏みつけ等を甲から乙へ)行う。
第五条 甲は乙に無償でジャージ(三年以上着用済み)を提供する。
第六条 甲、乙共に結婚後もたまには松実玄と遊んであげる。
第七条 甲、乙共に鷺森灼と赤土晴絵の交際を応援する。
以上


穏乃「…………………」

穏乃「……え」

穏乃「」


翌日

憧(しず…手紙読んでくれたかな)

穏乃「あ、憧…」

憧「しず…あの…」

穏乃「手紙、読んだよ」

憧「そ、そっか。それで…その…」

穏乃「あれって…さ」

憧「…」

穏乃「なにかの悪ふざけ?ドッキリとか??」


憧「え…」

穏乃「だってさー、ツッコミどころ多すぎだろ?」

穏乃「文章意味不明だし」

穏乃「なんか憧が私のことをそういう意味で好きみたいに書いてるし…」

穏乃「ネタとしてちょっとギリギリのラインだよ?」

憧「――ない」

穏乃「…?」

憧「ドッキリとか、悪ふざけじゃ…ないよ」


穏乃「…ちょっと待って。憧、落ち着いて」

憧「あれ、本気なんだよ!あたし、本気なんだよ!」

穏乃「憧。待って。今なら許してあげるから、これ、冗談なんだろ?」

憧「冗談なんかじゃない!あたし、しずのこと本気で――」

穏乃「ストップ!」

憧「っ」

穏乃「憧。本当に、本当に本気で私のことを…?」

憧「…」コクリ

穏乃「憧。私たちって女子校で、男子と全く接点のない世界にいるじゃん?」

憧「え…」


穏乃「だからさ…憧は思春期特有の勘違いってヤツをしてるんじゃないかな…?」

憧「…ちがう」

穏乃「…」

憧「小学校のときからだよ…その時は男子だっていた」

穏乃「子供の時じゃん」

憧「今だって、子供だよ」

穏乃「…憧」

憧「ねぇ、これってだめなことなの!?しずを好きでいちゃだめなの!?」

穏乃「憧はさ…可愛いし、頭もいいし、もっといい相手がいるよ」

憧「しず以外…絶対いや」

穏乃「それはきっと、一時的な勘違いだよ」

穏乃「今日のこと、忘れる。だからさ、これまで通り親友でいようよ」

穏乃「そうしたらきっと、将来、あんなこともあったねーって笑いあえるから」

憧「ちがうよ…あたし、本気でしずのこと…勘違いとかじゃ…ぜったい…!!」ポロポロ

穏乃「…憧」ダキッ

憧「!!」


憧「なによぉ・・・・どうして抱きしめたりするのよぉ!」ボロボロ

穏乃「…こんなに泣いてる憧を放っておけないよ」

憧「そういうとこ…うぅ」

穏乃「ごめん。でも、きっと分かるときが来るから」

憧「…うぅぅ」

穏乃「これからも、親友でいてくれる?」

憧「…いや。恋人がいい」

穏乃「憧…わかってよ」

憧「…」

憧「恋人がいいけど…親友にさえ戻れないのはもっといや」

穏乃「…うん」

憧「…ごめんね。しず」

穏乃「ううん。私の方こそ」



……
………

穏乃「落ち着いた?」

憧「…うん」

穏乃「じゃあ、部室行こうか」

憧「…うん」

穏乃「今日こそ九連宝燈あがるぞー」

憧「私も、負けないから!」

穏乃「…うん!」


宥「憧ちゃん絶好調だね」フルフル

玄「うわ。今日の憧ちゃんは飛ぶ鳥も落とす勢いだねー」

灼「玄…難しい言葉を…!」

穏乃「く~、やられた~」

憧「どうよ!ぶっちぎりの一位よ!」

穏乃(うん。いつも通りの憧だ)


翌日

玄「それで!どうだった憧ちゃん!?」

宥「…」ドキドキ

灼「…」

憧「…あー、それがさー」

宥「…」

灼「…」

憧「みんなに頑張ってもらったのに申し訳ないけど…だめ、だったんだよね」

宥「…憧ちゃん」

灼「…」

玄「…」


憧「もー!みんな暗い顔しないで!」

玄「で、でも」

憧「しずはこれからも親友でいてくれるって言ってたし!」

憧「ダメ元だったんだから、最悪の事態にならなかっただけラッキーだったんだよ!」

憧「だから…さ、みんな…」

灼「憧。無理しなくていい。私たちだって憧の親友なんだから」

憧「今、そんな言葉…かけられるとっ、逆に…」グズッ

宥「よしよ~し。よく頑張ったね。憧ちゃん」

玄「今日は私たちが憧ちゃんのお姉ちゃんになってあげますのだ!」

憧「…宥姉と灼さんは分かるけど、玄はちょっと」

玄「な、なんとっ!」


憧「…ありがと」

玄「いいんだよ~」

宥「…うん」

灼「…明日から、また頑張れそう?」

憧「しずと…みんながいるから」

灼「そっか」


翌日
学校
休憩時間

穏乃「…」

穏乃(憧は…派手目なクラスメイトたちと何か流行の話をしている)

穏乃(憧って友達多いよなー)

穏乃(…正直、私はあまり多い方じゃない)

穏乃(……うん。憧が元気そうで良かったよ)

憧「…!」

穏乃(あ、憧がこっちに気付いた)


憧「しーずっ!」

穏乃「憧。おはよう」

憧「おはよっ」

穏乃「今日さ、帰りに一緒にラーメン屋行かない?」

憧「ごめん!すっごい一緒に行きたいんだけど、阿太峯の子たちとカラオケ行く約束しててさー」

穏乃「中学の頃の友達だよね」

憧「うん。ほんとごめん!そうだ!明日一緒に行こうよ!」

穏乃「明日…そうだね。一緒に行こう」

憧「やった」


翌日
放課後

穏乃「憧っ!ラーメン屋行こうっ!」

憧「うんっ」

A「あ、あの!」

憧「ん?あ、隣のクラスのAさんじゃん!」

A「新子さんに…お話しがあって…」

憧「話?」

A「はい…」

憧「あー、でも今日はちょっと…」

穏乃「いいよ。外で待ってるから」

憧「そ、そう?ごめんね。すぐ終わらすから」


A「実は…入学したときから新子さんのことが好きでした!」

憧「えぇっ!」

A「新子さんは可愛くて、麻雀も強くて、賢くて…私の理想のお姉さまなんです!」

憧「え…お姉さま?私たち同級生だよね」

A「私、女子高に入ったのだって、運命のお姉さまに巡り合うためだったし…」

A「…それに、恋愛に性別は関係ありません!!」

憧「いや、ちょっと待って、なんか会話おかしいし…」

A「お付き合いしてくれませんか!?」

憧「…」


穏乃「う~ん。憧、Aさんと何話してるんだろ…」

穏乃(気になる…)

穏乃「…」ソワソワ

穏乃(ちょっとだけ覗いてみる…?)

穏乃「…だめだだめだ!」

穏乃(でも、憧が私の知らない人と、どういう話をして、どういう付き合いをしているのか…)

穏乃(気になってしかたない…!)

穏乃「ちょっとだけ…」


A『お付き合いしてください!』

穏乃(うわっ!これ告白じゃん!)

憧『…』

穏乃(憧…どう答えるんだろ?)

憧『Aさん…』

穏乃(断る…よね?だって憧が好きなのは…)

憧『私みたいなのを好きになってくれたこと、とっても嬉しい』

穏乃(でも、それは前までの話なんじゃないか…?私が憧をフったわけだし…)

憧『でも、あたし、好きなヤツがいるんだ。ずっと片思いだけどね』

A『憧お姉さまが…片思い…?』

穏乃(私のことだよね…?そう思うと、なんか心がふわふわする…)

A『それって憧お姉さまの良さに気付いてないってことですよね!?そんな人放っておいて、私と付き合いましょうよ!絶対その方がいいですよ!!』

憧『…』

穏乃(…)


憧『確かにAさんの言うとおり、アイツはあたしのこと親友としか見てないよ』

憧『恋人になることだってきっと叶わない』

憧『でも、ね』

憧『あたしさ、笑っちゃうくらいアイツのこと好きなんだよね』

A『お姉さま…』

憧『実はさ、この前告白して振られたばっかりでね』

憧『告白したときに、あたしの気持ちはきっと勘違いだって言われて気が付いた。ああ、この人はきっと、あたしたちの側じゃない、普通の恋愛ができる人なんだって』


憧『もし、あたしとアイツが付き合ったら、辛いことがいっぱいある。男の人と恋愛するより何十倍も』

憧『あたしは、アイツに幸せになってほしいのが一番の願いだからさ』

憧『アイツが笑顔でいてくれるのなら、アイツの隣にいるのはあたしじゃなくていい』

憧『親友として、アイツの笑顔を見続けられるのなら、どんなに幸せだろうって』

憧『だから、叶わない恋でも、あたしはアイツ以外を好きにはなれないんだ。ごめんね』

A『…ふふ』

憧『??』

A『…お姉さまらしいです』

憧『うん。ごめんね』


穏乃(…………)

ドキドキドキドキ

穏乃「憧…」

ドキドキドキドキドキドキ

穏乃(この短い一生の中で…)

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

穏乃(こんなにも私を想ってくれる人に、果たしてこの先出会えるのかな…)

どきどきどきどきどきどきどきどきどき


憧「しずーっ!お待たせー!!」

穏乃「わわわっ!!」

憧「おぅっ!そんなに驚かれると逆にこっちが驚くじゃない」

穏乃「ご、ごめん!話、もう終わったの?」

憧「うん。ラーメン屋さん、行こっか」

穏乃「…おう」


ラーメン屋

穏乃「やっぱ特盛チャーシューネギラーメンは最高!」

憧「あんたの食欲はどっから湧いてるのよ…」

穏乃「普通だろー?」

憧「普通ではないわね」

穏乃「…」

憧「…?」

穏乃「普通じゃないことって、やっぱおかしいのかな」

憧「…え、急にどうしたの?」

穏乃「なんでもない」

憧「…?」


憧「まさかあの後ギョーザとチャーハン追加で食べるとは…」

穏乃「いやさー、いろいろ考えてたらお腹減っちゃって」

憧「あはは。しずらしいよ」

穏乃「ん。それっじゃ、お会計済ませて帰ろっか」

憧「うん」


穏乃「うわー!ザーザー降りだ!」

憧「ラーメン屋さん入ったときは晴れてたのにねー」

穏乃「ダッシュしかないかなー…」

憧「待って。あたし折りたたみ持ってる」

穏乃「さずが、準備いいなー」

憧「あの…しずさえよければ、入って行く?」

穏乃「いいの?」

憧「…うん。しずが良ければ」

穏乃「じゃあ、お邪魔させてもらおうかな」

憧「うん…///」


穏乃「なんかごめんなー、私の家まで送ってもらっちゃって…」

憧「いいっていいって。困ったときはお互いさまでしょ?」

穏乃「ありがとうな」

憧「うん。それじゃあまたね!」

穏乃「また――」

穏乃「ちょっと待って!」

憧「…え?」

穏乃「憧の左肩、びしょ濡れじゃん!!」

憧「あー…大丈夫よ!」

穏乃「だめだって!風邪ひいたらどうすんだよ!」

憧「大丈夫だって!あたし案外丈夫なんだよ!」


穏乃「うちでシャワー使ってけよ。その間に制服乾かすから」

憧「悪いしいいわよ」

穏乃「いいやだめだ。使って行け!」

憧「…もう。言い出したら聞かないんだから。じゃあ、お言葉に甘えるわね」

穏乃「わかればよろしいっ」


憧「じゃあ、シャワー行ってくるわね」

穏乃「おう」

穏乃「…」

穏乃(それにしても、なんであんなに左肩だけびしょ濡れだったんだ…?)

穏乃(私なんて全く濡れてないのに…)

穏乃(…)

穏乃(もしかして…!)


憧「いやー、さっぱりしたわー」

穏乃「…」

憧「あ、制服乾燥かけといてくれたんだ。ありがと」

穏乃「な、なぁ。憧」

憧「ん?」

穏乃「もしかしてさ…さっき、憧の左肩だけびしょ濡れだったのって、私に雨がかからないようにしてたから…?」

憧「…」

憧「…よくわかったわね。こういうの本人に気が付かれずにできるとカッコイイんだけどなー」

穏乃「…憧」

ドキドキ

憧「…なに?しず」

穏乃「どうして…そんなこと。憧だって濡れたら風邪引くかもだし…」

ドキドキドキ

憧「ちょっと待って!あたし気が付かずに先にお風呂入っちゃったけど、あんたこそ濡れてないの!?」

穏乃「え?」

憧「風邪ひいたら大変よ!一応お風呂行っておきなさい!」

穏乃(また…自分のことよりも、私のことを…)

ドキドキドキドキ

穏乃「…」

憧「急に黙ってどうしたのよ!?もしかして寒いの!?えっと…暖房のスイッチは…」

ドキドキドキドキドキドキ

穏乃「あぁぁぁぁっーーーーー!!!」


憧「どーしたの!?」

穏乃「わかった。ようやくわかった」

憧「は、はぁ?」

穏乃「憧。今日はありがとう。ちょっと考えるから、着替えたら帰ってくれる?」

憧「・・・い、いいけど。あんたも、しっかり暖かくしとくのよ」

穏乃「…うん///」


その夜

穏乃(もう、嘘もごまかしもいらない)

穏乃(私は…)

穏乃(まちがいなく…)




穏乃「憧に、恋をしている――」




翌朝

憧「しーずっ!おはよ!」

穏乃「わわわっ!」

憧「え、ビビりすぎでしょw」

穏乃「ご、ごめん…///」

憧「昨日はありがとね」

穏乃「き、昨日…?あ、あぁ、いいよ、全然。私の方こそ…その…///」

穏乃「…ありがと///」

憧「あはは。ちょっとはポイント稼ぎになったかなー…なんつって」


穏乃「…」

憧「…ちょ、ちょっと。つっこんでくれなきゃなんかガチに聞こえるじゃん」

穏乃「…あ、あぁ」

憧「大丈夫だって。ちゃんとしずのことは割り切ったから」

穏乃「割り切った…そっか。そうだったよね」

憧「…?」


放課後
部室

穏乃「失礼しまーす。あ、私が一番乗りか」

穏乃「今日は憧も家の手伝いでいないし、先輩方を待つか」

穏乃「…」

穏乃(そうだよね。私、憧の告白を断ったんだよね)

穏乃(きっと、憧のこと傷つけた…)

穏乃(今さら実は好きでしたなんて、都合良すぎだよね…)

穏乃(…なんだか、胸が苦しいよ)


玄「お待たせですのだ!」

宥「お待たせ~」

灼「今日、憧は休みだったよね」

穏乃「あ、みなさん…」

灼「メンツそろったし、さっそく打とうか」


穏乃「そ、その前に少し皆さんに相談したいことがあるのですが…あの…」

玄「相談?」

宥「なんでも聞くよ」フルフル

灼「…どうしたの?」

穏乃「ええ。驚かないで聞いてほしいんですけど」

宥「…うん」

穏乃「その…実はですね、この前、憧に告白されまして…」

宥「え、そうなんだ…」

灼「憧が…」

玄「え?みんな知ってることだよね?だって憧ちゃんのラブレ――もごもご」

灼「玄っ!で、返事に迷ってるとか?」

玄「え?返事はお断りだったって憧ちゃんが――もごもご」

宥「玄ちゃん…めっ」


穏乃「返事は…その、付き合えないって言って断ったんです。いったんは」

灼「いったんは?」

穏乃「…はい。その時は、女の子同士で付き合うとか、正直ちょっとよくわからなかったんです」

宥「…」

穏乃「でも、この一件以来、なんていうか…憧のこと意識しちゃって…」

玄「…」

穏乃「憧はいつも自分のことより私のことを考えてくれていて…こんなに私のこと好きでいてくれるんだって思うと…なんか…」


穏乃「でも、今更好きだなんて都合のいいこと言えなくって。毎日、苦しくて…」

穏乃「あ、あはは。すみません…こんなこと皆さんに相談しても、困らせてしまうだけですよね」

灼「ううん。そんなことない」

宥「穏乃ちゃんの悩みは私たちみんなの悩みだから」

玄「うん。話してくれて、うれしいよっ」

穏乃「みなさん…!」


宥「あのね。穏乃ちゃん」

穏乃「はい」

宥「実はね、私たち、憧ちゃんが穏乃ちゃんに告白したこと知ってたんだ」

穏乃「え、そうだったんですか…」

灼「うん。なんで知ってたと思う?」

穏乃「…なんでだろ。すみません。わかりません」

玄「憧ちゃんね、しずちゃんのことが大好きだけど、なかなか告白する勇気が出なくて、ずっと私たちに相談してたんだ」

穏乃「そうだったんですか…」


宥「穏乃ちゃん攻略会議って言ってね、もう82回もやってるんだよ」

灼「もうすぐで87回になるところだったよ」

穏乃「そ、そんなに…」

玄「憧ちゃんはずっとずっと考えてて、私たちの耳にタコができるくらい相談して…やっと勇気を出したんだよ」

穏乃「…」

玄「今度は、しずちゃんが勇気見せる番…じゃないかな」

穏乃「…」


穏乃「…そうですよね。こんなことでクヨクヨするなんて、私に想いを伝えてくれた憧に失礼ですよね!」

穏乃「うぉぉぉぉぉ!!燃えてきた!」

穏乃「伝える!ほんとは大好きって伝える!あと、ごめんも言う!」

穏乃「みなさん!ありがとうございました!!」

灼「ふふ。がんば…」

宥「成功祈ってるよ」

玄「だいじょうぶ!がんばって!」


翌日

穏乃「あ、憧―!ごめん待たせちゃった?」

憧「ううん。今来たとこ。でも、それにしても突然二人っきりで会いたいなんて、どうしたの?」

穏乃「…うん。これからさ、一緒に山に登らない?」

憧「や、山!?突然ね」

穏乃「だめ…かな?」

憧「…ううん。だめじゃないけど、あんまり高くないとこにしてよ?」

穏乃「うん。ありがと」


憧「はーっ、はーっ…あと頂上までどんくらいー?」

穏乃「今八合目。もうちょっとだよ」

憧「もー、汗でお化粧落ちちゃうよー」

穏乃「化粧なんかなくても、憧は可愛いから大丈夫だよ」

憧「…へ!?う、うん。ありがと///」

穏乃「こうして憧と山に登るのも久しぶりだよね」

憧「そうねー。昔は野山を駆け回ってたのに、今は体力落ちたわー」

穏乃「よかったらさ、これからはまた一緒に登ろうよ」


憧「…うん。いいかもね」

穏乃「秋になったらさ、紅葉がキレイなとこあるんだ」

憧「いいわねぇ」

穏乃「冬は、山頂で初日の出を見たいな」

憧「あ、そのシチュエーション、ドラマとかでよく見て憧れてた」

穏乃「春はやっぱり桜だよね。千本桜、地元だし」

憧「地元だと案外行く機会ないしね。しずと一緒に行けたら嬉しいな」

穏乃「夏は…新緑の中、木漏れ日の差し込む山道を歩くのが気持ちいいよ」


穏乃「そうして、巡る季節を憧と一緒にずっと見ていたい」

憧「…しず?」ドキドキ

穏乃「ほら、もう少しで山頂だよ」

憧「…!」


憧「うわー!景色いいわねー!」

穏乃「だろ?」

憧「…これぞ登山の醍醐味って感じ」

穏乃「そうだね。憧と来れて良かった」

憧「…」ドキッ

穏乃「憧…」

憧「ま、待って!あたし今、ありえないこと、想像してる…」

穏乃「ありえないこと?」

憧「しずが…その…告白してくるんじゃないかって、そんなのありえないのに…」


憧「この恋はもう叶わなくて、諦めたはずなのに…」

憧「あはは…あたし、ばかだね」

穏乃「憧はバカじゃないよ。バカだったのは私の方だよ」

憧「しず…?」

穏乃「憧は言ったよね。小学生のときから私のことを好きでいてくれたって」

憧「…」

穏乃「思い返してみると、私は憧のその気持ちに何度も救われてきたんだ」


穏乃「一緒に野山を駆けた日も、こども麻雀クラブで遊んだときも…憧が私の無謀とも思える夢を一緒に見てくれたときも」

穏乃「いつだって憧は私のことを好きでいてくれた。きっと、自分のことよりも」

憧「…うん」

穏乃「そのことにバカな私はなかなか気が付かなくてさ…こんなに近くにいるのに」

憧「…」

穏乃「これからもずっと憧に好きでいてほしい」

憧「…!!」


穏乃「これまで憧に好きでいてもらったぶんも…ううん。もっともっとたくさん私も憧を好きになる」

穏乃「…ていうかさ、もう既に私は憧に恋しちゃってるんだよ」

穏乃「だから、私だけの人になってください」

穏乃「私は、憧のことが…」

穏乃「大好きです」


憧「………………!!」

憧「…しずっ」ポロポロ

憧「いいの?ほんとにあたしでいいの?あたしたち女の子同士だよ?辛いこと…きっといっぱいあるよ?」

穏乃「うん。きっと簡単な恋じゃない。でもさ、私は憧が隣にいてくれるだけで幸せなんだ」

穏乃「同じように、憧にとってもそうありたいと思ってる」

穏乃「憧も、私も、二人でいるだけでどんなことがあってもハッピーってなればいんだよ」

憧「…うんっ。うんっ。あたしも、しずといるだけで幸せっ!一緒にいられたら、恋人でいれたら、他になんにもいらないっ!」

穏乃「じゃあ、恋人になってくれる?」ニコリ

憧「…うん。よろしくお願いします」ニコリ


数年後

穏乃「憧、準備できた?」

憧「…うん」

穏乃「キレイだよ」

憧「…///」

穏乃「緊張、してる?」

憧「…うん。だって、やっとこの日を迎えられたから」

穏乃「…ふふ」

憧「…」

穏乃「玄さんは小銭だったりして」


憧「ぷっ。いくら玄でもそれはないんじゃない?」

穏乃「灼さんにブーケ投げてあげなきゃね」

憧「ハルエと幸せになって欲しいからね」

穏乃「宥さん、さっき会ったんだけど、めっちゃモコモコのドレス着てた…」

憧「あー、なんか想像できるわー」


穏乃「…」

憧「…」

穏乃「リラックスした?」

憧「…うん。あんがと」

穏乃「…」


穏乃「ずいぶん遅くなっちゃったけど、憧との約束、また一つ守れそうだよ」

憧「ん?約束?」

穏乃「んーん。なんでもない」

穏乃「気が早い話だけどさ、子供は二人欲しいよね。仲のいい姉妹!」

憧「ふふ。気がはやーい」

穏乃「誕生日にあげた私のジャージ、まだあれと一緒に寝てるの?」

憧「昔はね。今は…本物が一緒に寝てくれるから」

穏乃「そうだったね」


穏乃「憧とはどんなことがあっても離れないし、阿知賀のみんなともずっと仲良しでいたいよね」

憧「うん。当たり前じゃん」

穏乃「…」

憧「しずの方こそ緊張してるんじゃないの~?さっきから脈絡のないこと聞いてきちゃってさ」

穏乃「あはは。そうかも」


憧「じゃ、行こうか」

穏乃「…うん」


カン!


私ね、いつも寝る前にシズニーするの♪
小学生のとき盗んだ洗濯してないしずのジャージでするんだ。
Sizu other junior high school go decide!
あ。
でも、こんな後悔は二度としたくない。
↑の文、すっごい自信あるよ!!
しず(以下「甲」)と私(以下「乙」)は以下にのっとりお付き合いします。
第一条 甲は乙と交際開始後三日以内に結婚する。
第二条 甲、乙共にいかなる理由があろうとも離婚は認められない。
第三条 iPS細胞を用い、子供を二人(姉妹百合)作る。
第四条 甲と乙は一日三回はえっちぃことを(罵倒、ロウソク、ムチ、踏みつけ等を甲から乙へ)行う。
第五条 甲は乙に無償でジャージ(三年以上着用済み)を提供する。
第六条 甲、乙共に結婚後もたまには松実玄と遊んであげる。
第七条 甲、乙共に鷺森灼と赤土晴絵の交際を応援する。
以上

以上となります。
見てくださった方、もしいらっしゃったのなら
ありがとうございました。
穏憧ほんと好きです。
皆さんも書きませんか。
待ってます。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom